特許第6093860号(P6093860)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6093860
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20170227BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20170227BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   H01L21/205
   C23C16/455
   C23C16/458
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-528403(P2015-528403)
(86)(22)【出願日】2013年8月23日
(65)【公表番号】特表2015-531171(P2015-531171A)
(43)【公表日】2015年10月29日
(86)【国際出願番号】KR2013007571
(87)【国際公開番号】WO2014035096
(87)【国際公開日】20140306
【審査請求日】2015年2月24日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0094384
(32)【優先日】2012年8月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509123895
【氏名又は名称】ユ−ジーン テクノロジー カンパニー.リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、 イル クァン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、 ビョン−ギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、 キョン−フン
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ヨン−キ
(72)【発明者】
【氏名】シン、 ヤン シク
【審査官】 河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−151489(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0267174(US,A1)
【文献】 特開2009−246071(JP,A)
【文献】 特開2003−168650(JP,A)
【文献】 特開平08−236451(JP,A)
【文献】 特開平05−347254(JP,A)
【文献】 特開平07−193015(JP,A)
【文献】 特開平08−124859(JP,A)
【文献】 特開2004−128031(JP,A)
【文献】 米国特許第06113984(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
C23C 16/455
C23C 16/458
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開放された形状を有するメインチャンバと、
前記メインチャンバの内部に設置されて、基板が置かれるサセプタと、
前記メインチャンバの開放された上部に設置されて、前記サセプタの上部に位置する上部設置空間と前記上部設置空間の外側に配置されるガス供給通路を有するチャンバ蓋と、
前記上部設置空間に設置されて、前記基板を加熱するヒーティングブロックと、
前記ガス供給通路と連結されて前記メインチャンバの内部にプロセスガスを供給するガス供給ポートと、を含み、
前記サセプタの周りを囲むように設置され、複数個の噴射孔を介して不活性ガスを噴射するノズルリングと、
前記ノズルリングの外側に配置され、複数のガイド孔を有し、隣接したノズルリングと対応する円弧状を有する円状ガイド部であって、前記サセプタと、前記ガス供給通路の反対側に形成された排気通路との間に配置される前記円状ガイド部を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記メインチャンバは一側に形成されて前記基板が出入する通路を有し、
前記基板処理装置は前記サセプタと隣接した前記通路の一側に設置されて不活性ガスを噴射する補助ガスノズルを含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記基板処理装置は、
前記ガス供給通路の下端部に設置され、前記ガス供給ポートを介して供給された前記プロセスガスを拡散する拡散板を更に含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記ガス供給通路及び前記拡散板は前記サセプタと同心の円弧状であり、
前記ガス供給通路及び前記拡散板の幅は前記基板の直径と大体一致することを特徴とする請求項3記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記メインチャンバは底面から窪んで前記サセプタが収容される下部設置空間を有し、
