(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6093731
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】位置ベースの存在およびプライバシー管理
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20170227BHJP
H04M 3/42 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
G06F13/00 510G
H04M3/42 U
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-93925(P2014-93925)
(22)【出願日】2014年4月30日
(62)【分割の表示】特願2010-521129(P2010-521129)の分割
【原出願日】2008年8月13日
(65)【公開番号】特開2014-197397(P2014-197397A)
(43)【公開日】2014年10月16日
【審査請求日】2014年5月22日
【審判番号】不服2016-2511(P2016-2511/J1)
【審判請求日】2016年2月19日
(31)【優先権主張番号】11/838,876
(32)【優先日】2007年8月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510039611
【氏名又は名称】チャウラー,ニーラジュ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】チャウラー,ニーラジュ
【合議体】
【審判長】
和田 志郎
【審判官】
山澤 宏
【審判官】
山田 正文
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−189594(JP,A)
【文献】
特開2006−153863(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルユーザの位置ベースの存在状態を携帯電話から決定および更新ならびに共有するための、コンピュータに基づいた方法であって、
前記携帯電話と関連付けられたモバイルポジショニングシステムから前記モバイルユーザの現在位置ならびに前記携帯電話の位置座標を決定し(402)、さらに、特定された位置と呼ばれる、最も近いユーザ指定位置または重要地点位置にマッチさせる(404、406、414、1004)工程と、
位置ベースの存在状態選択肢を前記特定された位置と関連付ける(600)工程であって、前記特定された位置は、重要地点位置および/またはユーザ指定位置を含み、前記位置ベースの存在状態選択肢は、位置名称、位置カテゴリ、位置近隣インジケータ、住所、状態インジケータ、位置までの時間、位置からの距離、および最後の位置更新以来の時間のうち1つ以上を含む、工程と、
アプリケーションまたはモバイルデバイスによる自動化された選択(406、1008)に基づいて、または、前記アプリケーションまたはモバイルデバイスのユーザによる特定された位置の手動選択(1014)により、前記モバイルユーザの決定された現在位置が前記特定された位置のうち1つとマッチするか(414)、または近隣にあると決定される(406、1004)場合、前記モバイルユーザの位置ベースの存在状態を対応する選択肢に更新する(426)工程と、
前記モバイルユーザの位置ベースの存在状態を、複数の数値的かつ/または記述的にラベル付けされた位置プライバシーレベルまたは共有レベルにグループ分けする(210)工程と、
1つ以上の他のユーザおよび/またはアプリケーションについて指定されたプライバシーレベルまたは共有レベルに基づいて、前記モバイルユーザの位置ベースの存在状態を前記ユーザおよび/またはアプリケーションに提供する(318)工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
各重要地点および/またはユーザ指定位置と関連付けられる位置ベースの存在状態選択肢をカスタマイズするための選択肢を前記モバイルユーザに提供する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2007年8月14日に出願された「LOCATION BASED PRESENCE AND PRIVACY MANAGEMENT」という名称の米国特許出願第11/838,876号に対する優先権を主張し、ここに、同文献を参考のため援用する。
【背景技術】
【0002】
位置情報サービス(LBS)は、無線キャリア製品のロードマップ上に数年間存在しているが、このようなサービスの主用途は限定されており、また、そのインフラストラクチャおよびシステムも、救急サービス(E−911)用の命令を満たすために配置されている。
【0003】
モバイルデバイスのためのグローバルポジショニングシステム(GPS)技術の進展に伴い、モバイルポジショニングシステムの精度も格段に向上しており、消費者向けLBSアプリケーション(例えば、モバイルデバイスを用いたリアルタイムナビゲーション)が、今や、いくつかのキャリアから提供されている特定のモバイルデバイス上において利用可能となっている。しかし、キャリアおよび消費者のどちらも、このようなアプリケーションの提供および可能化において、消費者のプライバシーおよび法的責任に関する問題について懸念を持っている。
【0004】
