【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)平成27年8月25日に、EiC電子情報通信学会2015年ソサイエティ大会講演論文集(DVD),B−5−46(一般社団法人電子情報通信学会)にて公開 (2)平成27年9月11日に、EiC電子情報通信学会2015年ソサイエティ大会,東北大学川内北キャンパス(宮城県仙台市青葉区川内41)にて発表
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度、総務省「移動通信システムにおける三次元稠密セル構成及び階層セル構成技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【文献】
NTT DOCOMO,Views on Radio-Interface Based Synchronization Mechanisms, 3GPP TSG-RAN WG1♯74 R1-133460,2013年 8月23日
【文献】
小西 光邦 他,LTE-Advancedにおける回り込み干渉回避制御を適用したネットワークリスニング同期の実験評価,電子情報通信学会2015年通信ソサイエティ大会講演論文集1,2015年 8月25日,p.307,B−5−45
【文献】
生天目 翔 他,LTE-Advancedにおける回り込み干渉キャンセラを適用したネットワークリスニング同期の検討,電子情報通信学会2015年通信ソサイエティ大会講演論文集1,2015年 8月25日,p.308,B−5−46
【文献】
生天目 翔 他,回り込み干渉キャンセラを適用したネットワークリスニング同期の実信号波形を用いた同期性能評価,電子情報通信学会技術研究報告,2016年 2月24日,第115巻, 第472号,pp.121-126,RCS2015−353
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
移動局に対してOFDM(直交周波数分割多重)方式の下りリンクの信号送信が可能な無線通信部と、前記移動局に対する送信タイミングを制御する送信タイミング制御部とを備え、移動局に対してOFDM方式の下りリンクの信号送信が可能な他の基地局のセル内に自セルが配置された基地局であって、
前記他の基地局から送信された同期信号を含む下りリンク信号と自局から送信された下りリンクの回り込み信号とを含む下りリンク信号を受信する下りリンク信号受信部と、
前記他の基地局の同期信号を含む下りリンク信号のサブフレームのうち、自局からの下りリンクの回り込み信号が前記他の基地局の同期信号への干渉となる所定のサブフレームについて、前記下りリンク信号の受信信号から前記回り込み信号の干渉を除去する干渉除去部と、
前記回り込み信号の干渉を除去した前記下りリンク信号の受信信号に基づいて前記他の基地局の同期信号のタイミングを検出して前記他の基地局との間の時間同期処理を行う同期処理部と、
を備えることを特徴とする基地局。
移動局に対してOFDM(直交周波数分割多重)方式の下りリンクの信号送信が可能な無線通信部と、前記移動局に対する送信タイミングを制御する送信タイミング制御部とを備え、移動局に対してOFDM方式の下りリンクの信号送信が可能な他の基地局のセル内に自セルが配置された基地局であって、
前記送信タイミング制御部は、前記他の基地局の同期信号を含む下りリンク信号のサブフレームのうち、自局からの下りリンクの回り込み信号が前記他の基地局の同期信号への干渉となる所定のサブフレームについて、下りリンクの信号送信を停止するように制御し、
前記他の基地局から送信された同期信号を含む下りリンク信号を受信する下りリンク信号受信部と、
自局の下りリンクの信号送信停止時にも前記無線通信部から送信される送信機雑音相当の残留送信信号を、前記無線通信部から有線接続で直接に受信し、受信した前記残留送信信号を複素ベースバンド信号に変換して取得し、取得した前記複素ベースバンド信号を基に前記所定のサブフレームについて前記残留送信信号のレプリカ信号を生成し、前記下りリンク信号の受信信号から前記残留送信信号の干渉を除去する干渉除去部と、
前記残留送信信号の干渉を除去した前記下りリンクの受信信号に基づいて前記他の基地局の同期信号のタイミングを検出して前記他の基地局との間の時間同期処理を行う同期処理部と、を備えることを特徴とする基地局。
移動局に対してOFDM(直交周波数分割多重)方式の下りリンクの信号送信が可能な第1の基地局と、移動局に対してOFDM方式の下りリンクの信号送信が可能であり前記第1の基地局のセル内に自セルが配置された第2の基地局との間の基地局間の時間同期方法であって、
前記第2の基地局が、
前記第1の基地局から送信された同期信号を含む下りリンク信号と自局から送信された下りリンクの回り込み信号とを含む下りリンク信号を受信し、
前記第1の基地局の同期信号を含む下りリンク信号のサブフレームのうち、自局からの下りリンクの回り込み信号が前記第1の基地局の同期信号への干渉となる所定のサブフレームについて、前記下りリンク信号の受信信号から前記回り込み信号の干渉を除去し、
前記回り込み信号の干渉を除去した前記下りリンク信号の受信信号に基づいて前記第1の基地局の同期信号のタイミングを検出して前記第1の基地局との間の時間同期処理を行う、ことを特徴とする基地局間の時間同期方法。
移動局に対してOFDM(直交周波数分割多重)方式の下りリンクの信号送信が可能な第1の基地局と、移動局に対してOFDM方式の下りリンクの信号送信が可能であり前記第1の基地局のセル内に自セルが配置された第2の基地局との間の基地局間の時間同期方法であって、
前記第2の基地局が、
前記第1の基地局の同期信号を含む下りリンク信号のサブフレームのうち、自局からの下りリンクの回り込み信号が前記第1の基地局の同期信号への干渉となる所定のサブフレームについて、下りリンクの信号送信を停止するように制御し、
自局の下りリンクの信号送信停止時にも自局の無線通信部から送信される送信機雑音相当の残留送信信号を、前記無線通信部から有線接続で直接に受信し、受信した前記残留送信信号を複素ベースバンド信号に変換して取得し、
前記第1の基地局から送信された同期信号を含む下りリンク信号を受信し、
取得した前記複素ベースバンド信号を基に前記所定のサブフレームについて前記残留送信信号のレプリカ信号を生成し、前記下りリンク信号の受信信号から前記残留送信信号の干渉を除去し、
前記送信機雑音の干渉を除去した前記下りリンクの受信信号に基づいて前記第1の基地局の同期信号のタイミングを検出して前記第1の基地局との間の時間同期処理を行う、ことを特徴とする基地局間の時間同期方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ここでは、LTE/LTE−Advancedへの適用を前提に本発明の実施形態を説明するが、類似のセル構成、物理チャネル構成を用いるシステムであれば、本発明の概念はどのようなシステムにも適用可能である。
【0019】
まず、本発明を適用可能な移動通信システムの全体構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るマクロセル基地局とスモールセル基地局とが配置された移動通信システムの概略構成を示す説明図である。
【0020】
図1において、本実施形態の移動通信システムは、LTE(Long Term Evolution)/LTE−Advancedの標準仕様に準拠した通信システムであり、第1の基地局としてのマクロセル基地局10と、そのマクロセル基地局10の無線通信エリアであるセル(以下、適宜「マクロセル」という。)10A内に位置する第2の基地局としてのスモールセル基地局20とを備える。スモールセル基地局20の無線通信エリアであるセル(以下、適宜「スモールセル」という。)20Aは、マクロセル基地局10のマクロセル10Aの内側に含まれている。マクロセル20Aは主に屋外にあるため、屋外マクロセルとも呼ばれる。
