(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6093652
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】チューブ供給装置
(51)【国際特許分類】
B23P 19/00 20060101AFI20170227BHJP
B65G 59/06 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
B23P19/00 301B
B65G59/06 101B
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-115442(P2013-115442)
(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公開番号】特開2014-233780(P2014-233780A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2015年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】新井 正章
(72)【発明者】
【氏名】篠原 靖行
【審査官】
大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭50−107667(JP,A)
【文献】
実開平04−035831(JP,U)
【文献】
特開平02−250729(JP,A)
【文献】
実開昭57−123312(JP,U)
【文献】
特開平04−341415(JP,A)
【文献】
特開平06−123181(JP,A)
【文献】
特開2000−247315(JP,A)
【文献】
特開平08−324794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 59/06
B23P 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブを一本ずつ供給するチューブ供給装置であって、
縦長かつ下端が開いた容器で構成され、複数の前記チューブが積層された状態で収容されるチューブストッカと、
前記チューブの短手方向よりも大きな幅を有するとともに前記チューブの厚さに略等しい深さを有する凹部、及び、前記凹部の送り方向上流側に接続する上流側平坦部を有するチューブ受け部と、
前記チューブ受け部を前記チューブストッカの下端に沿って移動させる送り機構と、
を備えたことを特徴とするチューブ供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載のチューブ供給装置であって、
前記チューブ受け部は、前記凹部の送り方向下流側に接続する下流側平坦部をさらに有する、
ことを特徴とするチューブ供給装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のチューブ供給装置であって、
前記送り機構は、少なくとも一対の回転体と、前記少なくとも一対の回転体に巻き掛けられた無端部材で構成され、
前記チューブ受け部は、前記無端部材に取り付けられたトレイである、
ことを特徴とするチューブ供給装置。
【請求項4】
請求項3に記載のチューブ供給装置であって、
前記トレイは、トレイの両側から側方に延びるタブを有しており、
前記送り機構は、前記タブに上下方向両側から接触するガイドを備える、
ことを特徴とするチューブ供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブを熱交換器コアの仮組み装置に供給する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器コアは、仮組み装置でチューブとフィンとを交互に整列させ、その後、チューブとフィンとをろう付けで接合することによって製造される。
【0003】
特許文献1では、仮組み装置へのチューブの供給を、
図5に示されるチューブ供給装置によって行っている。このチューブ供給装置では、チューブを上下方向に多数積層し、その下側に複数の凹部を外周に有するドラムを配置している。ドラムを回転させると、チューブが一本ずつ凹部に収容されてドラムの周方向に移送され、姿勢が90度変換されたところで仮組み装置の搬送ウォームへと移送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−70424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記構成のチューブ供給装置では、積層されたチューブから最下位のチューブが取り出される際に、下から2番目のチューブの下面にドラムの外周が衝突し、チューブの浮き上がりが発生するという問題があった。
【0006】
これは、
