(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6093786
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】検査システム及び検査システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
G01N 23/04 20060101AFI20170227BHJP
【FI】
G01N23/04 320
【請求項の数】18
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-18111(P2015-18111)
(22)【出願日】2015年2月2日
(65)【公開番号】特開2016-70909(P2016-70909A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2015年2月2日
(31)【優先権主張番号】14/497,337
(32)【優先日】2014年9月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509069560
【氏名又は名称】テスト リサーチ, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】鄭宇哲
(72)【発明者】
【氏名】巖家和
(72)【発明者】
【氏名】陳世亮
(72)【発明者】
【氏名】邱志彬
【審査官】
立澤 正樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−172763(JP,A)
【文献】
特開2005−331428(JP,A)
【文献】
特開2009−063387(JP,A)
【文献】
特開2010−156607(JP,A)
【文献】
特開2004−132931(JP,A)
【文献】
特開2003−329616(JP,A)
【文献】
特開2001−324456(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第101839871(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/04
G01N 23/18
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源と、
画像検出器と、
前記放射線源と前記画像検出器との間に配置される放置装置と、
を備え、
前記放射線源及び画像検出器が共に駆動されて予定経路に沿って移動され、前記放置装置が少なくとも1つの物体を載置するための載置器と、前記載置器に結合されており、前記載置器を回転させるための回転機構と、を含み、
前記放射線源が第1の方向へX線放射線を放射し、前記載置器が前記第1の方向と垂直な面に位置すると、前記回転機構は、前記載置器を第2の方向まで回転させて、前記第1の方向を前記第2の方向に平行させることに用いる検査システム。
【請求項2】
前記画像検出器は、前記物体を透過した前記X線放射線を検出して、前記物体の側面の画像を取得することに用いる請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記回転機構は、前記載置器を軸方向に沿って予定角度で回転させるように制御することに用いる請求項1に記載の検査システム。
【請求項4】
前記放射線源は、方向が前記軸方向に垂直であるX線放射線を一方向へ放射する請求項3に記載の検査システム。
【請求項5】
前記予定角度は、30°以内である請求項3又は請求項4に記載の検査システム。
【請求項6】
前記放置装置は、
前記回転機構に結合されており、前記回転機構を移動させる移動機構を更に含む請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の検査システム。
【請求項7】
前記放射線源、前記画像検出器、前記載置器及び前記回転機構は、それぞれ独立に駆動される請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の検査システム。
【請求項8】
前記放射線源及び前記画像検出器は、相対的に駆動される請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の検査システム。
【請求項9】
前記回転機構は、ステッピングモータ及びサーボモータの少なくとも1つを含む請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の検査システム。
【請求項10】
放射線源と、画像検出器と、前記放射線源と前記画像検出器との間に配置され、載置器及び回転機構を含む放置装置と、を含む検査システムの制御方法であって、
前記放射線源及び前記画像検出器を駆動して予定経路に沿って移動させる工程と、
前記載置器により物体を載置する工程と、