【0021】
近年、大都市部においては、中高層ビルの屋内オフィスでの通信トラフィックが急増しているため、高さ方向にも効率良く通信トラフィックを運ぶ手段が求められている。そのため、マクロセル10A内に位置するビル等の建物40内の高さ方向を含めて3次元的にスモールセル基地局20を展開して設置する3次元空間セル構成が有効である。
【0022】
図1において、第1の移動局であるユーザ端末装置(UE:User Equipment)30は、マクロセル基地局10のセル10Aに在圏してマクロセル基地局10に接続されたユーザ端末装置(MUE)であり、マクロセル基地局10を介して電話やデータ通信などのための無線通信が可能な状態にある。このユーザ端末装置30は、マクロセル10Aとスモールセル20Aとの境界部に近い位置に在圏しているため、スモールセル20Aからの干渉を受けやすい状況にある。
【0023】
また、第2の移動局であるユーザ端末装置(UE)31は、建物40内に設置されたスモールセル基地局20のセル20Aの外縁部に在圏してスモールセル基地局20に接続されたユーザ端末装置(SUE)であり、スモールセル基地局20を介して電話やデータ通信などのための無線通信が可能な状態にある。このユーザ端末装置31は、スモールセル20Aのマクロセル10Aとの境界部に近い位置に在圏しているため、マクロセル10Aからの干渉を受けやすい状況にある。
【0024】
ユーザ端末装置30、31は、マクロセル10Aやスモールセル20Aに在圏するときに、その在圏するセルに対応するマクロセル基地局やスモールセル基地局と間で所定の通信方式及び無線通信リソースを用いて無線通信することができる。ユーザ端末装置30、31は、例えばCPUやメモリ等を有するコンピュータ装置、コアネットワークに対する外部通信インターフェース部、無線通信部などのハードウェアを用いて構成され、所定のプログラムが実行されることにより基地局10,20等との間の無線通信等を行うことができる。
【0025】
マクロセル基地局10は、移動体通信網において屋外に設置されている通常の半径数百m乃至数km程度の広域エリアであるマクロセルをカバーする広域の基地局であり、「マクロセル基地局」、「Macro e−Node B」、「MeNB」等と呼ばれる場合もある。マクロセル基地局10は、他の基地局と例えば有線の通信回線で接続され、所定の通信インターフェースで通信可能になっている。また、マクロセル基地局10は、回線終端装置及び専用回線などの通信回線を介して移動体通信網のコアネットワークに接続され、コアネットワーク上のサーバ装置などの各種ノードとの間で所定の通信インターフェースにより通信可能になっている。
【0026】
スモールセル基地局20は、広域のマクロセル基地局とは異なり、無線通信可能距離が数m乃至数百m程度であり、一般家庭、店舗、オフィス等の建物40の内部にも設置することができる小容量の基地局である。スモールセル基地局20は、移動体通信網における広域のマクロセル基地局がカバーするエリアよりも小さなエリアをカバーするように設けられるため「スモールセル基地局」と呼ばれたり、「Small e−Node B」や「Small eNB」と呼ばれたりする場合もある。スモールセル基地局20についても、回線終端装置及びADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線や光回線等のブロードバンド公衆通信回線などの通信回線を介して移動体通信網のコアネットワークに接続され、コアネットワーク上のサーバ装置などの各種ノードとの間で所定の通信インターフェースにより通信可能になっている。
【0027】
また、マクロセル基地局10及びスモールセル基地局20それぞれの基地局は、例えばCPUやメモリ等を有するコンピュータ装置、コアネットワークに対する外部通信インターフェース部、無線通信部などのハードウェアを用いて構成され、所定のプログラムが実行されることにより、後述の干渉を抑制するための各種処理を実行したり、所定の通信方式及び無線通信リソースを用いてユーザ端末装置30、31との間の無線通信を行ったりすることができる。
【0028】
各基地局10、20は、移動局であるユーザ端末装置に対してOFDM(直交周波数分割多重)方式の下りリンクの無線通信可能な基地局である。基地局10、20は、例えば、アンテナ、無線信号経路切り換え部、送受共用器(DUP:Duplexer)、下り無線受信部とOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調部、上り無線受信部、SC−FDMA(Single-Carrier Frequency-Division Multiple Access)復調部など備える。更に、各基地局10、20は、OFDM変調部、下り無線送信部、制御部等を備える。
【0029】
SC−FDMA復調部は、上り無線受信部で受信した受信信号に対してSC−FDMA方式の復調処理を実行し、復調されたデータを制御部に渡す。OFDM変調部は、制御部から受けた自局のセルに在圏しているユーザ端末装置に向けて送信する下り信号のデータを、所定の電力で送信されるように、OFDM方式で変調する。また、基地局が例えばサーバ装置から送信停止対象のサブフレームの情報を受信した場合、OFDM変調部は、無線通信フレーム中の特定のサブフレームについてのみ下り送信を停止するように制御される。下り無線送信部は、OFDM変調部で変調した送信信号を、送受共用器、無線信号経路切り換え部及びアンテナを介して送信する。
【0030】
基地局10、20の制御部は、例えばコンピュータ装置で構成され、所定のプログラムが読み込まれて実行されることにより、各部を制御したり各種処理を実行したりする。また、制御部は、外部通信インターフェース部と協働して、送信停止対象のサブフレームの情報であるABSパターン情報をサーバ装置から受信する手段としても機能する。また、制御部は、サーバ装置から受信した送信停止対象のサブフレームの情報(ABSパターン情報)に基づいて、特定の送信停止対象のサブフレームにおける下り送信を停止するように制御する手段としても機能する。
【0031】
上記基地局10、20のうちスモールセル基地局20の制御部は、マクロセル基地局10から受信した同期信号に基づいてマクロセル基地局10との間の時間同期処理を行う手段としても機能する。なお、スモールセル基地局20における時間同期処理については後述する。
【0032】
なお、
図1では、マクロセル基地局10及びスモールセル基地局20を一つずつ図示しているが、マクロセル基地局10及びスモールセル基地局20はそれぞれ複数であってもよい。また、
図1では、マクロセル10A及びスモールセル20Aそれぞれに在圏するユーザ端末装置が1台ずつ在圏する場合について図示しているが、各セルに在圏するユーザ端末装置は複数台であってもよい。
【0033】
また、本実施形態の移動通信システムにおいて、各基地局10、20と通信回線を介して通信可能なサーバ装置を備えてもよい。このサーバ装置は、SON(Self-Organizing Network)サーバなどとも呼ばれ、例えばCPUやメモリ等を有するコンピュータ装置、コアネットワークに対する外部通信インターフェース部などのハードウェアを用いて構成される。サーバ装置は、所定のプログラムが実行されることにより、所定の通信回線を介してマクロセル基地局10及びスモールセル基地局20と通信することができる。また、サーバ装置のコンピュータ装置は、被干渉のスモールセル基地局20から受信した干渉信号レベルの情報に基づいて、ユーザ端末装置に対する下り送信の無線通信フレーム内の少なくとも一つのサブフレームについて干渉源のマクロセル基地局10からの下り送信の停止が必要か否かを判断する手段として機能する。また、サーバ装置のコンピュータ装置は、前記下り送信の停止が必要であると判断した場合、無線通信フレーム内の少なくとも一つの送信停止対象のサブフレームを決定する手段としても機能する。サーバ装置のコンピュータ装置は、外部通信インターフェース部と協働して、被干渉のスモールセル基地局20における干渉信号レベルの情報をスモールセル基地局20から受信する手段、及び干渉源のマクロセル基地局10に、前記決定した送信停止対象のサブフレームの情報を送信する手段としても機能する。
