(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る電動車両の充電給電用装置の実施形態について、
図1〜
図12を参照して説明を行う。
【0015】
[実施例1]
図1は、本実施例の電動車両の充電給電用装置を説明する概略図であり、
図2は、
図1に示した電動車両の充電給電用装置において、主に、車両側の内部構成を説明するブロック図であり、
図3は、
図1、
図2に示した電動車両の充電給電用装置において、主に、車両側と充電ケーブル側の電気的構成を説明する回路図である。
【0016】
なお、本実施例において、電動車両としては、動力源となる電動モータのみを備える電気自動車よりは、電動モータと共にエンジン(内燃機関)を備え、自己発電が可能なプラグインハイブリッド車の方が好適である。
【0017】
電動車両の車両10は、その電動モータ(図示省略)の駆動のために高電圧の駆動用バッテリ11を有しており、駆動用バッテリ11へ電力を供給するための充電口として、急速充電口(図示省略)と共に、普通充電口12とを有している。
【0018】
本実施例において、普通充電口12を介して、駆動用バッテリ11への充電を行う際には、普通充電ケーブル20のコネクタ21を車両側10の普通充電口12に接続し、そのプラグ22を家庭用電源(例えば、AC100V)のコンセント口に挿入する。そして、普通充電ケーブル20を含む本実施例の電動車両の充電給電用装置を用い、後述する制御に基づいて、駆動用バッテリ11への充電を行って、電力を蓄電している。なお、本発明で言う充電口、充電ケーブルとは、各々、普通充電口12、普通充電ケーブル20を指すものとする。又、本発明で言う電力供給装置とは、家庭用電源を指すものとする。
【0019】
普通充電ケーブル20においては、そのケーブル本体23の一端に前述したプラグ22が設けられ、他端に前述したコネクタ21が設けられている。又、そのケーブル本体23の途中にコントロールボックス24が更に設けられており、このコントロールボックス24に車外への電力供給を可能とする外部給電コンセント25が設けられている。なお、コネクタ21は、防水構造としている。
【0020】
本実施例において、普通充電口12を介して、車両10とは異なる車外の電気機器30(外部機器)に電力を供給する場合には、普通充電ケーブル20のコネクタ21を普通充電口12に接続し、電気機器30を外部給電コンセント25に接続する。そして、普通充電ケーブル20を含む本実施例の電動車両の充電給電用装置を用い、後述する制御に基づいて、車外の電気機器30への電力供給を可能としている。
【0021】
本実施例の電動車両の充電給電用装置の車両側の構成は、
図2に示すように、前述した駆動用バッテリ11、普通充電口12に加えて、家庭用電源から供給されたAC電力をDC電力に変換して出力する(例えば、AC100VをDC電圧に変換して出力する)車載充電器13と、駆動用バッテリ11からのDC電力をAC電力に変換して出力する(例えば、DC電圧をAC100Vに変換して出力する)車載ACインバータ14と、車両10の車内に設けられ、車載ACインバータ14からの出力を供給する車内用コンセント15と、車載ACインバータ14からの出力をオン又はオフする外部給電用リレー16(第2のリレー)と、車載ACインバータ14、外部給電用リレー16や後述する外部充電用リレー27(第1のリレー)等を制御する車両コントローラ17(制御手段)とを有している。
【0022】
普通充電口12は、車両10の車外に露出して設けられたものであり、並列に分岐して接続された車載充電器13と車載ACインバータ14とを介して、駆動用バッテリ11と接続されている。普通充電口12と車載ACインバータ14との間に外部給電用リレー16が設けられており、外部給電用リレー16と車載ACインバータ14との間に車内用コンセント15が設けられている。そして、外部給電用リレー16をオン又はオフすることにより、車載ACインバータ14と普通充電口12との間の接続をオン又はオフしており、外部給電用リレー16がオンのとき、車載ACインバータ14からの出力を普通充電口12(外部給電コンセント25)から供給可能としている。
【0023】
更に、
図3を参照して、本実施例の電動車両の充電給電用装置における車両側とケーブル側の電気的構成を説明する。
【0024】
本実施例の電動車両の充電給電用装置において、普通充電ケーブル20のコネクタ21を普通充電口12に接続すると、電源線L、N及び接地線PEと共にパイロット信号線W1が車両10側と接続される。このとき、コネクタ21の普通充電口12への接続を示す充電ケーブル接続信号(以降、接続信号)Sg3が生成されて、車両コントローラ17へ入力される。又、このとき、コントロールボックス24の内部で生成された信号が、パイロット信号線W1を介して、車両10側へ供給され、普通充電ケーブル20のプラグ22の家庭用電源のコンセント口への挿入(より正確には、家庭用電源からの電力供給)の有無を示すパイロット信号Sg4bが生成されて、車両コントローラ17へ入力される。
【0025】
まず、接続信号Sg3を生成する回路構成について説明する。なお、
図3は、普通充電口12に普通充電ケーブル20が接続された状態を示している。車両10側では、接続信号Sg3の信号線W2と基準電圧電源(図示省略;代わりに、基準電圧+VDCと図示)との間を抵抗R4が接続しており、信号線W2と接地線PEとの間を抵抗R5が接続している。又、コネクタ21側では、抵抗R6の一端が信号線W2と接続するように配置されており、抵抗R6の他端を分岐して、分岐した一方はスイッチS3を介して接地線PEに接続し、分岐した他方は抵抗R7を介して接地線PEに接続している。
【0026】
上述した回路構成において、車両コントローラ17は、接続信号Sg3の電圧を検知することにより、コネクタ21の接続検知を行っている。例えば、コネクタ21が接続されていないときは、基準電圧+VDCに対する抵抗R4、R5による分圧(接続信号Sg3の電圧)を検知することにより、接続信号Sg3がオフであることを検知し、コネクタ21が接続されていないことを検知する。
【0027】
一方、コネクタ21が接続されているときは、基準電圧+VDCに対する抵抗R4、R5、R6による分圧(接続信号Sg3の電圧)を検知することにより、接続信号Sg3がオンであることを検知し、コネクタ21が接続されていることを検知している。ここで、スイッチS3は、コネクタ21を接続したときにオンとなるものであり、コネクタ21の解除ボタン(図示省略)を押下することにより、スイッチS3はオフとなる。この場合、基準電圧+VDCに対する抵抗R4、R5、R6、R7による分圧を検知することにより、コネクタ21が接続されている状態で、充電又は給電を停止することになる。
