(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0053】
添付した図面に図示されているような本発明の実施形態を参照して、本発明について以下に詳しく説明する。「1つの実施形態」「ある実施形態」「ある実施形態の例」「いくつかの実施形態」などへの言及は、説明する実施形態がある特定の特色、構造、または特徴を含んでもよいが、すべての実施形態が必ずしもその特定の特色、構造、または特徴を含まなくてもよいということを示している。さらに、そのような語句が同じ実施形態について言及しているとは必ずしも限らない。さらにまた、ある実施形態に関してある特定の特色、構造、または特徴が説明されるときに、明確に説明してもしなくても、他の実施形態に関するそのような特色、構造、または特徴に影響を及ぼすことは当業者の知識の範囲内にあるということを提示しておく。
【0054】
本明細書で用いる「発明」または「本発明」という表現は制限のない表現であり、特定の発明の任意の1つの実施形態だけに言及することを意図するものではなく、本出願で説明するようなすべての可能な実施形態を含む。
【0055】
本発明の様々な態様、または本発明のどの部品または機能も、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、コンピュータが読み込むもしくは用いることができそこに保存された命令を有する有形の記憶媒体、またはそれらを組み合わせて用いることで実行してもよいし、1つ以上のコンピュータシステムまたは他の処理システムにおいて実行してもよい。
【0056】
本発明は一般に、運動をモニタする方法およびシステムに関する。特に、本発明は運動中の個人が用いる1つの運動器具の動きをモニタする方法およびシステムに関する。運動している個人(またはコーチ、チームメイト、観客など他の関係者)が、一連の運動中の個人の体のモーションまたは個人の1つの運動器具のモーションについての情報を得ることを所望してもよい。
【0057】
例えば、もし個人がサッカー(すなわちフットボール)の試合でプレイするなど、スポーツボールの使用を伴う活動に参加している場合は、例えば、個人が蹴ったサッカーボール(すなわちフットボール)の様々な飛び出し角度を求められること、個人が蹴ったサッカーボールの回転スピードを求められること、または個人が蹴ったサッカーボールが飛んでいく時の最高スピードを求められることなどが望ましい場合があり得る。
【0058】
さらなる例として、もし個人がバスケットボールの技術を練習するなど、個人の胸部の様々な動きを伴う活動に参加している場合は、例えば、ディフェンダーの周りをドリブルしようとするときに個人が左に切り込んだのかまたは右に切り込んだのかを認識できること、ジャンプショットを打つ、ダンクシュートを試みる、またはブロックショットを試みるときに個人が飛んだ高さおよび/または個人が飛んだときの力を求められること、あるいはバスケットボールに関する反応時間の訓練を行ったときに個人の反応時間を求められることが望ましい場合があり得る。
【0059】
ある実施形態において、運動している複数の個人(例えば、チームスポーツにおけるチームメイトまたは敵チームの選手など)の体の動きおよび/または運動中の複数の個人が用いる複数の運動器具の動きをモニタしてもよい。また、ある実施形態において、リアルタイムにモニタおよび/またはフィードバックを提供してもよいし、一方で、他の実施形態において、運動後にフィードバックを提供してもよい。
【0060】
以下で説明する本発明の実施形態は、1つ以上の携帯用センサを含む運動モニタシステムを用いることにより、一連の運動中に、個人の体のモーションまたは個人の1つの運動器具のモーションについてのこの、または他の情報を、個人(またはコーチ、チームメイト、もしくは観客)が得ることを有利に可能にし得る。運動中の当該対象物のモーションについて役立つ情報を得るために、様々な方法でセンサによって取得したデータを処理し得る。ある実施形態において、個人の体または個人の1つの運動器具の空間における方向の変化(すなわち、地球上の特定の場所または別の参考となる位置に対する、位置および/または回転の変化)をモニタするために、センサのデータを処理し得る。他の実施形態において、データ構造に保存されている動きのデータと運動量との間の所定の相関を参照して、センサのデータを処理し得る。
【0061】
ある実施形態において、個人の体のモーションまたは個人の1つの運動器具のモーションについての情報を用いて、例えば、動きをどのように改善するかについての指導を個人に提供してもよいし、または個人の体もしくは運動器具の動きに関するレフェリー、アンパイア、もしくは他の運動競技の審判の判定の正確さをチェックしてもよい。
【0062】
図1は、本発明の実施形態による運動モニタシステム10を用いている個人100の図である。個人100は本発明による運動モニタシステム10を用いて、一連の運動中に個人100の体のモーションまたは個人100の1つの運動器具のモーションについての情報を得ることを所望してもよい。
【0063】
本発明の実施形態による運動モニタシステム10は、団体の運動または個人の運動、ならびに競技のためのトレーニングおよび形式ばらないトレーニングに個人100が用いるのに適していてもよい。例えば、本発明の実施形態による運動モニタシステム10は、野球、バスケットボール、ボウリング、ボクシング、クリケット、自転車競技、フットボール(すなわち、アメリカンフットボール)、ゴルフ、ホッケー、ラクロス、ボート、ラグビー、ランニング、スケートボード、スキー、サッカー(すなわち、フットボール)、サーフィン、水泳、卓球、テニス、バレーボールなどの運動をしている個人100による使用、またはそれら運動に関するトレーニング中の使用に適していてもよい。
【0064】
本発明の実施形態による運動モニタシステム10は、センサモジュール102を含み得る。センサモジュール102は1つ以上のセンサを含み得、個人100が運動を行う間対象物104に物理的に連結し得る。以下でさらに詳しく説明するように、ある実施形態において、センサモジュール102を用いて、個人100の体106または個人の1つの運動器具108の空間における方向の変化をモニタし得、一方で、他の実施形態において、センサモジュール102をデータ構造に保存されている所定の相関のデータと組み合わせて用いて、体106または器具108の動きのデータと運動量との間の相関を求め得る。
【0065】
ある実施形態において、
図1に図示されているように、モニタされる対象物104は、個人100の体106であってもよく、センサモジュール102は、個人100の体106に物理的に連結し得る。図示された実施形態において、センサモジュール102は個人100の体106の胸部と知られる部分に物理的に連結するように構成されている。他の実施形態において、センサモジュール102は、例えば、個人の頭、首、肩、背中、腕、手首、手、指、ウエスト、ヒップ、脚、足首、足、つま先などの個人100の体106の他の部分に物理的に連結するように構成してもよい。
【0066】
ある実施形態において、センサモジュール102と個人100の体106の間にある一枚以上の衣類、履物、または運動保護具が存在する状態で、センサモジュール102が個人100の体106の一部に物理的に連結するように構成してもよい。間に入る物のあるなしにかかわらず、センサモジュール102は、例えば、ストラップ、接着剤、ポケット、クリップなどの様々な取り外し可能もしくは不可能な連結手段によって、または個人100が身につけている衣類(例えば、シャツ、ズボン、靴下、手袋、帽子など)、履物、もしくは運動保護具などの物と一体化することによって、個人100の体106の一部に物理的に連結してもよい。
【0067】
ある実施形態において、センサモジュール102は、センサモジュール102を保持するように構成されている衣服のセンサモジュール102保持要素内に入れるように構成してもよい。ある例示的な実施形態において、衣服の着用者の動きがセンサモジュール102に与える影響を最小限にするためにセンサモジュール102をその中に入れ決まった位置に固定できるよう、センサモジュール102の大きさおよび形に対応する大きさおよび形に合わせて保持要素を作ってもよい。この影響を最小限にする役に立つように、例えば、バンドやスペーサー要素などの追加要素を用いてもよい。センサモジュール102保持要素は、例えば、布地と一体化する、布地に接着する、縫い付ける、溶接する、結びつける、クリップで留める、スナップで止める、もしくは装着する、またはこれらの技術および他の技術を任意に組み合わせることによって、衣服の1枚の布地に連結し得る。ある例示的な実施形態において、センサモジュール102保持要素は衣服の布地の生地に一体化するように作られる。
【0068】
ある実施形態において、センサモジュール102保持要素は、センサモジュール102を着用する人の上背部に対応するところに配置してもよい。上背部など、着用する人の高い位置に対応するところにあるセンサモジュール102保持要素は、センサモジュール102がデータを送信するときまたは受信するときに干渉を最小限にし、センサモジュール102保持要素内のセンサモジュール102の範囲および信号強度を最大化するのに役立ち得る。加えて、上背部に対応するところにセンサモジュール102保持要素を配置することで、センサモジュール102による運動する人の動きへの妨害を最小限にする。ある例示的な実施形態において、センサモジュール102保持要素は、着用する人の上背部に対応するところ以外にも配置される。
【0069】
別の実施形態において、
図2に図示されているように、対象物104は、運動中に個人100が用いる1つの運動器具108としてもよく、センサモジュール102は、1つの運動器具108に物理的に連結し得る。図示された実施形態において、センサモジュール102は、1つの運動器具108、すなわちサッカーボールに物理的に連結されている。他の実施形態において、センサモジュール102は、例えば、どの種類のスポーツボール、どの種類のスポーツ「スティック」(例えば、野球のバット、ホッケーのスティック、ゴルフクラブ、卓球のラケット、テニスラケットなど)、スポーツ手袋、自転車、オール、靴、ブーツ、スキー板、帽子、スケートボード、サーフボード、眼鏡またはゴーグルなどの他の運動器具108にも物理的に連結するように構成してもよい。
【0070】
センサモジュール102は、運動器具108および運動の性質に応じた様々な連結手段によって運動器具108と物理的に連結してもよい。例えば、ボールの外側に取り付けること、中空のボールの内部表面に取り付けること、つり下げシステムによって中空のボールの内部につり下げること、または多層のボールの外側の層もしくは他の層に一体化させることによって、センサモジュール102をスポーツボールに物理的に連結してもよい。また、センサモジュール102は、例えば、ボールの外側に取り付けること、多層のボールの層の間に一体化すること、ボールの堅い部分に埋め込むことなどにより、中空でないスポーツボール(例えば、野球のボール、ボウリングのボール、ゴルフボールなど)にも物理的に連結してもよい。
【0071】
さらなる例として、スポーツスティックの一部に巻き付けること、スポーツスティックの一部にクリップで留めること、スポーツスティックの外側表面に取り付けること、中空もしくは中空でないスポーツスティックの内部表面に取り付けること、つり下げシステムによって中空のスポーツスティックの内部につり下げること、または多層もしくは複合要素からなるスポーツスティックの壁面または他の層に一体化することによって、センサモジュール102は取り外し可能または不可能に、スポーツ「スティック」に連結してもよい。センサモジュール102は、例えば、ストラップ、接着剤などの様々な連結手段、または運動器具に一体化することによって、運動器具108に物理的に連結してもよい。ある実施形態において、センサモジュール102は、取り外し可能または不可能に、スポーツスティックなどの運動器具108に物理的に連結してもよく、スポーツスティックやその取っ手などの運動器具108の外側周囲に固定されているスリーブに組み込んでもよい。
【0072】
他の実施形態において、センサモジュール102は、例えば、心拍計、歩数計、および加速度計に基づいたモニタ装置などの既存の運動モニタ機器、または他の携帯健康モニタ装置内に一体化してもよい。
【0073】
図3は、本発明のモニタシステム10の実施形態により用いることができるであろう様々な異なる運動器具108の図である。図示されるように、本発明のモニタシステム10は、例えば、バスケットボール、フットボール、野球のバット、野球のボール、ボウリングのボール、ホッケーのスティック、ホッケーのパック、スケートボード、サーフボード、自転車、スキー板、スキーストック、テニスラケット、テニスボール、靴、ボクシングのグローブ、ゴルフクラブ、ゴルフボールなどの様々な異なる運動器具108とともに用いてもよい。
【0074】
図4は、本発明の実施形態によるセンサモジュール102の構成要素のブロック図である。図示されている実施形態において、センサモジュール102は、センサモジュール102の機能性を実行するために互いに効果的に接続されているプロセッサ110、電源112、メモリ114、加速度センサ116、磁場センサ118、およびトランシーバ122を含む。他の実施形態において、センサモジュール102の構成要素のうち1つ以上を省くか、または1つ以上の追加の構成要素を加えてもよい。
【0075】
プロセッサ110は、センサモジュール102のメモリ114に保存されているアプリケーションプログラムを実行するように構成してもよい。またプロセッサ110は、生データの削減およびフィルタリングなどのアナログまたはデジタル信号処理のアルゴリズムを実行してもよい。例えば、プロセッサ110は、センサモジュール102において、センサからの生データを受信しそのようなデータを処理するように構成してもよい。プロセッサ110は、電源112、メモリ114、加速度センサ116、磁場センサ118、およびトランシーバ122と効果的に接続されている。
【0076】
電源112はセンサモジュール102に電力を供給するように構成してもよい。ある実施形態において、電源112は電池としてもよい。電源はセンサモジュール102に組み込むこと、またはセンサモジュール102から取り外すことができ、充電式または非充電式としてもよい。ある実施形態において、電源112は、パーソナルコンピュータに付属のユニバーサルシリアルバス(「USB」)、ファイヤワイヤ、イーサネット(登録商標)、サンダーボルト、ヘッドホンケーブルなどのケーブルなど、充電電源に付属のケーブルによって再充電してもよい。別の実施形態において、電源112は、非接触式充電器と電源112との両者がごく近くに近づいたときに電磁場を利用して非接触式充電器から電源112にエネルギーが移る非接触式充電によって再充電してもよいが、ケーブルを介してお互いに接続する必要はない。ある実施形態において、ドッキングステーションを用いて充電を容易にしてもよい。他の実施形態において、センサモジュール102は、1つの電源112を別の電源112に交換することで新しく電力を得てもよい。
【0077】
メモリ114は、アプリケーションプログラムの命令を保存し、運動のデータを保存するように構成してもよい。ある実施形態において、メモリ114は、本明細書で説明される運動モニタシステム10の機能性の態様を実行するために用いられるアプリケーションプログラムを保存してもよい。ある実施形態において、メモリ114は、生データ、記録されたデータ、および/または計算されたデータを保存してもよい。またある実施形態において、以下でさらに詳しく説明するように、メモリ114は、データ保存のバッファとして機能してもよい。メモリ114は、読み出し専用メモリおよびランダムアクセスメモリの両方を含んでもよく、さらにメモリカードまたは他の取り外し可能な記憶装置を含んでもよい。
【0078】
本発明のある実施形態において、メモリ114は、生データ、記録されたデータ、および/または計算されたデータを永久に保存してもよいが、一方で他の実施形態において、メモリ114はすべてまたは一部のデータを、バッファのように一時的にのみ保存してもよい。本発明のある実施形態において、メモリ114および/またはそれに関連するバッファは、本発明の特定のアプリケーションのためにある量のデータのみを保存し得るように、所定のサイズの記憶場所にデータを保存してもよい。
【0079】
加速度センサ116は、センサモジュール102の加速度を測定するように構成してもよい。したがって、センサモジュール102が対象物104(個人100の体106または1つの運動器具108など)に物理的に接続されるとき、加速度センサ116は、対象物104の地球の重力場に起因する加速度を含む加速度を測定することが可能であってもよい。ある実施形態において、加速度センサ116は、3つの直交方向への加速度を測定できる三軸加速度計を含んでもよい。他の実施形態において、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の分離した加速度計を用いてもよい。
【0080】
磁場センサ118は、センサモジュール102近傍の磁場の強度と方向を測定するように構成してもよい。したがって、センサモジュール102が対象物104(個人100の体106または1つの運動器具108など)に物理的に接続されるとき、磁場センサ118は、対象物104近傍の地球の磁場を含む磁場の強度と方向を測定することが可能であってもよい。ある実施形態において、磁場センサ118は、ベクトル磁力計としてもよい。他の実施形態において、磁場センサ118は、三次元における局所磁場を合計した合成磁気ベクトルの大きさと方向を測定可能な三軸磁力計としてもよい。また他の実施形態において、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の分離した磁力計を用いてもよい。
【0081】
本発明のある実施形態において、加速度センサ116および磁場センサ118は、スイス・ジュネーブのSTマイクロエレクトロニクス社製の型番がLSM303DLHCである単独の加速度計―磁力計モジュールに含まれていてもよい。他の実施形態において、センサモジュール102は、必要に応じて加速度センサ116および磁場センサ118のうちの1つを含み、他方を省いてもよい。
【0082】
図4に図示されたトランシーバ122は、以下でさらに詳しく説明するように、センサモジュール102が運動モニタシステム10の他の構成要素と無線で通信できるようにしてもよい。ある実施形態において、運動モニタシステム10のセンサモジュール102およびそこに含まれる他の構成要素は、例えば、ANT、ダイナストリーム・イノベーションズ社のANT+、ブルートゥース、低エネルギーブルートゥース、ブルーロビン、または適切な無線パーソナルエリアネットワークプロトコルもしくはローカルエリアネットワークプロトコルなどのプロトコルのうちの1つ以上を用いて、パーソナルエリアネットワークまたはローカルエリアネットワーク上で通信してもよい。また、運動モニタシステム10に適する他の公知の通信プロトコルを用いてもよい。
【0083】
ある実施形態において、トランシーバ122は低電力トランシーバである。またある実施形態において、トランシーバ122は双方向通信トランシーバ122としてもよく、一方、他の実施形態において、トランシーバ122は一方向の送信機または一方向の受信機としてもよい。運動モニタシステム10のセンサモジュール102と他の構成要素との無線通信は、以下でさらに詳しく説明する。他の実施形態において、センサモジュール102は、トランシーバ122に依存しない運動モニタシステム10の他の構成要素と有線通信を行ってもよい。
【0084】
本発明のある実施形態において、個人100が運動している間、個人100の体106または個人の1つの運動器具108の空間における方向の変化をモニタする、あるいは体106または器具108の動きのデータと運動量との間の相関を求めるために、
図4に図示されているような構成要素を有するセンサモジュール102を対象物104に物理的に接続してもよい。これらの実施形態において、加速度センサ116および磁場センサ118は、様々なモニタ計算を実行するために必要なデータを集めるのを担当してもよい。
【0085】
他の実施形態において、しかしながら、センサモジュール102内に追加のセンサを有する、またはセンサモジュール102と通信する追加のセンサを有することが望ましい場合があり得る。さらに別の実施形態において、センサモジュール102は、例えば、心拍計、歩数計、および加速度計に基づいたモニタ装置などの、追加または異なるセンサを有するかもしれない既存の運動モニタ機器、あるいは他の携帯健康モニタ装置内に一体化してもよい。
【0086】
加速度センサ116および磁場センサ118に加えて、センサモジュール102の一部とし得る他のセンサ、またはセンサモジュール102とは分離しているがセンサモジュール102と通信し得る他のセンサには、様々な運動のパフォーマンスパラメータを測定できるセンサを含んでもよい。「パフォーマンスパラメータ」という表現は、個人100の運動に関する身体的なパラメータおよび/または生理学的なパラメータを含んでもよい。測定される身体的なパラメータは、時間、距離、スピード、ペース、ペダルをこいだ回数、ホイールの回転数、回転全般、歩数、歩幅、滞空時間、一歩のスピード、高度、張力、衝撃力、跳躍力、力全般、および跳躍の高さを含んでもよいが、これに限定するものではない。測定される生理学的なパラメータは、心拍数、呼吸スピード、血中酸素濃度、血中乳酸濃度、血流、水分補給レベル、消費カロリー、または体温を含んでもよいが、これに限定するものではない。
【0087】
これらのパラメータを測定することが可能であってもよい実際のセンサは、歩数計、血圧計、温度計、高度計、圧力センサ、ひずみ計、自転車の電力計、自転車のクランクもしくはホイール位置センサ、磁気センサ、角運動量センサ(例えば、ジャイロスコープ)、抵抗センサ、または力覚センサを含んでもよいが、これに限定するものではない。
【0088】
図5は、上述の追加のセンサのうちのいくつか、および他の追加の構成要素を組み入れ得る本発明の別の実施形態によるセンサモジュール102の構成要素のブロック図である。図示されている実施形態において、センサモジュール102は、センサモジュール102の機能性を実行するためにお互いに効果的に接続されているプロセッサ110、電源112、メモリ114、加速度センサ116、磁場センサ118、ユーザーインタフェイス120、およびトランシーバ122、角運動量センサ124、心拍計126、温度センサ128、位置受信機130、データポート132、およびタイマー134を含む。他の実施形態において、センサモジュール102のこれらの構成要素のうちの1つ以上を省いてもよいし、または1つ以上の追加の構成要素を加えてもよい。
【0089】
図5の実施形態のプロセッサ110、電源112、メモリ114、加速度センサ116、磁場センサ118、およびトランシーバ122は、
図4で類似の構成要素に関して上述したものと同様の構造および機能を有してもよい。ある実施形態において、トランシーバ122は双方向通信トランシーバ122としてもよく、一方、他の実施形態において、トランシーバ122は一方向の送信機または一方向の受信機としてもよい。
【0090】
センサモジュール102のユーザーインターフェイス120を用いて、個人100がセンサモジュール102とやりとりしてもよい。ある実施形態において、ユーザーインターフェイス120は、タッチスクリーン表面のグラフィカルユーザーインターフェイスのバーチャルなボタン、スイッチ、またはキーを含む1つ以上の入力ボタン、スイッチ、またはキーを含んでもよい。この各ボタン、スイッチ、およびキーの機能はセンサモジュール102の動作モードに基づいて判断することができる。ある実施形態において、ユーザーインターフェイス120はタッチパッド、スクロールパッド、および/またはタッチスクリーンを含んでもよい。別の実施形態において、ユーザーインターフェイス120は静電容量スイッチを含んでもよい。さらに別の実施形態において、ユーザーインターフェイス120は、音声コントロールを含んでもよい。
【0091】
ある実施形態において、しかしながら、センサモジュール102はユーザーインターフェイス120を含まなくてもよい。これらの実施形態において、センサモジュール102は、それ自体がユーザーインターフェイスを含み得る運動モニタシステム10の他の構成要素と通信することが可能であってもよい。
【0092】
