(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6093469
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】ファイル
(51)【国際特許分類】
B42F 7/00 20060101AFI20170227BHJP
B42F 7/06 20060101ALN20170227BHJP
【FI】
B42F7/00 B
B42F7/00 E
!B42F7/06
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-108811(P2016-108811)
(22)【出願日】2016年5月31日
【審査請求日】2016年9月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】397001189
【氏名又は名称】株式会社ソノ
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(74)【代理人】
【識別番号】100166659
【弁理士】
【氏名又は名称】楠 和也
(72)【発明者】
【氏名】園 裕
(72)【発明者】
【氏名】園 敬司
【審査官】
砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭55−133996(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3150186(JP,U)
【文献】
実開平2−10065(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 1/00−23/00
B42D 1/00−15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表表紙(1a)及び裏表紙(1b)を有する表紙部(1)と、
表表紙(1a)及び裏表紙(1b)が開閉可能に連結される背表紙部(2)と、
表表紙(1a)と裏表紙(1b)とを、互いに対向するように折畳まれた閉姿勢でロックするマグネット部(4)とを備えたファイルにおいて、
前記表紙部(1)が閉じられた状態で表表紙(1a)及び裏表紙(1b)の一方を他方に対してずれるようにスライドさせる解除操作によって、マグネット部(4)による上記ロックが解除されるように構成され、
前記背表紙部(2)の左右両端側に、上記解除操作を行う解除操作部(8)を設け、一対の解除操作部(8,8)を互いに近接する側に傾斜させた
ことを特徴とするファイル。
【請求項2】
表表紙(1a)及び裏表紙(1b)を有する表紙部(1)と、
表表紙(1a)及び裏表紙(1b)が開閉可能に連結される背表紙部(2)と、
表表紙(1a)と裏表紙(1b)とを、互いに対向するように折畳まれた閉姿勢でロックするマグネット部(4)とを備えたファイルにおいて、
前記表紙部(1)が閉じられた状態で表表紙(1a)及び裏表紙(1b)の一方を他方に対してずれるようにスライドさせる解除操作によって、マグネット部(4)による上記ロックが解除されるように構成され、
前記表紙部(1)は、少なくとも板状の発泡スチロールからなる芯材(13)と、該芯材(13)よりもクッション性の高いクッション層(16)とを備えた積層構造とし、
前記芯材(13)に形成した収容部(13a)にマグネット(6)を収容することにより、前記マグネット部(4)を形成した
ことを特徴とするファイル。
【請求項3】
前記マグネット部(4)は、閉姿勢の表表紙(1a)及び裏表紙(1b)を、開閉端側の内面側でロックするように設けた
請求項1又は2の何れかに記載のファイル。
【請求項4】
前記マグネット部(4)は、閉姿勢の表表紙(1a)と裏表紙(1b)とを、一方側の表紙部(1)の外面側でロックするように設けた
請求項1又は2の何れかに記載のファイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表紙部を閉姿勢でロックできるファイルに関する。
【背景技術】
【0002】