今日販売されている携帯電話のほとんどはチップによって可能化されており、そのため、ユーザの正確な位置を決定することができる。ユーザは、全ての位置ベースのアプリケーション(E−911サービスを除く)について自身のモバイルデバイスの位置追跡機能をオフにすることはできるものの、これに起因して、あらゆる位置情報サービスを利用することができなくなっている。
【0005】
位置ベースの存在、メッセージングおよびモバイルソーシャルネットワーキングアプリケーションの場合、ユーザは自身の位置座標を共有しなければならないが、プライバシーの問題のため、多くのユーザは、このようなサービスを利用できていない。このような位置ベースのアプリケーションのうちいくつかは、ユーザまたはユーザグループ間で位置座標を共有でき、かつ/または、位置情報の共有を市または郵便番号レベルまでに制限できる能力を提供する。しかし、正確でありかつ特定の位置(例えば、加入者の自宅または勤務先または事業所または重要地点)における加入者の存在に関連する位置情報を伝達するには、加入者は自身の位置座標または住所情報を他のユーザおよび/またはアプリケーションと共有しなければならない。
【0006】
さらに、モバイルインスタントメッセージング環境において他のユーザに対して存在状態を更新していくプロセスを行うには、デスクトップインスタントメッセージング環境と比較してさらなる課題が出てくる。特に、現行のモバイルインスタントメッセージングアプリケーションの場合、バッテリ、メモリ、処理および画面サイズに限界があるため、友達リスト全体の存在情報のリアルタイム更新を送信するプロセスを行ううちに、モバイルデバイスのバッテリが枯渇する。
【0007】
また、いくつかのモバイル位置ベースのアプリケーションおよびソーシャルネットワーキングアプリケーションの場合、モバイルユーザの位置を表示するためにマッピングインターフェースが必要となる。モバイルネットワーク上でマッピング情報を送達するには、モバイルネットワークの帯域幅における制約と、モバイルデバイスのメモリ、処理能力およびバッテリの限界とに起因して、さらなるコストおよび複雑化が必要となり、その結果、このようなアプリケーションの採用が狭められる。
【発明の概要】
【0008】
ほとんどの場合、ユーザが本当に望んでいるのは、ユーザがほとんどの時間を過ごす特定の位置(例えば、自宅、事務所、学校)における自身の存在に関する位置文脈的情報を共有し、ユーザが必要とする場合または必要が生じた場合にユーザ自身の位置座標を他のユーザと選択的に共有できる能力である。本発明は、一般的名称またはユーザ指定位置名称、グラフィカルインジケータおよび/または位置カテゴリ情報を用いることにより、ユーザ指定位置に関連する位置文脈的情報を共有する選択肢をユーザに提供し、さらに、インスタントメッセージングアプリケーションの他のユーザに、ユーザの位置座標または住所情報を共有することなく、位置ベースの存在状態を提供する。
【0009】
他の場合において、ユーザが事業所または重要地点(例えば、レストラン、図書館、ゴルフコース)にいる場合において、本発明により、モバイルユーザは、位置座標を他のユーザと共有することなく、当該位置(例えば、レストラン、ゴルフコース、図書館)のカテゴリに基づいてそして事業所またはPOI名称に必要に応じて、自身の存在状態を示すことができる。
【0010】
他の場合において、ユーザが運転中の場合において、本発明により、このモバイルユーザは、自身の存在状態が運転中であると示し、自身が通常の居場所(例えば、自宅または仕事場)に居ないことを伝達することができ、また、自身の位置座標を共有することなくかつ位置追跡能力を他のユーザに提供することなく、地理的領域またはユーザ指定位置の近隣地に基づいて、位置文脈的情報を提供することができる。
【0011】
このような位置文脈的情報および位置ベースの存在状態により、ほとんどの場合において、発呼側またはメッセージ送信側の当事者は、ユーザの位置座標の追跡に関連するプライバシーおよび法的責任に関する懸念を格段に軽減しつつ、当該ユーザの連絡可能状態について認識しかつ全ての連絡先を幅広く共有することができる。
【0012】
本発明の別の実施形態は、ユーザおよび/または位置プライバシー選択肢を、複数の数値的にまたは記述的にラベル付けされた位置プライバシーまたは位置共有レベルにグループ分けし、前記レベルのうちの1つは、正確な位置における共有用位置文脈状態に基づき、前記共有用位置文脈状態は、前記ユーザの共有用位置座標または住所情報なしに、一般的またはユーザ指定位置名称、位置状態インジケータ、または位置カテゴリ情報を用いる。
【0013】
本発明の別の局面によれば、モバイルおよびインスタントメッセージング環境における多数の連絡先と共に位置ベースの存在状態を更新するための効率的かつ最適な方法が可能となる。本発明の他の特徴は、前記説明、図面特許請求の範囲から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の上記の局面は、以下の説明を添付図面と共に参照すれば、より深く理解される。
【
図1】本発明のための適切な動作環境を提供する例示的通信システムのブロック図である。
【
図2a】位置文脈的情報を、複数の数値的かつ記述的にラベル付けされた、位置共有レベルに例示的に分類したものである。
【
図2b】位置文脈的名称タイプを対応する共有レベルと関連付けるための例示的表である。
【
図3】
図3は、ユーザの位置が変わる度に、複数の位置共有レベルにおいて、前記ユーザを当該レベルに対応する位置ベースの存在状態と共に更新するための例示的フローチャートである。