図6に示すように、ドラムの回転中心から凹部の底までの距離Rbにチューブの厚さΔtを加えた値よりも、ドラムの半径Rの方が大きいためである。
【0007】
このようなチューブの浮き上がりが発生すると、チューブが浮き上がってから再び落下してくるまでに時間を要し、これがチューブ供給装置を高速化する際のボトルネックとなる。また、チューブの下面にドラムの外周が衝突すると、チューブに傷が付いたり、ろう材が剥がれたりする原因となる。
【0008】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、チューブの浮き上がりを抑えることで、チューブ供給装置の高速化、及び、チューブの傷防止・ろう材剥離防止を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様によれば、チューブを一本ずつ供給するチューブ供給装置であって、縦長かつ下端が開いた容器で構成され、複数の前記チューブが積層された状態で収容されるチューブストッカと、前記チューブの短手方向よりも大きな幅を有するとともに前記チューブの厚さに略等しい深さを有する凹部、及び、前記凹部の送り方向上流側に接続する上流側平坦部を有するチューブ受け部と、前記チューブ受け部を前記チューブストッカの下端に沿って移動させる送り機構と、を備えたことを特徴とするチューブ供給装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
上記態様によれば、チューブ供給装置では、チューブの浮き上がりが発生せず、浮き上がったチューブが落下してくるのを待つ必要がないので、その分、チューブ供給装置を高速化することができる。また、上流側平坦部がチューブの下面と衝突しないので、チューブに傷が付いたりろう材が剥離したりするのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係るチューブ供給装置の概略平面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るチューブ供給装置の概略側面図である。
【
図4A】積層されたチューブから最下位のチューブが取り出される途中の様子を示した図である。
【
図4B】積層されたチューブから最下位のチューブが取り出された後の様子を示した図である。
【
図5】特許文献1のチューブ供給装置の概略構成図である。
【
図6】チューブの浮き上がりを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1、
図2は、本発明の実施形態に係るチューブ供給装置10の概略構成を示している。チューブ供給装置10は、チューブストッカ1の下側からチューブ2を1本ずつ取り出してチューブ2をその短手方向に送り、チューブ2の姿勢を90度変換した後に、仮組み装置20に供給する装置である。
【0014】
チューブ供給装置10は、チューブストッカ1、プライマリドラム3、セカンダリドラム4、一対のベルト5、複数のトレイ6、一対のローラガイド7、及び、一対の弧状ガイド8を備える。
【0015】
チューブストッカ1は、上端及び下端が開放した縦長の容器である。チューブストッカ1には、熱交換器コアのチューブ2が図示しないフィーダから供給され、チューブストッカ1内には複数のチューブ2が上下方向に積層される。
【0016】
プライマリドラム3は、図示しないモータによって回転駆動される。セカンダリドラム4は、プライマリドラム3よりも小径のドラムである。セカンダリドラム4の回転軸は、プライマリドラム3の回転軸よりも高い位置に配置されており、これにより、プライマリドラム3とセカンダリドラム4の上端の高さが揃えられ、セカンダリドラム4からプライマリドラム3に向かうベルト5が水平になる。なお、図示は省略するが、プライマリドラム3及びセカンダリドラム4はそれぞれ外周に歯形を有している。
【0017】
ベルト5は、プライマリドラム3及びセカンダリドラム4の歯形に噛み合う歯形を内側に有するコグドベルトである。ベルト5は、プライマリドラム3及びセカンダリドラム4に巻き掛けられ、ベルト5の表面にはベルト全周にわたって複数のトレイ6がボルト固定されている。
【0018】
チューブストッカ1の下端とプライマリドラム3及びセカンダリドラム4の上端との距離は、ベルト5とトレイ6とを合わせた厚みに略等しく、これにより、トレイ6は、チューブストッカ1の下側を通過する際に、チューブストッカ1の下端に摺接しながら移動する。
【0019】
トレイ6は、
図3に示すように、チューブ2の短手方向の幅よりも大きな幅を有する凹部61と、凹部61のベルト・トレイ送り方向両側に配置される上流側平坦部62及び下流側平坦部63とを有している。凹部61の深さは、チューブ2の厚さに略等しく、好ましくは、チューブ2の厚さよりも所定の微少寸法(例えば、0.1mm)だけ小さい。これにより、凹部61にチューブ2が収容された状態では、上流側平坦部62の高さが下から2番目のチューブ2の下面と同じかそれよりも僅かに低くなり、凹部61にチューブ2が収容されたトレイ6をチューブストッカ1の下側から退出させる際に、上流側平坦部62と下から2番目のチューブ2の下面とが衝突するのを防止することができる。
