(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
船舶の船体に開口する水密のチャンバー内に設けられるユニットを有する海洋船舶における装置であって、前記ユニットは取り付け位置にあるとき、船舶の下の水中に延びるように適合され、前記装置は、前記船舶の内側と外側との間で、前記ユニットと前記船舶の船体の境界面に沿った連通路を有し、前記連通路には封止システムが設けられ、前記封止システムは前記連通路を周囲の水に開口している外側連通路部分と内側連通路部分に区画し、
前記装置は周囲の水に開口している前記外側連通路部分に開口するガス導入システムを有することを特徴とする装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の先行技術の観点からして、本発明の目的は、 船体に開口する水密チャンバー内に設けられるユニットを有する海洋船舶の装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、船体に開口する水密チャンバー内に設けられるユニットを有する海洋船舶内の装置によって適えられ、前記ユニットは、船体内に開口する水密のホイストチャンバー内で、取り付け位置に設置されているとき船舶の下の水中に延びるように適合され、前記装置は、船舶の内部と外部の間に連通路を有し、前記連通路には封止システムが設けられ、前記封止システムは、外側連通路部分と内側連通路部分に区画している。前記装置は、前記外側連通路部分に開口するガス導入システムを有することが特徴的である。
【0007】
本発明の一実施例によると、前記ガス導入システムは、前記ユニット内を延びる流路を有している。
【0008】
本発明の一実施例によると、前記ガス導入システムは、前記船体内を延びる流路を有している。
【0009】
本発明の一実施例によると、前記流路は不活性ガス源に接続している。
本発明の一実施例によると、前記不活性ガス源は空気-窒素コンバーターを備えている。
【0010】
本発明の一実施例によると、前記流路は加圧空気源に接続している。
【0011】
本発明の一実施例によると、前記封止システムはフランジの周囲面に設けられている。
【0012】
本発明の一実施例によると、前記封止システムは、フランジプレート部分の下面に設けられている。
【0013】
本発明の一実施例によると、前記装置は、前記ガス導入システムへの所定のガス量の供給を維持するための制御システムを有している。
【0014】
本発明の一実施例によると、前記制御システムはバルブを有する。
【0015】
本発明の一実施例によると、前記制御システムはオリフィスプレートを有している。
【0016】
以下、本発明を添付の図面を参照して説明する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は
図1の点線で示す水面に浮かぶ船舶の船体100を示す。船舶の内部には、船体100に固定して配置されたホイストチャンバー1が設けられている。ホイストチャンバー1の内部には、船体100を貫通し外部に延びるユニット2が存在する。このユニットは整備を必要とするものである。ここでは、ユニットは、いわゆるスラスター2である。スラスター2はプロペラ21,ギアハウジング22,フランジ24及びプロペラ21を駆動する電動モータ23を持っている。実際にフランジ24についてしばしば使用される他の用語は取り付けカンである。ここでは、フランジの用語はその部分のものとして使用される。スラスター2のプロペラ21とギアハウジング22は水中に浸漬されており、一方、フランジ24は、ユニットが船体に取り付けられいるときは船体100の開口を閉鎖している。プロペラ21とギアハウジング22はプロペラ21の回転軸に実質的に直交する軸の周りに回転することができる。この種のスラスターは、しばしば、大型船で位置制御と操縦支援のために使用される。フランジ24は発展したものであり、スラスターをその実質的に垂直な軸の周りに回転するためのギアボックスと駆動手段を含むものである。
【0019】
図1には、更に、ホイストチャンバー1がガイドレール12をチャンバーに沿って高さ方向に延びるガイドレール12を持つこと示しており、ここでは2本のガイドレール12が示されている。また、後に他の図面を参照して述べるクランプ手段11が示されている。典型的には8個ほどのクランプ手段がフランジ24の周囲に等角度の間隔を置いて設けられるが、
図1では一対のクランプ手段11のみが示されている。