角運動量センサ124は、例えば、ジャイロスコープとしてもよいが、センサモジュール102の角運動量または方向を測定するように構成してもよい。したがって、センサモジュール102が対象物104(個人100の体106または運動器具108など)に物理的に接続されていると、角運動量センサ124は対象物104の角運動量または方向を測定することが可能であってもよい。ある実施形態において、角運動量センサ124は、3つの垂直軸について角回転を測定できる三軸ジャイロスコープとしてもよい。他の実施形態において、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の分離したジャイロスコープを用いてもよい。ある実施形態において、角運動量センサ124を用いて、加速度センサ116および磁場センサ118のうち1つ以上から得られた測定結果を較正してもよい。
【0093】
心拍計126は、個人の心拍数を測定するように構成してもよい。心拍計126は、個人100の胸部の肌などの個人の肌に接触するように設置してもよく、ストラップで固定してもよい。心拍計126は、個人100の心臓の電気的活動を読み取ることが可能であってもよい。
【0094】
温度センサ128は、例えば、温度変化を測定する温度計、サーミスタ、熱電対などとしてもよい。ある実施形態において、温度センサ128は、例えば、加速度センサ116や磁場センサ118などの運動モニタシステム10の他のセンサを較正するために主に用いてもよい。
【0095】
ある実施形態において、位置受信機130は、見通し線に沿って衛星位置システム衛星から電波で送信される時間信号を用いて、その位置(すなわち、経度、緯度、および高度)を測定することができる電子式衛星位置受信機としてもよい。公知の衛星位置システムは、GPSシステム、ガリレオシステム、北斗システム、およびGLONASSシステムを含む。別の実施形態において、位置受信機130は、電波信号三角測量または他の同様の原理を用いてセンサモジュール102の位置を求め得るように、近くまたは遠くの基地局あるいは電波送信トランシーバと通信できるアンテナとしてもよい。またある実施形態において、位置受信機130のデータによって、中間位置、時間、位置、移動距離、スピード、ペース、または高度を測定し、かつ/または計算するために用いることができる情報をセンサモジュール102が検出することが可能であってもよい。
【0096】
データポート132は、センサモジュール102への情報の転送およびセンサモジュール102からの情報の転送を容易にしてもよく、それは例えば、USBポートとしてもよい。ある例示的な実施形態において、それに加えてまたはその代わりに、データポート132は、電源112を充電するために電源112への電力の転送を容易にしてもよい。
【0097】
タイマー134は、絶対時間を追跡でき、かつ/または経過時間を求められる時計としてもよい。ある実施形態において、あるデータが測定または記録された時間を求め、様々なデータの様々なタイムスタンプを互いに関連づけることができるように、タイマー134を用いて、あるデータの記録にタイムスタンプを付加してもよい。
【0098】
本発明のある実施形態において、
図5に図示されているような構成要素を有するセンサモジュール102は、個人100が運動している間、個人100の体106または個人の1つの運動器具108の空間における方向の変化をモニタする、あるいは体106または器具108の動きのデータと運動量との間の相関を求めるために、対象物104に物理的に接続してもよい。これらの実施形態において、加速度センサ116、磁場センサ118、および/またはそこに含まれる他のセンサは、様々なモニタ計算を実行するために必要なデータを集めるのを担当してもよい。他の実施形態において、しかしながら、センサモジュール102内に追加のセンサを有すること、センサモジュール102と通信する追加のセンサを有すること、またはセンサモジュール102がより少ないセンサを有することが望ましい場合があり得る。
【0099】
図6Aは、本発明の実施形態による個人100の体106をモニタするように構成されたセンサモジュール102の図である。図示されているセンサモジュール102は、個人100の体106の胸部と知られる部分に物理的に接続させるように構成されている
図1に図示されたセンサモジュール102と類似のものとしてもよい。本発明のある実施形態において、
図6Aのセンサモジュール102は、個人100が運動している間、個人100の体106の空間における方向の変化をモニタする、または体106の動きのデータと運動量との間の相関を求めるために、個人100の体106に物理的に接続してもよい。
【0100】
図6Aに図示されているように、ある実施形態において、センサモジュール102はハウジング136を含んでもよい。ハウジング136は、
図4または
図5を参照して上述した例示的なセンサモジュール102の様々な電子式構成要素を収納し、保護し得る。
図6Aで、ハウジング136は、円形の円盤状のハウジングとして図示しているが、ハウジング136は、センサモジュール102の必要な構成要素を収容し、個人100の体106の所与の部分に物理的に接続できるのに適した任意の大きさおよび形をとってもよい。ある実施形態において、ハウジングは、例えば、TPUなどのプラスチック、または他の適切に丈夫な素材でできたものであってもよい。
【0101】
ある実施形態において、センサモジュール102はまた、ボタンおよび/またはディスプレイを含んでもよい。ボタンは、センサモジュール102のユーザーインターフェイスとして働いてもよい。ボタンは、センサモジュール102のスイッチを入れたり切ったり、または様々なディスプレイのオプションを切り替えたり、または他の様々な機能を提供したりすることが可能であってもよい。あるいは、複数のボタンを提供することも、またはボタンを提供しないこともあり得る。ある実施形態において、ディスプレイは、個人100にセンサモジュール102の状態または電池の寿命を伝えることができる比較的シンプルなLEDディスプレイとしてもよい。別の実施形態において、ディスプレイは、個人100にパフォーマンスパラメータの情報、フィードバック、または他の情報を映すことができる7セグメントLCDディスプレイなどのより進んだディスプレイとしてもよい。あるいは、
図6Aに図示しているように、ボタンまたはディスプレイを提供しないこともあり得る。
【0102】
他の実施形態において、センサモジュール102は、個人100と音声通信するためのスピーカーおよび/またはマイクなどの音声コントロールを含んでもよい。これら構成要素は、センサモジュール102のユーザーインターフェイスとして働いてもよい。これらの音声コントロールは、センサモジュール102のスイッチを入れたり切ったり、または様々なディスプレイのオプションを切り替えたり、または他の様々な機能を提供したりすることが可能であってもよい。ある実施形態において、音声コントロールは、個人100にセンサモジュール102の状態または電池の寿命を伝えてもよい。別の実施形態において、音声コントロールは、パフォーマンスパラメータの情報、フィードバック、または他の情報を個人100に出力する、または個人100から受信することが可能であってもよい。ある実施形態において、音声コントロールは個人100の音声指令を受けることが可能であってもよい。別の実施形態において、センサモジュール102は、ヘッドホンなどの別の装置を介し無線で音声情報をユーザに中継することが可能であってもよい。あるいは、
図6Aに図示しているように、音声コントロールを提供することもあり得る。
【0103】
図6Bは、本発明の実施形態によるスポーツボールをモニタするためにセンサモジュール102を備えたスポーツボールの図である。図示されているセンサモジュール102は、1つの運動器具108すなわちサッカーボールに物理的に接続するように構成されている
図2に図示されたセンサモジュール102と類似のものとしてもよい。本発明のある実施形態において、サッカーボールに組み入れられている
図6Bのセンサモジュール102を用いて、運動の間、例えば、個人100がサッカーボールを蹴った結果としてのサッカーボールの空間における方向の変化をモニタしてもよいし、またはボールの動きのデータと運動量との間の相関を求めてもよい。
【0104】
図6Bに図示されているように、ボールは、ボールの中空の空間を囲む外層142を含むことができる。外層142は革もしくはプラスチックのパネルを縫い合わせ、貼り合わせ、かつ/または接着剤でつけてもよく、必要であれば、内部の空気袋にアクセスできるように網目状にしてもよい。他の実施形態において、ボールは、単一の堅い層または複数の異なる層を含んだ中空でないスポーツボール(例えば、野球のボール、ボウリングのボール、ゴルフボールなど)としてもよい。ある実施形態において、センサモジュール102は個人への販売前にボールに取り付ける、または組み入れてもよく、一方、他の実施形態において、ボールを購入後に個人がセンサモジュール102を挿入してもよい。ある実施形態において、ボールは、もしあるならば、体に装着するセンサモジュール102について上述したものと同様のボタンおよびディスプレイを含んでもよい。あるいは、
図6Bに図示しているように、ボタンまたはディスプレイを提供しないこともあり得る。
【0105】
本発明のある実施形態において、センサモジュール102は、有線または無線の技術を介して運動モニタシステム10の他の構成要素と通信してもよい。センサモジュール102と運動モニタシステム10の他の構成要素との間で通信することは、様々な理由で望ましい場合があり得る。例えば、センサモジュール102が運動の情報を記録し保存すれば、追加のデータ処理、データの可視化、他人との共有、以前記録した運動の情報との比較、または他の様々な理由のために別の電子装置にこの情報を送信することは有用となり得る。さらなる例として、センサモジュール102の処理能力、広域ネットワーク通信性能、センサの性能、または他の性能が不足している場合は、これらの性能を運動モニタシステム10の他の構成要素から提供することができる。このことを理解した上で、可能な通信手段を以下で簡単に説明する。
【0106】
センサモジュール102とパーソナルコンピュータ204との間の有線での通信は、例えば、パーソナルコンピュータ204の通信ポートに差し込まれた通信線を用いてパーソナルコンピュータ204に取り付けられたドッキングユニットにセンサモジュール102を設置することにより行ってもよい。別の実施形態において、センサモジュール102とパーソナルコンピュータ204との間の有線での通信は、例えば、センサモジュール102とコンピュータ204との間をケーブルで接続することにより行ってもよい。センサモジュール102のデータポート132およびコンピュータ204の通信ポートは、USBポートを含んでもよい。センサモジュール102およびコンピュータ204を接続するケーブルは、USB−AもしくはUSB−B標準、ミニ、またはマイクロプラグを含むがこれに限らない適切なUSBプラグを有するUSBケーブル、あるいは、例えば、ファイヤワイヤ、イーサネット(登録商標)、サンダーボルトケーブルなどの他の適切なケーブルとしてもよい。上述したとおり、ある実施形態において、電源112を充電するために、そのようなケーブルを用いて、センサモジュール102の電源112への電力の転送を容易にすることができるであろう。あるいは、電源112は、非接触充電によって、またはドッキングステーションを用いて再充電してもよい。
【0107】
パーソナルコンピュータ204に有線で接続することは、例えば、センサモジュール102からパーソナルコンピュータ204に運動の情報をアップロードする、またはパーソナルコンピュータ204からセンサモジュール102にアプリケーションソフトのアップデートもしくはセッティングをダウンロードするのに有用であり得る。
【0108】
センサモジュール102とパーソナルコンピュータ204との間の無線による通信は、例えば、無線の広域エリアネットワーク(例えば、インターネットなど)、無線のローカルエリアネットワーク、または無線のパーソナルエリアネットワーク経由で実現し得る。当業者には公知であるように、無線エリアネットワークを実現するのに適切な標準かつ登録商標のある公知のプロトコル(例えば、TCP/IP、IEEE802.16、ブルートゥース、低エネルギーブルートゥース、ANT、ダイナストリーム・イノベーションズ社のANT+、ブルーロビンなど)が多くある。したがって、本発明の実施形態は、センサモジュール102と本発明の運動モニタシステム10の様々な要素との間の通信にどの特定のプロトコルを用いることも制限しない。
【0109】
ある実施形態において、センサモジュール102は、携帯電話に採用されているような無線の広域エリアネットワーク通信システムを用いて通信してもよい。例えば、無線の広域エリアネットワーク通信システムは、地域に分布している多くの通信塔および基地局システムを含んでもよい。通信塔は、センサモジュール102などの、長距離双方向電波通信無線装置に対応した1つ以上のアンテナを含んでもよい。アンテナとセンサモジュール102との間の電波通信は、例えば、CDMA、GSM(登録商標)、EDGE、3G、4G、IEEE802.x(例えば、IEEE802.16(WiMAX))などの、任意の公知の無線プロトコルまたは今後発達する無線プロトコルに即して、電波信号を利用してもよい。基地局システムおよび携帯電話通信塔によってセンサモジュール102に無線で送信された情報は、例えば、インターネットなどを含む1つ以上の追加の回線交換またはパケット交換の通信ネットワークとさらに送受信してもよい。
【0110】
図7に示すように、ネットワーク200を介してセンサモジュール102、パーソナルコンピュータ204、および/またはリモートサーバ202との間でも通信が行われる。ある実施形態において、ネットワーク200はインターネットである。インターネットは、データ通信にインターネットプロトコル(TCP/IP)を採用したサーバ、ルータ、スイッチ、および通信線の世界的な集合である。ネットワーク200はまた、センサモジュール102、パーソナルコンピュータ204、サーバ202、およびドッキングユニットのうちのどの2つ以上の間の通信にも採用してよい。本発明のある実施形態において、情報はセンサモジュール102とサーバ202との間でネットワーク200を介して直接通信され、したがってパーソナルコンピュータ204は迂回される。
【0111】
センサモジュール102、パーソナルコンピュータ204、ネットワーク200、サーバ202、または、例えば、別のセンサモジュール102、携帯電話、タブレットコンピュータ、もしくは他の携帯電子装置などの他の電子構成要素のうちのどの間でも、様々な情報を通信してもよい。そのような情報は、例えば、パフォーマンスパラメータのデータ、装置のセッティング(センサモジュール102のセッティングを含む)、ソフトウェア、ファームウェアなどを含んでもよい。
【0112】
運動が終了した後または運動中リアルタイムに、本発明の様々な要素の間で通信が行われ得る。加えて、例えば、センサモジュール102とパーソナルコンピュータ204との間のやりとり、およびパーソナルコンピュータ204とサーバ202との間のやりとりは、異なる時間に行われ得る。
【0113】
本発明のある実施形態において、運動モニタシステム10を用いる個人100は、個人の体106または1つの運動器具108に物理的に接続されたセンサモジュール102を身につけて運動し得るが、運動モニタシステム10の一部を構成する他の携帯電子装置を個人のごく近傍に置いては運動しないかもしれない。そのような実施形態において、センサモジュール102はそれ自体のセンサを用いて運動をモニタするであろう。センサモジュール102はまた、個人100の体106または個人の1つの運動器具108の空間における方向の変化をモニタするのに必要な計算、あるいは体106または器具108の動きのデータと運動量との間の相関を求めるのに必要な計算を実行し得る。
【0114】
あるいは、同様に、個人100の体106または個人の1つの運動器具108の空間における方向の変化をモニタするのに必要な計算、あるいは体106または器具108の動きのデータと運動量との間の相関を求めるのに必要な計算を、運動中に個人100の遠隔地にある運動モニタシステム10の別の構成要素に依存し得る。このことは、例えば、運動中または運動後に、運動パフォーマンスの情報がセンサモジュール102からパーソナルコンピュータ204に直接無線送信された後、あるいは運動後に運動パフォーマンスの情報がセンサモジュール102からパーソナルコンピュータ204またはサーバ202に直接有線送信された後に行われ得る。
【0115】
しかしながら、本発明の他の実施形態において、
図8Aに図示されているように、センサモジュール102は、運動中に個人100が携帯する運動モニタシステム10の携帯電子装置206と通信してもよい。ある実施形態において、携帯電子装置206は、個人100以外の別の人物が携帯してもよく、または誰も携帯しないこともあり得る。ある実施形態において、携帯電子装置206は、腕時計、携帯電話、タブレットコンピュータ、または他の携帯電子装置としてもよい。
【0116】
携帯電子装置206は、例えば、追加のデータ処理の提供、追加のデータ保存の提供、データの可視化の提供、センサの追加性能の提供、ネットワーク200への情報の中継、音楽再生の提供などを含む様々な用途を実現し得る。
【0117】
本発明のある実施形態において、携帯電子装置206は専用の携帯電子装置206としてもよい。「専用の携帯電子装置」という表現は、携帯電子装置206が本発明の運動モニタシステム10以外に別の用途を実現することができないということを示している。例えば、携帯電話、携帯情報端末、デジタル音楽ファイルプレイヤー(例えば、MP3プレイヤー)などは本明細書で用いる表現である「専用携帯電子モニタ装置」とみなし得ない。このように、専用携帯電子モニタ装置206は、ある実施形態においてより単純な装置および/またはより効率のいい装置を提供し得る。
【0118】
図8Aに図示されている携帯電子装置206は、専用の携帯電子モニタ装置ではなく、
図8Aに図示されている携帯電子装置206は携帯電話である。別の実施形態において、センサモジュール102自体を携帯電話で実現することが可能であり得る。運動をしているときでさえ個人は普通に携帯電話を持ち運び、個人100が追加のコストをかけることなく携帯電話はかなりの追加の計算および通信力を提供できるので、運動モニタシステム10に携帯電話などの携帯電子装置206を含むことは望ましい場合があり得る。
【0119】
上述の観点から、本明細書に記載した様々な処理ステップまたは他の計算は、本明細書で開示した運動モニタシステム10の様々な実施形態によって実行することができ、本発明の特定の実施形態の構成に依存してセンサモジュール102が実行することに必ずしも限定されるものではないことは明らかである。例えば、様々な実施形態において、本明細書に記載した処理ステップまたは他の計算のいずれも、センサモジュール102によって、サーバコンピュータ202によって、パーソナルコンピュータ204によって、携帯電子装置206によって、および/またはネットワーク上の他の任意の構成要素によって、あるいは1つより多くの構成要素によって実行し得る。
【0120】
本発明の実施形態は、いわゆる「クラウドコンピューティング」を用いて行ってもよい。クラウドコンピューティングは、製品よりもむしろサービスとして、共有リソース、ソフトウェア、および情報がネットワーク(一般的にはインターネット)によるユーティリティとしてコンピュータおよび他の装置に提供される計算の配信を含んでもよい。クラウドコンピューティングは、ネットワークに公開されたアプリケーションプログラムインターフェイス上のユーザのデータ、ソフトウェア、および計算を伴うサービス(一般的には集中化する)を委託してもよい。エンドユーザはウェブブラウザ、または軽量のデスクトップまたはモバイルアプリを通してクラウドベースのアプリケーションにアクセスしてもよく、一方で、ビジネスソフトウエアおよびデータは遠隔地にあるサーバに保存される。クラウドアプリケーションの提供者は、ソフトウェアプログラムがエンドユーザのコンピュータにローカルにインストールされた場合と同様の、またはより良いサービスおよびパフォーマンスを提供できるようにしばしば努めている。
【0121】
図8Bは、第1のセンサモジュール102が第2のセンサモジュール102と無線通信しているところを図示している。ある実施形態において、同じ運動チームに属する個人100を含む別の個人100が、最初にパーソナルコンピュータ204またはサーバ202などの遠隔コンピュータを通してデータを送信する必要なく、運動のパフォーマンスを比較する、またはその他のデータを交換することができるように、そのような通信が望ましい場合があり得る。
【0122】
図9は、本発明の実施形態によるグループモニタシステムの図である。例示的な実施形態において、例えば、
図9に図示されているグループモニタシステム250は、少なくとも1つの携帯電子装置206、少なくとも1つのベースステーション260、および少なくとも1つのグループモニタ装置270を含む。携帯電子装置206は個人100に接続してもよい。携帯電子装置206は、個人100もしくは運動器具108に関するセンサモジュール102、または加速度センサ116、磁場センサ118、歩数計、心拍計、位置センサ、圧力センサ、カメラ、ジャイロスコープ、マイク、温度センサ、および風センサを含むがこれらに限定するものではない個別のセンサを含むか、またはこれらと通信してもよい。
【0123】
例示的な実施形態において、携帯電子装置206および/またはセンサモジュール102は、センサの外装、心拍計、および位置センサを含んでもよい。位置センサは、例えば、衛星にもとづく位置システムを用いる位置センサ、ビーコンシステム(例えば、三角測量および/またはある地域または行動範囲の既知の位置にあるアンテナが受信する信号の時間差を用いた位置決定)を用いる位置センサ、または他の任意の適切な位置決定システムを用いる位置センサを含んでもよい。ある例示的な実施形態において、グループモニタ装置270はコーチが用いてもよい。
【0124】
センサモジュール102は、個人100の運動への参加に備えて、個人100に装着してもよい。ある特定の個人100に装着したセンサモジュール102は、有線または無線で、これもその特定の個人100に装着されている携帯電子装置206に接続することができる。センサモジュール102は、個人100の運動参加中の個人100についての特徴を感知し、その特徴を示すデータを携帯電子装置206に送信してもよい。次に、携帯電子装置206が、運動中にベースステーション260へデータを送信する。ある実施形態において、センサモジュール102および携帯電子装置206は1つの装置に統合してもよい。追加の実施形態において、
図9にさらに図示されているように、センサモジュール102は、携帯電子装置206を介してデータを送信することなく、直接ベースステーション260と通信することが可能であってもよい。
【0125】
ある例示的な実施形態において、この送信はリアルタイムに行われる。本明細書で用いる「リアルタイム」は、送信技術に固有の遅延、リソースを最適化するために設計された遅延、および当業者にとって明らかである他の固有の遅延または望ましい遅延を含んでもよい。またある例示的な実施形態において、この送信はリアルタイムから遅らせる、すなわち運動終了後に行ってもよい。ベースステーション260はデータを受信し得、データからメトリクスを求め得るが、ここでメトリクスとはセンサモジュール102が求めた特徴を表したものであってもいいし、またはアルゴリズムおよび他のデータ操作技術を用いてデータから得られたさらなる特徴を表したものであってもよい。次に、ベースステーション260は、運動中にグループモニタ装置270にメトリクスを送信し得、グループモニタ装置270はメトリクスを受信し、メトリクスを表したものを表示し得る。
【0126】
グループモニタ装置270は、複数の個人100のメトリクスを受信してもよく、そのメトリクスに関する個人100に対応付けて受信したメトリクスを表示してもよい。このように、運動中にグループモニタ装置270を見ているコーチは、多数の個人100についての詳細な情報を受け、かつ必要であるまたは適切であると判断された情報に基づいて行動することができ、それによって運動中の個人100を効率的にモニタし、管理することができる。
【0127】
ある例示的な実施形態において、センサモジュール102または携帯電子装置206は、データに基づいてメトリクスを計算し、データとともに、またはデータの代わりにこれらメトリクスをベースステーション260に転送する。またある例示的な実施形態において、ベースステーション260は、メトリクスとともに、またはメトリクスの代わりに、グループモニタ装置270にデータを送信する。さらに例示的な実施形態において、グループモニタ装置270は、データに基づいてメトリクスを計算する。
【0128】