【
図4】
図4は、ユーザが自身が指定した位置またはその近隣にいるか、運転中であるかまたは事業所またはPOI位置にいるかに応じてユーザ位置状態表を更新するための例示的フローチャートである。
【
図5a】
図5aは、ユーザ指定位置と、ユーザが当該位置に居る際に位置文脈的情報を共有するための対応する基準とを保存するための例示的表である。
【
図5b】
図5bは、ユーザのお気に入りの事業所およびPOI位置と、位置文脈的情報を共有するための対応する基準とを保存するための例示的表である。
【
図6】
図6は、各位置共有レベルに対応するユーザの位置ベースの存在状態を保存するための例示的表である。
【
図7】
図7は、複数の位置共有レベルに対応する位置文脈的情報を指定するための例示的ユーザインターフェースである。
【
図8】
図8は、ユーザ指定位置に対応するユーザの好きなメッセージング選択肢を決定するための例示的フローチャートである。
【
図9】
図9は、特定の位置カテゴリに対応するユーザの好きなメッセージング選択肢を決定するための例示的フローチャートである。
【
図10】
図10は、ユーザの現在位置またはその近隣において複数の事業所またはPOI選択肢あるいは同一場所にある事業所またはPOI選択肢が有る場合に、位置状態を決定するための例示的フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1および以下の説明は、本発明の多様な特徴を実施する際に適した通信システム100の一般的説明を提供する。
図1を参照して、本発明を実施するための例示的通信システムは、モバイルキャリアネットワーク110を含む。モバイルキャリアネットワーク110は、声、メッセージングおよび/またはデータサービスを携帯電話120aおよび120bに提供し、かつ、インスタントメッセージング(IM)ネットワーク(例えば、公衆IMネットワーク130および公衆IMクライアント132、または企業IMネットワーク140および企業IMクライアント142)と通信することができる。モバイルキャリアネットワーク110はまた、声および/またはデータサービスを通信デバイス(例えば、電話機152)に送達することが可能な他の電話またはデータネットワーク150(例えば、公衆交換電話網(PSTN)またはボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)ネットワーク)を介して通信することもできる。前記通信システムは、通信デバイス(例えば、モバイルデータカード162)を通じて声およびデータサービスを送達することが可能な固定モバイルまたは広帯域モバイルネットワーク160(例えば、WiMaxネットワーク)を含み得る。
【0016】
詳細には、通信システム100は、ユーザの携帯電話または他の関連付けられた端末またはデバイスの地理的位置情報を検出または受信することができる。1つのインプレメンテーションにおいて、モバイルキャリアネットワーク110は、モバイルポジショニングシステム112を含む。モバイルポジショニングシステム112は、携帯電話120aおよび120bの位置座標を決定することができる。モバイルポジショニングシステム112は、携帯電話120aまたは120b中に埋設されたグローバルポジショニングシステム(GPS)受信器から位置座標を受信し得、別のインプレメンテーションにおいて、携帯電話120aまたは120bがモバイルポジショニング方法(例えば、指定された精度制約条件内の位置座標を提供するアシスト型(A−GPS)、到達時間差(TDOA)、または他のアプローチ)のうち1つ以上を用いて、その位置を決定するのをアシストする。1つのインプレメンテーションにおいて、モバイルポジショニングシステム112は、位置サーバを含む。この位置サーバは、GSM(登録商標)ネットワークの場合にゲートウェイモバイル位置センター(GMLC)であり得、または、CDMAネットワークの場合にモバイルポジショニングセンター(MPC)であり得、その結果、ユーザの位置情報が、位置情報サービスおよびアプリケーションを実施するサードパーティの位置アプリケーションサーバに提供される。
【0017】
モバイルキャリアネットワーク110はまた、モバイルメッセージングシステム114も含む。モバイルメッセージングシステム114は、携帯電話120aまたは120bからのおよび携帯電話120aまたは120bへのテキストまたはデータメッセージ(例えば、オーディオまたはビデオメッセージを含み得る)を送信することができ、モバイルデータメッセージングサービスおよびプロトコル(例えば、第3世代(3G)モバイル規格(例えば、セッションイニシエーションプロトコル(SIP))において用いられる、ショートメッセージングサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、無線アプリケーションプロトコル(WAP)または他のインターネットプロトコル(IP)ベースのデータおよびアプリケーション層プロトコル)のうちの1つ以上を用い得る。モバイルキャリアネットワーク110は、基本的なRFトランスポートプロトコル(例えば、汎用パケット無線サービス(GPRS)、GSM(登録商標)進化型高速データレート(EDGE)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、CDMA20001x−RTT、CDMA1x−EV−DO、または3Gまたは4Gモバイル規格)のうちのいずれかを含む。
【0018】
