【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)公開日 平成24年4月4日 (2)公開の形態 電子メールによるデータ送信 (3)公開者 株式会社昭和丸筒 (4)公開した物の内容 株式会社昭和丸筒が、住友ベークライト株式会社(東京都品川区東品川二丁目5番8号)に、山口貴嗣が発明したフランジ付き巻芯の形状図面を提出した。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
バヨネット連結機構として、コアの接続端部およびフランジの内周縁部の互いに径方向に向かう合う面のうちいずれか一方よりなる第1の面に、係合凸部が1つまたは周方向に間隔をおいて複数形成されているとともに、同他方よりなる第2の面に、フランジの内周縁部がコアの接続端部に嵌め合わせられる際に各係合凸部を導入するための凹所と、一端が凹所に通じるように周方向にのびかつコアおよびフランジを所定方向に相対回動させるのに伴って各係合凸部が挿入される係合凹溝とが形成されていることを特徴とする、請求項1記載のフランジ付き巻芯。
ストッパ用係止機構として、第1の面における少なくとも1つの係合凸部の挿入方向後端に隣接する箇所に第1係止部が形成されているとともに、第2の面に、係合凸部が係合凹溝に挿入された際に各第1係止部と周方向からスナップ係合する第2係止部が形成されていることを特徴とする、請求項2記載のフランジ付き巻芯。
【発明の概要】
【0004】
この発明の目的は、コアの両端部へのフランジの取付および取り外しを簡単な操作によって迅速に行うことができ、また、フランジ取付構造によって、コアへの被巻回物の巻き取り時等の作業性や非発塵性が損なわれるおそれのないフランジ付き巻芯を提供することにある。
【0005】
この発明による第1のフランジ付き巻芯は、円筒状コアと、コアの両端部にそれぞれ着脱自在に取り付けられる1対のリング状フランジとを備えてなり、コアの両端部には、フランジの内周縁部と嵌め合わせられるように外周部分が切り欠かれた接続端部が設けられており、コアの接続端部およびフランジの内周縁部に、これらの部分が嵌め合わせられた状態でコアおよびフランジを所定方向に相対回動させる操作を行うことにより両者を連結しうるバヨネット連結機構と、コアおよびフランジを所定方向に相対回動させるのに伴ってスナップ係合する一方、コアおよびフランジを連結解除方向に相対回動させることにより係合が外れるストッパ用係止機構とが設けられているものである。
上記第1のフランジ付き巻芯によれば、コアの接続端部にフランジの内周縁部を嵌め合わせておいてから、コアおよびフランジを所定方向に相対回動させることにより、両者がバヨネット機構によって連結一体化されるとともに、ストッパ用係止機構によって連結状態が保持される。一方、連結状態のコアおよびフランジを連結解除方向に相対回動させると、ストッパ用係止機構の係合が外れ、次いでバヨネット連結機構による連結が解除されるので、フランジの内周縁部をコアの接続端部から取り外すことができる。また、上記フランジ付き巻芯の場合、フランジ取付構造が、バヨネット連結機構とストッパ用係止機構とで構成されているため、コアの内周面には特に何も形成する必要がなく、ネジ接合による取付構造のようにフランジの着脱に伴って屑が発生するおそれもない。
従って、この発明の第1のフランジ付き巻芯によれば、極めて簡単な操作によりコアの両端部にフランジを迅速に着脱することが可能であり、しかも、コアへの被巻回物の巻き取り時等の作業性や非発塵性が損なわれるおそれがないので、例えばカバーテープ用の巻芯として好適に使用することが可能である。
【0006】
この発明による第1のフランジ付き巻芯において、バヨネット連結機構の好適な態様として、コアの接続端部およびフランジの内周縁部の互いに径方向に向かう合う面のうちいずれか一方よりなる第1の面に、係合凸部が1つまたは周方向に間隔をおいて複数形成されているとともに、同他方よりなる第2の面に、フランジの内周縁部がコアの接続端部に嵌め合わせられる際に各係合凸部を導入するための凹所と、一端が凹所に通じるように周方向にのびかつコアおよびフランジを所定方向に相対回動させるのに伴って各係合凸部が挿入される係合凹溝とが形成されている場合がある。
バヨネット連結機構を上記のような態様とすれば、フランジの内周縁部をコアの接続端部に嵌め合わせる際、各係合凸部が凹所に導入されるようにすればよいので、位置決めが簡単である。また、バヨネット連結機構を構成する係合凸部、凹所および係合凹溝は、コアの接続端部およびフランジの内周縁部の互いに径方向に向かう合う面に形成されていて、軸方向に突出する部分が生じないので、コアに被巻回物を巻き取る作業や被巻回物を巻き戻して使用する作業に支障を来たしたり、被巻回物等に引っ掛かったりするおそれがない。
好適には、係合凸部は、第1の面において周方向に等間隔おきに2つ以上(より好適には90°ごとに計4つ)形成され、これらに対応するように、所要数の凹所および係合凹溝が第2の面の所要箇所に形成される。このようにバヨネット連結機構を複数組の係合凸部、凹所および係合凹溝によって構成すれば、フランジがより安定的にコアに取り付けられ、着脱操作もスムーズとなる。
【0007】