ベースステーション260は、自己内蔵型の携帯システムとすることができ、そこには本明細書で述べるベースステーション260の機能を実行するのに必要とする、または望まれるすべてのハードウェアを内蔵し得る。ある例示的な実施形態において、ベースステーション260は携帯用として構成される。またある例示的な実施形態において、ベースステーション260は運動をする場所に設置するように構成される。例示的な実施形態において、ベースステーション260は、運動をする様々な場所に設置できるように運動をする場所の間を移動できるよう構成される。ある例示的な実施形態において、ベースステーション260自体が、例えば、GPSセンサ(または他の位置センサ)、ジャイロスコープ、磁力計、温度センサ、湿度センサ、および/または風センサなどのセンサを含む。そのようなセンサは、以下で述べるように、個人100に関するメトリクスを測定するアルゴリズムで用いることができる様々な有用なデータを提供することができる。
【0129】
ある例示的な実施形態において、ベースステーション260は参照センサ(例えば、GPS参照センサ)を含み、これは、ベースステーション260内に物理的に含まれてもよいし、またはベースステーション260から独立し、それに対する既知の位置にベースステーション260から離れて設置してもよい。参照センサは有線または無線でベースステーション260に接続することができる。逸脱した信号を検出し、受信した位置信号(例えば、GPSデータ)の補正信号を計算するのにその逸脱した信号を用いるために、参照センサを用いることができる。この補正信号は、センサモジュール102または携帯電子装置206に(例えば、ベースステーション260を介して)送ることができる。この補正信号は、センサモジュール102または携帯電子装置206による位置決定の補正に用いることができ、それによって精度を増すことができる。そのような補正信号を求め、センサモジュール102または携帯電子装置206に送ることで、処理性能を効率的に用いることができる。なぜならセンサモジュール102または携帯電子装置206は補正信号を求めるという負荷がかからず、ベースステーション260または参照センサが求めた補正信号を単に受信し用いるだけだからである。
【0130】
ベースステーション260は、RF通信、WLAN通信、ISM通信、携帯電話通信(例えば、GSM(登録商標)ブロードバンド2.5Gまたは3G、4G、LTEなど)、他の適切な通信、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上で構成されたアンテナを介して、センサモジュール102または携帯電子装置206からのデータを送受信してもよい。ベースステーション260とセンサモジュール102または携帯電子装置206との間の通信は、双方向または一方向性としてもよい。次いで、ベースステーション260は、受信したデータからメトリクスを測定することができる。上述したように、ベースステーション260は、センサモジュール102または携帯電子装置206からデータを受信する。ベースステーション260のデータ受信モジュールは、稼働中のセンサモジュール102または携帯電子装置206のそれぞれと通信してもよい。
【0131】
グループモニタ装置270は、ベースステーション260からメトリクス、警報、および他の情報(例えば、個人100の認識情報および属性、または個人100もしくは運動一般に関する統計など)を無線で受信することができる。単一のグループモニタ装置270がベースステーション260と通信してもよいし、多数のグループモニタ装置270がベースステーション260と同時に通信してもよい。ベースステーション260に対してグループモニタ装置270は携帯用としてもよく、ベースステーション260と、例えば、WLAN(無線ローカルエリアネットワーク)、2.4GHz ISM(工業、科学、医療)周波帯、ブルートゥース(もしくは低エネルギーブルートゥース(BTLE))、または携帯電話プロトコルなどを介して通信してもよい。
【0132】
ある例示的な実施形態において、グループモニタ装置270は、1つ以上の動作モジュールの選択を表示できるモジュール選択素子を含む。動作モジュールは動作モジュールアイコンを用いて選択可能としてもよい。ある例示的な実施形態において、計画モジュールアイコンの選択は、運動を計画するために用いるよう設計された特色を含む計画モジュールを表示するためのトリガーとしてもよい。またある例示的な実施形態において、モニタモジュールアイコンの選択は、本明細書でさらに述べているように、運動中にリアルタイムに運動をモニタするために用いるよう設計された特色を含むモニタモジュールを表示するためのトリガーとしてもよい。ある例示的な実施形態において、解析モジュールアイコンの選択は、本明細書でさらに述べているように、運動中リアルタイムに、または運動終了後に運動を解析するのに用いるよう設計された特色を含む解析モジュールを表示するためのトリガーとしてもよい。また、ある例示的な実施形態において、レポートモジュールアイコンの選択は、運動に関するレポートを作成する(例えば、選択した情報のまとめを印刷または表示可能にする)のに用いるよう設計された特色を含むレポートモジュールを表示するためのトリガーとしてもよい。
【0133】
ある例示的な実施形態において、グループモニタ装置270はディスプレイおよび入力を含む。好ましい実施形態において、グループモニタ装置270はタブレットコンピュータ型の装置(タブレットパーソナルコンピュータまたはアップル社製のiPadブランドのタブレットなど)である。グループモニタ装置270は、しかしながら、例えば、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、携帯電話、電子書籍端末、PDA(携帯用情報端末)、スマートフォン、または情報を受信および表示でき、入力を受け付けることができる他の同様な装置などの、他の適切な装置としてもよい。
【0134】
適切なグループモニタシステムおよび構成要素は、例えば、本出願と同じ出願人が保有する米国特許出願番号13/077,494、発明の名称「グループパフォーマンスをモニタするシステムおよび方法」に開示されたシステムおよび構成要素を含んでもよく、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。
【0135】
例示的なセンサモジュール102を含む、本発明の運動モニタシステム10の例示的な構成要素の実施形態の概要を上述してきた。個人100の体106または個人の1つの運動器具108の空間における方向の変化をモニタし、あるいは体106または器具108の動きのデータと運動量との間の相関を求めるために本発明の運動モニタシステム10を用いる様々な例示的な方法をこれから以下に説明する。
【0136】
運動している個人100(またはコーチ、チームメイト、観客などの他の関係者)は、一連の運動中の個人100の体106のモーションまたは個人の1つの運動器具108のモーションについての情報を取得することを希望する場合があり得る。
【0137】
例えば、もし個人100がサッカーの試合でプレイするなど、スポーツボールの使用を伴う活動に参加している場合は、例えば、個人100が蹴ったサッカーボール(すなわちフットボール)が様々な飛び出し角度を求められること、個人100が蹴ったサッカーボールの回転スピードを求められること、または個人100が蹴ったサッカーボールが飛んでいく時の最高スピードを求められることなどが望ましい場合があり得る。
【0138】
さらなる例として、もし個人100がバスケットボールの技術を練習するなど、個人100の胸部の様々な動きを伴う活動に参加している場合は、例えば、ディフェンダーの周りをドリブルしようとするときに個人100が左に切り込んだのかまたは右に切り込んだのかを認識できること、ジャンプショットを打つ、ダンクシュートを試みる、またはブロックショットを試みるときに個人100が飛んだ高さ、個人100が飛んだ水平距離、または個人100が飛んだときの力を求められること、あるいはバスケットボールに関する反応時間の訓練を行ったときに個人100の反応時間を求められることが望ましい場合があり得る。
【0139】
上述したセンサモジュール102を含む運動モニタシステム10を用いることにより、本発明の実施形態は、一連の運動中または運動終了後に、個人100の体106のモーションもしくは個人100の1つの運動器具108のモーションについてのこの、または他の情報を、個人100(またはコーチ、チームメイト、観客)が取得することを有利に可能にし得る。
【0140】
サッカー(すなわちフットボール)およびバスケットボールというスポーツの文脈で本発明の様々な実施形態を説明しているが、本発明はそのように限定されるものではなく、例えば、野球、ボウリング、ボクシング、クリケット、自転車競技、フットボール(すなわち、アメリカンフットボール)、ゴルフ、ホッケー、ラクロス、ボート、ラグビー、ランニング、スケートボード、スキー、サーフィン、水泳、卓球、テニス、バレーボール、もしくはその運動に関するトレーニングなどを含む様々な異なるスポーツまたは運動に適用してもよい。加えて、サッカーで求められると述べた運動量は、適宜バスケットボールでも測定することができ得、逆もまた同様である。
【0141】
センサモジュール102によって得たデータは、運動中の当該対象物104のモーションについて役立つ情報を得るために、様々な方法で処理してもよい。ある実施形態において、個人100の体106または個人100の1つの運動器具108の空間における方向の変化をモニタするために、センサモジュール102のデータを処理してもよい。他の実施形態において、データ構造に保存されている動きのデータと運動量との間の所定の相関を参照して、センサモジュール102のデータを処理してもよい。
【0142】
個人100の体106または個人100の1つの運動器具108をモニタするために運動モニタシステム10およびセンサモジュール102を用いるかどうかにかかわらず、個人100の体106または個人100の1つの運動器具108の空間における方向の変化をモニタしたいと考える本発明の実施形態において、モニタを実行するために共通の解析フレームワークを用いてもよい。この解析フレームワークは
図12に示している。
【0143】
図12を参照して、そのような実施形態において、以下のような空間方向処理400にしたがって対象物104の空間における方向の変化を測定するために、個人100は運動モニタシステム10のセンサモジュール102を用いてもよい。
【0144】
まず、ステップ402において、センサモジュール102は対象物104の動きを検出し得る。ある実施形態において、対象物104の動きは、センサモジュール102の加速度センサ116が取り込んだ加速度データに基づいて検出される。別の実施形態において、対象物104の動きは、センサモジュール102の磁場センサ118が取り込んだ磁場データに基づいて検出される。また別の実施形態において、対象物104の動きは、加速度データおよび磁場データの両方に基づいて検出される。
【0145】
ある実施形態において、磁場センサ118は、センサモジュール102近傍の磁場の強度および方向を測定するように構成してもよい。別の実施形態において、磁場センサ118は、センサモジュール102近傍の地球の磁場の強度および方向を測定するように構成してもよい。ある実施形態において、磁場センサ118は、局所的な磁場の合計および/または局所的な地球の磁場の合成磁気ベクトルの大きさおよび方向を測定することが可能であってもよい。
【0146】
モニタする対象物104がサッカーボールの場合、検出される動きは、個人100がドリブルした結果として地面を転がるサッカーボールからなり得る。モニタする対象物104がバスケットボールをする個人100の胸部である場合、検出される動きは、個人がコートでバスケットボールをドリブルするにつれて前へ移動する個人の胸部からなり得る。
【0147】
ある実施形態において、センサモジュール102は続いて、対象物104の動きが追跡すべき動きの発生を示すと判断することができる。ある実施形態において、所定の期間に閾値のデータ値が満たされると、対象物104の動きが追跡すべき動きの発生を示すと判断される。例えば、センサモジュール102は、対象物104の動きが所定の期間に加速度および/または磁場の変化において閾値に達したと判断し得る。
【0148】
ある実施形態において、追跡すべき動きの発生の判断は、追跡すべき動きがその判断より先にすでに始まっていることを示している。この場合、最近記録されたデータを調べる必要があり得る、または最近記録されたデータをほぼ永久的に保存し続ける必要があり得る場合には、センサモジュール102は、一時的にバッファに一連のデータを保存し得るので、追跡すべき動きの発生が見いだされたという判断に対応して、その動きに関するすべての関連データを取り込むことも可能である。他の実施形態において、追跡すべき動きの発生の判断は、追跡すべき動きが近い将来に始まろうとしていることを示している。ある実施形態において、センサモジュール102はデータを永久的または一時的に保存するように構成し、かつデータバッファがいっぱいになるような状況において、既定の期間データを保存するようにさらに構成してもよい。
【0149】
モニタする対象物104がサッカーボールの場合、個人100がゴールを決めようと試みてボールを素早く蹴った結果のサッカーボールの動きが、キックに応じたボールのモーションを追跡すべきだという判断になり得る(その判断がなされる前、途中、および/または後のボールのモーションを含み得る)。モニタする対象物104がバスケットボールをする個人100の胸部の場合、攻撃の動きを行う際の180度回転した個人100の胸部の回転が、個人の胸部の回転を追跡すべきだという判断になり得る(その判断がなされる前、途中、および/または後の個人100の胸部のモーションを含み得る)。
【0150】
次に、ステップ406において、追跡すべき動きの発生の判断に応じて、対象物104の空間における最初の方向を求め得る。ある実施形態において、対象物104の空間における最初の方向は、座標軸システムを参照して求め得る。
【0151】
座標軸システムは、対象物104の空間における方向の変化をモニタするのに有用な分析ツールである。
図10は、3つの軸、X軸、Y軸、およびZ軸を有する例示的な三次元のデカルト座標軸システム300を示している。
図10に図示している座標軸システム300には、2つのベクトル「G」および「B」が重ねられている。Y軸のマイナス方向を指しているGベクトル302は重力ベクトルを表している。Bベクトル304は合成磁場ベクトルを表している。
【0152】
図11は別の例示的な三次元のデカルト座標軸システム350を示している。このシステム350は、対象物104などの剛体に対して6つの自由度を定義している。6つの自由度とは、
図11に図示されるように、三次元空間における剛体のモーション、すなわち前/後、上/下、左/右の移動(垂直な3つの軸上での移動)に3つの垂直な軸の周りの回転(縦揺れ、偏揺れ、横揺れ)を組み合わせた移動能力を言う。
【0153】
ステップ406についての説明に戻ると、ある実施形態において、対象物104の空間における最初の方向を測定することは、
図10に図示されているような、重力ベクトル302に関して行われ得る。別の実施形態において、対象物104の空間における最初の方向を測定することは、
図10に図示されているような、地球の磁場ベクトル304に関して行われ得る。他の実施形態において、対象物104の空間における最初の方向を測定することは、
図11を参照して説明されているように、6つの自由度を持つ三次元空間において対象物が移動し回転した経路の特徴に関して行われ得る。
【0154】
モニタする対象物104がサッカーボールの場合、追跡すべき特定の動き(すなわち、キックの結果としてのボールの動き)に対するサッカーボールの空間における最初の方向を測定することは、用いる特定のアプリケーションおよびアルゴリズムによって、例えば、個人100の足がサッカーボールを素早く蹴った直前、その瞬間、またはその直後のサッカーボールの空間における方向として定義され得る。モニタする対象物104がバスケットボールをする個人100の胸部の場合、追跡すべき特定の動き(すなわち、180度回転)に対する個人100の胸部の空間における最初の方向を測定することは、用いる特定のアプリケーションおよびアルゴリズムによって、例えば、個人100の胸部が回転し始めた直前、その瞬間、またはその直後の個人100の胸部の空間における方向として定義され得る。
【0155】
ステップ408において、第1の時点で対象物104の空間における最初の方向が求められた後、対象物104の空間における方向の変化を求め得る。ある実施形態において、対象物が動く際の重力ベクトル302および/または磁場ベクトル304の方向の変化についての追加の情報を付加的に考慮し得ることを除いて、ステップ408での対象物104の空間における方向の変化を測定することは、ステップ406での対象物104の最初の方向を測定することと同様に行われ得る。
【0156】
モニタする対象物104がサッカーボールの場合、追跡すべき特定の動き(すなわち、キックの結果としてのボールの動き)に対するサッカーボールの空間における方向の変化を測定することは、用いる特定のアプリケーションおよびアルゴリズムによって、例えば、サッカーボールの最初の方向を認識したときからそれより後のまだボールが動いている時点、またはボールが動きを止めた時点までのサッカーボールの空間における方向の変化として定義され得る。モニタする対象物104がバスケットボールをする個人100の胸部の場合、追跡すべき特定の動き(すなわち180度回転)に対する個人100の胸部の空間における方向の変化を測定することは、用いる特定のアプリケーションおよびアルゴリズムによって、例えば、個人100の胸部の最初の方向を認識した時点からそれより後の個人100の胸部がまだ動いている時点、または個人100の胸部が動きを止めた時点までの個人100の胸部の空間における方向の変化として定義され得る。
【0157】
ステップ410において、ステップ408で求めた対象物104の空間における方向の変化に基づいて運動量が求められる。運動量の性質は、個人100が行っている運動、ならびにモニタ中の特定の対象物104によって異なり得る。ある実施形態において、運動量は、例えば、飛び出し角度、回転スピード、ボールの軌道、スピード、ジャンプの高さ、ジャンプ力、ジャンプの距離、ジャンプの軌道、蹴る力、蹴る距離、衝突力、特定タイプの運動の動きの特徴、または反応時間の測定などに関連することがあり得る。他の実施形態において、運動量は、例えば、回転スピード、回転面、ジャンプ力、力の特性(運動する人の体または地面もしくは対象物が受ける力)、テニスにおけるストロークの情報、ゴルフ、野球、ホッケーのスティックのスイング特性、脚で蹴る時の特性、自転車のペダルの角度位置、自転車に乗る人の力の出力、疲労(繰り返しのモーション、すなわちランニング、懸垂、水泳、ボートこぎなどで起こり始める震え)、姿勢、投げるまたは腕を振る技術、射撃技術などであり得る。
【0158】
モニタする対象物104がサッカーボールの場合、キックの結果としてのボールの空間における方向の変化を用いて、例えば、ボールの飛び出し角度、ボールの回転スピード、飛び出しスピード、予想スピードまたは同様のメトリクスを求め得る。モニタする対象物104がバスケットボールをする個人100の胸部の場合、180度回転中の個人100の胸部の空間における方向の変化を用いて、例えば、個人がディフェンダーをポストアップし、次いでディフェンダーをかわすために180度回転を行ったということ、または同様のメトリクスを求め得る。他の実施形態において、個人100の胸部の空間における方向の変化を用いて、ジャンプの高さまたはジャンプ力を求め得る。
【0159】
最後に、ステップ412において、個人100、コーチ、チームメイト、観客、または他の任意の関係者にも運動量を伝える出力を提供する。ある実施形態において、出力は音声、映像、および/または触覚的な出力とし得る。
【0160】
本発明のある実施形態において、当該対象物104の空間における方向の変化をモニタしたいという要望の代わりに、データ構造に保存されている所定の相関関係に基づいて、個人100の体106または個人100の1つの運動器具108などの対象物104の動きを運動量に相関付けたいという要望があり得る。そのような相関付けを行うために共通の解析フレームワークを用い得る。この解析フレームワークは
図13に図示している。
【0161】
図13を参照して、このような実施形態において、以下のような動作相関処理420にしたがって対象物104の動きに対するそのような相関を求めるために、個人100は運動モニタシステム10のセンサモジュール102を用いてもよい。
【0162】
まず、ステップ422において、センサモジュール102は対象物104の動きを検出し得る。このステップは、上述の空間方向処理400のステップ402と同様に実行し得る。
【0163】
モニタする対象物104がサッカーボールの場合、検出される動きは個人100がドリブルした結果として地面を転がるサッカーボールからなり得る。モニタする対象物104がバスケットボールをする個人100の胸部である場合、検出される動きは個人がコートでバスケットボールをドリブルするにつれて前へ移動する個人の胸部からなり得る。
【0164】
ある実施形態において、センサモジュール102は続いて、対象物104の動きが追跡すべき動きの発生を示しているかを判断することができる。このステップは、上述の空間方向処理400のステップ404と同様に実行し得る。
【0165】
モニタする対象物104がサッカーボールの場合、個人100がゴールを決めようと試みてボールを素早く蹴った結果のサッカーボールの動きが、キックに応じたボールのモーションを追跡すべきだという判断になり得る(その判断がなされる前、途中、および/または後のボールのモーションを含み得る)。モニタする対象物104がバスケットボールをする個人100の胸部の場合、例えば、ジャンプショットを打つ、ダンクを試みる、またはブロックショットを試みるなどで個人がジャンプした結果地面から急に上昇する個人100の胸部の動きが、個人の胸部が上昇する動きを追跡すべきだという判断になり得る(その判断がなされる前、途中、および/または後の個人100の胸部のモーションを含み得る)。
【0166】
次に、ステップ426において、追跡すべき動きを認識するのに応じて、センサモジュール102は動きのデータを記録し得る。ある実施形態において、対象物104の動きは、センサモジュール102の加速度センサ116によって取り込まれた加速度データに基づいて記録される。別の実施形態において、対象物104の動きは、センサモジュール102の磁場センサ118が取り込んだ磁場データに基づいて記録される。また別の実施形態において、対象物104の動きは、加速度データおよび磁場データの両方に基づいて記録される。
【0167】
モニタする対象物104がサッカーボールの場合、個人100がボールを素早く蹴った結果としてのサッカーボールの動きを記録し得る。モニタする対象物104がバスケットボールをする個人100の胸部の場合、急に上昇する個人100の動きを記録し得る。
【0168】
次にステップ428において、センサモジュール102は、記録した動きのデータと運動量との間の相関を求めることができる。ある実施形態において、これは参照用テーブルなどのデータ構造に保存されている相関情報に基づいて求め得る。
【0169】
参照用テーブルはデータ構造であって、普通は配列または連想配列であり、しばしば実行時計算をより単純な配列のインデックス動作に置き換えるために用いられる。メモリから値を引き出すのはしばしば比較的処理の重い計算または入力/出力動作を受け付けるよりも速いので、処理時間を著しく短縮することができる。参照用テーブルの数字はあらかじめ計算し、静的なプログラム記憶装置に保存してもよいし、またはプログラム初期化段階の一部として先読みしてもよい。
【0170】
相関の性質は、相関を設定するために用いる特定のアプリケーションおよびアルゴリズムに依存し得る。また、運動量の性質も、個人100が行っている運動、ならびにモニタ中の特定の対象物104によって異なり得る。ある実施形態において、運動量は、例えば、飛び出し角度、回転スピード、ボールの軌道、スピード、ジャンプの高さ、ジャンプ力、ジャンプの距離、ジャンプの軌道、蹴る力、蹴る距離、衝突力、特定タイプの運動の動きの特徴、または反応時間の測定などに関連し得る。他の実施形態において、運動量は、例えば、回転スピード、回転面、ジャンプ力、力の特性(運動する人の体または地面または対象物が受ける力)、テニスにおけるストロークの情報、ゴルフ、野球、ホッケーのスティックのスイング特性、脚で蹴る時の特性、自転車のペダルの角度位置、自転車に乗る人の力の出力、疲労(繰り返しのモーション、すなわちランニング、懸垂、水泳、ボートこぎなどで起こり始める震え)姿勢、投げるまたは腕を振る技術、射撃技術などであり得る。
【0171】