携帯電話120aおよび120bは、2人の異なるモバイル加入者によって用いられる例示的モバイルデバイスである。これらのモバイル加入者は、同一モバイルキャリアネットワーク上に有ってもよいし、あるいは異なるモバイルキャリアネットワークの一部であってもよい。携帯電話120aまたは120bは、住所録122aまたは122b、位置クライアントアプリケーション124aまたは124b、1つ以上のモバイルメッセージングアプリケーション126aまたは126b(これは、テキストメッセージングアプリケーション、マルチメディアメッセージングアプリケーション、eメールアプリケーション、および/またはインスタントメッセージングアプリケーションを含み得る)を含む。
【0019】
公衆IMネットワーク130は、インスタントメッセージング(IM)サービス(例えば、MSN、AOL、YahooまたはGoogleによって提供されているもの)を含み得、かつ、独自のインプレメンテーションに基づくか、または、業界規格(例えば、セッションイニシエーションプロトコル(SIP)またはエクステンシブルメッセージングおよび存在プロトコル(XMPP))に基づき得る。公衆IMクライアント132は、公衆IMネットワーク130に加入しているデスクトップまたはモバイルIMクライアントであり得る。
【0020】
企業IMネットワーク140は、インスタントメッセージングサービスを含む。インスタントメッセージングサービスは、会社および大企業からその法人ユーザへと提供され、インスタントメッセージングサービスへのアクセスの制御および管理を行う。企業IMクライアント142は、企業IMネットワーク140に加入しているデスクトップまたはモバイルIMクライアントであり得る。
【0021】
図2aは、多様な種類の位置文脈的情報を複数の数値的かつ記述的にラベル付けされた位置共有レベルにグループ分けする際の例示的インプレメンテーションを示す。さらに、前記共有レベルのうち1つにより、ユーザの共有用位置座標無しに、前記ユーザ指定位置の位置文脈的名称を共有することが可能になる。1つのインプレメンテーションにおいて、本発明により、モバイルユーザは、位置共有選択肢を選択し、表210中に示すような位置共有レベル0〜3について記述的名称を選択または指定することが可能となる。表210中に示すように、特定の共有レベルにおける位置文脈的情報選択肢が、先行共有レベルにおいて利用可能な選択肢に加えられる。フィールド212に示すように、レベル0において、共有される位置情報は無い。フィールド214に示すように、レベル1において、市および州レベル情報のみが、郵便番号または地域レベル名称を選択する選択肢と共にデフォルトで共有される。フィールド216に示すように、レベル2において、ユーザが自身が指定した地理的位置またはその近隣に居る場合、正確なこれらの位置に対応する位置文脈的情報が共有され、その際、前記ユーザの街路住所または位置座標は提供されない。位置文脈的情報の例を挙げると、ユーザ指定位置およびユーザが指定した事業所またはPOI位置の名称、カテゴリおよび代表的グラフィカルインジケータ、ならびに必要に応じて他の指定されていない事業所またはPOI位置(例えば、自宅、事務所、仕事場、学校、レストラン、ゴルフコース、図書館)のカテゴリがある。ユーザが指定されていない事業所またはPOI位置に居る場合、前記ユーザは、事業所またはPOI名称を含めるように選択肢を指定することもできる。フィールド218に示すように、レベル3において、このレベルにおける選択されたユーザ間で全ての関連位置情報(例えば、街路名称、最近隣の交差点、事業所およびPOI名称および/または前記ユーザによって指定されたようなカテゴリ)を共有することができる。このレベルにおける承認されたユーザが位置座標および街路住所の情報(例えば、モバイル加入者の現在位置に向かう方向)の共有を必要とするこのような位置座標または他の位置情報をリクエストした場合も、位置座標および街路住所が共有される。
【0022】
図2bは、位置文脈的名称タイプおよび対応する共有レベルを関連付けるための例示的表である。表220中に示すように、位置名称タイプおよび対応する共有レベルに関するデフォルト設定は、ユーザによって指定され得るレベルを共有するための構成選択肢と共に指定される。フィールド221中に示すように、市および州に基づいた位置名称は、共有レベル1以上のユーザ間で共有することができる。フィールド222中に示すように、ユーザが自身が指定した位置またはその近隣に居る場合、これらの位置の位置名称およびカテゴリに基づいた位置文脈的情報は、当該モバイル加入者の現在位置の位置座標または街路住所情報を提供することなく、共有レベル2以上のユーザ間で共有することができる。フィールド223中に示すように、ユーザ指定POI名称は、ユーザ指定事業所名も含み、レベル2以上において共有することができる。前記構成選択肢中に示すように、ユーザは、この位置名称タイプの最低共有レベルをレベル3に変更し得る。フィールド224中に示すように、当該モバイル加入者が事業所またはPOI位置に居ると決定された場合、前記事業所またはPOIカテゴリ情報をレベル2以上のユーザ間で共有することができる。当該モバイル加入者は、この位置名称タイプの最低共有レベルをレベル3に変更し得る。さらに、フィールド225および226中に示すように、レベル3のユーザとの共有の場合、位置文脈的情報は、ユーザの現在位置の街路名称および最近隣の交差点も含み得る。当該モバイル加入者は、この位置名称タイプの共有レベルを共有レベル2以上に変更し得る。フィールド227中に示すように、ユーザが事業所またはPOIの位置に居ると決定された場合、ユーザの現在位置に対応する事業所またはPOI名称も、共有レベル3のユーザ間で共有することができる。当該モバイル加入者は、この位置名称タイプの共有レベルを共有レベル2以上に変更し得る。
