(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る遊技媒体貯留装置について詳細に説明する。
【0013】
<遊技機島>
最初に、
図1を用いて、本発明の実施形態に係る遊技媒体貯留装置を備えた遊技機島10について説明する。なお、
図1は、本実施形態に係る遊技機島10の概要を示す正面図である。
【0014】
図1に示すように、遊技機島10は、遊技機島10の上部において遊技球等の遊技媒体を一時的に貯留する上部タンク12と、この上部タンク12に貯留された遊技媒体を各遊技機14に供給する2本の補給樋16(
図1において一方のみ図示)と、遊技者が獲得した遊技媒体を計数する計数装置18と、各遊技機14や計数装置18から排出された遊技媒体を回収する2本の回収通路20と、各々の回収通路20によって中央に集められた遊技媒体を上部タンク12へ揚送する第1揚送装置21と、回収通路20に溜まった遊技媒体を一時的に貯留するための遊技媒体貯留装置30と、を有して構成されている。
【0015】
遊技機島10では、上部タンク12、2本の補給樋16、2本の回収通路20、第1揚送装置21等によって遊技媒体の循環経路が形成され、遊技媒体を過不足なく各遊技機14へ補給するように構成されている。なお、遊技媒体の循環経路の構成は、この例に限定されるものではなく、例えば、上部タンク12、1本の補給樋16、1本の回収通路20、第1揚送装置21等によって遊技媒体の循環経路を形成してもよい。
【0016】
上部タンク12や補給樋16等の部材は、遊技店の床面Fなどに設置される金属製のフレーム22の上段部分に取り付けられ、回収通路20等の部材は、フレーム22の下段部分に取り付けられる。また、フレーム22の上段部分には、補給樋16を覆い隠すための幕板24(
図1において一部のみ図示)が開閉可能に設けられ、フレーム22の下段部分には、遊技球を収容する収容箱(いわゆる、ドル箱)を載置可能な膳板26と、遊技機14と床面Fとの間に配置される腰板28とが設けられている。また、フレーム22の左右の端部には、妻板29が設けられている。
【0017】
<補給樋>
遊技機島10の補給樋16は、例えば、筒状の部材からなり、上部タンク12を基端として遊技機島10の中央部から左右両端に亘って各1本が設置されている。各々の補給樋16は、遊技機島10の中央部側の端部よりも遊技機島10の左右両側の端部の方が低くなるように傾斜して配置される。このような構成により、上部タンク12から補給樋16に排出された遊技媒体は、補給樋16上を自重によって遊技機島10の中央部から遊技機島10の左右両側に向かって転動し、補給樋16と各遊技機14とを接続する補給シュート(図示省略)を介して各遊技機14に供給される。
【0018】
<回収通路>
遊技機島10の回収通路20は、例えば、筒状の部材からなり、第1揚送装置21を基端として遊技機島10の中央部から左右両端に亘って各1本が設置されている。各々の回収通路20は、上述の補給樋16とは逆に、遊技機島10の左右両端側の端部よりも遊技機島10の中央部側の端部の方が低くなるように傾斜して配置される。このような構成により、各遊技機14や計数装置18から回収通路20に排出された遊技媒体は、回収通路20上を自重によって遊技機島10の左右両側から遊技機島10の中央部に向かって転動し、遊技機島10の中央部に設置された第1揚送装置21に到達する。
【0019】
<第1揚送装置>
遊技機島10の第1揚送装置21は、モータ等を駆動源として、ベルトやスクリューによって、下方の遊技媒体を上部タンク12へ揚送する装置である。なお、第1揚送装置21は、遊技媒体を揚送しながら遊技媒体を洗浄する洗浄機能を備えていてもよい。
【0020】
<遊技媒体貯留装置>
次に、
図2および
図3を用いて、本発明の特徴点である遊技媒体貯留装置30について詳細に説明する。なお、
図2は、上記
図1の正面図において遊技媒体貯留装置30の周辺を部分的に拡大して示した部分拡大図であり、
図3は、
図2の部分拡大図に対応する平面図である。
図2および
図3においては、説明の都合上、一部の部材を省略して示している。
【0021】
遊技媒体貯留装置30は、遊技媒体を一時的に貯留することが可能な箱状の貯留タンク32と、この貯留タンク32と(遊技島10の)回収通路20とを連結する板状の連結通路34と、貯留タンク32に貯留された遊技媒体を連結通路34上に揚送する第2揚送装置36と、を有して構成される。
【0022】