前記基板処理装置は前記サセプタを囲むように配置されて前記下部設置空間内に収容され、上部に向かって不活性ガスを噴射する前記ノズルリングを更に含むことを特徴とする請求項3記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記メインチャンバはガス供給通路の反対側に形成された前記排気通路を有し、
前記基板処理装置は、
前記サセプタの外側に配置され、前記ガス供給通路から供給された前記プロセスガスを前記排気通路に向かって案内するフローガイドを更に含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記フローガイドは、
前記円状ガイド部と、
前記円状ガイド部の両側に連結されて前記サセプタの両側に配置され、前記ガス供給通路の中心と前記排気通路の中心を連結する直線と大体平行するガイド面を有する直線ガイド部と、を更に含むことを特徴とする請求項6記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記メインチャンバは底面から窪んで前記サセプタが収容される下部設置空間を有し、
前記ガス供給通路は前記下部設置空間の外側に位置する前記メインチャンバの底面の上部に位置することを特徴とする請求項3記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置に関するものであり、より詳しくは、ガス供給通路を基板の上部外側に配置して内部空間に向かってプロセスガスを供給する基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子製造工程は高温における基板の均一な熱処理を要求する。このような工程の例としては、物質層が気体状態から反応器内のサセプタに置かれている半導体基板の上に蒸着される化学気相蒸着、シリコーンエピタクシャル成長などがある。サセプタは抵抗加熱、高周波加熱、赤外線加熱によって大体400〜1250℃範囲の高温で加熱され、ガスが反応器を通過して化学反応によって気体状態で蒸着工程が基板表面に非常に近接して発生する。この反応によって基板の上に所望の生成物が蒸着される。
【0003】
半導体装置はシリコーン基板の上に複数の層(layers)を有しており、これら複数の層は蒸着工程を介して基板の上に蒸着される。このような蒸着工程はいくつかの重要な課題を有しており、このような課題は蒸着された膜を評価し蒸着方法を選択するのに重要である。
【0004】
先ず、重要な課題の一例は、蒸着された複数の膜の内の各膜の「質」(quality)である。これは成分(composition)、汚染度(contamination levels)、欠陥密度(defect density)、そして機械的・電気的特性(mechanical and electrical properties)を意味する。膜の成分は蒸着条件に応じて異なり、これは特定な成分(specific composition)を得るために非常に重要である。
【0005】
次に、重要な課題の他の具体例は、ウェハにわたる均一な厚さ(uniform thickness)である。特に段差(step)が形成された非平面(nonplanar)形状のパターンの上部に蒸着された膜の厚さが非常に重要である。蒸着された膜の厚さが均一であるのか否かは、段差がある部分に蒸着された最小厚さをパターンの上部面に蒸着された厚さで除した値に定義されるステップカバレッジ(step coverage)により判定する。
【0006】
蒸着に関する他の課題は空間を埋めること(filling space)である。これは金属ラインの間を、酸化膜を含む絶縁膜で詰めるギャップフィリング(gap filling)を含む。ギャップはメタル配線(metal line)を物理的及び電気的に絶縁するために提供される。このような課題のうち、均一度は蒸着工程に関する重要な課題の一つであり、不均一な膜は、メタル配線の上で高い電気抵抗(electrical resistance)をもたらし、機械的な破損の可能性を増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、処理空間と区分された上部設置空間の外側にガス供給通路を配置してプロセスガスを供給する基板処理装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、処理空間と区分された上部設置空間にヒータを設置して基板の温度を制御する基板処理装置を提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、後述する詳細な説明と添付した図面からより明確になるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によると、上部が開放された形状を有するメインチャンバと、前記メインチャンバの内部に設置されて基板が置かれるサセプタと、前記メインチャンバの開放された上部に設置されて前記サセプタの上部に位置する上部設置空間と前記上部設置空間の外側に配置されるガス供給通路を有するチャンバ蓋と、前記上部設置空間に設置されて前記基板を加熱するヒーティングブロックと、前記ガス供給通路と連結されて前記メインチャンバの内部にプロセスガスを供給するガス供給ポートと、を含む。
【0011】
前記メインチャンバは、一側に形成されて前記基板が出入する通路を有し、前記基板処理装置は前記サセプタと隣接した前記通路の一側に設置されて不活性ガスを噴射する補助ガスノズルを含む。
【0012】
