(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6093897
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】フレキシブル回路基板及びそれを用いた自己容量型タッチパネル
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20170227BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
G06F3/041 662
G06F3/041 522
G06F3/044 120
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-96678(P2016-96678)
(22)【出願日】2016年5月13日
(65)【公開番号】特開2016-219009(P2016-219009A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2016年5月13日
(31)【優先権主張番号】201510258886.4
(32)【優先日】2015年5月15日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512268859
【氏名又は名称】ティーピーケイ タッチ システムズ (シャーメン) インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】フー ヨンビン
(72)【発明者】
【氏名】リー ズイシン
【審査官】
池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2008/117770(WO,A1)
【文献】
特開2013−33549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
H05K 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相反する接合面及び非接合面を有する本体と、
該接合面に設置される複数の接合パッドと、
該非接合面に設置される少なくとも1つの補助パッドと、を備え、
該複数の接合パッドと該補助パッドがそれぞれ処理ユニットの異なる走査チャネルに電気的に接続されることを特徴とするフレキシブル回路基板。
【請求項2】
該複数の接合パッドは前記処理ユニットにより順に走査され、該補助パッドは該処理ユニットにより連続的に走査されることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル回路基板。
【請求項3】
該補助パッドの材料は導電性材料であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル回路基板。
【請求項4】
該補助パッドの材料は銅であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル回路基板。
【請求項5】
該補助パッドの設置位置と該複数の接合パッドの設置位置とは該本体を挟んで対応することを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル回路基板。
【請求項6】
該少なくとも1つの補助パッドは複数であり、該複数の補助パッドは相互に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル回路基板。
【請求項7】
該補助パッドは該本体を挟んで各該複数の接合パッドと重なることを特徴とする請求項6に記載のフレキシブル回路基板。
【請求項8】
該本体は絶縁基板、内部配線層及び被覆膜を備え、該複数の接合パッド及び/又は該補助パッドと該内部配線層が同一材料で該絶縁基板に同時に形成され、該被覆膜は該内部配線層を少なくとも被覆することを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル回路基板。
【請求項9】
該本体に設置される処理ユニットをさらに備え、該複数の接合パッドと該補助パッドがそれぞれ該本体に設置される処理ユニットの異なる走査チャネルに電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル回路基板。
【請求項10】
該複数の接合パッドは該本体に設置される処理ユニットにより順に走査され、該補助パッドは該本体に設置される処理ユニットにより連続的に走査されることを特徴とする請求項9に記載のフレキシブル回路基板。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載のフレキシブル回路基板を備え、
透明導電パターン層と、
該透明導電パターン層及び対応する該接合パッドにそれぞれ電気的に接続される複数のリードと、をさらに備えることを特徴とする自己容量型タッチパネル。
【請求項12】
リードと透明導電パターン層は同一材質である請求項11に記載の自己容量型タッチパネル。
【請求項13】
