(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フェースが、閾値インパクト速度未満での前記ボールと該フェースとのインパクトによって、前記変形制限部材に係合するほど十分には該フェースが変形しないように、かつ、該閾値インパクト速度より上での該ボールと該フェースとのインパクトによって、該変形制限部材に係合するほど十分に該フェースが変形するように適合されている、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
前記フェースが、前記ボディを形成するボディ部材に接続されたフェースプレートを含み、該ボディ部材が取り付け部分を有し、該フェースプレートが該取り付け部分に接続されている、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
前記ボディ部材が、その前端に開口を有し、かつ、前記取り付け部分が、該開口の少なくとも一部分の周りに配置されておりかつ該開口の少なくとも一部分の周りに凹んだプラットフォームを形成し、かつ、前記フェースプレートの周縁が、該凹んだプラットフォームに接触して該フェースプレートを該取り付け部分に接続している、請求項3に記載のゴルフクラブヘッド。
前記取り付け部分が、前記フェースプレートの上側および下側で該フェースプレートに接続されており、かつ、前記変形制限部材の第1の部分が、該上側における該取り付け部分から前記フェースの前記内面に向かって延びており、かつ、該変形制限部材の第2の部分が、該下側における該取り付け部分から該フェースの該内面に向かって延びている、請求項5に記載のゴルフクラブヘッド。
前記変形制限部材が、前記フェースの前記内面が該変形制限部材に係合する時に、該フェースの曲げ剛性を変えるように構成されている、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
前記フェースが、閾値インパクト速度未満での前記ボールと該フェースとのインパクトによって、前記変形制限部材に係合するほど十分には該フェースが変形しないように、かつ、該閾値インパクト速度より上での該ボールと該フェースとのインパクトによって、該変形制限部材に係合するほど十分に該フェースが変形するように適合されている、請求項9に記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
前記フェースが、前記ボディを形成するボディ部材に接続されたフェースプレートを含み、該ボディ部材が取り付け部分を有し、該フェースプレートが該取り付け部分に接続されており、かつ、前記変形制限部材の前記第1および第2の部分のうちの少なくとも一方が、該取り付け部分に接続された前記固定端を有する、請求項9に記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
前記ボディ部材が、その前端に開口を有し、かつ、前記取り付け部分が、該開口の少なくとも一部分の周りに配置されておりかつ該開口の少なくとも一部分の周りに凹んだプラットフォームを形成し、かつ、前記フェースプレートの周縁が、該凹んだプラットフォームに接触して該フェースプレートを該取り付け部分に接続している、請求項11に記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
前記取り付け部分が、前記フェースプレートの上側および下側で該フェースプレートに接続されており、かつ、前記変形制限部材の前記第1の部分が、該上側における該取り付け部分から前記フェースの前記中心に向かって内方に延びており、かつ、該変形制限部材の前記第2の部分が、該下側における該取り付け部分から該フェースの該中心に向かって内方に延びている、請求項11に記載のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
前記フェース部材が、閾値インパクト速度未満での前記ボールと前記フェースとのインパクトによって、前記変形制限部材に係合するほど十分には該フェースが変形しないように、かつ、該閾値インパクト速度より上での該ボールと該フェースとのインパクトによって、該変形制限部材に係合するほど十分に該フェースが変形するように適合されている、請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
前記取り付け部分が、前記開口の少なくとも一部分の周りに凹んだプラットフォームを形成し、かつ、前記フェース部材の周縁が、該凹んだプラットフォームに接触して前記フェース部材を該取り付け部分に接続している、請求項18に記載のゴルフクラブヘッド。
前記取り付け部分が、前記フェース部材の上側および下側で該フェース部材に接続されており、かつ、前記変形制限部材の第1の部分が、該上側における該取り付け部分から前記フェースの前記内面に向かって延びており、かつ、該変形制限部材の第2の部分が、該下側における該取り付け部分から該フェースの該内面に向かって延びている、請求項20に記載のゴルフクラブヘッド。
ゴルフボールにインパクトするように適合されている打球面および該打球面とは反対側の内面を有するフェースを形成するフェース部材であって、周縁により画定されている、フェース部材;
該フェース部材に接続されたボディ部材であって、該フェース部材を中に受ける開口を有する前端、および該前端から後方に延びている後端を有して、該フェースから後方に延びているウッドタイプボディを形成し、該フェース部材および該ボディ部材が、内部キャビティおよび該内部キャビティを取り囲む内部表面を画定し、かつ少なくとも400ccの容積を画定し、該ボディ部材が、該開口の少なくとも一部分の周りにプラットフォームを形成する取り付け部分をさらに有し、該プラットフォームが、該ボディ部材の該前端から凹んでおり、かつ、該フェース部材の該周縁が、該プラットフォームに接触して該フェース部材を該取り付け部分に接続している、ボディ部材;ならびに
該取り付け部分に接続された固定端を有する変形制限部材であって、該取り付け部分から該フェースの中心に向かって延びており、かつ、該フェースの該内面からある距離だけ離間されている自由端を有する、変形制限部材
を含む、ウッドタイプゴルフクラブヘッドであって、
該フェース部材および該変形制限部材が、ボールと該打球面とのインパクトにより該変形制限部材の方向への該フェースの変形が引き起こされるように適合されており、かつ、該フェースの該変形が該フェースの該内面を該変形制限部材に係合させるのに十分であるときに、該変形制限部材が該フェースのさらなる変形に抵抗するための力を該フェースに加え、
該変形制限部材が、該ボディの内面から該フェースの該内面に向かって延びており、
該取り付け部分が、該フェース部材の上側および下側で該フェース部材に接続されており、かつ、該変形制限部材の第1の部分が、該上側における該取り付け部分から該フェースの該内面に向かって延びており、かつ、該変形制限部材の第2の部分が、該下側における該取り付け部分から該フェースの該内面に向かって延びており、
該変形制限部材が、該開口の少なくとも上部分および下部分の周りにおける該取り付け部分から内方に延びているフランジを含み、該フランジが、該変形制限部材の該第1の部分および該第2の部分を画定する、
前記ウッドタイプゴルフクラブヘッド。
前記フェース部材が、閾値インパクト速度未満での前記ボールと前記フェースとのインパクトによって、前記変形制限部材に係合するほど十分には該フェースが変形しないように、かつ、該閾値インパクト速度より上での該ボールと該フェースとのインパクトによって、該変形制限部材に係合するほど十分に該フェースが変形するように適合されている、請求項23に記載のゴルフクラブヘッド。
【背景技術】
【0003】
背景
ゴルフは、多種多様なプレーヤー、異なる性別のプレーヤー、ならびに年齢およびスキルレベルが劇的に異なるプレーヤーによって楽しまれている。そのような多様なプレーヤーの集まりがゴルフの試合またはイベントで互いに直接競いながらいっしょにプレーし(例えば、ハンデ付きのスコア、異なるティーボックスなどを使用して)、なおもゴルフの試合または競技を楽しむことができるという点で、ゴルフはスポーツ界ではいくぶんユニークである。これらの要因が、テレビにおけるゴルフ番組(例えばゴルフトーナメント、ゴルフニュース、ゴルフ史および/または他のゴルフ番組)の増加および著名なゴルフスーパースターの出現と相まって、少なくとも部分的に、近年、米国および世界中でのゴルフ人気を高めた。
【0004】
ゴルファーは、すべてのスキルレベルにおいて、パフォーマンスを改善し、ゴルフスコアを良くし、その次のパフォーマンス「レベル」に到達しようとする。すべてのタイプのゴルフ用具の製造者はこれらの要求に応え、近年、ゴルフ用具における劇的な変化および改良を見た。例えば、今や、広い範囲の異なるゴルフボールモデルが利用可能であり、一部のボールは、より遠く、よりまっすぐに飛ぶ、より高い、またはよりフラットな弾道を提供する、より多くのスピン、コントロールおよび感触(特にグリーン周りの)を提供する、などのように設計されている。
【0005】
プレー中にゴルフボールを動かす唯一の道具であることから、ゴルフクラブもまた、近年、多大な技術的研究および進歩の対象であった。例えば、市場は、近年、ゴルフクラブヘッド、シャフトおよびグリップにおける改良を見てきた。さらには、ゴルフクラブの様々な要素およびゴルフボールの特性を特定のユーザのスイング特徴または特性により良く適合させようとして、他の技術的進歩が達成されてきた(例えばクラブフィッティング技術、ボール打ち出し角計測技術など)。
【0006】
様々な技術的改良にもかかわらず、ゴルフは依然として高いレベルではプレーしにくい競技である。ゴルフボールがまっすぐかつ所望の方向に確実に飛ぶためには、ゴルフクラブが、所望の目標経路に対して直角に(または実質的に直角に)ゴルフボールに当たらなければならない。そのうえ、まっすぐかつ所望の方向に所望の距離だけ確実に飛ばすためには、ゴルフクラブは、クラブヘッドフェース上の所望の位置またはその近くで(すなわち、「所望の」または「最適な」ボール接触位置上またはその近くで)ゴルフボールに当たらなければならない。直角の接触から外れる、かつ/またはクラブの望ましいボール接触位置から離れて位置するオフセンターヒットは、ボールに接触した時にクラブフェースを「ねじる」傾向があり得、それにより、ボールを間違った方向に送り、しばしば望ましくないフックもしくはスライススピンをかける、および/またはショットの距離を奪う。従って、クラブフェースが係合点において直角ではないときに、ゴルフボールは、意図されない方向に飛ぶ可能性があり、かつ/または、左もしくは右に曲がるルート、しばしば「引っ張る」、「プッシュする」、「ドローをかける」、「フェードをかける」、「フックさせる」、もしくは「スライスさせる」と呼ばれるボールの飛行をたどる可能性があり、または、よりまっすぐもしくは上昇する軌道を示す可能性がある。
