(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6093776
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】電気集塵装置のクリーニングのための方法および装置
(51)【国際特許分類】
B03C 3/76 20060101AFI20170227BHJP
B03C 3/40 20060101ALI20170227BHJP
B03C 3/70 20060101ALI20170227BHJP
B03C 3/74 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
B03C3/76
B03C3/40 A
B03C3/70 Z
B03C3/74 E
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-543997(P2014-543997)
(86)(22)【出願日】2012年10月28日
(65)【公表番号】特表2014-533607(P2014-533607A)
(43)【公表日】2014年12月15日
(86)【国際出願番号】IB2012055953
(87)【国際公開番号】WO2013080065
(87)【国際公開日】20130606
【審査請求日】2014年5月29日
【審判番号】不服2016-5374(P2016-5374/J1)
【審判請求日】2016年4月12日
(31)【優先権主張番号】11191167.3
(32)【優先日】2011年11月29日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ベック
【合議体】
【審判長】
渡邊 豊英
【審判官】
高橋 祐介
【審判官】
千葉 成就
(56)【参考文献】
【文献】
特許第2514411号公報
【文献】
特公平4−75789号公報
【文献】
特公平1−53106号公報
【文献】
特開平8−252480号公報
【文献】
特開昭59−42055号公報
【文献】
特開2008−221175号公報
【文献】
特開2004−349145号公報
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03C 3/76 , B03C 3/40 A, B03C 3/70 Z, B03C 3/74 E
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの放電極(26)と少なくとも1つの集電極(28)とを備え、処理ガスからダスト粒子を除去するよう動作する電気集塵装置(6)の前記少なくとも1つの集電極(28)のクリーニング方法であって、
第1の動作モードにおいて、前記少なくとも1つの放電極(26)と前記少なくとも1つの集電極(28)との間に第1の平均電流(I1)を流すステップと、
前記第1の動作モードから、前記少なくとも1つの放電極(26)と前記少なくとも1つの集電極(28)との間に第2の平均電流(I2)を流す第2の動作モードに切り換えるステップと、を含み、
前記少なくとも1つの集電極(28)の強制クリーニングを実現するため、前記第2の平均電流(I2)は前記第1の平均電流(I1)よりも少なくとも3倍大きい、クリーニング方法において、
前記少なくとも1つの集電極(28)の強制クリーニングの必要を示す強制クリーニング信号を生成するステップをさらに含み、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへ切り換えるステップは、前記強制クリーニング信号に応じて開始される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2の平均電流(I2)は、前記第1の平均電流(I1)よりも少なくとも10倍大きい、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記電気集塵装置(6)は、所定の時間間隔、好ましくは20秒〜30分の範囲の所定の時間間隔の間、前記第2の動作モードで動作される、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへ切り換えるステップの前に、前記少なくとも1つの集電極(28)への振動付与が行われる、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの集電極(28)への振動付与は、前記第2の動作モードの間に行われる、請求項1から4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
逆電離検出システムによって、前記少なくとも1つの集電極(28)の強制クリーニングの必要を示す強制クリーニング信号を生成するステップをさらに含む、請求項1から5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