【0020】
更に、
図1はホイストチャンバーのカバー4を示しており、このカバーはホイストチャンバーの頂部を水密に閉鎖している。カバーの一つの機能は、もちろん、人がチャンバー内に落ちることを防ぐものであるが(図示の例では船舶の吃水、即ち、チャンバーの深さは約18メートルである)、他方において、船底の開口がしっかりと水密に閉鎖されていな場合に船内に水が侵入することに対するう付加的な防護となる。
【0021】
図2はスラスターのフランジ24の近傍の部分におけるスラスター2の配置の部分IIの拡大図である。スラスターのフランジ24は、更に、持ち上げアイ25とフランジプレート部分26を有し、このフランジプレート部分26はシール13と協働して船体100の開口を水密的に閉鎖している。螺子14は固定手段を形成し、ユニット2の縁のフランジプレート部分26に沿って多くの螺子が設けられている。
図2はホイストチャンバー壁の一部を示し、このホイストチャンバー壁は2つのガイドレールを保持している。フランジとホイストチャンバーの底部の開口は必要に応じて適切に形成できることは理解されるべきである。それらは、例えば、円形、矩形、又は多角形、あるいはそれらの組み合わせとすることができる。
【0022】
図示されていないが、ユニット2,特にそのフランジ24は、ユニットがホイストチャンバー内で移動されるとき、ガイドレールと協働するガイド手段を持っている。
図1には2つのガイドレール12が示されているが、適宜の数のガイドレールを設けることができる。また、クランプ手段11がホイストチャンバー壁に固定されていることが示されている。更に、ユニット2のクランプ手段11とフランジ24の機能的な協働は
図3を参照して述べられる。
【0023】
図2は、ユニット2のプロペラ21と駆動連結されるようにカプリングを持つギアボックスに固定される電動モータ23を示している。
【0024】
次に
図3を参照すると、
図2の右側に示されるクランプ手段11の詳細が
図3によりより詳細に示されている。クランプ手段11はシリンダーロッド112を持つ油圧シリンダー111を持っている。シリンダー111への流出入する油圧流体の流れを制御することにより、ロッド112の運動が制御される。ロッド112の端部にはクランプ114が示されており、このクランプはユニット2のフランジ24上に設けられたクランプパッド115と協働するようにされている。また、
図3は、固定手段としての固定螺子14とユニット2と船体100との間の水密封止結合のためのシール13を示している。クランプパッド115は、ここでは、フランジ24とフランジプレート部分26に固定される板状部材241内へ切り込まれている浅い凹所を形成している。
【0025】
更に、
図3はホイストチャンバーの高さ方向に向けて外側に傾斜しているガイド面113を示している。このガイド面113はクランプ手段11のクランプ114と協働する。シリンダーボルト117により、油圧シリンダーは油圧シリンダー111はホイストチャンバー壁に固定され、シリンダー111はシリンダーボルト117の周りに回転できるようになっている。更に、付勢手段116が設けられ クランプ手段11のシリンダー111をホイストチャンバーの外側方向に付勢し、クランプ114が常にガイド面113により案内されるようにしている。
【0026】
ここで、シリンダー111は殆どホイストチャンバー壁に平行となっており、ロッド112はシリンダー内に引っ込められている
図3の点線で示されたシリンダー111の位置を始まりとして、クランプ手段の機能が説明される。フランジ24がそれ(及びユニット2)をその取り付け位置に保持するためにクランプされるとき、油圧シリンダー112はロッド112を伸ばすように制御される。クランプ114はガイド面113によって案内されてクランプパッド115に向けて動き、この案内される移動はクランプ114に接近して設けられるガイドシュー118により確保される。シリンダー111が一旦そのロッド112を完全に伸ばすと、フランジ24上、即ちその板状部材上にクランプパッドが設けられているため、クランプ114は浅い凹所115内に入り込む。油圧シリンダー111はユニットをその取り付け位置にクランプするのに十分に強力であり、固定手段14の螺子が外される間は、船体の開口に対するユニットの位置は確実に保持され、維持される。フランジ24のクランプの意図しない開放を確実に避けるため、シリンダーが実際にある位置を維持するために、シリンダー111には油圧システムの流体の流体接続を切断するめのロッキングバルブが設けられることが勧められる。