モニタする対象物104がサッカーボールの場合、記録された動きのデータと運動量との間の相関は、サッカーボールの加速度データとサッカーボールの飛び出しスピードのメトリクスとの間の関係を表す関数から得られたデータ構造に保存されている相関データに依存し得る。ある実施形態において、サッカーボールの加速度データとサッカーボールの飛び出しスピードとの間の関係の基礎となる関数は、特定のモデルのサッカーボールに対しての経験的なデータに基づくことがあり得る。
【0172】
モニタする対象物104がバスケットボールをする個人100の胸部の場合、記録された動きのデータと運動量との間の相関は、胸部の加速度データと、例えば、ジャンプの高さまたはジャンプ力のメトリクスとの間の関係を表す関数から得られたデータ構造に保存されている相関データに依存し得る。ある実施形態において、胸部の加速度データとジャンプの高さとの間の関係の基礎となる関数は、例えば、個人の体重などのデータに基づくことがあり得る。
【0173】
最後に、ステップ430において、個人100、コーチ、チームメイト、観客、または他の任意の関係者に運動量を伝える出力を提供する。このステップは、上述の空間方向処理400のステップ412と同様に実行し得る。
【0174】
基本的な空間方向処理400および基本的な動作相関処理420をそれぞれ詳述する
図12および
図13を参照して概説した解析フレームワークは、センサモジュール102を用いて個人100の体106または個人100の1つの運動器具108をモニタするために、本発明の実施形態において用い得る。しかしながら、本発明のある実施形態において、これらの基本的な解析フレームワークは、改良された性能を提供し、運動している個人100に運動を評価するより良い手段を提供できる追加のステップを含んでもよい。
【0175】
図14は、上述した基本的な空間方向処理400または基本的な動作相関処理420を拡張するために用いることができる起動状態処理440を示している。起動状態処理440は、センサモジュール102を複数の状態で動作させることができ、その状態のうちの1つを起動状態とみなしてもよい。ある実施形態において、起動状態は、センサモジュール102が起動状態に入る前よりも起動状態である間の方がより電力を消費することを特徴としてもよい。別の実施形態において、起動状態は、センサモジュール102が起動状態に入る前よりも起動状態である間の方がより高速に加速度センサ116からデータをサンプリングすることを特徴としてもよい。さらに別の実施形態において、起動状態は、センサモジュール102が起動状態に入る前にはデータを一時的にしか記録しないのに対し、起動状態ではデータを永久的に保存し続けることを特徴としてもよい。このように、様々な状態を可能にすることで、センサモジュール102は、より少ない電池電力で、より低い処理能力で、またはより効率よく作動することができる。
【0176】
図14を参照して、起動状態処理440はステップ442から始まる。ある実施形態において、起動状態処理440のステップは、基本的な空間方向処理400または基本的な動作相関処理420がより効率的なセンサモジュール102の機能で実行されるように、これらの処理の直前に実行し得る。
【0177】
ステップ442において、センサモジュール102は、第1の時点で対象物104の動きを検出し得る。このステップは、上述の空間方向処理400のステップ402または動作相関処理420のステップ422と同様に実行し得る。
【0178】
モニタする対象物104がサッカーボールの場合、検出される動きは個人100がドリブルした結果として地面を転がるサッカーボールからなり得る。モニタする対象物104がバスケットボールをする個人100の胸部である場合、検出される動きは個人がコートでバスケットボールをドリブルするにつれて前へ移動する個人100の胸部からなり得る。
【0179】
次に、ステップ444において、センサモジュール102は、対象物104の動きが所定の起動の動きに対応すると判断し得る。ある実施形態において、所定の起動の動きは、例えば、ボールが連続で三回はねる、ボールを所定の高さに投げる、ある程度の力でボールを蹴る、個人100が連続で三回飛び上がったり下りたりするなどの一連の個別の動き、あるいは絶対的な期間または所定の期間にセンサモジュール102の加速度が所定の閾値を超え、かつ/または下回る動きを含んでもよい。ある実施形態において、対象物104の動きは、センサモジュール102の加速度センサ116によって取り込まれた加速度データに基づいて検出される。別の実施形態において、対象物104の動きは、センサモジュール102の磁場センサ118によって取り込まれた磁場データに基づいて検出される。また別の実施形態において、対象物104の動きは、加速度データおよび磁場データの両方に基づいて検出される。
【0180】
対象物の動きが所定の起動の動きに対応すると判断するステップは、所定の起動の動きに関連する加速度データを、対象物の動きに対応付けて検出された加速度データと比較することを含み得る。あるいは、対象物の動きが所定の起動の動きに対応すると判断するステップは、所定の起動の動きに関連する時間のデータを対象物の動きに対応付けて検出された時間データと比較することを含み得る。
【0181】
モニタする対象物104がサッカーボールの場合、所定の起動の動きは、例えば、所定の期間静止していた後のサッカーボールの動き、三回跳ねたサッカーボールの動き、ある期間にある高さまで空中に投げ上げたサッカーボールの動き、または他の可能な様々な起動の動きであるかもしれない。モニタする対象物104がバスケットボールをする個人100の胸部の場合、所定の起動の動きは、例えば、個人100が所定の期間静止していた(例えば、ベンチに座るなど)後の個人100の胸部の動き、続けて三回飛び上がったり下りたりする個人100の動き、続けて三回スクワットをする個人100の動き、または他の可能な様々な起動の動きであるかもしれない。
【0182】
ある実施形態において、モニタする対象物104のセンサモジュール102が、約1Gの合成加速度(すなわち合成加速度が1Gの閾値許容差の範囲内、例えば、1Gの5%以内)を感知するとき、モニタする対象物104は静止しているとみなすことができる。ある実施形態において、個人が手にとっている間は、モニタする対象物104は静止しているとみなすことができる。例えば、バスケットボール選手がボールを持ってジャンプショットを打つ間は、ボールは静止しているとしてよい(例えば、個人の手からボールを放す前は、ボールは静止しているとみなすことができ、センサモジュール102が感知する合成加速度は約1Gである)。また、例えば、野球選手がボールを投げる間は、ボールは静止しているとしてよい(例えば、個人が投げるモーションにおいて、後ろへのモーションから前へのモーションへと変遷する間、センサモジュール102が感知する合成加速度は約1Gである)。
【0183】
次に、ステップ446において、起動の動きが行われたと判断した後に、センサモジュール102は起動状態に入ることができる。先に述べたように、例えば、起動状態は、センサモジュール102が起動状態に入る前よりも起動状態に入っている間の方がより電力を消費する、またはより高速にデータをサンプリングすることを特徴としてもよい。
【0184】
最後に、ステップ448において、基本的な空間方向処理400のステップ402または基本的な動作相関処理420のステップ422において詳述したように、センサモジュール102が起動状態に入ると、再び対象物の動きを検出する。このように、様々な状態を可能にすることで、センサモジュール102は、より少ない電池電力で、より低い処理能力で、またはより効率よく作動することができる。
【0185】
図15は、上述した基本的な動作相関処理420を拡張するために用いることができる参照モーション処理450を図示している。参照モーション処理450により、動きのデータを比較することでセンサモジュール102が性質が様々な複数の参照モーションから一致する運動モーションを認識することが可能であり得る。このように、動作相関処理420の運動モーション認識性能は、運動中に行う様々なタイプのモーションを認識し追跡できるようにすることで拡張し得る。
【0186】
図15を参照して、参照モーション処理450はステップ452から始まる。ある実施形態において、参照モーション処理450のステップは、相関および認識性能を拡張するために、上述の基本的な動作相関処理420のステップ426、428、および430の代わりに行っても有効であり得る。
【0187】
ステップ452において、センサモジュール102は(上述した通り、おそらく前のステップで追跡すべき動きを認識したことに応じて)動きのデータを記録し得る。ある実施形態において、対象物104の動きは、センサモジュール102の加速度センサ116が取り込まれた加速度データに基づいて記録される。別の実施形態において、対象物104の動きは、センサモジュール102の磁場センサ118によって取り込まれた磁場データに基づいて記録される。また別の実施形態において、対象物104の動きは、加速度データおよび磁場データの両方に基づいて記録される。
【0188】
モニタする対象物104がサッカーボールの場合、個人100がボールを素早く蹴った結果としてのサッカーボールの動きを記録し得る。モニタする対象物104がバスケットボールをする個人100の胸部の場合、急に上昇する個人100の胸部の動きを記録し得る。
【0189】
次に、ステップ454において、センサモジュール102は、複数の参照モーションに関連するデータと動きのデータとを比較することで、複数の参照モーションから一致する運動モーションを認識することができる。ある実施形態において、基本的な動作相関処理420のステップ428のように、少なくとも部分的には参照用テーブルなどのデータ構造に保存されている相関情報に基づいて認識が行われ得る。
【0190】
ステップ428に特有だが、一致する運動モーションの認識は、複数の参照モーションを参照して行い得る。言い換えると、ステップ428においては、システムは1つのモーション(例えば、ゴールを決めようとしてサッカーボールを蹴ること)に一致するモーションを探すことに限られるものではない。ある実施形態において、システムはモーションの1つの分類(例えば、攻撃的なサッカーのモーション)に一致するモーションを探すことに限られるものではない。他の実施形態において、システムは1つのスポーツ(例えば、サッカーのモーション)のモーションに一致するモーションを探すことに限られるものではない。あるいは、運動がチームスポーツであるとき、一致する運動モーションは、チームスポーツを行っている間に人が共通に行うモーションとしてもよい。
【0191】
ある実施形態において、1つ以上の参照モーションは一連の個別の動きを含んでもよい。ある実施形態において、複数の参照モーションに関連するデータは加速度データ、磁場データ、および/または時間データを含んでもよい。もちろん、認識した一致した運動モーションの性質は、一致を見つけるのに用いた特定のアプリケーションおよびアルゴリズムに依存し得る。また、一致した運動モーションの性質は、個人100が行っている運動、ならびにモニタしている特定の対象物104によって異なり得る。バスケットボールに関するある実施形態において、一致した運動モーションは、例えば、パスのモーション、シュートのモーション、ジャンプショットのモーション、ダンクシュートのモーション、ポストアップのモーション、クロスオーバードリブルのモーション、シュートブロックのモーション、スチールのモーション、またはリバウンドのモーションとしてもよい。
【0192】
最後に、ステップ456において、個人100、コーチ、チームメイト、観客、または他の任意の関係者にも一致した運動モーションを伝える出力を提供する。このステップは、上述の動作相関処理420のステップ430と同様に実行することができる。このように、動作相関処理420の運動モーション認識性能は、運動中に行う異なるタイプのモーションを認識し追跡できるようにすることで高められ得る。
【0193】
図16は、上述した基本的な空間方向処理400を拡張するために用いることができる遠隔空間処理過程460を図示している。遠隔空間処理過程460により、センサモジュール102が処理のために空間における方向のデータを遠隔コンピュータへ無線で送信することが可能であり得る。運動モニタシステム10の他の素子と無線で通信することは、
図7を参照しておおむね上述されている。このように、より高い演算性能、およびある実施形態において追加のデータまたは他のリソースへのアクセス権を有するサーバコンピュータなどの遠隔地にあるコンピュータに、ある処理および解析タスクを移すことで、運動モニタシステム10の空間処理性能または動作相関処理性能は高められ得る。
【0194】
図16を参照して、遠隔空間処理または相関処理460はステップ462から始まる。ある実施形態において、遠隔空間処理または相関処理460のステップは、運動量を測定することを離れて行うことができるよう、上述したように、基本的な空間方向処理400のステップ410、または基本的な動作相関処理420のステップ426の代わりに行っても有効であり得る。
【0195】
ステップ462において、対象物104の空間における方向の変化を測定する、または動きのデータを記録し得る。ある実施形態において、ステップ462で対象物104の空間における方向の変化を測定すること、または動きのデータを記録することは、上述した基本的な空間方向処理400のステップ408で対象物104の空間における方向の変化を測定すること、または基本的な動作相関処理420のステップ426で動きのデータを記録することと同様に行い得る。
【0196】
次に、ステップ464において、センサモジュール102は、空間における方向の変化または動きに関するデータを無線で運動中のユーザの遠隔地に置かれているコンピュータに送信し得る。例えば、遠隔地にあるコンピュータはサーバ202としてもよい。ある実施形態において、空間における方向の変化または動きに関するデータは、運動中に遠隔コンピュータに送信し得る。別の実施形態において、空間における方向の変化または動きに関するデータは、運動終了後に遠隔コンピュータに送信し得る。
【0197】
次に、ステップ466において、センサモジュール102は、送信された空間における方向の変化または動きに関するデータに基づく運動量のデータを遠隔コンピュータから無線で受信し得る。したがって、例えば、基本的な空間方向処理400のステップ410で概説したような運動量を測定すること、例えば、おそらく参照用テーブルを参照して、基本的な動作相関処理420のステップ428で概説したような相関のデータに基づいて運動量を測定することは、遠隔コンピュータによって処理し得る。ある実施形態において、運動量のデータは、運動中に遠隔コンピュータから受信し得る。別の実施形態において、運動量のデータは、運動終了後に遠隔コンピュータから受信し得る。
【0198】
加えて、ある実施形態において、遠隔コンピュータがより高い処理性能およびリソースを有するので、遠隔コンピュータはセンサモジュール102に追加の情報を提供することが可能であり得る。ある実施形態において、センサモジュール102は、遠隔コンピュータから運動量のデータに加えてトレーニングの提案のデータを受信し得る。別の実施形態において、センサモジュール102は、遠隔コンピュータから運動量のデータに加えてやる気を起こさせる内容のデータを受信し得る。
【0199】
ある実施形態において、遠隔コンピュータから受信した運動量のデータは、ユーザの現在の運動に関するデータとユーザの以前の運動に関するデータとの比較を含んでもよい。別の実施形態において、遠隔コンピュータから受信した運動量のデータは、ユーザの現在の運動に関するデータと別の個人の運動に関するデータとの比較を含んでもよい。
【0200】
最後に、ステップ468において、個人100、コーチ、チームメイト、観客、または他の任意の関係者にも運動量を伝える出力を提供する。このステップは、上述の空間方向処理400のステップ412、または動作相関処理420のステップ430と同様に実行し得る。このように、より高い演算性能、およびある実施形態において追加のデータまたは他のリソースへのアクセス権を有するサーバコンピュータなどの遠隔地にあるコンピュータに、ある処理および解析タスクを移すことで運動モニタシステム10の空間処理性能または動きを測定する性能は高められ得る。
【0201】
図17は、上述した基本的な空間方向処理400または基本的な動作相関処理420を拡張するために用いることができる位置処理480を図示している。位置処理480により、一連の運動中にモニタ中の様々な運動モーションが行われた正確な地理的位置を個人が測定することが可能になり得る。このように、位置処理480は、個人、コーチ、チームメイト、観客、または他の任意の関係者にも、動きに基づいた運動量の情報自体に関連する追加の情報を提供し得る。
【0202】
図17を参照して、位置処理480はステップ482から始まる。ある実施形態において、位置処理480のステップは、基本的な空間方向処理400または基本的な動作相関処理420のステップの後、またはこれらの処理の出力ステップ直前に行い得る。
【0203】
ステップ482において、運動量は、空間方向処理400のステップ410で述べたような対象物104の空間における方向の変化に基づいて、または動作相関処理420のステップ428で述べた相関に基づいて求め得る。運動量の性質は、個人100が行っている運動、ならびにモニタしている特定の対象物104によって異なり得る。ある実施形態において、運動量は、例えば、飛び出し角度、回転スピード、スピード、ジャンプの高さ、ジャンプ力、運動の動きの特定タイプの特徴、または反応時間の測定などに関連し得る。
【0204】
次に、ステップ484において、運動中の対象物104の位置を求め得る。ある実施形態において、運動中の対象物104の位置は、GPS受信機、ガリレオ受信機、北斗受信機、またはGLONASS受信機などの衛星位置システムの受信機を用いて求められる。別の実施形態において、運動中の対象物104の位置は、ビーコン信号または電波信号三角測量を用いて求められる。
【0205】
個人100の身体活動がある特定の経路を通ることを含む(例えば、レースで走るまたは自転車に乗る)実施形態において、センサモジュール102は、通った経路に沿って個人100の地理的な中間地点を記録することが可能であり得る。
【0206】
最後に、ステップ486において、求められた運動量を運動量に関連する位置と相関させ得る。したがって、例えば、センサモジュール102は、個人100がどこでそれぞれのサッカーのシュートまたはバスケットボールのシュートを打ったのかを記録することが可能であり得る。
【0207】
上述したセンサモジュール102を含む運動モニタシステム10を用いることで、本発明の実施形態により、個人100(またはコーチ、チームメイト、観客)が、一連の運動中または運動後に個人100の体106のモーションまたは個人100の1つの運動器具108のモーションについてのこの、または他の情報を有利に取得することが可能であり得る。
【0208】
サッカー(すなわちフットボール)およびバスケットボールというスポーツの文脈で本発明の様々な実施形態を説明しているが、本発明はそのように限定されるものではなく、例えば、野球、ボウリング、ボクシング、クリケット、自転車競技、フットボール(すなわち、アメリカンフットボール)、ゴルフ、ホッケー、ラクロス、ボート、ラグビー、ランニング、スケートボード、スキー、サーフィン、水泳、卓球、テニス、バレーボール、またはそれら運動に関するトレーニングなどを含む様々な異なるスポーツまたは運動に適用してもよい。
【0209】
野球において、上述したようなセンサモジュール102の実施形態により、個人100、コーチ、チームメイト、または観客が、例えば、ピッチャーの投球、バッターのスイング、または投球後もしくは打つ前のボールの動きの特徴を測定することが可能であり得る。例えば、センサモジュール102を用いて、投球の種類(速球、カーブボール、スライダー、チェンジアップなど)、球速、投球の軌道、または全投球数を測定することができるであろう。センサモジュール102はまた、スイングの種類(例えば、通常のスイング、バント、ボールを打ったスイング、空振りしたスイングなど)、スイングスピード、スイング数、打球の種類(ゴロ、ライナー、フライ、ホームランなど)、打球の軌道、または打球の飛距離などを測定するためにも用いることができるであろう。ある実施形態において、センサモジュール102は、例えば、ピッチャーの胴、腕、手または指、バッターの胴、腕、手、または指、あるいはボールの中、あるいはバットの表面またはバットの中に装着してもよい。
【0210】
ボウリングにおいて、上述したようなセンサモジュール102の実施形態により、個人100、コーチ、チームメイト、または観客が、例えば、ボウリングをする人の投球またはボールの軌道の特徴を測定することが可能であり得る。例えば、センサモジュール102を用いて、回転に適用したスピンの種類、回転スピード、全回転数、衝突の瞬間にピンにかかった力、またはレーン上の滑らかな点のくぼみの位置もしくは発生を測定することができるであろう。またセンサモジュール102を用いて、投球後のボールの軌道を測定することもできるであろう。ある実施形態において、センサモジュール102は、例えば、ボウリングをする人の胴、腕、手、または指、あるいはボールの表面または中に装着してもよい。
【0211】
ボクシングにおいて、上述したようなセンサモジュール102の実施形態により、個人100、コーチ、チームメイト、または観客が、例えば、ボクサーの攻撃的または守備的な動きの特徴を測定することが可能であり得る。例えば、センサモジュール102を用いて、ボクサーが放ったパンチの種類(ジャブ、フック、アッパーカットなど)、ボクサーの左手もしくは右手のどちらが使われたのか、パンチのスピード、パンチがあたったかどうか、および/または全パンチ数を測定することができるであろう。またセンサモジュール102を用いて、ボクサーが左、右、もしくは下のどこに動いたのか、パンチを防いだのか、ノックダウンされたのか、またはパンチを何回受けたのかを測定することもできるであろう。ある実施形態において、センサモジュール102は、例えば、ボクサーの胴、腕、手、または指、あるいはボクシンググローブの表面または中に装着してもよい。
【0212】
自転車競技において、上述したようなセンサモジュール102の実施形態により、個人100、コーチ、チームメイト、または観客が、例えば、自転車に乗る人または自転車のモーションの特徴を測定することが可能であり得る。例えば、センサモジュール102を用いて、自転車のスピード、曲がり角の性質、経路途中の高度変化の性質、または滞空時間、トリックの種類、もしくはトリックが成功したかどうかなどのジャンプの特徴を測定することができるであろう。ある実施形態において、センサモジュール102は、例えば、自転車に乗る人の胴、腕、手、脚、脚、または頭、あるいは例えば、ハンドル、フレームまたはペダルなどの自転車のある位置の表面または中に装着してもよい。
【0213】
フットボール(すなわち、アメリカンフットボール)において、上述したようなセンサモジュール102の実施形態により、個人100、コーチ、チームメイト、または観客が、例えば、オフェンスチーム、ディフェンスチーム、またはスペシャルチームの選手の動き、またはボール自体の動きの特徴を測定することが可能であり得る。例えば、センサモジュール102を用いて、ラン、パス、キック、またはタックルの種類、ラン、パス、キックまたはタックルの回数、ラン、パス、キックまたはタックルの力、ランニングバックの動きの種類(例えば、回転動作、腕を伸ばしてタックルを防ぐ、飛び越す、飛び込む、全速力で走るなど)、あるいはパスまたはキックの距離、ハングタイム、または回転の特徴を測定することができるであろう。ある実施形態において、センサモジュール102は、例えば、選手の胴、腕、または脚、あるいはボールの表面または中に装着してもよい。
【0214】
ゴルフにおいて、上述したようなセンサモジュール102の実施形態により、個人100、コーチ、チームメイト、または観客が、例えば、ゴルファーのスイングまたは打球のモーションの特徴を測定することが可能であり得る。例えば、センサモジュール102を用いて、スイングの種類(ティーショット、フェアウェイショット、アプローチショット、パット)、スイングのスピード、スイングの質、またはスイング数を測定することができるし、またゴルファーにスイングまたは試合運びをどのように改善するか指導することができる。センサモジュール102はまた、ボールの軌道(まっすぐ、右に曲がる、左に曲がる、低い、高い、左にはずれる、右にはずれる)、またはショットの距離を測定することもできるであろう。ある実施形態において、センサモジュール102は、例えば、ゴルファーの胴、腕、手、脚、足、または頭、あるいはボールの表面または中、あるいはクラブの表面あるいは中に装着してもよい。
