(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6093883
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】自動車用のアプリケーション構成
(51)【国際特許分類】
F21S 8/10 20060101AFI20170227BHJP
F21V 9/16 20060101ALI20170227BHJP
G09F 13/18 20060101ALI20170227BHJP
G09F 13/16 20060101ALI20170227BHJP
G09F 13/02 20060101ALI20170227BHJP
G09F 13/04 20060101ALI20170227BHJP
B60R 13/00 20060101ALI20170227BHJP
F21W 111/00 20060101ALN20170227BHJP
【FI】
F21S8/10 400
F21S8/10 371
F21V9/16 100
F21S8/10 340
G09F13/18 Q
G09F13/16 Z
G09F13/02
G09F13/04 Z
B60R13/00
F21W111:00
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-3315(P2016-3315)
(22)【出願日】2016年1月12日
(65)【公開番号】特開2016-131151(P2016-131151A)
(43)【公開日】2016年7月21日
【審査請求日】2016年1月12日
(31)【優先権主張番号】10 2015 100 473.9
(32)【優先日】2015年1月14日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ レートリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ブルクハルト ルーティガー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ラベク
(72)【発明者】
【氏名】マルテ メスナー
【審査官】
竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−041246(JP,U)
【文献】
特開2006−066133(JP,A)
【文献】
特開昭50−133848(JP,A)
【文献】
再公表特許第2004/034357(JP,A1)
【文献】
特開昭60−226336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
B60R 13/00
F21V 9/16
G09F 13/02
G09F 13/04
G09F 13/16
G09F 13/18
F21W 111/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(10)用のアプリケーション構成(20)、特に照明式の装飾および/または特徴付けアプリケーション(20)であって、
平面状に光を放出および/または反射するために発光表面および/または光反射表面(30)を有するライト面(26)と、
前記表面(30)に割り当てられ、アプリケーション構成(20)の外面を形成する透明カバーパネル(34)と
を備え、
複数の個別のアプリケーション要素(24)が、前記表面(30)上に配置され、前記外面に向かう前記ライト面(26)の光を少なくとも一部遮り、
前記カバーパネル(34)が前記表面(30)から離隔される
ことを特徴とするアプリケーション構成(20)。
【請求項2】
前記アプリケーション要素(24)が、図形および/または文字アプリケーションを形成し、前記アプリケーションが、前記アプリケーション要素(24)の外側輪郭によって形成されることを特徴とする請求項1に記載のアプリケーション構成。
【請求項3】
前記アプリケーション要素(24)が、互いに並べて、かつ互いから離して前記表面(30)上に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のアプリケーション構成。
【請求項4】
前記アプリケーション要素(24)が不透明な要素として具現化されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアプリケーション構成。
【請求項5】
前記ライト面(26)が導光板として具現化され、前記導光板に光源が割り当てられて、前記導光板内に光を投入することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のアプリケーション構成。
【請求項6】
前記ライト面(26)が蛍光面または層を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のアプリケーション構成。
【請求項7】
