(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
大型構造物の建造時には、作業スケジュールは、機材/要員の処理能力に基づいて立案されることが多いが、十分な部材配置場所、作業スペースが確保できず、計画通りに実施できないことがある。
【0007】
つまるところ、部材を配置するための部材配置場所に対してスペースが取れなければ、別の配置場所へ配置するか、あるいは配置する日程を変更して予定していた配置場所へ配置するか、更には、既に配置されている他の部材を移動させる等の対応を取らざるをえない。
【0008】
作業計画を立案するには、特に部材の配置先選定は、重要なファクターであるものの、固定した作業場への部材の配置順序を特定する方法や、作業場の配置順に関して優先順位を予め定めて、当該優先順位に基づいて、配置場所を特定する方法等の場合は、作業可能な場所を限定しつつ、更に、そのなかから優先順位を付けるために、人為的に配置場所を限定するため、最適な作業場を選定するための諸々の条件を考慮することなく、配置場所を決めざるをえないという問題が生じ得る。
【0009】
また、優先順位自体も配置先を検討するための要因としてしまうことで、本来、最適な配置場所を選定し得る場合も、人為的な判断を含めた評価になりかねないため、妥当な配置先を選定できているかどうかの判定に困るという問題も生じ得る。
【0010】
そこで、本発明では、
所定の作業場に配置不可と判定された作業対象となる部材
を空きとなる作業場へ移動し、部材を配置する候補作業場を増やして、変則的な作業場間の移動を考慮した
配置にかかる計画を評価する入出力装置、システム、制御方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための第一の発明は、
工場において異なる位置にそれぞれ設置された複数の作業場に対する部材の配置
にかかる計画を
シミュレーションする入出力装置であって、製品を製造するための各工程
の所定時刻における作業が行われる前記作業場に対する部材の配置
の計画に関する配置情報を記憶する配置情報記憶手段と、
作業場ごとに前記部材を配置可能な作業場であるか否かを判定するための部材作業条件を記憶する部材作業条件記憶手段と、前記配置情報記憶手段に記憶された前記配置情報における各工程
の所定時刻において作業がなされる
各々の作業場に対する
それぞれの部材
に対し、前記部材作業条件記憶手段に記憶された部材作業条件に従って
所定の作業場に配置可能か否かを判定し、前記所定の作業場に配置可能と判定された場合に、当該作業場にかかる新たな配置情報を作成し、前記所定の作業場に配置不可と
判定された場合
であって、
前記部材が現在の作業場で長期滞留する場合に、当該部材を移動させる空きとなる他の作業場にかかる新たな配置情報を作成する配置情報作成手段と、前記配置情報作成手段により
新たに作成された複数の配置情報
に基づき得られる、現在の作業場へ
部材が長期
滞留し
、空きとなる他の作業場へ移動する
前記部材の移動にかかる回数に従って
、前記計画の配置情報の評価を行う評価手段と、を備えたことを特徴とする入出力装置である。
【0012】
上記目的を達成するための第二の発明は、
工場において異なる位置にそれぞれ設置された複数の作業場に対する部材の配置
にかかる計画
をシミュレーションする入出力装置の制御方法であって、前記入出力装置は、製品を製造するための各工程
の所定時刻における作業が行われる前記作業場に対する部材の配置
の計画に関する配置情報を記憶する配置情報記憶手段に記憶された前記配置情報における各工程
の所定時刻において作業がなされる
各々の作業場に対する
それぞれの部材
に対し、作業場ごとに前記部材を配置可能な作業場であるか否かを判定するための部材作業条件を記憶する部材作業条件記憶手段に記憶された部材作業条件に従って
所定の作業場に配置可能か否かを判定し、前記所定の作業場に配置可能と判定された場合に、当該作業場にかかる新たな配置情報を作成し、前記所定の作業場に配置不可と
判定された場合
であって、
前記部材が現在の作業場で長期滞留する場合に、当該部材を移動させる空きとなる他の作業場にかかる新たな配置情報を作成する配置情報作成ステップと、前記配置情報作成ステップにより
新たに作成された複数の配置情報
に基づき得られる、現在の作業場へ
部材が長期
滞留し
、空きとなる他の作業場へ移動する
前記部材の移動にかかる回数に従って
、前記計画の配置情報の評価を行う評価ステップと、を実行することを特徴とする入出力装置の制御方法である。
【0013】
上記目的を達成するための第三の発明は、
工場において異なる位置にそれぞれ設置された複数の作業場に対する部材の配置
にかかる計画
をシミュレーションする入出力装置で読取実行可能なプログラムであって、前記入出力装置を、製品を製造するための各工程
の所定時刻における作業が行われる前記作業場に対する部材の配置
の計画に関する配置情報を記憶する配置情報記憶手段に記憶された前記配置情報における各工程
の所定時刻において作業がなされる
各々の作業場に対する
それぞれの部材
に対し、作業場ごとに前記部材を配置可能な作業場であるか否かを判定するための部材作業条件を記憶する部材作業条件記憶手段に記憶された部材作業条件に従って
所定の作業場に配置可能か否かを判定し、前記所定の作業場に配置可能と判定された場合に、当該作業場にかかる新たな配置情報を作成し、前記所定の作業場に配置不可と
判定された場合
であって、