【0028】
次に、パイロット信号Sg4a、Sg4bを生成する回路構成について説明する。車両10側では、パイロット信号Sg4bの信号線W3と接地線PEとの間において、外部充電用リレー制御スイッチ(以降、スイッチ)S2及び抵抗R2と抵抗R3とを並列に接続しており、信号線W1と信号線W3を直列に接続するようにダイオードDが配置されている。又、コネクタ21側では、信号線W1を介して、コントロールボックス24側と接続されており、コントロールボックス24側では、パイロット信号生成器26が、+12VDC及び±12VのPWM(Pulse Width Modulation)を生成しており、パイロット信号生成器26が制御するスイッチS1により、いずれか一方を選択し、スイッチS1に接続された抵抗R1を介して、パイロット信号Sg4aとして信号線W1へ出力される。
【0029】
パイロット信号生成器26は、プラグ22側の電源線L、Nに接続されており、プラグ22が家庭用電源のコンセント口へ挿入されて、家庭用電源から電力供給されたとき作動する。このとき、+12VDC及び±12VのPWMが生成されると共に、抵抗R1の両端の信号電圧、即ち、パイロット信号Sg4aの電圧を検知し、後述の
図7で説明するように、パイロット信号Sg4aの電圧に基づいて、外部充電用リレー27(第1のリレー)のオン又はオフを制御している。この外部充電用リレー27は、コネクタ21とプラグ22との間に設けられて、コネクタ21とプラグ22との間の接続をオン又はオフするものであり、外部給電コンセント25よりプラグ22側に設けられている。
【0030】
このように、車載ACインバータ14からのAC電力を出力する外部給電コンセント25を、普通充電ケーブル20において、外部充電用リレー27よりもコネクタ21(車両10)側に設置している。そして、後述するように、外部給電時には外部充電用リレー27をオフとするので、プラグ22にAC電圧が出現することはなく、プラグ22による感電を防止することができる。
【0031】
なお、パイロット信号生成器26は、電源線L、Nの漏電検出機能も有しており、充電時に漏電が検出された場合には、外部充電用リレー27をオフにすることにより、車両10の駆動用バッテリ11への充電を中止し、車両10の電気的な安全性を保つこともできる。
【0032】
上述した回路構成において、車両コントローラ17は、パイロット信号Sg4bの電圧を検知することにより、プラグ22のコンセント口への挿入検知を行っている。具体的には、コネクタ21が接続され、プラグ22が挿入されてないときは、パイロット信号生成器26が何の信号電圧も生成せず、パイロット信号Sg4aの電圧は0Vとなり、パイロット信号Sg4bの電圧も0Vとなるので、パイロット信号Sg4bの電圧が0Vであることを検知することにより、接続信号Sg4bがオフであることを検知し、プラグ22が挿入されていないことを検知する。
【0033】
一方、コネクタ21が接続され、プラグ22が挿入されているときは、パイロット信号生成器26が+12VDC又は±12VのPWMの信号電圧を生成し、これに応じたパイロット信号Sg4a及びパイロット信号Sg4bを生成するので、パイロット信号Sg4bに何らかの電圧があること(0Vでないこと)を検知することにより、接続信号Sg4bがオンであることを検知し、プラグ22が挿入されていることを検知している。
【0034】
そして、詳細は後述するが、上述した回路構成において、パイロット信号生成器26においては、スイッチS2のオン/オフに伴って変化するパイロット信号Sg4aの電圧を検知することにより、車両コントローラ17に制御されるスイッチS2のオン/オフ検知を行っている。
【0035】
このような回路構成を用い、後述する制御手順を経て、普通充電ケーブル20のコネクタ21の接続の有無、プラグ22の挿入の有無等を判定し、判定に基づいて、外部給電用リレー16、外部充電用リレー27、スイッチS2等を制御して、車両10の駆動用バッテリ11への充電を行ったり(外部充電)、車載ACインバータ14からの出力を車内用コンセント15から給電可能にしたり(内部給電)、車載ACインバータ14からの出力を外部給電コンセント25から給電可能にしたり(外部給電)している。つまり、普通充電口12へ接続する普通充電ケーブル20のみを用いて、外部充電、内部給電だけではなく、外部給電も可能としている。
【0036】
そこで、次に、
図2で示したブロック図、
図3で示した回路図と共に、
図4〜
図6に示すフローチャート、
図7に示すタイムチャートを参照して、本実施例の充電給電の制御手順を説明する。
【0037】
ここで、
図4は、
図1〜
図3に示した電動車両の充電給電用装置で実施する充電給電の制御手順の一例を説明するフローチャートであり、
図5は、
図4に示したフローチャートにおける分岐A以降を説明するフローチャートであり、
図6は、
図4に示したフローチャートにおける分岐B以降を説明するフローチャートである。又、
図7は、充電時において、
図1〜
図3に示した電動車両の充電給電用装置で制御する制御信号や被制御機器の動作を示すタイムチャートである。
【0038】
(ステップS11)
普通充電口12への普通充電ケーブル20のコネクタ21の接続(ケーブル接続)があるかどうかを確認し、接続がある場合は、次のステップS12へ進み、接続がない場合は、分岐A(後述のステップS21)へ進む。ここでは、具体的には、車両コントローラ17において、接続信号Sg3がオンであるかどうかを確認し、オンである場合は、次のステップS12へ進み、オンでない場合は、分岐A(ステップS21)へ進む。普通充電口12にコネクタ21を接続すると、上述したように、スイッチS3がオンとなり、接続信号Sg3がオンとなるので、この接続信号Sg3を確認することにより、普通充電口12にコネクタ21を接続しているかどうかを確認することができる。
【0039】
(ステップS12)
ステップS11で普通充電口12へのコネクタ21の接続を確認した場合、車両10を走行禁止にして(既に走行禁止にしているときには、走行禁止を維持して)、次のステップS13へ進む。例えば、駆動モータのトルクをゼロとすることにより、車両10の走行を禁止すればよい。このように、普通充電口12へのコネクタ21の接続を検知した場合、車両10を走行禁止にすることで、普通充電ケーブル20や電気機器30の引きずり等の事故を防止することができる。