タイマによって、前記少なくとも1つの集電極(28)の強制クリーニングの必要を示す強制クリーニング信号を生成するステップをさらに含む、請求項1から6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの集電極(28)の、前記処理ガスの流れ方向から見て下流のダスト粒子濃度を測定するダスト粒子測定装置(52)によって、前記少なくとも1つの集電極(28)の強制クリーニングの必要を示す強制クリーニング信号を生成するステップをさらに含む、請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの集電極(28)のクリーニングのための振動付与スケジュールを用い、前記振動付与スケジュールにおいて一定間隔で前記少なくとも1つの集電極(28)の強制クリーニングの必要を示す強制クリーニング信号を発するステップとをさらに含む、請求項1から8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記電気集塵装置(6)の両電極(26、28)にパルス電流を流し、パルス電流間の間欠的な時間は、前記第1の動作モードと比べて、前記第2の動作モードでは、より短い、請求項1から9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
セミパルス構成でより多くの利用可能なパルスを用いることによって前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへ切り換えるときに、前記間欠的な時間は減少される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの放電極(26)と少なくとも1つの集電極(28)とを備え、処理ガスからダスト粒子を除去するよう動作する電気集塵装置(6)の前記少なくとも1つの集電極(28)のクリーニングの制御装置(14、16、18)であって、
前記制御装置(14、16、18)は、第1の動作モードにおいて、前記少なくとも1つの放電極(26)と、前記少なくとも1つの集電極(28)との間に第1の平均電流(I1)を流し、かつ、前記第1の動作モードから、第2の平均電流(I2)を前記少なくとも1つの放電極(26)と前記少なくとも1つの集電極(28)との間に流す第2の動作モードに切り換えるよう動作し、
前記集電極(28)の強制クリーニングを実現するため、前記第2の平均電流(I2)は、前記第1の平均電流(I1)よりも少なくとも3倍大きい、制御装置において、
前記少なくとも1つの集電極(28)の強制クリーニングの必要を示す強制クリーニング信号を生成する逆電離検出システム(14、16、18)を備えている、
ことを特徴とする制御装置。
【請求項13】
前記制御装置(14、16、18)は、強制クリーニング信号を生成するためのタイマを備えている、請求項12記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの放電極と少なくとも1つの集電極を備え、処理ガスからのダスト粒子を除去するよう動作する電気集塵装置の、少なくとも1つの集電極のクリーニングのための方法に関する。
【0002】
本発明は、さらに、電気集塵装置の少なくとも1つの集電極のクリーニングのために動作する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
発電プラントなどの燃焼プラントにおける、石炭、石油、泥炭、廃棄物などの燃料の燃焼中には高温の処理ガスが発生し、このような処理ガスは、他の成分の中で、ダスト粒子(時にはフライアッシュと呼ばれる)が含まれている。ダスト粒子は、多くの場合、たとえばEP2078563に記載される種類の電気集塵装置(ESPともいう)によって処理ガスから除去される。
【0004】
ESPに関連する1つの問題は、所謂逆電離効果であり、すなわち、集電極上にすでに捕集されたダスト粒子層の高い電気抵抗によって、動作中にダスト層の絶縁破壊が生じ、これによってESPの集塵効率が低下しうることである。
【0005】
EP2078563には、逆電離の負の効果を低減する能力が改善された電気集塵装置が開示されている。ESPは燃焼空気処理に供給される燃焼空気の温度を示す指標信号に基づいて制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP2078563
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
EP2078563に従うESPの動作によって、逆電離の負の効果はある程度低減される。しかし、逆電離効果によって、ESPの動作には未だ負の影響が生じうる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題は、上記の逆電離の問題を軽減する、電気集塵装置(ESP)の少なくとも1つの集電極をクリーニングするための方法を提供することである。
【0009】
上記課題は、少なくとも1つの放電極と少なくとも1つの集電極とを備え、処理ガスからダスト粒子を除去するよう動作する電気集塵装置の少なくとも1つの集電極のクリーニング方法によって解決され、該方法は、第1の動作モードにおいて、少なくとも1つの放電極と少なくとも1つの集電極との間に第1の平均電流を流すステップと、第1の動作モードから、少なくとも1つの放電極と少なくとも1つの集電極との間に第2の平均電流を流す第2の動作モードに切り換えるステップと、を含み、少なくとも1つの集電極の強制クリーニングを実現するため、第2の平均電流は第1の平均電流よりも少なくとも3倍大きいことを特徴とする。
【0010】