一方の表面にタッチ領域及び周辺領域が定義される透明基板をさらに備え、該透明導電パターン層が該タッチ領域内に設置され、且つ該複数のリードが該周辺領域内に設置されることを特徴とする請求項11に記載の自己容量型タッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチパネル及びその部材に関し、特にフレキシブル回路基板及びそれを用いた自己容量型タッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチ技術は様々な電子装置に幅広く適用されている。タッチパネルの特定位置をタッチすることにより、この特定位置で検知信号を生成し、さらにタッチパネルに電気的に接続されるフレキシブル回路基板の伝送作用により、この検知信号を処理ユニットに伝送し、処理ユニットが処理分析を行い、更にデータ又は命令をこの電子装置に入力するという目的を達成する。
【0003】
投影容量型タッチパネルは、従来のタッチ技術の主流であり、その測定原理に応じて、相互容量型タッチパネル及び自己容量型タッチパネルに分けられる。自己容量型タッチパネルは、構成が簡単で、消費電力が低いため、ある分野に良好に適用される。自己容量型タッチパネルは、導電パターン自体の容量変化を検出し、すなわちX軸とY軸検知電極自体の容量(すなわち、電極及びグラウンドから構成される容量、静電容量とも称される)変化を検出する。指がスクリーンに接近する又はタッチすると、指の容量がスクリーン容量に重なって総容量が増加し、走査時、制御回路がX軸とY軸検知電極を順に走査し、且つ走査前後の容量変化に基づきタッチポイントの座標位置を決定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、自己容量型タッチパネルは、指などのタッチ導体の容量が非タッチ操作領域のリードに重なって信号を誤読してしまうことを回避するために、FPC(Flexible Printed Circuit)をタッチパネルの導電パターンの末端に直接接合して電気的接続を実現する必要がある。この方式はリードが不要で又はリードが非常に短いので、タッチ導体の容量による影響を無視でき、タッチ信号を正確に判断できるが、FPCとタッチパネルとの接合領域全体の幅が大きく、後続の工程、例えば物理キー、商標パターンの設置に悪影響を与えるという欠陥がある。
【0005】
従って、上記問題(タッチ信号の誤読を招くことなく、接合領域の幅を減少させる)を解決できるフレキシブル回路基板及びそれを用いた静電容量型タッチパネルをいかにして提供するかが、現在業界が研究開発資源を投入して研究しようとする課題の1つとなっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明はフレキシブル回路基板を提供し、相反する接合面及び非接合面を有する本体と、接合面に設置される複数の接合パッドと、非接合面に設置される少なくとも1つの補助パッドと、を備え、接合パッドと補助パッドがそれぞれ処理ユニットの異なる走査チャネルに電気的に接続される。
【0007】
本発明の一実施形態において、前記接合パッドは処理ユニットにより順に走査され、補助パッドは処理ユニットにより連続的に走査される。
【0008】
本発明の一実施形態において、前記補助パッドの材料は導電性材料である。
【0009】
本発明の一実施形態において、前記補助パッドの材料は銅である。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記補助パッドの設置位置と接合パッドの設置位置が本体を挟んで対応する。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記少なくとも1つの補助パッドは複数であり、相互に電気的に接続される。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記補助パッドは本体を挟んで各接合パッドと重なる。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記本体は絶縁基板、内部配線層及び被覆膜を備え、接合パッド及び/又は補助パッドと内部配線層が同一材料で絶縁基板に同時に形成され、被覆膜が少なくとも内部配線層を被覆する。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記フレキシブル回路基板は、本体に設置される処理ユニットをさらに備え、接合パッドと補助パッドがそれぞれ処理ユニットの異なる走査チャネルに電気的に接続される。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記接合パッドは処理ユニットにより順に走査され、補助パッドは処理ユニットにより連続的に走査される。
【0016】
本発明は自己容量型タッチパネルをさらに提供し、自己容量型タッチパネルは前記いずれかのフレキシブル回路基板を備え、透明導電パターン層と、透明導電パターン層及び対応する接合パッドにそれぞれ電気的に接続される複数のリードと、をさらに備える。
【0017】
本発明の一実施形態において、前記リードと透明導電パターン層は同一材質である。
【0018】
本発明の一実施形態において、前記自己容量型タッチパネルは、一方の表面にタッチ領域及び周辺領域が定義される透明基板をさらに備え、透明導電パターン層がタッチ領域内に設置され、且つリードが周辺領域内に設置される。
【0019】