表表紙及び裏表紙を有する表紙部と、表表紙及び裏表紙が連結部を介してそれぞれ連結される背表紙部と、表表紙と裏表紙とが互いに対向するように折畳まれた閉姿勢で、表表紙及び裏表紙が互いに吸着させることにより、該閉姿勢をロックするマグネット部とを備え、閉姿勢の表表紙と裏表紙との間に書類が収容された場合であっても、書類の重さによって一方側の表紙部がずれることがないように、閉姿勢でロックすることができる特許文献1に記載のファイルが従来公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−212307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献のファイルは、裏表紙の開閉端側に表表紙の端部側と当接する帯状の当接部を延設し、該当接部と、表表紙の開閉端側とをマグネットで吸着することにより、表紙部を閉姿勢でロックできるものであるが、閉姿勢でロックされたファイルを開くためには、作業者は、両手を使ってマグネットによる当接部と表表紙の端部側との吸着を解除する必要があり、ファイルのロック解除に手間がかかる場合があるという課題があった。
【0005】
本発明では、マグネットにより、表表紙と裏表紙とを対向させた閉姿勢でロックできるファイルにおいて、ファイルの閉姿勢でのロック解除操作をスムーズに行うことができるファイルを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、第1に、表表紙1a及び裏表紙1bを有する表紙部1と、表表紙1a及び裏表紙1bが開閉可能に連結される背表紙部2と、表表紙1aと裏表紙1bとが互いに対向するように折畳まれた閉姿勢をロックするマグネット部4とを備えたファイルにおいて、前記背表紙部2は、上記表紙部1が閉じられた状態で表表紙1a及び裏表紙1bの一方を他方に対してずれるようにスライドさせる解除操作によって、マグネット部4による上記ロックが解除されるように構成され
、前記背表紙部2の左右両端側に、上記解除操作を行う解除操作部8を設け、一対の解除操作部8,8を互いに近接する側に傾斜させたたことを特徴としている。
【0007】
第2に、
表表紙1a及び裏表紙1bを有する表紙部1と、表表紙1a及び裏表紙1bが開閉可能に連結される背表紙部2と、表表紙1aと裏表紙1bとが互いに対向するように折畳まれた閉姿勢をロックするマグネット部4とを備えたファイルにおいて、前記背表紙部2は、上記表紙部1が閉じられた状態で表表紙1a及び裏表紙1bの一方を他方に対してずれるようにスライドさせる解除操作によって、マグネット部4による上記ロックが解除されるように構成され、前記表紙部1は、少なくとも板状の発泡スチロールからなる芯材13と、該芯材13よりもクッション性の高いクッション層16とを備えた積層構造とし、前記芯材13に形成した収容部13aにマグネット6を収容することにより、前記マグネット部4を形成したことを特徴としている。
【0008】
第3に、前記マグネット部4は、閉姿勢の表表紙1a及び裏表紙1bを、開閉端側の内面側でロックするように設けたことを特徴としている。
【0009】
第4に、前記マグネット部4は、閉姿勢の表表紙1aと裏表紙1bとを、一方側の表紙部1の外面側でロックするように設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
前記表紙部は、閉姿勢で対向配置された表表紙と裏表紙とをずらすようにスライドさせる解除操作をすることにより、マグネット部によるロックを解除できるため、マグネット部による吸着を直接力任せに分離させるものと比較して、解除操作をスムーズ且つ容易に行うことができる。
【0011】
また、前記背表紙部には、解除操作の操作を行う解除操作部が設けられたものによれば、解除操作を行うための操作部を別途に形成する必要がないため、コストを低く抑えることができる。
【0012】
また、前記解除操作部は、背表紙部の左右両端に設けられており、一対の解除操作部が互いに近接する側に傾斜されたものによれば、一対の解除操作部を片手で摘むように把持し易くなるため、閉姿勢からの解除操作をより容易に行うことができる。
【0013】
なお、前記マグネット部は、閉姿勢の表表紙及び裏表紙を、開閉端側の内面側でロックするように設けたものによれば、閉姿勢で対向配置される表表紙と裏表紙とをスライドさせて位置関係をずらすことによって、容易にマグネットによるロックを解除させることができる。
【0014】
前記マグネット部は、閉姿勢の表表紙と裏表紙とを、一方側の表紙部の外面側でロックするように設けたものによれば、表紙部の一方側が、表紙部の他方側の端部を挟持するように延設されて、閉姿勢時に、開閉端側を覆うようにして閉じるものであっても、閉姿勢のロック・ロック解除をスムーズに行うことができる。
【0015】
また、前記表紙部は、板状の発泡スチロールを芯材として設けた積層構造としたものによれば、表紙部に剛性を持たせつつ、ファイル全体を軽量化できる。
【0016】
また、前記芯材に形成した収容部にマグネットを収容することにより、前記マグネット部を形成したものによれば、マグネット部が表紙部内に収容される。