【0215】
ホッケーにおいて、上述したようなセンサモジュール102の実施形態により、個人100、コーチ、チームメイト、または観客が、例えば、選手のシュートまたはパスの特徴、あるいは打った後のパックのモーションを測定することが可能であり得る。例えば、センサモジュール102を用いて、シュートの種類(例えば、スラップショット、バックハンドショット)、シュートのスピード、シュートの質、またはシュートもしくはパスの数を測定することができるであろう。またセンサモジュール102を用いて、ゴールに向かうパックの軌道(まっすぐ、左、右、低い、高い)を測定することもできるであろう。ある実施形態において、センサモジュール102は、例えば、ホッケー選手の胴、腕、手、脚、足、または頭、あるいはパックの表面または中、あるいはスティックの表面または中に装着してもよい。
【0216】
ランニングにおいて、上述したようなセンサモジュール102の実施形態により、個人100、コーチ、チームメイト、または観客が、例えば、ランナーのモーションの特徴を測定することが可能であり得る。例えば、センサモジュール102を用いて、スピード、ペース、走った距離、走った位置を求め、または異なる表面(例えば、芝生、道路、登山道)と勾配(例えば、登り勾配、平坦、下り勾配)を識別することができるであろう。ある実施形態において、センサモジュール102は、例えば、ランナーの胴、腕、手、脚、足、または頭、あるいは靴の表面または中に装着してもよい。
【0217】
スキーにおいて、上述したようなセンサモジュール102の実施形態により、個人100、コーチ、チームメイト、または観客が、例えば、競技コースの統計またはあるトリックが成功したときの情報を測定することが可能であり得る。例えば、センサモジュール102を用いて、競技コースにおいてスキーヤーが通過するのに成功した旗門の数、スキーヤーのスピード、またはターンの角度を測定することができるであろう。またセンサモジュール102を用いて、ジャンプ、フリップ、ローテーションなどの技、または技を出す動きの程度(例えば、ジャンプの高さ、回転の角度、滞空時間、トリックの種類など)を測定することもできるであろう。ある実施形態において、センサモジュール102は、取り外し可能または不可能な様式で、スキー板の表面もしくは裏面に装着する、スキー板内部に含む、またはスキー板内部の空間に設置する、あるいはスキーヤーのブーツ、体、または他の衣服の内側もしくは外側に装着してもよい。他の実施形態において、センサモジュール102は、スノーボードまたは類似のウインタースポーツの器具を含む、他の類似のウインタースポーツにも同様に用いることができるであろう。
【0218】
テニスにおいて、上述したようなセンサモジュール102の実施形態により、個人100、コーチ、チームメイト、または観客が、例えば、選手のスイングまたは打球のモーションの特徴を測定することが可能であり得る。例えば、センサモジュール102を用いて、スイングの種類(フォアハンド、バックハンド、サーブ、リターン、ロブ)、スイングのスピード、スイングの質、またはスイング数を測定することができるであろう。またセンサモジュール102を用いて、ボールのモーション(ストレート、トップスピン、バックスピン、レフトスピン、ライトスピン)またはショットの距離を測定することもできるであろう。ある実施形態において、センサモジュール102は、例えば、選手の胴、腕、手、脚、足、または頭、あるいはテニスボールの表面、あるいはラケットの表面に装着してもよい。
【0219】
スケートボードにおいて、上述したようなセンサモジュール102の実施形態により、個人100、コーチ、チームメイト、または観客が、例えば、オーリー、エアリアル、フリップトリック(例えば、キックスリップ)、スライド、またはグラインドなどのトリックをいつ成功させたか、あるいはトリックをする動きの度合い(例えば、ジャンプの高さ、回転スピード、スライド時間の長さなど)を測定することが可能であり得る。ある実施形態において、センサモジュール102は、スケートボードの下側、スケートボードの輪軸とスケートボード自体との間の空間(すなわち、トラック)に装着してもよい。他の実施形態において、センサモジュール102は、取り外し可能または不可能な様式で、ボードの表面または裏面に連結する、ボード内部に含む、あるいは輪軸(すなわちトラック)に連結してもよい。
【0220】
サーフィンにおいて、上述したようなセンサモジュール102の実施形態により、個人100、コーチ、チームメイト、または観客が、例えば、波に乗る、ターンする、あるいはカットバック、カーヴィング、フローティング、またはチューブライディングなどの技をいつ成功させたかを測定することが可能であり得る。ある実施形態において、センサモジュール102は、取り外し可能または不可能な様式で、サーフボードの表面または裏面に装着する、サーフボードの内部に含む、あるいはサーフボード内部の空間に設置してもよい。
【0221】
本発明の別の実施形態において、上述したようなセンサモジュール102の実施形態により、個人100、コーチ、チームメイト、または観客が、個人100の体力トレーニングおよび柔軟性トレーニングの動きまたは練習を解析することが可能であり得る。例えば、ある実施形態において、体力トレーニングおよび柔軟性トレーニング中の個人100または個人100が用いている1つの運動器具108は、例えば、シットアップ、プッシュアップ、ランジ、ジャンピングジャック、プルアップ、スクワット、ディップ、および/またはカーフレイズなどを追跡できるセンサモジュール102を携帯してもよい。センサモジュール102は、これらの動きが正しく行われているかどうか、および/またはそれぞれの動きが何回繰り返されたかを測定するのに用いることが可能であり得る。
【0222】
本発明のある実施形態において、センサモジュール102内部に含まれる、またはセンサモジュール102と通信する様々な種類のセンサに存在し得る固有の欠陥を補償することが可能であり得る。現実のセンサにはたいてい限界がある。例えば、加速度計、磁力計、およびジャイロスコープは、特に最初の較正条件と異なる対象物104のモーションのスピードまたは他の条件下で用いると、精度に問題が出る場合があり得る。
【0223】
あるシステムにおいて、加速度センサ116または磁場センサ118のデータなどのセンサのデータが一時的に失われるかまたは利用できない場合、利用できないセンサのデータは、次の処理または計算に用いられない。他のシステムにおいて、例えば、データが一定のままである、または一定の割合で変化すると考えられると、失われたデータは「直線」法によって推定することができる。しかしながら、本発明のある実施形態において、例えば、加速度センサ116または磁場センサ118のデータのうちの1つであるセンサデータを用いて、二種類のデータの間の既知の相関、得られた相関、または推定された相関、あるいはデータの外挿に基づいて、加速度センサ116または磁場センサ118のデータのうちの他方を補償し、かつ/または推定し得る。
【0224】
例えば、加速度センサ116および磁場センサ118によって生成されたデータを組み合わせることで、本発明の実施形態によるシステムおよび方法は、加速度センサ116または磁場センサ118のうちの1つのデータが何らかの理由で失われたときでも、データの絶対値または運動量をより正確に測定することができる。失われていないデータを用いて、失われたデータが回復するかそれとももう一度サンプリングされるまで「穴」を埋めるために、システムはデータの値または運動量を提供し続けることができる。
【0225】
本発明の他の実施形態において、ジャイロスコープのデータなどの角運動量センサ124のデータは、データ較正および/または外挿のために加速度センサ116のデータまたは磁場センサ118のデータのうち1つ以上と組み合わせて用い得る。
【0226】
本発明のある実施形態において、加速度センサ116または磁場センサ118をベースにしたセンサモジュール102の補正係数データの較正および/または生成は、様々な異なる使用条件下で行われ得る。例えば、較正データまたは補正係数は、異なる動きのスピードでの使用、個人100の体106での使用、1つの運動器具108での使用、異なるスポーツでの使用、異なる風の条件下での使用、異なるコートまたはフィールド条件下での使用などに合わせて生成し得る。さらに、この様々な補正係数および/または較正データは、個人100がシステムを用い続けるにつれ、バックグラウンドで経時的に蓄積し得る。このように、適切な補正係数を、個人100または運動器具108のスピードの最大範囲、および/または他の使用条件に合わせて生成および適用できるように、「参照用テーブル」または他の「領域」、あるいは較正データのライブラリまたは補正係数がモニタシステム(場合によってはシステムの携帯可能な部分)に蓄積され保存され得る。
【0227】
システム(場合によってはシステムの携帯可能な部分、パーソナルコンピュータなど)に提供されるマイクロプロセッサは、どのスピードまたは他の使用条件下において、最適な較正または補正係数に到達するために、既知の較正と補正係数との間に内挿し、かつ/または既知の較正もしくは補正係数を外挿するようにプログラムしてもよい。また、このように、スピードおよび距離モニタ全体の精度をさらに改善するのに役立つように、単一の運動パフォーマンス中の異なる時間に、例えば、そのパフォーマンス中の所与の時間に求めたスピードまたは他の使用条件に基づいて、異なる較正または補正係数を適用し得る。異なる運動条件下で利用可能な様々な補正または較正係数を有することによって、使用回数が増えるにつれて生成される較正および補正係数の数が増加するので、特に経時的に、かつ使用回数が増えるにつれ、センサモジュール102はより正確になっていくであろう。
【0228】
本発明のある実施形態において、センサモジュール102は地球の磁場などの局所的な磁場の乱れに影響され得る。例えば、強磁性の構造を持つ物体が乱れの原因となることがある。ある実施形態において、局所的な磁場は、地表から離れた他の距離よりも地表に近いある距離においてより変化し得る。例えば、局所的な磁場は地表から約6フィート以上離れるよりも、地表から約6フィート以内においてより変化しやすく、またはより乱れ得る。したがって、ある実施形態において、対象物104が地表から約6フィート以内にあったときに対象物104から取得された磁場センサ118のデータが、もしも地球の磁場など地表近くの局所的な磁場の比較的高い多様性のせいで信頼できないと考えられるならば、対象物104が地表から約6フィート以上離れているときに対象物104から得た磁場センサ118のデータを用いて、対象物104が地表から約6フィート以内にあったときに対象物104から得られたデータから適切なまたは確からしい磁場センサ118のデータを外挿するかそれとも推定してもよい。
【0229】
ある実施形態において、磁場センサ118が乱れた磁場の影響を著しく受けている第1の時点で、対象物104の動きについてのデータを磁場センサ118が取得し得る。次いで磁場センサ118が乱れた磁場の影響をあまり受けていない第2の時点で、対象物104の動きについてのデータを取得し得る。これらのデータが取り込まれた後、センサモジュール102は、対象物104の動きについての第1の時点でのデータは許容できないと判断し、対象物の動きについての第2の時点でのデータに基づいて対象物104の動きについての第1の時点でのデータを推定することができる。
【0230】
上述した本発明の様々な実施形態において、個人100(またはコーチ、チームメイト、もしくは観客などの他の関係者)は、一連の運動中に個人100の体106のモーション、または個人100の1つの運動器具108のモーションについての情報を取得し得る。いったん運動量または特定の運動の動きがモニタシステム10によって認識されると、運動量または特定の運動の動きが完全に最適/正確でなかったら、今後運動量または特定の運動の動きを改善するためにユーザをトレーニングする、または指導するために、システム10をさらに利用してもよい。どの運動量または特定の運動の動きの特徴が最適/正確であるかを判断することは、所定の値、アルゴリズム、またはデータベース、参照用テーブル、もしくは類似のものに保存されている他のデータに基づいて、システム10によって自動で行われてもよいし、あるいはその判断は、運動量の値もしくは特定の運動の動きのデータにアクセスすることで生身のトレーナー、コーチ、個人100自身、もしくは他の関係者によって行われてもよい。
【0231】
例えば、モニタする対象物104がサッカーボールであり、キックの結果としてのボールの空間における方向の変化を用いて、例えば、ボールの飛び出し角度、ボールの回転スピード、飛び出しスピード、予想スピードまたは同様のメトリクスを測定する実施形態において、システム10がこれらを測定することで、個人100が今後のキックにおいて飛び出し角度、回転スピード、または飛び出しスピードを改善するのに役立つようにしてもよい。改善を達成するために用いる方法は、例えば、いくつかのスポーツを組み合わせたトレーニングまたは練習の個人への提供、サッカー特有のトレーニングまたは練習の個人への提供、あるいはいくつかの他のトレーニング養生法の処方としてもよい。
【0232】
さらなる例として、モニタする対象物104がバスケットボールをする個人100の胸部であり、ジャンプショットを打つ間の個人100の胸部の空間における方向の変化を用いて、ジャンプの高さまたはジャンプ力を測定する実施形態において、システム10がこれらを測定することで、個人100がジャンプショットおよび/またはジャンプの高さ/力を改善するのに役立つようにしてもよい。改善を達成するために用いる方法は、例えば、いくつかのスポーツを組み合わせたトレーニングまたは練習の個人への提供、バスケットボール特有のトレーニングまたは練習の個人への提供、あるいはいくつかの他のトレーニング養生法の処方としてもよい。
【0233】
本発明のある実施形態において、モニタシステム10は双方向の小売りシステムを含み、または連携してもよい。双方向の小売りシステムは、例えば、個人100の携帯電子装置206のスクリーンを介して個人100に提示され得る。双方向の小売りシステムは、システムの提供者によって勧められた製品を選び、かつ/または注文するためのプラットフォームを提供し得る。上述したように、モニタシステム10によって提供された運動量または特定の運動の動きに基づき、かつ/または提供されたどのトレーニングまたは指導に基づいて、双方向の小売りシステムは、個人100が今後のパフォーマンスを改善するのに役立つかもしれない特定の製品または製品群を提案することが可能であり得る。ある実施形態において、モニタシステム10によって保存された個人についての個人情報は、適切な製品または製品群を判断するのに用いてもよい。
【0234】
例えば、シュートを改善しようとしているサッカー選手は新しいサッカーシューズのおすすめを受け得るし、ジャンプの能力を改善しようとしているバスケットボール選手は新しいバスケットボールシューズのおすすめを受け得る。結局のところ、これらのおすすめは、個人100の体106、および/または個人100の運動器具108をモニタすることで得られたデータに基づいている場合があり得る。例えば、不十分なパフォーマンスの原因は個人100のパフォーマンスのせいであるという場合もあり得るし、または個人100の今の器具108が使い古されているという場合もあり得る。ある実施形態において、提供されるトレーニングまたは指導を受ける際、個人100は新しい製品を購入するオプションを提供され得る。
【0235】
ある実施形態において、運動量もしくは特定の運動の動きデータ、および/または提供されるトレーニングもしくは指導は、ある製品のオンラインでの受注生産のために用い得る。例えば、このデータを用いて、履物、加圧服、ヘルメット、または他の衣服、あるいはつま先カバーまたは他の器具が個人100の将来のパフォーマンスを改善するのに役立つようにする運動器具をカスタマイズすることができる。ある実施形態において、カスタマイズした製品は、個人100が選ぶことのできる個性的なスタイル、様々な素材、または異なる付属品を有してもよい。
【0236】
ある実施形態において、運動量があるレベルに達した、もしくは特定の運動の動きに熟達したといった画期的なパフォーマンスまたは改善を達成した後にのみ個人100が購入することができるように、ある製品または製品群を「解除」してもよい。
【0237】
ある実施形態において、上述したように、モニタシステム10のセンサモジュール102は、例えば、ボール500などの1つの運動器具108であり得る対象物104内に装着することができる。ある実施形態において、センサモジュール102をボール500内に複数装着できる(例えば、別のセンサモジュールに対して、1つ以上の斜角に軸を有する1つのセンサモジュール)。ボール500は、例えば、運動に一般的に用いられるボール、例えば、サッカーボール、バスケットボール、野球のボール、アメリカンフットボール、ラグビーボール、テニスボール、卓球のボール、ボウリングのボール、ゴルフボール、ビリヤードのボール、クローケーのボール、ビー玉、テザーボールのボール、ビーチボールなどのボールなど、どんなボールであってもよい。ボール500に装着されたセンサモジュール102を含むモニタシステム10をモニタシステム20と呼ぶ。センサモジュール102は、適切な任意の技術を用いてボール500に装着することができる。例えば、センサモジュール102はボール500の外側あるいは内側に付着させてもよいし、ハーネスシステム(ボール500の内壁から、例えば、ボール500の中心に吊り下げる)を用いてボール500内に装着してもよいし、ボール500の素材に埋め込んでもよい。ボール500にセンサモジュール102を装着するのに利用することができる例示的な技術は、2009年11月18日に出願された本出願と同じ出願人が保有する米国特許番号7,740,551に開示されており、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。
【0238】
ある実施形態において、ボール500の起動モーションを感知するのに応じて、センサモジュール102を起動することができる(すなわち、起動状態に入る)。ある実施形態において、起動モーションは、例えば、ボール500を蹴ること(例えば、閾値を超えて感知した加速の衝撃、または感知した加速度のゼロ近くへの下降)に応じたモーションとしてもよい。ある実施形態において、起動モーションは、例えば、少なくとも閾値の距離または高さ(例えば、2メートル)までボール500が移動する一蹴り(例えば、そのようなモーションに対応する感知した加速度)であってもよい。ある実施形態において、起動モーションは、例えば、連続したモーション(例えば、ボール500を蹴り、続いてボール500が少なくとも閾値の距離または高さまで移動するのに応じたモーション)であってもよい。本明細書で述べているように、センサモジュール102は、起動すると、感知したデータを離れた装置(例えば、メモリ114)に保存し、かつ/または送信し始める。ある実施形態において、センサモジュール102は、起動状態にあれば、継続してデータを感知し得る(例えば、加速度データ(加速を表すデータ)はセンサモジュール102の加速度センサ116が求め、磁場データ(磁場を表すデータ)はセンサモジュール102の磁場センサ118が測定する)。ある実施形態において、センサモジュール102は、周期的(例えば、50ミリ秒(ms)毎、10ms毎、1ms毎)にデータを感知する。
【0239】
ある実施形態において、センサモジュール102は、所定の期間(例えば、30分)センサモジュール102のモーションを感知しなければ、停止する(例えば、低電力の待機状態に入り、起動状態に対して低い頻度で加速を検出する)ことができる。ある実施形態において、センサモジュール102は、ボール500の停止モーションの感知に応じて停止することができる。ある実施形態において、停止モーションは、例えば、起動モーションとして上述したどんなモーションであってもよい。ある実施形態において、停止モーションは起動モーションと同じであってもよい。ある実施形態において、停止モーションは起動モーションと異なるものであってもよい。
【0240】
ある実施形態において、センサモジュール102が感知するデータは、時間と相関付け(例えば、データを感知した時間を表す時間データと対応付けて保存)されてもよい。データを感知した時間は、タイマー134によって提供することができる。稼働中、モニタシステム20のセンサモジュール102は、本明細書で述べたように、信号を感知し、処理して、ボール500の運動量を表したものを出力する。ある実施形態において、運動量を表したものは、例えば、ディスプレイ装置(例えば、パーソナルコンピュータ204、携帯電子装置206、またはセンサモジュール102のディスプレイ)に出力することができる。
【0241】
本明細書で述べたものも含め、任意の適切な技術によってセンサモジュール102に電力を供給することができる。例えば、充電台502(例えば、
図18参照)を介して充電することで、センサモジュール102に電力を供給することができる。例えば、非接触充電でセンサモジュール102の電源112に電力を供給してもよく、この場合、誘導コイルがボール500内に装着され、センサモジュール102の電源112と接続されてもよい。ある実施形態において、誘電コイルが誘電コイル充電装置に十分近づくようにボール500を置くと、誘電コイルは非接触充電装置(例えば、充電台502)から電力を受け得る。ある実施形態において、ボール500は、ボール500を容易に最適な方向(すなわち誘導コイルが誘導コイル充電装置に最も近づける方向)にできるように、誘導コイルの位置を示す外部標示(例えば、標示504)を有している。ある実施形態において、センサモジュール102は、ボール500を容易に最適な方向にできるように、誘導コイルを通して受けた充電の強さを表示する(例えば、LEDが発光する、LEDが発した光が色を変える、LEDの点滅速度が変化する)、例えば、外部から見える発光ダイオード(LED)などの視覚表示器に接続される。
【0242】
ある実施形態において、ボール500内に装着されたセンサモジュール102を含むモニタシステム20を用いて、ボール500のモーションに関する特徴を含む、ボール500(および/またはボール500とふれあう個人100)についての様々な運動量を測定することができる。例えば、モニタシステム20を用いて、ボール500の軌道、ボール500の飛び出し角度、ボール500の回転スピード、ボール500の回転平面の方向、ボール500の回転軸の方向、ボール500の移動スピード、ボール500の飛び出しスピード、ボール500が受けるキックまたは他の衝撃の力、ボール500の移動距離、およびボール500の最大加速度を測定することができる。モニタシステム20は、本明細書で述べるように、任意の適切な構成要素を用いて、そのような運動量を測定するために操作を実行することができる。例えば、感知の操作は、上述のように、モニタシステム20のセンサモジュール102のセンサ(例えば、適宜、加速度センサ116または磁場センサ118)が実行してもよい。また、例えば、データ処理を伴う操作(例えば、認識、判断、計算、保存など)は、センサモジュール102のプロセッサ110、またはモニタシステム20の、もしくはモニタシステム20と通信している何か他の装置(例えば、サーバ202、パーソナルコンピュータ204、もしくは携帯電子装置206など)のプロセッサが実行してもよい。
【0243】
ある実施形態において、センサモジュール102は、ボール500が較正状態にあると較正データを感知する。ある実施形態において、ボール500が静止していると(例えば、座標システム600(
図19に示す)のような外部座標システム(すなわちセンサモジュール102から独立した座標システム)に対して、ある一定期間(例えば、10ms以上))、ボール500は較正状態にある。ある実施形態において、ボール500のセンサモジュール102が約1Gの合成加速度(すなわち合成加速度が1Gの閾値許容差の範囲内、例えば、1Gの5%以内)を感知するとき、ボール500は静止しているとみなすことができる。ある実施形態において、個人が手に取っている間は、ボール500は静止しているとみなすことができる。例えば、バスケットボールの選手がボール500を持ってジャンプショットを打つ間は、ボール500は一定期間静止しているとすることができる(例えば、個人の手からボール500を放す前は、ボール500は静止しているとみなすことができ、センサモジュール102が感知する合成加速度は約1Gである)。また、例えば、野球選手がボール500を投げる間は、ボール500は一定期間静止しているとすることができる(例えば、個人が投げるモーションにおいて、後ろへのモーションから前へのモーションへと変遷する間、センサモジュール102が感知する合成加速度は約1Gである)。
【0244】
