(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ショート箇所の特定は、前記データベースに基づいて発熱箇所からショート箇所として推定される推定ショート箇所が、前記電子部品実装回路基板上で、前記ショート箇所として確認できない場合は、
前記ショート箇所として起因しない前記発熱箇所を選択してマスクし、前記マスクされた前記発熱箇所を外して、少なくした発熱箇所のエリア情報をキーとして、再度前記データベースに基づいてショート箇所を推定し、新たに推定される推定ショート箇所のみを表示し、当該推定して表示した推定ショート箇所の確認を繰り返すことにより、前記ショート箇所を特定することを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装回路基板のショート検査方法。
前記マスクする前の条件に一致する前記推定ショート箇所を、前記マスクした後の推定ショート箇所の対象外とすることを特徴とする請求項2に記載の電子部品実装回路基板のショート検査方法。
前記電子部品実装回路基板の電源パターンに電流を供給する前に、前記電子部品実装回路基板を冷却する工程を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1に記載の電子部品実装回路基板のショート検査方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、回路基板の高密度実装に伴ってパターンのピッチが狭くなっているため、回路基板への電子部品実装時に半田ミスによりショートし易い状態となっている。このため、SMD(Surface Mount Device)が搭載されて組み立てられた直後の基板は、基板表面等でショート状態となっているものが混入しており、その主な原因は、部品実装時の半田ブリッジ等に起因するショートによるものである。また、半田ミスによるショート以外に、導電性の異物によるショートが発生していることもある。
【0006】
回路基板への電子部品の実装後に、電子部品実装回路基板に通電してボードテスタ等により電子部品実装回路基板の各部の信号レベル等を測定して、ショート等の異常が無いかをチェックしている。
【0007】
しかしながら、電子部品実装回路基板に通電する前に、電源パターンがショートしていないかを確認する必要がある。電源パターンがショートしている場合には、目視でショート箇所を見つけるには、基板全体をチェックする必要があるため時間と労力を要する。更に、ショートしている箇所に電子部品が実装されている場合には、目視で確認することは困難である。
【0008】
このため、回路図を見ながらテスタ等によりパターンの抵抗値を測定して、抵抗値の変化によりショート箇所を推定しながら、ショート箇所を見つけて、修復を行っていた。このため、ショート箇所を特定するために、時間を要し、作業効率が悪かった。従って、基板ショートの修復作業での効率化が求められている。
【0009】
また、ショート箇所検出のために、赤外線放射温度計を用いて部品が実装された回路基板を撮像してサーモグラフィーにより発熱箇所を特定することができる。しかしながら、サーモグラフィーで抽出された発熱箇所と、実際の電子部品実装回路基板上でのショート箇所とが異なることがある。これは、例えば、ショート箇所で発生した熱が、ショート箇所に隣接する大きな面積を有するGNDパターンが放熱板となって、ショート箇所が放熱されてしまう。これにより、ショート箇所から離れた細いパターンに電流が流れて、その部分が発熱するためである。そのため、発熱箇所から一義的にショート箇所を特定できないため、時間を要することがあった。
【0010】
そこで本発明は、回路基板に実装されている電子部品に負担とならない程度の電流を電源パターンに印加して基板を発熱させて、サーモグラフィーで発熱箇所を検出し、発熱箇所に基づいてデータベースからショート箇所を推定するようにして、基板ショートの検査、修復作業が短時間で行える電子部品実装回路基板のショート検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的達成のため、本発明は、回路基板の電子部品実装後におけるショート箇所を
