(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1から3に記載されたヘアカーラは、毛髪を巻き付けた後に手を離すと、巻き付け時に毛髪に対して所定の巻き付け力を付与した状態を維持することができず、巻き付け力が付与されていない状態で毛髪が巻き付けられるか、又は巻き付けられた毛髪が徐々に緩み、巻き付けた毛髪からヘアカーラが外れてしまうという問題があった。特に、特許文献2,3に記載されたヘアカーラは、カーラ本体に発熱体等を内蔵しているため、重量が重くなる傾向にある。この場合、ヘアカーラは自重によって毛髪から外れてしまうこともあり、ヘアカーラを使用する点では大きな問題となっていた。このような問題を解決するため、従来のヘアカーラは、毛髪を巻き付けた後に、この毛髪を巻き付けたヘアカーラを巻き付けた毛髪とともにヘアカーラとは別体のクリップで留めなければ、毛髪に巻き付け力を付与しつつヘアカーラに毛髪を巻き付けた状態を維持することが難しくなっていた。また、従来のヘアカーラの場合は、このように毛髪をヘアカーラに巻き付けた後にクリップで留めなければならないので、使用者に対して作業の煩雑さを感じさせてしまうという問題もあった。
【0005】
また、使用者にとっては、ヘアカーラに毛髪を巻き付ける際、特に毛髪の先端をヘアカーラに巻き付ける際には、該ヘアカーラと毛髪との間で滑りが生じやすく、毛髪を巻き付け難いという問題があった。また、毛髪を巻き付けている間に、巻き付けた毛髪のボリュームによって、ヘアカーラにおいて、巻き付けた毛髪の一部が毛髪を巻き付ける部位以外のところにまで飛び出てしまい、やはり毛髪を巻き付け難くなってしまうという問題もあった。このように、従来のヘアカーラは、該ヘアカーラへの毛髪の巻き付け作業を簡単に行うことができない場合が多く、作業が煩雑になるという問題もあった。特に、後頭部は使用者の手が届きにくいため、後頭部の毛髪にヘアカーラを用いる場合には作業が煩雑になっていた。
【0006】
さらに、特許文献1に記載されたヘアカーラでは、毛髪を巻き付けた後にドライヤ等で温風を該毛髪に吹き付けることが行われる。しかし、この場合は、使用者は、毛髪をヘアカーラに巻き付けるという作業に加えて、ドライヤ等を用いて温風を毛髪に吹き付ける作業を行わなければならず、作業の工程が多く煩雑に感じやすいという問題があった。また、この場合、使用者は、毛髪に巻き付けたカーラを目視することができないのが通常であり、巻き付けた毛髪に対してドライヤ等で温風を吹き付ける作業を行うのが難しいという問題があった。また、使用者は、このような場合には鏡を見ながら作業を行うことも考えられるものの、鏡越しでドライヤ等を用いて作業を行う際にも、使用者に対して作業の煩わしさを感じさせてしまうことがあった。このような作業は、例えば後頭部のように使用者が目視することが困難で、さらに手の届きにくい場所においては、特に使用者に対して煩わしさを感じさせてしまっていた。
【0007】
また、特許文献2,3に記載されたヘアカーラの場合は、カーラ本体に発熱体等を内蔵しているので、重量が重くなりがちであり、使用者が毛髪を巻き付ける作業を行う際の作業性が悪いという別の問題があった。特に、特許文献2,3に記載されたヘアカーラは、上記した通り毛髪の巻き付け作業がし難いものであったため、使用者にとっては重いヘアカーラを用いて毛髪の巻き付け作業を行わなければならず、作業の煩雑さが増加していた。
【0008】
また、ヘアカーラによっては、カーラ本体の両端部にガイドリブを有するものもある。このヘアカーラの場合には、使用者はガイドリブを握ってヘアカーラを回転させつつ毛髪を巻き付ける作業を行うことができる。しかし、このヘアカーラは、カーラ本体に巻き付けられる毛髪の嵩が増してガイドリブを越えてしまうと、この巻き付けた毛髪がガイドリブを隠してしまうために、却って巻き付け作業を行いにくくなってしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたもので、毛髪に対して所定の巻き付け力を付与しつつ、毛髪の巻き付けを確実に行うことができ、単体で毛髪を固定することで使い勝手を向上させ、より軽量化することが可能なヘアカーラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