本発明者は、電流増大時に生じる強制的な強い逆電離が、電気集塵装置の集電極のクリーニング、または、クリーニングの支援に用いることができることを見いだした。したがって、本方法は、一時的に強められる逆電離効果を、ダストのESPの集塵板からのクリーニングに用いることができるということに基づいている。すなわち、強制的なクリーニングがダスト層における逆電離の誘起によって実現される。すなわち、強制逆電離動作が、高抵抗のダストを集電極からクリーニングするために間欠的に用いられ、その結果、通常動作時の逆電離の問題は最少化される。集塵板の強制クリーニングの必要があるとき、動作は第2の動作モードに切り換えられる。第2の動作モードの間、逆電離効果は、電極間に流される電流の増大によって強められる。本方法の利点は、ESPの集塵板が高抵抗のダストからクリーニング可能であることである。したがって、粘着性の高抵抗のダストによる動作上の障害が低減可能である。さらに、本方法は、付加的なハードウェアおよび/または設備を必要とすることなく既存のESP制御装置および高電圧電源に搭載可能であるため、クリーニングはコスト効率的に行われる。
【0011】
一実施形態では、動作モードは、少なくとも1つの集電極の強制クリーニングの必要を示す強制クリーニング信号に応じて、第1の動作モードから第2の動作モードへ切り換えられる。
【0012】
好ましくは、第2の平均電流は、第1の平均電流よりも5倍〜200倍の範囲で大きく、より好ましくは、第2の平均電流は、第1の平均電流よりも10倍〜100倍の範囲で大きい。
【0013】
一実施形態では、電気集塵装置は、所定の時間間隔の間、第2の動作モードで動作される。好ましくは、電気集塵装置は、20秒〜30分の範囲の所定の時間間隔の間、より好ましくは、30秒〜15分の範囲の所定の時間間隔の間、最も好ましくは、1分〜5分の範囲の所定の時間間隔の間、第2の動作モードで動作される。
【0014】
一実施形態では、動作モードの切り換えの前に、少なくとも1つの集電極への振動付与(rapping)が行われる。この実施形態の利点は、ある程度のダストが第2の動作モードに入る前に振動付与により除去可能であることである。これにより、第2の動作モード中にガス流中に戻るダストの量は低減される。
【0015】
一実施形態では、少なくとも1つの集電極への振動付与は、第2の動作モードの間に行われる。第2の動作モードで電気集塵装置が動作している間に振動付与を行うことの利点は、強制逆電離動作のクリーニング効果と振動付与のクリーニング効果との相乗効果によって、集電極のクリーニングがさらに改善可能であることである。
【0016】
一実施形態では、強制クリーニング信号は逆電離検出システムによって生成される。この実施形態の利点は、集電極の強制クリーニングの必要があればすぐに、ESPの動作が第2の動作モードに自動的に切り換え可能なことである。したがって、動作障害を最少化するために、集塵プレートからダストを除去する必要があればすぐに逆電離クリーニング動作が実行される。
【0017】
一実施形態では、強制クリーニング信号はタイマによって生成される。この実施形態の利点は、集塵プレートのクリーニングの非常に簡単かつロバストな制御が提供可能なことである。
【0018】
一実施形態では、本方法は、少なくとも1つの集電極の、処理ガスの流れ方向から見て下流のダスト粒子濃度を測定するダスト粒子測定装置によって、少なくとも1つの集電極の強制クリーニングの必要を示す強制クリーニング信号を生成するステップをさらに含む。
【0019】
一実施形態では、本方法は、少なくとも1つの集電極のクリーニングのための振動付与スケジュールを用い、振動付与スケジュールにおいて一定間隔で少なくとも1つの集電極の強制クリーニングの必要を示す強制クリーニング信号を発するステップとをさらに含む。
【0020】
一実施形態では、強制クリーニング信号は、逆電離検出システム、タイマ、ダスト粒子測定装置および振動付与スケジュールのうちの2つ以上の組み合わせを用いるアルゴリズムに基づいている。この実施形態には、強制クリーニング信号の生成に関して、さらなる調整が可能となるという利点がある。
【0021】
一実施形態では、電気集塵装置の両電極にはパルス電流が流され、パルス電流間の間欠的な時間は、第1の動作モードと比べて、第2の動作モードでは、より短い。たとえば、セミパルス(semi-pulse)構成においてより多くの利用可能なパルスを用いることによって第1の動作モードから第2の動作モードへの切り換えるときに、この間欠的な時間は減少される。
【0022】
本発明の別の課題は、電気集塵装置の動作を制御するよう動作し、かつ、処理ガスからのダスト粒子の効率的な除去を維持しつつ上記の逆電離の問題を減少する改善された能力を有する装置を提供することである。
【0023】
上記課題は、少なくとも1つの放電極と少なくとも1つの集電極とを備え、処理ガスからダスト粒子を除去するよう動作する電気集塵装置の少なくとも1つの集電極のクリーニングの制御装置によって解決され、該制御装置は、第1の動作モードにおいて、少なくとも1つの放電極と、少なくとも1つの集電極との間に第1の平均電流を流し、かつ、第1の動作モードから、第2の平均電流を少なくとも1つの放電極と少なくとも1つの集電極との間に流す第2の動作モードに切り換えるよう動作し、集電極の強制クリーニングを実現するため、第2の平均電流は、第1の平均電流よりも少なくとも3倍大きい、ことを特徴とする。