前記ライト面(26)が反射層を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のアプリケーション構成。
【請求項8】
前記ライト面(26)が細長い基体を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のアプリケーション構成。
【請求項9】
前記ライト面(26)の前記細長い基体が細長いハウジング(28)内に保持され、前記ハウジング(28)に前記カバーパネル(34)が固定されることを特徴とする請求項8に記載のアプリケーション構成。
【請求項10】
前記細長いハウジングが、前記カバーパネル(34)と共に、前記ライト面(26)のための閉じられた内部空間を形成することを特徴とする請求項9に記載のアプリケーション構成。
【請求項11】
前記ライト面(26)が、導光板(36)とライト隔板(38)との間に配置されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のアプリケーション構成。
【請求項12】
前記ハウジングがU字形の断面を有し、2つの脚部分が対向しており、前記導光板(36)および前記隔板(38)がそれぞれ、前記対向する脚部分に平行に配置されることを特徴とする請求項11に記載のアプリケーション構成。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載のアプリケーション構成(20)を有する、自動車(10)用のリアトリム構成(12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用のアプリケーション構成(配置)、特に照明式の装飾および/または特徴付けアプリケーションであって、平面状に光を放出および/または反射するために発光表面および/または光反射表面を有するライト面と、上記の表面に割り当てられ、アプリケーション構成の外面を形成する透明カバーパネルとを備えるアプリケーション構成に関する。
【0002】
また、本発明は、自動車用のリアトリム構成に関する。
【背景技術】
【0003】
そのようなアプリケーション構成は、例えば車種、モデル、またはブランドを示すために、自動車上に数字、文字、シンボル、またはレタリングを形成する。
【0004】
従来技術から、一般に、後方からディスプレイを照明して、または後方から装飾体または装飾要素を照明して、それらを見えるようにすることが知られており、ここで、対応するレタリングおよび装飾要素は、隔板の切抜部として具現化され、それにより、切抜部の内側輪郭が、レタリングまたは装飾要素を形成する。対応する装飾要素は、例えば、下記特許文献1から知られている。
【0005】
ここで、レタリング、装飾要素、またはアプリケーションのただ1つの対応する反転表現が形成され、その結果、発光面が小さく、対応するレタリングまたは装飾要素が見にくいことが欠点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,457,089号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2009 028 937A1号明細書
【特許文献3】独国実用新案出願公開第201 09 237U1号明細書
【特許文献4】米国特許第8 016 467B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、全般により良く認識することができる自動車用のアプリケーション構成、特に装飾および/または特徴付けアプリケーションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、冒頭で述べたアプリケーション構成において、複数の個別のアプリケーション要素が表面上に配置され、外面に向かうライト面の光を少なくとも一部遮ることによって実現される。
【0009】
また、この目的は、本発明によるアプリケーション構成を用いる冒頭で述べたリアトリム構成において実現される。
【0010】
個別のアプリケーション要素が表面上に配置されることにより、ライト面の光は、外面に向かうのを少なくとも一部遮られ、その結果、アプリケーション要素は、ライト面に対して暗く見えるようになる。したがって、それに対応して、アプリケーション要素は、背面照明された文字として知覚することができ、その結果、周囲照明が弱いときに、アプリケーション構成または個別のアプリケーション要素がより見やすい。特に、その結果、同時に、強い周囲照明の場合でも優れた可視性を実現することが可能である。なぜなら、ライト面上の個別のアプリケーション要素が、周囲の面に対して強いコントラストを成すことができるからである。
【0011】
したがって、本発明の目的が完全に解決される。
【0012】
1つの好ましい実施形態では、アプリケーション要素は、図形および/または文字アプリケーションを形成し、アプリケーションは、アプリケーション要素の外側輪郭によって形成される。