(1)筒状に形成され
たカーラ本体を備えたヘアカーラであって、前記カーラ本体は、
凹凸のない平坦な曲面として形成された小径部と、前記小径部よりも大径に形成され
、平坦な曲面としての平坦面と前記平坦面の左右方向両端に突出形成された突出リブとが形成された大径部と、前記小径部及び前記大径部との間に形成された段差部とを有
するとともに、内部には、前記カーラ本体に対して電力を供給する給電台の給電端子と電気的に接続可能に形成された電極と、前記電極を支持する電極支持部と、電力の供給を受けて所定温度まで発熱する発熱体と、前記電極を介して前記電流を前記発熱体に供給する導電部材と、前記発熱体と面接触する伝熱部を有しており外周面が前記カーラ本体の内周面と接するとともに前記内周面を周回するように形成され、前記発熱体から得られる熱が伝えられている伝熱部材とが設けられており、前記カーラ本体の外面に巻き付けるための基部と、前記基部から立設するフック片とを有する髪巻体は、前記小径部の外面に第1基部及び前記第1基部から立設し先端がフック状に形成された第1フック片が設けられており、毛髪の先端を髪巻体に留めると共に前記毛髪を巻き付ける第1髪巻体と、前記大径部の外面に第2基部及び前記第2基部から立設し先端がフック状に形成された第2フック片が設けられており、前記第1髪巻体に前記毛髪を巻き付けた状態を維持するための第2髪巻体とを有し、前記第1フック片及び第2フック片は同一形状となるように形成されており、前記第1フック片の起毛高さが前記第2フック片の起毛高さよりも低くなるように形成されて
おり、前記突出リブは、前記第2基部よりも突出するように形成されていることを特徴とするヘアカーラ、
(2)カーラ本体の外面には、前記外面から突出し、前記外面の周方向及び/又は前記外面の筒軸方向へ形成されたリブが形成されており、前記外面と髪巻体の裏面との間に空間部が形成されている、上記(1)記載のヘアカーラ、を要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るヘアカーラによれば、筒状に形成され、発熱体及び少なくとも一部が前記発熱体と接触する伝熱体を内部に設けたカーラ本体を備え、前記カーラ本体の外面に、前記外面に巻き付けるための基部と、前記基部から立設するフック片とを有する髪巻体を備えたので、毛髪の先端をフック片で保持し、その後の毛髪の巻き取りも簡単に行うことができる。また、本発明に係るヘアカーラによれば、ヘアカーラのみによって確実に毛髪を保持し、巻き付け力を付与しつつ毛髪を巻き付けた状態を維持することもできる。したがって、使用者がヘアカーラを巻き付ける際の作業性を大幅に向上させることができ、巻き付け作業を容易に行うことが可能になる。また、本発明に係るヘアカーラによれば、ヘアカーラのみによって巻き付け力を付与しつつ毛髪を巻き付けた状態を維持することができるので、ヘアカーラを使用する時に必要な部品の点数を減らすことができ、使用者の作業性を向上させることが可能になる。さらに、本発明に係るヘアカーラによれば、ヘアカーラを加熱した状態で素早く毛髪を巻き付けることができるので、毛髪をより自然にカールさせることも可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第1の実施の形態に係るヘアカーラの構成を以下において具体的に説明する。なお、本明細書において、ヘアカーラ装置の前後上下左右は、
図1に示す前後上下左右方向を示すものとして説明し、ヘアカーラの前後上下左右は、