【0027】
固定手段14が一旦外され、昇降手段(昇降ラインのようなもの、図示せず)が持ち上げアイ25に固定され、クランピングが徐々に緩められる。
図3を見ると、特に、シリンダー111はロッド112の引き抜きが非常に遅くなるように制御される。固定手段14が取り外されているため、また、ホイストチャンバー1と船体100の底部における水圧との差により、フランジ24は、浅い凹所115とクランプ114との係合を保ちつつ、シリンダーロッド112の動きに従い上方に動く。一旦、シール13が対向する面から上昇すると、水がホイストチャンバー1内に急激に侵入する。ホイストチャンバーが必要レベルまで浸水すると、シリンダー111は更にロッド112を引き抜くように制御される。
【0028】
圧力差と力が基準から外れるとユニット2はそれ自体の重量によりフランジプレート部分26のシール13上で再び着座するであろう。
【0029】
本発明の一実施例によると、ユニットは更にフランジ24とホイストチャンバーと協働して設けられる複数のリフト装置500を有し、ホイストチャンバーの上方に向けてフランジに対して制御可能に力を付与できるようにしている。このようなリフト装置は
図2,3,5及び6に示されている。リフト装置500は、ユニと2の周りのフランジプレート部分26の下に設けられた複数のリフトジャッキ、特に油圧ジャッキを有している。リフト装置は持ち上げられる重量の中心に対して実質的に対称的に設けられるのが好ましい。リフト装置500は、フランジ24がフランジプレート部分26によりシール13上で着座している間、引っ込められた位置においてフランジプレート部分26の延長部とホイストチャンバーに設けられたリフトベースの間に合致するように設けられる。フランジプレート部分26にはジャッキ500の位置においてのみ、持ち上げている間ジャッキが支持される部分的な延長部が設けられ、これにより、フランジ部分がガイド面113を通過できるようにしている。
【0030】
各リフト装置には作用力制御システム510が設けられ、これにより、設置又は除去するときフランジの整列の制御を容易にしている。リフト装置は、ユニットがスラスター、閉鎖カバー又は他の種類のユニットであっても、そのユニットの組み立て、又は分解の間に使用される。
【0031】
この手順において、次に、油圧ジャッキ500が作動状態とされ、フランジ24が油圧ジャッキの制御により台座から持ち上げられる。フランジが、シリンダー111とそのロッド112がフランジ24の持ち上げを調整しながら制御するようにして持ち上げられ、フランジ24は、浅い凹所115とクランプ114の係合が保持されたまま、シリンダーロッド112と油圧ジャッキ500の動きにしたがって上方に移動する。このようにしてフランジの除去が制御されながら実行され、その動きは並進的に保たれる、即ち、フランジをホイストチャンバー内の開口に整列させて移動させることができる。持ち上げラインにかかる張力は低いものとなる。
【0032】
本発明の一実施例によると、ユニットは第1レベルまで持ち上げられ、油圧シリンダー111はその端部まで完全に引き抜かれる。その持ち上げ量は約150mmが都合が良い。一旦、シリンダーが引き抜かれると、付勢手段116の力の作用に従い、各シリンダー111は再びホイストチャンバー壁に対して平坦、或いは、実質的に平坦となる。次に、ユニット2はホイストチャンバーから取り出されるように持ち上げられる。底部の閉鎖カバー6(
図4cに示される)がホイストチャンバーに配置されて、開口を封止する。また、チャンバーの頂部に安全ハッチを設けることができ、チャンバー内の水がポンプで排出できるようにしている。
【0033】
図6に示されるように、本発明の一実施例によれば、閉鎖カバー6は少なくとも2つの部分、第1部分601及び第2部分602によって設けられる。第1部分が閉鎖カバーの上部(内側)部分を形成し、下部部分はカバーの下部を形成しているためこれらの部分はここでは、上部部分と下部部分と呼ばれる。下部部分は船体を通るホイストチャンバーの底部の開口に嵌められるような形態をしている。この形態は円形か多角形とすることができる。しかしながら、封止システムが隅領域において適切に機能するようにすることが重要であり、したがって、適切に丸みが設けられる有利である。上部部分はフランジプレート部分26を持ち、これにより、上部部分がチャンバーに取り付けられることとなる。