この発明による第1のフランジ付き巻芯のバヨネット連結機構を上記態様とする場合において、ストッパ用係止機構として、第1の面における少なくとも1つの係合凸部の挿入方向後端に隣接する箇所に第1係止部が形成されているとともに、第2の面に、係合凸部が係合凹溝に挿入された際に各第1係止部と周方向からスナップ係合する第2係止部が形成されていることがある。
ストッパ用係止機構を上記の態様とした場合、第1係止部および第2係止部が、コアの接続端部およびフランジの内周縁部の互いに径方向に向かう合う面に形成されていて、軸方向に突出する部分が生じないので、被巻回物等に引っ掛かったりするおそれがない。
ストッパ用係止機構は、より好ましくは、上記第1係止部および第2係止部に加えて、係合凸部の挿入方向前端部分に形成された凹状の第3係止部と、係合凸部が係合凹溝に挿入された際に第3係止部と周方向からスナップ係合するように係合凹溝の奥の部分に形成された凸状の第4係止部とで構成される。これら2組、計4つの係止部よりなるストッパ用係止機構によれば、スナップ係合時や係合解除時に要する力、ひいてはスナップ係合の保持力や操作性をより細かく調整することが可能となる。
【0008】
次に、この発明による第2のフランジ付き巻芯は、円筒状コアと、コアの両端部にそれぞれ着脱自在に取り付けられる1対のリング状フランジとを備えてなり、コアの両端部には、フランジの内周縁部と嵌め合わせられるように外周部分が切り欠かれた接続端部が設けられており、コアの接続端部およびフランジの内周縁部のうちいずれか一方に、軸方向にのびかつ先端に係止突起を有する係止爪部が1つまたは周方向に間隔をおいて複数形成され、同他方に、フランジの内周縁部がコアの接続端部に嵌め合わせられるのに伴って各係止爪部とスナップ係合する係止凸部が形成され、また、コアおよびフランジを所定方向に相対回動させることによって係止爪部と係止凸部とが周方向にずれて係合が外れるように、コアの接続端部における係止爪部または係止凸部と隣接する部分に、係止凸部または係止爪部を逃がすためのスペースが設けられ、さらに、コアの接続端部およびフランジの内周縁部に、フランジの内周縁部がコアの接続端部に嵌め合わせられるのに伴って周方向に係合する一方、コアおよびフランジを係止爪部と係止凸部との係合が外れる方向に相対回動させることによって係合が外れるストッパ用係止機構が設けられているものである。
上記第2のフランジ付き巻芯にあっては、コアの接続端部にフランジの内周縁部を嵌め合わせると、それに伴って、各係止爪部と係止凸部とがスナップ係合するとともに、ストッパ用係止機構が係合して、フランジがコアに連結された状態となる。一方、コアおよびフランジを連結解除方向に相対回動させると、ストッパ用係止機構の係合が外れ、次いで係止爪部から係止凸部が外れるので、フランジの内周縁部をコアの接続端部から取り外すことができる。また、上記フランジ付き巻芯の場合、フランジ取付構造が、係止爪部、係止凸部およびストッパ用係止機構によって構成されるため、コアの内周面には特に何も形成する必要がなく、ネジ接合による取付構造のようにフランジの着脱に伴って屑が発生するおそれもない。
従って、この発明の第2のフランジ付き巻芯によれば、極めて簡単な操作によりコアの両端部にフランジを迅速に着脱することが可能である上、コアへの被巻回物の巻き取り時等の作業性や非発塵性が損なわれないので、例えばカバーテープ用の巻芯として好適に使用されうる。
【0009】
この発明による第2のフランジ付き巻芯において、ストッパ用係止機構として、コアの接続端部およびフランジの内周縁部の互いに径方向に向かい合う面のうちいずれか一方よりなる第1の面に、凸状の第1係止部が1つまたは周方向に間隔をおいて複数形成されているとともに、同他方よりなる第2の面に、係止爪部と係止凸部とがスナップ係合する際に各第1係止部が挿入されるように軸方向にのびる凹溝状の第2係止部が形成されており、第1係止部は、係止爪部と係止凸部との係合が外れる方向にコアおよびフランジを相対回動させることによって、第2係止部から外れるような高さを有している場合がある。
ストッパ用係止機構を上記の態様とした場合、構造を単純化することができる。
【0010】
この発明による第2のフランジ付き巻芯において、係止爪部が、コアの接続端部に1つまたは周方向に間隔をおいて複数形成され、各係止爪部は、コアの端縁から切り込まれた2本の平行なスリットどうしの間の部分によって弾性変形可能に構成される脚体と、脚体の先端に径方向外向きに形成された係止突起とを有しており、係止凸部が、フランジの内周縁部の端縁面における各係止爪部と対応する箇所に形成されている場合がある。
上記の態様によれば、係止爪部は、コアの接続端部の一部で構成されていて、同部分から突出しないため、被巻回物等に引っ掛かるおそれがない。
【0011】
また、この発明による第2のフランジ付き巻芯において、係止爪部が、フランジの内周縁部に1つまたは周方向に間隔をおいて複数形成され、各係止爪部は、フランジの内周縁から切り込まれた2本の平行なスリットどうしの間の部分によって弾性変形可能に構成されかつ軸方向外方に向かって略コ字形に屈曲させられた脚体と、脚体の先端に径方向内向きに形成された係止突起とを有しており、コアの接続端部の外周面における各係合爪部と対応する箇所に凹所が設けられ、該凹所に係止凸部が形成されている場合もある。
上記の態様では、係止爪部がフランジの内周縁部に形成されている上、係止凸部もコアの接続端部の外周面に形成された凹所の中に設けられているため、これらの部分が被巻回物等に引っ掛かるおそれがない。