【0024】
本装置の利点は、本制御装置が、第1の動作モードにおける逆電離問題による動作障害が低減されるように、少なくとも1つの集電極のクリーニングの制御のために動作されることである。
【0025】
別の課題および特徴は、発明の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなる。
【0026】
本発明について、添付図面を参照して以下より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】電気集塵装置が設けられた発電プラントの概略側面図である。
【
図2】本発明の一実施形態にかかる電気集塵装置の制御方法を示す概略フロー図である。
【
図3】本発明の一実施形態にかかる電気集塵装置の動作を示す概略図である。
【
図4】本発明の代替的実施形態にかかる電気集塵装置の動作を示す概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、概略側面図であり、側面から見た発電プラント1を示す。発電プラント1は石炭燃料ボイラ2を備えている。石炭燃料ボイラ2の中では空気の存在下で石炭が燃焼され、所謂燃焼排ガス3の形態の高温の処理ガスが発生し、このガスはダクト4を介して石炭燃料ボイラ2を出る。石炭燃料ボイラ2内で生成された燃焼排ガス3は、ダスト粒子を含み、ダスト粒子は、燃焼排ガスが環境に排出される前に燃焼排ガス3から除去されなければならない。ダクト4は、汚染物を含む燃焼排ガス3を、燃焼排ガスの流れ方向に対してボイラ2の下流に位置する電気集塵装置(ESP)6に送る。ESP6は、燃焼排ガス3の流れ方向で見て連続的に配置された、第1のフィールド8、第2のフィールド10および第3のフィールド12と通常呼ばれる部分を有する。3つのフィールド8、10、12は、互いに電気的に絶縁されている。各フィールド8、10、12には、各高圧電源20、22、24の機能を制御する各制御装置14、16、18が設けられており、これらはたとえばトランス整流器である。
【0029】
各フィールド8、10、12は、典型的には、複数の放電極と、複数の集電極板とを有しているが、
図1では、記載をわかりやすくするために、第1のフィールド8の、2つの放電極26と、1つの集電極板28のみを有している。
図1には、整流器20がどのように電力(すなわち電圧および電流)を第1のフィールド8の放電極26と集電極板28との間に流して、燃焼排ガス3中に存在するダスト粒子を付着させるかが概略的に記載されている。帯電すると、ダスト粒子は、集電極板28の表面に付着する。同様の過程が第2および第3のフィールド10、12において起こる。捕集されたダストは、所謂振動付与装置により、集電極板28から除去され、最終的にホッパ30、32、34に集められる。各フィールド8、10、12には、振動付与装置40、42、44がそれぞれ設けられている。各振動付与装置40、42、44は、対象のいずれか1つのフィールド8、10、12の集電極板28への振動付与によって、そのクリーニングに作用するよう動作されるように設計されている。
【0030】
図1に示される振動付与装置40は、一組のハンマを備えているが、記載をわかりやすくするために、そのうちの1つのハンマ46のみが
図1中に記載されている。このようなハンマがどのように設計されるかの1つの例が、US4,526,591により全体的に記載されている。他の種類の振動付与装置も用いることができ、たとえば、いわゆる磁気インパルス重力衝撃ラッパ(magnetic impulse gravity impact rapper)(MIGIラッパともいう)や、超音波ホーンを用いる振動付与装置も、このために用いることができる。ハンマ46は、集電極板28に衝撃を付与し、その上に捕集されたダスト粒子が集電極板28から剥離し、対象のフィールド8、10、12の各1つのそれぞれ下に配置されたホッパ30、32、34の適切な1つに捕集されるように設計されている。振動付与装置40、42、44の動作は、振動付与制御装置48によって制御されるよう設計されている。振動付与装置40、42、44は、代替的に、それぞれ制御装置14、16、18によって直接制御されても良い。たとえば、第1の動作モードでは、通常ほとんどのダストが捕集される第1のフィールド8の集電極板28は、たとえば、10分毎に振動付与され、第2のフィールド10の集電極板はたとえば30分毎に振動付与され、最後に、第3のフィールド12の集電極板はたとえば2時間毎に振動付与される。
【0031】
ダクト36は、ダスト粒子の少なくとも一部が除去された燃料排ガス37を、ESP6から煙突38に送る動作をするよう設計されている。煙突38は、環境に清浄化された燃料排ガス37を放出する。
【0032】
プラント制御コンピュータ50が設けられており、これは、各制御装置14、16、18と通信可能であり、たとえば、各電源20、22、24の出力電流を制御する。プラント制御コンピュータ50は、また、たとえば振動付与制御装置48を介して、集電極28への振動付与を制御する。
【0033】
不透明度監視装置52が、ダスト粒子濃度の目安としての清浄化されたガス37の不透明度を検出するために設けられている。したがって、不透明度監視装置52は、ESP6の動作を評価するために使用可能な不透明度信号を生成するよう動作する。不透明度監視装置52は、プラント制御コンピュータ50(