【0023】
図3は、当該モバイル加入者の位置が変わる度に、複数の位置共有レベルに在るユーザを、当該レベルに対応する位置ベースの存在または状態情報と共に更新するための例示的フロー
図300を示す。ブロック302から開始して、携帯電話124aまたは124bの位置文脈的情報の保存および共有を行う位置アプリケーションサーバは、モバイルポジショニングシステム112からの位置座標および精度情報をリクエストする。モバイルポジショニングシステム112は、前記モバイルデバイスの最新の位置情報を自身のデータベースまたはキャッシュから提供し得るか、または、対応する携帯電話120aまたは120bから現在位置情報をリクエストし得る。決定ブロック304において、モバイルデバイスの現在位置がその先行位置から前記位置情報の精度制約を考慮するための最低閾値を越えて変わったか否かについて決定するための試験が行われる。前記位置が変わっていない場合、ブロック308において、位置アプリケーション124aまたは124bは、指定された時間間隔の間待機するよう命令を受け、その後、ブロック302における更新された位置座標をリクエストするプロセスを繰り返す。別のインプレメンテーションにおいて、ブロック302、304、および308の機能は、トリガまたは通知工程によって前記モバイルポジショニングシステムにおいて行われ得、ここで、モバイルデバイスの位置が変わった場合にその旨が指定された位置アプリケーションサーバに通知され、前記モバイル加入者の更新された位置座標が提供される。さらに別のインプレメンテーションにおいて、ブロック302、304、および308の機能は、前記モバイルポジショニングシステムと連携して機能するモバイルキャリアネットワーク内の別の位置アプリケーションサーバによって行われ得る。ブロック306において、位置アプリケーション124aまたは124bまたは前記指定された位置アプリケーションサーバは、各共有レベルに対応する位置ベースの存在状態を決定および更新する(
図4中に詳細を示す)。現在位置に基づいて前記位置状態表が更新された後、決定ブロック310、312および314において、レベル1、2および3に対応する位置状態が前記モバイル加入者の新規位置に起因して変わったか否かについて試験が行われる。ブロック316、318、320において、その対応する共有レベルの位置状態が変わっている場合、対応するレベル1、2または3のユーザを更新する。1つのシナリオにおいて、レベル2および/またはレベル3の状態のみが変化し得、レベル1の状態は以前のままであり得る(例えば、前記モバイル加入者が同一市内の新規位置へと移動した場合、レベル1の状態はそのままである)。この場合、アプリケーションサーバは、レベル2およびレベル3のユーザのみに対して位置状態を更新し、これにより、レベル1のユーザに対する更新頻度を最小限にし、より具体的な位置状態を受信することを承認された一部のユーザのみに対して更新を行う効率的方法を提供する。
【0024】
さらに、モバイル加入者は、状態をリクエストしているかまたは連絡先リスト内に記載されている全ユーザと共に共有するレベルとして、レベル1またはレベル2を自身のデフォルト位置共有レベルとして選択し得る。1つのインプレメンテーションにおいて、任意のユーザが、デフォルト位置共有レベルに対応するモバイル加入者の位置状態をリクエストすることができ、位置アプリケーションサーバは、より高い共有レベルに対応する一部のユーザのみに対して位置状態を更新し、これにより、位置ベースの存在状態を多数のユーザ間で共有するための効率的かつ最適な方法を提供する。別のインプレメンテーションにおいて、デフォルトの共有レベル1または2に対応する位置状態が、より高い共有レベルに対応する位置状態をリクエストする選択肢と共に前記公衆IMネットワークにおいて共有され、その後、前記連絡先が前記より高い共有レベルにある承認されたユーザである場合、前記リクエストは自動的に提供され得、または、前記リクエストは承認を受けるために前記モバイル加入者へと送られ得る。
【0025】
図4は、前記ユーザが自身が指定した位置またはその近隣に居るか、運転中であるか、または事業所またはPOI位置に居るかに基づいて、モバイル加入者の位置状態表を更新するための例示的フローチャートを示す。前述したように、決定ブロック304における前記試験においてモバイル加入者の位置が変わったと決定された場合、サブルーチン400が開始し、ブロック402に示すように、携帯電話の位置座標、精度および速度情報がモバイルポジショニングシステム112から提供される。ブロック404において、前記モバイル加入者の位置座標と、
図5aおよび