【0034】
次に、上記構成の移動通信システムにおけるセル間干渉制御について説明する。
前述のように急増する移動通信のトラフィックへの対策としてマクロセル10A上にスモールセル20Aを重畳するオーバレイセル構成の適用が有効である。しかし、オーバレイセル構成でマクロセル10Aとスモールセル20Aが同一周波数帯域を使用する場合、マクロセル10Aとスモールセル20Aとの間の干渉が生じるため、その適用効果を最大化するためには干渉を制御することが必要となる。干渉制御方法としては、LTE−Advanced標準のeICIC(enhanced Inter-Cell Interference Coordination)技術が有効である。
【0035】
図2は、LTEダウンリンクの無線通信フレームの時間軸方向のフォーマットの一例を示す説明図である。
図3は、LTEダウンリンクの無線通信フレームの時間軸及び周波数軸方向のフォーマットの一例を示す説明図である。
図2に示すように、LTEダウンリンクの信号の1単位である所定長(図示の例では10[ms])の無線通信フレーム100は、所定個数(図示の例では10個)の所定長(図示の例では1.0[ms])のサブフレーム110で構成される。LTEダウンリンクのスケジューリングの最小時間単位であるTTI(Transmission Time Interval)は1サブフレームであるので、サブフレームごとに、スケジューリングされたユーザ端末装置へ無線リソースの最小単位であるリソースブロック(RB)が割り当てられる。各サブフレーム110は、後述のように制御チャネル領域110Aとデータチャネル領域110Bとを有する。
【0036】
また、
図3に示すように、各サブフレーム110では、周波数軸方向に最大で100個のリソースブロック(RB)が割り当てられる。先頭から第1番目(♯0)及び第6番目(♯5)のサブフレームの周波数軸方向における中央部の6RBには、後述のように、プライマリー同期信号(PSS)121及びセカンダリー同期信号(SSS)122が配置されている。
【0037】
図2の無線通信フレーム100において、先頭から第2番目(♯1)、第3番目(♯2)、第4番目(♯3)、第7番目(♯6)、第8番目(♯7)及び第9番目(♯8)の配列位置には、LTE−Advanced標準に準拠したMBSFN(マルチメディア・ブロードキャスト・マルチキャスト・サービス・シングル周波数ネットワーク)サブフレームを設定可能である。MBSFNサブフレームにおいては、当該MBSFNサブフレームをABSとすることで、セル固有の参照信号(CRS)の送信を先頭OFDMシンボルを除いて停止できる。この参照信号(CRS)の送信を停止できるサブフレームは、LTE−Advanced標準に準拠したMBSFNサブフレームである。無線通信フレーム100のその他の配列位置すなわち先頭から第1番目(♯0)、第5番目(♯4)、第6番目(♯5)及び第10番目(♯9)の配列位置には、MBSFNサブフレームを設定することができず、参照信号(CRS)の送信を停止できない。
【0038】
図4は、無線通信フレームを構成するサブフレームのフォーマットの一例を示す説明図である。
図4において、各サブフレーム110は、例えば周波数軸方向に12サブキャリア(15[kHz])、時間軸方向に14OFDMシンボルの計168個のRE(Resource Element)で構成される。なお、Extended Cyclic Prefixが用いられる場合は、1サブフレーム内に12OFDMシンボルが送信される。ここで、「シンボル」とは、無線通信で伝送される情報の一単位である。また、一つのシンボルは伝送対象の情報の1回の変調で生成され、1シンボルの情報量(ビット数)は変調方式によって決まる。1サブフレーム毎に各ユーザ端末装置がどの周波数/時間リソースマッピングされているのか、各ユーザ端末装置へのデータ信号がどのような変調フォーマット(変調方式、符号化率)を使用するか等のスケジューリングを行い、その結果がユーザ端末装置へ通知される。
【0039】
図4に示すように、各サブフレーム110は、下りリンクL1/L2制御チャネル信号のREがマッピングされる先頭部分の制御チャネル領域110Aと、データチャネル信号や上位制御チャネル信号のREがマッピングされるデータチャネル領域110Bとを有する。なお、制御チャネル領域110Aはサブフレームの先頭の1〜3のOFDMシンボルを割り当てることができる。
【0040】
サブフレーム110の制御チャネル領域110Aには、L1/L2制御チャネルであるPDCCH(Physical Downlink Control Channel)が設定される。PDCCHは、上下リンクのスケジューリングの決定や上りリンクの電力制御コマンドなどの制御情報(DCI:Downlink Control Information)の伝送に用いられる。DCIには、PDSCHリソース指示、伝送フォーマット、HARQ情報、および空間多重に関する制御情報を含む下りリンクスケジューリング割当てが含まれる。また、DCIには、PUSCHリソース指示、伝送フォーマット、HARQ関連情報、上りリンクのスケジューリング情報である上りリンクグラントも含まれる。
【0041】
また、サブフレーム110のデータチャネル領域110Bには、物理共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)が設定される。PDSCHは、下りリンクデータを送信する物理チャネルであり、MIMO伝送方式としてMIMOダイバーシティに加え、LTEでは最大4レイヤのMIMO多重、LTE−Advancedでは最大8レイヤのMIMO多重に対応する。また、MIB以外の報知情報であるSIBや着信時の呼び出しであるページング情報、その他上位レイヤの制御メッセージ、例えばRRC(Radio Resource Control protocol)レイヤの制御情報もPDSCHで送信される。ユーザ端末装置は、PDCCHから取得した無線リソース割当位置、変調方式、データサイズ(TB:Transport Block size)等の情報に基づいてPDSCHを復号する。
【0042】
また、LTEにおいてサブフレーム110内の時間領域で14OFDMシンボルのうち、第1、5、8、12OFDMシンボル内にセル固有の参照信号(CRS)が分散して規則的に配置される。この参照信号CRSは、ユーザ端末装置におけるチャネル品質情報(CSI:Channel State Information)の測定用の基準信号及びデータ復調用の基準信号という2つの役割を担っている。参照信号CRSはセルIDによって、異なるスクランブリングとマッピングされるサブキャリア位置の周波数シフトが適用される。また、前述のように、通常のサブフレーム内にマッピングされた参照信号CRSについてはABSで送信を停止することができず、MBSFNサブフレーム内にマッピングされた先頭以外の参照信号CRSについてはABSで送信を停止することができる。
【0043】
図5及び6はそれぞれ、セル間干渉制御技術(eICIC)で採用されているABSによるサブフレームにおける送信停止の様子の一例を示す説明図である。eICICでは、例えば
図5及び
図6に示すように、マクロセルの一部のサブフレーム(図示の例では♯1〜#3、#6〜#8のサブフレーム)でABSを設定することで、データチャネル(PDCCH)信号送信を停止し、スモールセルに接続しているユーザ端末装置におけるデータチャネルの干渉を低減することができる。また、例えば