図6において、カバー6はジャッキ500により装着前に支持される位置にある。また、上部部分601が除去される位置を点線で示している。第2部分602は周囲壁622と周囲壁によって区分される水密内側区域620を有している。フランジ24を有する第1部分は第2部分の周囲壁を越えて下部部分602の区域の外側にまで延びている。第1部分と第2部分は、互いに取り外し可能に固定される。第2部分の周囲壁の外面と第1部分のフランジプレート部分の下面は互いに直交していることが好ましい。上部部分は下部部分より広く延びている。第1部分と第2部分には、第1部分と第2部分が互いに固定されるとき、互いに合体する対向面を有している。これらの面は平坦な対向面とすることが好ましい。
【0034】
図7には、本発明の一実施例による閉鎖カバーが示されている。下部部分には封止システム604が外部周囲壁面622に設けられている。この封止システムは作動状態か受動状態かのいずれかを持つうように制御可能とされている。作動状態のときは、下部部分とホイストチャンバーの壁部との間のギャップを封止する。好ましくは、ホイストチャンバーの長手方向に少なくとも2つの連続する封止ユニット606、608が設けられている。封止ユニットは膨張可能シールであり、作動状態されると作動流体により加圧され、不作動のとき減圧される。このシールには、制御可能な加圧空気或いは真空システムのような作動流体供給システム618に接続されている。封止システム604は、閉鎖カバーと船体の結合表面に沿った船体の外側から船体の内側への連通路630内に設けられている。
【0035】
下部部分602には、上部部分601が少なくとも取り除かれたとき、第2部分602を船体に取り付ける手段が設けられる。この取り付け手段は複数の保持手段610を有する。この実施例では、この保持手段はピンであり、このピンは下部部分の外側周囲壁面622から部分的に動くことができ、係合凹所614が設けられているホイストチャンバーと協働し、ピンが作動、又は押し出されると、下部部分をホイストチャンバー内でロック位置にロックする。ホイストチャンバーには各保持ピンに対して凹所或いはスリットのような対向部分614が設けられており、保持ピンが下部部分の壁部からピンの凹所に突出すると、下部部分の動きと封止システム604がロックされる。ロックピンは、封止システムの一方の側で下部部分の長手方向に設けられており、この部分は、内側、即ち、設置されるときはドライ側となる部分である。
【0036】
船が浮遊しているときに閉鎖カバーを修理するとき、閉鎖カバーはその周囲壁622を介して囲っている開口に取り付けられ、封止システム604が円筒状の外面で封止ユニットを膨張させることにより作動される。そこで、第1部分が例えば、対応する螺子624を外して第2部分から外されると、第1部分を除去することにより現れる修理される対象物が修理される。このように、封止ユニット606、608が作動状態とされ、保持ピン610がホイストチャンバーの対向面の凹所614内に挿入された後、頂部部分601が下部部分602から外される。
【0037】
このようにして、下部部分の封止とロッキングが作動されている間に、上部部分の下の主たるシール接合面に対して検査及び/又は修理のため接近することができる。
【0038】
第1部分は第2部分の周囲壁の内側部分から周囲壁の外側に径方向に延びている。
【0039】
図8には本発明の他の実施例による閉鎖カバーが示されている。下部部分には、また、その上部で上部部分601が固定されるプレート626の下面に、封止システム604’が設けられている。封止システムはホイストチャンバーの径方向に連続する2つのOリング606’、608’を有している。この封止システムはに閉鎖カバーと船体との連結面に沿う船体の外から船体の内部への連通路630内に設けられる。
【0040】
この実施例の下部部分も、また、複数の保持手段610が設けられている。この保持手段はこの実施例ではピンであり、このピンは、下部部分の外側周囲壁面622から部分的に動くことができ、ホイストチャンバーと協働する。ホイストチャンバーには各保持ピンに対して凹所或いはスリットのような対向部分614が設けられ、保持ピンが、底部部分の壁部から凹所内に突入したとき、下部部分の封止システム604’の動きをロックし、締め付ける。このロックするピンは、下部部分に、封止システムの一方の側で長手方向に設けられ、この部分は、装着されるとき内側、即ち、ドライ側となる