【0012】
この発明による第3のフランジ付き巻芯は、円筒状コアと、コアの両端部にそれぞれ着脱自在に取り付けられる1対のリング状フランジとを備えてなり、コアの両端部には、フランジの内周縁部と嵌め合わせられるように外周部分が切り欠かれた接続端部が設けられており、コアの接続端部およびフランジの内周縁部のうちいずれか一方に、軸方向にのびかつ先端に係止突起を有する係止爪部が1つまたは周方向に間隔をおいて複数形成され、同他方に、フランジの内周縁部がコアの接続端部に嵌め合わせられる際に各係止爪部とスナップ係合する係止凸部が形成され、係止爪部の係止突起および係止凸部は、コアおよびフランジを軸方向に引っ張ることによって係合が外れるような横断面形状を有しているものである。
上記第3のフランジ付き巻芯にあっては、コアの接続端部にフランジの内周縁部を嵌め合わせると、それに伴って各係止爪部と係止凸部がスナップ係合し、フランジがコアに連結された状態となる。一方、コアおよびフランジを軸方向に引っ張ると、各係止爪部から係止凸部が外れるので、フランジの内周縁部をコアの接続端部から取り外すことができる。また、上記の巻芯の場合、フランジ取付構造が、係止爪部と係止凸部とで構成されているため、コアの内周面には特に何も形成する必要がなく、ネジ接合による取付構造のようにフランジの着脱に伴って屑が発生するおそれもない。
従って、この発明の第3のフランジ付き巻芯によれば、フランジ取付構造が単純なものであるにもかかわらず、極めて簡単な操作によりコアの両端部にフランジを迅速に着脱することが可能であり、しかも、コアへの被巻回物の巻き取り時の作業性や非発塵性が損なわれないので、例えばカバーテープ用の巻芯として好適に使用することができる。
【0013】
この発明による第3のフランジ付き巻芯において、係止爪部の係止突起および係止凸部の横断面形状は、例えば、軸方向に対して互いに逆向きに傾斜した2つの傾斜面を有する略三角形状または略台形状となされる。係止爪部の係止突起および係止凸部の横断面形状を以上のようなものとすれば、上述した極めてシンプルなスナップ係合操作および係合解除操作が確実に行われる。
より好適には、係止爪部の係止突起および係止凸部それぞれを構成する2つの傾斜面のうちスナップ係合している時に他方と接する傾斜面の傾斜角度が、もう1つの傾斜面の傾斜角度よりも大きくなされている。2つの傾斜面の傾斜角度を以上のように設定すれば、各係止爪部と係止凸部とをスナップ係合させる際に要する力が相対的に小さくなって、フランジ取付時の操作性が向上する一方、係合を外す際に要する力が相対的に大きくなるので、不用意にフランジが外れるおそれが少なくなる。
【0014】
この発明による第3のフランジ付き巻芯において、係止爪部が、コアの接続端部に1つまたは周方向に間隔をおいて複数形成され、各係止爪部は、コアの端縁から切り込まれた2本の平行なスリットどうしの間の部分によって弾性変形可能に構成される脚体と、脚体の先端に径方向外向きに形成された係止突起とを有しており、係止凸部が、フランジの内周縁部の端縁面における各係合爪部と対応する箇所に形成されている場合がある。
上記の態様によれば、係止爪部は、コアの接続端部の一部で構成されていて、同部分から突出しないため、被巻回物等に引っ掛かるおそれがない。
【0015】
また、この発明による第3のフランジ付き巻芯において、係止爪部が、フランジの内周縁部に1つまたは周方向に間隔をおいて複数形成され、各係止爪部は、フランジの内周縁から切り込まれた2本の平行なスリットどうしの間の部分によって弾性変形可能に構成されかつ軸方向外方に向かって略コ字形に屈曲させられた脚体と、脚体の先端に径方向内向きに形成された係止突起とを有しており、コアの接続端部の外周面における各係合爪部と対応する箇所に凹所が形成され、該凹所に係止凸部が形成されている場合もある。
上記の態様では、係止爪部がフランジの内周縁部に形成されている上、係止凸部もコアの接続端部の外周面に形成された凹所の中に設けられているため、これらの部分が被巻回物等に引っ掛かるおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】この発明の第1の実施形態を示すものであって、フランジ付き巻芯の一部を切り欠いた正面図である。
【
図2】第1の実施形態のフランジ付き巻芯の側面図である。
【
図3】第1の実施形態のフランジ付き巻芯において、一方のフランジをコアから分離した状態の斜視図である。
【
図4】第1の実施形態のフランジ付き巻芯において、コアの接続端部の一部分を拡大して示す斜視図である。
【
図5】第1の実施形態のフランジ付き巻芯において、コアの接続端部の他の一部分を拡大して示す斜視図である。
【
図6】第1の実施形態のフランジ付き巻芯において、フランジの内周縁部の一部分を拡大して示す斜視図である。
【
図7】第1の実施形態のフランジ付き巻芯において、連結前のバヨネット連結機構および係合前のストッパ用係止機構の状態を示すものであって、(a)は部分拡大平面図、(b)は部分拡大側面図である。
【
図8】第1の実施形態のフランジ付き巻芯において、連結時のバヨネット連結機構および係合時のストッパ用係止機構の状態を示すものであって、(a)は部分拡大平面図、(b)は部分拡大側面図である。
【