【0040】
(ステップS13)
家庭用電源のコンセント口への普通充電ケーブル20のプラグ22の挿入(プラグ挿入)があるかどうかを確認し、挿入がある場合は、次のステップS14へ進み、挿入がない場合は、分岐B(後述のステップS28)へ進む。ここでは、具体的には、車両コントローラ17において、パイロット信号Sg4bの電圧を確認し、上述したように、パイロット信号Sg4bに何らかの電圧がある(0Vでない)場合は、次のステップS14へ進み、パイロット信号Sg4bが0Vである場合は、分岐B(ステップS28)へ進む。
【0041】
ここで、プラグ挿入の有無及びケーブル接続の有無とパイロット信号Sg4a、Sg4bとの関係について、
図7を参照して説明する。
【0042】
コンセント口へのプラグ22の挿入がない場合には、普通充電口12にコネクタ21を接続しているかどうかに関係なく、パイロット信号生成器26が何の信号電圧も生成しないので、パイロット信号Sg4aの電圧は0Vとなり(
図7中の時間t0〜t1、t10以降参照)、パイロット信号Sg4bの電圧も0Vとなる。
【0043】
家庭用電源のコンセント口へプラグ22が挿入されると、パイロット信号生成器26は+12VDCと共に±12VのPWMを生成するが、当初、パイロット信号生成器26はスイッチS1を+12VDC側に接続しているので、普通充電口12へのコネクタ21の接続がない場合には、パイロット信号Sg4aは+12VDCとなる(
図7中の時間t1〜t2、t9〜t10参照)。一方、普通充電口12へのコネクタ21の接続がある場合には、抵抗R3に対する抵抗R1の分圧により、パイロット信号Sg4aは+9VDCとなり(
図7中の時間t2〜t3参照)、これに応じたパイロット信号Sg4bが生成される。
【0044】
その後、パイロット信号生成器26はセルフチェックを行い、セルフチェックに問題がなければ、パイロット信号生成器26はスイッチS1をPWM側に切り替えるので、普通充電口12へのコネクタ21の接続がない場合には、パイロット信号Sg4aは±12VのPWMとなる(
図7中の時間t8〜t9参照)。一方、普通充電口12へのコネクタ21の接続がある場合には、ダイオードD及び抵抗R3に対する抵抗R1の分圧により、パイロット信号Sg4aは+9V〜−12VのPWMとなり(
図7中の時間t3〜t4参照)、これに応じたパイロット信号Sg4bが生成される。このとき、スイッチS2(
図7中に示す外部充電用リレー制御SW)はオフの状態である。
【0045】
なお、ここでの手順では、ケーブル接続後にプラグ挿入する場合を説明しているが、プラグ挿入後にケーブル接続する場合であっても、車両コントローラ17が確認する接続信号Sg3及びパイロット信号Sg4bは、普通充電口12にコネクタ21を接続して初めて確認できるので、その場合においても、上述したステップS11〜S13の手順を同じく実施すればよい。
【0046】
(ステップS14)
ステップS13でコンセント口へのプラグ22の挿入を確認した場合、車載ACインバータ14を停止して(既に停止しているときには、停止状態を維持して)、次のステップS15へ進む。
【0047】
(ステップS15)
車両コントローラ17から外部給電用リレー16へのリレー駆動信号Sg5をオフとし、外部給電用リレー16をオフとして(既にオフとしているときには、オフを維持して)、次のステップS16へ進む。つまり、車載ACインバータ14から普通充電口12への電気的接続を解除しており、普通充電口12に接続された普通充電ケーブル20を用いた外部給電を停止している。既に外部給電を開始した後であれば、ここでは、プラグ挿入ありとなるまで、外部給電が継続されることになり、プラグ挿入ありとなると、外部給電が停止されることになる。
【0048】
(ステップS16)
駆動用バッテリ11が満充電ではないかどうかを確認し、満充電でない場合はステップS17へ進み、満充電である場合はステップS19へ進む。駆動用バッテリ11が満充電でないかどうかは、例えば、駆動用バッテリ11用のコントローラを介して、車両コントローラ17が駆動用バッテリ11の充電量を確認すればよい。
【0049】
(ステップS17)
ステップS16で駆動用バッテリ11が満充電でない場合、スイッチS2をオンにすることにより、外部充電用リレー27をオンとして(既にオンであれば、オン状態を維持して)、次のステップS18へ進む。
【0050】
ここで、外部充電用リレー27のオンへの駆動について、
図3、
図7を参照して説明する。
【0051】
スイッチS2がオフのときには、ダイオードD及び抵抗R3に対する抵抗R1の分圧により、+9V〜−12VのPWMのパイロット信号Sg4aが生成されるので(
図7中の時間t3〜t4参照)、この信号電圧を検知することにより、パイロット信号生成器26は、スイッチS2がオフであることを検知している。一方、スイッチS2が車両コントローラ17の制御によりオンにされると、ダイオードD及び抵抗R2、R3に対する抵抗R1の分圧により、+6V〜−12VのPWMのパイロット信号Sg4aが生成されるので(
図7中の時間t4〜t6参照)、この信号電圧を検知することにより、パイロット信号生成器26は、スイッチS2がオンであることを検知することになる。
【0052】
そして、パイロット信号生成器26は、スイッチS2がオンであることを検知すると、所定の遅延時間t4〜t5(例えば、3秒未満の遅延時間)の後、外部充電用リレー27へリレー駆動信号Sg6の出力を開始し、スイッチS2がオンである間、外部充電用リレー27へリレー駆動信号Sg6を出力し続け、外部充電用リレー27をオンとして、コネクタ21側とプラグ22側とを電気的に接続することになる。
【0053】
(ステップS18)
家庭用電源から車両10の駆動用バッテリ11への充電が開始され、その後、「START」へ戻る。このとき、外部給電用リレー16をオフとすると共に、外部充電用リレー27をオンとしているので、普通充電ケーブル20及び普通充電口12を介して、車両10の駆動用バッテリ11へ充電可能となっている。
【0054】
このように、ケーブル接続あり、かつ、プラグ挿入ありの場合には、満充電のときを除いて、駆動用バッテリ11へ充電可能としており、このとき、車両10の走行を禁止すると共に、外部給電用リレー16をオフした後、外部充電用リレー27をオンとして、先に給電を禁止しているので、駆動用バッテリ11への充電を安全に実施可能としている。