図1に破線で示される)および/または制御装置14、16、18と通信可能である。
【0034】
上記のように、逆電離効果は処理ガスからダスト粒子を除去する能力に影響する。高抵抗のダストを生成する粒子を含むガスの清浄化に関する従来のESPの能力は、典型的には、集電極板上のダスト層において逆電離が発生するために比較的低い。通常動作時の過剰な逆電離効果を避けるため、ESPの電流は、典型的には、従来のESPでは非常に低い。さらに抵抗の高い内側のダスト層がしばしば形成されるため、このようなESPの長時間の動作の後には状況はいっそう悪化する。層中の粒子の強い電気的保持力とサイズの小ささのために、この内側の層は、通常のクリーニング(たとえば従来の振動付与)では集塵板から除去することは難しい。この内側の層を除去するために、集電極の強制クリーニングが必要である。集電極の強制クリーニングが通常のクリーニングから異なっている点は、強制クリーニングにおいて、通常のクリーニング(たとえば振動付与)によっては集塵板から取り除かれない高抵抗のダストが集塵板から除去されることである。
【0035】
原則的に、ESP電流の増大は、ダスト層の電気的保持力を増大させる。しかし、これはある点までにしか当てはまらず、その後は、強い逆電離の開始が保持力の低下、さらには高電流入力時の集塵板からのダストの剥離の作用をもたらす。これに基づいて、集電極を高抵抗のダストからクリーニングするために、強制的な強い逆電離を間欠的に用いることができることが見いだされた。このようにして、集塵板はより清浄に維持され、これにより、通常動作中の逆電離効果は最少化される。基本的に、間欠的な強い逆電離が、通常動作中の逆電離の負の効果を低減するために用いられる。
【0036】
本発明は、各個別のフィールド8、10、12における集塵板28上のダスト層における、たとえば逆電離の存在およびその強度に基づいて、ESP6の動作を制御する制御構成に関する。上記のように、集電極板28は、時折、通常の振動付与の場合よりもより強制的にダストをクリーニングする必要がある。あるフィールドの集電極板28が高抵抗のダストの強制クリーニングを必要とするとき、このフィールドは、所定の時間間隔の間、集電極板28上のダスト層における強い逆電離を伴って動作される。これにより、後述するように、出力ガス流中のダスト粒子留分を低い量に維持しつつ、ESPの動作を改善することができる。
【0037】
ダスト粒子を捕集するための基礎動作に対応する第1の動作モードでは、第1の電流を各高圧電源20、22、24によってフィールドの電極間に流す。典型的には、高抵抗のダストのために、集電極板面積m
2当たり2〜50μAの範囲の低い平均電流密度が、最適なESP能力のための第1の動作モードにおいて用いられる。
【0038】
個々のフィールドにおいて集電極の強制クリーニングの必要が検出されるとき、そのフィールドの集電極28は高抵抗のダストをクリーニングする必要がある。このとき、制御装置14、16、18の各々は、強制クリーニング信号を取得する。典型的には、このような強制クリーニング信号はたとえば、個々のフィールド8、10、12における逆電離状態を決定するよう動作する逆電離検出アルゴリズムによって生成される。好ましくは、逆電離検出アルゴリズムは、各制御装置14、16、18に搭載されており、このような各制御装置14、16、18に逆電離検出システムが含まれている。代替的に、逆電離検出アルゴリズムは、プラント制御コンピュータ50に搭載されても良い。これに関して、例示のみで限定するものではないが、逆電離の傾向およびその後の強制クリーニング信号の測定はESP動作最適化アルゴリズムの実施により行われ、そのアルゴリズムは、自動的かつ連続的に、変化する処理条件下での全体的な集塵効率を最大化するよう、通常動作中の電圧および電流を最適化する。このようなアルゴリズムの設計方法の一例が、US5,477,464に記載されている。しかし、強制クリーニング信号は、代替的に、各制御装置14、16、18に搭載されたタイマまたはプラント制御コンピュータ50に搭載されたタイマにより簡単に生成されても良い。このようなタイマは、たとえば、第1の動作モードでの動作の所定の時間後に強制クリーニング信号を生成するよう設定されている。タイマの設定は、清浄化される燃料排ガスの組成に依存しており、たとえば、対象のプラントまたは同様の燃料排ガス組成を用いる他のプラントにおけるより以前の動作からの経験に基づいている。好ましくは、このようなタイマは、ESPの逆電離検出アルゴリズムおよび/またはダスト粒子濃度を示す信号(たとえば不透明度信号)と組み合わせて用いられる。通常、強制クリーニング信号は、ESP6の集電極28における逆電離の状態に相関している。逆電離の特定の強度を、集電極28の強制クリーニングの必要の検出基準として用いることができる。強制クリーニング信号に応じて、ESP6は第2の動作モードに入り、このモードでは、対象のフィールドの両電極26、28間に流される平均電流は、第1の動作モードでの動作中の平均電流と比較して大きく増大している。このように大きく増大された平均電流は、集電極板28上に捕集されたダスト層において強い逆電離を発生させる。第2の動作モードでは、ESPに流される平均電流は、場合によっては高圧電源の最大規格に比較的近いレベルまで増大される。大きく増大された平均電流およびこれにより生成される強い逆電離の効果としてダスト層内に結果生じるイオン化によって、ダスト層は「緩められ」、ダスト層の少なくとも一部はガス流中に放出される。第2のモードでの動作中に振動付与を行うことにより、さらに高い抵抗のダストが、集電極板28から除去される。