図2〜
図6の各図に示す前後上下左右方向を示すものとして説明する。なお、以下においては、ヘアカーラと給電台とを合わせてヘアカーラ装置と呼ぶことがある。また、本明細書では、頭部における毛髪に対してヘアカーラを用いる例について説明するが、本発明に係るヘアカーラは、頭部における毛髪以外のものに用いてもよい。
【0014】
図1に示すように、本実施の形態に係るヘアカーラ1を備えたヘアカーラ装置100は、給電台2とヘアカーラ1とを備えている。給電台2は、ハウジング3と接続突起4と給電端子とを備えている。ハウジング3は、給電台2のベースとなるもので、外部電源と接続可能であって該外部電源から電流の供給を受けるためのプラグを有している。なお、このプラグは、外部電源と接続可能であって電流の供給を受けることができればよく、コードの有無はいずれでもよい。接続突起4は、ハウジング3の上面から上方に向けて突出形成されている。接続突起4には、上部から下方に向けて接続孔5が開口形成されている。接続孔5には、図示しない給電端子が設けられており、ヘアカーラ1の後述する電極と接触して電気的に接続されるように構成されている。本実施の形態では、接続突起4は2つ設けられているが、接続突起4の数はこれに限定されるものではない。
【0015】
ヘアカーラ1は、給電台2の接続突起4に取り付けた際に給電端子と電極とが電気的に接続され、給電台2から発熱体に供給された電流により発熱するように構成されている。本実施の形態におけるヘアカーラ1としては、円筒形状ヘアカーラ11及び楕円形状ヘアカーラ12がある。
図2(a)及び
図3に示すように、円筒形状ヘアカーラ11は、外観構成としてカーラ本体13の外面に髪巻体14を巻き付けて構成されている。カーラ本体13は、ヘアカーラ1の外郭を形成するためのもので、例えば従来から公知の樹脂材料を任意に選択したものにより形成されているが、ヘアカーラ13を形成する材料としては、樹脂材料以外のものを用いて形成してもよい。また、カーラ本体13は、小径部15と、この小径部15よりも大径に形成された大径部16と、これら小径部15と大径部16との間に形成された段差部17とを有している。小径部15は、カーラ本体13の中央部分に形成されており、本実施の形態では、凹凸のない平坦な曲面として形成されている。大径部16は、小径部15の左右方向両端にそれぞれ形成されており、この小径部15よりも大径となるように形成されている。大径部16には、突出リブRと、平坦な曲面としての平坦面が形成されている。段差部17は、小径部15と大径部16との間に形成されており、本実施の形態では垂直方向に延びる垂直面として形成されている。この段差部17は、後述する第1髪巻体18に毛髪を巻き付ける際、この第1髪巻体18が設けられている箇所にのみ毛髪が巻き付けられるように、巻き付けられる毛髪の位置をガイドするためのものである。なお、段差部17は垂直面として形成されることに限定されるものではなく、例えば斜面のように、垂直面以外の態様に形成してもよい。
【0016】
髪巻体14は、カーラ本体13の外面に巻き付けるための基部と、この基部から立設するフック片とを有している。また、髪巻体14は毛髪の先端を髪巻体14に留めると共に毛髪を巻き付ける巻き付け部と、この巻き付け部に毛髪を巻き付けた状態を維持するための毛髪維持部とを有している。本実施の形態では、巻き付け部と毛髪維持部はそれぞれ別体で形成されている。すなわち、巻き付け部は、カーラ本体13の小径部15の外面に巻き付けられた第1髪巻体18であり、毛髪維持部は、カーラ本体13の大径部16の外面に巻き付けられた第2髪巻体19である。
【0017】