前記部材が現在の作業場で長期滞留する場合に、当該部材を移動させる空きとなる他の作業場にかかる新たな配置情報を作成する配置情報作成手段と、前記配置情報作成手段により
新たに作成された複数の配置情報
に基づき得られる、現在の作業場へ
部材が長期
滞留し
、空きとなる他の作業場へ移動する
前記部材の移動にかかる回数に従って
、前記計画の配置情報の評価を行う評価手段、として機能させることを特徴とするプログラム。
【0015】
上記目的を達成するための第四の発明は、クライアント端末とネットワークを介して接続されたサーバとからなる
工場において異なる位置にそれぞれ設置された複数の作業場に対する部材の配置
にかかる計画
をシミュレーションする情報処理システムであって、製品を製造するための各工程
の所定時刻における作業が行われる前記作業場に対する部材の配置
の計画に関する配置情報を記憶する配置情報記憶手段と、
作業場ごとに前記部材を配置可能な作業場であるか否かを判定するための部材作業条件を記憶する部材作業条件記憶手段と、前記配置情報記憶手段に記憶された前記配置情報における各工程
の所定時刻において作業がなされる
各々の作業場に対する
それぞれの部材
に対し、前記部材作業条件記憶手段に記憶された部材作業条件に従って
所定の作業場に配置可能か否かを判定し、前記所定の作業場に配置可能と判定された場合に、当該作業場にかかる新たな配置情報を作成し、前記所定の作業場に配置不可と
判定された場合
であって、
前記部材が現在の作業場で長期滞留する場合に、当該部材を移動させる空きとなる他の作業場にかかる新たな配置情報を作成する配置情報作成手段と、前記配置情報作成手段により
新たに作成された複数の配置情報
に基づき得られる、現在の作業場へ
部材が長期
滞留し
、空きとなる他の作業場へ移動する
前記部材の移動にかかる回数に従って
、前記計画の配置情報の評価を行う評価手段と、を備えたことを特徴とする情報処理システムである。
【0016】
上記目的を達成するための第五の発明は、クライアント端末とネットワークを介して接続されたサーバとからなる
工場において異なる位置にそれぞれ設置された複数の作業場に対する部材の配置
にかかる計画を
シミュレーションする情報処理システムの制御方法であって、前記情報処理システムは、製品を製造するための各工程
の所定時刻における作業が行われる前記作業場に対する部材の配置
の計画に関する配置情報を記憶する配置情報記憶手段に記憶された前記配置情報における各工程
の所定時刻において作業がなされる
各々の作業場に対する
それぞれの部材
に対し、作業場ごとに前記部材を配置可能な作業場であるか否かを判定するための部材作業条件を記憶する部材作業条件記憶手段に記憶された部材作業条件に従って
所定の作業場に配置可能か否かを判定し、前記所定の作業場に配置可能と判定された場合に、当該作業場にかかる新たな配置情報を作成し、前記所定の作業場に配置不可と
判定された場合
であって、
前記部材が現在の作業場で長期滞留する場合に、当該部材を移動させる空きとなる他の作業場にかかる新たな配置情報を作成する配置情報作成ステップと、前記配置情報作成ステップにより
新たに作成された複数の配置情報
に基づき得られる、現在の作業場へ
部材が長期
滞留し
、空きとなる他の作業場へ移動する
前記部材の移動にかかる回数に従って
、前記計画の配置情報の評価を行う評価ステップと、を実行することを特徴とする情報処理システムの制御方法である。
【0017】
上記目的を達成するための第六の発明は、クライアント端末とネットワークを介して接続されたサーバとからなる
工場において異なる位置にそれぞれ設置された複数の作業場に対する部材の配置
にかかる計画
をシミュレーションする情報処理システムにおいて読取実行されるプログラムであって、前記情報処理システムを、製品を製造するための各工程
の所定時刻における作業が行われる前記作業場に対する部材の配置
の計画に関する配置情報を記憶する配置情報記憶手段に記憶された前記配置情報における各工程
の所定時刻において作業がなされる
各々の作業場に対する
それぞれの部材
に対し、作業場ごとに前記部材を配置可能な作業場であるか否かを判定するための部材作業条件を記憶する部材作業条件記憶手段に記憶された部材作業条件に従って
所定の作業場に配置可能か否かを判定し、前記所定の作業場に配置可能と判定された場合に、当該作業場にかかる新たな配置情報を作成し、前記所定の作業場に配置不可と
判定された場合
であって、
前記部材が現在の作業場で長期滞留する場合に、当該部材を移動させる空きとなる他の作業場にかかる新たな配置情報を作成する配置情報作成手段と、前記配置情報作成手段により
新たに作成された複数の配置情報
に基づき得られる、現在の作業場へ
部材が長期
滞留し
、空きとなる他の作業場へ移動する
前記部材の移動にかかる回数に従って
、前記計画の配置情報の評価を行う評価手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、
所定の作業場に配置不可と判定された作業対象となる部材
を空きとなる作業場へ移動し、部材を配置する候補作業場を増やして、変則的な作業場間の移動を考慮した
配置にかかる計画
を評価することが可能となる、という効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の作業計画作成システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【0022】