図6に示すように、スモールセルの一部のサブフレーム(図示の例では♯0,#4,#5,#9のサブフレーム)で同様にABSを設定することにより、マクロセルに接続しているユーザ端末装置におけるデータチャネルの干渉を低減することができる。
【0044】
図7は、マクロセル10Aとスモールセル20Aとの間の時間同期が不完全の場合の干渉の様子の一例を示す説明図である。上記セル間干渉制御技術(eICIC)では時間軸上で干渉を制御しているため、マクロセル10Aとスモールセル20Aとの間で精度の高い正確な時間同期が必要である。例えば、1[μs]以下の時間精度で時間同期させる必要がある。仮に、マクロセル10Aとスモールセル20Aとの間の時間同期が不完全であると、例えば
図7に示すように、マクロセル10AでABSが設定されたサブフレーム110(#2)の直前のサブフレーム110(#1)の後端部111(#1)と、スモールセル20Aの保護対象のサブフレーム110(#2)の前端部112(#2)とが互いに干渉してしまう。つまり、スモールセル基地局20から送信されたLTEダウンリンクのサブフレーム110(#2)の前端部112(#2)がユーザ端末装置31に受信されているときに、マクロセル基地局10から送信されたLTEダウンリンクのサブフレーム110(#1)の後端部111(#1)がユーザ端末装置31に到達して干渉する。
【0045】
図8(a)及び(b)は、本実施形態に係る移動通信システムで採用するネットワーク・リスニング・ベースの時間同期方法(以下、「リスニング同期方法」という。)の一例を示す説明図である。このリスニング同期方法では、スモールセル基地局20がマクロセル10Aの信号を直接受信し、
図8(a)に示すようにマクロセル10Aの下りリンク信号の無線通信フレーム100送信タイミングを検出(リスニング)する。スモールセル基地局20は、
図8(b)に示すように、検出したマクロセル10Aの無線通信フレーム100の送信タイミングに、自身のスモールセル20Aの下りリンク信号の無線通信フレーム100の送信タイミングを同期させる。
【0046】
上記リスニング同期方法は、屋内でも受信可能なマクロセル10Aの下りリンク信号を受信して時間同期に利用しているので、スモールセル基地局20が屋内に設置されている場合でも、GPS信号などの屋内に届かない信号を受信して時間同期する場合とは異なり、マクロセル10Aとスモールセル20Aとの間の時間同期が可能である。また、マクロセル10Aの下りリンク信号を直接受信して利用できるため、IEEE1588v2などで規定されている所定プロトコルを利用した基地局間のパケットベースの通信を時間同期方法とは異なり、基地局間の通信におけるすべてのノードが上記所定プロトコルをサポートしている必要があるという制約もない。
【0047】
図9は、本実施形態に係るリスニング同期方法で利用するマクロセル10Aの同期信号(PSS,SSS)の配置の一例を示す説明図である。上記リスニング同期方法で受信する受信対象の候補としては、LTEにおいてマクロセル基地局10からユーザ端末装置に対して周期的に送信される同期信号(PSS,SSS)120、報知信号(PBCH)140、セル固有の参照信号(CRS)等が挙げられる。本実施形態では、これらの信号の中で信号処理をより簡易に行うことができる同期信号(PSS,SSS)120を用いる。この同期信号120は、例えば
図9に示すようにプライマリー同期信号(PSS)121とセカンダリー同期信号(SSS)122とで構成され、第1番目(♯0)及び第6番目(♯5)のサブフレームそれぞれの周波数軸方向における中央部の6RBに配置されている。また、同期信号120は、PSS121とSSS122の2段階で構成され、ユーザ端末装置が基地局に初期アクセスする際の同期に使用される。マクロセル10Aの同期信号120が含まれる下りリンク信号は、例えばスモールセル基地局20に備えられた後述の同期信号受信手段としての下りリンク信号受信部(リスニング装置)250で受信され、スモールセル基地局20に送られて時間同期処理に用いられる。
【0048】
図10は、リスニング同期方法でマクロセル10Aの同期信号120を受信して時間同期するときの課題を説明する説明図である。また、
図11は、マクロセル10Aの同期信号120とスモールセル20Aの回り込み信号22に含まれる同期信号との干渉の様子の一例を示す説明図である。
一般にスモールセル基地局20の内部クロックの精度が良くないため、上記リスニング同期方法において時間同期の精度を常に最適に保つために、スモールセル基地局20の運用中も定期的にマクロセル10Aの下りリンク信号を受信して同期信号120を検出して同期処理を行うのが好ましい。しかしながら、eICICが適用されるシステムにおいては、マクロセル基地局とスモールセル基地局のサブフレーム番号が同期される。同期信号は前述のとおり、ユーザ端末装置が基地局に初期アクセスする際に必要となるため、送信を停止することが出来ない。そのため、スモールセル基地局20の運用中に、マクロセル20Aの下りリンク信号を受信しようとすると、例えば
図10及び
図11に示すように、スモールセル基地局20のアンテナ231から送信された送信信号をスモールセル基地局自身が受信した回り込み信号22に含まれる同期信号220(PSS221,SSS222)と、マクロセル10Aの下りリンク信号12の同期信号120(PSS121,SSS122)とが干渉するおそれがある。この回り込み信号22の受信強度は、建物の壁41や窓42等を通過してきたマクロセル10Aの下りリンク信号12の受信強度に比較して非常に大きいため、マクロセル10Aの下りリンク信号12に上記回り込み信号22が干渉した場合、マクロセル10Aの下りリンク信号12に含まれる同期信号120(PSS121,SSS122)を検出できず、時間同期が困難になる。
【0049】
リスニング同期方法の問題点を解決する手段の1つとして、スモールセル基地局でリスニング同期するタイミングでスモールセル基地局自身の送信を停止する回り込み干渉回避技術がある(例えば、非特許文献1参照)。しかし、送信を一部停止する回り込み干渉回避技術は、運用中の基地局の信号の一部送信を停止するため周波数利用効率が低下する課題がある。また、送信を一部停止する回り込み干渉回避技術では、共通信号である同期信号の送信を停止することができないためスモールセル基地局のサブフレーム番号のシフトが不可欠となるので下りリンク信号の柔軟なフレーム構成が設定できない。そこで、本実施形態のスモールセル基地局20は、スモールセル基地局20の運用中の自身の送信信号の回り込み信号(干渉信号)22をアンテナ251で受信し、信号処理により、マクロセル10Aの同期信号120を含む下りリンクのマクロセル信号の受信信号から回り込み信号(干渉信号)22を除去(キャンセル)し、マクロセル10Aの同期信号120を検出してリスニング同期処理を実行している。
【0050】
例えば、本実施形態の一例では、スモールセル基地局20が、マクロセル基地局10から送信された同期信号120を含む下りリンクのマクロセル信号とスモールセル基地局20から送信された下りリンクの回り込み信号22とを含む下りリンク信号を受信する。更に、スモールセル基地局20は、マクロセル基地局10の同期信号120を含む下りリンクのマクロセル信号のサブフレームのうち、スモールセル基地局20からの下りリンクの回り込み信号22がマクロセル基地局10の同期信号120への干渉となる所定のサブフレームについて、下りリンク信号の受信信号から回り込み信号22の干渉を除去する。また、スモールセル基地局20は、回り込み信号22の干渉を除去した下りリンク信号の受信信号に基づいてマクロセル基地局10の同期信号120のタイミングを検出してマクロセル基地局10との間の時間同期処理を行う。以上のように、スモールセル基地局20は、自身の回り込み信号22を除去した下りリンク信号の受信信号からマクロセル10Aの同期信号120を検出してリスニング同期処理を行うことにより、自身の下りリンクの信号送信を停止することなく、スモールセル基地局20の運用中においてもマクロセル基地局10との間の時間同期を精度よく行うことができる。