遊技媒体貯留装置30では、貯留タンク32、連結通路34、第2揚送装置36等によって、遊技機島10における遊技媒体の循環経路とは別の、遊技媒体の循環経路が形成されている。そして、この遊技媒体貯留装置30における循環経路によって、回収通路20が遊技媒体で満タンになった場合に、遊技媒体の一部を一時的に貯留タンク32に貯留する一方で、回収通路20に空きが生じた場合に、一時的に貯留された遊技媒体を回収通路20に戻すように構成されている。
【0023】
なお、
図2に示すように、遊技媒体貯留装置30の天板30aの上方には、計数装置18が載置される。この計数装置18の排出通路18aは、妻板29に形成された開口部(図示省略)を通って回収通路20の上方まで突出される。この排出通路18aの先端は、遊技媒体貯留装置30の連結通路34の開口部34f(
図5参照)よりも先まで突出されており、排出通路18aから排出される遊技媒体が、貯留タンク32に貯留されることなく回収通路20に供給されるように構成される。すなわち、計数装置18は、遊技媒体貯留装置30の作動状況とは無関係に、常時、回収通路20に遊技媒体を提供することができる。
【0024】
このように、遊技機島10における遊技媒体の循環経路と、遊技媒体貯留装置30における遊技媒体の循環経路は、別の循環経路とされ、かつ、計数装置18は、遊技媒体貯留装置30の作動状況とは無関係に、常時、回収通路20に遊技媒体を提供することができる構成とされている。このため、例えば、遊技媒体貯留装置30が故障した場合や、遊技媒体貯留装置30の保守等のために動作を停止せざるを得ないような場合でも、計数装置18から排出される遊技媒体を回収通路20に供給することができ、遊技機島10における遊技媒体の循環経路を通じて、各遊技機14への遊技媒体の補給を継続することができる。
【0025】
<貯留タンク>
次に、
図4を用いて、遊技媒体貯留装置30の貯留タンク32について説明する。なお、
図4(a)は、天板30aを外した状態の貯留タンク32の平面図であり、上記
図3に対応する図である。また、
図4(b)は、第6側板38fを外した状態の貯留タンク32の側面図であり、上記
図2に対応する図である。また、
図4(c)は、同図(a)を第3側板38c側から見た側面図である。
図4においては、説明の都合上、一部の部材を省略して示している。
【0026】
貯留タンク32は、全体が箱状の部材からなり、遊技媒体を貯留することが可能な平面視L字形状の貯留部38と、この貯留部38に隣接して配置され、上述の第2揚送装置36を収容することが可能な装置収容部40と、を有して構成されている。
【0027】
<貯留部>
貯留タンク32の貯留部38は、遊技機島10の妻板29に対向して配置される第1側板38aと、この第1側板38aに対して平行に配置される第2側板38b、第3側板38cと、第1側板38aに対して垂直に配置される第4側板38d、第5側板38e、第6側板38fと、これらの第1側板38a〜第6側板38fの底部に配置される底板38gと、によって区画形成される空間を備える。この空間内には、後述する各種部材が配置されるとともに、遊技媒体が貯留可能である。
【0028】
また、
図4(b)に示すように、第2側板38bの下方には、開口された排出口38b1が形成されており、この排出口38b1を通じて、貯留部38に貯留された遊技媒体を装置収容部40側に排出することが可能である。
【0029】
<第1誘導通路>
また、
図4(a)に示すように、貯留部38には、第1側板38aから第3側板38cに亘る長板状の第1誘導通路38hが配設されている。この第1誘導通路38hの一端側は、第1側板38aに形成された凹部38a1(
図4(c)参照)に下方を支持されており、
図4(a)、(b)に示すように、その先端部38h1が、第1側板38aから外部に突出された状態で固定されている。また、この第1誘導通路38hの先端部38h1には、三方向を囲うように壁板38h2が設けられている。
【0030】
一方、第1誘導通路38hの他端側は、
図4(b)に示すように、第3側板38cの内壁に形成された支持部38c1に下方を支持されている。この支持部38c1は、第1側板38aの凹部38a1の最大深さよりも低い位置に形成されており、第1誘導通路38hの上面は、第1側板38aから第3側板38cに向かって下降する傾斜面とされている。
【0031】
この第1誘導通路38hは、連結通路34の開口部34f(
図5参照)を通って先端部38h1上に落下した遊技媒体を、第1側板38aから第3側板38cの方向(第1誘導通路38hの長手方向)に誘導する役割を果たす部材である。遊技媒体貯留装置30は、このような第1誘導通路38hを備えることで、遊技媒体を貯留タンク38の奥側にスムーズに誘導することができる上に、誘導した遊技媒体を第1誘導通路38hの幅方向両側に落下させることで、遊技媒体が貯留部38の特定の場所に溜まりやすくなることを阻止することができ、貯留部38における遊技媒体の流れを良くすることができる。