図1は、作業計画作成システム100におけるシステムの概略の構成を示す構成図であり、
作業計画作成システム100は、1または複数のクライアント端末(パーソナルコンピュータや入出力装置など)102、及び1または複数のデータサーバ104がネットワーク106を介して接続される構成となっている。
【0023】
ユーザは、 作業計画作成システム100を用いて、構造物を建造する準備段階として、どの工場のどの作業場所で建造を行い、更に、利用する部材を選定するとともに、作業の効率化を考慮しつつ、作業計画を作成するシミュレーションを実行する。
【0024】
この際、ユーザは、クライアント端末102に対して指示入力を行うことで、ネットワーク106を介して、データサーバ104に記憶管理されたデータを取得して、クライアント端末102において、当該シミュレーションを実行する。
【0025】
尚、本システムは、クライアント端末102、データサーバ104、及びネットワーク106からシステムとして構成されているが、データサーバ104の各機能を、クライアント端末102に備えることで、クライアント端末102のスタンドアローン構成の態様をとることも可能である。
【0026】
図2は、本発明の実施形態におけるデータサーバ104のハードウェア構成を示す図である。
【0027】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0028】
また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、クライアント端末102の実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0029】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0030】
また、入力コントローラ(入力C)205は、入力部209としてのキーボードや不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。
【0031】
ビデオコントローラ(VC)206は、表示部210としてのCRTディスプレイ(CRT)等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTだけでなく、液晶ディスプレイでも構わない。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。本発明には直接関係があるものではない。
【0032】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピーディスク(登録商標 FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0033】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0034】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、表示部210上での表示を可能としている。また、CPU201は、表示部210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0035】
本発明を実現するためのプログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、本発明に係わるプログラムが用いる定義ファイル及び各種情報テーブルは、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明は後述する。
【0036】
尚、クライアント端末102のハードウェアの構成は、データサーバ104のハードウェア構成とほぼ同様であるため、説明は省略し、以降、同一の符号を用いて本願発明の説明を行う。
【0037】
以下、本実施形態における作業計画システムにおける作業計画に関するシミュレーションの処理の流れを
図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0038】
本処理は、クライアント端末102のCPU201が、クライアント端末102の表示部210に表示された配置情報表示画面(
図8参照)の計画開始ボタン302が押下されたことを検知した際、開始される。
【0039】
尚、
図8に示す配置情報表示画面300は、指定時刻の部材の配置と作業進捗に関する情報を表示し、作業計画に関するシミュレーションの処理(
図3)を実行するための画面であり、当該指定時刻を入力するためのテキストボックスとして計画開始時刻304と、表示ボタン306と、負荷情報ボタン308と、作業の終了時刻を入力するためのテキストボックスとして終了時刻310と、配置情報表示部312と、を備えている。
【0040】
ユーザにより、入力部209を介して、表示ボタン306がクリックされると、計画開始時刻304に入力された計画開始時刻を取得し、計画開始時刻を入力として配置情報の構築処理(
図4)を実行し、配置情報オブジェクトを構築する。
【0041】
構築された配置情報オブジェクトより、部材を置く工場の配置位置、部材の形状や大きさ、部材に対しての作業内容を示す各情報を取得し、画面に表示すべく部材の配置位置を計算して当該画面に表示する。
【0042】
このとき、部材の位置情報とあわせて、作業の進捗情報を画面に表示することで、ユーザは、一目で、各作業場における部材に対する作業の進捗を確認することが可能である。