【0007】
ゴルフクラブによってボールに伝達されるエネルギーまたは速度は、少なくとも部分的に、クラブフェースの接触点における可撓性に関連する場合があり、「反発係数」(または「COR」)と呼ばれる計測値を使用して表すことができる。ゴルフクラブヘッドの最大CORは、現在、USGAによって0.83に制限されている。一般に、クラブヘッドは、最大のエネルギーおよび速度をボールに付与する、フェースの他の区域に対して最高の反発、例えば最高のCORを有する区域を有し、この区域は一般にフェースの中心に配置されている。一例において、最高の反発の区域は、現行のUSGA制限値(例えば0.83)までのCORを有することができるが、この制限値は時とともに変わる可能性がある。しかし、ゴルフクラブは一般に、フェースの中心またはその周りでボールと接触するように設計されているため、オフセンターヒットは、ボールに伝達されるエネルギーを減らして、ショットの距離を減らす結果を招く可能性がある。クラブヘッド上の特定の位置のCORは、インパクト位置での弾性率、およびインパクト位置から離間されているフェースの他の区域の弾性率に関連し得る。同様に、インパクト中のボールとフェースとの間の接触の時間は、エネルギー伝達に影響を及ぼし得る。一般に、より可撓性の(より弾性率の低い)フェースは、より高い接触時間をもたらし、結果として、より大きなエネルギー伝達をもたらす。接触時間は現在、USGA特性時間(CT)試験に従って、USGAにより257μsに制限されている。インパクト中にボールに伝達されるエネルギーを増大させ得るクラブヘッド特徴が有利であり得る。
【0008】
プロゴルファーおよび他の経験を積んだゴルファーが、経験の少ないゴルファーよりも高いスイング速度(すなわち、ボールとのインパクト時またはその前後でのクラブヘッドの速度)を有することは、一般的である。多くのクラブヘッドは、より高いスイング速度で最適なパフォーマンスを与えるように設計されており、より低いスイング速度では最適ではないパフォーマンスを提供する可能性がある。従って、より低いスイング速度でのパフォーマンスを改善することができ、かつ低いスイング速度を有するプレーヤーがより速いボール速度を達成することを可能にできるクラブヘッド特徴は、経験の少ないゴルファーによる使用に有利であることが証明され得る。さらには、より低いスイング速度でのパフォーマンスを改善することができ、他方でより高いスイング速度で達成されるボール速度を妨げないクラブヘッド特徴が有利であることが証明され得る。
【0009】
本装置および方法は、上述した問題および他の問題に対処し、このタイプの従来の打球装置によって提供されていない利点および局面を提供するために提供される。本発明の特徴および利点の十分な説明は、添付図面を参照しながら進める以下の詳細な説明にゆだねることとする。
【発明の概要】
【0010】
概要
以下、本発明の基本的理解を提供するために、本発明の局面の一般的な概要を提示する。この概要は本発明の広範な概観ではない。発明の主要または重要な要素を特定することを意図したものでもなく、本発明の範囲を限定することを意図したものでもない。以下の概要は、本発明のいくつかの概念を、以下に提供されるより詳細な説明への前置きとして一般的な形態で提示するだけである。
【0011】
本発明の局面は、ボールを打つように構成された打球面および該打球面とは反対側の内面を有するフェース、ならびに、該フェースに接続されておりかつ該フェースから後方に延びているボディを含むヘッドを有する、ゴルフクラブなどの打球装置に関する。ヘッドは、フェースの背後に位置しかつ該フェースの内面からある距離だけ離間されている端部を有する、変形制限部材を有する。フェースおよび変形制限部材は、ボールと打球面とのインパクトにより変形制限部材の方向へのフェースの変形が引き起こされるように適合されている。フェースの変形がフェースの内面を変形制限部材に係合させるのに十分であるときに、変形制限部材は、フェースのさらなる変形に抵抗するための力をフェースに加える。
【0012】
一つの局面によると、フェースは、閾値インパクト速度未満でのボールとフェースとのインパクトによって、変形制限部材に係合するほど十分にはフェースが変形しないように、かつ、閾値インパクト速度より上でのボールとフェースとのインパクトによって、変形制限部材に係合するほど十分にフェースが変形するように適合されている。
【0013】
別の局面によると、変形制限部材は、ボディの内面からフェースの内面に向かって延びている。
【0014】
さらなる局面によると、フェースは、ボディを形成するボディ部材に接続されたフェースプレートを含む。ボディ部材は取り付け部分を有しており、該取り付け部分にフェースプレートが接続されている。一つの態様において、ボディ部材はその前端に開口を有しており、取り付け部分が、該開口の少なくとも一部分の周りに配置されておりかつ該開口の少なくとも一部分の周りに凹んだプラットフォームを形成し、フェースプレートの周縁が、該凹んだプラットフォームに接触してフェースプレートを取り付け部分に接続している。別の態様において、変形制限部材は、取り付け部分に接続されておりかつ該取り付け部分からフェースの内面に向かって延びている。さらなる態様において、取り付け部分は、フェースの上側および下側においてフェースプレートに接続されており、変形制限部材の第1および第2の部分が、それぞれ該上側および該下側における取り付け部分からフェースの内面に向かって延びている。
【0015】
さらに別の局面によると、フェースは、ボディを形成するボディ部材に接続されたフェースプレートを含む。ボディ部材は、フェースプレートを中に受ける開口を有し、変形制限部材は、開口の少なくとも一部分の周りにおけるボディ部材の内面から内方に延びているフランジを含む。
【0016】
またさらなる局面によると、変形制限部材は、ボディの内面から内方に延びている複数のブレースを含み、各ブレースは、フェースの内面からある距離だけ離間されている端部を有する。
【0017】
本発明の追加的な局面は、ゴルフボールにインパクトするように適合されている打球面および打球面とは反対側の内面を有するフェース、ならびに、フェースに接続されておりかつフェースから後方に延びているウッドタイプボディを含み、フェースおよびボディが、内部キャビティおよびキャビティを取り囲む内部表面を画定し、かつさらに少なくとも400ccの容積を画定するようにする、ウッドタイプゴルフクラブヘッドに関する。ヘッドは、フェースの背後に位置し、かつ、フェースの周縁のうちの第1の周縁に近接する前記内部表面における固定端からフェースの中心に向かって延びている第1の部分と、フェースの周縁のうちの第2の周縁に近接する前記内部表面における固定端からフェースの中心に向かって延びている第2の部分とを有する、変形制限部材を含む。変形制限部材の第1および第2の部分は、各々、フェースの内面からある距離だけ離間されている自由端を有する。フェースおよび変形制限部材は、ボールと打球面とのインパクトにより変形制限部材の第1および第2の部分の自由端の方向へのフェースの変形が引き起こされるように適合されている。フェースの変形がフェースの内面を変形制限部材の自由端の少なくとも一つに係合させるのに十分であるときに、変形制限部材は、フェースのさらなる変形に抵抗するための力をフェースに加える。上記の様々な局面を、同様にヘッドに組み入れることができる。
【0018】
本発明のさらなる局面は、ボディ部材に接続されたフェース部材を含むゴルフクラブヘッドに関する。フェース部材は、ボールにインパクトするように適合されている打球面および打球面とは反対側の内面を有するフェースを形成する。ボディ部材は、フェース部材を中に受ける開口を有する前端、および前端から後方に延びている後端を有して、フェースから後方に延びているボディを形成する。変形制限部材は、ボディ部材の内面から内方に延びており、かつ、フェースの内面からある距離だけ離間されている端部を有する。フェース部材および変形制限部材は、ボールと打球面とのインパクトにより変形制限部材の方向へのフェースの変形が引き起こされるように適合されている。フェースの変形がフェースの内面を変形制限部材に係合させるのに十分であるときに、変形制限部材は、フェースのさらなる変形に抵抗するための力をフェースに加える。
【0019】
一つの局面によると、フェース部材は、閾値インパクト速度未満でのボールとフェースとのインパクトによって、変形制限部材に係合するほど十分にはフェースが変形しないように、かつ、閾値インパクト速度より上でのボールとフェースとのインパクトによって、変形制限部材に係合するほど十分にフェースが変形するように適合されている。
【0020】
別の局面によると、変形制限部材は、ボディの内面からフェースの中心に向かって延びている。
【0021】
さらなる局面によると、ボディ部材は、開口の少なくとも一部分の周りに配置された取り付け部分を有し、該取り付け部分にフェース部材が接続されている。一つの態様において、取り付け部分は、開口の少なくとも一部分の周りに凹んだプラットフォームを形成し、かつ、フェース部材の周縁が、凹んだプラットフォームに接触してフェースプレートを取り付け部分に接続している。別の態様によると、変形制限部材は、取り付け部分に接続されておりかつ取り付け部分からフェースの内面に向かって延びている。さらなる態様において、取り付け部分は、フェース部材の上側および下側でフェース部材に接続されており、変形制限部材の第1および第2の部分は、それぞれ該上側および該下側における取り付け部分からフェースの内面に向かって延びている。
【0022】
さらに別の局面によると、変形制限部材は、開口の少なくとも一部分の周りにおけるボディ部材の内面から内方に延びているフランジを含む。
【0023】
本発明のまたさらなる局面は、フェース部材およびフェース部材に接続されたボディ部材を含むウッドタイプゴルフクラブヘッドに関する。フェース部材は、ゴルフボールにインパクトするように適合されている打球面および打球面とは反対側の内面を有し、周縁により画定されている。ボディ部材は、フェース部材を中に受ける開口を有する前端、および前端から後方に延びている後端を有して、フェースから後方に延びているウッドタイプボディを形成する。フェース部材およびボディ部材は、内部キャビティおよびキャビティを取り囲む内部表面を画定し、少なくとも400ccの容積を画定する。ボディ部材は、開口の少なくとも一部分の周りにプラットフォームを形成する取り付け部分をさらに有し、プラットフォームは、ボディ部材の前端から凹んでおり、かつ、フェースプレートの周縁は、プラットフォームに接触してフェースプレートを取り付け部分に接続している。ヘッドはまた、取り付け部分に接続された固定端を有する変形制限部材を含み、該変形制限部材が、取り付け部分からフェースの中心に向かって延びており、かつ、フェースの内面からある距離だけ離間されている自由端を有するようにする。フェース部材および変形制限部材は、ボールと打球面とのインパクトにより変形制限部材の方向へのフェースの変形が引き起こされるように適合されている。フェースの変形がフェースの内面を変形制限部材に係合させるのに十分であるときに、変形制限部材は、フェースのさらなる変形に抵抗するための力をフェースに加える。上記の様々な局面を、同様にヘッドに組み入れることができる。