前記基板処理装置は、前記ガス供給通路の下端部に設置され、前記ガス供給ポートを介して供給されたプロセスガスを拡散する拡散板を更に含む。
【0013】
前記ガス供給通路及び前記拡散板は前記サセプタと同心の円弧状であり、前記ガス供給通路及び前記拡散板の幅は前記基板の直径と大体一致する。
【0014】
前記メインチャンバは底面から窪んで前記サセプタが収容される下部設置空間を有し、前記基板処理装置は前記サセプタを囲むように配置されて前記下部設置空間内に収容され、上部に向かって不活性ガスを噴射するノズルリングを更に含む。
【0015】
前記メインチャンバはガス供給通路の反対側に形成された排気通路を有し、前記基板処理装置は前記サセプタの外側に配置され、前記ガス供給通路から供給された前記プロセスガスを前記排気通路に向かって案内するフローガイド(flow guide)を更に含む。
【0016】
前記フローガイドは、前記サセプタと同心の円弧状であり、前記プロセスガスが通過する複数のガイド孔を有する円状ガイド部と、前記円状ガイド部の両側に連結されて前記サセプタの両側に配置され、前記ガス供給通路の中心と前記排気通路の中心を連結する直線と大体平行するガイド面を有する直線ガイド部と、を更に含む。
【0017】
前記メインチャンバは底面から窪んで前記サセプタが収容される下部設置空間を有し、前記ガス供給通路は前記下部設置空間の外側に位置する前記メインチャンバの底面の上部に位置する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一実施形態によると、処理空間と区分された上部設置空間にヒータを設置して基板の温度を制御することができる。また、上部設置空間の外側にプロセスガスを供給するガス供給通路を配置することでプロセスガスを基板に向かって一方向に均一に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態による基板処理装置を概略的に示す図である。
図2図1の基板処理装置の処理進行状態でのプロセスガスの流れを示す図である。
図3図2に示す処理空間に形成されたプロセスガスの流動を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付した図1乃至図3を参照してより詳細に説明する。本発明の実施形態は様々な形に変形してもよく、本発明の範囲が後述する実施形態に限られると理解してはならない。本実施形態は、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供されるものである。よって、図面に示す各要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張されている可能性がある。また、以下では基板を例に挙げて説明するが、本発明は多様な被処理体に応用可能である。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による基板処理装置を概略的に示す図である。図1に示すように、基板処理装置1はメインチャンバ10とチャンバ蓋50を含む。メインチャンバ10は上部が開放された形状であり、一側に基板Wが出入可能な通路8を有する。ゲートバルブ5は通路8の外部に設置され、通路8はゲートバルブ5によって開放されるか閉鎖される。サセプタ20はメインチャンバ10の内部に設置されて上部に置かれた基板Wを加熱する。サセプタ20は基板Wと対応する円盤(disc)形状を有し、基板Wがサセプタ20の上部面に装着されて蒸着工程が行われる。また、リフトピン25はサセプタ20を貫通して設置され、通路8を介して移送された基板Wはリフトピン25の上部に載置される。リフトピン25はリフトピン駆動部27によって昇降可能であり、基板Wが載置されるとリフトピン駆動部27を下降して基板Wをサセプタ20に装着させる。
【0022】
チャンバ蓋50はメインチャンバ10の開放された上部に設置される。メインチャンバ10とチャンバ蓋50、そして後述するヒーティングブロック60によって外部から遮断された内部空間が形成される。基板Wは通路8を介して内部空間内に載置され、基板Wに対する処理は処理空間内で行われる。チャンバ蓋50はサセプタ20の上部に位置し、処理空間と連通する上部設置空間52を有する。
【0023】
上部設置空間52には基板Wを上部から加熱するヒーティングブロック60が設置される。ヒーティングブロック60は上部が開放された形状であり、ヒーティングブロック蓋68は開放されたヒーティングブロック60の上部を閉鎖して外部から遮断する。よって、ヒーティングブロック60の内部に形成された収容空間61は内部空間と区分されるだけでなく、外部から遮断される。収容空間61にはヒータ65が設置されるし、ヒータ(65)はカンタルヒータ(kanthal heater)であってもよい。カンタルは鉄を主体とし、クローム−アルミニウムなどが加えられた合金であり、高い温度によく耐え、かつ電気抵抗力が大きい。
【0024】
また、作業者はヒーティングブロック蓋68を開け、ヒータ65に接近可能であり、ヒータ65を容易にメンテナンス(maintenance)することができるし、修理することもできる。この際、収容空間61は処理空間と区分されるため、上部設置空間に設置されたヒータ65のメンテナンス及び修理の際に処理空間の真空状態が大気状態に転換される必要がなく、単にヒーティングブロック蓋68を介して大気状態の収容空間61に接近し、メンテナンス及び修理が可能になる。