図9】この発明の第2の実施形態を示すものであって、一方のフランジをコアから分離した状態のフランジ付き巻芯の斜視図である。
【
図10】第2の実施形態のフランジ付き巻芯において、コアの接続端部の一部分を拡大して示す斜視図である。
【
図11】第2の実施形態のフランジ付き巻芯において、フランジの内周縁部の一部分を拡大して示す斜視図である。
【
図12】第2の実施形態のフランジ付き巻芯において、コアにフランジを取り付ける際の初期過程を示すものであって、(a)は部分拡大平面図、(b)は部分拡大側面図であり、(c)は部分拡大垂直断面図である。
【
図13】第2の実施形態のフランジ付き巻芯において、コアにフランジを取り付けた状態を示すものであって、(a)は部分拡大平面図、(b)は部分拡大側面図、(c)は部分拡大垂直断面図である。
【
図14】第2の実施形態のフランジ付き巻芯において、コアからフランジを取り外す際の一過程を示すものであって、(a)は部分拡大平面図、(b)は部分拡大側面図である。
【
図15】この発明の第3の実施形態を示すものであって、一方のフランジをコアから分離した状態のフランジ付き巻芯の斜視図である。
【
図16】第3の実施形態のフランジ付き巻芯において、コアの接続端部の一部分を拡大して示す斜視図である。
【
図17】第3の実施形態のフランジ付き巻芯において、フランジの内周縁部の一部分を拡大して示すものであって、(a)は斜視図、(b)は垂直断面図である。
【
図18】第3の実施形態のフランジ付き巻芯において、コアにフランジを取り付ける際の初期過程を示すものであって、(a)は部分拡大平面図、(b)は部分拡大側面図、(c)は部分拡大垂直断面図である。
【
図19】第3の実施形態のフランジ付き巻芯において、コアにフランジを取り付けた状態を示すものであって、(a)は部分拡大平面図、(b)は部分拡大側面図、(c)は部分拡大垂直断面図である。
【
図20】第3の実施形態のフランジ付き巻芯において、コアからフランジを取り外す際の一過程を示すものであって、(a)は部分拡大平面図、(b)は部分拡大側面図である。
【
図21】この発明の第4の実施形態を示すものであって、一方のフランジをコアから分離した状態のフランジ付き巻芯の斜視図である。
【
図22】第4の実施形態のフランジ付き巻芯において、コアの接続端部の一部分を拡大して示す斜視図である。
【
図23】第4の実施形態のフランジ付き巻芯において、フランジの内周縁部の一部分を拡大して示す斜視図である。
【
図24】第4の実施形態のフランジ付き巻芯において、コアにフランジを取り付ける際の初期過程を示す部分拡大垂直断面図である。
【
図25】第4の実施形態のフランジ付き巻芯において、コアにフランジを取り付けた状態を示す部分拡大垂直断面図である。
【
図26】この発明の第5の実施形態を示すものであって、一方のフランジをコアから分離した状態のフランジ付き巻芯の斜視図である。
【
図27】第5の実施形態のフランジ付き巻芯において、コアの接続端部の一部分を拡大して示す斜視図である。
【
図28】第5の実施形態のフランジ付き巻芯において、フランジの内周縁部の一部分を拡大して示す斜視図である。
【
図29】第5の実施形態のフランジ付き巻芯において、コアにフランジを取り付ける際の初期過程を示す部分拡大垂直断面図である。
【
図30】第5の実施形態のフランジ付き巻芯において、コアにフランジを取り付けた状態を示す部分拡大垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1〜
図8は、この発明の第1の実施形態を示したものである。
この実施形態のフランジ付き巻芯(1A)は、円筒状のコア(2)と、コア(2)の両端部にそれぞれ着脱自在に取り付けられる1対のリング状のフランジ(3)とよりなる。
【0018】
コア(2)は、樹脂製または金属製である。コア(2)を構成する樹脂材料としては、例えばABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポリスチレン樹脂が用いられ、また、金属材料としては、例えばアルミニウムが用いられる。
コア(2)の内周面は、円筒面よりなり、凹凸は一切設けられていない。
コア(2)の両端部には、フランジ(3)の内周縁部(31)と嵌め合わせられるように外周部分が横断面略L形に切り欠かれた接続端部(21)が設けられている。
接続端部(21)の軸方向の幅は、フランジ(3)の内周縁部の厚みとほぼ等しくなされており、嵌合状態においてコア(2)の接続縁部(21)の端面とフランジ(3)の内周縁部(31)の軸方向外側面とがほぼ面一となる(
図1参照)。
コアの接続端部(21)の外径は、フランジ(3)の内径よりもやや小さいものとなされている。また、両接続縁部(21)どうしの間にあるコアの中間部(22)の外径は、フランジ(3)の内径よりもやや大きいものとなされており、各接続端部(21)と中間部(22)との間の段差によって、フランジ(3)の内周縁部(31)の軸方向内側面が受けられるようになっている。
【0019】
フランジ(3)も、コア(2)と同様の樹脂または金属によって形成される。
フランジ(3)の内周輪郭および外周輪郭は、それぞれ円形となされている。但し、フランジ(3)の外周輪郭は、円形以外のもの、例えば多角形等であってもよい。