【0024】
一つの局面によると、取り付け部分は、フェース部材の上側および下側でフェース部材に接続されており、変形制限部材の第1の部分は、該上側における取り付け部分からフェースの内面に向かって延びており、変形制限部材の第2の部分は、該下側における取り付け部分からフェースの内面に向かって延びている。一つの態様において、変形制限部材は、開口の少なくとも上部分および下部分の周りにおける取り付け部分から内方に延びているフランジを含み、該フランジは、変形制限部材の第1の部分および第2の部分を画定する。
【0025】
本発明の他の局面は、上記のような少なくとも一つのフェース部材および/または少なくとも一つのボディ部材を、複数のそのような部材から選択する工程を含む方法に関する。その後、当該フェース部材および当該ボディ部材を組み立ててヘッドを生成することができる。
【0026】
本発明のさらに他の局面は、上記のようなゴルフクラブヘッドと該ヘッドに接続されたシャフトとを含むゴルフクラブ、または、上記のようなヘッドを有する少なくとも一つのゴルフクラブを含むゴルフクラブのセットに関する。
【0027】
[本発明1001]
ゴルフボールにインパクトするように適合されている打球面および該打球面とは反対側の内面を有する、フェース;
該フェースに接続されておりかつ該フェースから後方に延びている、ボディ;ならびに
該フェースの背後に位置し、かつ、該フェースの該内面からある距離だけ離間されている端部を有する、変形制限部材
を含み、
該フェースおよび該変形制限部材が、該ボールと該打球面とのインパクトにより該変形制限部材の方向への該フェースの変形が引き起こされるように適合されており、かつ、該フェースの該変形が該フェースの該内面を該変形制限部材に係合させるのに十分であるときに、該変形制限部材が、該フェースのさらなる変形に抵抗するための力を該フェースに加える、
ゴルフクラブヘッド。
[本発明1002]
前記フェースが、閾値インパクト速度未満での前記ボールと該フェースとのインパクトによって、前記変形制限部材に係合するほど十分には該フェースが変形しないように、かつ、該閾値インパクト速度より上での該ボールと該フェースとのインパクトによって、該変形制限部材に係合するほど十分に該フェースが変形するように適合されている、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1003]
前記変形制限部材が、前記ボディの内面から前記フェースの前記内面に向かって延びている、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1004]
前記フェースが、前記ボディを形成するボディ部材に接続されたフェースプレートを含み、該ボディ部材が取り付け部分を有し、該フェースプレートが該取り付け部分に接続されている、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1005]
前記ボディ部材が、その前端に開口を有し、かつ、前記取り付け部分が、該開口の少なくとも一部分の周りに配置されておりかつ該開口の少なくとも一部分の周りに凹んだプラットフォームを形成し、かつ、前記フェースプレートの周縁が、該凹んだプラットフォームに接触して該フェースプレートを該取り付け部分に接続している、本発明1004のゴルフクラブヘッド。
[本発明1006]
前記変形制限部材が、前記取り付け部分に接続されておりかつ該取り付け部分から前記フェースの前記内面に向かって延びている、本発明1004のゴルフクラブヘッド。
[本発明1007]
前記取り付け部分が、前記フェースプレートの上側および下側で該フェースプレートに接続されており、かつ、前記変形制限部材の第1の部分が、該上側における該取り付け部分から前記フェースの前記内面に向かって延びており、かつ、該変形制限部材の第2の部分が、該下側における該取り付け部分から該フェースの該内面に向かって延びている、本発明1006のゴルフクラブヘッド。
[本発明1008]
前記フェースが、前記ボディを形成するボディ部材に接続されたフェースプレートを含み、該ボディ部材が、該フェースプレートを中に受ける開口を有し、かつ、前記変形制限部材が、該開口の少なくとも一部分の周りにおける該ボディ部材の内面から内方に延びているフランジを含む、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1009]
前記変形制限部材が、前記ボディの内面から内方に延びている複数のブレースを含み、各ブレースが、前記フェースの前記内面からある距離だけ離間されている端部を有する、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1010]
前記変形制限部材が、前記フェースの前記内面が該変形制限部材に係合する時に、該フェースの曲げ剛性を変えるように構成されている、本発明1001のゴルフクラブヘッド。
[本発明1011]
本発明1001のゴルフクラブヘッドと、該ヘッドに接続されたシャフトとを含む、ゴルフクラブ。
[本発明1012]
ゴルフボールにインパクトするように適合されている打球面および該打球面とは反対側の内面を有し、複数の周縁により画定されている、フェース;
該フェースに接続されておりかつ該フェースから後方に延びているウッドタイプボディであって、該フェースおよび該ボディが、内部キャビティおよび該キャビティを取り囲む内部表面を画定し、かつ少なくとも400ccの容積をさらに画定する、ウッドタイプボディ;ならびに
該フェースの背後に位置し、かつ、該フェースの該周縁のうちの第1の周縁に近接する該内部表面における固定端から該フェースの中心に向かって延びている第1の部分と、該フェースの該周縁のうちの第2の周縁に近接する該内部表面における固定端から該フェースの該中心に向かって延びている第2の部分とを有する変形制限部材であって、該第1および第2の部分が各々、該フェースの該内面からある距離だけ離間されている自由端を有する、変形制限部材
を含み、
該フェースおよび該変形制限部材が、該ボールと該打球面とのインパクトにより該変形制限部材の該第1および第2の部分の該自由端の方向への該フェースの変形が引き起こされるように適合されており、かつ、該フェースの該変形が該フェースの該内面を該変形制限部材の該自由端の少なくとも一つに係合させるのに十分であるときに、該変形制限部材が該フェースのさらなる変形に抵抗するための力を該フェースに加える、
ウッドタイプゴルフクラブヘッド。
[本発明1013]
前記フェースが、閾値インパクト速度未満での前記ボールと該フェースとのインパクトによって、前記変形制限部材に係合するほど十分には該フェースが変形しないように、かつ、該閾値インパクト速度より上での該ボールと該フェースとのインパクトによって、該変形制限部材に係合するほど十分に該フェースが変形するように適合されている、本発明1012のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
[本発明1014]
前記フェースが、前記ボディを形成するボディ部材に接続されたフェースプレートを含み、該ボディ部材が取り付け部分を有し、該フェースプレートが該取り付け部分に接続されており、かつ、前記変形制限部材の前記第1および第2の部分のうちの少なくとも一方が、該取り付け部分に接続された前記固定端を有する、本発明1012のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
[本発明1015]
前記ボディ部材が、その前端に開口を有し、かつ、前記取り付け部分が、該開口の少なくとも一部分の周りに配置されておりかつ該開口の少なくとも一部分の周りに凹んだプラットフォームを形成し、かつ、前記フェースプレートの周縁が、該凹んだプラットフォームに接触して該フェースプレートを該取り付け部分に接続している、本発明1014のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
[本発明1016]
前記変形制限部材の前記第1および第2の部分の両方が、前記取り付け部分に接続された前記固定端を有する、本発明1014のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
[本発明1017]
前記取り付け部分が、前記フェースプレートの上側および下側で該フェースプレートに接続されており、かつ、前記変形制限部材の前記第1の部分が、該上側における該取り付け部分から前記フェースの前記中心に向かって内方に延びており、かつ、該変形制限部材の前記第2の部分が、該下側における該取り付け部分から該フェースの該中心に向かって内方に延びている、本発明1014のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
[本発明1018]
前記フェースが、前記ボディを形成するボディ部材に接続されたフェースプレートを含み、該ボディ部材が、該フェースプレートを中に受ける開口を有し、かつ、前記変形制限部材が、該開口の少なくとも一部分の周りにおける該ボディ部材上の前記内部表面から内方に延びているフランジを含み、該フランジが該変形制限部材の前記第1および第2の部分を形成する、本発明1012のウッドタイプゴルフクラブヘッド。
[本発明1019]
本発明1012のウッドタイプゴルフクラブヘッドと、該ヘッドに接続されたシャフトとを含む、ウッドタイプゴルフクラブ。
[本発明1020]
ゴルフボールにインパクトするように適合されている打球面および該打球面とは反対側の内面を有するフェースを形成する、フェース部材;
該フェース部材に接続されたボディ部材であって、該フェース部材を中に受ける開口を有する前端、および該前端から後方に延びている後端を有して、該フェースから後方に延びているボディを形成する、ボディ部材;ならびに
該ボディ部材の内面から内方に延びており、かつ、該フェースの該内面からある距離だけ離間されている端部を有する、変形制限部材
を含み、
該フェース部材および該変形制限部材が、該ボールと該打球面とのインパクトにより該変形制限部材の方向への該フェースの変形が引き起こされるように適合されており、かつ、該フェースの該変形が該フェースの該内面を該変形制限部材に係合させるのに十分であるときに、該変形制限部材が該フェースのさらなる変形に抵抗するための力を該フェースに加える、