【0032】
また、
図4(a)に示すように、第1誘導通路38hの他端側上面には、第1誘導通路38hの長手方向の軸心に対して所定角度だけ傾斜する傾斜面を有する傾斜板38h3が取り付けられている。遊技媒体貯留装置30は、このような傾斜板38h3を備えることで、第1誘導通路38h上を転動して傾斜板38hに衝突した遊技媒体の移動方向を変化させることが可能となっており、遊技媒体が貯留部38の特定の場所に溜まりやすくなることを阻止することができ、貯留部38における遊技媒体の流れを良くすることができる。
【0033】
<第2誘導通路>
また、
図4(a)に示すように、貯留部38には、第1誘導通路38hの中央部から第4側板38dおよび第6側板38fの両方向に亘る長板状の第2誘導通路38iが配設されている。
図4(c)に示すように、この第2誘導通路38iの一端側は、第1誘導通路38hに支持されており、他端側は、第4側板38dおよび第6側板38fに形成された支持部38d1、38f1によってそれぞれ支持されている。
【0034】
これらの支持部38d1、38f1は、第1誘導通路38hの中央部の高さよりも低い位置に形成されており、第2誘導通路38iの上面は、第1誘導通路38hから第4側板38dおよび第6側板38fの両方向に向かって下降する傾斜面とされている。
【0035】
この第2誘導通路38iは、第1誘導通路38hによって誘導される遊技媒体の一部や、貯留部38に貯留された遊技媒体の一部を、第1誘導通路38hから第4側板38dおよび第6側板38fの両方向(第1誘導通路38hの幅方向)に誘導する役割を果たす部材である。遊技媒体貯留装置30は、このような第2誘導通路38iを備えることで、遊技媒体を第1誘導通路38hとは異なる方向に誘導することができる上に、誘導した遊技媒体を第2誘導通路38iの幅方向両側(または一方側)に落下させることで、遊技媒体が貯留部38の特定の場所に溜まりやすくなることを阻止することができ、貯留部38における遊技媒体の流れをさらに良くすることができる。
【0036】
また、
図4(a)に示すように、第2誘導通路38iの他端側上面には、第2誘導通路38iの長手方向の軸心に対して所定角度だけ傾斜する傾斜面を有する傾斜板38i1が取り付けられている。遊技媒体貯留装置30は、このような傾斜板38i1を備えることで、第2誘導通路38i上を転動して傾斜板38i1に衝突した遊技媒体の移動方向を変化させることが可能となっており、遊技媒体が貯留部38の特定の場所に溜まりやすくなることを阻止することができ、貯留部38における遊技媒体の流れを良くすることができる。
【0037】
<底板>
また、
図4(c)に示すように、貯留部38の底板38gには、第4側板38dから第6側板38fに向かって下降する傾斜面と、同図(b)に示すように、第3側板38cから第2側板38bの排出口38b1に向かって下降する傾斜面が形成されている。このような構造により、貯留部38に貯留された遊技媒体を排出口38b1に向けて確実に誘導することができ、遊技媒体の循環を円滑に行うことができる。
【0038】
また、この排出口38b1の下方には、薄板状の開閉可能なシャッタ(図示省略)を設けており、後述する第2揚送装置36の保守などの際に、シャッタ(図示省略)を閉鎖することで、貯留部38に貯留された遊技媒体が装置収容部40に流入することを阻止することができる。
【0039】
<第3誘導通路>
また、
図4(a)〜(c)に示すように、第6側板38fの内壁には、下方に傾斜された長板状の第3誘導通路38jが取り付けられている。この第3誘導通路38jは、第2誘導通路38iによって第6側板38fの方向に誘導される遊技媒体の一部を、第6側壁38fから遠ざかる方向に誘導する役割を果たす部材である。遊技媒体貯留装置30は、このような第3誘導通路38jを備えることで遊技媒体を第6側板38fから遠ざかる方向に移動させることができるため、遊技媒体が貯留部38の特定の場所に溜まりやすくなることを阻止することができ、貯留部38における遊技媒体の流れをさらに良くすることができる。
【0040】