【0051】
また、本実施形態の他の例では、スモールセル基地局20が、マクロセル基地局10の同期信号120を含む下りリンク信号のサブフレームのうち、スモールセル基地局20からの下りリンクの回り込み信号22がマクロセル基地局10の同期信号120への干渉となる所定のサブフレームについて、下りリンクの信号送信を停止するように制御し、マクロセル基地局から送信された同期信号を含む下りリンク信号を受信する。更に、スモールセル基地局20は、スモールセル基地局20の下りリンクの信号送信停止時にも送信される送信機雑音相当の残留送信信号を、スモールセル基地局20から有線接続で直接に受信し、受信した前記残留送信信号を複素ベースバンド信号に変換して取得し、取得した前記複素ベースバンド信号を基に前記所定のサブフレームについて前記下りリンク信号の受信信号から前記残留送信信号の干渉を除去し、その残留送信信号の干渉を除去した下りリンクの受信信号に基づいてマクロセル基地局10の同期信号120のタイミングを検出してマクロセル基地局10との間の時間同期処理を行う。以上のように、スモールセル基地局20は、自身の回り込み信号22の干渉を回避するだけでなく自身の送信機雑音の干渉を除去した下りリンク信号の受信信号からマクロセル10Aの同期信号120を検出してリスニング同期処理を行うことにより、スモールセル基地局20の運用中においてもマクロセル基地局10との間の時間同期をより高い精度で行うことができる。
【0052】
以下、本実施形態に係る高精度のリスニング同期処理機能を有するスモールセル基地局20の構成例について説明する。なお、以下の構成例において、スモールセル基地局20はLTE/LTE−Advancedの標準仕様に準拠した通常の構成及び動作処理の機能を有しているものとし、それらの説明は省略する。
【0053】
〔構成例1〕
図12は、本実施形態に係る高精度のリスニング同期処理機能を有するスモールセル基地局20の主要部の概略構成の一構成例を示すブロック図である。
図13は、本構成例におけるマクロセル10A及びスモールセル20Aそれぞれにおける下りリンク信号11、21のフレーム構成の一例を示す説明図である。
【0054】
図12において、本構成例のスモールセル基地局20は、無線通信部(LTE送受信装置)230と、送信タイミング制御部240と、下りリンク信号受信部(リスニング装置)250と、干渉除去部(回り込み干渉キャンセラ)260と、同期処理部(リスニング同期装置)270を備える。
【0055】
無線通信部230は、アンテナ231を介して、LTE/LTE−Advancedの標準仕様に準拠した無線通信方式により、移動体通信網を介してスモールセル20A内に在圏するユーザ端末装置(移動機、移動局)31と下りリンク及び上りリンクの無線通信を行う。例えば、無線通信部230は、スモールセル20A内のユーザ端末装置31に対してOFDM(直交周波数分割多重)方式の下りリンク信号21を送信することができる。
【0056】
送信タイミング制御部240は、マクロセル基地局10との間で時間同期がなされた状態で、例えば前述の所定のABSパターンに基づいて、ユーザ端末装置31に対する下りリンク信号21の送信タイミングを制御する。
【0057】
下りリンク信号受信部250は、アンテナ251を介して、マクロセル基地局10から送信された同期信号120(PSS121,SSS122)を含む下りリンク信号(マクロセル信号)11と、スモールセル基地局20自身から送信された下りリンクの回り込み信号22とを含む下りリンク信号255を受信する。
【0058】
干渉除去部260は、マクロセル基地局10の同期信号を含む120(PSS121,SSS122)下りリンクのマクロセル信号のサブフレームのうち、スモールセル基地局20からの下りリンクの回り込み信号22がマクロセル基地局10の同期信号120への干渉となる所定のサブフレーム150について、下りリンク信号255の受信信号から回り込み信号22の干渉を除去する。
図13の例では、マクロセルの下りリンク信号11における同期信号120が配置されたサブフレーム(#0、#5)に時間軸上で対応するスモールセル20Aのサブフレーム(#8、#3)について、下りリンク信号255の受信信号から回り込み信号22の干渉を除去する処理を行う。
【0059】
同期処理部(リスニング同期装置)270は、回り込み信号22の干渉を除去した下りリンク信号の受信信号に基づいて、マクロセル基地局10の同期信号120(PSS121,SSS122)のタイミングを検出してマクロセル基地局10との間の時間同期処理を行う。
【0060】
本構成例のスモールセル基地局20によれば、回り込み信号22の干渉を除去した下りリンク信号の受信信号を用いることにより、回り込み信号22の干渉の影響を受けることなくマクロセル基地局10の同期信号120のタイミングを精度よく検出できるため、マクロセル基地局10との間の時間同期の精度を高めることができる。しかも、スモールセル基地局20からの下りリンク信号の送信は停止する必要がないため、スモールセル基地局20の運用中においてもマクロセル基地局10との間の時間同期を行うことができる。
【0061】
〔構成例2〕
図14は、本実施形態に係るリスニング同期処理機能を有するスモールセル基地局20に設けられた干渉除去部260における干渉キャンセル処理の一例を示すブロック図である。なお、本構成例のスモールセル基地局20の全体構成は、前述の
図12と同様であり、それらの説明は省略する。
【0062】
図14に示す本構成例の干渉除去部260は、まず、スモールセル基地局20自身からの下りリンクの信号送信のタイミングに合わせて、下りリンク信号受信部250で受信した下りリンク信号255の時間軸上の受信信号からCP(サイクリック・プレフィックス)を除去する(S261)。次に、干渉除去部260は、CPを除去した時間軸上の受信信号をFFT(高速フーリエ変換)によりフーリエ変換して周波数軸上の受信信号に変換し(S262)、その周波数軸上の受信信号に基づいて、回り込み信号22についてチャネル推定を行う(S263)。次に、干渉除去部260は、前記チャネル推定の結果であるチャネル推定値を、同じスモールセル基地局20内の無線通信部230から送信される既知信号である下りリンク信号に乗算することにより、回り込み信号22の周波数軸上のレプリカを生成する(S264)。次に、干渉除去部260は、前記周波数軸上の受信信号から回り込み信号の周波数軸上のレプリカを減算することにより、回り込み信号の干渉を除去した周波数軸上の受信信号を生成する(S265)。
【0063】
本構成例の同期処理部270は、干渉除去部260から出力された回り込み信号の干渉を除去した周波数軸上の受信信号に、マクロセル基地局10の同期信号の複素共役を乗算して周波数応答を求め、その周波数応答を逆フーリエ変換してインパルス応答を求め、そのインパルス応答に基づいてマクロセル基地局10の同期信号120のタイミングを検出する。
【0064】
本構成例のスモールセル基地局20によれば、回り込み信号22の干渉を除去した下りリンク信号の受信信号を用いることにより、回り込み信号22の干渉の影響を受けることなくマクロセル基地局10の同期信号120のタイミングを精度よく検出できるため、マクロセル基地局10との間の時間同期の精度を高めることができる。しかも、スモールセル基地局20からの下りリンク信号の送信は停止する必要がないため、スモールセル基地局20の運用中においてもマクロセル基地局10との間の時間同期を行うことができる。
特に、本構成例のスモールセル基地局20によれば、回り込み信号22の干渉除去処理と同期信号120のタイミング検出処理とを周波数軸上で行うことにより、リスニング同期処理の高速化を図ることができる。