ボール500(センサモジュール102を含む)は、
図20の時間t
00において較正状態にあると図示されている。ボール500は運動に対する任意の時点(例えば、運動前、運動中、または運動後)において、較正状態にあるとしてもよい。ある実施形態において、ボール500が閾値の期間(例えば、1秒)以上静止するたび、ボール500は較正状態にあると判断され、較正データを感知することができる。ある実施形態において、ボール500が静止するたび、ボール500は較正状態にあると判断され、較正データを感知することができる。
【0245】
ある実施形態において、較正状態では、センサモジュール102の加速度センサ116は加速度データを感知する。ある実施形態において、センサモジュール102の磁場センサ118は磁場データ(例えば、地球の磁場に関するデータ)を感知する。ある実施形態において、較正データは、加速度データおよび磁場データの両方を含む。ある実施形態において、較正データは、加速度データおよび磁場データのうちの一方を含む。
【0246】
ある実施形態において、較正状態では、センサモジュール102の加速度センサ116が感知する加速度データは重力に起因する加速度であり、モニタシステム20がこの加速度データを用いて、重力に起因する加速度のセンサモジュール102に対する方向およびセンサモジュール102が受ける重力に起因する加速度の大きさ(合わせて重力ベクトル302)のうちの一方または両方を測定することができる。
【0247】
ある実施形態において、較正状態では、センサモジュール102の磁場センサ118は、センサモジュール102に対する磁場の方向およびセンサモジュール102の磁場の大きさ(合わせて磁場ベクトル304)のうちの一方または両方を感知する。
【0248】
ある実施形態において、センサモジュール102は、その後の1つ以上の計算を行うために依拠する較正データを感知する。ある実施形態において、センサモジュール102が較正状態のときに感知された較正データを用いて、外部座標システム600を規定することができる。ある実施形態において、外部座標システム600は、重力ベクトル302の方向を参照して規定することができる(例えば、重力は下方向の加速の原因であることが知られているので、「下がる」方向を規定できる)。ある実施形態において、外部座標システム600は、磁場ベクトル304の方向を参照して規定することができる(例えば、磁場は、一般的に、運動に用いる典型的な競技場の一帯において顕著に一定であるので、参照用に一定の方向を規定できる)。ある実施形態において、外部座標システム600は、重力ベクトル302の方向および磁場ベクトル304の方向を参照して規定することができる。
【0249】
ボール500のモーション(例えば、ボール500を蹴ったまたは打った後)の間、ボール500は6つの自由度((1)上/下(例えば、外部座標システム600のY軸に沿う)、(2)左/右(例えば、外部座標システム600のX軸に沿う)、および(3)後/前(例えば、外部座標システム600のZ軸に沿う)の3つの直線度と(1)偏揺れ(例えば、外部座標システム600の角αの方向)、(2)横揺れ(例えば、外部座標システム600の角βの方向)、および(3)縦揺れ(例えば、外部座標システム600の角γの方向)の3つの回転度)のうちのいずれか、またはすべてにおいて移動し得る。
【0250】
例えば、ボール500に対して個人100が行う行為(例えば、個人100がボール500を蹴るまたは投げる)が与える影響を学ぶために、個人100または他の人がボール500の運動量を知りたいと望む場合があり得る。モニタシステム20は、そのような運動量(例えば、ボール500の軌道、ボール500の飛び出し角度、ボール500の回転スピード、ボール500の回転平面の方向、ボール500の回転軸の方向、ボール500の移動スピード、ボール500の飛び出しスピード、ボール500が受けるキックまたは他の衝撃の力、ボール500の移動距離、およびボール500の最大加速度など)を求め得る。センサモジュール102は、そのような運動量を表すデータを(例えば、パーソナルコンピュータ204または携帯電子装置206のディスプレイ装置に)出力してもよい。そのようなデータは、センサモジュール102から未処理(例えば、加速度センサ116および/または磁場センサ118からの処理していない信号)の形式、または表示用(例えば、加速度センサ116および/または磁場センサ118からの信号を処理した結果得られたデータ)の形式で、出力してもよい。ある実施形態において、モニタシステム20は、個人100および/または他の人が知覚できる方法で、1つ以上の運動量を表したものを出力する。
【0251】
そのような運動量を表すデータは、例えば、本明細書で述べているように、任意の適切な方法で、処理および/または出力することができる。
【0252】
本明細書に記すように、ある実施形態において、モニタシステム20は、ある期間にわたる、またはある特定の時点のボール500の瞬間軌道606(瞬間軌道は動いているボール500のモーションの方向を表したものである)を表したものを求め、かつ/または出力することができる。ある実施形態において、モニタシステム20は、ボール500の飛び出し角度604を表したものを求め、かつ/または出力することができる。ある実施形態において、飛び出し角度604は、ボール500のモーションの開始に十分近い時点(例えば、ボール500を蹴ったまたは打ったすぐ後)におけるボール500の瞬間軌道606に対応すると判断することができる。ある実施形態において、ボール500のモーションの開始は、感知した閾値を超える衝撃の加速度に基づいて判断される。ある実施形態において、飛び出し角度604は、ボール500のモーション開始後150ms未満(例えば、100msから150ms)で、ボール500の瞬間軌道606に対応すると判断することができる。ある実施形態において、飛び出し角度604は、ボール500のモーション開始後、加速度の大きさを感知することができる最も早い時間で、ボール500の瞬間軌道606に対応すると判断することができる。ある実施形態において、この時間の後すぐに、加速度センサ116によって信頼度の低いデータが出力される(そのようなデータの出力は、他の時点での加速度センサ116によるデータ出力ほどは信頼できない)期間が続き得る。そのような信頼度の低いデータ出力は、例えば、感知した加速度データの乱れ(例えば、衝撃による加速度の突然の変化に起因する)(例えば、レーリング)、または加速度センサの信号の利得飽和(加速度が感知できる最大加速度よりも高いために加速度センサがその最大加速度信号を出力する期間)の結果であり得、例えば、衝撃(例えば、蹴る、投げる、打つ)に反応したボール500の高い初期加速度の結果生じ得る。ある実施形態において、そのような信頼度の低い加速度データの出力は、キックが当たった後(例えば、キックが当たっている間は約10msで、当たった後は約90msから140ms)の時間(例えば、100から150ms)に起こり得る。
【0253】
飛び出し角度604は、ボール500のモーション開始に十分近い時点での自由飛行における、ボール500の移動方向の垂直成分の角度として、瞬間軌道606に対応するとすることができる。ある実施形態において、自由飛行は加速度データに基づいて判断される。自由飛行に入るとすぐに(例えば、ボール500を投げるまたは蹴るとすぐに)、加速度センサ116に感知される加速度データは1G未満(すなわち、重力に起因する加速度未満)の合成加速度を示す。例えば、合成加速度は1G(例えば、静止状態または自由飛行ではない状態)から0.5G(例えば、自由飛行中)となるまで低下し得る。この低下が起こる時間を、自由飛行の開始として判断することができる。合成加速度が1G未満である間は、自由飛行が持続していると判断することができる。ある実施形態において、重力に起因する加速度の大きさは、あらかじめ定義しておくことができる、すなわち、ボール500が静止している(例えば、較正状態にある)間に感知した加速度データに基づいて測定することができる。
【0254】
自由飛行におけるボール500の移動方向の垂直成分の角度を、よりモーション開始に近い時点で求めれば、飛び出し角度をより表すものとなり得る。モーション開始後、自由飛行におけるボール500の移動方向の垂直成分の角度は変化し得る(例えば、減少する)。ある実施形態において、瞬間軌道、スピード(以下を参照)、および時間(モーション開始後)に基づいた式を用いてこの変化を補償することで、飛び出し角度を測定する精度を向上することができる。ある実施形態において、利得飽和中(すなわち加速度センサがレールされる間)のボール500の経路は、その間に感知された磁場データに基づいて測定することができる。ある実施形態において、衝撃の瞬間の飛び出し角度は、この経路に基づいて測定することができる。
【0255】
ある実施形態において、ボール500の瞬間軌道606(および/または飛び出し角度604)は、早い方の第1の時点における加速度データおよび磁場データ(例えば、加速度センサ116および/または磁場センサ118によって感知される)のうちの1つ以上と、遅い方の第2の時点における加速度データおよび磁場データ(例えば、加速度センサ116および磁場センサ118によって感知される)のうちの1つ以上に基づいて測定することができる。ある実施形態において、第1の時点ではボール500は静止しており(例えば、較正状態にあり)、第2の時点ではボール500は動いている(例えば、第1の時点と第2の時点との間にボール500のモーションは開始する)。
【0256】
ある実施形態において、例えば、
図19に示すように、外部座標システム(例えば、外部座標システム600)は、ボール500が較正状態にある第1の時点で求められる(例えば、
図21の操作510参照)。ある実施形態において、センサモジュール102を参照して決められた内部座標システム(例えば、内部座標システム650)の方向は、外部座標システム600に対して求められる(例えば、
図21の操作512参照)。説明を簡単にするために、本明細書では、第1の時点で外部座標システム600に合わせて内部座標システム650を説明するが、内部座標システム650は外部座標システム600に合わせる必要はないこと(例えば、内部座標システム650は外部座標システム600の角度をずらせて規定されてもよい)、そして内部座標システム600は、伝統的な座標要素によって特徴付けられる必要はなく、外部座標システム(例えば、外部座標システム600)に対するセンサモジュール102の相対的な方向を規定するある基準によってのみ特徴付けられてもよいということを理解すべきである。内部座標システム650の構成要素は、X’(例えば、左/右)、Y’(例えば、上/下)、Z’(例えば、後/前)、α’(例えば、偏揺れ)、β’(例えば、横揺れ)、およびγ’(例えば、縦揺れ)として図に示され、座標要素の変化は、それぞれΔX、ΔY、ΔZ、Δα、Δβ、およびΔγとして示されている(例えば、
図20参照)。
【0257】
例えば、
図19に図示されているように、ある実施形態において、加速度センサ116を用いて、第1の時点でセンサモジュール102に対する(すなわち内部座標システム650に対する)重力ベクトル302の方向を求め(例えば、
図21の操作524参照)、ある実施形態において、磁場センサ118を用いて、第1の時点でセンサモジュール102に対する磁場ベクトル304の方向を測定する(例えば、
図21の操作526参照)。ある実施形態において、外部座標システム600に対する内部座標システム650の方向は、重力ベクトル302および磁場ベクトル304のうちの一方または両方に基づいて測定することができる(例えば、
図21の操作512参照)。このようにボール500の最初の方向は、外部座標システム600内にあるセンサモジュール102(内部座標システム650を含む)の最初の方向に基づいて測定することができる。
【0258】
ある実施形態において、例えば、
図20を参照すると、ボール500の回転(例えば、三次元の回転)は、前記第1の時点と、ボール500が動いている第2の時点(モーション開始後すぐ、例えば、モーション検出後100ms)との間に感知され、測定される(例えば、
図21の操作514参照)。ある実施形態において、モニタシステム20は、そのような回転を出力することができ、かつ/またはさらなる操作のために用いることができる。
【0259】
例えば、ある実施形態において、第1の時点と第2の時点との間のボール500の方向の変化は、第1の時点と第2の時点との間に磁場センサ118が感知した磁場データに基づいて求められる。例えば、第1の時点と第2の時点との間のボール500の方向の変化は、X’軸、Y’軸、およびZ’軸の外部座標システム600に対する角度の差(Δα、Δβ、およびΔγとして図示されている)によって表し得る。
【0260】
また、例えば、ある実施形態において、第1の時点と第2の時点との間のボール500の位置変化も、第1の時点と第2の時点との間に加速度センサ116が感知した加速度データおよび/または磁場センサ118が感知した磁場データに基づいて測定することができる。ある実施形態において、モニタシステム20は、そのような位置変化を出力することができ、かつ/またはさらなる操作のために用いることができる。
【0261】
例えば、第1の時点と第2の時点との間のボール500の位置変化は、外部座標システム600に対するセンサモジュール102のX軸、Y軸、およびZ軸に沿った直線上の位置の差(ΔX、ΔY、およびΔZとして図示されている)によって表し得る。
【0262】
ある実施形態において、第2の時点で、センサモジュール102の加速度センサ116は、センサ102に対するセンサモジュール102(つまり、ボール500)の加速度の方向(すなわち加速度方向)、およびセンサモジュール102の加速度の大きさ(合わせて合成加速度ベクトル602となる)のうちの一方または両方を感知する(例えば、
図21の操作516参照)。ある実施形態において、センサモジュール102が感知する加速度は、ボール500に対する抵抗の影響(すなわち抵抗力による減速)にほぼ完全に起因する。(ある実施形態において、加速度センサ116は慣性システムであり、したがって、自由飛行時は重力に起因する加速度を感知しない。)
【0263】
動体のモーションの方向は、動体が受ける抵抗力の方向と反対であることが知られている。ある実施形態において、モニタシステム20は、合成加速度ベクトル602の方向とは反対である、ボール500のモーションの相対的な(すなわちセンサモジュール102に対する)方向を測定する(例えば、
図21の操作518参照)。
【0264】
ある実施形態において、ボール500のモーションの絶対的な(すなわち外部座標システムに対する)方向(例えば、瞬間軌道606)を測定するために、モニタシステム20は、ボール500のモーションの相対的な方向から、第1の時点と第2の時点との間のボール500の回転角度を引く(例えば、
図21の操作520)。
【0265】
ある実施形態において、ボール500の飛び出し角度604を測定するために、モニタシステム20は、ボール500のモーションの絶対的な方向の垂直成分の角度を求め、その角度がボール500の飛び出し角度604に対応すると判断される(例えば、
図21の操作522参照)。
【0266】
本明細書に記すように、ある実施形態において、モニタシステム20は、ボール500の回転スピード610を表したものを求め、かつ/または出力することができる(例えば、
図22参照)。回転スピードはボール500が回転する際の角速度(ω)の単位であり、例えば、単位時間あたりのボール500の回転数として、または単位時間あたりのボール500の角変化として表すことができる。ある実施形態において、回転スピード610は、磁場センサ118が感知する磁場データに基づいて測定することができる。
【0267】
ある実施形態において、ボール500の回転スピードを測定するために、回転しているボール500のセンサモジュール102は、ある期間、磁場センサ118を介して磁場データを感知することができる(例えば、
図23の操作540参照)。ある実施形態において、モニタシステム20は感知した磁場データ(時間領域表現)にフーリエ変換を適用することができる。この結果、ボール500の回転数が表され(周波数領域表現)、つまりその回転スピードが表される(例えば、
図23の操作542参照)。
【0268】
ある実施形態において、ボール500の回転スピードを測定するために、回転しているボール500のセンサモジュール102は、第1の時点(例えば、t
1、
図27参照)および第2の時点(例えば、t
2、
図27参照)で加速度センサ116を介して加速度データを感知することができる。第1の時点と第2の時点との間に、ボール500(センサモジュール102を含む)は回転する。第1の時点および第2の時点で感知される加速度データは、ボール500に対して働く抵抗力に起因して生じる合成加速度ベクトルとなる。ある実施形態において、モニタシステム20は、第1の時点および第2の時点それぞれにおいて、(例えば、合成加速度ベクトルが−1と1との間になるように)合成加速度ベクトルを正規化する。そのような正規化によって、合成加速度ベクトルの空間における正しい方向を提供することができる。この正規化は、加速度センサ116のすべての(例えば、3つすべての)軸から得られるデータに対して(正規化した値の二乗の合計が常に1となるように)行われる。ある実施形態において、モニタシステム20は、正規化した値の大きさを非正規化する(例えば、その値のコサインまたはアークコサインを計算する)ことで、第1の時点および第2の時点における各軸の角度を測定する。ある実施形態において、モニタシステム20は、第1の時点と第2の時点との間の各角度の変化を測定する。ある実施形態において、モニタシステム20は、第1の時点と第2の時点との間の角度の変化、および第1の時点と第2の時点との間の経過時間に基づいて回転スピードを測定する。
【0269】
ある実施形態において、ボール500の回転スピードを測定するために、回転しているボール500のセンサモジュール102は、ある期間、加速度センサ116を介して加速度データを感知することができる(例えば、
図24の操作544参照)。ある実施形態において、モニタシステム20は、感知した加速度データの繰り返し部分(例えば、センサモジュール102に対する加速度の方向)を認識することができる(例えば、
図24の操作546参照)。ある実施形態において、モニタリングシステム20は、そのような加速度データのセンサモジュール102に対する連続して同じ方向(例えば、加速度の方向を表すデータ出力における繰り返しのピーク)を認識することによって、感知した加速度データの繰り返し部分を認識することができる(例えば、
図24の操作554参照)。ある実施形態において、モニタシステム20は、感知した加速度データの繰り返し部分の期間(例えば、そのような加速度データが連続して同じ方向である間の経過時間)を測定することができ、ボール500が一回転する期間を表すことができる(例えば、
図24の操作548参照)。ある実施形態において、モニタシステム20は、ボール500が一回転する期間の逆数を計算し(例えば、
図24の操作550参照)、この値がボール500の回転スピードであると判断することができる(例えば、
図24の操作552)。
【0270】
上述したように、モニタシステム20は、磁場データのみ、または加速度データのみを用いてボール500の回転スピードを測定することができる。ある実施形態において、モニタシステム20は、加速度データおよび磁場データの両方を用いて、ボール500の回転スピードを個別に測定することができる。ある実施形態において、モニタシステム20は、磁場データが信頼できない(例えば、干渉または他の乱れのため)場合に加速度データを用いてボール500の回転スピードを測定することができ、逆もまた同様である。
【0271】
本明細書に記すように、ある実施形態において、モニタシステム20は、ボール500の回転の方向を表したものを求め、かつ/または出力することができ、その回転の方向は、ボール500の回転軸620の角度622(例えば、要素622a、622bを有する)、および/またはボール500の回転平面624の角度626(例えば、要素626a、626bを有する)で表し得る(例えば、
図22参照)。回転軸620は、ボール500がその周りを回転する、ボール500を通る軸である。回転平面624は、回転軸620と直交する平面である。角度622および626は、外部座標システム600に対して表すことができる。ある実施形態において、角度622および626は、加速度センサ116が感知する加速度データおよび磁場センサ118が感知する磁場データに基づいて測定することができる。
【0272】
ある実施形態において、モニタシステム20は、第1の時点(例えば、t
1)(例えば、
図25の操作556参照)および第2の時点(例えば、t
2、第2の時点は第1の時点の20〜30ms後としてよい)(例えば、
図25の操作558参照)において、センサモジュール102に対する合成加速度ベクトル602の方向を感知することで、角度622および626のうちの一方または両方を測定することができる。例えば、
図26および
図27を参照すると、矢印640はボール500の回転方向を示す。ある実施形態において、モニタシステム20は、第1の時点におけるボール500に対する合成加速度ベクトル602の方向(602a)と、第2の時点におけるボール500に対する合成加速度ベクトル602の方向(602b)との間で定義される平面の(センサモジュール102に対する)方向を測定することができる(例えば、
図25の操作560参照)。ある実施形態において、モニタシステム20は、この平面をボール500の回転平面624(例えば、
図26参照)と定義することができる(例えば、
図25の操作562参照)。ある実施形態において、モニタシステム20は、回転平面624と、センサモジュール102に対する重力ベクトル302の方向との間の角度を(例えば、本明細書で述べたように)測定することができる(例えば、
図25の操作564参照)。ある実施形態において、モニタシステム20は回転平面624と重力ベクトル302の方向との間の角度に基づき、例えば、三角法の計算を用いて角度622および626を計算することができる(例えば、
図25の操作566参照)。
【0273】
本明細書に記すように、ある実施形態において、モニタシステム20は、ボール500の移動スピードを表したものを求め、かつ/または出力することができる。スピードはボール500の位置変化の割合の単位であり、ボール500の速度ベクトル630の大きさとして表すことができる(例えば、
図28参照)。ボール500のスピードは、ボール500が動いている間に加速度センサ116が感知する加速度データに基づいて測定することができる。ボール500のスピードは、ボール500が自由飛行中であればいつでも測定することができる。ある実施形態において、モーション開始に応じたボール500のほぼ最大であるスピードを測定するために、モーション開始後すぐ(例えば、蹴った後50ms)に、スピードが計算される。
【0274】
ある実施形態において、ボール500は、所与の時間に自由飛行中であると判断される(例えば、
図29の操作530参照)。自由飛行中、センサモジュール102の加速度センサ116は、センサモジュール102に対するセンサモジュール102(つまり、ボール500)の加速度の大きさを感知し得る(例えば、
図29の操作532参照)。加速度の大きさは、合成加速度ベクトル632の大きさとして表すことができる(例えば、
図28参照)。ある実施形態において、センサモジュール102が感知する加速度は、ボール500に対する抵抗の影響(すなわち抵抗力による減速)にほぼ完全に起因する。
【0275】
動体のモーションの方向は、動体が受ける抵抗力の方向と反対であることが知られている。したがって、ある実施形態において、センサモジュール102の加速度センサ116が感知する加速度の大きさは、ボール500のモーションの方向における加速度の大きさである。ある実施形態において、センサモジュール102の加速度センサ116が感知する加速度の大きさは、ボール500のモーションの方向における加速度の大きさであると判断される(例えば、
図29の操作534参照)。
【0276】
動いているボール500のスピードは、ボール500の加速度の大きさの関数として表すことができる。この関数関係は、ボール500の物理的特徴(例えば、質量、サイズ、表面積、表面性状、素材、形、パネルの形、慣性モーメントなど)に影響を受けることがあり、したがって異なる構成を持つボールによって様々であり得る。この関数関係はまた、環境条件(例えば、周囲の温度、局部圧力など)によっても影響を受けることがあり、その示度は適切な(例えば、ボール500に接続される、センサモジュール102に組み込まれる、リモート装置に接続される)環境センサからモニタシステム20が受信するか、またはモニタシステム20のインターフェイス(例えば、パーソナルコンピュータ204または携帯電子装置206の入力、例えば、キーボード、マイク、またはタッチスクリーン)を介してユーザ(例えば、個人100)が入力してもよい。この関数関係はまた、例えば、ボール500の回転(例えば、回転スピードおよび/または回転角度)などのボール500の力学的特徴にも影響を受けることがあり、その特徴はボール500に対してマグヌス効果を及ぼし、そのスピードに影響を与えることがある(マグヌス効果はボール500の軌道が曲がる原因になり得る)。