【0039】
ESP電流は、ここでは、粒子を帯電させて捕集するために、ESPの電極に流される電流の時間平均を意味する。典型的には、ESPの電極に供給される平均電流は、サイリスタ回路で開始タイミングを設定することによって変更されるが、電流の供給および変更の他の方法も可能であり、たとえば、高周波電力コンバータを用いても良い。
【0040】
通常、電極の間欠的な通電は、高抵抗のダストが、清浄化されるべきガスに曝される時に用いられる。ESPはたとえば所謂セミパルス(semi-pulse)制御スキームを用いる。セミパルス制御スキームとは、ここでは、交流の入力電流において、ESP電極に電流を供給するために、半周期のすべてを用いないスキームを意味する。代わりに、3つ毎に1つ、5つ毎に1つ、7つ毎に1つなど(交流を維持するため奇数)が用いられる。たとえば、清浄化されるべき燃料排ガス中に高抵抗のダストが存在する場合、1:25の荷電比が用いられるが、この荷電比とは、供給電流の25個の半周期毎に1つが、特定のフィールドの電極26、28に供給されることを意味する。典型的には、ESP6のフィールド毎に荷電比は変化する。合理的な例では、たとえば、第1のフィールド8で1:3の荷電比、第2のフィールド10で1:15の荷電比、第3のフィールド12で1:25の荷電比を用いる。間欠的な周期でのパルスの分離は、ESP内の良好な、全体的な電流の分布を保持しつつ、平均電流を低下させ、これは、第1の動作モードにおける逆電離効果をある程度までに最少化する。しかし、上記のように、逆電離について特定の親和力が存在するとき、集電極28は、高抵抗のダストを取り除くために強制クリーニングが必要である。そのとき、集電極の強制クリーニングの必要を示す信号が生成される。強制クリーニング信号の受信に応じて、ESPの動作は、第1の動作モードから第2の動作モードに切り換えられる。たとえば、第3のフィールド12の集電極の強制クリーニングの必要が検出されるとき、第3のフィールド12の動作は第2の動作モードに切り換えられる。第2の動作モードにおいては、第1の動作モードで流される平均電流よりもはるかに大きい第2の平均電流が、高圧電源24によって第3のフィールド12の両電極26、28の間に流される。たとえば、第2の動作モードにおいて、電極に供給される平均電流は、第1の動作モードにおいて両電極26、28に供給される平均電流と比べて25倍増大されるように、電流は増大される。たとえば、第1の動作モードから第2の動作モードに切り換えられ時に、平均電流密度は、集電極板面積m
2当たり10μAから250μAに増大される。増大された平均入力は、集電極板上のダスト層内の強い逆電離、すなわち、イオン化を生じさせる。ダスト層内で結果生じるイオン化によって、集電極板上のダストの塊は「緩められ」、ガス流中にダストが放出され、これにより、高抵抗のダストからの集電極板28の強制クリーニングが行われる。
【0041】
図2は、フロー図であり、
図1のESP6の少なくとも1つの集電極のクリーニングの第1の方法のステップを示す。これによれば、第1のステップ(
図2中で52として示す)で、ESP6は第1の動作モードで動作される。このモードでは、第1の平均電流I
1(
図3に示す)が、各整流器20、22、24によって、各フィールドの放電極26と集電極28との間に流される。任意選択的に、第2のステップ(図で54として示す)では、1つのフィールド8、10、12の集電極28の強制クリーニングの必要を示す強制クリーニング信号が生成される。強制クリーニング信号は、たとえば、上記のような逆電離検出システムによって生成される。このような強制クリーニング信号の生成は、対象のフィールドの集電極板28の強制クリーニングの必要が存在するか否かの考慮を含む。
【0042】
任意選択的に、第3のステップ(
図2で56として示す)で、第2の動作モードに入る前にできるだけダスト層の厚さを低減するために、強制クリーニングの必要が検出されたフィールドの集電極板28に対する振動付与が行われる。任意選択的に、この振動付与は所謂パワーダウンラッピング(power down rapping)型であり、これは電極に流される電力が振動付与と共に低減されることを意味する。
【0043】
第4のステップ(
図2で58として示す)で、ESP6の動作は、第1の動作モードから第2の動作モードに切り換えられる。ESP6はたとえば20秒〜30分の範囲内で選択される所定の時間間隔の間、より好ましくは30秒〜15分の範囲内の所定の時間間隔、最も好ましくは1分〜5分の範囲内の所定の時間間隔の間、第2の動作モードで動作される。第2の動作モードで、第1の電流I
1よりもはるかに大きい第2の平均電流I
2(