【0065】
〔構成例3〕
図15は、本実施形態に係るリスニング同期処理機能を有するスモールセル基地局20に設けられた干渉除去部260における干渉キャンセル処理の他の例を示すブロック図である。なお、本構成例のスモールセル基地局20の全体構成は、前述の
図12と同様であり、それらの説明は省略する。また、
図14の干渉キャンセル処理と共通する処理ステップ(S261〜S265)についても説明を省略する。
【0066】
図15に示す本構成例の干渉除去部260は、回り込み信号の干渉を除去した周波数軸上の受信信号を生成した(S265)後、その周波数軸上の受信信号をIFFT(逆高速フーリエ変換)により逆フーリエ変換して時間軸上の受信信号に変換する(S266)。
【0067】
本構成例の同期処理部270は、干渉除去部260から出力された回り込み信号の干渉を除去した時間軸上の受信信号に、マクロセル基地局10の同期信号の複素共役を乗算して相互相関値を求め、その相互相関値に基づいてマクロセル基地局10の同期信号120のタイミングを検出する。
【0068】
本構成例のスモールセル基地局20によれば、回り込み信号22の干渉を除去した下りリンク信号の受信信号を用いることにより、回り込み信号22の干渉の影響を受けることなくマクロセル基地局10の同期信号120のタイミングを精度よく検出できるため、マクロセル基地局10との間の時間同期の精度を高めることができる。しかも、スモールセル基地局20からの下りリンク信号の送信は停止する必要がないため、スモールセル基地局20の運用中においてもマクロセル基地局10との間の時間同期を行うことができる。
【0069】
〔構成例4〕
図16は、本実施形態に係るリスニング同期処理機能を有するスモールセル基地局20に設けられた干渉除去部260における干渉キャンセル処理の更に他の例を示すブロック図である。なお、本構成例のスモールセル基地局20の全体構成は、前述の
図12と同様であり、それらの説明は省略する。また、
図14の干渉キャンセル処理と共通する処理ステップ(S261〜S264)についても説明を省略する。
【0070】
図16に示す本構成例の干渉除去部260は、前記周波数軸上のレプリカを生成した(S264)後、生成した周波数軸上のレプリカをIFFT(逆高速フーリエ変換)により逆フーリエ変換して時間軸上のレプリカに変換する(S266)。次に、干渉除去部260は、時間軸上のレプリカについて、標準のLTEと同様に、CP(サイクリック・プレフィックス)を付加する(S267)。次に、干渉除去部260は、前記下りリンク信号受信部250から入力されたCPを有する時間軸上の受信信号から、回り込み信号のCPが付加された時間軸上のレプリカを減算することにより、回り込み信号の干渉を除去した時間軸上の受信信号を生成する(S265)。
【0071】
本構成例の同期処理部270は、干渉除去部260から出力された回り込み信号の干渉を除去した時間軸上の受信信号に、マクロセル基地局10の同期信号の複素共役を乗算して相互相関値を求め、その相互相関値に基づいてマクロセル基地局10の同期信号120のタイミングを検出する。
【0072】
本構成例のスモールセル基地局20によれば、回り込み信号22の干渉を除去した下りリンク信号の受信信号を用いることにより、回り込み信号22の干渉の影響を受けることなくマクロセル基地局10の同期信号120のタイミングを精度よく検出できるため、マクロセル基地局10との間の時間同期の精度を高めることができる。しかも、スモールセル基地局20からの下りリンク信号の送信は停止する必要がないため、スモールセル基地局20の運用中においてもマクロセル基地局10との間の時間同期を行うことができる。
【0073】
なお、上記構成例2〜4のスモールセル基地局20において、下りリンクのデータ信号の送信にMIMO伝送方式を採用している場合、前述のセル固有のセル参照信号(CRS)や同期信号(PSS,SSS)を用いて、複数のアンテナそれぞれから送信される回り信号22の複数の伝送路ごとに前記チャネル推定(S263)を行ってもよい。
【0074】
図17は、本実施形態に係るMIMO伝送方式を採用したスモールセル基地局20においてセル参照信号を用いてチャネル推定を行う場合の2本のアンテナ231(#0,#1)それぞれから送信される下りリンク信号(d
1,d
2)とその回り込み干渉の伝送路(h
1,h
2)とを示す説明図である。また、
図18(a)及び(b)はそれぞれ、スモールセル基地局20の2本のアンテナ231(#0,#1)それぞれから送信される下りリンク信号のサブフレーム構成の一例を示す説明図である。
【0075】
本例では、
図18に示すように、各アンテナ231(#0,#1)から送信される2つの下りリンク信号において、セル参照信号CRS(アンテナ#0)及びCRS(アンテナ#0)は互いに異なる位置のリソースエレメントに割り当てられ、下りリンク信号受信部250のアンテナ251で受信される。また、2つの下りリンク信号d
1,d
2の間で制御信号(PDCCH)がセル参照信号CRSに干渉しないように、セル参照信号CRSに対応するリソースエレメントでは制御信号(PDCCH)を送信しないようにしている。
【0076】
また、本例では、前述の
図13に示すように、マクロセル10Aで同期信号(PSS,SSS)120が送信されているサブフレーム(
図13の例では、サブフレーム#0、#5)に対応しているスモールセル20Aのサブフレーム(
図13の例では、サブフレーム#8、#3)に含まれるセル参照信号CRSを用いて、回り込み信号22のチャネル推定を行っている。
【0077】
図17において、スモールセル基地局20の下りリンク信号(データ信号)は、アンテナ231(#0,#1)ごとに別々の信号d
1,d
2として送信される。信号d1,d2はそれぞれ、互いに異なる伝送路(h
1,h
2)を通り、回り込み信号22として下りリンク信号受信部(リスニング装置)250のアンテナ251で受信される。ここで、第1のアンテナ231(#0)から送信される回り込み信号d
1は、
図18(a)のサブフレーム構成を有し、第1の伝送路h
1を通って下りリンク信号受信部250のアンテナ251で受信される。また、第2のアンテナ231(#1)から送信される回り込み信号d
2は、
図18(b)のサブフレーム構成を有し、第2の伝送路h
2を通って下りリンク信号受信部250のアンテナ251で受信される。従って、アンテナ251で受信される回り込み信号d
1,d
2の受信信号rは、次の式(1)で示すように合成された信号になり、下りリンク信号受信部250で受信されて干渉除去部260に入力される。
【数1】
【0078】
干渉除去部260では、下りリンク信号受信部250で受信されたアンテナ231(#0,#1)間で互いに干渉のないセル参照信号CRSを含む回り込み信号の受信信号rと、アンテナ231(#0,#1)毎に異なるセル参照信号CRSの既知のリソース割り当て情報(
図18参照)とに基づき、回り込み信号22の伝送路(h
1,h
2)についてチャネル推定を行う。
【0079】
以上、
図17及び
図18に示すチャネル推定の例では、セル参照信号CRSを用いてチャネル推定を行うことにより、スモールセルとマクロセルとの間でフレーム同期していない場合でも、回り込み信号22の伝送路(h
1,h
2)について精度よくチャネル推定を行うことができる。
【0080】
図19は、本実施形態に係るMIMO伝送方式を採用したスモールセル基地局20において同期信号を用いてチャネル推定を行う場合の2本のアンテナ231(#0,#1)それぞれから送信される同じ同期信号sとその回り込み干渉の伝送路(h
1,h
2)とを示す説明図である。また、
図20は、同期信号を用いてチャネル推定を行う場合のマクロセル10A及びスモールセル20Aそれぞれにおける下りリンク信号のフレーム構成の一例を示す説明図である。また、