図3(a)に示すように、第1髪巻体18は、小径部15の外面に巻き付けるための第1基部20と、この第1基部20から立設する第1フック片21とを有している。また、第2髪巻体19は、大径部16の外面に巻き付けるための第2基部22と、この第2基部22から立設する第2フック片23とを有している。また、第1フック片21は、起毛高さがh1となり、第2フック片23は、起毛高さがh2となるように形成されており、第1フック片21の高さh1が、第2フック片23の高さh2よりも低くなるように、すなわち第1フック片21及び第2フック片23の高さの関係がh1<h2となるものを用いて形成されている。
【0018】
次に、円筒形状ヘアカーラ11の内部構成について説明する。
図3(a)及び
図3(b)に示すように、円筒形状ヘアカーラ11は、円筒形状に形成されたカーラ本体13の内部に、電極24、電極支持部25、導電部材26、発熱体27、ホルダ28及び伝熱部材29が収納されている。電極24は、給電台2の給電端子と電気的に接続することができるように形成されており、本実施の形態では金属製のピン状の部材で形成されている。電極24は、先端から所定距離上に位置する箇所から、該電極24の周囲を保持する保持部30が設けられている。この保持部30は、接続突起4の孔に挿入した際に接続孔5との関係で所定の大きさの摩擦力を付与することができるように形成されている。この電極24の上側に位置する後端には、ネジ止め等の任意な方法によって、導電部材26が連結されている。
【0019】
電極支持部25は、カーラ本体13の内部に挿入することができるように形成されていると共に、電極24を支持することができるように形成されている。この電極支持部25は、任意の樹脂材料を用いて形成されており、その用いる材料としては、カーラ本体13と同じ樹脂材料を用いてもよいし、カーラ本体13とは異なる樹脂材料を用いてもよい。この電極支持部25は、基台部31と、基台部31の左右方向中央部において上側に突出形成された電極取付部32が形成されている。基台部31は、電極支持部25のベースとなるもので、外周形状がカーラ本体13の端部の内径と略同じになるように形成されている。なお、ここで「略同じ」とは、端部の内径と基台部31の外径とが同じであることに限定されず、端部の内径が基台部31の外径よりも大きい場合や、端部の内径が基台部31の外径よりも小さい場合も含む。特に端部の内径が基台部31の外径よりも小さい場合には、基台部31をカーラ本体13に圧入するので、カーラ本体13内において強固に固定することができる。電極取付部32は、基台部31の略中央から上方に突出形成されており、中心に電極24を土地付固定するための固定孔33が開口形成されている。
図3(a)に示すように、電極24は固定孔33に挿通されており、固定孔33の下方に形成されている空間34に電極24の先端が位置するように配置される。
【0020】
導電部材26は、電極24を介して給電台2から供給される電流を発熱体27に供給するためのもので、例えば銅等のような、導電性のよい金属材料で形成されている。本実施の形態では、導電部材26は、一端部が電極24の後端にネジ止め等の任意な方法で電気的に接続されており、他端部が発熱体27に対してネジ止め等の任意な方法で電気的に接続することができるように形成されている。なお、本実施の形態では、導電部材26は略直角に折れ曲がって形成されているが、この形状に限定するものではない。
【0021】
発熱体27は、電極24及び導電部材26を介して給電台2から電流が供給されると加熱するものである。
図3(b)に示すように、発熱体27は、後述する伝熱部材29の少なくとも一部と接触するように構成されており、発熱体27が発生した熱が伝熱部材29に伝熱するように構成されている。なお、発熱体27と伝熱部材29とは、面接触していることが好ましい。発熱体27と伝熱部材29とが面接触することで、発熱体27から発せられる熱をより効率よく伝熱部材29に伝えることができる。ホルダ28は、発熱体27が伝熱部材29と面接触した状態を保持するためのものである。