【0055】
(ステップS19)
ステップS16で駆動用バッテリ11が満充電である場合には、充電を停止して(既に停止しているときには、停止状態を維持して)、ステップS20へ進む。既に充電を開始した後であれば、ここでは、駆動用バッテリ11が満充電となるまで、充電が継続されることになり、駆動用バッテリ11が満充電となると、充電が停止されることになる。
【0056】
(ステップS20)
充電停止後、スイッチS2をオフにすることにより、外部充電用リレー27をオフとして(既にオフであれば、オフを維持して)、「START」へ戻る。
【0057】
ここで、外部充電用リレー27のオフへの駆動について、
図3、
図7を参照して説明する。
【0058】
車両コントローラ17の制御によりスイッチS2をオフにすると、上述したように、+9V〜−12VのPWMのパイロット信号Sg4aが生成されるので(
図7中の時間t6〜t8参照)、この信号電圧を検知することにより、パイロット信号生成器26は、スイッチS2がオフであることを検知することになる。そして、パイロット信号生成器26は、スイッチS2がオフであることを検知すると、所定の遅延時間t6〜t7(例えば、3秒未満の遅延時間)の後、外部充電用リレー27へリレー駆動信号Sg6の出力を停止し、外部充電用リレー27をオフとして、コネクタ21側とプラグ22側との電気的接続を解除することになる。
【0059】
<分岐A>
(ステップS21)
ステップS11で普通充電口12へのコネクタ21の接続がない場合には、充電を停止して(既に停止しているときには、停止状態を維持して)、ステップS22へ進む。既に充電を開始した後であれば、ここでは、ケーブル接続がない状態となるまで、充電が継続されることになり、ケーブル接続がない状態となると、充電が停止されることになる。
【0060】
(ステップS22)
充電停止後、ステップS20で説明したように、スイッチS2をオフにすることにより、外部充電用リレー27をオフとし(既にオフであれば、オフ状態を維持し)、コネクタ21側とプラグ22側との電気的接続を解除して、ステップS23へ進む。
【0061】
(ステップS23)
車両コントローラ17において、AC出力要求信号Sg1がオンであるかどうかを確認し、オンである場合は、ステップS24へ進み、オンでない場合(オフである場合)は、ステップS26へ進む。AC出力要求信号Sg1は、車両10に備えられているAC出力要求スイッチ(図示省略)をドライバが操作することにより、車両コントローラ17へ送信される。
【0062】
(ステップS24)
ステップS23でAC出力要求信号Sg1がオンである場合、車両コントローラ17から外部給電用リレー16へのリレー駆動信号Sg5をオフとし、外部給電用リレー16をオフとして(既にオフとしているときには、オフを維持して)、次のステップS25へ進む。つまり、車載ACインバータ14から普通充電口12への電気的接続を解除しており、普通充電口12に接続された普通充電ケーブル20を用いた外部給電を停止している。
【0063】
(ステップS25)
車両コントローラ17から車載ACインバータ14へACインバータ駆動信号Sg2を送信し、車載ACインバータ14を駆動して、車載ACインバータ14からの出力を行い、「START」へ戻る。このとき、外部充電用リレー27をオフとすると共に、外部給電用リレー16をオフとしているので、車載ACインバータ14からの出力は、車内用コンセント15から給電可能となっている(内部給電)。
【0064】
このように、ケーブル接続なしの場合には、プラグ挿入の有無は関係なく、AC出力要求信号Sg1がオンの場合に、車内用コンセント15から給電可能となっている。なお、内部給電時に駆動用バッテリ11の残量が減ってきた場合には、エンジンを起動して自己発電を行うようにしてもよい。
【0065】
(ステップS26)
ステップS23でAC出力要求信号Sg1がオフである場合、車載ACインバータ14を停止して(既に停止しているときには、停止状態を維持して)、次のステップS27へ進む。
【0066】
(ステップS27)
車両コントローラ17から外部給電用リレー16へのリレー駆動信号Sg5をオフとし、外部給電用リレー16をオフとして(既にオフとしているときには、オフを維持して)、「START」へ戻る。つまり、車載ACインバータ14から普通充電口12への電気的接続を解除しており、普通充電口12に接続された普通充電ケーブル20を用いた外部給電を停止している。
【0067】
前述したステップS24も考慮すると、既に外部給電を開始した後であれば、AC出力要求信号Sg1のオンの場合、ここでは、ケーブル接続がない状態となるまで、外部給電が継続されることになり、ケーブル接続がない状態となると、外部給電が停止されることになる。
【0068】
<分岐B>
(ステップS28)
ステップS13でコンセント口へのプラグ22の挿入がない場合には、充電を停止して(既に停止しているときには、停止状態を維持して)、ステップS29へ進む。既に充電を開始した後であれば、ここでは、プラグ挿入がない状態となるまで、充電が継続されることになり、プラグ挿入がない状態となると、充電が停止されることになる。
【0069】
(ステップS29)
充電停止後、ステップS20で説明したように、スイッチS2をオフにすることにより、外部充電用リレー27をオフとし(既にオフであれば、オフ状態を維持し)、コネクタ21側とプラグ22側との電気的接続を解除して、ステップS30へ進む。
【0070】
(ステップS30)
車両コントローラ17において、AC出力要求信号Sg1がオンであるかどうかを確認し、オンである場合は、ステップS31へ進み、オンでない場合(オフである場合)は、ステップS33へ進む。
【0071】
(ステップS31)
ステップS30でAC出力要求信号Sg1がオンである場合、車両コントローラ17から外部給電用リレー16へのリレー駆動信号Sg5をオンとし、外部給電用リレー16をオンとして(既にオンとしているときには、オン状態を維持して)、次のステップS32へ進む。つまり、車載ACインバータ14から普通充電口12への電気的接続を行っている。
【0072】
(ステップS32)