【0017】
なお、前記表紙部は、左右外側の面に、芯材よりもクッション性の高いクッション層を形成したものによれば、ファイルの表紙部間に収容された収容物が外力によって破損することを効率的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図5】解除操作部を示した表紙部の要部平面図である。
【
図6】解除操作部によるロック解除操作を示した表紙部の要部平面図である。
【
図8】(A)及び(B)は、マグネット部の別実施例を示した正面図である。
【
図9】本発明を適用したファイルの別実施例のモデルを示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を適用したファイルについて説明する。
図1は、本発明のファイルを示した全体斜視図であり、
図2(A)及び(B)は、ファイルの開閉を示した平面図である。図より、本ファイルは、表表紙1a及び裏表紙1bを有する表紙部1と、表表紙1aと裏表紙1bとが開閉可能に連結される背表紙部2とを備えている。
【0020】
前記表紙部1は、方形状に形成された表表紙1aと、裏表紙1bとからなり、0.5mm〜10mm程度の厚みと、一定の弾力性と剛性を有する素材によって形成されている。また、該表紙部1は、単一の素材に限られず、複数の素材を積層したものであっても良い。該表紙部の具体的な構成例については後述する。
【0021】
また、該表表紙1a及び裏表紙1bは、互いが対向するように前記背表紙部2を介して二つに折畳まれた閉姿勢に切換られるように連結されている。また、該表表紙1a及び裏表紙1bには、閉姿勢の際に他方側の表紙と対向する内面側に設けた内ポケット3と、表表紙1aと裏表紙1bとを閉姿勢で保持(ロック)するマグネット部4とを有している。
【0022】
上記内ポケット3は、
図1に示されるように、表表紙と裏表紙の内面側に、背表紙側と反対の端部となる開閉端側の半部を覆うシート体である、ポケットカバー3aが取付けられて構成されている(
図1参照)。
【0023】
具体的に説明すると、前記ポケットカバー3aは、ヒートシールその他の手法により、表紙部1(表表紙、裏表紙)内側の開閉端側の全体と、上下端側とがコ字状に表紙部内面側に溶着されることによって、ポケットカバー3aの背表紙側端部が開口部3bとなる内ポケット3が形成されている(
図1及び
図4参照)。
【0024】
該構成の内ポケット3によれば、前記開口部3bから印刷物その他のシート状のものが表紙部1の内面に沿って差込み収容できる構造になっている。
【0025】
上記マグネット部4は、
図2及び
図3に示されるように、開閉端側の上側に配置され、閉姿勢に切換えられた表表紙1aと、裏表紙1bとが互いが吸着するように設けられた一対のマグネット6,6により構成されており、一対のマグネット6,6が引合う力によって、ファイルの閉姿勢が保持(ロック)されるように構成されている。
【0026】
具体的に説明すると、該マグネット部4は、表紙部1に内装される一対のマグネット6,6(磁石)によって構成されており、表紙部1の一方側に、内側にN極を向けた状態のマグネット6が内装され、表紙部1の他方側に、内側にS極を向けた状態のマグネット6が内装されている。なお、該マグネット部4は、表紙部1の一方側にマグネット6を内装し、表紙部1の他方側にマグネット6を引寄せる素材(鉄等)からなる吸着体を内装した構成としても良い。マグネット6を表紙部1内に内装する具体的な構成については後述する。
【0027】
前記背表紙部2は、外面側に見出し等を設けることができる背表紙10と、該背表紙10の内面側に取付けられて、捲り開き可能に設置される複数の袋状シート7と、該背表紙10の左右両端に設けられて前記マグネット部4により閉姿勢でロックされた表紙部1(ファイル)のロックを解除するロック解除操作(解除操作)を実行するための解除操作部8とを有している。
【0028】
上記袋状シート7は、全体が0.1mm程度の厚みのポリプロピレン等からなる透明なプラスチックフィルムからなり、背表紙部2側となる左右端、若しくは上端側に開口部を有し、該開口部以外の各辺をヒートシールすることで袋状に形成されている。これにより、印刷物その他のシート状又は冊子状の書類が、開口部より挿脱収納される。
【0029】
また、各袋状シート7は、見開き状態で左側用と右側用が1枚のフィルム芯材で連設されるように一体形成されており、その左右の表裏の両側に別のシート材を被せるように一対の袋状部が形成されている。そして一対の袋状シートが複数枚重ね合わされて、その中央でフィルム本体の背表紙裏側にヒート圧着されている。