図3に示す)が放電極26と集電極板28との間に流される。特定のフィールドに供給される電流は、異なるやり方で増大されても良い。流される電流を増大する1つの方法は、セミパルス構成で整流器の荷電比の設定を変更することである。典型的には、第1の動作モードでは、1:25の荷電比が第3のフィールドで用いられる。荷電比をたとえば1:1の比に変化させることにより、両電極26、28間に流される平均電流は、約25倍増大される。代替的に、所望の逆電離クリーニング効果を実現するために、パルス振幅または持続電流を増大させることにより電流は増大される。荷電比および振幅の増大を変化させることは、もちろん組み合わせ可能である。
【0044】
任意選択的に、第5のステップ(
図2で60として示す)で、第2の動作モードで動作されるフィールドの集電極板28の振動付与が行われる。第2の動作モードでの動作中に振動付与を行うことにより、強制クリーニング効果、すなわち、高抵抗のダストの除去はさらに改善される。この場合、1回の振動付与が行われる。しかし、2回以上の振動付与が第2の動作モードでのフィールドの動作中に行われても良い。好ましくは、振動付与は第2の動作モードでのフィールドの動作の終わり付近で行われ、その結果、集電極板28上に捕集されたダスト層は、振動付与の前に、強い逆電離によって「緩められる」。
【0045】
さらに、
図2中でループ(
図2中で62として示す)により示されるように、ESP6の動作は次いで第1の動作モードに戻されて、ESPは強制クリーニング動作の必要が再びあるまで第1の動作モードで動作される。
【0046】
図3を参照して、ここには一例によって第1の方法が動作するやり方を示す概略図が示されている。時間T0(
図3中T0として示す)で、ESP6の対象のフィールドは第1の動作モードで動作され、このフィールドの放電極26と集電極板28との間に第1の平均電流I
1が流される。時間T1(
図3中T1で示す)で、フィールドの集電極28の強制クリーニングの必要を示す信号が生成される。時間T2(
図3中T2で示す)で、フィールドにおける振動付与が開始される。振動付与は、その後、対応する振動付与装置によって行われる。時間T3(
図3中T3で示す)で、この振動付与は終了する。振動付与の後、制御装置は、時間T4(
図3中T4で示す)で、上記のように、フィールドの動作を第1の動作モードから第2の動作モードに切り換える。すなわち、フィールドの放電極26と集電極28との間に流される電流は、対応する高圧電源により、第2の平均電流I
2に増大される。第2のモードでのフィールドの動作は、約4分間続く。時間T5(
図3中T5として示す)で、対応する振動付与装置はフィールドにおいて振動付与を行う。時間T6(
図3中T6で示す)で、この振動付与は終了する。時間T7(
図3中T7で示す)で、制御装置は、フィールドの動作を第2の動作モードから第1の動作モードに切り換え、すなわち、第2の平均電流I
2から第1の電流レベルI
1に減少させる。時間T8(
図3にT8で示す)において、フィールドは第1の動作モードで再び動作される。
【0047】
図4には代替的な実施形態が記載されており、これは、
図2および3に関する記載と関連して上記が参照される。すなわち、
図4の実施形態のステップ52、54、56、58、60は、
図2および3に関連して上記したものと同様に行われる。この代替的実施形態は、上記の実施形態とは、以下に示される付加的なステップを含む点で異なっている。この代替的実施形態では、ESP動作の評価が、強制逆電離クリーニング動作が行われた後で行われる。すなわち、第6のステップ(
図4で64として示す)で、ESPの動作は、一時的な第1の動作モードに切り換えられる。
【0048】
任意選択的に、第7のステップ(
図4で66として示す)で、以前は第2の動作モードで動作していたが現在は一時的な第1の動作モードで動作しているフィールドにおいて、集電極板の振動付与が行われる。
【0049】
第8のステップ(
図4で68として示す)で、ESP動作の評価が、
図1の不透明度監視装置52からの不透明度信号または電気的読み取りに基づいて、行われる。評価ステップ68には、ステップ68におけるESPの能力における、ステップ52におけるより早い能力に対する検出された差の考慮が含まれる。動作が「可」であると判別されたとき、
図4にループにより示されるように、ESP6の動作は、ステップ62に従って、第1の動作モードに戻り、ESPは新たな強制クリーニング信号が生成されるまで第1の動作モードで動作される。第2のモードが実行された後、第1のモードでのESPの動作は、次いで、ESP動作の評価に基づいてさらに最適化可能である。すなわち、成功した強制クリーニング動作により、たとえば、第2のモードに入る前に流された平均電流I
1よりも幾分高い電流I
1’を流すことができる。一方で、ステップ68で評価されたESPの動作が「不可」であると判別されたとき、
図4の第2のステップ54へ戻る矢印で示されるように、強制クリーニング信号が生成され、ESPの集電極板28のさらなる強制クリーニングのために、新たな連続するステップ54、56、58、60、64、66および68が開始される。
【0050】
上記記載は、ある種の石炭火力発電プラント、ある種の冶金処理およびある種のセメント処理などの、高抵抗のダストを生成する傾向のある燃焼処理および産業処理に特に関連して考慮される。高抵抗のダストとは、ここでは、IEEE標準548−1984または同様の標準にしたがう、10
11Ωcmの桁の抵抗率を有するダストを意味するが、それでも、本方法は、より導電性のダスト組成物についても関連しうる。
【0051】