図3(a)に示すように、ホルダ28は、ネジ止め等の任意な方法によって伝熱部材29に取付固定されており、これにより発熱体27を保持するように構成されているが、伝熱部材29の取付固定は、ネジ止め以外のもので行ってもよい。
【0022】
伝熱部材29は、熱伝導の良いアルミニウム板等の金属板を曲げ加工等して形成されており、外形形状がカーラ本体13の内側の形状と略一致し、外周面がカーラ本体13の内周面と接するように、該内周面を周回するように形成されている。この伝熱部材29は、発熱体27と接触する伝熱部35を有しており、この伝熱部35において発熱体27の面が面接触するように構成されている。なお
図2(a)における符号36は、接地電極である。なお、本実施の形態では、伝熱部材29にアルミニウム板を使用しているが、伝熱部材29にはアルミニウム板以外の材質ものを任意に選択して、適宜用いてよい。
【0023】
次に、楕円形状ヘアカーラ12の構成について説明する。なお、楕円形状ヘアカーラ12において円筒形状ヘアカーラ11の構成と同一のものについては説明を省略し、符号も同一のものを用いて説明する。
図2(b)に示すように、楕円形状ヘアカーラ12は、左端部から右端部にかけて略同一の大きさに形成されており、カーラ本体40の外面に髪巻体41を巻き付けて構成されている。また、楕円形状ヘアカーラ12は、髪巻体41は、第3基部42と、この第3基部42から立設する第3フック片43とを有しており、第3フック片43の高さはh3となるように形成されている。なお、本実施の形態では、楕円形状ヘアカーラ12においては第3フック片43の高さがh3であるもののみを用いている。すなわち、楕円形状ヘアカーラ12においては、左端部から右端部にかけて、高さが同じのものが用いられる。また、楕円形状ヘアカーラ12は、髪巻体41の巻き付け部と毛髪維持部は明確に仕切られておらず、髪巻体41の任意の場所を巻き付け部、毛髪維持部とすることができる。なお、符号40aは、楕円形状ヘアカーラ12の長径方向の第1先端部であり、符号40bは、楕円形状ヘアカーラ12の長径方向の第2先端部である。
【0024】
次に、楕円形状ヘアカーラ12の内部構成について説明する。
図4(a)、
図4(b)に示すように、楕円形状ヘアカーラ12は、楕円形状に形成されたカーラ本体40の内部に、電極44、電極支持部45、第1導電部材46、第2導電部材47、第1発熱体48、第2発熱体49、第1ホルダ50、第2ホルダ51及び伝熱部材52が収納されている。電極44は、電極支持部45に支持されており、後端の端部において第1導電部材46及び第2導電部材47がネジ止め等の任意な方法で取付固定されている。また、楕円形状ヘアカーラ12は、発熱体53が複数個設けられている。即ち、発熱体53は、第1導電部材46と電気的に接続されている第1発熱体48と、第2導電部材47と電気的に接続されている第2発熱体49とを有している。これら第1発熱体48及び第2発熱体49は、それぞれが対向する位置に設けられている。ホルダ54も、第1発熱体48を固定する第1ホルダ50と、第2発熱体49を固定する第2ホルダ51とからなる。伝熱部材52は、第1発熱体48及び第2発熱体49から発せられる熱を伝えるためのものである。熱伝導のよいアルミニウム板等の金属板を曲げ加工等して形成されており、外形形状がカーラ本体40の内側の形状と略一致し、外周面がカーラ本体40の内周面と接するように、該内周面を周回するように形成されている。また、楕円形状ヘアカーラ12の伝熱部材52には、第1発熱体48と接触する第1伝熱部55と、第2発熱体49と接触する第2伝熱部56とを有しており、第1伝熱部55において第1発熱体48が面接触し、第2伝熱部56において第2発熱体49が面接触するように構成されている。
【0025】