車両コントローラ17から車載ACインバータ14へACインバータ駆動信号Sg2を送信し、車載ACインバータ14を駆動して、車載ACインバータ14からの出力を行い、「START」へ戻る。このとき、外部充電用リレー27をオフとすると共に、外部給電用リレー16をオンとしているので、車載ACインバータ14からの出力は、車内用コンセント15と共に(内部給電)、普通充電口12、コネクタ21を介して、コントロールボックス24の外部給電コンセント25から給電可能となっている(外部給電)。
【0073】
このように、ケーブル接続あり、かつ、プラグ挿入なしの場合には、AC出力要求信号Sg1がオンの場合に、外部給電コンセント25から給電可能としており、このとき、車両10の走行を禁止すると共に、外部充電用リレー27をオフした後、外部給電用リレー16をオンとして、先に充電を禁止しているので、外部給電コンセント25に接続した車外の電気機器30への給電を安全に実施可能である。なお、給電時に駆動用バッテリ11の残量が減ってきた場合には、エンジンを起動して自己発電を行うようにしてもよい。
【0074】
(ステップS33)
ステップS30でAC出力要求信号Sg1がオフである場合、車載ACインバータ14を停止して(既に停止しているときには、停止状態を維持して)、次のステップS34へ進む。
【0075】
(ステップS34)
車両コントローラ17から外部給電用リレー16へのリレー駆動信号Sg5をオフとし、外部給電用リレー16をオフとして(既にオフとしているときには、オフを維持して)、「START」へ戻る。つまり、車載ACインバータ14から普通充電口12への電気的接続を解除しており、普通充電口12に接続された普通充電ケーブル20を用いた外部給電を停止している。既に外部給電を開始した後であれば、ここでは、AC出力要求信号Sg1がオフになるまで、外部給電が継続されることになり、AC出力要求信号Sg1がオフになると、外部給電が停止されることになる。
【0076】
以上説明してきたように、本実施例では、ケーブル接続があり、かつ、プラグ挿入がない場合には、外部給電を実施するようにしている。一方、ケーブル接続があり、かつ、プラグ挿入がある場合には、外部充電を実施するようにしており、後述する実施例2とは異なり、駆動用バッテリ11の残量は考慮せず、単純に、プラグ挿入の有無に応じて、外部給電又は外部充電を切り替えている。なお、ケーブル接続がなく、かつ、プラグ挿入がない場合には、内部給電を実施するようにしている。
【0077】
[実施例2]
本実施例は、実施例1の
図1〜
図3に示した電動車両の充電給電用装置で実施する充電給電の制御手順の他の一例である。従って、実施例1と重複する
図1〜
図3、
図7の説明は省略するが、
図2で示したブロック図、
図3で示した回路図、
図7に示したタイムチャートを参照すると共に、
図8〜
図12に示すフローチャートを参照して、本実施例の充電給電の制御手順を説明する。
【0078】
ここで、
図8は、
図1〜
図3に示した電動車両の充電給電用装置で実施する充電給電の制御手順の他の一例を説明するフローチャートであり、
図9は、
図8に示したフローチャートにおける分岐C以降を説明するフローチャートであり、
図10は、
図8に示したフローチャートにおける分岐D以降を説明するフローチャートであり、
図11は、
図8に示したフローチャートにおける分岐E以降を説明するフローチャートであり、
図12は、
図8に示したフローチャートにおける分岐F以降を説明するフローチャートである。
【0079】
なお、本実施例において、電動車両としては、プラグインハイブリッド車よりは、自己発電できない電気自動車の方が好適である。
【0080】
(ステップS41)
実施例1のステップS11で説明したように、普通充電口12への普通充電ケーブル20のコネクタ21の接続(ケーブル接続)があるかどうかを確認し、接続がある場合は、次のステップS42へ進み、接続がない場合は、分岐C(後述のステップS55)へ進む。
【0081】
(ステップS42)
ステップS41で普通充電口12へのコネクタ21の接続を確認した場合、実施例1のステップS12で説明したように、車両10を走行禁止にして(既に走行禁止にしているときには、走行禁止を維持して)、次のステップS43へ進む。
【0082】
(ステップS43)
実施例1のステップS13で説明したように、家庭用電源のコンセント口への普通充電ケーブル20のプラグ22の挿入(プラグ挿入)があるかどうかを確認し、挿入がある場合は、次のステップS44へ進み、挿入がない場合は、分岐D(後述のステップS63)へ進む。
【0083】
なお、ここでの手順でも、ケーブル接続後にプラグ挿入する場合を説明しているが、プラグ挿入後にケーブル接続する場合であっても、車両コントローラ17が確認する接続信号Sg3及びパイロット信号Sg4bは、普通充電口12にコネクタ21を接続して初めて確認できるので、その場合においても、上述したステップS41〜S43の手順を同じく実施すればよい。
【0084】
(ステップS44)
ステップS43でコンセント口へのプラグ22の挿入を確認した場合、車両コントローラ17において、AC出力要求信号Sg1がオンであるかどうかを確認し、オンである場合は、ステップS45へ進み、オンでない場合(オフである場合)は、分岐E(後述のステップS71)へ進む。
【0085】
(ステップS45)
ステップS44でAC出力要求信号Sg1がオンである場合、車両コントローラ17において、給電優先モードであるかどうかを確認し、給電優先モードである場合は、ステップS46へ進み、給電優先モードでない場合(充電優先モードである場合)は、分岐F(後述のステップS78)へ進む。初期時には給電優先モードに設定されており、後述するステップS48、S80において、駆動用バッテリ11の残量を確認し、その残量に応じて、給電優先モード又は充電優先モードのいずれか一方が設定される。なお、この給電優先モードとは、外部給電を優先するモードのことである。
【0086】
(ステップS46)
ステップS45で給電優先モードである場合には、充電を停止して(既に停止しているときには、停止状態を維持して)、ステップS47へ進む。既に充電を開始した後であれば、ここでは、給電優先モードに変更されるまで、充電が継続されることになり、給電優先モードに変更されると、充電が停止されることになる。
【0087】
(ステップS47)
充電停止後、実施例1のステップS20で説明したように、スイッチS2をオフにすることにより、外部充電用リレー27をオフとし(既にオフであれば、オフ状態を維持し)、コネクタ21側とプラグ22側との電気的接続を解除して、ステップS48へ進む。
【0088】
(ステップS48)