特定する電子部品実装回路基板のショート検査方法であって、前記電子部品実装回路基板の電源パターンに通常使用時より少ない電流を供給し、電流を供給して前記電子部品実装回路基板の温度分布を撮像してサーモグラフィーにより前記電子部品実装回路基板上の発熱箇所を抽出し、当該発熱箇所を予め設定された前記電子部品実装回路基板上の位置を示すエリア情報に対応させて、前記電子部品実装回路基板のID情報と当該発熱箇所のエリア情報をキーとして、前記電子部品実装回路基板を特定するためのID情報と前記ID情報毎に前記電子部品実装回路基板上の発熱箇所に対応した単数又は複数のエリア情報に基づいた過去のショート箇所を記憶したデータベースに
基づいて、前記電子部品実装回路基板の
発熱箇所からショート箇所を
特定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の電子部品実装回路基板のショート検査方法における前記ショート箇所の特定は、前記データベースに基づいて発熱箇所からショート箇所として推定される推定ショート箇所が、前記電子部品実装回路基板上で、前記ショート箇所として確認できない場合は、前記ショート箇所として起因しない前記発熱箇所を選択してマスクし、前記マスクされた前記発熱箇所を
外して、少なくした発熱箇所のエリア情報をキーとして、再度前記データベースに基づいてショート箇所を推定し、新たに推定される推定ショート箇所のみを表示し、当該推定して表示した推定ショート箇所の確認を繰り返すことにより、前記ショート箇所を特定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の電子部品実装回路基板のショート検査方法は、
前記マスクする前の条件に一致する
前記推定ショート箇所
を、
前記マスクした後の推定ショート箇所の対象外と
することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の電子部品実装回路基板のショート検査方法は、前記電子部品実装回路基板の電源パターンに電流を供給する前に、前記電子部品実装回路基板を冷却する工程を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、回路基板に実装されている電子部品に負担とならない程度の電流を印加して、サーモグラフィーで電子部品実装回路基板上の発熱箇所を抽出して、発熱箇所の位置をキーとして電子部品実装回路基板上の過去に発生したショート箇所を蓄積したデータベースからショート箇所を得るようにしたことにより、短時間でショート箇所が判明し、修復作業の効率化が図られる。
【0016】
また、電子部品実装回路基板の電源パターンに電流を供給する前に、電子部品実装回路基板を冷却することにより、サーモグラフィーによる発熱箇所の抽出をより確実に行うことができる。
【0017】
また、回路基板のショート箇所等の報告を製造工程にフィードバックすることにより、類似の事故を減らすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下図面を参照して、発明による電子部品実装回路基板のショート検査方法を実施するための形態について説明する。尚、本発明は、電子部品実装回路基板に実装されている電子部品に負担とならない程度の電流を電源パターンに印加して電子部品実装回路基板を発熱させて、サーモグラフィーで発熱箇所を抽出し、発熱箇所に基づいてデータベースからショート箇所を推定するようにして、電源関連における基板ショートの検査、修復作業が短時間で行えるようにしたものである。
[ショート検査装置の構成]
【0020】
図1(a)は、回路基板に電子部品を実装した電子部品実装回路基板のショートを検査するためのショート検査装置の構成を示す図、
図1(b)は、保護抵抗を介して電子部品実装回路基板に電源装置を接続した図である。尚、以下の説明で、電子部品実装前の基板を回路基板と称し、回路基板に電子部品を実装したものを電子部品実装回路基板と称する。
【0021】
図1に示すように、ショート検査装置1は、電子部品実装回路基板3を撮像して発熱箇所を検出するための赤外線放射温度計5と、赤外線放射温度計5の撮像信号からサーモグラフィーにより温度分布をカラー画像化し、温度の画像データを処理して発熱箇所を抽出する画像処理装置6と、画像データ及び画像処理装置6の処理結果を表示するモニタ7と、画像処理装置6からのキー情報に基づいてショート箇所を推定して出力するデータベース10とを有している。また、コネクター15を介して被検査基板である電子部品実装回路基板に電源を供給する電源装置17を備えている。