【0025】
ヒーティングブロック60は収容空間61の内部に設置されたヒータ65によって加熱される。また、基板Wはヒーティングブロック60とサセプタ20の内部に設置されたヒータのうちいずれか一つ又は両者によって加熱される。即ち、基板はサセプタ20と接触して伝導(conduction)を介して加熱され、ヒーティングブロック60の輻射(radiation)を介して加熱される。伝導は接触を介して熱が伝達されるため、サセプタ20は多くの熱を容易に伝達して基板を加熱する一方、サセプタ20内部のヒータの位置に応じて基板に伝達される熱量が異なるため基板の位置による熱偏差が不可避である。しかし、輻射は電磁波を介してエネルギーを伝達するため、ヒーティングブロック60は多くの熱を伝達することができない一方、ヒーティングブロック60はヒータ65の配置とは関係なく基板の熱偏差を最小化する。よって、基板Wの上下部にそれぞれ配置されたヒーティングブロック60及びサセプタ20を利用して基板Wの上の熱偏差を最小化することができる。
【0026】
サセプタ20及びヒーティングブロック60は基板Wと実質的に(substantially)平行に配置される。また、サセプタ20及びヒーティングブロック60の基板Wと対向する面はそれぞれ基板Wを均一に加熱するために基板Wの面積より広く、基板Wの形状と対応する円状ディスクであってもいい。よって、基板Wの上下部で基板Wを加熱して基板Wに対する熱偏差を最小化し、基板W上の処理の不均一の原因及び蒸着された薄膜の厚さに偏差が発生することを防止する。
【0027】
また、基板Wの上下部で基板Wをそれぞれ加熱することで基板Wを処理温度に加熱する時間を短縮し、加熱による基板の変形(warpage)を防止する。サセプタ20を介して基板Wの下部面のみを加熱する場合、基板Wの上部面と下部面の熱膨張係数が異なって基板Wの変形要因となる。しかし、基板Wの上部面と下部面を同時に加熱する場合、基板Wの変形を防止することができる。
【0028】
また、チャンバ蓋50の上部設置空間の外側にはガス供給通路70が形成される。ガス供給通路70はチャンバ蓋50に形成され、通路8と後述する処理空間Cとの間に配置される。ガス供給通路70の上端部にはガス供給ポート80が設置され、プロセスガス供給管83はガス供給ポート80の一側に挿入設置されてガス供給ポート80を介してプロセスガスがメインチャンバ10の内部空間に供給される。プロセスガス供給管83はプロセスガス貯蔵タンク88と連結されてプロセスガスを基板処理装置1の内部に供給し、プロセスガス供給バルブ85を開閉してプロセスガスの投入量を調節する。また、ガス供給ポート80はリモートプラズマシステム(RPS、remote plasma system)90と連結された洗浄ガス供給管92を介してチャンバの内部にプラズマを供給する。
【0029】
拡散板75はガス供給通路70の下端部に配置される。拡散板75は複数個の拡散孔76が具備されてプロセスガス供給管83を介して供給されたプロセスガスをメインチャンバ10の内部空間に向かって拡散する。拡散孔76は排気通路45に向かって下向きに傾斜する形状を有するため、拡散板75を介して処理空間に供給されたプロセスガスは通路8の反対側に形成された排気通路45に向かって流れる。排気通路45は排気ポート46を介して排気ポンプ48に連結され、処理空間の内部に流入されたプロセスガスを外部に強制排出する。
【0030】
拡散板75の外側には補助ガスノズル30が設置される。補助ガスノズル30は第1不活性ガス貯蔵タンク33から供給された不活性ガスを内部空間に向かって噴射することで、拡散板75を介して流入されるプロセスガスが基板Wに向かって拡散するように誘導すると共にプロセスガスが通路8に移動することを防止する。メインチャンバ10は底面から窪んでサセプタ20が設置される下部設置空間Dを有する。下部設置空間Dにはサセプタ20及びサセプタ20の周りに沿ってノズルリング35が設置される。ノズルリング35はサセプタ20とチャンバ本体10の底面との間に設置され、サセプタ20とチャンバ本体10の底面との間の隙にプロセスガスが浸透することを防止するために不活性ガスを噴射する。ノズルリング35は補助ガスノズル30と同じく第2不活性ガス貯蔵タンク38から不活性ガスが供給されて上部に向かって不活性ガスを噴射する。
【0031】
フローガイド40はサセプタ20の外側に配置され、ガス供給通路70から排気通路45に向かってプロセスガスの流れを案内する。即ち、本発明はプロセスガス供給管83が基板Wの外側に設置されてプロセスガスが基板Wを通過しながら蒸着処理を行うことができる。次に図2及び図3を介して処理の進行状態でのプロセスガスの流れ及びフローガイド40を介したプロセスガスの流動を説明する。
【0032】
図2図1の基板処理装置の処理の進行状態でのプロセスガスの流れを示す図であり、図3図2に示す処理空間に形成されたプロセスガスの流動を示す断面図である。図2に示したように、メインチャンバ10の内部空間はゲートを介して基板Wが内部に進入する通路8が位置する通路空間A、通路8とサセプタ20との間に配置されてガス供給通路70が位置する拡散空間B、サセプタ20の上部に位置して基板Wに対する処理が行われる処理空間C及び処理空間Cの下部に位置してサセプタ及びノズルリングが設置される下部設置空間Dに区画される。
【0033】