【0043】
また、ユーザにより、入力部209を介して、負荷情報ボタン308がクリックされると、計画開始時刻304に入力された計画開始時刻を取得し、該当計画開始時刻を起点として、作業負荷表示画面(
図11)を表示する。
【0044】
また、ユーザにより、入力部209を介して、計画開始ボタン302がクリックされると、計画開始時刻304に入力された計画開始時刻と、終了時刻310に入力された終了時刻と、現在の配置情報オブジェクトを取得し、これらを入力として作業計画に関するシミュレーションの処理
(図3)を実行する。
【0045】
更に、配置情報表示部312に部材の配置と作業進捗に関する情報が表示されている状態で、ユーザにより、入力部209を介して、部材の形状が示される配置情報オブジェクトに対して、例えば、マウスの左ボタンが押下され、ドラッグ&ドロップ操作が行われると、画面上のマウスカーソル位置を取得し、ドロップ該当位置を計算して、該当位置に該当配置情報オブジェクトを移動する。
【0046】
一方、配置情報表示部312で、ユーザにより、入力部209を介して、部材の形状が示される配置情報オブジェクトに対して、例えば、マウスの右ボタンがクリックされた場合、配置情報オブジェクトに含まれる当該部材の配置と作業進捗に関する情報を取得し、部材作業情報表示画面(
図10)を表示する。
【0047】
部材の形状とは、シミュレーションを行う前の準備段階として、作業対象とする部材の形状が
作業計画作成システム100に登録されており、この登録された情報を用いて表示を行う。
【0048】
部材の形状を登録する方法としては、
図9に示す部材形状登録画面を用いて登録を行う。部材形状登録画面400は、作業対象となる部材の形状に関する情報を登録する画面であり、登録ボタン402と、削除ボタン404と、形状描画部406と、形状情報リスト408とを備えている。
【0049】
ユーザにより、入力部209を介して、形状描画部406に部材の形状を入力した後、登録ボタン402がクリックされると、部材名入力ダイアログ(不図示)が表示される。
【0050】
そして、部材名入力ダイアログにおいて、ユーザにより部材名が入力された後、OKボタンがクリックされると、入力された部材名および形状描画部406に描画されている部材の形状を数値化し、形状情報リスト408および部材形状テーブル(
図13)に部材形状情報を追加する。
【0051】
部材形状テーブルは、製品の種類を一意に識別する製品種類、部材ID、部材の形状、部材の高さから構成されており、部材の形状は、例えば、形状描画部406が矩形にて表示されており、当該矩形の左下を原点として、原点から右方向を正とするX軸、上方向を正とするY軸として定義しておき、X軸及びY軸から構成される座標を用いて、部材の形状を描画しているため、この座標を用いて、部材の形状を示している。
【0052】
形状情報リスト408上で、ユーザにより、入力部209を介して、マウスのボタンがクリックされると、該当カーソル部のレコードが選択状態となり、形状描画部406に選択部材の形状を表示し、また、選択状態において、形状情報リスト408の高さについて入力を行うことも可能である。
【0053】
この選択状態において、ユーザにより、入力部209を介して、削除ボタン404がクリックされると、選択されている部材形状情報を形状情報リスト408および部材形状テーブル(
図13)から削除する。
【0054】
形状描画部406において、ユーザにより、入力部209を介して、マウスの左ボタンがクリックされると、クリック位置を取得し、該当位置に形状多角形の頂点を追加し、一方、形状描画部406上で、ユーザにより、入力部209を介して、マウスの右ボタンがクリックされると、現在描画されている形状の最終頂点を1点削除する。頂点が存在しない場合は、何もしない。
【0055】
また、
図10には、部材作業情報表示画面の構成が示されており、部材作業情報表示画面500は、部材に対する作業情報と作業負荷を表示する画面であり、作業対象となる部材の部材名、製品名、製品種、作業期間、工程表示部と、作業進捗を入力するための作業進捗502と、作業負荷表示部504と、更新ボタン506と、キャンセルボタン508とを備えている。
【0056】
作業負荷表示部504は、該当作業の工程負荷を作業工程テーブル(
図13)より取得し、グラフ化して表示する。
【0057】
作業工程テーブルは、製品の種類を一意に識別する製品種類、部材ID、作業の種別を示す作業種、工程の種別を示す工程種、及び工程における作業負荷を示す工程負荷から構成されており、ある工程において、製品の部材に対して所定の作業を行った場合にかかる負荷に関する情報を記憶管理している。
【0058】
ユーザにより、入力部209を介して、更新ボタン506がクリックされると、作業進捗502に入力された進捗情報を取得し、作業情報テーブルの進捗を更新して、配置情報表示画面300に戻る。
【0059】
ユーザにより、入力部209を介して、キャンセルボタン508がクリックされると、更新は行わず配置情報表示画面300に戻る。
【0060】
図11では、作業負荷表示画面の構成が示されており、作業負荷表示画面600は、作業計画の作成後の計画全体の作業負荷を時系列表示する画面であり、工程選択タブ602と、表示時間選択コンボボックス604と、作業負荷表示部606と、を備えている。
【0061】
ユーザにより、入力部209を介して、工程選択タブ602がクリックされると、クリック位置の該当工程を取得し、作業負荷表示部606を更新する。