前記回転機構により前記載置器を回転させる工程と、
を備え、
前記放射線源により第1の方向へX線放射線を放射する工程と、
前記載置器を前記第1の方向と垂直な面に位置させる工程と、
前記回転機構により前記載置器を第2の方向まで回転させて、前記第1の方向を前記第2の方向に平行させる工程と、
を更に備える検査システムの制御方法。
【請求項11】
前記画像検出器により前記物体を透過した前記X線放射線を検出して、前記物体の側面の画像を取得することを更に備える請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記回転機構により前記載置器を軸方向に沿って予定角度で回転させるように制御することを更に備える請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記放射線源により、方向が前記軸方向に垂直であるX線放射線を一方向へ放射する工程を更に備える請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記予定角度は、30°以内である請求項12又は請求項13に記載の方法。
【請求項15】
移動機構に沿って前記回転機構を移動させる工程を更に備える請求項10から請求項14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記放射線源、前記画像検出器、前記載置器及び前記回転機構を独立に駆動する工程を更に備える請求項10から請求項15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記放射線源及び前記画像検出器を相対的に駆動する工程を更に備える請求項10から請求項15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記回転機構は、ステッピングモータ及びサーボモータの少なくとも1つを含む請求項10から請求項17のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出システム及び検出システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非破壊検査(Non−destructive inspection;NDI)は、物体の構造を傷つけずに、又は上記物体を大幅に解体せずに、上記物体を徹底的に測定することができる。そのため、NDIは、物体を解体して測定することによる時間、労働力及びコストの損失を避けることに特に有利であり、更に測定プロセスにおける物体への損害を避けることができる。
【0003】
NDI技術において、X線断層撮影法は、被測定物体の特定の平面の内部断面画像を発生できる画像取得技術である。一般的には、X線断層撮影システムは、X線源と、画像平面を定めるためのX線検出器と、被測定物体をX線源とX線検出器との間に固定するための固定ベースと、を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、X線断層撮影システムにより取得された画像は、その自体の構造に制限される。例としては、被測定物体が固定ベースに放置されて、X線源が上記被測定物体の上方からX線を放射する場合、このX線は、被測定物体を透過する。この場合、別の物体が被測定物体の下方に放置されると、上記別の物体は、被測定物体に遮られる。更に、別の物体が実際に上記被測定物体の欠陥であり、例えば、別の物体は被測定物体と同一の素子であるが、この素子が破損して上記2つの部分(例えば:別の物体と被測定物体)に分けてしまう場合、被測定物体の欠陥が被測定物体に遮られるため、被測定物体の欠陥がX線断層撮影システムに無視されることになる。
【0005】
これにより、上記従来の方法には、明らかに不便と欠陥があり、改善しなければならないことが判明される。上記問題を解決するために、関連分野では、みな工夫して解決策を図っているが、適当な解決方案が長い間も開発されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の内容は、本開示内容の簡略化された要約を提供して、読者に本開示内容を基本的に理解させることを目的とする。この発明の内容は、本開示内容の完璧な概述ではなく、本発明の実施例の重要/大事な素子を指摘し又は本発明の範囲を定めることを意図するものでもない。
【0007】