図21は、スモールセル20Aのチャネル推定に用いる同期信号を含む下りリンク信号のフレーム構成の一例を示す説明図である。
【0081】
本例では、
図20に示すようにスモールセルとマクロセルとの間でフレーム同期しており、マクロセル10Aで同期信号120(PSS121,SSS122)が送信されているサブフレーム(
図20の例では、サブフレーム#0、#5)に対応しているスモールセル20Aのサブフレーム(
図20の例では、サブフレーム#0、#5)に含まれる同期信号120を用いて、回り込み信号22のチャネル推定を行っている。
【0082】
また、本例では、
図21に示すように、各アンテナ231(#0,#1)から送信される2つの下りリンク信号において、セル参照信号CRS(アンテナ#0)及びCRS(アンテナ#0)は互いに異なる位置のリソースエレメントに割り当てられ、下りリンク信号受信部250のアンテナ251で受信される。また、2つの下りリンク信号d
1,d
2の間で制御信号(PDCCH)がセル参照信号CRSに干渉しないように、セル参照信号CRSに対応するリソースエレメントでは制御信号(PDCCH)を送信しないようにしている。
【0083】
図19において、スモールセル基地局20の下りリンク信号では、2つのアンテナ231(#0,#1)ごとに同じ同期信号s(120)が送信されている。各アンテナから送信された同期信号s(120)はそれぞれ、互いに異なる伝送路(h
1,h
2)を通り、回り込み信号22として下りリンク信号受信部(リスニング装置)250のアンテナ251で受信される。ここで、第1のアンテナ231(#0)から送信される同期信号(回り込み信号)s(120)は、第1の伝送路h
1を通って下りリンク信号受信部250のアンテナ251で受信される。また、第2のアンテナ231(#1)から送信される同期信号(回り込み信号)sは、第2の伝送路h
2を通って下りリンク信号受信部250のアンテナ251で受信される。従って、アンテナ251で受信される同期信号sを含む回り込み信号の受信信号rは、次の式(2)で示すように合成された信号になり、下りリンク信号受信部250で受信されて干渉除去部260に入力される。
【数2】
【0084】
干渉除去部260では、下りリンク信号受信部250で受信された同期信号120を含む回り込み信号の受信信号rと、同期信号sの既知のリソース割り当て情報(
図21参照)とに基づき、回り込み信号22の各伝送路(h
1,h
2)を合成した伝送路hについてチャネル推定を行う。
【0085】
以上、
図19〜
図21に示すチャネル推定の例では、同期信号120を用いてチャネル推定を行うことにより、スモールセル基地局20のアンテナ数に左右されずに、回り込み信号22の伝送路(h
1,h
2)について簡易なチャネル推定が可能になる。
【0086】
なお、
図17及び
図18の干渉除去部260のチャネル推定において、スモールセル20Aのサブフレーム(#0〜#9)のうちマクロセル10Aの同期信号(PSS,SSS)に対する干渉となるサブフレームのみにおいてセル参照信号CRSを用いてチャネル推定を実施する場合、マクロセル10Aの下りリンク信号が強いと、チャネル推定の精度が劣化するおそれがある。
【0087】
そこで、本実施形態の干渉除去部260は、スモールセル20Aのサブフレーム(#0〜#9)のうちマクロセル基地局10が送信していないサブフレームに含まれるセル参照信号CRSに基づいてチャネル推定を行ってもよい。
【0088】
例えば、
図22に示すように、マクロセル10Aのサブフレームの一部(図示の例ではサブフレーム#1、#6)をABSにより送信停止しておき、そのマクロセル10Aの送信停止のサブフレームに対応するスモールセル20Aのサブフレーム(図示の例ではサブフレーム#9、#4)に含まれるセル参照信号CRSに基づいてチャネル推定を行う。そして、このチャネル推定に基づいて、マクロセル10Aの同期信号(PSS,SSS)に対する干渉(スモールセル20Aの回り込み信号22の干渉)を除去するサブフレーム150のチャネル推定を補完して求める。
【0089】
以上のように、マクロセル基地局10が送信していないサブフレームに含まれるセル参照信号CRSに基づいて行ったチャネル推定の結果を用いることにより、マクロセル10Aの下りリンク信号の影響を受けにくく、マクロセル10Aの同期信号(PSS,SSS)に対する干渉(スモールセル20Aの回り込み信号22の干渉)を除去する対象のサブフレーム150のチャネル推定精度が向上し、回り込み干渉キャンセラの特性が向上する。
【0090】
また、
図19〜
図21の干渉除去部260のチャネル推定において、スモールセル20Aのサブフレーム(#0〜#9)のうちマクロセル10Aの同期信号(PSS,SSS)に対する干渉となるサブフレームのみにおいて同期信号120を用いてチャネル推定を実施する場合、マクロセル10Aの下りリンク信号が強いと、チャネル推定の精度が劣化するおそれがある。
【0091】
そこで、本実施形態の干渉除去部260は、スモールセル20Aのサブフレーム(#0〜#9)のうちマクロセル基地局10が送信していないサブフレームに含まれる同期信号120に基づいてチャネル推定を行ってもよい。
【0092】
例えば、
図23に示すように、マクロセル10Aのサブフレームの一部(図示の例ではサブフレーム#2、#7)をABSにより送信停止しておき、そのマクロセル10Aの送信停止のサブフレームに対応するスモールセル20Aの同期信号120を含むサブフレーム(図示の例ではサブフレーム#0、#5)に含まれる同期信号120に基づいてチャネル推定を行う。そして、このチャネル推定に基づいて、マクロセル10Aの同期信号(PSS,SSS)に対する干渉(スモールセル20Aの回り込み信号22の干渉)を除去するサブフレーム150のチャネル推定を補完して求める。
【0093】
以上のように、マクロセル基地局10が送信していないサブフレームに含まれる同期信号120に基づいて行ったチャネル推定の結果を用いることにより、マクロセル10Aの下りリンク信号の影響を受けにくく、回り込み信号22の干渉を除去する対象のサブフレーム150のチャネル推定精度が向上し、回り込み干渉キャンセラの特性が向上する。
【0094】
また、
図17〜
図21の干渉除去部260のFFT(S262)において、そのフーリエ変換用時間窓(FFT窓)のタイミングがずれると、前後のシンボルとの干渉が発生し、回り込み信号22のチャネル推定精度が劣化するおそれがある。例えば、
図24(a)に示すようにフーリエ変換用時間窓(FFT窓)が後方にずれると、次の(時間軸上の後方の)OFDMシンボルのCPの一部を含めてフーリエ変換を行うため、周波数軸上の有効シンボルの精度が低下し、回り込み信号22のチャネル推定精度が劣化するおそれがある。
【0095】
そこで、
図24(b)に示すように、干渉除去部260のFFT(S262)においてフーリエ変換の計算を行うフーリエ変換用時間窓(FFT窓)の先端部が、OFDMシンボルにおける有効シンボルの前方のCP内(例えばCPの中央)に位置するように、フーリエ変換用時間窓(FFT窓)の開始タイミングを設定してもよい。この場合は、フーリエ変換用時間窓の位置が多少変動しても、フーリエ変換用時間窓と次の(時間軸上の後方の)OFDMシンボルのCPとの干渉が生じないため、回り込み信号22のチャネル推定精度の劣化を抑制できる。
【0096】
〔構成例5〕
図25は、本実施形態に係るリスニング同期処理機能を有するスモールセル基地局20に設けられた干渉除去部260における干渉キャンセル処理の更に他の例を示すブロック図である。本構成例は、干渉除去部260における干渉キャンセル処理が時間軸上で完結する処理である。なお、本構成例のスモールセル基地局20の全体構成は、前述の
図12と同様であり、それらの説明は省略する。
【0097】