駆動用バッテリ11の充電量を確認して、駆動用バッテリ11の残量が所定値LO(第1の所定値)以上かどうかを確認し、所定値LO以上である場合はステップS49へ進み、所定値LO以上でない場合(所定値LO未満の場合)はステップS52へ進む。つまり、初期時を含む給電優先モード設定時には、所定値LO以上の場合は、ステップS49へ進み、給電優先モードに設定して、外部給電を継続し、所定値LO未満の場合は、ステップS52へ進み、充電優先モードに設定して、外部給電を停止することになる。
【0089】
(ステップS49)
ステップS48で駆動用バッテリ11の残量が所定値LO以上である場合、車両コントローラ17は、給電優先モードに設定して(既に給電優先モードであれば、給電優先モードを維持して)、次のステップS50へ進む。
【0090】
(ステップS50)
車両コントローラ17から外部給電用リレー16へのリレー駆動信号Sg5をオンとし、外部給電用リレー16をオンとして(既にオンとしているときには、オン状態を維持して)、次のステップS51へ進む。つまり、車載ACインバータ14から普通充電口12への電気的接続を行っている。
【0091】
(ステップS51)
車両コントローラ17から車載ACインバータ14へACインバータ駆動信号Sg2を送信し、車載ACインバータ14を駆動して、車載ACインバータ14からの出力を行い、「START」へ戻る。このとき、外部充電用リレー27をオフとすると共に、外部給電用リレー16をオンとしているので、車載ACインバータ14からの出力は、車内用コンセント15と共に(内部給電)、普通充電口12、コネクタ21を介して、コントロールボックス24の外部給電コンセント25から給電可能となっている(外部給電;給電優先モード)。
【0092】
このように、ケーブル接続あり、かつ、プラグ挿入ありの場合には、AC出力要求信号Sg1がオンであり、かつ、駆動用バッテリ11の残量が所定値LO以上である場合に、外部給電コンセント25から給電可能としており、このとき、車両10の走行を禁止すると共に、外部充電用リレー27をオフした後、外部給電用リレー16をオンとして、先に充電を禁止しているので、外部給電コンセント25に接続した車外の電気機器30への給電を安全に実施可能である。
【0093】
(ステップS52)
ステップS48で駆動用バッテリ11の残量が所定値LO未満である場合、車両コントローラ17は、充電優先モードに設定して(既に充電優先モードであれば、充電優先モードを維持して)、次のステップS53へ進む。
【0094】
(ステップS53)
車載ACインバータ14を停止して(既に停止しているときには、停止状態を維持して)、次のステップS54へ進む。
【0095】
(ステップS54)
車両コントローラ17から外部給電用リレー16へのリレー駆動信号Sg5をオフとし、外部給電用リレー16をオフとして(既にオフとしているときには、オフを維持して)、「START」へ戻る。つまり、車載ACインバータ14から普通充電口12への電気的接続を解除しており、普通充電口12に接続された普通充電ケーブル20を用いた外部給電を停止している。既に外部給電を開始した後であれば、ここでは、駆動用バッテリ11の残量が所定値LO未満になるまで、外部給電が継続されることになり、駆動用バッテリ11の残量が所定値LO未満になると、外部給電が停止されることになる。
【0096】
<分岐C>
(ステップS55)
ステップS41で普通充電口12へのコネクタ21の接続がない場合には、充電を停止して(既に停止しているときには、停止状態を維持して)、ステップS56へ進む。既に充電を開始した後であれば、ここでは、ケーブル接続がない状態となるまで、充電が継続されることになり、ケーブル接続がない状態となると、充電が停止されることになる。
【0097】
(ステップS56)
充電停止後、実施例1のステップS20で説明したように、スイッチS2をオフにすることにより、外部充電用リレー27をオフとし(既にオフであれば、オフ状態を維持し)、コネクタ21側とプラグ22側との電気的接続を解除して、ステップS57へ進む。
【0098】
(ステップS57)
車両コントローラ17において、AC出力要求信号Sg1がオンであるかどうかを確認し、オンである場合は、ステップS58へ進み、オンでない場合(オフである場合)は、ステップS61へ進む。
【0099】
(ステップS58)
ステップS57でAC出力要求信号Sg1がオンである場合、駆動用バッテリ11の充電量を確認して、駆動用バッテリ11の残量が所定値LO以上かどうかを確認し、所定値LO以上である場合はステップS59へ進み、所定値LO以上でない場合(所定値LO未満の場合)はステップS61へ進む。
【0100】
(ステップS59)
ステップS58で駆動用バッテリ11の残量が所定値LO以上である場合、車両コントローラ17から外部給電用リレー16へのリレー駆動信号Sg5をオフとし、外部給電用リレー16をオフとして(既にオフとしているときには、オフを維持して)、次のステップS60へ進む。つまり、車載ACインバータ14から普通充電口12への電気的接続を解除しており、普通充電口12に接続された普通充電ケーブル20を用いた外部給電を停止している。
【0101】
(ステップS60)
車両コントローラ17から車載ACインバータ14へACインバータ駆動信号Sg2を送信し、車載ACインバータ14を駆動して、車載ACインバータ14からの出力を行い、「START」へ戻る。このとき、外部充電用リレー27をオフとすると共に、外部給電用リレー16をオフとしているので、車載ACインバータ14からの出力は、車内用コンセント15から給電可能となっている(内部給電)。
【0102】
このように、ケーブル接続なしの場合には、プラグ挿入の有無は関係なく、AC出力要求信号Sg1がオンであり、かつ、駆動用バッテリ11の残量が所定値LO以上である場合に、車内用コンセント15から給電可能となっている。
【0103】
(ステップS61)
ステップS57でAC出力要求信号Sg1がオフである場合、又は、ステップS58で駆動用バッテリ11の残量が所定値LO未満である場合、車載ACインバータ14を停止して(既に停止しているときには、停止状態を維持して)、次のステップS62へ進む。
【0104】
(ステップS62)
車両コントローラ17から外部給電用リレー16へのリレー駆動信号Sg5をオフとし、外部給電用リレー16をオフとして(既にオフとしているときには、オフを維持して)、「START」へ戻る。つまり、車載ACインバータ14から普通充電口12への電気的接続を解除しており、普通充電口12に接続された普通充電ケーブル20を用いた外部給電を停止している。