【0030】
上記解除操作部8は、背表紙10(背表紙部2)の左右両端側が平面視で互いに近接する方向に傾斜する操作面(傾斜面)であって、その背表紙10側には、該操作面が形成されるように屈曲するための第1ヒンジ部11が設けられ、その表紙部1側には、前記表表紙1a又は裏表紙1bを開閉可能に連結する第2ヒンジ部12が設けられている(
図2等参照)。
【0031】
特に、一対の該解除操作部8,8(操作面)は、使用者が摘むようにして把持可能に形成されており、傾斜している該解除操作部8を押し(又は引き)操作することで、閉姿勢でロックされた表紙部1のロックを解除することができる。該解除操作部8を用いたロック解除操作の具体例については、後述する。
【0032】
すなわち、前記背表紙部2は、その両端側の解除操作部8,8が第1ヒンジ部11によって屈曲されることによって、全体が平面視で三角形状(台形状)に形成されている。また、その解除操作部8の端部側に配置された一対の第2ヒンジ部を介して、表表紙1a及び裏表紙1b(表紙部)が開閉可能に連結されている(
図1及び
図2参照)。
【0033】
次に、
図4に基づいて、表紙部の構造について説明する。
図4は、表紙部の断面形状を示したA−A断面図である。
【0034】
前記表紙部1は、図示されるように、発泡スチロールを方形板状にカットして用いられる厚さ2〜3mm程度の芯材13と、該芯材13の内面側に配置される厚さ1mm程度の画用紙等からなる内面層14と、芯材13の外面側に配置されるポリエチレン等からなるクッション層16と、芯材13とクッション層16との間に配置された仕切用の紙(以下、仕切層17)とを重ねることで積層体を構成し、該積層体をシート状のビニール体18で外装することによって形成されている。
【0035】
このとき、該ビニール体18は、外面側をカバーする外カバー体18aと、内面側をカバーする内カバー体18bとで挟むようにして積層体全体をカバーし、表紙部1の外周面側の固定部18cに沿って両カバー体をヒートシール等によって固着することによって積層体を外装する。このとき、該固定部18cに前記ポケットカバー3aも取付けられる(
図4参照)。
【0036】
また、前記芯材13として用いた発泡スチロールには、前記マグネット6が埋め込まれるようにして収容される収容孔13a(収容部)が形成されている。このとき、芯材13に形成された収容孔13aは、マグネット6が収容された状態で、前記内面層14と、前記仕切層17とによって塞がれている。これにより、マグネット6は、芯材13の収容部13a内に収容されたうえで、ビニール体18によって外装されるため、表紙部1の外周面からは視認されず、触ってもマグネット6の位置を確認し難くなる。
【0037】
該構成の表紙部1によれば、芯材13として方形状板状の発泡スチロールを用いたことによって、容易且つ安価に剛性を確保できるとともに、ファイル全体を軽量化することができる。また、該表紙部1は、芯材13の外面側にクッション層16を設けたことにより、ファイルに収容された収容物に傷がついたり、外力によって破損したりする事態を効率的に防止できる。
【0038】
さらに、該表紙部1は、その外周面がビニール体18によって外装されるため、色やデザインの変更や、表面へのエンボス加工等を容易且つ安価に行うことができる。
【0039】
次に、
図5乃至
図7に基づいて、前記マグネット部によって閉姿勢でロックされたファイルのロック解除操作について説明する。
図5は、解除操作部を示した表紙部の要部平面図であり、
図6は、解除操作部によるロック解除操作を示した表紙部の要部平面図であり、
図7は、ファイルの開状態を示した平面図である。
【0040】
図5に示されるように、前記背表紙部2は、その両端側が前記第1ヒンジ部11で屈曲されることで互いが近接する側に傾斜した解除操作部8,8が形成されているため、使用者は、両端が折り曲げられて平面視で三角形状に形成された背表紙部2を片手で摘むように把持することができ、解除操作部8の一方側(又は両方側)を押し(又は引き)操作することによって、表表紙1a又は裏表紙1bの一方側(若しくは両方)を、前記閉姿勢時の対向状態を保ったままずらすようにスライドさせる、ロック解除操作をすることができる。
【0041】
該ロック解除操作がされると、前記ファイルは、背表紙部2の第1ヒンジ部11の一方側を折目として二つ折にされたロック解除状態に切換えられる。言い換えると、該ロック解除操作がされると、前記背表紙部2は、左右の第1ヒンジ部11,11が屈曲された平面視三角形状から、一方側の第1ヒンジ部11で折り曲げられた二つ折状となるロック解除状態に切換えられる(