ゴルフクラブヘッド。
[本発明1021]
前記フェース部材が、閾値インパクト速度未満での前記ボールと前記フェースとのインパクトによって、前記変形制限部材に係合するほど十分には該フェースが変形しないように、かつ、該閾値インパクト速度より上での該ボールと該フェースとのインパクトによって、該変形制限部材に係合するほど十分に該フェースが変形するように適合されている、本発明1020のゴルフクラブヘッド。
[本発明1022]
前記変形制限部材が、前記ボディの前記内面から前記フェースの中心に向かって延びている、本発明1020のゴルフクラブヘッド。
[本発明1023]
前記ボディ部材が、前記開口の少なくとも一部分の周りに配置された取り付け部分を有し、前記フェースプレートが該取り付け部分に接続されている、本発明1020のゴルフクラブヘッド。
[本発明1024]
前記取り付け部分が、前記開口の少なくとも一部分の周りに凹んだプラットフォームを形成し、かつ、前記フェース部材の周縁が、該凹んだプラットフォームに接触して前記フェースプレートを該取り付け部分に接続している、本発明1023のゴルフクラブヘッド。
[本発明1025]
前記変形制限部材が、前記取り付け部分に接続されておりかつ該取り付け部分から前記フェースの前記内面に向かって延びている、本発明1023のゴルフクラブヘッド。
[本発明1026]
前記取り付け部分が、前記フェース部材の上側および下側で該フェース部材に接続されており、かつ、前記変形制限部材の第1の部分が、該上側における該取り付け部分から前記フェースの前記内面に向かって延びており、かつ、該変形制限部材の第2の部分が、該下側における該取り付け部分から該フェースの該内面に向かって延びている、本発明1025のゴルフクラブヘッド。
[本発明1027]
前記変形制限部材が、前記開口の少なくとも一部分の周りにおける前記ボディ部材の前記内面から内方に延びているフランジを含む、本発明1020のゴルフクラブヘッド。
[本発明1028]
本発明1020のゴルフクラブヘッドと、該ヘッドに接続されたシャフトとを含む、ゴルフクラブ。
[本発明1029]
ゴルフボールにインパクトするように適合されている打球面および該打球面とは反対側の内面を有するフェースを形成するフェース部材であって、周縁により画定されている、フェース部材;
該フェース部材に接続されたボディ部材であって、該フェース部材を中に受ける開口を有する前端、および該前端から後方に延びている後端を有して、該フェースから後方に延びているウッドタイプボディを形成し、該フェース部材および該ボディ部材が、内部キャビティおよび該キャビティを取り囲む内部表面を画定し、かつ少なくとも400ccの容積を画定し、該ボディ部材が、該開口の少なくとも一部分の周りにプラットフォームを形成する取り付け部分をさらに有し、該プラットフォームが、該ボディ部材の該前端から凹んでおり、かつ、該フェースプレートの該周縁が、該プラットフォームに接触して該フェースプレートを該取り付け部分に接続している、ボディ部材;ならびに
該取り付け部分に接続された固定端を有する変形制限部材であって、該取り付け部分から該フェースの中心に向かって延びており、かつ、該フェースの該内面からある距離だけ離間されている自由端を有する、変形制限部材
を含み、
該フェース部材および該変形制限部材が、該ボールと該打球面とのインパクトにより該変形制限部材の方向への該フェースの変形が引き起こされるように適合されており、かつ、該フェースの該変形が該フェースの該内面を該変形制限部材に係合させるのに十分であるときに、該変形制限部材が該フェースのさらなる変形に抵抗するための力を該フェースに加える、
ウッドタイプゴルフクラブヘッド。
[本発明1030]
前記フェース部材が、閾値インパクト速度未満での前記ボールと前記フェースとのインパクトによって、前記変形制限部材に係合するほど十分には該フェースが変形しないように、かつ、該閾値インパクト速度より上での該ボールと該フェースとのインパクトによって、該変形制限部材に係合するほど十分に該フェースが変形するように適合されている、本発明1029のゴルフクラブヘッド。
[本発明1031]
前記取り付け部分が、前記フェース部材の上側および下側で該フェース部材に接続されており、かつ、前記変形制限部材の第1の部分が、該上側における該取り付け部分から前記フェースの前記内面に向かって延びており、かつ、該変形制限部材の第2の部分が、該下側における該取り付け部分から該フェースの該内面に向かって延びている、本発明1029のゴルフクラブヘッド。
[本発明1032]
前記変形制限部材が、前記開口の少なくとも上部分および下部分の周りにおける前記取り付け部分から内方に延びているフランジを含み、該フランジが、該変形制限部材の前記第1の部分および前記第2の部分を画定する、本発明1031のゴルフクラブヘッド。
[本発明1033]
前記変形制限部材が、前記開口の少なくとも一部分の周りにおける前記取り付け部分から内方に延びているフランジを含む、本発明1029のゴルフクラブヘッド。
[本発明1034]
前記フランジが、前記開口の少なくとも上部分および下部分の周りにおける前記取り付け部分から内方に延びている、本発明1033のゴルフクラブヘッド。
[本発明1035]
本発明1029のゴルフクラブヘッドと、該ヘッドに接続されたシャフトとを含む、ゴルフクラブ。
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面と組み合わされる以下の説明から明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0031】
詳細な説明
本発明の様々な例示的構造に関する以下の説明においては、本明細書の一部を形成し、本発明の局面を実施することができる様々な例示的装置、システムおよび環境が実例として示されている添付図面を参照する。本発明の範囲を逸脱することなく、パーツ、例示的装置、システムおよび環境の他の具体的配設を利用することができ、構造的および機能的変更を加えることができることが理解されよう。また、本明細書においては、本発明の様々な例示的特徴および要素を説明するために「上」、「下」、「前」、「後」、「側方」、「後方」などの語が使用される場合があるが、これらの語は、本明細書中、例えば図示されている例示的な向きまたは通常の使用における向きに基づいて便宜上使用される。さらには、本明細書において使用される語「複数の」は、1よりも大きい、離接的または接続的のいずれかで、必要ならば無限数までの任意の数を示す。本明細書におけるいかなる記載も、本発明の範囲に入るために構造の特定の三次元的向きを要するものと解釈されるべきではない。また、読者は、添付図面が必ずしも原寸に比例する尺度で描かれてはいないことに留意されたい。
【0032】
本明細書においては以下の用語が使用されるが、特に断りのない限り、または文脈から明らかでない限り、これらの用語は、以下に提供する意味を有する。
【0033】
「打球装置」とは、ボールまたは他の類似物体(例えばホッケーのパック)を打つように構成され、設計された任意の装置をいう。以下さらに詳細に説明する「打球ヘッド」を総称的に包含することに加えて、「打球装置」の例は、ゴルフクラブ、パター、クロケットのマレット、ポロのマレット、野球またはソフトボールのバット、クリケットのバット、テニスのラケット、バドミントンのラケット、フィールドホッケーのスティック、アイスホッケーのスティックなどを含むが、これらに限定されない。
【0034】
「打球ヘッド」とは、「打球装置」のうち、使用中にボール(または他の物体)と接触するように設計された部分を含み、それに隣接する(場合によってはそれを包囲する)部分をいう。いくつかの例、例えば多くのゴルフクラブおよびパターにおいて、打球ヘッドは、任意のシャフトまたはハンドル部材から分離され、独立した実体であってもよいし、それは、何らかのやり方でシャフトまたはハンドルに取り付けられていてもよい。
【0035】
用語「シャフト」および「ハンドル」は、本明細書においては同義かつ互換可能に使用され、それらは、打球装置のうち、打球装置のスイング中にユーザが保持する部分(あるならば)を含む。
【0036】
「一体接合技術」とは、不可逆的接合技術、例えば接着接合、セメンティングおよび溶接(ろう付け、はんだ付けなどを含む)をはじめとする、二つのピースをそれら二つのピースが実質的に一つの一体化ピースになるように接合するための技術であって、接合されたピースの分離はそれらに構造的損傷を加えない限り達成することはできない技術をいう。
【0037】
概して、本発明の局面は、打球装置、例えばゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブなどに関する。本発明の少なくともいくつかの例のそのような打球装置は、打球ヘッドおよび打球面を含むことができる。ゴルフクラブの場合、打球面は、打球ヘッドの一つのフェース上の実質的に平らな面である。いくつかのゴルフクラブまたは他の打球装置は複数の打球面を有してもよいことが理解される。本発明のいくつかのより具体的な局面はウッドタイプゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドに関する。または、本発明のいくつかの局面は、アイアンタイプゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド、ハイブリッドクラブ、チッパー、パターなどとで実施されてもよい。
【0038】
本発明の様々な局面によると、本発明の範囲を逸脱することなく、打球装置は、多様な材料、例えば金属(金属合金を含む)、セラミックス、ポリマー、複合材(繊維強化複合材を含む)および木の一つまたは複数で形成されてもよく、多様な構成の一つで形成されてもよい。一つの例示的態様において、ヘッドのいくつかまたはすべてのコンポーネントは、フェースおよびヘッドのボディの少なくとも一部分を含め、金属でできている。ヘッドは、炭素繊維および他の複合材を含むいくつかの異なる材料でできたコンポーネントを含むこともできることが理解される。さらには、コンポーネントは、様々な形成法によって形成されてもよい。例えば、金属コンポーネント(例えばチタン、アルミニウム、チタン合金、アルミニウム合金、鋼(ステンレス鋼を含む)など)は、鍛造、成形、鋳造、スタンピング、機械加工および/または他の公知の技術によって形成することができる。別の例において、炭素繊維−ポリマー複合材のような複合コンポーネントは、多様な複合材加工技術、例えばプレプレグ加工、パウダーベースの技術、型浸潤および/または他の公知の技術によって製造することができる。
【0039】