【0105】
前述したステップS59も考慮すると、既に外部給電を開始した後であれば、AC出力要求信号Sg1がオン及び駆動用バッテリ11の残量が所定値LO以上である場合、ここでは、ケーブル接続がない状態となるまで、外部給電が継続されることになり、ケーブル接続がない状態となると、外部給電が停止されることになる。
【0106】
<分岐D>
(ステップS63)
ステップS43でコンセント口へのプラグ22の接続がない場合には、充電を停止して(既に停止しているときには、停止状態を維持して)、ステップS64へ進む。既に充電を開始した後であれば、ここでは、プラグ挿入がない状態となるまで、充電が継続されることになり、プラグ挿入がない状態となると、充電が停止されることになる。
【0107】
(ステップS64)
充電停止後、実施例1のステップS20で説明したように、スイッチS2をオフにすることにより、外部充電用リレー27をオフとし(既にオフであれば、オフ状態を維持し)、コネクタ21側とプラグ22側との電気的接続を解除して、ステップS65へ進む。
【0108】
(ステップS65)
車両コントローラ17において、AC出力要求信号Sg1がオンであるかどうかを確認し、オンである場合は、ステップS66へ進み、オンでない場合(オフである場合)は、ステップS69へ進む。
【0109】
(ステップS66)
ステップS65でAC出力要求信号Sg1がオンである場合、駆動用バッテリ11の充電量を確認して、駆動用バッテリ11の残量が所定値LO以上かどうかを確認し、所定値LO以上である場合はステップS67へ進み、所定値LO以上でない場合(所定値LO未満の場合)はステップS69へ進む。
【0110】
(ステップS67)
ステップS66で駆動用バッテリ11の残量が所定値LO以上である場合、車両コントローラ17から外部給電用リレー16へのリレー駆動信号Sg5をオンとし、外部給電用リレー16をオンとして(既にオンとしているときには、オン状態を維持して)、次のステップS68へ進む。つまり、車載ACインバータ14から普通充電口12への電気的接続を行っている。
【0111】
(ステップS68)
車両コントローラ17から車載ACインバータ14へACインバータ駆動信号Sg2を送信し、車載ACインバータ14を駆動して、車載ACインバータ14からの出力を行い、「START」へ戻る。このとき、外部充電用リレー27をオフとすると共に、外部給電用リレー16をオンとしているので、車載ACインバータ14からの出力は、車内用コンセント15と共に(内部給電)、普通充電口12、コネクタ21を介して、コントロールボックス24の外部給電コンセント25から給電可能となっている(外部給電)。
【0112】
このように、ケーブル接続あり、かつ、プラグ挿入なしの場合には、AC出力要求信号Sg1がオンであり、かつ、駆動用バッテリ11の残量が所定値LO以上である場合に、外部給電コンセント25から給電可能としており、このとき、車両10の走行を禁止すると共に、外部充電用リレー27をオフした後、外部給電用リレー16をオンとして、先に充電を禁止しているので、外部給電コンセント25に接続した車外の電気機器30への給電を安全に実施可能である。
【0113】
(ステップS69)
ステップS65でAC出力要求信号Sg1がオフである場合、又は、ステップS66で駆動用バッテリ11の残量が所定値LO未満である場合、車載ACインバータ14を停止して(既に停止しているときには、停止状態を維持して)、次のステップS70へ進む。
【0114】
(ステップS70)
車両コントローラ17から外部給電用リレー16へのリレー駆動信号Sg5をオフとし、外部給電用リレー16をオフとして(既にオフとしているときには、オフを維持して)、「START」へ戻る。つまり、車載ACインバータ14から普通充電口12への電気的接続を解除しており、普通充電口12に接続された普通充電ケーブル20を用いた外部給電を停止している。既に外部給電を開始した後であれば、ここでは、AC出力要求信号Sg1がオフになるか、又は、駆動用バッテリ11の残量が所定値LO未満になるまで、外部給電が継続されることになり、AC出力要求信号Sg1がオフになるか、又は、駆動用バッテリ11の残量が所定値LO未満になると、外部給電が停止されることになる。
【0115】
前述したステップS54も考慮すると、プラグ挿入の有無に関係なく、駆動用バッテリ11の残量が所定値LO未満になると、外部給電用リレー16をオフとして、外部給電を禁止することになる。
【0116】
<分岐E>
(ステップS71)
ステップS44でAC出力要求信号Sg1がオフである場合、車載ACインバータ14を停止して(既に停止しているときには、停止状態を維持して)、次のステップS72へ進む。
【0117】
(ステップS72)
車両コントローラ17から外部給電用リレー16へのリレー駆動信号Sg5をオフとし、外部給電用リレー16をオフとして(既にオフとしているときには、オフを維持して)、次のステップS73へ進む。つまり、車載ACインバータ14から普通充電口12への電気的接続を解除しており、普通充電口12に接続された普通充電ケーブル20を用いた外部給電を停止している。既に外部給電を開始した後であれば、ここでは、AC出力要求信号Sg1がオフになるまで、外部給電が継続されることになり、AC出力要求信号Sg1がオフになると、外部給電が停止されることになる。
【0118】
(ステップS73)
駆動用バッテリ11が満充電ではないかどうかを確認し、満充電でない場合はステップS74へ進み、満充電である場合はステップS76へ進む。
【0119】
(ステップS74)
ステップS73で駆動用バッテリ11が満充電でない場合、実施例1のステップS17で説明したように、スイッチS2をオンにすることにより、外部充電用リレー27をオンとし(既にオンであれば、オン状態を維持し)、コネクタ21側とプラグ22側との電気的接続を行って、次のステップS75へ進む。
【0120】
(ステップS75)
家庭用電源から車両10の駆動用バッテリ11への充電が開始され、その後、「START」へ戻る。このとき、外部給電用リレー16をオフとすると共に、外部充電用リレー27をオンとしているので、普通充電ケーブル20及び普通充電口12を介して、車両10の駆動用バッテリ11へ充電可能となっている。
【0121】