【0277】
所与のボール500(および同じ、または十分に類似した構成であるボール)について、この関数関係は計算(例えば、抵抗力と自由飛行中の球体のスピードとの間の関係は、スピード=定数*log(抵抗)+定数である)、実験、またはその両方によって確立し得、モニタシステム20内の、例えば、アルゴリズム(例えば、f(加速度)=スピード)、曲線グラフ(例えば、曲線634)、もしくは参照用テーブル(例えば、表636)などのデータ構造として表し、かつ/または保存し得る。
【0278】
ある実施形態において、関数関係はボール500のユーザ(例えば、個人100)によって確立(または拡張)することができる。例えば、個人100が壁(または他の物体もしくは構造)から離れた地面にボール500を置き得る。個人100は、モニタシステム20のインターフェイスを介してモニタシステム20に距離を入力し得る。それから、個人100が壁にボール500を蹴り得る。個人100の足がボール500に衝突すると、センサモジュール102は、ボール500の自由飛行の開始時間を感知し得る。それから、センサモジュール102は、ボール500が壁と接触する時間を(例えば、合成加速度の突然の変化(ゼロ近くまで低下するなど)によって)感知し得る。移動距離を移動時間で割ると、1キックあたりのボール500のスピードを表したものを測定することができる。1キックあたりの合成加速度(すなわち抵抗)を感知することができる。個人100はそのような操作を複数回、同じ距離または異なる距離で行うことができ、実験データセットを確立する。このデータセットを用いて、自由飛行中のボール500の抵抗力とスピードとの間の関数関係を表したものを取得することができる。この関数関係を表したものは、モニタシステム20内にデータ構造として保存することができ、その後(上述したように)測定した加速度データに基づいてボール500のスピードを測定するための参考にすることができる。
【0279】
センサモジュール102の加速度センサ116によっていったんボール500の加速度の大きさが感知されると、モニタシステム20は、所与のボール500の加速度の大きさとスピードとの間の関数関係を表すデータ構造と、ボール500の加速度の大きさとを比較し(例えば、
図29の操作536参照)、ボール500のスピード(すなわち関数関係を表すデータ構造内の感知した加速度の大きさに対応するスピード)を測定する(例えば、
図29の操作538参照)。
【0280】
図30は、所与のボール500の加速度の大きさとスピードとの間の関数関係を表す曲線グラフ634の表現例を示しているディスプレイ590(ある実施形態において、例えば、センサモジュール102、携帯電子装置206、パーソナルコンピュータ204、グループモニタ装置270など、本明細書で述べるどんな要素のディスプレイであってもよい)を図示している。
図31は、所与のボール500の加速度の大きさとスピードとの間の関数関係を表す表636の表現例を示しているディスプレイ590を図示している。ボール500のスピードを測定するモニタシステム20は、ボール500の加速度の大きさを与えられると、曲線グラフ634および表636のどちらにも依拠することができる。例えば、Aという加速度の大きさを与えられると、曲線グラフ634および表636の両方がBというスピードを示し、Cという加速度の大きさを与えられると、曲線グラフ634および表636の両方がDというスピードを示す。ある実施形態において、加速度の大きさに関する所与の値が、関数関係(例えば、曲線カーブ634または表636)で表される加速度の大きさに対応しない場合、例えば、丸めまたは補間法などの公知の数学的近似の技術によって、スピードを求めてもよい。
【0281】
ある実施形態において、モニタシステム20はボール500の飛行時間を表したものを求め、かつ/または出力することができる。ある実施形態において、飛行時間は加速度データに基づいて測定することができる。例えば、飛行時間は、加速度センサ116が感知した加速度データが、1G未満となる合成加速度を示す期間に対応することができる。例えば、センサモジュール102は、ボール500が自由飛行に入った時間を求め(例えば、モニタシステム20は、合成加速度が1G以下に低下する時間に対応する飛行開始時間を求めてもよい)、合成加速度が1Gまで回復する時間に対応する飛行終了時間を求め、飛行開始時間と飛行終了時間との間の経過時間を計算し、その経過時間がボール500の飛行時間であると判断してもよい。
【0282】
ある実施形態において、モニタシステム20は、ボール500の移動距離を表したものを求め、かつ/または出力することができる。ある実施形態において、モニタシステム20は、ボール500の飛行に対するボール500の移動距離を、加速度データに基づいて測定することができる。ある実施形態において、モニタシステム20は、ボール500の飛行時間(上述のように測定することができる)および飛行時間中のボール500の移動スピード(上述のように測定することができる)に基づいて(例えば、モニタシステム20は飛行中のボール500の平均スピードを測定することができる)、移動距離を測定することができる。例えば、モニタシステム20は、飛行中の平均スピードに飛行時間をかけることによって、ボール500の飛行に対する移動距離を測定することができる。
【0283】
ある実施形態において、モニタシステム20はボール500の一自由飛行についての軌道モデル(すなわち飛行経路)を測定することができ、ボール500が通った距離を計算し得る。ある実施形態において、モニタシステム20は、ボール500の状態(例えば、運動量など)(例えば、ボール500の飛行開始時点、および/またはその後の時点での状態)に基づいて軌道モデルを測定することができる。ある実施形態において、モニタシステム20は、ボール500のスピード、ボール500の飛び出し角度、ボール500の回転平面、およびボール500の回転スピードに基づいて軌道モデルを測定することができ、これらはそれぞれ、例えば、本明細書に述べているように測定することができる。モニタシステム20は軌道モデルに基づいて(例えば、地面、または地面を表す平面に沿った軌道モデルの開始点と終点との間の距離を計算することによって)ボール500の移動距離を計算することができる。ある実施形態において、軌道モデルはボール500の飛行が終了する前の状態に基づいて測定することができるので、たとえボール500の自由飛行が(例えば、ある物体と衝突することによって)中断された場合であっても、モニタシステム20は飛行に対する軌道モデルを測定することができる。そのような場合、モニタシステム20はボール500の推定移動距離を測定することができ、これはボール500の飛行が中断されなかった場合の移動距離に対応し得る。
【0284】
ある実施形態において、モニタシステム20は、ボール500の最大加速度を表したものを求め、かつ/または出力することができる。ある実施形態において、モニタシステム20は、加速度データに基づいてボール500の最大加速度を測定することができる。例えば、モニタシステム20は、センサモジュール102の加速度センサ116が感知する加速度データを用いて、飛行中のボール500の最大加速度を測定することができる。(ボールが飛行中であるかどうかは上述のように判断することができる。)例えば、モニタシステム20は、データが利用可能である期間中はいつでも(またはその一部の間)、ある期間におけるボール500の加速度の大きさを比較して加速度の最大値を認識することができ、その値をその期間におけるボール500の最大加速度と判断することができる。最大加速度を測定する期間は、例えば、単一の自由飛行期間、選ばれた期間、または競技中など、どの期間であってもよい。ある実施形態において、モニタシステム20は、感知した加速度の大きさが1Gである、1G程度である、または1Gを超えている場合はこれを除いてもよい。なぜならばそのような加速度の大きさは重力に起因し得るからである(例えば、ボール500が自由飛行していない場合)。
【0285】
モニタシステム20は、個人100または(例えば、コーチ、トレーナー、観客などの)他の人が知覚可能な方法で(例えば、ボール500の軌道、ボール500の飛び出し角度、ボール500の回転スピード、ボール500の回転平面の方向、ボール500の回転軸の方向、ボール500の移動スピード、ボール500の飛び出しスピード、ボール500に対するキック力または他の衝撃力、ボール500の移動距離、およびボール500の最大加速度を含む)運動量を表したものを出力することができる。モニタシステム20の構成要素内で生成された、または構成要素に受信されたデータは、本明細書で述べた方法を含む任意の適切な方法で送信し、処理し、出力することができる。
【0286】
例えば、ある実施形態において、運動量を表したものは、携帯電子装置(例えば、携帯電子装置206)またはパーソナルコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ204)のディスプレイに出力することができる。ある実施形態において、モニタシステム20は、例えば、リアルタイムで運動量を表したもの、過去の運動量を表したもの、予測された運動量を表したもの、運動量の現在値(またはもっとも最近の値)と過去の値との比較で表したもの、ある運動量と別の運動量との比較で表したもの、運動量の値と目標値との比較で表したもの、ボール500または個人100の運動量の値と異なるボールまたは個人の同じ(または異なる)運動量の値との比較で表したものを求め、出力することができる。
【0287】
ある実施形態において、運動量を表したものは、互いの、または他の変数との関数として表示することができる(例えば、本明細書で述べたいずれの装置のディスプレイ画面にも表示される)。例えば、ボール500の移動距離は飛び出し角度の関数として表示することができる。また、例えば、運動量は位置(例えば、競技場における位置、選手に近い、ゴールに近いなど)の関数、出来事(例えば、フィールドゴールを決める、反則を犯すなど)の関数、環境条件(例えば、周囲の温度、降水量など)の関数、または個人の生理学的条件(例えば、心拍数、体温など)の関数として表示することができる。そのような変数に関する情報(例えば、位置情報、出来事の情報、環境条件の情報、および生理学的条件の情報)は、モニタシステム20内に組み込まれている適切なセンサから、またはモニタシステム20と通信しているモニタシステム20外部の要素から、モニタシステム20に提供され得る。
【0288】
ある実施形態において、モニタシステム20は、例えば、数値で(例えば、運動量または比較を示す値を出力することで)、文字情報として(例えば、運動量または比較を示す単語または語句を出力することで)、図として(例えば、運動量または比較を示すグラフまたは他の図を出力することで)、または表として(例えば、運動量または比較を示す表を出力することで)など、知覚可能な任意の方法で表されたものを求め、かつ出力することができる。
【0289】
ある実施形態において、運動量はゲームのように出力することができる。ボール500および/または個人100の運動量の値に基づいて、得点、または正もしくは負のフィードバックを判断し、出力してもよい。そのような値またはフィードバックに基づいた比較が、ゲームの進展に影響を与えることができる。例えば、そのような値またはフィードバックを、同じ個人100またはボール500の過去の値、またはフィードバックと比較してもよく、改善の結果、ゲーム内で前方向な進展としてもよい(例えば、個人100またはボール500のゲームアカウントにより高い「レベル」を指定する)。また例えば、そのような値またはフィードバックを、別の個人100またはボール500の値またはフィードバック(プロの選手または他の有名な個人あるいはそのように称する人たちのデータを含む)と比較してもよく、その比較に基づいてゲームの進展を判断してもよい。また、例えば、そのような値またはフィードバックを目標値または目標となるフィードバックと比較してもよく、その比較に基づいてゲームの進展を判断してもよい。また、例えば、ある実施形態において、運動量をゲームにアップロードするか、それともゲームが運動量にアクセスできるようにすることで、そのような運動量がバーチャルなゲームにおけるバーチャルなプレイヤーの能力を決定することができる(例えば、個人がボール500を蹴ったときのボールの最大スピードが、バーチャルなゲームにおいて個人のバーチャルな分身のバーチャルなボールの最大スピードを制限してもよい)。
【0290】
ある実施形態において、モニタシステム20は独立型のモニタシステムとして用いることができる。しかしながら、ある実施形態において、モニタシステム20(またはその構成要素)は、他のモニタシステムと併用して、または他のモニタシステムに組み込んで用いることができる。他のモニタシステムには、例えば、2011年3月31日に出願された本出願と同じ出願人が保有する米国特許出願番号13/077,494で開示されたものが含まれ、その全体は本明細書に参照により組み込まれる。
【0291】
例えば、ある実施形態において、本明細書で述べる運動量(値および/または出力を含む)のいずれも、例えば、(上述したように、例えば、グループモニタシステムに対して)運動している1つ以上の対象物または1人以上の選手の特徴(例えば、動き、パフォーマンス、および/または生理学的特徴など)を感知するモニタ装置および関連する要素などの、他のモニタシステムから得られる運動量または他のデータと併用して用い、かつ/または出力することができる。例えば、個人のパフォーマンスの運動量をコーチ、トレーナー、または観客などが観察するため、あるいは個人自身が後で見直すためにモニタし、かつ/または出力することができるように、モニタ装置によって運動している個人を個別にモニタしてもよい。同様に、運動中に個人がふれることができるボール500の運動量は、本明細書で述べたように、モニタシステム20を参照してモニタおよび/または出力してもよい。ボール500をモニタした結果取得された運動量は、個人をモニタした結果取得された運動量と共に用いることができる。例えば、個人から得られた運動量は、時間相関の方法で、ボール500から得られた運動量とともに表示することができる。また例えば、個人から得られた運動量は、ボール500から得られた運動量の関数として表すこともできる(逆もまた同様である)。また、例えば、個人から得られた運動量およびボール500から得られた運動量の両方の解析に基づいて、新しい運動量を測定することもできる(例えば、ボール500を蹴るという指示に対する個人の反応時間など)。
【0292】
例えば、運動パフォーマンス中に個人のスピードをモニタしてもよく、運動パフォーマンス中にボール500のスピードもモニタしてよい。これら両方の特徴を考慮するモニタシステムは、ボール500のスピードと共に個人のスピードを表示(か、それとも出力)してもよい(例えば、
図32参照)。一連のキックについて、ボール500の最大スピードは個人のスピードの関数として表してもよい。同様の比較、組み合わせ、および/または表現は、ボール500およびモニタしている個人の出力から得られる他のどんな特徴の組み合わせについても提供することができる。
【0293】
ある実施形態において、モニタされる複数の個人は、1回以上ボール500にふれ得る(例えば、サッカーの試合中など)。上述したように、複数の個人それぞれから得られる運動量およびボール500から得られる運動量は、同様に比較し、組み合わせ、かつ/または表すことができる。そのような比較、組み合わせ、および/または表現は、別々に考慮された個人それぞれ、一緒にまとめられた個人の一部(例えば、チーム、チームのミッドフィルダーなど)、またはモニタされるすべての個人に基づいて行うことができる。試合の場においては、そのような比較、組み合わせ、および/または表現は、例えば、ゴール、ボールがラインの外に出ること、ペナルティキック、またはジャンプボールなどの試合中の出来事に相関させることができ、上述したように、同時期の個人の運動量に関連して出力することができる。
【0294】
ボール500をモニタすること、およびボール500にふれる個人をモニタすることで得られた、比較され、組み合わされ、かつ/または表されたそのようなデータは、例えば、運動している個人、コーチ、観客、医師、および試合の審判に便宜を与えることができる。そのような人々は様々な理由で運動中にやり取りし、またはともに働いてもよい。
【0295】
例えば、コーチが個人のパフォーマンスをモニタし、個人の体力レベルを最大化するために提案を行うかそれともパフォーマンスに影響を与えることが望ましい場合があり得る。あるいは、またはそれに加えて、運動中の個人の効果を最大化する役に立つように、コーチが個人をモニタし、影響を与えることが望ましい場合があり得る。さらに、(例えば、サッカーなどの試合で相手チームを負かすこと、または運動に参加している1人以上の個人について望む体力レベルに到達する/維持することであり得る)運動における成功の確率を最大化する役に立つように、コーチが個人をモニタし影響を与えることが望ましい場合があり得る。運動は、例えば、トレーニング(例えば、フィールドでのトレーニング、ジムでのトレーニング、トラックでのトレーニング)または競技(例えば、サッカーの試合またはバスケットボールの試合)を含んでもよい。
【0296】
ある実施形態において、コーチが個人およびボール500をモニタし、個人の健康、安全、および/またはパフォーマンスを追跡し、かつ維持または改善するために、個人にフィードバックを提供してもよい。
【0297】
コーチは、このことおよび他の目標を考慮し、個人の活動(例えば、ボール500をモニタすることを通して求められた、個人の活動の結果を含む)をモニタし、個人的に、かつグループとして個人のパフォーマンスに影響を与える決心をしなければならない。そうするとき、コーチは、運動に参加している間の個人および個人のパフォーマンスについての情報に依拠する。個人ならびに個人がふれるボールについてのデータを提供するモニタシステム(例えば、モニタシステム20、グループモニタシステム250など)は、運動に参加している個人についての理解しやすい情報をコーチに提供することができ、それにもまして、モニタシステムを直接見られることで、運動において成功に到達する確率を最大化するためにコーチが素早く効果的に決断を下すことを容易にする。
【0298】
例えば、ボール500に接続されたセンサモジュール102(および他のボール、対象物、または個人に接続されたセンサモジュール102)は、ボール500(および他のボール、対象物、または個人)の活動(例えば、運動量)をモニタしてもよく、ディスプレイ装置(例えば、グループモニタ装置270、
図9参照)にモニタした活動に関するデータを送信してもよい。ディスプレイ装置は、活動を表したものをコーチが見ることができるように表示してもよい。ある実施形態において、そのようなデータは、センサモジュール102からベースステーション260へ、およびベースステーション260からグループモニタ装置270へ送信してもよい。ある実施形態において、そのようなデータは、センサモジュール102からベースステーション260へ、およびベースステーション260からグループモニタ装置270へ送ってもよい。ある実施形態において、そのようなデータは、センサモジュール102から(および/または、携帯電子装置206がそのようなデータをセンサモジュール102から受信する場合は携帯電子装置206から)グループモニタ装置270へ直接送信してもよい。ある実施形態において、そのようなデータは、センサモジュール102から(および/または、携帯電子装置206がそのようなデータをセンサモジュール102から受信する場合は携帯電子装置206から)他のセンサモジュール102(または他の携帯電子装置206)へ送信し、その後(例えば、グループモニタ装置270および/または携帯電子装置206を経由して)ディスプレイ装置上で表示するために出力してもよい。
【0299】
本明細書に記すように、発生と出力(ディスプレイ)との間で(例えば、本明細書で述べたように)行われるそのようなデータの処理のいずれも、例えば、
図9に示すようなセンサモジュール102、携帯電子装置206、ベースステーション260、およびグループモニタ装置270などを含む、そのようなデータを受信する任意の要素のプロセッサによって、どんな形であれ行うことができる。
【0300】
説明を簡単にするために、本発明の実施形態はボールを参照して説明してきた。しかしながら、本明細書の開示は上述のようにボールであるスポーツ関連物(すなわち運動に用いられる用具)、およびボールでないスポーツ関連物、例えば、スケートボード、サーフボード、ホッケーのスティック、ホッケーのパック、心拍計、矢、円盤、やり、ボウリングのピン、弾、テニスラケット、ゴルフクラブ、ブーメラン、および凧などに応用可能である。しかしながら、本明細書の開示はまた、例えば、航空機(模型飛行機など)などのスポーツ関連物ではないものにも応用可能である。
【0301】
図面を参照して述べたモニタシステムの特定の実施形態の上述の説明により、当業者の技能の範囲内の知識を応用することによって、過度の実験なしに、本発明の一般的な概念から離れることなくそのような特定の実施形態を容易に修正し、かつ/または様々な用途に適合させることができる本発明の一般的な性質がすべて明らかにされるであろう。
【0302】
ある実施形態において、モニタシステム20は本明細書で述べたように、例えば、本明細書で述べた用具を含むどんな用具にも付けることができる独立型のセンサに応用することができる(例えば、アフターマーケットのアップグレードとして)。
【0303】
本発明の様々な実施形態について上述してきたが、例としてのみ示したのであって、これに限定されるものではない。本明細書に示される教示および指針に基づき、適合および修正が、開示された実施形態の均等物の意味および範囲内であることを意図するものであることは明らかであるべきである。したがって、本発明の精神および範囲から離れることなく、本明細書で開示された実施形態に対して形状および細部に様々な改変を行うことができるということは、当業者にとって明らかである。上述した実施形態の要素は必ずしも互いに排他的ではなく、当業者に評価されるよう様々な要求に応えるために互いに取り替えてもよい。
【0304】
本明細書で用いた言い回しまたは専門用語は、説明のためであって、これに限定されるものではないことは理解されなければならない。本発明の幅広さおよび範囲は、上述の実施形態例のいずれによっても限定されるべきではなく、次の特許請求の範囲およびその均等物に基づいてのみ定義されるべきである。
本発明は以下の発明を含む。
[1]
運動に用いるボールをモニタする方法であって、該方法は、
前記ボールに接続されたセンサモジュールを用いて、第1の時点で前記ボールの動きを検出することと、
前記ボールの動きが所定の起動の動きに対応すると判断することと、
前記ボールの動きが前記所定の起動の動きに対応するという判断に応じて前記センサモジュールの起動状態に入ることと、
前記起動状態のセンサモジュールを用いて、第2の時点で前記ボールの動きを検出することと
を含む方法。
[2]
前記ボールの空間における最初の方向を測定することと、
前記ボールの空間における方向の変化を測定することと、
前記空間における方向の変化に基づいて運動量を測定することと、
前記運動量を伝える出力を提供することと
をさらに含む[1]に記載の方法。
[3]
運動に用いるボールをモニタする方法であって、該方法は、
前記ボールに接続されたセンサモジュールを用いて、第1の時点で前記ボールの動きを検出することと、
前記ボールの動きが所定の起動の動きに対応すると判断することと、
前記ボールの動きが前記所定の起動の動きに対応するという判断に応じて前記センサモジュールの起動状態に入ることと、
前記起動状態のセンサモジュールを用いて、第2の時点で前記ボールの動きを検出することと、
動きのデータを記録することと、
データ構造を参照して前記動きのデータと運動量との間の相関を測定することと、
前記運動量を伝える出力を提供することと
を含む方法。
[4]
運動を行っている個人が用いる対象物に物理的に接続されたセンサモジュールが感知するデータを用いて運動量を測定する方法であって、該方法は、
第1の時点で前記センサモジュールに対する重力ベクトルの方向を測定することと、
前記第1の時点で前記センサモジュールに対する磁場ベクトルの方向を測定することと、