また、貯留部38に所定量の遊技球が溜まった場合、排出口38b1近傍の下層の遊技球は上層の遊技球から圧力を受けるため、下層の遊技球の流れが悪くなるおそれがあるが、遊技媒体貯留装置30は、第3遊技通路38jを備えることで、第3遊技通路38jに乗り上げた上層の遊技球と、第3遊技通路38jの下方に存在する下層の遊技球を分離することができる。このため、貯留部38に所定量の遊技球が溜まった場合でも、排出口38b1近傍において、上層の遊技球から下層の遊技球に加えられる圧力を逃がすことができ、下層の遊技球を迅速かつ円滑に排出口38b1から排出することができる。
【0041】
<装置収容部>
貯留タンク32の装置収容部40は、
図4(a)に示すように、貯留部38の一部を構成する第1側板38aおよび第5側板38eと、第1側板38aに対向する第7側板40aと、第1側板38aの端部に取り付けられたヒンジ(図示省略)を支点として回動可能な扉40bと、によって区画形成される空間を備える。この空間内には、後述する第2揚送装置36が着脱可能に収容される。
【0042】
また、
図4(b)に示すように、第7側板40aの下方には、貯留部38の排出口38b1と連通する流入口40a1が形成されており、この流入口40a1と貯留部38の排出口38b1を通じて、貯留部38に貯留された遊技媒体を装置収容部40の底部40aに流入させることが可能である。
【0043】
<連結通路>
次に、
図5を用いて、遊技媒体貯留装置30の連結通路34について説明する。なお、
図5(a)は、連結通路34の平面図であり、同図(b)は、連結通路34の側面図である。
【0044】
この連結通路34は、平板状のベース34aと、このベース34aの短手方向一方側の外縁に沿って突出形成された第1側壁34bと、ベース34aの短手方向他方側の外縁に沿って突出形成された第2側壁34cと、ベース34aの長手方向一方側の外縁に沿って突出形成された第3側壁34dと、ベース34aの背面の隅に配設された満タンセンサ34eと、ベース34aの中央やや左側に形成された平面視長方形状の開口部34fと、この開口部34fの長辺一方側に突出形成された平面視L字形状の中央壁34gと、を有して構成される。
【0045】
第1側壁34b、第2側壁34c、および第3側壁34dは、ベース34a上を転動する遊技媒体がベース34a上から落下することを阻止する役割を果たす部材である。また、第2側壁34cと第3側壁34dとの間には、後述する第2揚送装置36の球出口36b1が取り付けられる。
【0046】
開口部34fは、回収通路20から連結通路34のベース34aに流入する遊技媒体を、下方に配置される貯留タンク32に導くための部位である。また、中央壁34gは、回収通路20から連結通路34のベース34aに流入する遊技媒体の一部を、開口部34fに導くとともに、第2揚送装置36によって揚送されて連結通路34を回収通路20に向かって転動する遊技媒体の一部が、開口部34fに流入するのを阻止し、当該遊技媒体を回収通路20の方向に導くための部材である。
【0047】
満タンセンサ34eは、遊技媒体の有無を検出するためのセンサであり、本実施形態では、近接センサを適用している。この満タンセンサ34eの信号線は、後述する第2揚送装置36の制御部36aの入力端子に接続されており、制御部36aでは、満タンセンサ34eから入力される信号を検出可能である。なお、満タンセンサ34は、遊技媒体の有無を検出できるセンサであればよく、例えば、近接センサのほかに、フォトセンサなどを適用してもよい。
【0048】
<連結通路の配置>
次に、上記
図2と
図3を再び用いて、連結通路34の配置について説明する。
図3に示すように、連結通路34は、その開口部34fが貯留タンク32の第1誘導通路38hの先端部38h1の上方に位置するように、貯留タンク32の第1側板38aの凹部38a1に嵌め込まれる。また、上記
図2に示すように、連結通路34は、回収通路20の傾斜に合わせて下方に傾斜され、そのベース34aが回収通路20の上面に重なるように配置される。
【0049】
この連結通路34によって回収通路20と貯留タンク32とが連結され、双方の間で遊技媒体の行き来が可能となることから、回収通路20に収容できずに連結通路34の開口部34fまで達した遊技媒体は、この開口部34fを通って第1誘導通路38hの先端部38h1上に落下し、第1誘導通路38hを転動して貯留タンク32に移動する。一方、後述する第2揚送装置36によって貯留タンク32から連結通路34のベース34aに達した遊技媒体は、自重によってベース34a上を連結通路34から回収通路20に向かって移動する。
【0050】
<第2揚送装置>
次に、上記
図2と
図3を再び用いて、第2揚送装置36について説明する。第2揚送装置36は、装置収容部40の底部40aに取り付けられた遊技媒体検出センサ36aと、遊技媒体を装置収容部40の底部40aから連結通路34のベース34a上まで揚送する揚送部36bと、この揚送部36bの駆動制御等を行う制御部36c(図示省略)と、を有して構成されている。