本発明の内容の目的は、検査システム及び検査システムの制御方法を提供して、先行技術の問題を改善することにある。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の内容の一技術態様は、放射線源と、画像検出器と、前記放射線源と前記画像検出器との間に配置される放置装置と、を備え、前記放射線源及び画像検出器が共に駆動されて予定経路に沿って移動され、前記放置装置が少なくとも1つの物体を載置するための載置器と、載置器に結合されており、前記載置器を回転させるための回転機構と、を含む検査システムに関する。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の内容の別の技術態様は、放射線源と、画像検出器と、放射線源と画像検出器との間に配置され、載置器及び回転機構を含む放置装置と、を含む検査システムの制御方法であって、 放射線源及び画像検出器を駆動して予定経路に沿って移動させる工程と、 載置器により物体を載置する工程と、 回転機構により載置器を回転させる工程と、 を備える検査システムの制御方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
そのため、本発明の技術内容によると、本発明の実施例は、検査システム及び検査システムの制御方法を提供することで、被測定物体が障害物に元々上記物体を測定するためのX線放射線を遮られて、上記物体がX線断層撮影法により測定されない問題を改善する。
【0011】
以下の実施形態を参照すると、当業者であれば、本発明の基本的な精神、他の発明の目的、及び本発明の採用した技術手段と実施態様を容易に理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
下記図面の説明は、本発明の前記又は他の目的、特徴、メリット、実施例をより分かりやすくするためのものである。
【
図1】本発明の一実施例に係る検査システムを示す模式図である。
【
図2】本発明の別の実施例に係る検査システムを示す操作模式図である。
【
図3】本発明のまた別の実施例に係る検査システムを示す測定画像模式図である。
【
図4】本発明のまた一つの実施例に係る検査システムを示す部分構造模式図である。
【
図5】本発明の別の実施例に係る検査システムを示す操作模式図である。
【
図6】本発明のまた別の実施例に係る検査システムを示す測定画像模式図である。
【
図7A】本発明の一実施例に係る検査システムを示す被測定物模式図である。
【
図7B】本発明の別の実施例に係る検査システムを示す被測定物測定画像模式図である。
【
図7C】本発明のまた別の実施例に係る検査システムを示す被測定物測定画像模式図である。
【
図8A】本発明の一実施例に係る検査システムを示す被測定物模式図である。
【
図8B】本発明の別の実施例に係る検査システムを示す被測定物測定画像模式図である。
【
図8C】本発明のまた別の実施例に係る検査システムを示す被測定物測定画像模式図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る検査システムの制御方法を示すフロー図である。
【0013】
慣用の作業方式によると、図における各種の特徴と素子は、比例に応じて描かれたものではないが、本発明に関連する具体的な特徴と素子を最適となるように呈するものである。また、異なった図には、同じ又は類似な素子符号で類似な素子/部品を指す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示内容の記述をより詳細化して、充実させるためには、以下、本発明の実施態様と具体的な実施例について、説明的な描述を提出するが、これは本発明の具体的な実施例を実施又は運用する唯一の形式ではない。実施形態には、複数の具体的な実施例の特徴、及びこれらの具体的な実施例を構築し操作するための方法工程及びその順序が含まれる。しかしながら、他の具体的な実施例によって、同じ又は均等な機能と工程順序を達成してもよい。
【0015】
本明細書では、特に定義されていない限り、ここに用いる科学技術用語の意味は、当業者に理解された慣用の意義と同じである。また、前後の内容と食い違わない限り、本明細書に用いた単数の名詞が当該名詞の複数形を含むが、複数の名詞を用いる場合も当該名詞の単数形を含む。
【0016】
また、本文に用いた「結合」とは、2つ又は複数の素子が互いに直接実体的又は電気的に接触し、或いは、互いに間接実体的又は電気的に接触することを指し、2つ又は複数の素子が互いに操作又は動作することを指してもよい。
【0017】
図1は、本発明の一実施例に係る検査システムを示す模式図である。
図1に示すように、検査システムは、放射線源110と、画像検出器120と、放置装置130と、を備える。上記画像検出器120は、複数の線形検出器(line detector)又は面積検出器(area detector)であってもよいが、それに限定されない。接続関係から見れば、放置装置130が放射線源110と画像検出器120との間に配置される。
【0018】
操作において、放置装置130は、測定するために物体600を載置することに用いる。放射線源110は、X線放射線のような、物体600を通過する放射線を提供する。画像検出器120は、物体600を透過したX線放射線を取得して、物体600の画像を発生させることに用いる。
【0019】