【0062】
ユーザにより、入力部209を介して、表示時間選択コンボボックス604の選択項目が切り換えられた場合、選択項目の表示時間を取得し、作業負荷表示部606を更新する。
【0063】
作業負荷表示部606の更新時には、起動時入力の該当時刻から、上記表示時間選択コンボボックス604で選択された時間における所定の時間間隔分の部材の配置に関する情報を取得し、各時刻の配置に関する情報において進捗中の各作業に対し、上記工程選択タブ602で選択された工程の工程負荷を作業工程テーブル(
図13)から取得して、該当工程の作業負荷を積み上げ計算する。この計算結果をグラフ化し、作業負荷表示部606に表示する。
【0064】
ステップS100では、クライアント端末102は、
図8に示す配置情報表示画面300に表示された計画開始時刻304、終了時刻310を取得して、計画開始時刻304によって取得した時刻を計画開始時刻として設定する。
【0065】
ステップS102では、クライアント端末102は、ステップS100において取得した計画時刻における配置情報オブジェクトの構築を行う。配置情報オブジェクトの構築に関する詳細な処理については、
図4に示すフローチャートを用いて説明する。
【0066】
尚、配置情報表示画面300において、配置情報表示部312に表示された部材の配置に関する情報が変更されている場合、変更後の内容を計画時刻における部材の配置に関する情報とする。
【0067】
本ステップでは、構築した配置情報オブジェクトを、計画用配置情報セットに追加しておく。
【0068】
ステップS104では、クライアント端末102は、ステップS102で設定した計画時刻に対して、1を加算する。尚、本発明の実施形態では、1を加算しているが、特にこの値に限定する必要はなく、配置情報を参照する上で、適正な値を設定しておくことが可能である。
【0069】
例えば、計画開始時刻304及び終了時刻310が、日で設定されている場合、1日間隔でシミュレーションを行う場合は、1を設定する態様を取ることも可能であるが、一方、2日間隔でシミュレーションを行う場合は、2を設定することも可能である。
【0070】
また、計画開始時刻304及び終了時刻310が、日時で設定されている場合、1時間間隔でシミュレーションを行う場合は、1を設定する態様を取ることも可能であるが、一方、2時間間隔でシミュレーションを行う場合は、2を設定することも可能である。
【0071】
次に、ステップS102において追加がなされた計画用配置情報セットに含まれる各配置情報オブジェクトに対して、ステップS106からステップS118における処理を実行する。
【0072】
ステップS106では、クライアント端末102は、
計画用配置情報セットに含まれる配置情報オブジェクトにステップS100で設定した計画時刻を設定する。
【0073】
ステップS108では、クライアント端末102は、該当作業の進捗を更新するが、作業進捗の更新に関する詳細な処理については、
図5に示すフローチャートを用いて後述する。
【0074】
ステップS110では、データサーバ104は、ステップS106において用いた計画時刻を開始予定時刻として、当該開始予定時刻を有する作業着手予定情報テーブル(
図13)から製品種類及び部材IDを取得し、取得した製品種類と部材IDを有する部材作業条件テーブルより全ての情報を取得する。
【0075】
本ステップでは、新たな作業情報を取得した後、新たな作業情報に含まれる進捗を未着手情報として、現在の配置情報に追加する。
【0076】
ステップS112では、クライアント端末102は、計画用パラメータを設定する。尚、計画用パラメータとは、乱数のシード、振り分け閾値等を示している。
【0077】
ステップS114では、クライアント端末102は、ステップS106において取得した配置情報オブジェクトをコピーして配置情報コピーオブジェクトとし、ステップS116では、クライアント端末102は、ステップS114においてコピーして得られた配置情報コピーオブジェクトに対して、各部材の移動や配置情報の更新等の作業部材の配置計画に関する処理を実行する。作業部材の配置計画に関する詳細な処理については、
図6を用いて説明する。
【0078】
ステップS118では、クライアント端末102は、ステップ116で部材配置計画が完了した配置情報オブジェクトを計画用配置情報セットに追加する。ただし、ここで追加する配置情報オブジェクトは、現計画時刻でのステップS106からステップS116の対象とはしない。
【0079】
ステップS120では、クライアント端末102は、ステップS106からステップS118の処理を完了した後の計画用配置情報セット、つまりステップS118においてセットした計画用配置情報セットに対してソートする。
【0080】
このとき、ソート基準の計画評価値も併せて計算する。本実施形態においてこの評価値は、作業進捗の遅れ総和、変則的移動の回数の線形和としている。変則的移動については、
図7にて詳述する。
【0081】
ステップS122では、クライアント端末102は、計画用配置情報セットに格納される配置情報の数が、内部パラメータ指定の上限値を超えるか否かを判定し、超える場合、ステップS124へ処理を進め、超えない場合、ステップS126へ処理を進める。
【0082】
ステップS124では、クライアント端末102は、計画用配置情報セットの数を内部パラメータ指定の計画用配置情報セット保持数まで絞り込む。このとき、ステップS120における評価値が上位のものを優先的に残すようにする。