【0051】
遊技媒体検出センサ36aは、装置収容部40の流入口40a1から流入する遊技媒体の有無を検出するためのセンサであり、本実施形態では、近接センサを適用している。この遊技媒体検出センサ36aの信号線は、制御部36cの入力端子に接続されており、制御部36cでは、遊技媒体検出センサ36aから入力される信号を検出可能である。なお、遊技媒体検出センサ36aは、遊技媒体の有無を検出できるセンサであればよく、例えば、近接センサのほかに、フォトセンサなどを適用してもよい。
【0052】
揚送部36bは、駆動モータやレール等を備え、流入口40a1から装置収容部40の底部40aに流入する遊技媒体を、レールを使って下方から上方に搬送した後、連結通路34のベース34aに配設された球出口36b1(
図5(a)参照)から排出する装置であり、従来公知の揚送装置を採用することができる。また、制御部36cは、CPU、ROM、RAM、入出力端子等を備えるマイクロコンピュータによって構成され、その入出力端子には、遊技媒体検出センサ36aや満タンセンサ34eからの信号線や、揚送部36bの駆動モータへの信号線等が接続される。
【0053】
第2揚送装置36では、制御部36cが遊技媒体検出センサ36aや満タンセンサ34eから出力される信号を定期的に検出し、満タンセンサ34eからの信号が遊技媒体有りを示している場合には、連結通路34のベース34a全体に遊技媒体が溜まっており回収通路20に遊技媒体を供給できない満タン状態であると判定し、揚送部36bの作動を停止させる。
【0054】
一方、満タンセンサ34eからの信号が遊技媒体無しを示しており、かつ、遊技媒体検出センサ36aからの信号が遊技媒体有りを示している場合には、連結通路34のベース34a上に空きがあり回収通路20に遊技媒体を供給できる状態であると判定し、揚送部36bを作動させ、装置収容部40の底部40aに溜まった遊技媒体を連結通路34のベース34a上まで揚送する。
【0055】
<遊技媒体貯留装置の動作>
次に、
図6〜
図8を用いて、遊技媒体貯留装置30の動作について説明する。
図6は、遊技機島10の回収通路20に溜まった遊技媒体が連結通路34のベース34aまで達した状態を示す部分拡大平面図である。
【0056】
各遊技機14の下部に設置されたアウトボックス14aから排出される遊技媒体や、計数装置18の排出通路18a(
図2参照)から排出される遊技媒体は、回収通路20によって回収され、上述の遊技媒体の循環経路を通って再び各遊技機14に補給される。しかしながら、各遊技機14に補給される遊技媒体の量よりも回収通路20に排出される遊技媒体の量が大きくなった場合には、回収通路20上に徐々に遊技媒体が溜まり、最終的に、回収通路20の最上部の延長線上に配置される連結通路34を遡り、この連結通路34のベース34aまで達することになる。
【0057】
このとき、回収通路20から連結通路34に流入した遊技媒体の一部は、連結通路34の開口部34fを通って第1誘導通路38hの先端部38h1上に落下し、第1誘導通路38hの傾斜にしたがって第1誘導通路38h上を移動し、貯留タンク32に貯留される。
【0058】
従来の遊技機島では、回収通路20が遊技媒体で満タンになってしまった場合に、遊技機14や計数装置18から回収通路20に遊技媒体を排出することができなくなるため、計数装置18を一時的に停止させたり、遊技機14の使用を一時的に中止して遊技媒体を取り除く等の対応が必要である。
【0059】
この点、本実施形態に係る遊技媒体貯留装置30によれば、回収通路20が遊技媒体で満タンになってしまった場合でも、当該遊技媒体の一部を貯留タンク32に一時的に貯留することができ、回収通路20に貯留タンク32の容量分の空きを作ることができる。このため、遊技機島10において循環する遊技媒体の量を適正に保持することができ、例えば、遊技機14や計数装置18から回収通路20に大量の遊技媒体が排出された場合でも、遊技媒体の増量分を貯留タンク32で吸収できる場合があり、従来の遊技機島のように、計数装置18を一時的に停止させたり、遊技機14の使用を一時的に中止するような対応が不要で、遊技者に不利益を与えるようなことがなく、遊技者に対するサービスを高めることができる上に、遊技店の店員などの利便性を高めることができる。
【0060】
次に、