【0020】
また、トレイ6は、ボルト65によってベルト送り方向中央のみベルト5に固定されており、その他の部位はベルト5に固定されていない。このため、ベルト5は、プライマリドラム3及びセカンダリドラム4の周囲において自由に撓むことができ、ベルト5の歯形とプライマリドラム3及びセカンダリドラム4の歯形とを噛み合わせることができる。
【0021】
また、トレイ6の下面には、トレイ6の下面よりも幅広のプレート9がボルト65によって共締めされており、その両側がトレイ6からはみ出ることによってトレイ6の両側に側方に延びるタブ64が形成されている。
【0022】
タブ64は、トレイ6がチューブストッカ1に近づくと、ローラガイド7によって上下方向から支持され、これにより、ベルト5のたわみが抑えられ、トレイ6がチューブストッカ1の下端に確実に摺接させられる。
【0023】
図1、
図2に戻り、弧状ガイド8は、チューブストッカ1の下流側、かつ、プライマリドラム3の周囲に、トレイ6と干渉しないだけの隙間をプライマリドラム3との間に空けて配置されており、チューブ2の姿勢が変化する際にチューブ2がトレイ6の凹部61から脱落しないようにする。
【0024】
弧状ガイド8には、トレイ6の凹部61にチューブ2が収容されているか否かを検出するための着座センサ11が取り付けられている、着座センサ11によってトレイ6の凹部61にチューブ2が収容されていないことが検出された場合は、チューブ供給装置10及び仮組み装置20が自動的に停止する。
【0025】
本発明の実施形態に係るチューブ供給装置10は以上のように構成され、図示しないモータによってプライマリドラム3を回転させると、
図4Aに示すように、トレイ6がチューブストッカ1の下端に摺接しながらチューブストッカ1の下側を通過し、このとき積層されたチューブ2のうち最下位のチューブ2がトレイ6の凹部61に落下し、凹部61に収容される。
【0026】
凹部61の深さがチューブ2の厚さに略等しいので、トレイ6が進んでも上流側平坦部62は下から2番目のチューブ2の下面と衝突することはなく、下から2番目のチューブ2の下面に摺接しながら積層されたチューブ2全体を支える。
【0027】
凹部61にチューブ2が収容されたトレイ6がチューブストッカ1の下側から退出すると、トレイ6間の隙間が積層されたチューブ2の下側に移動してくるが、後ろに続くトレイ6の下流側平坦部63がすぐさま積層されたチューブ2の下側に入り、引き続き積層されたチューブ2全体を支えるので、積層されたチューブ2の姿勢が崩れることはない。
【0028】
したがって、本実施形態に係るチューブ供給装置10では、チューブ2の浮き上がりが発生せず、浮き上がったチューブ2が落下してくるのを待つ必要がないので、その分、チューブ供給装置10を高速化することができる。また、上流側平坦部62がチューブ2の下面と衝突しないので、チューブ2に傷が付いたりろう材が剥離したりするのを防止することができる。
【0029】
チューブストッカ1から取り出されたチューブ2は、プライマリドラム3の外周に沿って移動することで姿勢が90度変換され、仮組み装置20の搬送ウォーム21の溝に挿入される。
【0030】
このとき、本実施形態に係るチューブ供給装置10では、ベルト5に取り付けられたトレイ6に凹部61を形成しているので、トレイ6がプライマリドラム3の外周に沿って移動するときの凹部61の変形が抑えられ、凹部61の変形を受けて凹部61に保持されているチューブ2が脱落したり、変形したりするのを抑えることができる。
【0031】
仮組み装置20においては、搬送ウォーム21が回転すると、チューブ2がその短手方向に所定の間隔で移送され、図示しないフィンフィーダによってチューブ2間にコルゲートフィン12を挿入することで熱交換器コアが仮組みされる。
【0032】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0033】
例えば、トレイ6を移動させる送り機構は、上記構成に限定されず、例えば、必要に応じてプライマリドラム3とセカンダリドラム4との間にアイドルドラムを追加し、ベルト5の軌跡を安定させるようにしてもよい。また、一対のスプロケットに巻き掛けられたチェーンを利用してトレイ6を移動させるようにしてもよい。
【0034】
また、凹部61をベルト5に固定されたトレイ6に形成しているが、ベルト5の表面に形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 チューブストッカ
2 チューブ
3 プライマリドラム(回転体、送り機構)
4 セカンダリドラム(回転体、送り機構)
5 ベルト(無端部材、送り機構)
6 トレイ(チューブ受け部)
7 ローラガイド(ガイド)
64 タブ