【0022】
電子部品実装回路基板3は、回路基板にSMD(表面実装部品)等が半田付けにより実装されているものであり、部品実装直後の電源のショート検査で、電源関連にショートが発見されたものである。電子部品実装回路基板3は、検査時に受台20の支柱を介して水平になるように設置される。
【0023】
赤外線放射温度計5は、電子部品実装回路基板3からから放射された赤外線をレンズで結像させ、赤外線検出素子で赤外線を検出して、検出した信号から温度を測定するものである。
【0024】
画像処理装置6は、赤外線放射温度計5からのアナログ信号をデジタルデータに変換して、変換したデジタルデータを温度の高低に対応したカラーに変換して、モニタ7に二次元的に表示する信号を出力するサーモグラフィーを有する。また、画像処理装置6は、赤外線放射温度計5のアナログ信号からデジタルデータに変換された温度データをメモリに記憶し、メモリに記憶したデータを処理して発熱温度及びその箇所(位置)を抽出するものである。
【0025】
データベース10は、データベースを管理するソフトウェアが組み込んだPC等であり、電子部品実装回路基板毎に過去に発生した故障箇所情報を蓄積して、キー情報により電子部品実装回路基板上のショート箇所を検索できるようにしたものである。データベース10が記憶している故障箇所情報は、サーモグラフィーで抽出された発熱位置から検出されたショート箇所の位置を発熱位置に対応させたものである。尚、サーモグラフィー上における位置は、電子部品実装回路基板の表面を縦横に等分して設定したエリア情報により決定される。
【0026】
このように、データベース10は、電子部品実装回路基板を特定するためのID情報毎に、電子部品実装回路基板上の発熱箇所を示すエリア情報に対応して、ショート箇所を記憶したものである。サーモグラフィーで抽出された発熱箇所と、実際の電子部品実装回路基板上でのショート箇所とが異なることがあるが、これらの情報はデータベース10に記憶されているため、データベース10を検索することにより発熱箇所からショート箇所を特定することができる。
【0027】
これにより、電子部品実装回路基板3を特定するためのID及び発熱箇所をキーとして、過去に発生した類似のショート箇所をデータベース10から検索できるようになっている。尚、データベースの構成、検索方法等は、多数開示されており、これらの公知のデータベースを使用することが可能である。
【0028】
電源装置17は、電子部品実装回路基板3の電子部品に負担とならない程度の電流を、電源パターンを介して印加するものであり、徐々に流す電流の大きさを可変することができるようになっている。
図1(b)に示すように、電源装置17は、保護抵抗19を介して電流を電子部品実装回路基板3に供給される。また、電源装置17は、所定の電流値以上を流さないように電流リミット機能を有している。
【0029】
以上述べたように、ショート検査装置1のデータベース10には、電子部品実装回路基板3のID毎に、発熱した箇所に対応したショート箇所のデータが蓄積されている。データベース10に蓄積されたデータは、その電子部品実装回路基板特有のパターンレイアウトに起因するもの、実装部品に起因するものも含まれているため、同種の電子部品実装回路基板で、同じようなショートが発生する頻度が高くなる。このため、過去のショートに関するデータを蓄積し、蓄積したデータを活用することにより、ショート箇所を高い確率で検索することができる。
【0030】
[ショート検査の手順]
次に、電子部品実装回路基板のショート検査の手順について
図2乃至
図6を用いて説明する。
図2は、電子部品実装回路基板のショート検査の流れを示すフローチャートであり、
図3は、電子部品実装回路基板を縦横に分割して、その分割エリアをモニタ画面上にグリットで表示した例を示す図、
図4は、モニタに表示された電子部品実装回路基板の発熱箇所を示す図、
図5は、電子部品実装回路基板の推定されたショート箇所の位置をモニタに表示した一例を示す図、
図6は、モニタ上の分割エリアの一部をマスクした例を示す図である。
【0031】
最初に、テスタ等により、電子部品が実装された電子部品実装回路基板3の電源ラインがショートしていないかを確認する(ステップS1)。電子部品実装回路基板3の電源ラインがショートしていない場合(ステップS2でYesのとき)には、検査は必要ないので、電子部品実装回路基板3を良品として検査を終了する。