船が浮遊している間に閉鎖カバーを修理するとき、閉鎖カバーの下部部分が、その周辺壁622を通して囲っている開口に取り付けられ、Oリング606’、608’を締め付ける。 次に、第1部分を第2部分から、例えば、対応する螺子624を外して取り外し、第1部分を除くことにより現れる修理される対象物が修理される。このように、保持ピン610がホイストチャンバーの対向面の凹所614内に確実に挿入された後、頂部部分601が下部部分602から外される。
【0041】
このようにして、下部部分の封止とロッキングが作動されている間に、頂部部分の下の主たるシール接合面に対して検査及び/又は修理のため接近することができる。
【0042】
第1部分は、第2部分の周囲壁の内側から周囲壁を越えて径方向に延びるフランジプレートとすることができる。
【0043】
リフト装置500又はジャッキが除かれている場合に、再び、ユニットをその取り付け位置に取り付けるとき、ジャッキが前述した位置に再び取り付けられる。次にチャンバーが、例えば、水ポンプにより、船の喫水に相当するプロペラのレベルまで水で満たされる。次に、底部閉鎖カバーがフランジ24に関連して前述において述べたような方法で取り外される。
【0044】
ユニットが冠水したホイストチャンバー内に降ろされ、チャンネルの底部に位置して作動している、即ち、伸びたジャッキ上に降下される。次にシリンダー111がロッド112を伸ばすように制御され、ガイド面113により案内され、各クランプ114がフランジ24の浅い凹所115に係合するように移動する。そこで、各油圧ジャッキに作用する作動圧力が調整されながら解放され、シリンダー111に作用する圧力を適切に低くしてジャッキが引き下げられる。このことは、ホイストチャンバーが水で満たされている間に行われる。クランプ手段がユニット2を取り付け位置にクランプすると、ホイストチャンバーから水をポンプで排出し、そこで作業スペースをドライ状態とする。クランプ手段のシリンダーは、また、安全のため、ロック状態に維持される。
【0045】
一旦、水が排出されると、固定手段14を再び適用する作業者はホイストチャンバーを降りてスクリューをセットする。スクリューがセットされ、固定された後は、ロッド112をシリンダー111内に引っ込めることにより、クランプ手段は引き込まれる。このようなことは、シリンダーロッド112がシリンダー111内に位置すると、シリンダーロッド112が腐食から保護されるため推薦される。
【0046】
本発明の他の実施例が記載されている
図5に戻る。
図5で点線により示されるように、装置は連通路630を有しており、この連通路は、ユニット2又はそのフランジと、船体100の接合面に沿って船の外部から船の内部に船の下の水につながる可能性のあるルートを通して延びている。封止システム604が存在しており、連通路630を外側連通路部分630’と内側連通路部分630“に区分している。船が浮遊しているときは、外側連通路部分630’は、周囲、即ち水に開口している。本発明の一実施例によれば、ユニット2にはガス導入システム640、640’が外側連通路部分630’に開口するようにして設けられている。当然のこととして、たった1つの導入システムが必要とされるだけであり、
図5の分離した通路は例示のためである。
【0047】
ガス導入システム640、640’はユニット2又は船体を通して延びる通路642、642’を有し、船に設けられたガス源644に接続可能となっている。ガス源が船の加圧空気システムが有利である。ガス源は、また、空気-窒素コンバーター645を備えることができ、この場合、スペースに供給されるガスを窒素とすることが有利である。このように、ガス導入システムが乾燥した窒素をスペース内に注入するように設けられ、喫水により支配される水圧より高い圧力が外側連絡路部分で維持されるように制御可能に維持される。このことはスペース内で海水の増加、或いはスペース内に海水が入り込むことを防いでいる。有利なことに、このシステムに供給するにはサービスエアのみが必要とされるだけである。ガス導入システムに所定のガスを供給するための制御システム646、646’が存在している。この制御システムは、例えば、圧力センサーを有することができる。この制御システムは、例えば、バルブ646、646’、及び/又はオリフィスプレート647を持つことができる。
【0048】
最後に、
図4は、スラスターの形態のユニット2が船体100から取り外されるステップa),b),c)のシーケンスを示す。