【0013】
したがって、アプリケーション要素は、ライト面の照明された表面に対して暗い面として見え、その結果、明るい支持面(下にある面)に対して暗いアプリケーション要素をはっきりと見ることができる。
【0014】
また、アプリケーション要素が、互いに並べて、かつ互いに離して表面上に配置されることも好ましい。
【0015】
その結果、個別のアプリケーション要素が、照明された背景に対して浮動し得ないので、文字、数字、またはアプリケーションを容易に読むことができる。
【0016】
また、アプリケーション要素が不透明な要素として具現化されることも好ましい。
【0017】
その結果、低い(少ない)技術的コストで、ライト面の表面による光の放出を阻止または防止することができ、その結果、アプリケーション要素は、照明された支持面上の暗い数字または文字として見える。
【0018】
ここで、アプリケーション要素が、ライト面の表面に取り付けられたクロム要素であることが特に好ましい。
【0019】
その結果、明るい周囲光条件では金属光沢によって通常通り認識することができる通常のレタリングを自動車に形成することができる。
【0020】
この文脈で、アプリケーション要素が、ライト面の表面に結合される自己接着性の個別のクロム要素であることが特に好ましい。
【0021】
その結果、低コストでの単純な取付けが可能である。
【0022】
また、ライト面が導光
板(a lightguide)として具現化され、そこに光源が割り当てられて、導光
板内に光を投入することも好ましい。
【0023】
その結果、ライト面の独立した照明が可能であり、全体的にアプリケーション要素の優れた可視性を実現することができる。
【0024】
また、ライト面が蛍光面または層を有することも好ましい。
【0025】
その結果、周囲光または他の車両のヘッドライトからの光を使用して、全体的にライト面を照明することができ、それと同時に、ライト面の表面にわたる光の拡散および均一な分散が可能である。
【0026】
また、ライト面が反射層を有することも好ましい。
【0027】
その結果、他の自動車のヘッドライトからの光を使用して、ライト面の表面を照明し、それに対応してアプリケーション要素を見えるようにすることができる。
【0028】
また、カバーパネルが表面から離隔されることも好ましい。
【0029】
その結果、3次元の視覚的外観を実現することができ、これは特に高品質の外観を与える。
【0030】
また、ライト面が細長い基体を有することも好ましい。
【0031】
その結果、このアプリケーション構成によって、比較的長いレタリングも形成することができる。
【0032】
ここで、ライト面の細長い基体が細長いハウジング内に保持され、ハウジングにカバーパネルが固定されることが特に好ましい。
【0033】
その結果、アプリケーション構成をコンパクトな構成要素として製造することができ、その結果、自動車へのアプリケーション構成の取付けが低コストで可能である。
【0034】
また、ここで、細長いハウジングが、カバーパネルと共に、ライト面のための閉じられた内部空間を形成することも好ましい。
【0035】
その結果、アプリケーション構成を、閉じられた構成要素として提供することができ、その結果、内部空間への汚れや水分の侵入をなくすことができる。
【0036】
また、ライト面が、導光
板とライト隔板との間に配置されることも好ましい。
【0037】
その結果、ライト面は、低い技術的コストで照明することができ、それと同時に、ライト面または照明される表面の規定の境界を提供することができる。
【0038】
また、ハウジングが、U字形の断面を有し、2つの脚部分が対向しており、導光
板および隔板がそれぞれ、対向する脚部分に平行に配置されることも好ましい。
【0039】
その結果、アプリケーション構成をコンパクトに実現することができ、それと同時に、ライト面の均一な照明を可能にすることができる。
【0040】
全体として、本発明によるアプリケーション構成によって、特に弱い周囲照明の場合と強い周囲照明の場合のどちらでも、アプリケーション要素の優れた可視性を実現することができる。なぜなら、個別のアプリケーション要素が、ライト面によって背面照明され、全体的に、ライト面に対してコントラストを成すことができるからである。
【0041】
当然、上述した特徴およびさらに後述する特徴は、それぞれ特定の組合せで使用することができるのみならず、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組合せでも、または単独でも使用することができる。
【0042】
本発明の例示的実施形態を図面に示し、以下の説明でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】照明式のアプリケーション構成を有する自動車の概略図である。
【