【0032】
電子部品実装回路基板3の電源ラインがショートしている場合(ステップS2でNoのとき)には、最初に、電子部品実装回路基板3表面の検査を行う(ステップS3)。検査を行う前に、赤外線放射温度計5のレンズの光軸が、水平に設置した電子部品実装回路基板3に対して垂直となるように、電子部品実装回路基板3を受台20の支柱を介して水平に設置する。このとき、電子部品実装回路基板3にコネクター15を介して電源装置17を接続する(ステップS4)。また、赤外線放射温度計5は、画像処理装置6に接続するようにする。
【0033】
次に、検査する電子部品実装回路基板3を赤外線放射温度計5で撮像して、電子部品実装回路基板3がモニタ7上に所定の向き、位置及び大きさに映し出されるように調整する(ステップS5)。この基板の位置決め調整は、前もって電子部品実装回路基板3毎に決められており、電子部品実装回路基板3毎に同一の調整が行われ、これにより同一条件で赤外線放射温度計5により撮像される。
【0034】
また、画像処理装置6に検査対象の電子部品実装回路基板3のIDを入力する。画像処理装置6に電子部品実装回路基板3のIDを入力後、画像処理装置6は、電子部品実装回路基板3のサイズ及び形状から電子部品実装回路基板3を縦横に分割して、
図3に示す分割した分割エリアがグリットでモニタ7画面上に表示される。
【0035】
図3に示すように、モニタ7画面上の電子部品実装回路基板3は、横方向にAからEまでの5分割され、縦方向は1から5までの5分割されている。これにより、モニタ7画面上の電子部品実装回路基板3は、分割エリアA1からE5までの25のエリアに分割されている。以後の処理では、電子部品実装回路基板3の各位置は、分割エリアに付されたエリア番号により管理される。尚、上述した分割エリアは、説明用のものであり、縦横の分割数は、これに限定するものではない。
【0036】
次に、電子部品実装回路基板3の電源端子にコネクター15を介して、電源装置17の電流調整器で電流を供給する(ステップS6)。電源装置17は、電子部品実装回路基板3の電子回路部品に負担とならない程度の電流を印加するものであり、電子部品実装回路基板3に流す電流の大きさを可変することができるようになっている。また、電源装置17の電流調整器は所定の電流以上を流さないように電流リミット機能を有している。電流の大きさを0(ゼロ)から徐々に増加させて0.2Aから0.3A程度の電流を印加する。
【0037】
電子部品実装回路基板3に電流を印加して、そのとき撮像した画像は、サーモグラフィーで温度に応じて色分けされてモニタ7に表示される。これにより、サーモグラフィーで温度分布画像が得られる。また、温度分布画像は、画像処理装置6のメモリに記憶される(ステップS7)。温度分布画像のデータを記憶しているメモリのアドレスとモニタ7上の位置とは、一対一に対応している。また、メモリのデータは、温度を示す数値が記憶されている
【0038】
次に、画像処理装置6は、メモリに記憶した温度分布画像のデータを処理して発熱温度及びその箇所(位置)を抽出する(ステップS8)。
図4に、モニタ7に表示された電子部品実装回路基板の発熱している箇所を示す。
図4に示す発熱箇所は、円で示すエリア番号A2、B3と、四角で示すエリア番号C1、C4、D2である。
【0039】
発熱位置の抽出は、温度分布画像の温度データを記憶しているメモリから、最も温度の高い順に発熱位置を抽出する。抽出した発熱位置は、電子部品実装回路基板3上のエリア番号に変換される。また、他の発熱位置の抽出法として、前もって閾値を設定しておき、閾値以上の発熱の温度が抽出された位置を発熱位置とするようにしてもよい。
【0040】
ショート検査装置1の画像処理装置6は、電子部品実装回路基板3のID及び抽出された発熱位置のデータをデータベース10の検索条件とするべく、データベース10に出力する(ステップS9)。電子部品実装回路基板3のID及び発熱箇所のエリア番号をキーとしてデータベース10から推定されるショート箇所を検索して、検索結果をモニタ7上に表示する(ステップS10)。
図5にデータベース10で検索して、推定されるショート箇所の位置をモニタに表示した一例を示す。
図5に示すように、エリア番号D1にショートの位置を示す×印が表示される。