要するに、本発明に係る静電容量型タッチパネルの透明導電パターン層がリードを介して接合領域に電気的に集中し、フレキシブル回路基板の接合面における接合パッドに接合され、従ってフレキシブル回路基板の接合領域全体の幅を減少させることができる。また、本発明に係る静電容量型タッチパネルはさらにフレキシブル回路基板の非接合面に少なくとも1つの補助パッドが基準信号受信点として設置され、その設置位置が接合面における接合パッドの設置位置に対応し、且つ処理ユニットの基準信号チャネルにガイドする。前記構造配置によって、ユーザーの指が周辺領域に接近すると、リード及びそれと隣接する補助パッドに同時に影響を与える(すなわち、同一又は類似する検知信号が発生する)。換言すれば、指が周辺領域に接近すると、基準信号受信点は類似するオーバーラップ容量を受信でき、基準信号チャネルを介して処理ユニットに基準値として送信する。従って、フレキシブル回路基板の接合面における接合パッドがタッチ領域及び周辺領域からの容量信号を受信して処理ユニットに伝送した後、処理ユニットは補助パッドが検知する対応する基準値を自動的に控除すれば(演算ソフトウェアの補助を利用してもよい)、タッチ効果を最適化でき、それによりタッチ領域からのタッチ信号を正確に判断し、信号誤読の問題を効果的に回避する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る静電容量型タッチパネルの分解図である。
【
図2】
図1のフレキシブル回路基板の線分4−4’に沿う断面図である。
【
図3】
図2のフレキシブル回路基板の非接合面の正面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るフレキシブル回路基板の
図3の線分5−5’に対応する断面図である。
【
図5】本発明の別の実施形態に係るフレキシブル回路基板の
図3の線分5−5’に対応する断面図である。
【
図6】本発明の別の実施形態に係るフレキシブル回路基板の
図1に対応する線分4−4’に沿う断面図である。
【
図7】
図6のフレキシブル回路基板の非接合面の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明の複数の実施形態を説明する。明確に説明するために、以下、多くの実際の細部を一括して説明する。しかし、それらの実際の細部は本発明を限定するものではないと理解すべきである。つまり、本発明の一部の実施形態において、それらの実際の細部は必要なものではない。また、図面を簡略化するために、公知の構造と構成要素は図面で簡単且つ模式的に示される。
【0022】
図1を参照されたい。
図1は発明の一実施形態に係る静電容量型タッチパネルの分解図である。
図1に示すように、本実施形態において、静電容量型タッチパネル12は透明基板120、透明導電パターン層122、フレキシブル回路基板13及び複数のリード126を備える。透明基板120の表面にタッチ領域120a及びタッチ領域120aの少なくとも一側に位置する周辺領域120bが定義され、後続のプロセスに応じて、周辺領域120b内の適切な位置に接合領域120cを定義してもよく、それによってフレキシブル回路基板に電気的に接続される。透明導電パターン層122がタッチ領域120a内に設置され、リード126が周辺領域120b内に設置され、それによって透明導電パターン層122の各電極を透明基板120の接合領域120cに電気的に集中する。透明導電パターン層122はスパッタリング、エッチング等のプロセスにより透明基板120の表面に直接形成できるが、本発明はそれに限定されない。
【0023】
なお、上記タッチ領域、周辺領域は透明導電パターン層122とリード126との相対関係をより明確に画定するためのものであり、透明基板120の実際の表面に必ずしもタッチ領域と周辺領域を区画する特定のマークを有するものではない。
【0024】
一実施形態において、リード126と透明導電パターン層122は同一材質で同時に製造されるので、従来の可視領域パターンとほかの金属導電配線形式との組み合わせに比べて、本実施形態は少なくとも1つの工程を省略してコストダウンの目的を達成することができる。しかし、実際の応用において、リード126と透明導電パターン層122は異なる材質であってもよい。
【0025】
一実施形態において、透明導電パターン層122とリード126の材質はインジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide、ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide、IZO)及び酸化亜鉛アルミニウム(Aluminum Zinc Oxide、 AZO)を含むが、本発明はそれらに限定されない。
【0026】
一実施形態において、透明基板120の材質はガラス又はプラスチックである。プラスチックは、例えばポリカーボネート(PC)、ポリエステル(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)又は環状オレフィン共重合体(COC)などから成る透明薄板である。しかし、本発明はそれらに限定されない。
【0027】