本出願における様々な図面が本発明の打球装置の例を示す。複数の図面で同じ参照番号が見られる場合、その参照番号は、本明細書および図面を通して同じまたは類似パーツを指すために一貫して使用される。
【0040】
本発明の打球装置の少なくともいくつかの例は、ウッドタイプゴルフクラブ、例えばドライバ、フェアウェイウッドなどのためのヘッドを含むゴルフクラブヘッド構造に関する。本発明の打球装置の他の例は、アイアンタイプゴルフクラブ、例えばロングアイアンクラブ(例えばドライビングアイアン、0〜5番アイアン)、ショートアイアンクラブ(例えば6番アイアン〜ピッチングウェッジならびにサンドウェッジ、ロブウェッジ、ギャップウェッジおよび/または他のウェッジ)ならびにハイブリッドクラブ、パター、チッパーおよび他のタイプのクラブに関することもできる。そのような装置は1ピース構成または多ピース構成を含むことができる。本発明の打球装置の例示的構造を、本発明の少なくともいくつかの例に従って、ゴルフドライバの形態にある打球装置100の例を示す
図1、および、アイアンタイプクラブの形態における打球装置300の例を示す
図14と共に、下記で詳細に説明する。
【0041】
図1〜8は、本発明の少なくともいくつかの例に従ってゴルフドライバの形態にある打球装置100を示し、
図9〜13は、本発明の局面のゴルフドライバの様々なさらなる態様を示す。
図1に示されているように、打球装置100は、打球ヘッド102と、打球ヘッド102に接続されてそこから延びているシャフト104とを含む。
図1の打球装置100の打球ヘッド102は、ボディ108に接続されたフェース112を有し、ホーゼル109がボディから延びている。参照のために、ヘッド102は全般的に、上部116、下部またはソール118、ホーゼル109に近接するヒール120、ホーゼル109から遠いトウ122、前面124および背面または後部126を有する。ヘッド102の形状および設計は、装置100の所期の用途によって部分的に決定されてもよい。
図1に示されているクラブ100において、クラブ100は、ボール106(
図5〜7に示されている)を長距離で正確に打つためのドライバとしての使用のために設計されているため、ヘッド102は相対的に大きな容積を有する。異なるタイプのゴルフクラブの場合のような他の用途において、ヘッドは、異なる寸法および構成を有するように設計されてもよい。ドライバとして構成される場合、クラブヘッドは、少なくとも400cc、いくつかの構造においては少なくとも450ccまたは少なくとも460ccの容積を有してもよい。そうではなく、フェアウェイウッドとして構成されるならば、ヘッドは120cc〜230ccの容積を有してもよく、そしてハイブリッドクラブとして構成されるならば、ヘッドは85cc〜140ccの容積を有してもよい。他のクラブヘッドの場合の他の適切なサイズは当業者によって容易に決定されてもよい。
【0042】
図1〜8に示されている例示的態様において、ヘッド102は、内部キャビティ103を画定する中空構造(例えば、フェース112およびボディ108によって画定される)を有する。従って、ヘッド102は、フェース112の内面111、およびボディ108の内面107を含む、キャビティ103を画定する複数の内部表面を有している。一つの態様において、中空の内部キャビティ103は空気で満たされていてもよい。しかし、他の態様において、ヘッド102は、別の材料、例えばフォームで満たされることもできる。なおさらなる態様においては、ヘッドの固体材料が容積のより大きな割合を占めることができ、ヘッドは、より小さなキャビティを有することもできるし、または内部キャビティを全く有しないこともできる。いくつかの態様において、内部キャビティ103は完全には囲い込まれなくてもよいことが理解される。
図1〜8に示されているような態様において、ヘッド102のボディ108は丸みのある後部プロフィールを有する。他の態様において、ヘッド102のボディ108は、正方形もしくは長方形の後部プロフィールを含む別の形状もしくはプロフィールまたは多様な他の形状の他のいずれかを有することができる。
図12は、正方形または長方形の後部プロフィールを有するボディ108'を有するヘッド102'を示しており、
図1〜
図8のヘッド102の特徴のうち任意のものまたは本明細書に記載されている任意の態様が、
図12に示されているようなヘッド102'に組み入れられ得ることが理解される。参照のために、
図12は、ヘッド102'の前部124'、後部126'、ヒール120'、トウ122'、ソール118'、およびフェース112'も示している。そのような形状は、より低い重心および/またはより高い慣性モーメントを生じさせるために、重量をフェース112および/またはヘッド102の幾何学的中心/容積の中心から離して配分するように構成されることができることが理解される。ボディ108は、以下に説明するように、シャフト104への接続のためにホーゼル109に接続されることもできる。
【0043】
フェース112は、ヘッド102の前面124に位置し、そしてその上に位置する打球面110および打球面110とは反対側の内面111を有する。打球面110は全般的に、使用中にボール106に対面するように構成されたフェース112の外面であり、そして例えばスイングによって装置100が動かされたときボールを打つように適合されている。フェース112は、上縁113、下縁115、ヒール縁117およびトウ縁119を含む複数の周縁によって画定されている。さらには、この態様において、フェース112は打球面110上に複数のフェース溝121を有し、これらのフェース溝はフェース112の中心を横切らない。フェアウェイウッドヘッド、ハイブリッドウッドタイプヘッドのような別の態様において、フェース112は、フェース112の中心の少なくとも一部分を横切って延びている溝121を有してもよい。
【0044】
示されているように、打球面110は相対的に平坦であり、フェース112の大部分を占める。参照のために、ヘッド102のフェース上縁113およびヒール120にもっとも近いフェース112の部分を「ハイヒール区域」と呼び、ヘッド102のフェース上縁113およびトウ122にもっとも近いフェース112の部分を「ハイトウ区域」と呼び、ヘッド102のフェース下縁115およびヒール120にもっとも近いフェース112の部分を「ロウヒール区域」と呼び、そしてヘッド102のフェース下縁115およびトウ122にもっとも近いフェース112の部分を「ロウトウ区域」と呼ぶ。概念的に、これらの区域は、実質的に等しいサイズの四半分(および/またはフェース112の幾何学的中心から延びている四半分)として認識され、参照されてもよいが、必ずしも対称な寸法を有するわけではない。フェース112は、当技術分野において公知であり、かつ一般的であるように、上下方向および/またはヒール−トウ方向にいくらかの湾曲(例えばバルジおよびロール特徴)を含むことができる。他の態様においては、打球面110がフェース112の異なる割合を占めることもできるし、またはボディ108が、その上に多数の打球面110を有することもできる。
図1に示されている例示的態様において、打球面110は、打ったときにボール106にわずかなリフトおよびスピンを加えるために、わずかに傾斜している(すなわちロフト角を有する)。他の例示的態様において、打球面110は、ボール106の弾道に影響するために、異なる傾斜またはロフト角を有してもよい。さらには、いくつかの態様において、フェース112は、可変性の厚さを有することができ、かつ/または、一つまたは複数の内部または外部インサートを有することもできる。
【0045】
フェース112、ボディ108、および/またはホーゼル109は、単一ピースとして、または互いに接合される別々のピースとして形成され得ることが理解される。例えば、
図2〜
図8に示されている態様において、フェース112は、フェースプレートの形態のフェース部材128の一部として形成されており、ボディ108は、その一部または全体が、フェース部材128に接続されたボディ部材129により形成されている。
図2〜
図8に示されている態様は、下記でより詳細に説明されるそのような構造の一例を示す。フェースフレーム部材128が「カップフェース」構造として形成され、フェース部材がフェース112から後方に延びている一つまたは複数の壁部を有する構成を含む他の構成もまた、他の態様において使用され得る。さらには、ボディ部材129は、異なる態様において、単一ピースまたは多ピースで作られていてもよい。これらのピースは、溶接、セメンティング、または接着接合などの一体接合技術により接続されてもよい。解放可能な機械的係合技術を含む多くの機械的接合技術を含む、これらの部品を接合するための他の公知の技術が、同様に使用され得る。所望の場合、ホーゼル109は、ボディ部材129の一部として一体化して形成されてもよいが、フェース部材128がカップフェース部材である場合などの別の態様において、ホーゼル109は、フェース部材128の一部として形成されてもよい。さらに、ガスケット(示されていない)が、いくつかの態様において、フェース部材128とボディ部材129との間に含まれてもよい。
【0046】
図2〜
図8に示されている態様において、ボディ部材129は、フェース部材128への接続のための取り付け構造を有しており、該構造は、ブロックまたは他の部材の形態における取り付け部分130を含み得る。
図5〜
図8に示されているように、ボディ部材128は、その前端132で画定される開口131を有しており、取り付け部分130は、開口131全体の周りに配置されている。別の態様において、取り付け部分130または他の取り付け構造は、開口131の一部分のみの周りに配置されてもよい。フェース部材128は、フェース部材128をボディ部材129に接続するために、開口131内で少なくとも部分的に受けられる。上記のように、
図5〜
図8の態様におけるフェース部材128は、周縁134により画定されるフェースプレートである。さらには、
図5〜
図8における取り付け部分130は、開口131の少なくとも一部分の周りにプラットフォーム133を含み、プラットフォーム133にフェース部材128の周縁134の一つまたは複数が接触して、フェース部材128が取り付け部分130に接続されている。この態様において、プラットフォーム133は、ボディ部材129の前端132から凹んでいる、凹んだプラットフォームであり、フェース部材128が凹んだプラットフォーム133上にあることを可能にし、他方、打球面110は、ボディ部材129の隣接区域と実質的に同一平面上にある。フェース部材128は、例えば、溶接、ろう付け、はんだ付け、もしくは他の一体接合技術により、またはファスナーもしくは別の接合技術を用いることにより、周縁134でまたはその周りで取り付け部分130に接続されてもよい。他の態様において、フェース部材128および/またはボディ部材129は、一例において、上述のようなカップフェース部材および相補性ボディ部材などの異なる形態を有してもよい。別の例において、ボディ部材129は、例えば、フェース部材128を本来の場所に保持するための複数の別々のブロックまたはブラケットを有することにより、開口131の一部分のみの周りに位置する取り付け部分130または他の取り付け構造を有してもよい。さらに他の態様も企図される。