図5b中に示す表内に保存されているユーザ指定位置の位置座標とを比較し、最近隣の位置およびユーザの現在位置からの対応距離を決定する。決定ブロック406において、ユーザの現在位置が、指定された距離内のこのユーザ指定位置またはその近隣であると決定された場合、前記ユーザがこの位置またはその近隣(例えば、自宅、自宅近隣、仕事場、仕事場近隣)に居るか否かがさらに指定される。従って、ブロック408において、前記ユーザ指定位置およびレベル1、2および3における状態に関するユーザ基準に基づいて、前記位置状態表を更新する。決定ブロック406において、前記ユーザ指定位置のいずれかまたはその近隣に前記ユーザが居ないと決定された場合、決定ブロック410において、別の試験において前記ユーザが特定の指定速度以上の速度で移動している(例えば、時速10マイルを越える速度で移動している)かを決定し、これにより、前記ユーザの状態が運転中であるとみなし、前記ユーザが特定の指定速度以上の速度で移動していない場合、前記ユーザが静止状態であるかまたはより低速で移動しているが、ユーザ指定位置のいずれかまたはその近隣には居ないとみなす。前記ユーザが運転中であると決定された場合、ブロック412に示すように、前記位置状態表も相応に更新される。前記ユーザが合理的な精度制約内において静止状態であると決定された場合、ブロック414において、前記ユーザが事業所またはPOI位置にあるか決定するための別の決定試験を行う。前記ユーザが事業所またはPOI位置にあると決定された場合、ブロック424に示すように、事業所名、カテゴリ、および住所情報がジオデータベースおよび/または事業所またはPOIデータベースからリクエストされ、これに従い、ブロック426において、前記位置状態が、対応する情報および各共有レベルに対するユーザ指定基準と共に更新される。運転中とみなされる指定速度よりも低速でユーザが移動していると決定された場合、または、複数の同一場所にある事業所が現在位置に存在する場合、ユーザは、現在の事業所位置を確認または選択するようにプロンプトされ得、これらのシナリオの場合、ブロック414、424および426の機能は、サブルーチン1000によって代替される(詳細を
図10に示す)。前記ユーザが運転中であるとみなされた場合、または、ブロック414において前記ユーザが静止状態であるが事業所またはPOI位置に居ないと決定された場合、前記位置状態は、地理的地域レベル情報に対応するかまたは前記ユーザの共有レベル1の状態に基づくものとして、決定される。そのため、ブロック416において、前記モバイルポジショニングシステムの逆ジオコード機能を用いてまたは別のジオデータベースを用いて、前記ユーザの住所情報をリクエストする。決定ブロック418において、前記市(または前記ユーザによって指定されたような地域レベル情報)が変わった場合、レベル1の状態も相応に更新される。前記市または地域レベル情報が変わっていない場合、ブロック422に示すように、レベル2および/またはレベル3の状態情報のみを前記モバイル加入者の位置状態表において更新する。さらに、レベル2に対して利用可能なさらなる位置名称および/または状態情報が無い場合があり、その場合、レベル2のテキスト状態はレベル1の状態と同じであり得る。
【0026】
図5aに示すように、表500は、事前指定されたユーザ位置の表中に保存された、ユーザ指定位置および対応する設定の例示的リストである。これらのユーザ指定位置および対応する設定は、工程404、工程406および工程408に示すような位置状態を決定する際に用いることができる。この例において、2つの最も一般的なユーザ位置である「自宅」および「仕事場」が、ユーザがほとんどの時間を過ごす可能性が高い場所として、保存されている。フィールド502において、一般的な位置名称(例えば、「仕事場」)がユーザによって指定され得、あるいは、より文脈的な位置名称(例えば、HQ、メインキャンパス、工場、建物34)を指定してもよい。フィールド504において、前記位置の住所が保存される。この住所は、前記ユーザによって提供され得るか、または、前記ユーザによって提供または保存された位置座標に基づいてシステムによって決定され得る。フィールド506において、位置座標は、前記ユーザによって指定されるか、または、504において提供された住所情報に基づいて決定され、または、ユーザが当該特定位置に居る際に現在位置を保存するという選択肢を選択した場合、保存される。フィールド508において、ユーザは、利用可能なリストから適切な位置カテゴリを選択するか、または、前記ユーザの位置状態を示す際に用いることが可能な新規カテゴリを指定する。フィールド510において、ユーザは、最低共有レベルとしてデフォルト設定を選択するか、または、選択肢の範囲から、前記ユーザがその特定位置に居る際に対応共有レベルに在るユーザ間で共有すべき位置状態を指定する。フィールド512および514において、前記ユーザは、デフォルト設定を選択し得るか、または、前記位置状態を他のユーザと共有すべきである場合、日、日付および/または時間設定についての選択肢を指定し得る。
【0027】
図5bに示すように、表520は、ユーザ指定事業所およびPOI位置を保存するための例示的表であり、ここで、ユーザは、これらの位置の名称、カテゴリおよび/または住所情報に基づいて位置文脈的状態を共有することを望んでいる。ユーザは、これらの位置を来訪しかつこのリストを時間と共に構築しながら、これらの位置および対応する情報を保存し得、あるいは、必要情報を指定するかまたは前記位置アプリケーション中に提供されている選択肢を用いて名称または住所によって特定の事業所またはPOI位置を検索することにより、いつでも位置を追加し得る。フィールド522において、事業所またはPOIデータベースを参照するかまたは前記ユーザに名称を指定またはカスタマイズしてもらうことにより、位置状態に対して用いられ得る事業所またはPOIの名称を保存する。フィールド524において、前記位置の住所を保存する。この住所は、前記ユーザが提供してもよいし、あるいは、前記事業所またはPOIデータベースから利用可能な情報に基づいてシステムが決定してもよいし、あるいは、前記位置座標に対応する住所を参照することにより提供してもよい。