【0083】
ステップS126では、クライアント端末102は、ステップS104で設定した計画時刻が、ステップS100で取得した終了時刻以前であるか否かを判定し、終了時刻でなければ、ステップS10
4へ処理を進め、終了時刻であれば、配置情報表示画面300の配置情報表示部312へ計画用配置情報セットに含まれる配置情報を表示し、処理を終了する。
【0084】
なお、本実施形態での上述の処理は、配置計画の評価値を作業進捗遅れ、変則的移動回数の線形和で定義したが、これを別の評価値に変更してもよい。たとえば、作業場所利用の効率化(作業場所の占有率)やアイドリング作業の最小化(アイドリング作業数)を考慮した評価値設定などが挙げられる。
【0085】
次に、配置に関する情報の構築に関する詳細な処理について
図4に示すフローチャートを用いて説明する。
【0086】
尚、本処理は、ユーザが、
図8に示す配置情報表示画面300の表示ボタン306が押下されたことをクライアント端末102のCPU201が検知した場合、または、
図3に示す処理におけるステップS102を実行する際の処理に該当する。
【0087】
ステップS200では、クライアント端末102は、配置情報表示画面300の計画開始時刻304に入力された時刻を取得し、設定時刻として設定し、ステップS202では、データサーバ104は、
作業計画作成システム100において作業計画のシミュレーションの対象としている工場に関する情報を工場区画テーブル(
図12)から取得する。
【0088】
工場区画テーブルは、工場を一意に識別する工場IDを備えており、工場IDに対応して、工場の大きさ、及び形状を示す情報を備えている。
【0089】
各クライアント端末102の表示部210に表示された画面が、矩形の表示領域を備えている場合、例えば、矩形の左下を原点として、原点から右方向を正とするX軸、上方向を正とするY軸として定義しておき、X軸及びY軸から構成される座標を用いて、工場の形状を描画する。
【0090】
したがって、工場の大きさ、及び形状を示す情報として、工場の横幅を示すサイズX、工場の縦幅を示すサイズY、工場の形状に関して、その端点である左下X座標を示す原点位置X、工場の形状に関して、その端点である左下Y座標を示す原点位置Yを備えている。
【0091】
尚、
図3に示す処理の実行前に、ユーザは、クライアント端末102の表示部210に表示された不図示の画面を用いて、作業計画シミュレーションの実行対象となすべく工場を、リスト表示された複数の工場から選択することで、本ステップにおける工場が特定される。この際に、リスト表示された各工場に対しては、工場IDが付帯されており、当該工場IDを用いて、工場区画テーブルの工場の情報を取得している。
【0092】
ステップS204では、データサーバ104は、作業情報テーブル(
図13参照)に登録されている配置情報及び作業情報を取得する。
【0093】
作業情報テーブルは、作業を一意に識別するための作業ID、製品を一意に識別する製品ID、部材を一意に識別する部材ID、作業の種別を示す作業種、作業を行っている時刻、作業の着手予定日時、作業期間、作業の終了を示す完了予定日時、実際に作業に着手した時刻を示す着手時刻、現在の作業の進捗、作業場所を一意に示す作業場ID、作業場所に対する部材の位置情報を示す配置位置、
作業計画作成システム100に登録した部材形状を回転させて作業場所へ配置する際に用いる回転角度を示す回転等を備えている。
【0094】
作業情報テーブルは、作業ID、製品ID、部材ID、作業場ID、及び時刻を主キー項目として構成されており、何れの作業が、何れの製品の部材に対して、何れの場所及び時刻に於いて行われるかを情報として記憶している。
【0095】
また、これらの項目のうち、作業ID、製品ID、製品種類(製品種類は、製品IDから一意に特定される。特定する際に利用する対応テーブル(不図示)から取得可能。以下同じ)、部材ID、作業種、着手予定日時、作業期間、完了予定日時、着手時刻、進捗、作業場ID、配置位置、回転を含む構成をとる作業情報として定義し、更に、所定時刻における作業情報の集合に関する配置情報として定義している。
【0096】
以降、 作業計画作成システム100において予め登録済みの各作業場に対して、ステップS206及びステップS208の処理を実行する。
【0097】
ステップS206では、データサーバ104は、作業場テーブル(
図12参照)に登録された作業場に関する情報を取得し、作業場が、該当工場に含まれるかどうかを判定する。作業場が該当工場に含まれる場合、ステップS208へ処理を進める。
【0098】
尚、作業場テーブルは、作業場を一意に示す作業場ID、作業場が設置された工場の工場IDを示す工場、作業場名、作業場の種別を示すタイプ、工場に対する作業場の形状を示す情報、及び作業場における最大可能加重量を示す重量上限を備えている。
【0099】
各クライアント端末102の表示部210に表示された画面が、矩形の表示領域を備えている場合、例えば、矩形の左下を原点として、原点から右方向を正とするX軸、上方向を正とするY軸として定義しておき、X軸及びY軸から構成される座標を用いて、工場に対する作業場の形状を描画する。
【0100】
したがって、工場に対する作業場の形状を示す情報として、工場に対する作業場の形状に関して、その端点である左下のX座標を示す座標X、工場に対する作業場の形状に関して、その端点である左下のY座標を示す座標Y、座標Xに対するX軸の正方向への長さを示すサイズX(作業場の横幅)、座標Yに対するY軸の正方向への長さを示すサイズY(作業場の縦幅)、原点に対して垂直上方向を正とするZ軸に対して、原点からのZ軸の正方向への長さを示すサイズZ(作業場の高さ制限)を備えている。