【0041】
モニタ7上に表示された推定されるショート箇所を確認する(ステップS11)。ショートが見られたとき(ステップS12でYesのとき)には、ショート箇所の修復を行う(ステップS13)。その後、ステップS15に移行する。
【0042】
また、推定されるショート箇所が確認できなかったとき(ステップS12でNoのとき)には、例えば、作業者が、モニタ7上で目視で確認したショートに起因しない発熱箇所と推定される分割エリアのエリア番号をマスクして、発熱箇所の情報から除くようにする(ステップS14)。
図6は、モニタ上の分割エリアの一部をマスクした例を示す。
図6に示すように、斜線で示すエリア番号C1をマスクして、発熱箇所から除外するようにする。
【0043】
マスクした発熱箇所を外して、ステップS9に移行して、再度データベース10を参照してショート箇所を推定する。この時、発熱箇所のエリア情報が少なくなるため、推定されるショート箇所は、マスクする前と比較して、より多くのショート箇所が推定されるが、
図6に示すように、マスクする前の条件にてショート箇所と推定されたエリア番号D1においてはショート箇所を示す×印は表示されず、新たに推定されるショート箇所のみが、エリア番号D4及びE4に示す×印で表示される。
【0044】
尚、推定されるショート箇所が確認できなかったときには、作業者が再度選択した発熱箇所をマスクするようにして、データベース10にアクセス時にマスクした発熱箇所を除外して、ステップS9からの工程を繰り返すようにする。
【0045】
ステップS15では、電子部品実装回路基板3の両面の検査が必要なときには、電子部品実装回路基板3の裏面を検査するための準備を行って(ステップS16)、ステップS4に移行して電子部品実装回路基板3の他の面を検査するようにする。また、ステップS15で電子部品実装回路基板3検査が片面のみの場合(ステップS15でNoのとき)には、検査を終了する。
【0046】
以上述べたように、回路基板に実装されている電子部品に負担とならない程度の電流を印加して、サーモグラフィーで発熱の位置を抽出して、発熱の位置をキーとして過去のショート箇所を蓄積したデータベースからショート箇所を得るようにしたことにより、短時間でショート箇所が判明し、修復作業の効率化が図られる。
【0047】
[ショート検査の他の実施形態]
上記したショート検査は、電子部品実装回路基板3の発熱箇所の抽出を室温で行っているが、サーモグラフィーの感度が低い場合や電子部品実装回路基板3のからの発熱温度が低い場合には、電源パターンに電流を供給する前に、電子部品実装回路基板を冷却する工程を加えることにしてもよい。電子部品実装回路基板3を冷却することにより、発熱箇所を際立たせることができ、ショート箇所発見の精度も向上する。
【0048】
電子部品実装回路基板3の冷却は、電子部品実装回路基板3を収納したケースを冷やしたり、
図1(b)の示す受台20に冷却機構を設けて、受台20から冷気を電子部品実装回路基板3に吹き付けるようにしてもよい。更に、室内の照明灯の影響をなくするために、消灯したり、暗室で検査するようにしてもよい。
【0049】
このように、電子部品実装回路基板3の電源パターンに電流を供給する前に、電子部品実装回路基板3を冷却する工程を設けたり、周囲を暗くすることにより、電子部品実装回路基板3における発熱箇所の抽出が容易に行えるため、ショート箇所発見の精度を向上させることができる。
【0050】
以上述べたように、本発明によれば、回路基板に実装されている電子部品に負担とならない程度の電流を印加して、サーモグラフィーで電子部品実装回路基板3上の発熱箇所を抽出して、発熱箇所の位置情報をキーとして電子部品実装回路基板3上の過去に発生したショート箇所を蓄積したデータベースからショート箇所を得るようにしたことにより、短時間でショート箇所が判明し、修復作業の効率化が図られる。
【0051】
また、電子部品実装回路基板の電源パターンに電流を供給する前に、電子部品実装回路基板3を冷却することにより、サーモグラフィーによる発熱箇所の抽出をより確実に行うことができる。
【0052】
また、回路基板のショート箇所等の報告を製造工程に
フィードバックすることにより、類似の事故を減らすことができる。
【0053】
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。