上述したように、ガス供給通路70の反対側には排気通路45が形成され、排気通路45に連結された排気ポンプ48によってポンピング(pumping)され、プロセスガスが排気通路45に向かって流動される。それをより補完するために、通路区間Aの上には補助ガスノズル30が設置されて拡散板75を介して拡散区間Bに流入された処理ガスが処理区間Cに向かって流動するように不活性ガスを噴射する。よって、拡散区間Bに向かって流入されたプロセスガスは基板Wを横切って排気通路45に向かって流動される。
【0034】
図3に示すように、ガス供給通路70を介して供給されたプロセスガスは拡散板75に形成された複数個の拡散孔76によって拡散されて処理空間に向かって拡散される。この際、ガス供給通路70の下端(又は拡散板75)はメインチャンバ10の底面の上部に位置し、プロセスガスは拡散板75を介して排出されて1次に拡散された後、メインチャンバ10の底面と衝突してからプロセスガス自体の運動エネルギーを介して2次に拡散される。拡散されたプロセスガスは処理空間Cに向かって移動する。よって、プロセスガスは十分に拡散された状態で処理空間Cに移動し、ガス供給通路70の位置とは関係なく基板Wの中央部と縁部9(フローガイド40と隣接する部分)全てで均一な処理が行われる。
【0035】
拡散板75の形状はサセプタ20と同心の円弧状を有し、拡散板75の外側に設置される補助噴射ノズル30も同じく拡散板75と対応する円弧状を有する。拡散板75及び拡散板75が設置されるガス供給通路70の幅Eは基板Wの直径と大体一致するためプロセスガスを基板Wに向かって拡散することができる。補助噴射ノズル30から不活性ガスを上部に噴射することで、拡散板75を介して流入されたプロセスガスが通路8側に向かって流動することを遮断することによって殆どのプロセスガスが基板Wに対する処理に使用になるようにする。
【0036】
また、上述したようにサセプタ20とメインチャンバ10との間の空間にプロセスガスの流入を防止するようにサセプタ20の周りを囲むようにノズルリング35を設置し、ノズルリング35に形成された複数個の第2噴射孔36を介して不活性ガスを処理空間に向かって噴射する。よって、拡散板75を介して供給された殆どのプロセスガスは基板Wに対する処理に使用される。
【0037】
すなわち、拡散板75を介して流入されたプロセスガスは排気通路45に連結された排気ポンプ48によってポンピングされて排気通路45に向かって流動される。一般に、基板Wに対する処理が行われる基板処理装置1は基板Wの形状に対応する処理空間を有する。基板Wは円形のディスク状を有するため処理空間も基板Wと対応する円形のディスク形状を有する。処理空間が円形のディスク形状を有するためプロセスガスが基板Wと反応しない空間も発生する。
【0038】
それを補完するために、基板Wと反応しない空間の減少及びプロセスガスが排気通路45に向かって円滑に移動するように案内するためにフローガイド40が設置される。プロセスガスは排気通路45に向かって移動するため、プロセスガスを基板Wの表面に均一に分布させるためにはプロセスガスが基板Wの上に均一に反応するように案内する必要がある。よって、フローガイド40はメインチャンバ10に設置されてノズルリング35の外側に配置され、基板Wと反応しない空間を減らす直線ガイド部42及びプロセスガスが排気通路45に向かって均一に移動するように案内する複数のガイド孔43を有する円状ガイド部44を含む。
【0039】
円状ガイド部44は拡散板75の反対側に設置され、隣接したノズルリング35と対応する円弧状を有する。円状ガイド部44には予め設定された間隔に複数個のガイド孔43が形成されて拡散板75を介して流入されたプロセスガスが基板Wに向かって均一に流動するように案内する。
【0040】
直線ガイド部42は円状ガイド部44と連結されてサセプタ20の両側に配置される。図3に示したように、直線ガイド部42はガス供給通路70の中心と排気通路45(又は排出口46a)の中心を連結した直線Lと平行に配置されたガイド面41を有し、直線ガイド部42は拡散板75から円状ガイド部44に向かって互いに平行する直線方向の流動が形成されるように案内する。また、直線ガイド部42を介して処理空間Cの容積を縮小してプロセスガスと基板Wの反応性を上げプロセスガスの消費を最小化することができる。
【0041】
よって、本発明は基板Wの外側からプロセスガスを供給して蒸着工程を行う。したがって、最近にあって基板Wが次第に巨大化されるにつれても、プロセスガスを基板Wの上部から供給する限界を克服することができる。また、基板Wの上下部にそれぞれ配置されたヒーティングブロック60及びサセプタ20を利用して基板Wを加熱するため、温度勾配を制御して基板Wの歪み現象(warpage)を防止することができる。それだけでなく、フローガイド40をメインチャンバ10に設置して実質的に基板Wに対する処理が行われる処理空間を減らし、基板Wの上のプロセスガスを均一に案内することで基板Wの中心部と縁部の均一度を向上させることができる。
【0042】
好ましい実施形態を介して本発明を詳細に説明したが、それとは異なる実施形態ないし実施形も可能である。よって、後述する特許請求の範囲の技術的思想と範囲は好ましい実施形態に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、多様な形態の半導体製造設備及びその製造方法に応用される。
図1
図2
図3