図2】照明式のアプリケーション構成を切った斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1に、自動車が後部側から概略図で示されており、全体を参照番号10で表されている。自動車10は、一般に、バンパ14および/またはテールゲート16によって形成されたリアトリム12を有し、自動車ナンバープレート用の切抜部18がリアトリムに形成されている。さらに、テールライト22とは別個に具現化された照明式のアプリケーション構成20が、リアトリム12に配置される。
【0045】
アプリケーション構成20は、自動車10の車種表記または自動車10のブランド名を表す照明式のレタリングを形成する。それに対応して、以下により詳細に説明するように、アプリケーション構成は、複数のアプリケーション要素24を有し、アプリケーション要素24は、互いに並べて配置され、ライト面26によって背面照明される。その結果、レタリングは、弱い外部照明の場合に後ろから特に見やすく、それと同時に自動車10の高品質の外観を与える。アプリケーション構成20は、レタリングおよび数字だけでなく、図形要素、例えばブランドシンボルや他の図形要素も含むことができる。
【0046】
一般に、ライト面26は、アプリケーション要素24のための対応するコントラストを生み出すために、内側から光源によって照明することも、蛍光層または反射層によって周囲光または他の車両からのヘッドライトの光を反射することで照明することもできる。
【0047】
アプリケーション要素24は、ライト面26上に個別の要素として配置され、アプリケーションまたはレタリングは、アプリケーション要素24の外側輪郭によって形成され、それに対応して、背景面がライト面26によって照明される。その結果、レタリングまたはアプリケーション要素24は、照明された背景に比べて暗く見え、したがって、特に優れた可視性を実現することができ、それと同時に高品質の外観を与えることができる。
【0048】
図2は、アプリケーション構成20を通る概略斜視断面図を示す。
【0049】
アプリケーション構成20は、基本的には、U字形断面を有する細長いハウジング28を有する。アプリケーション要素24を含むライト面26は、U字形ハウジング28内に保持され、ライト面26は、ハウジング28の開口32に向いた表面30を有する。透明カバーガラス34が開口32に配置され、このカバーガラス34は、ハウジング28の内部空間を外部に対して閉じ、それに対応して、カバーガラス34の外面が、アプリケーション構成20またはリアトリム12の外面を形成する。
【0050】
アプリケーション要素24は、互いに離して表面30上に配置され、この実施形態ではレタリングの個々の文字を形成する。ここでは、アプリケーション要素24は、好ましくは、結合剤によって表面30に結合されたクロム要素またはクロム着色プラスチック要素である。通常、アプリケーション要素24は結合層を有し、その結果、表面30上へのアプリケーション要素24の配置は、低コストで可能である。
【0051】
ライト面は、カバーガラス34から離してハウジング28内に配置され、導光
板36およびライト隔板38に対して実質的に直交するように配置される。好ましくは、ライト面26は導光
板として具現化され、そこに導光
板36を通して光を投入することができ、その結果、表面30がライト面を形成し、それに対応してアプリケーション要素24が背面照明される。ライト隔板38は、ハウジング28の内部での反射をなくすために、好ましくは無光沢または暗色の素材から形成される。
【0052】
1つの特定の実施形態では、ライト面26は、蛍光層および/または反射層を有することもでき、それに対応して、ライト面26に入射する光を反射し、または導光
板36を介して投入された光を放出し、その結果、それに対応して均一な照明を提供することができる。1つの特定の実施形態では、ライト面は、その表面30上に、約2mmの厚さを有する無色透明のガラスを有する。導光
板36は、好ましくは、無色であり、半透明であり、無光沢であり、ミルクホワイト色にサンドブラスト仕上げされており、約3mmの厚さを有する。ハウジング28は、好ましくは不透明であって黒色であり、妨害的な光の反射がハウジング28の内部空間で生じないようにし、または例えばテールライト22など他の光源からの光がハウジング28の内部空間に入らないようにする。
【0053】
カバーガラス34は、リアトリム12の外面を形成し、好ましくはリアトリム12と面一に仕上げられ、その結果、自動車10のリアトリム12へのアプリケーション構成20の完全な組込みが可能である。
【0054】
したがって、全体として、テールライト22とは別個に具現化され、それに対応して高品質のデザイン要素を形成する、見やすいレタリングまたは図形シンボルを自動車10の後部に提供することができる。
【符号の説明】
【0055】
10 自動車
12 リアトリム構成
20 アプリケーション構成
22 テールライト
24 アプリケーション要素
26 ライト面
28 ハウジング
30 表面
32 開口
34 カバーパネル
36 導光
板
38 ライト隔板