フランジ(3)の軸方向内側面は、平坦面となされている。一方、フランジ(3)の軸方向外側面は、内周縁部および外周縁部を除いた中間部が所定の厚み分だけ窪んでおり、また、該中間部に、径方向にのびる複数本の補強リブ(32)が周方向に等間隔おきに形成されている。
【0020】
コアの接続端部(21)およびフランジの内周縁部(31)に、これらの部分(21)(31)が嵌め合わせられた状態でコア(2)およびフランジ(3)を所定方向に相対回動させる操作を行うことにより両者を連結しうるバヨネット連結機構と、コア(2)およびフランジ(3)を所定方向に相対回動させるのに伴ってスナップ係合する一方、コア(2)およびフランジ(3)を連結解除方向に相対回動させることにより係合が外れるストッパ用係止機構とが設けられている。
【0021】
バヨネット連結機構は、以下の構成よりなる。即ち、フランジ(3)の内周縁部(31)におけるコア(2)の接続端部(21)と径方向に向かい合う面、即ち、内周縁部(31)の端縁面よりなる第1の面(31a)に、4つの係合凸部(33)が周方向に等間隔おきに形成されている。また、コアの接続端部(21)におけるフランジの内周縁部(31)と径方向に向かう合う面、即ち、接続端部(21)の外周面よりなる第2の面(21a)に、フランジの内周縁部(31)がコアの接続端部(21)に嵌め合わせられる際に各係合凸部(33)を導入するための凹所(23)と、一端が凹所(23)に通じるように周方向にのびかつコア(2)およびフランジ(3)を所定方向に相対回動させるのに伴って各係合凸部(33)が挿入される係合凹溝(24)とが、それぞれ周方向に等間隔おきに4つずつ形成されている。
係合凸部(33)は、第1の面(31a)の軸方向内側部分において周方向にのびる横断面略方形の畝状に形成されている。
凹所(23)は、第2の面(21a)の幅全体にわたるものであって、係合凸部(33)の長さよりも十分に大きい長さを有するとともに、その一端側が第2の面(21a)に向かって緩やかに傾斜したものとなされている。
係合凹溝(24)は、その一端が凹所(23)の他端側における軸方向内側部分に通じるように、第2の面(21a)に形成されている。係合凹溝(24)の長さ、幅および深さは、それぞれ係合凸部(33)の長さ、幅、高さとほぼ等しくなされている。また、係合凹溝(24)の幅は、第2の面(21a)の幅の半分程度である。
【0022】
ストッパ用係止機構として、第1の面(31a)における直径方向対称位置の2つの係合凸部(33)の挿入方向後端に隣接する箇所に第1係止部(34)が形成されているとともに、第2の面(21a)の所要箇所に、係合凸部(33)が係合凹溝(24)に挿入された際に各第1係止部(34)と周方向からスナップ係合する第2係止部(25)が形成されている。
第1係止部(34)は、第1の面(31a)のほぼ全幅にわたって軸方向にのびる断面略方形の畝状基部(34a)と、畝状基部(34a)の突出端面における挿入方向前縁部分から突出した横断面略半円形の突出部(34b)とで構成されている。
第2係止部(25)は、凹所(23)における係合凹溝(24)の開口端と隣接する箇所に形成されており、第1係止部(34)の畝状基部(34a)の突出端面とほぼ接しうるような高さを有する台状基部(25a)と、台状基部(25a)の突出端面における係合凹溝(24)の開口端に近い側の縁部に形成されかつ第1係止部(34)の突出部(34b)が嵌め込まれる凹部(25b)とを有している。
この実施形態では、ストッパ用係止機構として、上記の第1係止部(34)および第2係止部(25)に加えて、さらに、各係合凸部(33)の挿入方向前端部分に、凹状の第3係止部(35)が形成されているとともに、係合凸部(33)が係合凹溝(24)に挿入された際に第3係止部(35)と周方向からスナップ係合する凸状の第4係止部(26)が、係合凹溝(24)の奥の部分に形成されている。
第3係止部(35)は、断面略半円形のものであって、係合凸部(33)を幅方向に横断するように形成されている。第4係止部(26)は、第3係止部(35)と嵌まり合うような断面略半円形の畝状のものであって、係合凹溝(24)の幅全体にまたがるように軸方向にのびている。
【0023】
上記のフランジ付き巻芯(1A)にあっては、次のようにして、コア(2)の両端部へのフランジ(3)の取付が行われる。
即ち、まず、コア(2)の接続端部(21)にフランジ(3)の内周縁部(31)を嵌め合わせる。この際、
図7に示したように、フランジの内周縁部(31)の4つの係合凸部(33)が、コアの接続端部(21)の4つの凹所(23)それぞれに導入されるように両者の位置合わせを行う。なお、位置合わせに際して、係合凸部(33)と凹所(23)の組合せは、ストッパ用係止機構(34)(25)(35)(26)の有無にかかわらず、いずれのものでもよい。
次いで、コア(2)とフランジ(3)とを所定方向に相対回動させると、各係合凸部(33)が係合凹溝(24)に挿入され、さらに両者(2)(3)を強制的に相対回動させると、第1係止部(34)と第2係止部(25)、第3係止部(35)と第4係止部(26)がそれぞれ周方向からスナップ係合する(
図8参照)。こうして、コア(2)の各端部にフランジ(3)が取り付けられる。