このように、ケーブル接続あり、かつ、プラグ挿入ありの場合には、AC出力要求信号Sg1がオフであり、かつ、満充電でない場合に、駆動用バッテリ11へ充電可能としており、このとき、車両10の走行を禁止すると共に、外部給電用リレー16をオフした後、外部充電用リレー27をオンとして、先に給電を禁止しているので、駆動用バッテリ11への充電を安全に実施可能としている。
【0122】
(ステップS76)
ステップS73で駆動用バッテリ11が満充電である場合には、充電を停止して(既に停止しているときには、停止状態を維持して)、ステップS77へ進む。既に充電を開始した後であれば、ここでは、駆動用バッテリ11が満充電となるまで、充電が継続されることになり、駆動用バッテリ11が満充電となると、充電が停止されることになる。
【0123】
(ステップS77)
充電停止後、実施例1のステップS20で説明したように、スイッチS2をオフにすることにより、外部充電用リレー27をオフとし(既にオフであれば、オフ状態を維持し)、コネクタ21側とプラグ22側との電気的接続を解除して、「START」へ戻る。
【0124】
<分岐F>
(ステップS78)
ステップS45で充電優先モードである場合には、車載ACインバータ14を停止して(既に停止しているときには、停止状態を維持して)、次のステップS79へ進む。
【0125】
(ステップS79)
車両コントローラ17から外部給電用リレー16へのリレー駆動信号Sg5をオフとし、外部給電用リレー16をオフとして(既にオフとしているときには、オフを維持して)、次のステップS80へ進む。つまり、車載ACインバータ14から普通充電口12への電気的接続を解除しており、普通充電口12に接続された普通充電ケーブル20を用いた外部給電を停止している。既に外部給電を開始した後であれば、ここでは、充電優先モードに変更されるまで、外部給電が継続されることになり、充電優先モードに変更されると、外部給電が停止されることになる。
【0126】
(ステップS80)
駆動用バッテリ11の充電量を確認して、駆動用バッテリ11の残量が所定値HI(第2の所定値)以上かどうかを確認し、所定値HI以上である場合はステップS81へ進み、所定値HI以上でない場合(所定値HI未満の場合)はステップS84へ進む。つまり、充電優先モード設定時には、所定値HI以上の場合は、ステップS81へ進み、給電優先モードに設定して、充電を停止し、所定値HI未満の場合は、ステップS84へ進み、充電優先モードに設定して、充電を継続することになる。ここで、所定値HI>所定値LOである。
【0127】
(ステップS81)
ステップS80で駆動用バッテリ11の残量が所定値HI以上である場合、車両コントローラ17は、給電優先モードに設定して(既に給電優先モードであれば、給電優先モードを維持して)、次のステップS82へ進む。
【0128】
(ステップS82)
充電を停止して(既に停止しているときには、停止状態を維持して)、ステップS83へ進む。既に充電を開始した後であれば、ここでは、駆動用バッテリ11の残量が所定値HI以上となるまで、充電が継続されることになり、駆動用バッテリ11の残量が所定値HI以上となると、充電が停止されることになる。
【0129】
(ステップS83)
充電停止後、実施例1のステップS20で説明したように、スイッチS2をオフにすることにより、外部充電用リレー27をオフとし(既にオフであれば、オフ状態を維持し)、コネクタ21側とプラグ22側との電気的接続を解除して、「START」へ戻る。
【0130】
(ステップS84)
ステップS80で駆動用バッテリ11の残量が所定値HI未満である場合、車両コントローラ17は、充電優先モードに設定して(既に充電優先モードであれば、充電優先モードを維持して)、次のステップS85へ進む。
【0131】
(ステップS85)
実施例1のステップS17で説明したように、スイッチS2をオンにすることにより、外部充電用リレー27をオンとし(既にオンであれば、オン状態を維持し)、コネクタ21側とプラグ22側との電気的接続を行って、次のステップS86へ進む。
【0132】
(ステップS86)
家庭用電源から車両10の駆動用バッテリ11への充電が開始され、その後、「START」へ戻る。このとき、外部給電用リレー16をオフとすると共に、外部充電用リレー27をオンとしているので、普通充電ケーブル20及び普通充電口12を介して、車両10の駆動用バッテリ11へ充電可能となっている(充電優先モード)。
【0133】
このように、ケーブル接続あり、かつ、プラグ挿入ありの場合には、AC出力要求信号Sg1がオンであり、かつ、充電優先モードであり、かつ、駆動用バッテリ11の残量が所定値HI未満である場合に、駆動用バッテリ11へ充電可能としており、このとき、車両10の走行を禁止すると共に、外部給電用リレー16をオフした後、外部充電用リレー27をオンとして、先に給電を禁止しているので、駆動用バッテリ11への充電を安全に実施可能としている。
【0134】
以上説明してきたように、本実施例では、ケーブル接続があり、かつ、プラグ挿入がない場合には、駆動用バッテリ11の残量が所定値LO以上の場合に外部給電を実施するようにしている。一方、ケーブル接続があり、かつ、プラグ挿入がある場合には、優先モードに応じて、所定値をLO又はHIに設定しており、いずれの優先モードにおいても、駆動用バッテリ11の残量が所定値(LO又はHI)未満になった場合に外部充電を優先し(充電優先モード)、駆動用バッテリ11の残量が所定値(LO又はHI)以上になった場合に外部給電を優先しており(給電優先モード)、実施例1とは異なり、駆動用バッテリ11の残量に応じて、外部給電又は外部充電を切り替えている。なお、ケーブル接続がなく、かつ、プラグ挿入がない場合には、駆動用バッテリ11の残量が所定値LO以上の場合に内部給電を実施するようにしている。又、プラグ挿入の有無にかかわらず、駆動用バッテリ11の残量が所定値LO未満になった場合には、外部給電も内部給電も禁止している。
【0135】
なお、以上で説明した実施例1、実施例2では、充電ケーブルのプラグが挿入される電力供給装置として家庭用電源を示したが、電力供給可能な電源であればよく、家庭用電源以外の外部電源や、蓄電バッテリを搭載した別の電動車両などであってもよい。
【0136】
又、以上で説明した実施例1、実施例2では、制御手段として車両コントローラ17を示し、制御手段が車両に設けられる構成を示したが、これに限られず、制御手段が電力供給装置側に設けられる構成であってもよい。