フィールド526において、前記事業所またはPOIの位置座標は、前記ユーザが指定するか、または、524において得られた住所情報に基づいて決定し、または、ユーザが当該特定位置に居る際に現在位置を保存するという選択肢を選択している場合、前記事業所またはPOIの位置座標を保存する。フィールド528において、前記POIのジオメトリ情報を保存して、前記POIが地点であるかまたは指定されたジオメトリの領域を網羅しているかを示し、後者の場合、さらなる情報が保存され得るか、または、当該位置における位置状態を決定するために、さらなる情報が前記ジオデータベースからリクエストされ得る。フィールド530において、前記事業所またはPOIデータベースから受信された情報に基づいてまたは前記ユーザによって指定されたように、前記適切な位置カテゴリを保存する。フィールド532において、ユーザは、前記事業所またはPOIの位置名称の最低共有レベルとしてデフォルト設定を選択するか、または、選択肢の範囲から、前記ユーザがその特定位置に居る際に対応共有レベルに在るユーザ間で共有すべき位置状態を指定する。フィールド534において、ユーザは、前記事業所またはPOIの位置カテゴリに対する最低共有レベルとして前記デフォルト設定を選択するか、または、選択肢の範囲から、前記ユーザがその特定位置に居る際に対応共有レベルに在るユーザ間で共有すべき位置状態を指定する
【0028】
図6に示すように、表600は、例示的表であり、各共有レベルに対応するユーザの位置ベースの存在状態の決定および保存を示す。フィールド602は共有レベルを示し、この共有レベルは、現在のインプレメンテーションにおいて、表210に示すように0〜3の範囲内にある。ユーザは新規の共有レベルを追加することができるが、この例示的インプレメンテーションの目的のため、レベル0〜3(レベル0においては共有すべき位置状態は無いため、レベル1〜3のみが対応する位置状態を有する)があると想定する。前述したように、レベル1において、位置名称は市および州情報に基づいており、モバイル加入者の位置状態が決定されると、ブロック408、420または426において、対応する市および州情報が、記録610に対応するフィールド606において更新される。さらに、このレベルにおける最新の既知の状態を類似の表中のタイムスタンプと共に保存して、これにより、決定ブロック310において、現在の状態が先行状態から変わったか否かを決定することができる。さらに、モバイル加入者の位置状態が決定されると、ブロック408、422、および426において、対応するレベル2およびレベル3の記録612および614が相応に更新される。前記ユーザが表500または520に対応するユーザ指定位置またはその近隣に居る場合、フィールド604内の対応する状態は、「現在所在中」または「現在近隣に所在中」と示し、または、別の記述子が、指定された位置の近隣地を示す。さらに、レベル3の状態に対して、614において、適切な距離または到達所要時間を保存して、ユーザが各位置から「何マイル以内にいる」かまたは「何分間以内」に来ることを示すことができる。別の場合において、ブロック410におけるモバイル加入者の状態が「運転中」と決定された場合、記録612および614のフィールド608内の対応する状態インジケータ選択肢が保存される。
【0029】
図7は、位置アプリケーション124aまたは124bの共有レベル選択肢を示すための、モバイルデバイス120aまたは120bの例示的ユーザインターフェースである。共有レベルインターフェース700は、設定702によって示されるようなデフォルト共有レベルを選択する選択肢を含む。ユーザは、前記共有レベルのうちいずれかを選択し、当該共有レベルの設定を変更することもできる。共有レベルインターフェース画面710は、共有レベル1の設定を記述し、このレベル(すなわち、「市、州」)のデフォルト名称を含み、かつ、選択肢ボタンを提供する。この選択肢ボタンは、共有レベルの名称を指定または変更する選択肢を提供する。設定712は、このレベルにおける位置名称タイプについて利用可能である選択肢を示し、地域レベル名称タイプに基づいており、かつ、このレベルについて1つ以上の地域レベル名称タイプを選択する選択肢を提供する。「+」は、この選択肢が現在選択されていることを示し、「−」は、この選択肢は選択されていないが、この共有レベルにおいて選択することが可能であることを示す。共有レベルインターフェース画面720は、共有レベル2に対する設定を記述し、このレベルに対するデフォルト名称である「お気に入りの位置」を含み、かつ、この共有レベルにおける名称および他の設定を変更する選択肢を提供する。設定722は、このレベルにおける位置名称タイプに対する選択されかつ利用可能な選択肢(例えば、お気に入りの位置、POIカテゴリおよびPOI名称を選択するための選択肢)を示す。お気に入りの位置の例を挙げると、表500中のユーザ指定位置および表520中のユーザが指定した事業所またはPOI位置がある。POIカテゴリ設定は、表520中に含まれていない他のPOI位置に対応する全てのカテゴリを含む。POI名称設定は、表520中に含まれていない他のPOI位置に対応する名称を含み、これは、共有レベル2においてデフォルトとして選択されないが、ユーザは、この共有レベルにおいてこの選択肢を指定し得る。共有レベルインターフェース画面730は、共有レベル3に対する設定を記述し、このレベルにおけるデフォルト名称である「位置座標」を含み、かつ、前記共有レベルの名称を指定または変更する選択肢を提供する。設定732は、このレベルの位置情報について利用可能な選択肢を示し、共有レベル2において利用可能な位置情報に加えて近隣地ベースの情報(例えば、最近隣の交差点、街路名称、およびPOI名称)にも基づいており、かつ、このレベルにおける街路住所および位置座標を共有する選択肢を含む。