【0047】
打球装置100は、
図1に示されているように、打球ヘッド102に接続または他のやり方で係合したシャフト104を含むことができる。シャフト104は、打球装置100をスイングしてボール106を打つためにユーザによって把持されるように適合されている。シャフト104は、
図1に示されているように、例えばホーゼル109に接続することによってヘッド102に接続された別個のピースとして形成されることができる。本発明を逸脱することなく、当技術分野において公知であり、使用されているような従来のホーゼルもしくは他のヘッド/シャフト相互接続構造またはすべて全体として参照により本明細書に組み入れられる2005年5月10日付けのBruce D. Burrowsの名における米国特許第6,890,269号、2007年7月6日にJohn Thomas Stitesらの名で出願された米国特許出願公開公報第2009/0011848号、2007年7月6日にJohn Thomas Stitesらの名で出願された米国特許出願公開公報第2009/0011849号、2007年7月6日にJohn Thomas Stitesらの名で出願された米国特許出願公開公報第2009/0011850号および2007年8月28日にJohn Thomas Stitesらの名で出願された米国特許出願公開公報第2009/0062029号に示され、記載されているような調節可能、解放可能および/または交換可能なホーゼルまたは他のヘッド/シャフト相互接続構造を含む所望のホーゼルおよび/またはヘッド/シャフト相互接続構造を使用することもできる。他の例示的態様においては、シャフト104の少なくとも一部分がヘッド102とで一体のピースであってもよいし、および/またはヘッド102が、ホーゼル109を含まなくてもよいし、内部ホーゼル構造を含んでもよい。本発明の範囲を逸脱することなく、なおさらなる態様が考えられる。
【0048】
シャフト104は、金属、セラミックス、ポリマー、複合材または木を含む多様な材料の一つまたは複数から構成されることができる。いくつかの例示的態様において、シャフト104または少なくともその部分は、金属、例えばステンレス鋼もしくチタンまたは複合材、例えば炭素/グラファイト繊維・ポリマー複合材で構成されることができる。しかし、本発明の範囲を逸脱することなく、シャフト104は、当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来の材料を含む様々な材料で構築されることができると考えられる。
図1に示されているように、ゴルフクラブシャフト104を把持するための滑り止め面をゴルファーに提供するために、グリップ要素105がシャフト104上に配置されることもできる。グリップ要素105は、当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来のやり方を含む任意の所望のやり方でシャフト104に取り付けることができる(例えば、接着剤またはセメント、ねじまたは他の機械的コネクタ、スエッジ加工/スエージ加工などによって)。
【0049】
概して、本明細書に記載されている打球ヘッドは、フェース112の背後に位置しかつ特定の条件下でフェース112の変形を制限する、変形制限部材140を含有する。一つの例示的態様において、フェース112および変形制限部材140は、ボール106と打球面110とのインパクトにより変形制限部材140の方向へのフェース112の変形が引き起こされるように適合されており、フェース112の変形がフェース112の内面111を変形制限部材140に係合させるのに十分であるときに、変形制限部材140は、フェース112のさらなる変形に抵抗するようにフェース112に力を加える。フェース112の変形の程度は、ヘッド102のスイング速度を含むいくつかの要因に依存し得る。従って、一つの態様において、閾値インパクト速度(すなわちスイング速度)未満でのボール106とフェース112とのインパクトは、変形制限部材140に係合するほど十分にはフェース112を変形させず、かつ、閾値インパクト速度より上でのボール106とフェース112とのインパクトは、変形制限部材140に係合するほど十分にフェース112を変形させ得る。フェース112の変形の程度は、例えば、フェース112の剛性、ボール106の質量および可撓性、フェース112上のインパクト位置などの他の要因にも依存し得る。従って、ヘッド102が異なる閾値スイング速度にカスタマイズまたは調整され得ること、および外部要因(例えば、ボール106の特性)がフェース112を異なるように変形させ得ることが理解される。
【0050】
図2〜
図8に示されているヘッド102のような一つの態様において、変形制限部材140は、ヘッド102の内部表面の一つ(例えば、ボディ108の内面107)から、フェース112の内面111からある距離だけ離間されている点まで延びている。この態様において、変形制限部材140は、フェース112の周縁部の少なくとも一部分の周りおよび開口131の少なくとも一部分の周りにおけるボディ108の内面107から延びているフランジ141により形成されている。
図2〜
図8のヘッド102において、フランジ141は、取り付け部分130でボディ108の内面107に固定されている固定端142と、フェース112の内面111に近接して配置されている自由端143とを有する。固定端142は、ボディ108の一つまたは複数の内面107上に、かつ/または、フェース112の周縁113、115、117、119のうち一つもしくは複数に隣接して配置されてもよい。
図5に示されているように、変形制限部材140は、変形制限部材140の自由端143がフェース112の内面111から短い距離だけ離間されるように、キャビティ103中に向かって内方でありかつフェース112に向かって延びている。一つの態様、例えば
図2〜
図8における態様において、変形制限部材140は、ボディ108の上側からフェース112の内面111に向かって延びている第1の部分または上部分144と、ボディ108の下側からフェース112の内面111に向かって延びている第2の部分または下部分145とを有する。
図2〜
図8の態様において、変形制限部材140の第1の部分144および第2の部分145は、取り付け部分130から概ねフェース112の中心に向かって延びているが、中心に到達せずにまたはフェース112に接触せずに末端をなす。
図8に示されているように、フランジ141は、フェース112の周縁部全体および開口131全体の周りに延びてリング様構造を形成し、変形制限部材140の自由端143が、開口131に類似した形状を有する内縁146において末端をなすようにする。別の見方をすると、第1の部分144は、フェース112の上部周縁113に近接する点から内方に延びており、第2の部分145は、フェース112の下部周縁115に近接する点から内方に延びている。
【0051】
他の態様において、変形制限部材140は、下記の
図9〜
図11、
図13、および
図16に示されている構成を含む異なる構成を有し得る。例えば、フランジ141は、一つの態様においてはフェース112に平行に延びてもよく、別の態様においてはフェース112から遠くに離間されている固定端142を有していてもよい。さらなる態様において、フランジ141は、キャビティ103を完全に横切って延びている壁部またはブレースを形成してもよく、画定された内縁146を有さなくてもよい。変形制限部材140は、これらの特徴または本明細書に記載されている他の特徴の任意の組み合わせを含んでもよい。
【0052】
図6〜
図7は、異なるスイング速度でボール106とインパクトした際の、フェース112および変形制限部材140の挙動および機能を示す。
図6は、低いスイング速度でのボール106とフェース112のほぼ中心とのインパクトを示す。
図6に示されているように、フェース112は、ボール106とのインパクト時に内方に撓むことにより変形するが、インパクトのエネルギーは、変形制限部材140がフェース112の内面111に接触する程度まで十分にはフェース112を変形させない。従って、
図6に示されているインパクトにおいて、変形制限部材140は、フェース112におけるインパクトの物理的特性またはインパクト中のフェース112の挙動に影響を及ぼさない。
図7は、より高いスイング速度でのボール106とフェース112のほぼ中心とのインパクトを示す。
図7に示されているように、フェース112は、ボール106とのインパクト時に内方に撓むことにより変形し、インパクトのエネルギーは、変形制限部材140がフェース112の内面111に係合してフェース112の内面111に力を加える程度まで十分にフェース112を変形させる。変形制限部材140によってフェース112に加えられる力は、フェース112の内方へのさらなる変形に抵抗しかつ/または制限する。さらには、変形制限部材140とフェース112との接触により、フェース112の外縁113、115、117、119から内方に接触点または「ブレース」が形成される。これにより、フェース112の変形プロフィールが変化することができる、すなわち、フェース112のさらなる変形が、概して、フェース112と変形制限部材140との接触点の内側に位置するより小さな区域で起こり、フェース112(または変形されたフェース112の少なくとも一部分)の曲げ剛性を増大させることもできる。従って、
図7に示されているインパクトにおいて、変形制限部材140によりフェース112に加えられる力は、フェース112におけるインパクトの物理的特性およびインパクト中のフェース112の挙動に影響を及ぼす。一つの態様において、変形制限部材140は、フェース112との接触時にフェース112のさらなる変形を効率的に止める高剛性部材であってもよい。別の態様において、変形制限部材140は、フェース112が接触した時に撓んで、フェース112のいくらかのさらなる変形を可能にすることができる、弾力的可撓性部材またはばね様部材であってもよい。変形制限部材140は、フェース112の変形を制限することにより、より高いスイング速度におけるフェース112の接触時間および/またはCORを制御することができる。
【0053】