図7は、遊技機島10の回収通路20に溜まった遊技媒体が減少して回収通路20に空きが生じた状態を示す部分拡大平面図である。貯留タンク32に貯留された遊技媒体は、底板38gの傾斜面に沿って底板38g上を移動し、貯留タンク32の排出口38b1の方向に移動する。この排出口38b1から排出された遊技媒体は、装置収容部40の流入口40a1を通って装置収容部40の底部40aに到達する。
【0061】
このとき、底部40aに所定量の遊技媒体が溜まると、遊技媒体検出センサ36aが第2揚送装置36の制御部36cに遊技媒体有りの信号を出力する。また、この例では、満タンセンサ34eの上方には遊技媒体が存在しないため、満タンセンサ34eが第2揚送装置36の制御部36cに遊技媒体無しの信号を出力する。
【0062】
第2揚送装置36の制御部36cは、満タンセンサ34eからの信号が遊技媒体無しを示しており、かつ、遊技媒体検出センサ36aからの信号が遊技媒体有りを示しているため、連結通路34のベース34a上に空きがあり回収通路20に遊技媒体を供給できる状態であると判定し、第2揚送装置36の揚送部36bを作動させる。この揚送部36bの作動により、装置収容部40の底部40aに溜まった遊技媒体は、連結通路34のベース34a上まで揚送され、ベース34aの傾斜にしたがってベース34a上から回収通路20に向かって転動する。このようにして回収通路20に到達した遊技媒体は、最終的に各遊技機14に供給される。
【0063】
従来の遊技機島では、大当り等によって遊技機島10内で循環する遊技媒体の量が少なくなってしまった場合に、遊技媒体を補充する等の対応が必要である。この点、本実施形態に係る遊技媒体貯留装置30によれば、貯留タンク32に一時的に貯留した遊技媒体を回収通路20に再び戻すことができる。このため、遊技機島10において循環する遊技媒体の量を適正に保持することができ、例えば、大当り等によって遊技機14からの出球が瞬間的に増加した場合でも、遊技媒体の減量分を貯留タンク32で吸収できる場合があり、従来の遊技機島のように、遊技媒体を補充する等の対応が不要で、遊技者に不利益を与えるようなことがなく、遊技者に対するサービスを高めることができる上に、遊技店の店員などの利便性を高めることができる。
【0064】
次に、
図8は、回収通路20、連結通路34、および貯留タンク32の全てが遊技媒体で満タンになった状態を示す部分拡大正面図である。この状態では、満タンセンサ34eの上方に所定量の遊技媒体が存在するため、満タンセンサ34eが第2揚送装置36の制御部36cに遊技媒体有りの信号を出力する。
【0065】
第2揚送装置36の制御部36cは、満タンセンサ34eからの信号が遊技媒体有りを示しているため、連結通路34のベース34a全体に遊技媒体が溜まっており回収通路20に遊技媒体を供給できない満タン状態であると判定し、揚送部36bの作動中であるときは揚送部36bの作動を停止させ、揚送部36bが未作動であるときは、その状態を継続する。
【0066】
また、第2揚送装置36の制御部36cは、満タンセンサ34eが遊技媒体有りの信号を出力している間は揚送部36bの作動停止の状態を継続し、上記
図7に示す状態となった場合、すなわち、満タンセンサ34eからの信号が遊技媒体無しを示しており、かつ、遊技媒体検出センサ36aからの信号が遊技媒体有りを示す状態になった場合に、第2揚送装置36の揚送部36bを再び作動させる。
【0067】
このように、本実施形態に係る遊技媒体貯留装置30によれば、回収通路20に十分な量の遊技媒体が溜まっている場合には、回収通路20への遊技媒体の供給を一時的に停止することができる。このため、遊技機14や計数装置18からの遊技媒体の排出量に応じて遊技媒体の供給量を調整することができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態に係る遊技媒体貯留装置30は、遊技媒体を貯留可能な貯留タンク(例えば、貯留タンク32)と、遊技媒体を回収する回収通路(例えば、回収通路20)と前記貯留タンクとの間で遊技媒体の行き来を可能にする連結通路(例えば、連結通路34)と、前記貯留タンクに貯留される遊技媒体を前記連結通路へ揚送する揚送装置(例えば、第2揚送装置36)と、を備え、前記回収通路は、
遊技機島が備える通路であって、遊技機から排出される遊技媒体、および/または、遊技者が獲得した遊技媒体を計数する計数装置(例えば、計数装置18)から排出される遊技媒体、を少なくとも回収するものであり、前記連結通路は、前記回収通路と一体または別体で構成され、前記回収通路から溢れて前記連結通路に流入する遊技媒体を前記貯留タンクに導くための第一の通路(例えば、開口部34f)と、前記揚送装置によって前記連結通路に揚送される遊技媒体を前記回収通路に導くための第二の通路(例えば、ベース34a)と、