次に、本実施の形態に係るヘアカーラ1の作用について説明する。まず、使用者がヘアカーラ1を使用する場合には、予めヘアカーラ1の電極24を給電台2に形成されている接続突起4の接続孔5に挿入し、該電極24(楕円形状ヘアカーラ12の場合は電極44)と給電端子とを電気的に接続させておく。このように、電極24(44)と給電端子とを電気的に接続すると、電極24(44)、導電部材26(楕円形状ヘアカーラ12の場合は第1導電部材46及び第2導電部材47)等を介して、給電台2からヘアカーラ1の発熱体27(楕円形状ヘアカーラ12の場合は第1発熱体48及び第2発熱体49)に電流が供給される。そして、電流の供給を受けた発熱体27(48,49)が加熱し、この熱が伝熱部材29(楕円形状ヘアカーラ12の場合は伝熱部材52)に伝わって伝熱部材29(52)がほぼ均等な所定の温度にまで上昇する。このように、伝熱部材29(52)が所定の温度に加熱されると、その熱はカーラ本体13(楕円形状ヘアカーラ12の場合はカーラ本体40)を介してヘアカーラ1の外部へ放出される。すなわち、ヘアカーラ1全体が所定の温度にまで加熱されることになる。
【0026】
次に、使用者がヘアカーラ1を巻き付ける際の作用効果について説明する。この場合、使用者は、ヘアカーラ1を給電台2から取り、毛髪に巻き付ける。ここで、使用者が円筒形状ヘアカーラ11を用いる場合には、毛髪の先端を第1髪巻体18に巻き付ける。この時、本実施の形態では、第1フック片21の高さが第2フック片23の高さよりも小さいものが用いられているので、毛髪の先端を第1髪巻体18に巻き付けると、毛髪の先端は、第1髪巻体18の第1フック片21に絡み付いて第1髪巻体18に固定され、確実に毛髪の先端を巻き付けることができる。毛髪の先端が第1フック片21により固定されると、その後は使用者がヘアカーラ1を回転させて、毛髪に所定の巻き付け力を付与しながら毛髪をヘアカーラ1に巻き付けることができる。この時、本実施の形態に係るヘアカーラ1は、毛髪の先端を確実に固定しており、ヘアカーラ1と毛髪との間に滑りが生じないので、使用者はヘアカーラ1を回転させることのみによって、簡単に毛髪をヘアカーラ1に巻き付けることができる。また、円筒形状ヘアカーラ11のカーラ本体13には、小径部15と大径部16との間に段差部17が設けられているので、巻き付けた毛髪が大径部16へ飛び出さず、確実に小径部15において巻き付けることができる。そして、使用者が毛髪をヘアカーラ1に巻き付けて、所定の巻き付け力を付与しつつ毛髪を巻き付けた状態を維持する場合には、第2髪巻体19に毛髪を付ける。第2髪巻体19に毛髪を付けると、第2髪巻体19の第2フック片23の起毛高さが第1フック片21よりも高くなるように形成されているので、第1フック片21よりも多くの毛髪を第2フック片23に絡ませることができる。したがって、第2髪巻体19に毛髪をつけることで、毛髪を巻き付けたヘアカーラ1を、毛髪に対して所定の巻き付け力を付与した状態で、その場に維持させることができる。すなわち、円筒形状ヘアカーラ11によれば、巻き付けを開始する時は第1フック片21に毛髪を絡ませて毛髪の巻き付けを促進し、巻き付け終了時には、第2フック片23に毛髪を絡ませることで、所定の巻き付け力を付与しつつ毛髪が巻き付けられた状態を維持し、その場に固定させることが可能になる。
【0027】
次に、楕円形状ヘアカーラ12の作用効果について説明する。楕円形状ヘアカーラ12を使用する場合は、毛髪の先端を第3フック片43に絡ませる。第3フック片43に毛髪を絡ませると、楕円形状ヘアカーラ12に毛髪の先端が固定されるので、所定の巻き付け力を付与しながら毛髪の巻き付けを容易に行うことができる。そして、毛髪を巻き付けた後は、そのまま手を離すと巻き付いた状態を維持しつつその場に固定される。これは、楕円形状ヘアカーラ12の外形形状が楕円形状をしており、第1先端部40aと第2先端部40bが形成されていることに起因する。すなわち、楕円形状ヘアカーラ12に毛髪を巻き付けた後に使用者が手を離すと、楕円形状ヘアカーラ12は自重により下方へ落下しようとするものの、楕円形状ヘアカーラ12には毛髪が巻き付いているので回転しながら落下しようとする。この時、楕円形状ヘアカーラ12は、回転しだすと第1先端部40aと第2先端部40bのいずれかが使用者の頭皮と接触し、この位置で落下を防止することができる。このように、楕円形状ヘアカーラ12の場合には、楕円形状とすることによって、毛髪の巻き付いた状態を容易に維持することが可能になる。なお、この楕円形状ヘアカーラ12は、比較的毛髪の長さが短い前髪を自然な形でカールさせる場合に、特に有用である。