一つの態様において、ヘッド102は閾値スイング速度を有してもよく、閾値スイング速度より上でのインパクトは、変形制限部材140が上記のようにフェースに係合するほど十分にフェース112を変形させ、閾値スイング速度未満でのインパクトは、変形制限部材140に接触するほど十分にはフェース112を変形させない。例えば、一つの態様における閾値スイング速度は、フェース112の中心および/または最高反発の区域でのインパクトについて、およそ105 mphであってもよい。別の態様において、閾値スイング速度は、およそ100 mphであってもよく、さらなる態様において、閾値スイング速度は、およそ95 mphであってもよい。そのような閾値スイング速度は、打たれる物体の質量に少なくとも部分的に依存し得、閾値スイング速度が異なる質量を有する異なる物体を打つために異なり得ることが理解される。一つの態様において、上記の閾値スイング速度は、およそ1.62 ozの最大重量を有する規定ゴルフボール106を打つために適用可能であり得る。打たれる物体、フェース112、および/またはインパクト自体の追加的な特性が、閾値速度に影響を及ぼし得る。例えば、フェース112上のインパクト位置、インパクト時のフェース112の角度、打たれる物体の可撓性、ならびに、フェース112および/または当該物体の任意の固有の非線形インパクト特性が、閾値スイング速度に影響を与え得る。一つの態様において、上記で特定される閾値スイング速度は、フェース112の中心および/もしくはフェース112の最高反発の区域またはその周りで、規定ゴルフボール106との実質的に直角のインパクトに適合され得る。フェース112の弾性率および断面慣性モーメントの両方に依存し得る、フェース112の局所的または全体的な剛性などのフェース112の特性の変化によって、閾値スイング速度が上昇または低下し得ることが理解される。さらには、フェース112からより遠くに離間されている自由端143を有する変形制限部材140は、フェース112を十分に変形させるためにより大きなインパクトエネルギーを必要とし得、かつその逆もまた同じであるため、フェース112の内面111から変形制限部材140までの距離もまた、閾値速度に影響を与え得る。
【0054】
図9〜
図11は、異なる変形制限部材140A〜Cを利用する
図2〜
図8のヘッド102の他の態様を示す。
図9のヘッド102は、取り付け部分130に接続された固定端142Aを有し、概ねフェース112の中心に向かって延びているが、中心に到達せずにまたはフェース112に接触せずに末端をなす、第1の部分144Aおよび第2の部分145Aを有する、変形制限部材140Aを含む。
図9に示されているように、フランジ141Aは、フェース112の周縁部全体および開口131全体の周りに延びてリング様構造を形成し、変形制限部材140の自由端143Aが、フェース112からある距離だけ離間されている円形または楕円形の内縁146Aにおいて末端をなす。
図10のヘッド102は、ボディ108の上側から延びている第1の(上)部分144Bと、ホディ108の下側から延びている別の第2の(下)部分145Bとを有する、変形制限部材140Bを含む。この態様において、上部分144Bおよび下部分145Bは、
図5における変形制限部材140と同様に、取り付け部分130に接続された固定端142Bと、フェース112に近接して延びておりかつフェース112からある距離だけ離間されている内縁146Bを形成する自由端143Bとを各々有するフランジ141Bにより形成されている。
図11のヘッド102は、取り付け部分130に接続された固定端142Cと、フェース112に近接して延びておりかつフェース112からある距離だけ離間されている自由端143Cとを各々有する複数のブレース141Cを有する、変形制限部材140Cを含む。ボディ108の上側から延びているブレース141Cは、ひとまとめに上部分144Cとみなされてもよく、ボディ108の下側から延びているブレース141Cは、ひとまとめに下部分145Cとみなされてもよい。
図9〜
図11の変形制限部材140A〜Cは、上記のような
図2〜
図8の変形制限部材140と同様に機能する。
【0055】
図13は、本発明の少なくともいくつかの例に従う、ウッドタイプゴルフクラブヘッド202の形態の打球装置200を示す。
図1〜
図8の打球装置100と
図13の打球装置200との間の多くの共通のコンポーネントは、「2xx」シリーズの参照番号を使用し、以下の説明において類似した参照番号を用いて言及される。従って、既に上記で説明されている
図13のヘッド202の特定の特徴は、下記であまり詳細に説明されないかもしれないし、またはまったく説明されないかもしれない。この態様において、ヘッド202のフェース212およびボディ208は、
図1〜
図8のヘッド102とは異なる取り付け構成および接続構造により接続されている。例えば、ヘッド202は取り付けブロックを有さない。
図13のヘッド202は、他の可能な接続構造の中でも、ボディ部材に接続されたカップフェース構造を有してもよいし、またはボディ108と一体に形成されているフェース112を有してもよい。この態様において、ヘッド202は、
図1〜
図8の変形制限部材140と同様に、ボディ208の内面207に接続された固定端242を有しており、概ねフェース212の中心に向かって延びているが、中心に到達せずにまたはフェース212に接触せずに末端をなす、第1の部分244および第2の部分245を有する、変形制限部材240を含む。
図13の変形制限部材240は、
図1〜
図8に示されている態様とは対照的に、特定可能な取り付け部分に接続されていなくてもよい。さらには、
図13の変形制限部材240は、
図1〜
図8のフランジ141と同様に構成されて、フェース212の周縁部全体の周りに延びており、フェース212に近接する内縁246において末端をなし、フェース212からある距離だけ離間されている、フランジ241を含む。
図13の変形制限部材240は、上記のような
図2〜
図8の変形制限部材140と同様に機能する。他の態様において、変形制限部材240は、
図9〜
図11に示されている構成のうち任意のものを含む別の構成を有してもよく、ヘッド202は、本明細書において記載されている任意の他の特徴を含んでもよい。フェース212がカップフェース構造の一部として形成されている一つの態様において、変形制限部材240の固定端242は、フェース212から後方に延びているカップフェース構造の壁部のうちの一つに接続されていてもよいし、ボディ部材との接続のために異なる変形制限部材240を有する異なるカップフェース部材が構成されていてもよい。
【0056】
図14〜
図16は、本発明の少なくともいくつかの例に従う、ゴルフアイアンの形態の打球装置300を示す。
図1〜
図8の打球装置100と
図14〜
図16の打球装置300との間の多くの共通のコンポーネントは、「3xx」シリーズの参照番号を使用し、以下の説明において類似した参照番号を用いて言及される。打球装置300は、シャフト304と、シャフト304に取り付けられたゴルフクラブヘッド302とを含む。
図15〜
図16のゴルフクラブヘッド302は、本発明の例に従う、任意のアイアンまたはハイブリッドタイプのゴルフクラブヘッドを代表してもよい。
【0057】
図14〜
図16に示されているように、ゴルフクラブヘッド302は、フェース312、フェース312から後方に延びているボディ308、および、シャフト304の取り付けのためにヘッド302から延びているホーゼル309を含む。参照のために、ヘッド302は、概して、上部316、下部またはソール318、ホーゼル309に近接するヒール320、ホーゼル309から遠いトウ322、前部324、および背部または後部(示されていない)を有する。ヘッド302の形状および設計は、装置300の意図される用途により部分的に定められ得る。ヒール部分320は、ホーゼル309に取り付けられ、かつ/またはそれから延びている(例えば、単体または一体型の1ピース構造として、別々の接続された要素としてなど)。
図14〜
図16に示されているヘッド302は、複数の内面307により画定される開放された後方キャビティ303を有し、ボディ308は、キャビティ303を少なくとも部分的に画定するためにフェース312から後方に延びている壁部325を含む。異なるサイズまたは構成のキャビティを有するヘッド、部分的にまたは完全に閉鎖された後方キャビティを有するヘッド、および後方キャビティを含まないブレードタイプヘッドを含む、アイアンタイプヘッドの他の態様もまた、本発明と関連して使用されてもよい。
【0058】
フェース312は、ヘッド302の前部324に位置し、外面310、および、外面310とは反対側に位置し、フェース312の内面と考えられてもよい後面311を有する。フェース312は、上縁313、下縁315、ヒール縁317、およびトウ縁319を含む複数の周縁により画定される。フェース312はまた、打球面310上に複数のフェース溝321を有する。参照目的で、ヘッド302のフェース上縁313およびヒール320に最も近いフェース312の部分を「ハイヒール区域」と呼び;ヘッド302のフェース上縁313およびトウ322に最も近いフェース312の部分を「ハイトウ区域」と呼び;ヘッド302のフェース下縁315およびヒール320に最も近いフェース312の部分を「ローヒール区域」と呼び;ならびに、ヘッド302のフェース下縁315およびトウ322に最も近いフェース312の部分を「ロートウ区域」と呼ぶ。概念的に、これらの区域は、必ずしも対称性の寸法を有するわけではないが、実質的に同等のサイズの四半分(および/またはフェース312の幾何学的中心から延びている四半分)として認識され、参照されてもよい。フェース312は、当技術分野において公知でありかつ慣例的であるように、上部から下部へおよび/またはヒールからトウへの方向にいくらかの湾曲(例えば、隆起およびロール特性)を含んでもよい。打球面310は、打った時にボールに相当程度のリフトおよびスピンを与えるために、傾斜している(すなわち、ロフト角にある)。様々な態様において、打球面310は、ボールの軌道に影響を与えるために、異なる傾斜またはロフト角を有してもよい。例えば、一つの態様において、
図14〜
図16に示されているようなアイアンタイプゴルフクラブヘッド302は、19°〜64°の間のロフト角を有してもよい。
【0059】
ゴルフクラブヘッド302のボディ308は、鋼、チタン、アルミニウム、タングステン、グラファイト、ポリマー、もしくは複合材、またはこれらの組み合わせなどの、当技術分野において従来公知でありかつ使用されている材料を含む、多種多様の異なる材料から構築されてもよい。また、所望の場合、クラブヘッド302は、任意の数のピース(例えば、別々のフェースプレートを有するなど)から作られてもよく、かつ/または、例えば、鋳造、鍛造、溶接、および/もしくは当技術分野において公知でありかつ使用されている他の方法を含む任意の構築技術により作られてもよい。フェース312は、上記のうち任意の材料および任意の他の適当な材料を用いて構築されてもよい。