図4の左側で、電動モータ23がスラスター2から取り外されるステップa)が示される。電動モータ23が除かれた後、1或いは複数のカバー61がスラスター2に取り付けられ、ホイストチャンバー1が冠水されるときに水に浸漬することに対して全ての開口を塞ぐようにしている。スラスター2の駆動連結部は通常は可撓性のカップリングから成る。しかしながら、それは追加的にギアボックスを含んでいる。また、昇降手段7が、
図4のステップa)の中で右側リフトアイにおいて示されるように、既にスラスター2のフランジ24に固定されている。更に、クランプ手段がフランジ24を船体100の設置位置にクランプするように駆動される。一旦、クランプがセットされると、固定手段(螺子)が外され、作業員がホイストチャンバーから去る。
【0049】
次に、ホイストチャンバー内に水を導入するため、クランプ手段が徐々に解放される。ホイストチャンバーが所定のレベルまで水が入ると、クランプ手段が解除され、リフト装置が作動される、すなわち、
図3を参照して述べたように、シリンダーのロッド引き上げられる。次に、
図4のb)のステップに続き、ここでは、クレーン5の昇降手段7が使用され、リフトアイにおいて持ち上げることによりスラスターを引き上げる。持ち上げている間、スラスター2は、
図4b)チャンバー壁に数本の平行な線で示されているガイドレールにより、ホイストチャンバー内で案内される。スラスター2がホイストチャンバー1から引き上げられると、
図4c)の状態となり、ここでは、仮のカバー6がホイストチャンバー内に挿入され、チャンバーの底部のフランジシートを使用して船体の開口を閉鎖する。カバー6はスラスター2のフランジ24に設けられたものと同じ把持パッドが設けられているため、クランプ手段による把持が可能となっている。ホイストチャンバーがどの程度長く閉じられているかにより、ホイストチャンバーから水を除いた後にカバーは更に固定手段により固定することができる。しかしながら、基本的にはカバーをクランプ手段で下方に押し付けるだけで十分である。また、前述した安全性の理由のため、追加的のカバー4がホイストチャンバーの頂部に置かれる。
【0050】
図4において、スラスターを取り外し、それを船のデッキに置くことは述べてきた。整備されたスラスターの取り付けは逆のステップで行われる。すなわち、カバー4を外し、カバー6を把持し、ホイスト手段7をカバー6に固定し、固定手段があればそれを外し、把持力を徐々に解除してホイストチャンバー内に水を導入する。一旦、ホイストチャンバー1内が所定のレベルの水で満たされると、クランプ手段が解放された後、カバーが持ち上げられる。カバー6がホイストチャンバーから取り除かれる。次に、ステップb)に戻り、昇降手段7に固定されたスラスター2はホイストチャンバー1内をガイドレール12で案内されて下降する。一旦、スラスター2が取り付け位置に置かれると、クランプ手段111,112、114、115が作動され、スラスター2のフランジ24を、そのシートに対し、ホイストチャンバー1の底部のシールに押し付ける。ホイストチャンバー1内の水が排出され、ドライ空間で螺子のような固定手段が取り付けられて固定される。その後、クランプが解放される。ホイスト手段7がスラスターのリフトアイから離され、カバー61が取り除かれる。その後、電動モータがその位置に下され、作動のために固定される。連結作業がなされると、スラスター2は再び使用ができる状態となる。
【0051】
本発明を、現時点で最も好ましいと考えられる実施例に関して述べてきたが、本発明は、これらの実施例に限定されるべきでなく、これらの特徴の種々の組合せや、添付の特許請求の範囲で特定される本発明の範囲内において他の応用もカバーするものと理解されるべきである。上述の例では、ユニットを船体を貫くスラスターを使用して説明した。しかしながら、それは、本発明が適用される整備のためのあらゆる船舶又は船のいかなる大きさのユニットとすることができる。特に、これらのユニットオイル又はガスウェル連結器、掘削装置、ポンピング装置、等とすることができる。封止シートに接触してユニットを保持するために設けられたクランプにより、また、設けられたクランプ手段の自動的係合手段を持つことにより、水で満たされるチャンバー内に作業者が入る必要をなくすことができ、このことは、全てのステップがダイビング作業を必要とすることなく、ドライの環境で実行できることを意味する。もちろん、クランプ手段を取り付け又は他の作業のためにダイバーを使用することも可能である。上述のすべての実施例に関連して述べた事項は、技術的に実現性がある限り、他の実施例においても使用できることである。