前記貯留タンクが満タンになったことを検出可能な満タンセンサ(例えば、満タンセンサ34e)と、を備え、前記揚送装置は、前記満タンセンサからの信号が遊技媒体有りを示している場合に、遊技媒体の揚送を停止する一方で、前記満タンセンサからの信号が遊技媒体無しを示している場合に、遊技媒体の揚送を開始可能に構成されている、ことを特徴とする遊技媒体貯留装置である。
【0069】
従来の遊技機島では、回収通路が遊技媒体で満タンになってしまった場合に、遊技機や計数装置から回収通路に遊技媒体を排出することができなくなるため、計数装置を一時的に停止させたり、遊技機の使用を一時的に中止して遊技媒体を取り除く等の対応が必要である。
【0070】
この点、
本発明に関わる遊技媒体貯留装置によれば、回収通路が遊技媒体で満タンになってしまった場合でも、当該遊技媒体の一部を貯留タンクに一時的に貯留することができ、回収通路に貯留タンクの容量分の空きを作ることができる。このため、遊技機島において循環する遊技媒体の量を適正に保持することができ、例えば、遊技機や計数装置から回収通路に大量の遊技媒体が排出された場合でも、遊技媒体の増量分を貯留タンクで吸収できる場合があり、従来の遊技機島のように、計数装置を一時的に停止させたり、遊技機の使用を一時的に中止するような対応が不要で、遊技者に不利益を与えるようなことがなく、遊技者に対するサービスを高めることができる上に、遊技店の店員などの利便性を高めることができる。
また、本発明に関わる遊技媒体貯留装置は、回収通路に十分な量の遊技媒体が溜まっている場合には、回収通路への遊技媒体の供給を一時的に停止することができる。このため、遊技機や計数装置からの遊技媒体の排出量に応じて遊技媒体の供給量を調整することができる。一方、回収通路に空きが生じた場合に、貯留タンクに一時的に貯留した遊技媒体を回収通路に再び戻すことができる。このため、遊技機や計数装置から排出される遊技媒体の量が少ない場合でも、貯留タンクから回収通路に遊技媒体を供給することができ、各遊技機に遊技媒体を安定供給することができる。
【0071】
また、従来の遊技機島では、大当り等によって遊技機島内で循環する遊技媒体の量が少なくなってしまった場合に、遊技媒体を補充する等の対応が必要である。この点、本実施形態に係る遊技媒体貯留装置30によれば、貯留タンクに一時的に貯留した遊技媒体を回収通路に再び戻すことができる。このため、遊技機島において循環する遊技媒体の量を適正に保持することができ、例えば、大当り等によって遊技機からの出球が瞬間的に増加した場合でも、遊技媒体の減量分を貯留タンクで吸収できる場合があり、従来の遊技機島のように、遊技媒体を補充する等の対応が不要で、遊技者に不利益を与えるようなことがなく、遊技者に対するサービスを高めることができる上に、遊技店の店員などの利便性を高めることができる。
【0072】
また、本発明に係る遊技媒体貯留装置は、計数装置の載置台として使用することができるため、本装置を、従来の計数装置の載置台に代えて設置することが可能である。一方、最初の施工時点で本発明に係る遊技媒体貯留装置を設置したが、本装置が不要になった場合には、本装置に代えて、荷物入れなどを設置することも可能である。このように、本発明に係る遊技媒体貯留装置は、新たなスペースを設けることなく、遊技店の既存のスペースを有効活用して設置を行うことができる上に、施工後も遊技機島を大幅に変更することなく、簡易な工事で撤去や入れ替えを行うことができるという長所がある。
【0073】
また、前記連結通路は、前記回収通路の最上部の延長線上に配置されていてもよい。
【0074】
このような構成とすれば、既存の遊技機島を大幅に改良することなく遊技媒体貯留装置を設置することができるため、遊技店においては遊技媒体貯留装置を容易に導入することができる上に、様々なタイプの遊技機島に対応できる場合がある。また、遊技機島の改良を短時間で行うことができるため、遊技機の稼働率の低下を防止することができる。
【0075】
また、前記貯留タンクは、遊技機島に隣接して設置される前記計数装置の下方に配置されていてもよい。
【0076】
このような構成とすれば、遊技店などにおいて遊技媒体貯留装置を新たに導入する場合でも、既存のスペースを有効利用することができ、遊技機島周辺の空間を確保することができる。また、遊技媒体貯留装置の保守などを行う場合においても、遊技者の遊技の邪魔になることがなく、遊技者に不快感を与えることが無い。
【0077】
また、前記貯留タンクは、前記第1の通路から遠ざかる方向に向かって下降する傾斜面を有する誘導通路(例えば、第1誘導通路38h)を備えていてもよい。