一方、コア(2)の両端部からフランジ(3)を取り外す場合、上記と逆の操作を行えばよい。即ち、コア(2)およびフランジ(3)を連結解除方向に強制的に相対回動させると、ストッパ用係止機構を構成する第1係止部(34)と第2係止部(25)の係合および第3係止部(35)と第4係止部(26)の係合が外れ、係合凸部(33)が係合凹溝(24)から出て凹所(23)まで移動させられるので、この状態でコア(2)とフランジ(3)とを軸方向に引っ張って、フランジの内周縁部(31)をコアの接続端部(21)から取り外せばよい。
以上の通り、この実施形態のフランジ付き巻芯(1A)によれば、極めて簡単な操作により、コア(2)の両端部へのフランジ(3)の着脱を迅速かつ確実に行うことが可能である。
また、この実施形態の巻芯(1A)の場合、フランジ取付構造が、上記のバヨネット連結機構(33)(23)(24)およびストッパ用係止機構(34)(25)(35)(26)によって構成されるため、コア(2)の内周面には雌ネジ等を形成する必要がなく、軸方向に突出する部分も生じないので、コア(2)に被巻回物を巻き取る作業に支障を来たすおそれがなく、被巻回物等に引っ掛かったりしない上、ネジ接合による取付構造のようにフランジ(3)の着脱に伴って屑が発生するおそれもない。
【0024】
図9〜
図14は、この発明の第2の実施形態を示したものである。
この実施形態のフランジ付き巻芯(1B)も、円筒状のコア(2)と、コア(2)の両端部にそれぞれ着脱自在に取り付けられる1対のリング状のフランジ(3)とよりなる。コア(2)およびフランジ(3)の基本構成は、第1の実施形態と同じであるので、詳しい説明は省略する。
【0025】
コア(2)の接続端部(21)には、4つの係止爪部(27)が周方向に等間隔おきに形成されている。各係止爪部(27)は、接続端部(2)の端縁から軸方向内方に向かって切り込まれた2本の平行なスリットどうしの間の部分によって弾性変形可能に構成される脚体(27a)と、脚体(27a)の先端に径方向外向きに形成された係止突起(27b)とを有している。係止突起(27b)は、脚体(27a)の先端から径方向外方に向かって斜めにのびる傾斜面と、傾斜面の端縁から径方向内方にのびる垂直面とを有する横断面略三角形状のものである。また、係止突起(27b)は、接続端部(21)から径方向外方に突出しないような高さとなされており、被巻回物等に引っ掛かるおそれがない。
【0026】
一方、フランジ(3)の内周縁部(31)に、同部分(31)がコアの接続端部(21)に嵌め合わせられるのに伴って各係止爪部(27)とスナップ係合する係止凸部(36)が、周方向に等間隔おきに4つ形成されている。各係止凸部(36)は、係止突起(27b)の傾斜面と接しうるようにこれと逆向きに傾斜した傾斜面と、傾斜面の端縁から径方向外方にのびる垂直面とを有する横断面略三角形状のものであって、フランジの内周縁部(31)の端縁面(31a)における軸方向内側部分に形成されている。
【0027】
また、コア(2)およびフランジ(3)を所定方向に相対回動させることによって係止爪部(27)と係止凸部(36)とが周方向にずれて係合が外れるように、コア(2)の接続端部(21)における係止爪部(27)と隣接する部分に、係止凸部(36)を逃がすためのスペース(S)が設けられている。
この実施形態では、スペース(S)は、コアの接続端部(21)における係止爪部(27)と隣接する部分が外周面から所定の厚み分だけ切り欠かれることによって形成されている。なお、上記部分を厚み全体にわたって切除することにより、スペース(S)を形成することも可能である。
【0028】
さらに、コアの接続端部(21)およびフランジの内周縁部(31)に、両者(21)(31)が嵌め合わせられるのに伴って周方向に係合する一方、コア(2)およびフランジ(3)を係止爪部(27)と係止凸部(36)との係合が外れる方向に相対回動させることによって係合が外れるストッパ用係止機構が設けられている。
この実施形態では、ストッパ用係止機構として、フランジの内周縁部(31)におけるコアの接続端部(21)と径方向に向かい合う面、即ち、内周縁部(31)の端縁面よりなる第1の面(31a)に、凸状の第1係止部(37)が周方向に等間隔おきに4つ形成されているとともに、コアの接続端部(21)におけるフランジの内周縁部(31)と径方向に向かい合う面、即ち、接続端部(21)の外周面よりなる第2の面(21a)に、係止爪部(27)と係止凸部(36)とがスナップ係合する際に各第1係止部(37)が挿入されるように軸方向にのびる凹溝状の第2係止部(28)が形成されている。
第1係止部(37)は、略半球状の突起よりなり、係止爪部(27)と係止凸部(36)との係合が外れる方向にコア(2)およびフランジ(3)を強制的に相対回動させることによって、第2係止部(28)から外れるような高さを有している。
第2係止部(28)は、第2の面(21a)の幅全体にわたって軸方向にのびる断面V字形の凹溝よりなる。
【0029】
上記のフランジ付き巻芯(1B)にあっては、次のようにして、コア(2)の両端部へのフランジ(3)の取付が行われる。
即ち、
図12に示すように、係止爪部(27)と係止凸部(36)、および第1係止部(37)と第2係止部(28)がそれぞれ対応する位置に来るように位置合わせをして、コア(2)の接続端部(21)にフランジ(3)の内周縁部(31)を嵌め込んでいく。
すると、
図13に示すように、各係止爪部(27)の係止突起(27b)と係止凸部(36)とがスナップ係合するとともに、第1係止部(37)が第2係止部(28)に挿入されて周方向に係合する。こうして、コア(2)の各端部にフランジ(3)が取り付けられる。