上記の処理における問題を生じうる別の問題は、例えば低燃焼により生じる炭化水素がESP内の集電極板およびダスト層を汚染することである。このような炭化水素の除去も、上記開示に従う強制クリーニングによって支援できる。
【0052】
上記の種々の実施形態の多くの変形が添付の特許請求の範囲の範囲内で可能である。
【0053】
上記では、
図1〜4を参照して、強制クリーニング信号が逆電離検出システムによって生成可能なことが記載されている。強制クリーニング信号はタイマ、または、逆電離検出システムとタイマの組み合わせにより生成されても良い。清浄化されるべき燃焼排ガスの組成に基づいて、集電極の強制クリーニングの必要は動作時間に相関しうる。すなわち、タイマは、たとえば、24時間毎に最後のフィールドにおける強制クリーニング信号を生成するよう設定される。強制クリーニングをESPの通常のクリーニングたとえば従来の振動付与と協働させてもよい。これは、たとえば、ESPの従来の振動付与のシーケンスを定める振動付与スケジュールに基づいて行われる。たとえば、振動付与スケジュールにおける5番目毎の計画的振動付与が、強制クリーニングにより置き換えられても良い。代替的に、強制クリーニングは、振動付与スケジュールの2回の振動付与の間に開始されても良い。すなわち、周期的な強制クリーニング信号が、振動付与スケジュールに基づいて生成されても良い。従来の振動付与は、典型的には、強制クリーニングよりも頻繁に行われる。好ましくは、長い時間周期(たとえば1週間、または1月)にわたって見て、従来の振動付与の回数は強制クリーニング動作の回数の少なくとも3倍大きい。
【0054】
また、ダスト粒子濃度を示す信号、たとえば不透明度信号は、強制クリーニング信号を生成するアルゴリズムに含まれていても良い。
【0055】
一実施形態では、タイマ、逆電離検出システムおよびダスト粒子測定装置が、強制クリーニング信号を生成するために用いられる。タイマにより生成される周期的な強制クリーニング信号に加えて、強制クリーニング信号は、この実施形態では、強制クリーニングの必要があるとき常に、逆電離検出システムまたはダスト粒子測定装置によって生成される。タイマは、たとえば、24時間毎に最後のフィールドにおいて強制クリーニング信号を生成するよう設定される。しかし、強制クリーニングの必要はより頻繁に生じる。タイマにより開始される強制クリーニングに加えて、逆電離検出システムまたはダスト粒子測定装置からの情報に基づいて強制クリーニングが開始されても良い。この実施形態は、強制クリーニング信号の生成に関して、さらに調整可能であるという利点がある。
【0056】
上記では、第3のフィールドが1つのフィールドでの集電極の強制クリーニングの必要を示す強制クリーニング信号に応じて第2の動作モードで動作され、他の2つのフィールドは第1の動作モードで動作されることを例示した。他のフィールドそれぞれが同様に第2の動作モードで動作されてもよい。好ましくは、強制逆電離状態の間の異常な(upset)状況のために、2つ以上のフィールドは同時に第2の動作モードで動作されない。
【0057】
上記では、3つのフィールドを有するESPの集電極のクリーニングを例示した。しかし、3つのフィールドより多いまたは少ないフィールドを有するESPの集電極を同様のやり方でクリーニングしてもよい。
【0058】
上記のように、各制御装置14、16、18は、各フィールド8、10、12における強制クリーニングの必要に関する情報を含む信号を受信し、それに応じて各フィールド8、10、12における動作モードを切り換えるよう動作する。1つの代替例として、プラント制御コンピュータ50などの中央ユニットは、各フィールド8、10、12における強制クリーニングの必要に関する情報を含む信号を受信し、用いられるアルゴリズムに従って、制御装置14、16、18それぞれにおける動作モードを切り換えるよう動作する。もちろん、強制クリーニング信号は、また、個々の制御装置14、16、18内で内部生成されても良い。
【0059】
上記のように、振動付与装置40、42、44の動作は、振動付与装置48によって制御されるように設計されている。振動付与装置48は、代わりに、制御装置14、16、18の一部として統合されても良い。
【0060】
上記では、
図1〜4を参照して、ESP6が、ダスト粒子を捕集するための基礎動作に対応する第1の動作モード、および、強制クリーニングが行われる第2の動作モードで動作することが記載されている。ESPは様々な理由のために別のモードで間欠的に動作されても良い。ある場合には、補助モードなどの動作が第2の動作モードにおけるESPの動作の前に行われる。このような補助モードがESPの動作の第2のモードへの切り換えの前に用いられる場合、平均電流の増大は、ダスト粒子を捕集するための基礎動作に対応する第1の動作モードにおいて流される平均電流に関連している。
【0061】
まとめると、電気集塵装置6のクリーニング方法は、第1の動作モードにおいて、少なくとも1つの放電極26と少なくとも1つの集電極28との間に第1の平均電流I
1を流すステップと、第1の動作モードから、少なくとも1つの放電極26と少なくとも1つの集電極28との間に第2の平均電流I
2を流す第2の動作モードに切り換えるステップと、を含み、少なくとも1つの集電極28の強制クリーニングを実現するため、第2の平均電流I
2は第1の電流I
1よりも少なくとも3倍大きい。