【0078】
このような構成とすれば、遊技媒体を自重によって貯留タンクの方向にスムーズに誘導することができ、遊技媒体貯留装置における遊技媒体の循環速度を速めることができる。また、遊技媒体を搬送するための装置が不要なため、構造を簡素化することができる上に、コストの低減を実現することができる。
【0079】
また、前記連結通路は、その最上部に、前記貯留タンクが満タンになったことを検出可能な満タンセンサ(例えば、満タンセンサ34e)を備え、前記揚送装置は、前記満タンセンサからの信号が遊技媒体有りを示している場合に、遊技媒体の揚送を停止する一方で、前記満タンセンサからの信号が遊技媒体無しを示している場合に、遊技媒体の揚送を開始可能に構成されていてもよい。
【0080】
このような構成とすれば、回収通路に十分な量の遊技媒体が溜まっている場合には、回収通路への遊技媒体の供給を一時的に停止することができる。このため、遊技機や計数装置からの遊技媒体の排出量に応じて遊技媒体の供給量を調整することができる。一方、回収通路に空きが生じた場合に、貯留タンクに一時的に貯留した遊技媒体を回収通路に再び戻すことができる。このため、遊技機や計数装置から排出される遊技媒体の量が少ない場合でも、貯留タンクから回収通路に遊技媒体を供給することができ、各遊技機に遊技媒体を安定供給することができる。
【0081】
また、本実施形態に係る遊技機島10は、遊技媒体貯留装置(例えば、遊技媒体貯留装置30)と、遊技媒体を一時的に貯留するタンク(例えば、上部タンク12)と、前記タンクに貯留された遊技媒体を各遊技機に供給する補給樋(例えば、補給樋16)と、前
記回収通路(例えば、回収通路20)と、前記回収通路によって集められた遊技媒体を前記タンクへ揚送する
遊技機島揚送装置と、を有して構成され、前記遊技媒体貯留装置
内の遊技媒体の遊技機への供給が停止している場合でも、前記
タンク内の遊技媒体の遊技機への供給が可能である、ことを特徴とする遊技機島である。
【0082】
本実施形態に係る遊技機島10によれば、遊技媒体貯留装置とは独立して、常時、遊技機へ遊技媒体を供給することができるため、例えば、遊技媒体貯留装置が故障した場合や、遊技媒体貯留装置の保守等のために動作を停止せざるを得ないような場合でも、遊技機島における遊技媒体の循環経路を通じて、各遊技機への遊技媒体の補給を継続することができる。また、各遊技機への遊技媒体の補給を継続した状態で遊技媒体貯留装置の保守や修理を行うことができるため、遊技機の稼働率が低下することがなく、また、保守やメンテンスを常時行うことができ、利便性が高いというメリットがある。
【0083】
なお、本発明に係る遊技媒体貯留装置の構成は、上述の遊技媒体貯留装置30の構成に限定されるものではなく、例えば、遊技機はパチンコ機に限定されず、また、遊技媒体もパチンコ球に限定されるものではなく、遊技機による遊技に使用されるものであればよい。
【0084】
また、連結通路34を回収通路20と別体で構成したが、連結通路34を回収通路20と一体で構成してもよい。また、連結通路の形状は、上述の連結通路34の形状に限定されるものではなく、例えば、連結通路34に開口部34fを複数個、形成してもよい。
【0085】
また、第一の通路の位置や形状は、上述の開口部34fの位置や形状に限定されず、回収通路から溢れて連結通路に流入する遊技媒体を貯留タンクに導くことができる通路であればよく、例えば、平面視円形形状でもよいし、連結通路34の外縁の一部を切り欠いた構成にしてもよい。同様に、第二の通路の位置や形状も、上述のベース34aの位置や形状に限定されず、揚送装置によって連結通路に揚送される遊技媒体を回収通路に導くことができる通路であればよい。
【0086】
また、連結通路は、回収通路の最上部の延長線上に配置されることが好ましいが、回収通路の最上部よりも低い位置に配置してもよい。また、貯留タンクは、遊技機島に隣接して設置される計数装置の下方に配置されることが好ましいが、その他の位置に配置してもよい。
【0087】
また、満タンセンサの配置場所は、連結通路の最上部に限定されず、例えば、貯留タンクの最上部などに配置してもよいし、貯留タンク内に所定量(例えば、5000個)の遊技球が貯留されたことを検知可能な場所に配置してもよい。
【0088】
また、本発明の実施形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載した複数の構成のうち、1つの構成に記載している内容を、他の構成に適用することで、より一層、効果を高めることができる場合がある。