【0030】
図8は、ユーザ指定位置に対応するユーザの好きなメッセージング選択肢を決定するための例示的フローチャートである。決定ブロック406において前述したように、ユーザがユーザ指定位置のいずれかに居ると決定された場合、この位置における位置状態を決定するプロセスにおいて、ブロック408はサブルーチン800も含む。ブロック802に示すように、ユーザは、ユーザ指定位置に居ると決定される。ブロック804の決定試験において、前記ユーザが、当該ユーザ指定位置に対応する任意の好きなメッセージング選択肢を指定しているかが決定される。例えば、ユーザは、ユーザの位置状態が「自宅に居る」状態である場合に自宅の電話機を好きな発呼側選択肢として指定し得るか、または、ユーザの位置状態が「仕事場に居る」状態である場合に仕事場の電話機を好きな発呼側選択肢として指定し得る。他の場合において、前記ユーザは、eメール、SMSまたはIMを好きなメッセージング選択肢として指定し得る。このような好きなメッセージングまたは発呼側の選択肢が指定されている場合、ブロック806において、この選択肢は位置状態表600に付加される。
【0031】
図9は、特定の位置カテゴリに対応するユーザの好きなメッセージング選択肢を決定するための例示的フローチャートである。ユーザが事業所またはPOI位置にあると決定された場合、ブロック428は、この位置における位置状態を決定および更新するプロセスにおいて、サブルーチン900を含む。ブロック902に示すように、ユーザは、事業所またはPOI位置に居ると決定される。ブロック904の決定試験において、前記ユーザが、当該事業所またはPOI位置に対応する任意の好きなメッセージング選択肢を指定したか、あるいは、当該位置カテゴリに対して任意のデフォルト選択肢が存在するかが決定される。例えば、図書館というPOIカテゴリに対して、前記ユーザは、eメール、SMSまたはIMを好きなメッセージング選択肢として指定することができる。このような好きなメッセージング選択肢が指定された場合、ブロック906において、このメッセージング選択肢は、前述した表600中の位置状態に付加される。
【0032】
図10は、ユーザの現在位置またはその近隣において複数のまたは同一場所にある事業所またはPOI選択肢がある場合にに位置状態を決定するための例示的フローチャートである。前述したように、試験ブロック410において、ユーザがユーザ指定位置におらずかつ運転中としてみなされる指定速度を越える速度で移動していない場合、ユーザが事業所またはPOI位置に居るかについて決定するための試験を行う。しかし、いくつかの場合、複数の同一場所にある事業所またはPOI位置は、モバイルポジショニングシステム112の精度制約内におけるユーザの現在位置に対応し得る。また、前記ユーザがより低速で移動しており、静止状態ではない場合もある。これらのシナリオに対処し、対応する事業所またはPOI位置を決定するため、ブロック414、424および426の機能は、サブルーチン1000によって代替され得る。決定ブロック1002において、先ず、前記ユーザがモバイルポジショニングシステム112の精度制約内において静止状態であるかを決定する。前記ユーザが静止状態であるとみなされない場合、ブロック1006において、位置アプリケーション124aまたは124bに対し、指定された時間間隔だけ待機するよう命令し、その後、位置アプリケーション124aまたは124bは、更新された位置座標をリクエストし、ブロック1002におけるプロセスを繰り返す。前記ユーザが静止状態であるとみなされた場合、ブロック1004において、最近隣のPOI位置および対応する距離を決定する。決定ブロック1008において、前記ユーザの現在位置がたった1つの1つの事業所またはPOI位置に対応するかについて試験を行い、この試験結果が「はい」である場合、ブロック1016において、当該位置の前記事業所またはPOI名称、カテゴリおよび住所情報を現在位置として提供する。この試験結果が「はい」ではない場合、ブロック1010において、前記ユーザの現在位置が前記精度制約および指定された距離基準内において決定されるような複数のPOI位置に対応し得るかについて決定する。ユーザ位置の近隣において複数の同一場所にあるまたは近隣にあるPOI位置が存在する場合、ブロック1012において、ユーザの指定距離以内の最近隣位置のリストをユーザの位置アプリケーション124aまたは124bに提供し、ブロック1014において、現在位置を前記提示されたリストから選択するよう前記ユーザをプロンプトし、ユーザの入力に基づいて、当該位置に関する情報をブロック1016に提供する。しかし、指定時間以内に前記ユーザからの応答が無い場合、ブロック1006において、位置アプリケーション124aまたは124bは、指定された時間間隔だけ待機するよう命令され、更新された位置座標をリクエストし、その後、ブロック1002におけるプロセスを繰り返す。
【0033】
上記記載において本発明の例示的実施形態について説明したが、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に記載するような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、いくつかの改変および変更が可能であることを理解する点に留意されたい。