第2の時点で前記センサモジュールに対する合成加速度ベクトルの方向を測定することと、
前記第2の時点で前記磁場ベクトルに対する前記センサモジュールの方向を測定することと、
前記第1の時点でのセンサモジュールに対する重力ベクトルの方向、前記第1の時点でのセンサモジュールに対する磁場ベクトルの方向、前記第2の時点でのセンサモジュールに対する合成加速度ベクトルの方向、および前記第2の時点での磁場ベクトルに対するセンサモジュールの方向に基づいて、前記対象物の飛び出し角度を測定することと
を含む方法。
[5]
前記対象物はボールである[4]に記載の方法。
[6]
運動に用いる対象物の軌道を測定する方法であって、該方法は、
前記対象物に接続されたセンサモジュールを用いて、第1の時点で第1の磁場データおよび第1の加速度データを感知することと、
前記第1の磁場データおよび前記第1の加速度データに基づいて、前記第1の時点での対象物の方向を測定することと、
前記センサモジュールを用いて、第2の時点で第2の磁場データおよび第2の加速度データを感知することと、
前記第2の磁場データおよび前記第2の加速度データに基づいて、前記第2の時点での対象物の方向および加速度の方向を測定することと、
前記第1の時点での対象物の方向と前記第2の時点での対象物の方向および加速度の方向に基づいて、前記第2の時点で前記対象物の軌道を測定することと
を含む方法。
[7]
前記対象物はボールである[6]に記載の方法。
[8]
前記センサモジュールは加速度センサおよび磁場センサを含み、
前記第1の磁場データおよび前記第2の磁場データは前記磁場センサによって感知され、
前記第1の加速度データおよび前記第2の加速度データは前記加速度センサによって感知される
[6]に記載の方法。
[9]
前記第1の時点で前記対象物の方向を測定することは、外部基準に対する前記対象物の方向を測定することを含み、
前記第2の時点で前記対象物の軌道を測定することは、外部基準に対する前記対象物の軌道を測定することを含む
[6]に記載の方法。
[10]
前記第1の時点で前記対象物の方向を測定することは、外部磁気効果および外部重力効果のうちの1つまたは両方に対する前記対象物の方向を測定することを含み、
前記第2の時点で前記対象物の軌道を測定することは、外部磁気効果および外部重力効果のうちの1つまたは両方に対する前記対象物の軌道を測定することを含む
[6]に記載の方法。
[11]
前記対象物の軌道を測定することは、
前記対象物の飛び出し角度を測定することを含み、
前記軌道は前記対象物の飛び出し角度であると判断される
[6]に記載の方法。
[12]
前記第2の時点は前記対象物のモーション開始後150ms未満である[11]に記載の方法。
[13]
前記第2の時点は、前記対象物のモーション開始後、加速度の大きさを感知する最も早い時点に対応する[11]に記載の方法。
[14]
前記第2の時点で前記対象物は自由飛行中であると判断することを含む[11]に記載の方法。
[15]
前記対象物は自由飛行中であるという判断が1G未満の合成加速度を感知することを含む[14]に記載の方法。
[16]
前記対象物の軌道に基づいた出力を提供することを含む[6]に記載の方法。
[17]
前記出力は、前記対象物の軌道を表示することである[16]に記載の方法。
[18]
前記出力は、個人の特徴と共に前記対象物の軌道を表示することである[16]に記載の方法。
[19]
前記出力は、複数の個人の特徴と共に前記対象物の軌道を表示することである[16]に記載の方法。
[20]
前記出力は、前記対象物の過去の軌道と共に前記対象物の軌道を表示することである[16]に記載の方法。
[21]
前記出力は、前記対象物の目標軌道と共に前記対象物の軌道を表示することである[16]に記載の方法。
[22]
前記出力を提供することは前記軌道を表すデータをディスプレイ装置に送信することを含む[16]に記載の方法。
[23]
前記ディスプレイ装置は携帯電話である[22]に記載の方法。
[24]
運動に用いる対象物の軌道を測定する方法であって、該方法は、
第1の時点で、前記対象物に接続されたセンサモジュールが感知する第1の磁場データおよび第1の加速度データに基づいて、磁場に対する重力の方向を測定することと、
第2の時点で、前記センサモジュールが感知する第2の加速度データに基づいて、前記第2の時点での相対的な加速度の方向を測定することと、
前記第2の時点で、前記磁場に対する前記重力の方向を測定することおよび前記センサモジュールに対する前記加速度の方向を測定することによって、前記第2の時点で重力の方向に対する加速度の方向を測定することと、
前記第2の時点で重力の方向に対する加速度の方向を測定することによって、第2の時点で軌道を測定することと
を含む方法。
[25]
前記対象物はボールである[24]に記載の方法。
[26]
前記センサモジュールは加速度センサおよび磁場センサを含み、
前記第1の磁場データおよび前記第2の磁場データは前記磁場センサによって感知され、
前記第1の加速度データおよび前記第2の加速度データは前記加速度センサによって感知される
[24]に記載の方法。
[27]
前記磁場に対して前記第2の時点での相対的な加速度の方向を測定する[24]に記載の方法。
[28]
前記センサモジュールに対して前記第2の時点での相対的な加速度の方向を測定する[24]に記載の方法。
[29]
前記磁場センサを用いて前記第1の時点から前記第2の時点まで回転モーションのデータを感知することを含み、
前記重力の方向に対する加速度の方向を測定することは、前記第1の時点から第2の時点までの回転モーションのデータに基づいている
[24]に記載の方法。
[30]
前記回転モーションのデータは、前記第1の時点から前記第2の時点までの前記センサモジュールの回転角度を表したものを含み、
前記重力の方向に対する加速度の方向を測定することは、前記相対的な加速度の方向から前記回転角度を引く、または前記相対的な加速度の方向に前記回転角度を加えることを含む
[29]に記載の方法。
[31]
前記対象物の軌道を測定することは、前記対象物の飛び出し角度を測定することを含み、
前記軌道は前記対象物の飛び出し角度であると判断される[24]に記載の方法。
[32]
前記第2の時点は、前記対象物のモーション開始後150ms未満である[31]に記載の方法。
[33]
前記第2の時点は、前記対象物のモーション開始後加速度の大きさを感知する最も早い時点に対応する[31]に記載の方法。
[34]
前記第2の時期に前記対象物は自由飛行中であると判断することを含む[24]に記載の方法。
[35]
前記対象物は自由飛行中であると判断することは1G未満の合成加速度を感知することを含む[34]に記載の方法。
[36]
前記対象物の軌道に基づいた出力を提供することを含む[24]に記載の方法。
[37]
前記出力は、前記対象物の軌道を表示することである[36]に記載の方法。
[38]
前記出力は、個人の特徴と共に前記対象物の軌道を表示することである[36]に記載の方法。
[39]
前記出力は、複数の個人の特徴と共に前記対象物の軌道を表示することである[36]に記載の方法。
[40]
前記出力は、前記対象物の過去の軌道と共に前記対象物の軌道を表示することである[36]に記載の方法。
[41]
前記出力は、前記対象物の目標軌道と共に前記対象物の軌道を表示することである[36]に記載の方法。
[42]
前記出力を提供することは前記軌道を表すデータをディスプレイ装置に送信することを含む[36]に記載の方法。
[43]
前記ディスプレイ装置は携帯電話である[42]に記載の方法。
[44]
前記対象物の飛び出し角度に基づいた出力を提供することを含む[31]に記載の方法。
[45]
前記出力は、前記対象物の飛び出し角度を表示することである[44]に記載の方法。
[46]
前記出力は、個人の特徴と共に前記対象物の飛び出し角度を表示することである[44]に記載の方法。
[47]
前記出力は、複数の個人の特徴と共に前記対象物の飛び出し角度を表示することである[44]に記載の方法。
[48]
前記出力は、前記対象物の過去の飛び出し角度と共に前記対象物の飛び出し角度を表示することである[44]に記載の方法。
[49]
前記出力は、前記対象物の目標飛び出し角度と共に前記対象物の飛び出し角度を表示することである[44]に記載の方法。
[50]
前記出力を提供することは前記飛び出し角度を表すデータをディスプレイ装置に送信することを含む[44]に記載の方法。
[51]
前記ディスプレイ装置は携帯電話である[50]に記載の方法。
[52]
運動に用いるボールの回転スピードを測定する方法であって、該方法は、
前記ボールに接続されたセンサモジュールを用いて磁場データを感知することと、
前記感知した磁場データにフーリエ変換を適用することと、
前記フーリエ変換の結果に基づいて前記ボールの回転スピードを測定することと
を含む方法。
[53]
前記センサモジュールは磁場センサを含み、
前記磁場データは前記磁場センサによって感知される[52]に記載の方法。
[54]
前記対象物の回転スピードに基づいた出力を提供することを含む[52]に記載の方法。
[55]
前記出力は、前記対象物の回転スピードを表示することである[54]に記載の方法。
[56]
前記出力は、個人の特徴と共に前記対象物の回転スピードを表示することである[54]に記載の方法。
[57]
前記出力は、複数の個人の特徴と共に前記対象物の回転スピードを表示することである[54]に記載の方法。
[58]
前記出力は、前記対象物の過去の回転スピードと共に前記対象物の回転スピードを表示することである[54]に記載の方法。
[59]
前記出力は、前記対象物の目標回転スピードと共に前記対象物の回転スピードを表示することである[54]に記載の方法。
[60]
運動に用いるボールの回転スピードを測定する方法であって、該方法は、
前記ボールに接続されたセンサモジュールを用いて加速度データを感知することと、
前記感知した加速度データの繰り返し部分を認識することと、
前記繰り返し部分の期間を測定することと、
前記繰り返し部分の期間に基づいて前記ボールの回転スピードを測定することと
を含む方法。
[61]
前記センサモジュールは加速度センサを含み、
前記加速度データは前記加速度センサによって感知される[60]に記載の方法。
[62]
前記感知した加速度データの繰り返し部分を認識することは、前記感知した加速度の前記センサモジュールに対する方向を表すデータの繰り返し部分を認識することを含む[60]に記載の方法。
[63]
前記感知した加速度データの繰り返し部分を認識することは、前記加速度データが表す前記センサモジュールに対する連続して同じ加速度の方向を認識することを含む[60]に記載の方法。
[64]
前記繰り返し部分の期間を測定することは、前記加速度データが表す前記センサモジュールに対する加速度の方向が連続して同じである間の経過時間を測定することを含む[60]に記載の方法。
[65]
前記ボールの回転スピードを測定することは、前記繰り返し部分の期間の逆数を計算することを含む[60]に記載の方法。
[66]
前記対象物の回転スピードに基づいた出力を提供することを含む[60]に記載の方法。
[67]
前記出力は、前記対象物の回転スピードを表示することである[66]に記載の方法。
[68]
前記出力は、個人の特徴と共に前記対象物の回転スピードを表示することである[66]に記載の方法。
[69]
前記出力は、複数の個人の特徴と共に前記対象物の回転スピードを表示することである[66]に記載の方法。
[70]
前記出力は、前記対象物の過去の回転スピードと共に前記対象物の回転スピードを表示することである[66]に記載の方法。
[71]
前記出力は、前記対象物の目標回転スピードと共に前記対象物の回転スピードを表示することである[66]に記載の方法。
[72]
運動に用いる対象物のスピードを測定する方法であって、該方法は、
前記対象物に接続されたセンサモジュールを用いて加速度データを感知することと、
前記感知した加速度データに基づいて前記対象物が受ける抵抗力を測定することと、
前記抵抗力を、対象物のスピードの関数として抵抗を表す抵抗特性と比較することと、
前記比較に基づいて前記対象物のスピードを測定することと
を含む方法。
[73]
前記対象物がボールである[72]に記載の方法。
[74]
前記センサモジュールは加速度センサを含み、
前記加速度データは前記加速度センサによって感知される[72]に記載の方法。
[75]
前記抵抗特性は、加速度の関数としてのスピードのアルゴリズム的表現を含む[72]に記載の方法。
[76]
前記抵抗特性は、加速度の関数としてのスピードの表形式の表現を含む[72]に記載の方法。
[77]
前記抵抗特性は、計算データに基づいている[72]に記載の方法。
[78]
前記抵抗特性は、実験データに基づいている[72]に記載の方法。
[79]
前記抵抗特性は、計算および実験的に観測されたデータに基づいている[72]に記載の方法。
[80]
前記加速度データは、センサモジュールが感知した加速度の大きさを表したものを含む[72]に記載の方法。
[81]
前記加速度データを感知したときに前記対象物は自由飛行中であると判断することを含む[72]に記載の方法。
[82]
前記対象物が自由飛行中であると判断することは1G未満の合成加速度を感知することを含む[81]に記載の方法。
[83]
前記対象物のスピードに基づいた出力を提供することを含む[72]に記載の方法。
[84]
前記出力は、前記対象物のスピードを表示することである[83]に記載の方法。
[85]
前記出力は、個人の特徴と共に前記対象物のスピードを表示することである[83]に記載の方法。
[86]
前記出力は、複数の個人の特徴と共に前記対象物のスピードを表示することである[83]に記載の方法。
[87]
前記出力は、前記対象物の過去のスピードと共に前記対象物のスピードを表示することである[83]に記載の方法。
[88]
前記出力は、前記対象物の目標スピードと共に前記対象物のスピードを表示することである[83]に記載の方法。
[89]
前記出力を提供することは前記スピードを表すデータをディスプレイ装置に送信することを含む[83]に記載の方法。
[90]
前記ディスプレイ装置は携帯電話である[89]に記載の方法。
[91]
運動に用いる対象物が移動した距離を測定する方法であって、該方法は、
前記対象物に接続されたセンサモジュールを用いて前記対象物が自由飛行中であると判断することと、
前記センサモジュールを用いて自由飛行中の前記対象物の状態を測定することと、
前記飛行中の対象物の状態に基づいて前記対象物の飛行の軌道モデルを測定することと、
前記軌道モデルに基づいて前記対象物が移動した距離を測定することと
を含む方法。
[92]
自由飛行中の前記対象物のスピードを測定することと、
前記対象物の飛び出し角度を測定することと、
前記対象物の回転平面を測定することと、
前記対象物の回転スピードを測定することとを含み、
前記自由飛行中の対象物の状態は、前記対象物のスピード、飛び出し角度、回転平面、および回転スピードを含む
[91]に記載の方法。
[93]
前記対象物がボールである[91]に記載の方法。
[94]
前記対象物が自由飛行中であると判断することは、前記センサモジュールを用いて1G未満の合成加速度を感知することを含む[91]に記載の方法。
[95]
前記対象物のスピードを測定することは、
前記センサモジュールを用いて加速度データを感知することと、
前記加速度データに基づいて前記対象物が受ける抵抗力を測定することと、
前記抵抗力を、対象物のスピードの関数として抵抗を表す抵抗特性と比較することと、
前記比較に基づいて前記対象物のスピードを測定することとを含む
[91]に記載の方法。
[96]
前記対象物が移動した距離に基づいた出力を提供することを含む[91]に記載の方法。
[97]
前記出力は、前記対象物が移動した距離を表示することである[96]に記載の方法。
[98]
前記出力は、個人の特徴と共に前記対象物が移動した距離を表示することである[96]に記載の方法。
[99]
前記出力は、複数の個人の特徴と共に前記対象物が移動した距離を表示することである[96]に記載の方法。
[100]
前記出力は、前記対象物の過去の移動距離と共に前記対象物が移動した距離を表示することである[96]に記載の方法。
[101]
前記出力は、前記対象物の目標移動距離と共に前記対象物が移動した距離を表示することである[96]に記載の方法。
[102]
前記出力を提供することは前記対象物が移動した距離を表すデータをディスプレイ装置に送信することを含む[96]に記載の方法。
[103]
前記ディスプレイ装置は携帯電話である[102]に記載の方法。
[104]
運動に用いる対象物の回転の方向を測定する方法であって、該方法は、
前記対象物に接続されたセンサモジュールを用いて加速度データを感知することと、
前記加速度データに基づき、前記センサモジュールに対する前記対象物の回転軸に直交する回転平面の方向を測定することと、
重力ベクトルの方向に対する前記回転平面の方向を測定することと
を含む方法。
[105]
前記対象物はボールである[104]に記載の方法。
[106]
前記回転平面の方向を測定することは、
第1の時点で前記センサモジュールに対する加速度の方向を測定することと、
第2の時点で前記センサモジュールに対する加速度の方向を測定することと、
前記回転平面の方向は、前記第1の時点での加速度の方向と前記第2の時点での加速度の方向との間で定義される平面の方向であると判断することとを含む
[104]に記載の方法。
[107]
前記センサモジュールに対する重力ベクトルの方向を測定することを含み、
前記重力ベクトルの方向に対する前記回転平面の方向を測定することは、前記回転平面と前記重力ベクトルの方向との間の角度を測定することを含む
[104]に記載の方法。
[108]
前記対象物の回転の方向に基づいた出力を提供することを含む[104]に記載の方法。
[109]
前記出力は、前記対象物の回転の方向を表示することである[108]に記載の方法。
[110]
前記出力は、個人の特徴と共に前記対象物の回転の方向を表示することである[108]に記載の方法。
[111]
前記出力は、複数の個人の特徴と共に前記対象物の回転の方向を表示することである[108]に記載の方法。
[112]
前記出力は、前記対象物の過去の回転の方向と共に前記対象物の回転の方向を表示することである[108]に記載の方法。
[113]
前記出力は、前記対象物の目標回転の方向と共に前記対象物の回転の方向を表示することである[108]に記載の方法。
[114]
運動に用いるボールをモニタする方法であって、該方法は、
前記ボールに接続されたセンサモジュールを用いて、前記ボールの動きを検出することと、
動きのデータを記録することと、
データ構造を参照して前記動きのデータと運動量との間の相関を測定することと、
前記運動量を伝える出力を提供することと
を含む方法。
[115]
前記ボールの空間における最初の方向を測定することと、
前記ボールの空間における方向の変化を測定することと、
前記空間における方向の変化に基づいて前記運動量を測定することと
をさらに含む[114]に記載の方法。
[116]
前記ボールに接続されたセンサモジュールを用いて、第1の時点で前記ボールの動きを検出することと、
前記ボールの動きが所定の起動の動きに対応すると判断することと、
前記ボールの動きが前記所定の起動の動きに対応するという判断に応じて前記センサモジュールの起動状態に入ることと、
前記起動状態のセンサモジュールを用いて、第2の時点で前記ボールの動きを検出することと
をさらに含む[114]または[115]に記載の方法。
[117]
第1の時点で前記センサモジュールに対する重力ベクトルの方向を測定することと、
前記第1の時点で前記センサモジュールに対する磁場ベクトルの方向を測定することと、
第2の時点で前記センサモジュールに対する合成加速度ベクトルの方向を測定することと、
前記第2の時点で前記磁場ベクトルに対する前記センサモジュールの方向を測定することと、
前記第1の時点でのセンサモジュールに対する重力ベクトルの方向、前記第1の時点でのセンサモジュールに対する磁場ベクトルの方向、前記第2の時点でのセンサモジュールに対する合成加速度ベクトルの方向、および前記第2の時点での磁場ベクトルに対するセンサモジュールの方向に基づいて、前記ボールの飛び出し角度を測定することと
をさらに含む[114]から[116]のいずれかに記載の方法。
[118]
前記ボールに接続されたセンサモジュールを用いて、第1の時点で第1の磁場データおよび第1の加速度データを感知することと、
前記第1の磁場データおよび前記第1の加速度データに基づいて、前記第1の時点でボールの方向を測定することと、
前記センサモジュールを用いて、第2の時点で第2の磁場データおよび第2の加速度データを感知することと、
前記第2の磁場データおよび前記第2の加速度データに基づいて、前記第2の時点でボールの方向および加速度の方向を測定することと、
前記第1の時点でのボールの方向と前記第2の時点でのボールの方向および加速度の方向に基づいて、前記第2の時点で前記ボールの軌道を測定することと
をさらに含む[114]から[117]のいずれかに記載の方法。
[119]
前記第1の時点で前記ボールの方向を測定することは、外部磁気効果および外部重力効果のうちの1つまたは両方に対する前記ボールの方向を測定することを含み、
前記第2の時点で前記ボールの軌道を測定することは、外部磁気効果および外部重力効果のうちの1つまたは両方に対する前記ボールの軌道を測定することを含む
[118]に記載の方法。
[120]
前記ボールの軌道を測定することは、
前記ボールの飛び出し角度を測定することを含み、
前記軌道は前記ボールの飛び出し角度であると判断される[118]または[119]に記載の方法。
[121]
前記第2の時点は、前記ボールのモーション開始後加速度の大きさを感知する最も早い時点に対応する[120]に記載の方法。
[122]
第1の時点で、前記ボールに接続されたセンサモジュールが感知する第1の磁場データおよび第1の加速度データに基づいて、磁場に対する重力の方向を測定することと、
第2の時点で、前記センサモジュールが感知する第2の加速度データに基づいて、前記第2の時期の相対的な加速度の方向を測定することと、
前記第2の時点で前記磁場に対する前記重力の方向を測定することおよび前記センサモジュールに対する前記加速度の方向を測定することによって、前記第2の時点で重力の方向に対する加速度の方向を測定することと、
前記第2の時点で重力の方向に対する加速度の方向を測定することによって、前記第2の時点で軌道を測定することと
をさらに含む[114]から[121]のいずれかに記載の方法。
[123]
前記ボールに接続されたセンサモジュールを用いて磁場データを感知することと、
前記感知した磁場データにフーリエ変換を適用することと、
前記フーリエ変換の結果に基づいて前記ボールの回転スピードを測定することと
をさらに含む[114]から[122]のいずれかに記載の方法。
[124]
前記ボールに接続されたセンサモジュールを用いて加速度データを感知することと、
前記感知した加速度データの繰り返し部分を認識することと、
前記繰り返し部分の期間を測定することと、
前記繰り返し部分の期間に基づいて前記ボールの回転スピードを測定することと
をさらに含む[114]から[123]のいずれかに記載の方法。
[125]
前記感知した加速度データの繰り返し部分を認識することは、前記加速度データが表す前記センサモジュールに対する連続して同じ加速度の方向を認識することを含む[124]に記載の方法。
[126]
前記ボールに接続されたセンサモジュールを用いて加速度データを感知することと、
前記加速度データに基づいて前記ボールが受ける抵抗力を測定することと、
前記抵抗力を、ボールのスピードの関数として抵抗を表す抵抗特性と比較することと、
前記比較に基づいて前記ボールのスピードを測定することと
をさらに含む[114]から[125]のいずれかに記載の方法。
[127]
前記ボールに接続されたセンサモジュールを用いて前記ボールが自由飛行中であると判断することと、
前記センサモジュールを用いて前記ボールが自由飛行中である時間を測定することと、
前記センサモジュールを用いて前記自由飛行中のボールのスピードを測定することと、
前記ボールが自由飛行中である時間および前記自由飛行中のボールのスピードに基づいて前記ボールが移動した距離を測定することと
をさらに含む[114]から[126]のいずれかに記載の方法。
[128]
前記ボールに接続されたセンサモジュールを用いて加速度データを感知することと、
前記加速度データに基づき、前記センサモジュールに対する前記ボールの回転軸に直交する回転平面の方向を測定することと、
重力ベクトルの方向に対する前記回転平面の方向を測定することと
をさらに含む[114]から[127]のいずれかに記載の方法。