上記物体600の画像を更に取得するために、放射線源110及び画像検出器120は、駆動されて予定経路500に沿って移動する。放射線源110が駆動されて予定経路500に沿って移動し、画像検出器120が異なった角度から物体600を透過したX線放射線を取得できるため、物体600の完璧な画像を発生させることができる。そして、上記物体600の画像を分析することで、物体600の欠陥を測定することができる。
【0020】
本発明の別の実施例に係る検査システムを示す操作模式図である
図2を参照する。
図2に示すように、放射線源110及び画像検出器120は、駆動されて異なった方向に沿って移動することができる。例としては、放射線源110が駆動されて経路510に沿って移動し、画像検出器120が駆動されて経路520に沿って移動し、図面によると、経路510及び経路520がそれぞれ異なった方向に向かう。放射線源110と画像検出器120が駆動されて共に同じ方向へ移動する場合に比べ、
図2に示すように駆動されると、放射線源110及び画像検出器120が駆動されて異なった方向に沿って移動するため、Y方向と放射線の方向890との間に大角度の夾角θが発生して、画像検出器120が異なった角度から物体600を透過したより多くの放射線を取得して、より多くの画像を発生させることができる。これにより、上記のように得られた放射線を分析すると、物体600のより正確な画像を取得することができる。
【0021】
図2を参照されたい。物体600は、例えば、第1の部分610及び第2の部分630の2つの部分を含む。しかしながら、
図3を参照されたい。
図3は、本発明のまた別の実施例に係る検査システムの物体600を示す測定画像模式図である。図に示すように、第1の部分610及び第2の部分630の画像が重なり合わせる。
図3に示す物体600の画像を分析すると、物体600は、単一の部分しか有しないと認められる。
【0022】
上記物体600は、回路基板(printed circuit board;PCB)であってもよい。物体600が2つの部分を有するのは、上記2つの部分の間に欠陥又は欠点を有し、物体600が2つの部分に分けられるからかもしれない。そのため、物体600が
図3に示す測定結果のように単一の部分しか含まないと認められれば、物体600の第1の部分610と第2の部分630との間の欠陥又は欠点は無視されてしまう。つまり、物体600内の欠陥又は欠点は測定されない。
【0023】
上記欠陥又は欠点が無視されないようにするためには、検査システムの放置装置130は、載置器131と、回転機構132と、更に含む。これについては、
図4を参照されたい。
図4は、本発明のまた一つの実施例に係る検査システムを示す部分構造模式図である。
図4に示すように、回転機構132は、載置器131に結合されることに用いる。操作において、載置器131は、少なくとも1つの物体を載置することに用いるが、回転機構132は、載置器131を回転させることに用いる。載置器131に載置された物体が回転機構132に連動されて回転するため、画像検出器120は、異なった角度の放射線を取得して、より多くの物体の画像を発生させることができる。これにより、物体の分析結果がより正確となって、物体内における各種の欠陥又は欠点が何れも測定される。
【0024】
図5は、本発明の別の実施例に係る検査システムを示す操作模式図である。
図2に示す検査システムと比べ、
図5に示す検査システムは、
図4に示した載置器131を回転させる回転機構132を更に備える。そのため、放射線源110が第1の方向890へX線放射線112を放射すると、載置器131は、第1の方向890が第2の方向790に平行にするように、回転機構132によって第2の方向790に回転させることができる。このように、X線放射線112が物体600の側面を透過することができ、画像検出器120が物体600の側面を透過したX線放射線112を検出し、物体600の側面の画像を得ることができる。
【0025】
図5に示す操作によって取得した画像については、
図6を参照されたい。物体600の側面の画像を取得するため、物体600の第1の部分610及び第2の部分630の画像が検査システムにより識別され、互いに重なり合わせることはなく、物体600内の欠陥又は欠点は測定される。
【0026】
図4を参照されたい。別の実施例において、回転機構132は、載置器131を軸方向133に沿って予定角度θで回転させるように制御することに用いる。例としては、軸方向133がX軸で、且つ載置器131がX軸及びY軸からなる平面137に位置する場合、回転機構132は、載置器131を平面137からX軸に沿って上記予定角度θで回転させるように制御することができる。ある実施例において、上記予定角度θは、30°以内である。その他の実施例において、上記予定角度θは、20°以内である。また一つの実施例において、上記予定角度θは、10°以内である。
【0027】
図4及び
図5を合わせて参照されたい。一実施例において、軸方向133は、
図4に示すように、X方向に位置する。また、放射線源110は、