一方、コア(2)の両端部からフランジ(3)を取り外す場合、まず、コア(2)およびフランジ(3)を係合解除方向に強制的に相対回動させる。すると、第1係止部(37)が第2係止部(28)から外れ、次いで、係止凸部(36)がスペース(S)の位置まで周方向に移動させられることにより、係止爪部(27)と係止凸部(36)との係合が外れる(
図14参照)。そして、この状態でコア(2)およびフランジ(3)を軸方向に引っ張って、フランジの内周縁部(31)をコアの接続端部(21)から取り外せばよい。
以上の通り、この実施形態のフランジ付き巻芯(1B)によっても、極めて簡単な操作により、コア(2)の両端部へのフランジ(3)の着脱を迅速かつ確実に行うことが可能である。
また、この実施形態の巻芯(1B)の場合、フランジ取付構造が、上記の係止爪部(27)および係止凸部(36)ならびにストッパ用係止機構(37)(28)によって構成されるため、コア(2)の内周面には雌ネジ等を形成する必要がなく、軸方向に突出する部分も生じないので、コア(2)に被巻回物を巻き取る作業等に支障を来たすおそれがなく、被巻回物等に引っ掛かったりしない上、ネジ接合による取付構造のようにフランジ(3)の着脱に伴って屑が発生するおそれもない。
【0030】
図15〜
図20は、この発明の第3の実施形態を示したものである。
この実施形態のフランジ付き巻芯(1C)は、以下の点を除いて、
図9〜
図14に示す第2の実施形態のフランジ付き巻芯(1B)と実質的に同一である。
即ち、第3の実施形態のフランジ付き巻芯(1C)では、係止爪部(38)が、フランジ(3)の内周縁部(31)に周方向に等間隔おきに4つ形成される一方、コア(2)の接続端部(21)の外周面(21a)における各係合爪部(38)と対応する箇所に凹所(29)が設けられ、該凹所(29)に係止凸部(210)が形成されている。
また、コア(2)およびフランジ(3)を所定方向に相対回動させることによって係止爪部(38)と係止凸部(210)とが周方向にずれて係合が外れるように、コア(2)の接続端部(21)における係止凸部(210)と隣接する部分に、係止爪部(38)を逃がすためのスペース(S)が設けられている。
【0031】
各係止爪部(38)は、フランジ(3)の内周縁から外周縁に向かって切り込まれた2本の平行なスリットどうしの間の部分によって弾性変形可能に構成されかつ軸方向外方に向かって略コ字形に屈曲させられた脚体(38a)と、脚体(38a)の先端に径方向内向きに形成された係止突起(38b)とを有している。係止突起(38b)は、脚体(38a)の先端から軸方向外方に向かって斜めにのびる傾斜面と、傾斜面の端縁から径方向外方にのびる垂直面とを有する横断面略三角形状のものである。
【0032】
凹所(29)は、スペース(S)を形成するためにコアの接続端部(21)の外周面(21a)に形成された凹所(211)に連なるように形成されている。
係止凸部(210)は、係止突起(38b)の傾斜面と接しうるようにこれと逆向きに傾斜した傾斜面と、傾斜面の端縁から径方向内方にのびる垂直面とを有する横断面略三角形状のものであって、凹所(29)の軸方向外側部分に形成されている。
【0033】
上記フランジ付き巻芯(1C)の場合、次のようにして、コア(2)の両端部へのフランジ(3)の取付が行われる。
即ち、
図18に示すように、係止爪部(38)と係止凸部(210)、および第1係止部(37)と第2係止部(28)がそれぞれ対応する位置に来るように位置合わせをしながら、コア(2)の接続端部(21)にフランジ(3)の内周縁部(31)を嵌め込んでいく。
すると、
図19に示すように、各係止爪部の係止突起(38b)と係止凸部(210)とがスナップ係合するとともに、第1係止部(37)が第2係止部(28)に挿入されて周方向に係合する。こうして、コア(2)の各端部にフランジ(3)が取り付けられる。
一方、コア(2)の両端部からフランジ(3)を取り外す場合、まず、コア(2)およびフランジ(3)を係合解除方向に強制的に相対回動させる。すると、第1係止部(37)が第2係止部(28)から外れ、次いで、係止爪部(38)がスペース(S)の位置まで周方向に移動させられることにより、係止爪部(38)と係止凸部(210)との係合が外れる(
図20参照)。そして、この状態でコア(2)およびフランジ(3)を軸方向に引っ張って、フランジの内周縁部(31)をコアの接続端部(21)から取り外せばよい。
以上の通り、この実施形態のフランジ付き巻芯(1C)によれば、極めて簡単な操作により、コア(2)の両端部へのフランジ(3)の着脱を迅速かつ確実に行うことが可能である。
また、この実施形態の巻芯(1C)の場合、フランジ取付構造が、上記の係止爪部(38)および係止凸部(210)ならびにストッパ用係止機構(37)(28)によって構成されるため、コア(2)の内周面には雌ネジ等を形成する必要がなく、軸方向に突出する部分も生じないので、コア(2)に被巻回物を巻き取る作業等に支障を来たすおそれがなく、被巻回物等に引っ掛かったりしない上、ネジ接合による取付構造のようにフランジ(3)の着脱に伴って屑が発生するおそれもない。
【0034】
図21〜
図25は、この発明の第4の実施形態を示したものである。