【0101】
本ステップにおいて、該当工場に含まれるかどうかを判定するには、ステップS202で用いた工場IDと作業場テーブルに備えられた工場とが一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合は、ステップS208へ処理を進め、一致しないと判定した場合は、次の作業場テーブルに登録された作業場に関する情報に対してステップS
206の処理を実行する。
【0102】
ステップS208では、クライアント端末102は、ステップS202において取得した工場に関する情報、ステップS204において取得した配置情報、ステップS206において取得した作業場に関する情報を用いて、作業場の形状を示すオブジェクトを作成し、配置情報オブジェクトに追加する。
【0103】
以降、ステップS204で取得した作業情報に含まれる各作業に対して、ステップS210からステップS216を実行する。
【0104】
ステップS210では、クライアント端末102は、作業が対象工場で行われるか否か
を判定し、対象工場で行われると判定した場合は、ステップS212へ処理を進め、対象
工場で行われないと判定した場合は、ステップS21
0の処理を
行う。
【0105】
この判定は、作業情報に含まれる作業場IDと、ステップS206において一致すると判定した工場IDに対応する作業場IDと、を用いて、一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合は、ステップS212へ処理を進め、一致しないと判定した場合は、次の作業情報に対してステップS210の処理を実行する。
【0106】
ステップS212では、クライアント端末102は、ステップS200において設定した設定時刻に作業中であるか否かを判定し、作業中であると判定した場合は、ステップS214へ処理を進め、作業中でないと判定した場合は、次の作業情報に対してステップS210の処理を実行する。
【0107】
作業中であるか否かの判定方法としては、ステップS200で設定した設定時刻が、作業情報に含まれる着手時刻以降であり、かつ進捗が作業期間未満であれば作業中であると判定し、当該設定時刻が着手時刻以前もしくは進捗が作業期間以上であれば、作業中でないものとして判定される。
【0108】
ステップS214では、クライアント端末102は、ステップS200で取得した設定時刻における対象作業の作業場を作業情報の作業場IDから特定し、対象作業の部材の配置位置を作業情報の配置位置から特定する。
【0109】
ステップS216では、クライアント端末102は、ステップS214において特定した配置位置と作業情報に含まれる進捗と、から作業場に対する部材の配置及び進捗状況を示すオブジェクトを作成し、配置情報オブジェクトに追加する。
【0110】
ステップS218では、クライアント端末102は、ステップS216において作成した配置情報オブジェクトを計画用配置情報セットに追加する。
【0111】
図5では、作業進捗の更新に関する詳細な処理について説明する。尚、作業進捗の更新に関する処理は、配置情報オブジェクトに含まれる各作業に対し、ステップS300からステップS304を実行する。
【0112】
ステップS300では、クライアント端末102は、ステップS106で取得した配置情報オブジェクトに含まれる作業情報から対象作業が作業完了済か否かを判定する。
【0113】
本ステップにおけるこの判定は、作業情報に含まれる作業進捗が作業期間の範囲外の場合、対象作業は完了済であると判定し、対象を次の作業とし、ステップS300に戻り、作業進捗が作業期間の範囲内の場合、対象作業は完了済みでないと判定し、ステップS302に処理を進める。
【0114】
ステップS302では、クライアント端末102は、ステップS106で取得した配置情報オブジェクトに含まれる作業情報から対象作業が作業場で作業可能か否かを判定する。
【0115】
ステップS302では、クライアント端末102は、ステップS106で取得した配置情報オブジェクトに含まれる作業情報の製品種類、部材ID、及び作業種に該当する部材作業条件テーブル(
図12)の製品種類、部材ID、及び作業種に対応する作業場所を取得
するが、取得した作業場所と作業情報に含まれる作業場IDとが一致するか否かを判定し、作業場所が取得できない、もしくは部材作業条件テーブルの作業場所と作業情報に含まれる作業場IDとが一致する場合、作業可能として、ステップS304に進み、さもなければ、対象を次の作業とし、ステップS300に戻る。
【0116】
部材作業条件テーブルは、建造する構造物を構成する部材、部材に対して如何様な作業を施すか、当作業に要する時間、作業を実施する工場、当工場における作業場所、部材の重量、作業順序の依存性等の情報を示す後続作業種を備えており、作業対象となる部材が、適切な作業場に於いて作業がなされるか否かを判定するための情報を記憶管理している。
【0117】
ステップS304では、クライアント端末102は、対象作業が作業可能であると判断し、対象作業の作業情報に含まれる進捗に1を加算する。
【0118】
図6では、部材の配置計画に関する処理について説明する。
【0119】
まず、現在対象となっている配置情報オブジェクト、つまりステップS114においてコピーして得られた配置情報コピーオブジェクトの各作業に対し、ステップS400からステップS414を実行する。