図5に示すYZ平面に沿って方向890へX線放射線112を放射する。そのため、X線放射線112の方向890は、軸方向133に垂直である。これにより、物体は、
図4に示す回転機構132によりX軸に沿って回転させられて、物体600の側面を
図5に示す放射線源110に向かせ、X線放射線112がこれにより物体600の側面を透過する。なお、物体600を透過したX線放射線112は、画像検出器120に取得されて、物体600の側面の画像が得られる。物体600の側面の画像を分析することで、物体600の各部分が検査システムにより正確に識別され、物体600内における欠陥又は欠点がそれにより測定される。
【0028】
図4を参照されたい。一実施例において、放置装置130は、回転機構132を移動させることができるように回転機構132に結合される移動機構136を更に含む。別の実施例において、移動機構136は、レール134及びレバー135を含む。レバー135は、X軸に沿ってレール134において摺動できるように、回転機構132に結合される。レバー135がX軸に沿ってレール134において摺動でき、これに基づいて、レバー135に結合された回転機構132もX軸に沿って摺動することができる。
【0029】
図1を参照されたい。一実施例において、放射線源110及び画像検出器120は、物体600の画像を取得するために、相対的に駆動されてもよい。
図4及び
図5を合わせて参照されたい。別の実施例において、放射線源110、画像検出器120、載置器131、回転機構132は、独立に駆動されてもよい。これにより、画像検出器120は、より多くの異なった角度の放射線を取得して、より多くの画像を発生させて、物体600の分析結果の精度を向上させることができる。
【0030】
ある実施例において、回転機構110は、ステッピングモータ(stepping motor)又はサーボモータ(servomotor)であってもよい。別の実施例において、画像検出器120は、電荷結合素子(charge couple device;CCD)であってもよい。
【0031】
図7Aは、本発明の一実施例に係る検査システムの被測定物の構造700を示す模式図である。
図7Aに示す構造700は、2つの球体710、720及び2つの層状の構造740、750を含むパッケージオンパッケージ(package on package;POP)構造である。検査システムの検査方法によって、
図7B及び
図7Cに示すような構造700の検査結果が取得される。まず、
図4に示す放置装置130の載置器131及び回転機構132を採用していない検査システムによる測定結果は、
図7Bに示すようなものである。
図7Bにおいて、球体710、720の画像が互いに重なり合わせて、間違った画像730が発生する。
図7Bに示す分析結果によると、構造700は、単一の部分しか含まないと考えられる。
【0032】
図7Bに対して、
図4に示す放置装置130の載置器131及び回転機構132を採用した検査システムによる測定結果は、
図7Cに示すようなものである。
図7Cにおいて、構造700の球体710、720の画像が重なり合わせなく、間違った画像730が発生することはない。これにより、構造700の各球体は、検査システムにより明確に識別される。
【0033】
図8Aは、本発明の一実施例に係る検査システムの構造800を示す模式図である。
図8Aに示す構造800は、半田ボール810及び半田ペースト830を含む、ボールグリッドアレー(ball grid array;BGA)内に形成された枕不良(head in pillow;HIP)である。検査システムの検査方法によって、
図8B及び
図8Cに示すような、構造800の検査結果が取得される。まず、
図4に示す放置装置130の載置器131及び回転機構132を採用していない検査システムによる測定結果は、
図8Bに示すようなものである。
図8Bにおいて、半田ボール810及び半田ペースト830の画像が互いに重なり合わせる。
図8Bに示す分析結果によると、構造800は、単一の部分しか含まないと考えられる。そのため、構造800内のHIPは、無視されてしまう。
【0034】
図8Bに対して、
図4に示す放置装置130の載置器131及び回転機構132を採用した検査システムによる測定結果は、
図8Cに示すようなものである。
図8Cにおいて、構造800の半田ボール810及び半田ペースト830の画像は、重なり合わせていない。そのため、構造800の半田ボール810及び半田ペースト830は、検査システムにより明確に識別される。これにより、構造800内におけるHIPは測定される。
【0035】
図9は、本発明の一実施形態に係る検査システムの制御方法900を示すフロー図である。検査システムは、放射線源と、画像検出器と、放置装置と、を備える。また、放置装置は、載置器と、回転機構と、を含む。構造上、放置装置が放射線源と画像検出器との間に配置される。検査システムの制御方法900は、 放射線源及び画像検出器を駆動して予定経路に沿って移動させる工程910と、 載置器により物体を載置する工程920と、 回転機構により載置器を回転させる工程930と、を備える。