図25に示す本構成例の干渉除去部260は、まず、下りリンク信号受信部250で受信した下りリンク信号の時間軸上の受信信号と当該スモールセル基地局20から送信される下りリンク信号との相互相関関数を計算してインパルス応答を求めてチャネル推定を行う(S263)。次に、干渉除去部260は、前記チャネル推定の結果である前記インパルス応答値を、同じスモールセル基地局20内の無線通信部230から送信される既知信号である下りリンク信号に乗算することにより、回り込み信号22の時間軸上のレプリカを生成する(S264)。次に、干渉除去部260は、下りリンク信号受信部250から出力される時間軸上の受信信号から回り込み信号22の時間軸上のレプリカを減算することにより、回り込み信号の干渉を除去した時間軸上の受信信号を生成する(S265)。
【0098】
本構成例の同期処理部270は、干渉除去部260から出力された回り込み信号の干渉を除去した時間軸上の受信信号に、マクロセル基地局10の同期信号の複素共役を乗算して相互相関関数値を求め、その相互相関関数値に基づいてマクロセル基地局10の同期信号120のタイミングを検出する。
【0099】
本構成例のスモールセル基地局20によれば、回り込み信号22の干渉を除去した下りリンク信号の受信信号を用いることにより、回り込み信号22の干渉の影響を受けることなくマクロセル基地局10の同期信号120のタイミングを精度よく検出できるため、マクロセル基地局10との間の時間同期の精度を高めることができる。しかも、スモールセル基地局20からの下りリンク信号の送信は停止する必要がないため、スモールセル基地局20の運用中においてもマクロセル基地局10との間の時間同期を行うことができる。
【0100】
〔構成例6〕
図26は、本実施形態に係る高精度のリスニング同期処理機能を有するスモールセル基地局20における主要部の概略構成の他の構成例を示すブロック図である。また、
図27は、MIMO伝送方式を採用したスモールセル基地局20において2本のアンテナそれぞれから送信される送信機雑音(n
1,n
2)を含む下りリンク信号(d
1,d
2)とその回り込み干渉の伝送路(h
1,h
2)とを示す説明図である。本構成例は、無線通信部230内の送信機雑音を更にキャンセル(除去)してマクロセル基地局10との間の時間同期を更に精度よく行うことができる例である。
【0101】
図27において、スモールセル基地局20の下りリンク信号(データ信号)は、無線通信部230においてアンテナ231(#0,#1)ごとに別々の信号d
1,d
2となり、増幅器を経て、その信号d
1,d
2と送信機雑音n
1,n
2とが合成された信号(d
1+n
1,d
2+n
2)として送信される。この合成された信号(d
1+n
1,d
2+n
2)はそれぞれ、互いに異なる伝送路(h
1,h
2)を通り、回り込み信号22として下りリンク信号受信部(リスニング装置)250のアンテナ251で受信される。このアンテナ251で受信される回り込み信号(d
1+n
1,d
2+n
2)の受信信号rは、次の式(3)で示すように合成された信号になり、下りリンク信号受信部250で受信されて干渉除去部260に入力される。
【数3】
【0102】
本構成例の無線通信部230は、マクロセル10Aの同期信号120が送信されているタイミングで、スモールセル20Aの複数のサブフレームを送信停止するように制御することにより、下りリンク信号(データ信号)d
1,d
2の回り込み干渉を低減する。更に、本構成例の干渉除去部260は、上記所定のタイミングに残留する無線通信部230の送信機雑音n
1,n
2を除去することにより、マクロセル10Aの同期信号120を検出してリスニング同期する。
【0103】
図26に示すように、本構成例のスモールセル基地局20では、同期処理部270の前段に設けられた干渉除去部260が、下りリンクの信号送信停止時にも無線通信部230から送信される送信機雑音相当の残留送信信号n
1,n
2の回り込み干渉キャンセラ機能を有する。干渉除去部260は、スモールセル20Aのサブフレーム(#0〜#9)のうちマクロセル10Aの同期信号(PSS,SSS)に対する干渉となるサブフレームのみにおいて、信号処理により、上記所定のタイミングに無線通信部230から受信装置280が残留送信信号を有線接続で直接に受信し、複素ベースバンド信号に変換して取得し、取得した複素ベースバンド信号の残留送信信号n
1,n
2を受信信号rから除去してキャンセルする処理を行う。
【0104】
本構成例の同期処理部270は、データ信号及び送信機雑音の回り込み信号の干渉を除去して干渉除去部260から出力された受信信号に基づいて、マクロセル基地局10の同期信号120(PSS121,SSS122)のタイミングを検出してマクロセル基地局10との間の時間同期処理を行う。
【0105】
本構成例のスモールセル基地局20によれば、回り込み信号22の干渉を除去した下りリンク信号の受信信号を用いることにより、回り込み信号22の干渉の影響を受けることなくマクロセル基地局10の同期信号120のタイミングを精度よく検出できるため、マクロセル基地局10との間の時間同期の精度を高めることができる。特に、本構成例のスモールセル基地局20によれば、上記所定のサブフレームでデータ信号の送信を停止することによりデータ信号の回り込み干渉を低減するとともに、そのサブフレームのタイミングにおける送信機雑音の回り込み干渉を低減できるため、回り込み信号22を除去してキャンセルする回り込み干渉キャンセラの精度が更に向上し、更に高精度のリスニング同期処理を行うことができる。
【0106】
以上、本実施形態によれば、スモールセル基地局20の運用中においてもマクロセル10Aの下りリンク信号である同期信号を利用してスモールセル基地局20とマクロセル基地局10との間の時間同期を行うことができる。
【0107】
また、本実施形態では、LTE/LTE−Advancedへの適用を前提に説明したが、LTE/LTE−Advancedと類似のOFDM(直交周波数分割多重)方式の下りリンクの無線通信、無線通信フレーム、OFDMシンボルなどを用いるシステムであれば、本発明の概念はどのようなシステムにも適用可能であり、さらに本実施形態に示した送信機および受信機の構成に限定されない。
【0108】
また、本明細書で説明された処理工程並びに移動通信システム、マクロセル基地局10、スモールセル基地局20及びユーザ端末装置(移動局)30の構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
【0109】
ハードウェア実装については、実体(例えば、各種無線通信装置、Node B、端末、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
【0110】
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、上記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
【0111】
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
【課題】自局の運用中においても自局の送信を一切停止することなく、自セルが配置された他の基地局のセルの下りリンク信号を利用して他の基地局との間の時間同期を行うことができる基地局、通信システム及び基地局間の時間同期方法を提供する。
【解決手段】基地局20は、他の基地局10から送信された同期信号を含む下りリンク信号11と自局20から送信された下りリンクの回り込み信号22とを含む下りリンク信号255を受信し、基地局10の同期信号を含む下りリンク信号のサブフレームのうち、自局20からの下りリンクの回り込み信号が基地局10の同期信号への干渉となる所定のサブフレームについて、下りリンク信号の受信信号から回り込み信号の干渉を除去し、回り込み信号の干渉を除去した下りリンク信号の受信信号に基づいて基地局10の同期信号のタイミングを検出して基地局10との間の時間同期処理を行う。