【0060】
フェース312、ボディ308、および/またはホーゼル309は、上記の
図2〜
図8に示されているヘッド102と同様に、単一ピースとして、または互いに接合される別々のピースとして形成され得ることが理解される。例えば、
図16に示されている態様において、フェース312は、フェースプレートの形態のフェース部材328の一部として形成されており、ボディ308は、その一部または全体が、フェース部材128に接続されているボディ部材329により形成されている。
図16に示されている態様は、下記でより詳細に説明されるそのような構造の一例を示している。他の態様においては他の構成が使用されてもよく、
図2〜
図8のフェース部材128およびボディ部材129に関する上記の任意の特徴、構造、および/または接合技術が使用されてもよい。
【0061】
図15〜
図16に示されている態様において、ボディ部材329は、フェース部材328への接続のための取り付け構造を有しており、該構造は、フェース312から後方に延びている壁部325により少なくとも部分的に形成される取り付け部分330を含んでもよい。
図16に示されているように、ボディ部材328は、その前端332で画定される開口331を有しており、開口331全体の周りに取り付け部分330が配置されている。別の態様においては、開口331の一部分のみの周りに、取り付け部分330または他の取り付け構造が配置されてもよい。フェース部材328をボディ部材329に接続するために、フェース部材328は少なくとも部分的に開口331内で受けられる。上記のように、
図15〜
図16の態様におけるフェース部材328は、周縁334により画定されるフェースプレートである。さらには、
図15〜
図16における取り付け部分330は、開口331の少なくとも一部分の周りにプラットフォーム333を含み、フェース部材328の周縁334の一つまたは複数は、プラットフォーム333に接触してフェース部材328を取り付け部分330に接続する。この態様において、
図2〜
図8の態様と同様に、プラットフォーム333は、ボディ部材329の前端332から凹んでいる、凹んだプラットフォームであり、フェース部材328が凹んだプラットフォーム333上にあることを可能にし、他方、打球面310は、ボディ部材329の隣接区域と実質的に同一平面上にある。フェース部材328は、例えば、溶接、ろう付け、はんだ付け、もしくは他の一体接合技術により、またはファスナーもしくは別の接合技術を用いることにより、周縁334でまたはその周りで取り付け部分330に接続されてもよい。他の態様において、フェース部材328および/またはボディ部材329は、本明細書に記載されている任意の他の構成などの異なる形態を有してもよい。
【0062】
打球装置300は、
図15に示されているようにおよび上記のように、打球ヘッド302に接続されているか、または別の方法で係合したシャフト304を含んでもよい。シャフト304は、打球装置300をスイングしてボールを打つためにユーザが握るように適合されている。シャフト304は、
図16に示されているように、例えば、ホーゼル309に接続することにより、ヘッド302に接続された別々のピースとして形成され得る。上記のものを含む任意の所望のホーゼルおよび/またはヘッド/シャフト相互接続構造が、本発明から逸脱することなく使用されてもよい。
【0063】
図14〜
図16に示されている態様において、ヘッド302は、
図2〜
図8の変形制限部材140と同様に構成されている変形制限部材340を含む。変形制限部材340は、
図1〜
図8の変形制限部材140と同様に、後方キャビティ303の内面307に接続された固定端342を有しており、概ねフェース312の中心に向かって延びているが、中心に到達せずにまたはフェース312に接触せずに末端をなす、第1の部分344および第2の部分345を有する。
図14〜
図16の変形制限部材340は、取り付け部分330の少なくとも一部を形成するように働く壁部325に接続されているが、他の態様においては、変形制限部材340は、特定可能な取り付け部分に接続されなくてもよい。さらには、
図14〜
図16の変形制限部材340は、
図1〜
図8のフランジ141と同様に構成されて、フェース312の周縁部全体の周りに延びており、フェース312に近接する内縁346において末端をなし、フェース312からある距離だけ離間されている、フランジ341を含む。
図14〜
図16の変形制限部材340は、上記のような
図2〜
図8の変形制限部材140と同様に機能する。他の態様において、変形制限部材340は、
図9〜
図11および
図13に示されている構成のうち任意のものを含む別の構成を有してもよく、ヘッド302は、アイアンタイプヘッド302における使用のために改変されてもよい、本明細書に記載されている任意の他の特徴を含んでもよい。
【0064】
本明細書に記載されたゴルフクラブ100およびヘッド102、102'、202、302(本明細書において102と呼ぶ、以下参照)ならびにこれらの部分の様々な態様を含むいくつかの異なる態様を上記で説明した。これらの様々な態様の特徴のいずれかが組み合わされたり、かつ/または交換されたりしてもよいことが理解される。例えば、上記のように、本明細書に記載される構成、そのような構成の変形もしくは組み合わせまたは他の構成を含む、クラブヘッド102(以下参照)と、異なって構成された変形制限部材140(以下参照)との様々な異なる組み合わせを使用することができる。さらなる態様において、本明細書に記載されている特徴の少なくともいくつかは、ウッドタイプクラブ、アイアンタイプクラブ、他のゴルフクラブ、または他のタイプの打球装置の他の構成と関連して使用され得る。
【0065】
本明細書において開示される特徴を組み込んでいるヘッド102(以下参照)が、打球装置またはその一部として使用されてもよい。例えば、
図1に示されているようなゴルフクラブ100は、シャフトまたはハンドル104を、提供されるヘッド、例えば上記のようなヘッド102に取り付けることによって製造されてもよい。本明細書において使用される、ヘッドを「提供する」とは、広く、物品を、その物品に対して実施される将来の動作のために利用可能またはアクセス可能にすることをいい、その物品を提供する当事者がその物品を製造、生産または供給したということ、またはその物品を提供する当事者がその物品の所有権または管理を有するということを意味するわけではない。他の態様において、本明細書に記載される原理に従って様々なタイプの打球装置を製造することができる。一つの態様において、クラブの少なくとも一つが、上記のような変形制限部材140(以下参照)を有するヘッドを有するゴルフクラブのセットを製造することができる。
【0066】
さらには、ヘッド102(以下参照)、ゴルフクラブ100(以下参照)、または他の打球装置は、特定のユーザに合わされてもよいし、またはカスタマイズされてもよい。そのようなカスタマイズが、
図2〜
図8のヘッド102に関して下記で説明されるが、同一または類似した様式のカスタマイズが、本明細書に記載されている他のヘッド102'、202、302で使用されてもよいことが理解される。一つの態様において、ヘッド102は、異なるように構成された変形制限部材140を有する複数のボディ部材からボディ部材129を選択すること、および、選択されたボディ部材129にフェース部材128を接続すること、カスタマイズされ得る。例えば、異なるボディ部材129は、フェース112が変形制限部材140に係合する時に異なる反発を提供する、異なる可撓性を有する変形制限部材140を有してもよい。別の例として、異なるボディ部材129は、フェース112の内面111から異なる距離だけ離間されている自由端143を有する変形制限部材140を有してもよく、フェース112を変形制限部材140に係合させるための閾値速度を変更し得る。別の態様においては、変形制限部材140とフェース112との間の離間距離を変更するために、構造物が使用されてもよく、異なるフェース112または変形制限部材140を用いることなく、異なる反発特性を提供することができる。例えば、
図7A〜
図7Bに示されているように、変形制限部材140の表面(
図7A)および/またはフェース112の内面111(
図7B)に、この離間距離を変化させるためにインサート148が接続されてもよい。そのようなインサート148は、本明細書において示されかつ/または記載されている任意の態様と関連して使用されてもよいことが理解される。他の態様においては他の構造物が使用されてもよい。さらなる態様において、ヘッド102は、異なるように構成された複数のフェース部材からフェース部材128を選択すること、およびフェース部材128をボディ部材129に接続することにより、カスタマイズされ得る。異なるフェース部材112は、変形制限部材140がフェース112に係合する時に異なる反発を生じさせることができ、かつ/または閾値速度を変化させることができる、異なる剛性などの異なる特性を有してもよい。異なるフェース112の剛性および/または反発は、例えば、材料の特性(例えば、弾性率)、厚さ、湾曲、断面形状、構造の特徴などのいくつかの特性により影響を受け得る。さらに、フェース112は、例えば、異なる剛性または反発を有する別のフェースとのフェース112の相互交換を可能にし得る、フェース112を取り付け部分130上に取り付けるためのねじまたは他のファスナーを用いることにより、取り外し可能であってもよい。フェース部材128およびボディ部材129の両方が、複数の異なるフェースおよびボディ部材から選択され得ることが理解される。カスタマイズのためのさらなる他の選択肢が可能である。
【0067】
本明細書に記載されているような打球装置およびそのためのヘッドは、既存の製品を上回る多くの有益性および利点を提供する。例えば、本明細書に記載されているような変形制限部材を含有する打球ヘッドは、より低いスイング速度を含む特定のスイング速度に最適化され得る。上記のように、多くの既存のゴルフクラブヘッドは、高齢のゴルファーおよび/または経験の少ないゴルファーにとって典型的なスイング速度よりも高いスイング速度に最適化されている。変形制限部材を含む、本明細書に記載されているようなゴルフクラブヘッドは、より低いスイング速度で改善されたパフォーマンスを提供することができ、より高いスイング速度で達成されるボール速度を妨げないが、低いスイング速度を有するプレーヤーがより速いボール速度を達成することを可能にする。さらに他の有益性および利点が、当業者には容易に認識可能である。
【0068】
本発明を実施する好ましい形態を含む具体例に関して本発明を説明したが、当業者は、上記システムおよび方法の数多くの変形および置換があることを理解するであろう。従って、本発明の精神および範囲は、添付の特許請求の範囲において示されるように広く解釈されるべきである。