図6参照)。
【0042】
これにより、
図6に示されるように、ロック解除操作がされてロック解除状態に切換えられると、表表紙1a及び裏表紙1bは、その一方側(折目となった第1ヒンジ部11を有する解除操作部8に連結された側の表紙部1)が、対向状態を保持したまま背表紙部2側へとスライド移動する。これによって、表表紙1a及び裏表紙1bの開閉端側に設けられた前記マグネット6,6は、前記閉姿勢によって、互いに吸引する力が作用していた位置(ロック位置)から、互いに吸引する力が作用しない位置(ロック解除位置)へと移動されるため、前記マグネット部4によるロックが解除される。
【0043】
ちなみに、表表紙1aと裏表紙1bに内装された一対のマグネット6,6は、互いを吸着させる方向の力は作用するところ、表紙部1のスライド操作を阻害する力は作用しないため、使用者は、前記解除操作部8によるロック解除操作に大きな操作力を必要とせず、スムーズにロック解除操作を行うことができる。
【0044】
以上より、前記マグネット部4による閉姿勢のロック状態が解除されると、ファイルを閉姿勢で保持する力がなくなるため、表紙部1の開操作をスムーズに行うことができる(
図7参照)。
【0045】
次に、
図8に基づいて、本ファイルの別実施例について、上述と異なる点について説明する。
図8(A)及び(B)は、マグネット部の別実施例を示した正面図である。
【0046】
前記マグネット部4は、図示されるように、表表紙1a及び裏表紙1bの開閉端側の上下にそれぞれマグネット6,6を配置した構成であっても、表表紙1a及び裏表紙1bの開閉端側の上下方向に亘って延設された帯状のマグネット19を配置した構成であっても良い。
【0047】
該構成によれば、表表紙1aと裏表紙1bを閉じた閉姿勢でのロックをより強固にできるため、より重いものを収容した場合であっても閉姿勢を維持できる。また、この例であっても、前記解除操作部8を用いて一方側の表紙部1をスライド操作することによって、マグネット部4によるロックは解除されるため、ロック解除操作は同様にスムーズに行うことができる。
【0048】
次に、
図9に基づいて、本ファイルの別実施例について、上述と異なる点について説明する。
図9は、本発明を適用したファイルの別実施例のモデルを示した平面図である。
【0049】
図示されるように、本ファイルは、表表紙1a及び裏表紙1bを有する表紙部1と、表表紙1aと裏表紙1bとが開閉可能に連結される背表紙部2と、前記表紙部1が閉じられた状態で表表紙1aが裏表紙1bを挟むことができるように開放端側が延設された延設部20とを備え、該延設部20の開閉端側と、裏表紙1bの外面側とが互いに吸着されることで閉姿勢をロックする前記マグネット部4とが設けられている。
【0050】
具体的に、前記延設部20は、表表紙1aと裏表紙1bとの開放端側を覆うカバー部21と、裏表紙1bを挟むようにして裏表紙1bの外面側と対向する挟持部22と、該カバー部21の両端側で、表表紙1a及び延設部22とを回動可能に連結するヒンジ部23,23とから構成されている。
【0051】
該構成のファイルにおいても同様に、前記解除操作部8を介して前記ロック解除操作をすることにより、マグネット部4の吸着力による延設部20(挟持部22)と裏表紙1b側とのロックが解除される。
【0052】
なお、前記延設部20は、図示する例では、裏表紙1bの中途部まで延設されているが、裏表紙1bの開閉端側近傍まで短くしても、裏表紙1bの背表紙部2側まで長くしても良い。さらに、該延設部20は、裏表紙1bの開放端側を延設することによって形成し、該延設部20で、表表紙1aを裏表紙1とともに挟むような構成としても良い(図示しない)。
【符号の説明】
【0053】
1a 表表紙
1b 裏表紙
1 表紙部
2 背表紙部
4 マグネット部
6 マグネット
8 解除操作部
13 芯材
13a 収容部
【要約】
【課題】マグネットにより、表表紙と裏表紙とを対向させた閉姿勢でロックできるファイルにおいて、ファイルの閉姿勢でのロック解除操作をスムーズに行うことができるファイルを提供することを課題としている。
【解決手段】表表紙1a及び裏表紙1bを有する表紙部1と、表表紙1a及び裏表紙1bが開閉可能に連結される背表紙部2と、表表紙1aと裏表紙1bとが互いに対向するように折畳まれた閉姿勢をロックするマグネット部4とを備えたファイルにおいて、上記表紙部1が閉じられた状態で表表紙1a及び裏表紙1bの一方を他方に対してずれるようにスライドさせる解除操作によって、マグネット部4による上記ロックが解除されるように構成された。
【選択図】
図6