本発明はリード126により透明導電パターン層122を電気的に接続して透明基板120の接合領域120cに集中した後、フレキシブル回路基板に接合することにより、接合領域120c全体の幅を減少させ、接合領域120cの位置設定に有利であるが、従来のフレキシブル回路基板を接合する場合、ユーザーの指がリード126集中領域に接近する(接合領域120cに接近する)と、指の容量がリード126に結合されることにより、タッチずれの現象が発生してしまい(すなわち、ユーザーが実際にタッチする位置と導電パターン層122が検知するタッチ位置との誤差が生じる)、従って誤操作の問題が発生しやすい。この問題を解決するために、本発明は特にフレキシブル回路基板を改良し、以下、詳細に説明する。
【0028】
図2〜
図3に示すように、
図2は
図1のフレキシブル回路基板の線分4−4’に沿う断面図であり、
図3は
図2のフレキシブル回路基板の非接合面の正面図である。フレキシブル回路基板13は本体131、複数の接合パッド132、及び複数の補助パッド133を備える。本体131は相反する接合面13a及び非接合面13bを有し、接合面13aが透明基板120に接合され、接合パッド132が接合面13aに設置され、透明基板120におけるリード126の一端に電気的に接続される。補助パッド133が非接合面13bに設置され、好ましくは非接合面13bのリード126集中領域(通常、接合領域120cの付近)近くに設置され、すなわち補助パッド133の設置位置と接合パッド132の設置位置が本体を挟んで対応する。各リード126は一端が透明導電パターン層122に電気的に接続され、他端がACF接着剤圧着方式により対応する接合パッド132に電気的に接続される。リード126を介して透明導電パターン層122とフレキシブル回路基板13の接合面13aにおける接合パッド132とを電気的に接続することにより、フレキシブル回路基板13の接合領域120c全体の幅を減少させるだけでなく、物理キー及び商標パターンの位置要求に応じて接合領域120cの位置を合理的に設定することに寄与する。
【0029】
本発明の一実施形態において、フレキシブル回路基板13は処理ユニット14をさらに備えてもよく、この処理ユニット14は集積回路(Integrated Circuit、IC)チップであるが、本発明はそれに限定されない。本実施形態において、処理ユニット14が例えばフレキシブル回路基板13の接合面13aに位置すると、接合パッド132と補助パッド133がそれぞれフレキシブル回路基板13の内部の異なるチャネルにより処理ユニット14の異なる走査チャネルに電気的に接続される。例えば、接合パッド132がフレキシブル回路基板13の内部配線により処理ユニット14の検知チャネルに電気的に接続され、走査時、処理ユニット14は検知チャネルにより透明導電パターン層122のX軸及びY軸検知電極を順に走査し、且つ走査前後の容量変化に基づきタッチポイントの座標位置を決定する。補助パッド133がフレキシブル回路基板13の内部配線により処理ユニット14の検知チャネル以外のチャネル、例えば基準チャネルに電気的に接続され、処理ユニット14が透明導電パターン層122を順に走査するとともに、補助パッドの容量変化の有無を連続的に走査して検出する。しかし、本発明のほかの実施形態において、処理ユニット14はフレキシブル回路基板に位置せず、フレキシブル回路基板に対して独立に設置されてもよく、本発明はそれらに限定されない。
【0030】
さらに、本実施形態において、補助パッド133が導線134により相互に電気的に接続される。好ましくは、非接合面13bのリード126集中領域(通常、接合領域120cの付近)近くに設置され、すなわち、補助パッド133の設置位置と接合パッド132の設置位置が本体を挟んで対応する。本体124の非接合面13bのリード126集中領域に近い一側に設置され、通常、接合パッド132の設置位置と本体131を挟んで対応し、好ましくは、各補助パッド133は本体131を挟んで対応する接合パッド132と重なり、さらに指の容量による接合パッド132への影響を遮断することができる。この構造配置により、フレキシブル回路基板13が上記タッチパネル12に接合された後、ユーザーの指がタッチパネル12のタッチ領域120aにタッチし且つ周辺領域120bに接近すると、リード126及びその付近の補助パッド133に同時に影響を与える(すなわち、同一又は類似する検知信号が発生する)。換言すれば、指がタッチ領域120aにタッチし且つ周辺領域120bに接近すると、補助パッド133を代表とする基準信号受信点は指がリード126に重なった容量と類似する容量値を受信し、且つ基準信号チャネルによって処理ユニット14に基準値として送信する。従って、フレキシブル回路基板13の接合面13aにおける接合パッド132がタッチ領域及び周辺領域からの容量信号を受信して処理ユニット14に伝送した後、処理ユニット14は補助パッド133が検知する対応する基準値を自動的に控除すれば(演算ソフトウェアの補助を利用してもよい)、タッチ効果を最適化でき、それによりタッチ領域からのタッチ信号を正確に判断し、誤操作の問題を効果的に回避する。
【0031】
さらにフレキシブル回路基板の構造を説明するために、
図4を参照されたい。
図4は本発明の一実施形態に係るフレキシブル回路基板の