【0028】
このように、本実施の形態に係るヘアカーラによれば、非常に簡便に、かつ短時間でヘアカーラを毛髪に巻き付けることができる。したがって、巻き付ける前に所定の温度に加熱することでヘアカーラが持つ熱を毛髪に十分に与えることができ、より短時間で毛髪を巻き付けることが可能になる。
【0029】
なお、本実施の形態では、円筒形状のヘアカーラのみ小径部と大径部を有する構成にしたが、楕円形状のヘアカーラも小径部と大径部を有する構成にしてもよい。
【0030】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るヘアカーラの構成を以下において具体的に説明する。なお、本実施の形態に係るヘアカーラの構成について、先に説明した第1の実施の形態のヘアカーラと同一の箇所については、説明を省略する。また、以下においては、円筒形状ヘアカーラに適用した例を用いて説明するが、楕円形状ヘアカーラに適用してもよい。
【0031】
本実施の形態に係る円筒形状ヘアカーラ61は、カーラ本体62の外面において、該外面から突出し、この外面の周方向及び/又は外面の筒軸方向へ形成されたリブ63が形成されており、外面と第1髪巻体66の裏面との間に空間部67が形成されていることを特徴とするものである。
【0032】
図5に示すように、円筒形状ヘアカーラ61のカーラ本体62には、外面にリブ63が形成されている。このリブ63は、外面の周方向に延びる4つの第1リブ64と、外面の筒軸方向に延びる第2リブ65とからなる。これら第1リブ64及び第2リブ65は、外面に対して、該外面から外方向へ突出するように形成されている。これら第1リブ64及び第2リブ65の突出高さは、それぞれが異なるように形成してもよいし、同一になるように形成してもよいが、第1髪巻体66の取り付け及び巻き付けやすさや、小径部に巻き付けた第1髪巻体66の横断面形状を略真円にすることによる毛髪の巻き付けやすさ等の観点から、第1リブ64と第2リブ65の突出高さは同一の高さとなるように形成することが好ましい。
図6(a)及び
図6(b)に示すように、第1髪巻体66は、これら第1リブ64の上面及び第2リブ65の上面と接するように巻き付けられており、これら第1リブ64及び第2リブ65の高さ分だけ、外面と第1髪巻体66の裏面との間に空間部67が形成されている。
【0033】
次に、本実施の形態に係る円筒形状ヘアカーラ61の作用効果について説明する。なお、毛髪の巻き付けに関する作用効果については、先に説明したのと同様であるから、ここでの説明は省略する。本実施の形態に係る円筒形状ヘアカーラ61は、発熱体68により発熱された熱が伝熱部材69により全体的に伝熱し、外面は全体的に均一の温度になるように加熱される。本実施の形態に係る円筒形状ヘアカーラ61は、第1髪巻体66が外面と直接接しておらず、第1リブ64及び第2リブ65と接している。そのため、第1髪巻体66は、外面から輻射により空間部67を伝わってきた熱で加熱されることになり、使用時に比較的低い温度で長時間に亘って巻き付けた毛髪に熱を付与することができる。また、使用者が不意にヘアカーラに触れることがあっても、安全に使用することができる。
【0034】
以上、本発明に係るヘアカーラについて詳細に説明したが、これは例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更してよい。