【0036】
検査システムの制御方法900を分かりやすくするために、
図1、
図4及び
図9を合わせて参照する。検査システムは、放射線源110と、画像検出器120と、放置装置130と、を含む。また、放置装置130は、載置器131及び回転機構132を含む。構造上、放置装置130が放射線源110と画像検出器120との間に配置される。工程910において、放射線源110及び画像検出器120が駆動されて予定経路500に沿って移動する。工程920において、載置器131は、物体600を載置することに用いる。工程930において、回転機構132は、載置器131を回転させることに用いる。
【0037】
一実施例において、検査システムの制御方法900は、放射線源により第1の方向へX線放射線を放射する工程と、回転機構により載置器を第2の方向まで回転させて、第1の方向が第2の方向に平行させる工程と、を更に備える。検査システムの制御方法900を分かりやすくするために、
図5を参照する。放射線源110が第1の方向890へX線放射線112を放射すると、回転機構132は、載置器131を第2の方向790まで回転させて、第1の方向890を第2の方向790に平行させることに用いる。
【0038】
別の実施例において、検査システムの制御方法900は、画像検出器により物体を透過したX線放射線を検出して、物体の側面の画像を取得する工程を更に備える。検査システムの制御方法900を分かりやすくするために、
図5を参照する。画像検出器120は、物体600の側面を透過したX線放射線112を検出して、物体600の側面の画像を取得することに用いる。
【0039】
また一つの実施例において、検査システムの制御方法900は、回転機構により載置器を軸方向に沿って予定角度で回転させるように制御する工程を更に備える。検査システムの制御方法900を分かりやすくするために、
図4を参照する。回転機構132は、載置器131を軸方向133に沿って予定角度θで回転させるように制御することに用いる。
【0040】
また別の実施例において、検査システムの制御方法900は、放射線源により、方向が軸方向に垂直であるX線放射線を一方向へ放射する工程を更に備える。検査システムの制御方法900を分かりやすくするために、
図4及び
図5を合わせて参照されたい。放射線源110は、方向890へ、方向890が軸方向133に垂直であるX線放射線112を放射することに用いる。
【0041】
別の実施例において、検査システムの制御方法900は、移動機構に沿って回転機構を移動させる工程を更に備える。検査システムの制御方法900を分かりやすくするために、
図4を参照する。回転機構132は、移動機構136に沿って移動されてよい。
【0042】
また一つの実施例において、検査システムの制御方法900は、放射線源及び画像検出器を相対的に駆動する工程を更に備える。検査システムの制御方法900を分かりやすくするために、
図1を参照する。放射線源110及び画像検出器120は、物体600の画像を取得するために、相対的に駆動される。
【0043】
また別の実施例において、検査システムの制御方法900は、放射線源、画像検出器、載置器及び回転機構を独立に駆動する工程を更に備える。検査システムの制御方法900を分かりやすくするために、
図4及び
図5を合わせて参照されたい。放射線源110、画像検出器120、載置器131及び回転機構132は、独立に駆動されることができる。これにより、画像検出器120は、より多くの異なった角度の放射線を取得して、より多くの画像を発生させて、物体600の分析結果の精度を向上させることができる。
【0044】
上記本発明の実施形態により、本発明を適用すれば、下記のメリットを有することが判明される。本発明の実施例は、検査システム及び検査システムの制御方法900を提供することによって、被測定物体が障害物に元々上記物体を測定するためのX線放射線を遮られて、上記物体がX線断層撮影法により測定されない問題を改善する。
【0045】
本発明の具体的な実施例を実施形態で前述の通り開示したが、本発明を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明の原理と精神から逸脱しない限り、多様の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0046】
110 放射線源 112 X線放射線 120 画像検出器 130 放置装置 131 載置器 132 回転機構 133 軸方向 134 レール 135 レバー 136 移動機構 137 平面 500 予定経路 510、520 経路 600 物体 610 第1の部分 630 第2の部分 700、800 構造 710、720 球体 730 間違った画像 740、750 層状構造 790 第2の方向 810 半田ボール 830 半田ペースト 890 第1の方向 900 検査システムの制御方法 910〜930 工程