図3の線分5−5’に対応する断面図である。本実施形態において、本体131は絶縁基板131a、内部配線層131b及び被覆膜131cを備える。絶縁基板131は通常、ポリエチレンテレフタラートPolyester(PET)、ポリイミドPolyimide(PI)等の材料であり、フレキシブル回路基板全体のベース及びサポートとして機能する。内部配線層131bは絶縁基板131aの一方の表面に形成され、導電性材料であり、通常、銅箔で製造される複数の細い導線であり、電気的に伝送することに用いられる。好ましい実施例において、接合パッド132(又は補助パッド133)と内部配線層131bは同一材料で同時に製造され、絶縁基板131aに同一層に設置される。被覆膜131cは、通常、PET、PI等の材料を含み、少なくとも内部配線層131bを被覆し、内部配線層131bを保護し接合パッド132(又は補助パッド133)を露出させることに用いられる。絶縁基板131aの他方の表面に、接合パッド132(又は補助パッド133)の設置位置と本体131aを挟んで対応する位置に補助パッド133(又は接合パッド132)が設置され、補助パッド133(又は接合パッド132)は導電性材料であり、好ましくは銅箔で製造され、絶縁基板131aにおける貫通孔により内部配線層131bに電気的に接続される。
【0032】
図5は本発明の別の実施形態に係るフレキシブル回路基板の
図3の線分5−5’に対応する断面図である。本発明の別の実施形態において、絶縁基板131aの2つの表面に内部配線層131bがそれぞれ設置され、且つ被覆膜131cが対応して設置される。2つの内部配線層131bは絶縁基板131aに貫通孔を設置することにより電気的に導通され、回路の配線が複雑で、単層基板に配線が不能で又は銅箔で接地して遮蔽する必要がある場合、この2つの内部配線層131bのフレキシブル回路基板を使用しなければならない。この実施形態において、接合パッド132及び/又は補助パッド133はその所在する面の内部配線層131bと同一の材料で絶縁基板131aに同時に製造されることが好ましい。
【0033】
本発明のほかの実施形態において、接合パッド132及び/又は絶縁パッドは内部配線層131bと同一層に設置されず、被覆膜131cに設置されてもよく、被覆膜131cにおける貫通孔により内部配線層131bに電気的に接続される。
【0034】
図6及び
図7を参照されたい。
図6は本発明の別の実施形態に係るフレキシブル回路基板の
図1に対応する線分4−4’に沿う断面図である。
図7は
図6のフレキシブル回路基板の非接合面の正面図である。
【0035】
図1及び
図6、
図7に示すように、本実施形態に係るフレキシブル回路基板33は同様に、本体131、複数の接合パッド132及び処理ユニット14を備えるので、それらの構成要素の構造及びそれらの接続関係は上記の関連内容を参照し、ここでの説明を省略する。なお、本実施形態に係るフレキシブル回路基板33と
図1〜
図3に示す実施形態のフレキシブル回路基板13との相違点について、本実施形態のフレキシブル回路基板33は本体131の非接合面13bに単一の棒状補助パッド333が設置されるのみで、本体124の非接合面13bのリード126集中領域に近い一側、通常、接合パッド132の設置位置と本体131を挟んで対応する一側に設置され、この構造配置により、ユーザーの指がタッチ領域にタッチし且つ周辺領域に接近すると、同様にリード126及びその付近の補助パッド333に対して同一又は類似する検知信号を同時に生成する。従って、フレキシブル回路基板33の接合面13aにおける接合パッド132はタッチ領域及び周辺領域からの容量信号を受信して処理ユニット14に伝送した後、処理ユニット14は補助パッド333が検知する検知信号を自動的に控除することにより、同様にタッチ効果を最適化することができる。好ましくは、補助パッド333は本体131を挟んで各接合パッド132の所在する接合領域に対応することにより、指の容量による接合パッド132への影響をさらに遮断する。
【0036】
上記の本発明の具体的な実施形態の詳細な説明から明らかなように、本発明に係る静電容量型タッチパネルの透明導電パターン層がリードを介して接合領域に電気的に集中し、フレキシブル回路基板の接合面における接合パッドに接合され、これによりフレキシブル回路基板の接合領域全体の幅を減少させることができる。また、本発明に係る静電容量型タッチパネルはさらにフレキシブル回路基板の非接合面に少なくとも1つの補助パッドが基準信号受信点として設置され、且つその設置位置がリード集中領域に近く、且つ処理ユニットの基準信号チャネルにガイドされる。上記構造配置により、ユーザーの指が周辺領域に接近すると、リード及びその付近の補助パッドに影響を同時に与える。換言すれば、指が周辺領域に接近すると、基準信号受信点はリードと類似するオーバーラップ容量を受信し、基準信号チャネルによって処理ユニットに基準値として送信する。従って、フレキシブル回路基板の接合面における接合パッドがタッチ領域及び周辺領域からの容量信号を受信して処理ユニットに伝送した後、処理ユニットは補助パッドが検知する対応する基準値を自動的に控除すれば、タッチ効果を最適化でき、それによりタッチ領域からのタッチ信号を正確に判断し、誤操作の問題を効果的に回避する。
【0037】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明を限定するものではなく、当業者は、本発明の精神や範囲を逸脱せずに様々な変更や修飾を行うことができ、従って本発明の保護範囲は添付される特許請求の範囲を基準とするべきである。