この実施形態のフランジ付き巻芯(1D)も、コア(2)と、コア(2)の両端部にそれぞれ着脱自在に取り付けられる1対のフランジ(3)とよりなる。コア(2)およびフランジ(3)の基本構成は、第1の実施形態と同じであるので、詳しい説明は省略する。
【0035】
コア(2)の接続端部(21)に、軸方向にのびかつ先端に係止突起(212b)を有する係止爪部(212)が周方向に等間隔おきに4つ形成されている。一方、フランジ(3)の内周縁部(31)に、同部分(31)がコアの接続端部(21)に嵌め合わせられる際に各係止爪部(212)とスナップ係合する係止凸部(39)が形成されている。係止爪部の係止突起(212b)および係止凸部(39)は、コア(2)およびフランジ(3)を軸方向に引っ張ることによって係合が外れるような横断面形状を有している。
【0036】
各係止爪部(212)は、コア(2)の端縁から軸方向内方に切り込まれた2本の平行なスリットどうしの間の部分によって弾性変形可能に構成される脚体(212a)と、脚体(212a)の先端に径方向外向きに形成された係止突起(212b)とを有している。また、係止突起(212b)は、接続端部(21)の外周面(21a)から突出しないような高さとなされており、被巻回物等に引っ掛かるおそれがない。
【0037】
各係止凸部(39)は、フランジの内周縁部(31)の端縁面(31a)における軸方向内側部分に形成されている。
【0038】
係止爪部の係止突起(212b)および係止凸部(39)は、軸方向に対して互いに逆向きに傾斜した2つの傾斜面(F1)(F2)を有する横断面略三角形状のものとなされている。
また、係止爪部の係止突起(212b)および係止凸部(39)それぞれを構成する2つの傾斜面のうちスナップ係合している時に他方と接する傾斜面(F1)の傾斜角度が、もう1つの傾斜面(F2)の傾斜角度よりも大きくなされている。従って、係止爪部(212)と係止凸部(39)とをスナップ係合させる際に要する力が相対的に小さくなるので、フランジ(3)を取り付ける際の操作性が向上する一方、係合を外す際に要する力が相対的に大きくなるので、不用意にフランジ(3)が外れるおそれが少ない。
【0039】
上記フランジ付き巻芯(1D)の場合、次のようにして、コア(2)の両端部へのフランジ(3)の取付が行われる。
即ち、
図24に示すように、係止爪部(212)と係止凸部(39)がそれぞれ対応する位置に来るように位置合わせをしながら、コア(2)の接続端部(21)にフランジ(3)の内周縁部(31)を嵌め込んでいく。
すると、各係止爪部の係止突起(212b)と係止凸部(39)とがスナップ係合し(
図25参照)、それによってコア(2)の端部にフランジ(3)が取り付けられる。
一方、コア(2)の端部からフランジ(3)を取り外す場合、両者(2)(3)を互いに離間する軸方向に引っ張ると、係止爪部(212)と係止凸部(39)との係合が外れるので、フランジの内周縁部(31)をコアの接続端部(21)から取り外せばよい。
以上の通り、第4の実施形態のフランジ付き巻芯(1D)によれば、フランジ取付構造が単純であって製造が容易であり、また、極めて簡単な操作によりコア(2)の両端部にフランジ(3)を迅速に着脱することが可能であり、さらには、コア(2)への被巻回物の巻き取り時等の作業性や非発塵性が損なわれないという利点がある。
【0040】
図26〜
図30は、この発明の第5の実施形態を示したものである。
この実施形態のフランジ付き巻芯(1E)は、以下の点を除いて、
図20〜
図25に示す第4の実施形態のフランジ付き巻芯(1D)と実質的に同一である。
即ち、第5の実施形態のフランジ付き巻芯(1E)においては、係止爪部(310)が、フランジ(3)の内周縁部(31)に周方向に等間隔おきに4つ形成される一方、コア(2)の接続端部(21)の外周面(21a)における各係合爪部(310)と対応する箇所に凹所(213)が形成され、該凹所(213)に係止凸部(214)が形成されている。
【0041】
各係止爪部(310)は、フランジ(3)の内周縁から外周縁に向かって切り込まれた2本の平行なスリットどうしの間の部分によって弾性変形可能に構成されかつ軸方向外方に向かって略コ字形に屈曲させられた脚体(310a)と、脚体(310a)の先端に径方向内向きに形成された係止突起(310b)とを有している。
各係止凸部(214)は、凹所(213)の軸方向外側部分に形成されている。
【0042】
上記のフランジ付き巻芯(1E)によれば、係止爪部(310)と係止凸部(214)がそれぞれ対応する位置に来るように位置合わせをしながら、コア(2)の接続端部(21)にフランジ(3)の内周縁部(31)を嵌め込んでいくと(
図29参照)、各係止爪部の係止突起(310b)と係止凸部(214)とがスナップ係合し(
図30参照)、それによって、コア(2)の端部にフランジ(3)が取り付けられる。
また、コア(2)の端部からフランジ(3)を取り外す場合、両者(2)(3)を軸方向に引っ張って、係止爪部(310)と係止凸部(214)との係合を外した後、フランジの内周縁部(31)をコアの接続端部(21)から取り外せばよい。
以上の通り、第5の実施形態のフランジ付き巻芯(1E)によれば、フランジ取付構造が単純であって製造が容易である上、極めて簡単な操作によりコア(2)の両端部にフランジ(3)を迅速に着脱することが可能であり、さらには、コア(2)への被巻回物の巻き取り時の作業性や非発塵性が損なわれないという利点がある。