【0120】
ステップS400では、クライアント端末102は、ステップS114で取得した配置情報コピーオブジェクトに含まれる作業情報から対象作業が作業完了済か否かを判定する。
【0121】
本ステップにおけるこの判定は、作業情報の作業進捗が作業期間の範囲外の場合、対象作業は完了済であると判定し、対象を次の作業とし、作業進捗が作業期間の範囲内の場合、対象作業は完了済みでないと判定し、ステップS402に処理を進める。
【0122】
尚、本発明の実施形態に於いては、作業進捗が作業期間と一致する場合も、対象作業は完了済みとして判定を行っている。
【0123】
ステップS402では、クライアント端末102は、対象作業に後続作業があるかどうかを判定する。本ステップにおける後続作業の判定方法としては、作業情報に含まれる製品種類、部材ID、及び作業種に該当する部材作業条件テーブルの製品種類、部材ID、及び作業種に対応する後続作業種に作業種が設定されているか否かで判定を行い、後続作業が設定されている場合、ステップS404へ進み、後続作業が設定されていない場合、ステップS406へ処理を進める。
【0124】
ステップS404では、クライアント端末102は、対象作業の該当部材に対し、後続の作業を開始する。ステップS404では、作業情報に含まれる作業種を、ステップS402において後続作業種に設定されていた作業種を割当、作業情報の製品種類、部材ID、及び本ステップで割当を行った作業種に該当する作業情報を取得して、後続の作業情報とする。
【0125】
部材作業条件テーブルの製品種類、部材ID、及び作業種に対応する作業期間や作業場所等の他情報を取得する。
【0126】
後続の作業情報に対して、部材作業条件テーブルから取得した他情報を設定すると共に、時刻及び着手時刻にはステップS106における計画時刻、終了予定日時には前記着手時刻に作業情報の作業期間を加算した値、作業場IDにはブランク、進捗には0を各々設定し、作業場ID、配置位置、及び回転に対しては、本ステップでいう該当作業(後続の作業情報ではない)の作業情報の値を設定する。この後、該当作業(後続の作業ではない)を配置情報の作業情報集合から削除する。
【0127】
そして、対象作業を次の作業とし、ステップS400に戻る。
【0128】
ステップS406では、クライアント端末102は、作業完了済み部材の移動を実行する。部材の移動に関する詳細な処理については、
図7に詳述する。
【0129】
ステップS400からステップS406の処理を完了した後、再度各作業に対して、以下ステップS408からステップS414に関する処理
を実行する。
【0130】
ステップS408では、クライアント端末102は、上記のステップS400と同様の手続きで対象作業が作業完了済みか否かを、ステップS400の方法と同一の方法を用いて判定し、作業完了済みの場合、対象を次の作業とし、作業完了済みでない場合、ステップS410へ処理を進める。
【0131】
ステップS410では、クライアント端末102は、ステップS302と同様の手続きで、現在の配置作業場で作業可能か否かを判定し、作業可能な場合、ステップS412へ処理を進め、作業が可能でない場合、ステップS414へ処理を進める。
【0132】
ステップS412では、クライアント端末102は、現在の場所に移動条件が設定されているかどうかを判定する。たとえば、作業場所がコンベア型(作業場タイプがコンベア型)の作業場になっている場合、一定の方向への流れがあり、それに合わせ部材の移動が発生するはずである。
【0133】
移動条件がある場合は、ステップS414へ処理を進め、さもなければ、対象を次の作業とし、ステップS40
8に戻る。
【0134】
ステップS414では、クライアント端末102は、移動対象となる部材の移動を実行する。部材の移動に関する処理については、
図7に詳述する。
【0135】
図7では、部材の移動に関する詳細な処理について説明する。
【0136】
ステップS500では、クライアント端末102は、ステップS400と同一の方法で作業完了済みか否かを判定し、作業完了済みの場合、ステップS502に処理を進め、作業完了済みでない場合、ステップS504に処理を進める。
【0137】
ステップS502では、クライアント端末102は、作業完了済みの部材の移動先を設定する。このとき、移動先として完了品置場を設定する。尚、完了品置場とは、予め設定された作業場を示しており、当該作業場の作業場IDを設定する。
【0138】
ステップS504では、クライアント端末102は、ステップS412と同様の手続きで、現在の場所に移動条件が設定されているか否かを判定し、移動条件が設定されていない場合、ステップS506に処理を進め、移動条件が設定されている場合、ステップS508へ処理を進める。
【0139】
ステップS506では、クライアント端末102は、作業完了済みでなく、作業場の移動条件が設定されていない部材の移動先を設定する。このとき、移動先はこの部材作業を実施可能な作業場からランダムに選択する。
【0140】
ステップS508では、クライアント端末102は、作業完了済みでなく、作業場の移動条件が設定されている部材の移動先を設定する。このとき、移動先は現在の作業場とする。
【0141】
ステップS502、ステップS506、及びステップS508で移動先を設定した後、ステップS510からステップS514にて、部材の移動可否の判定を実施する。
【0142】
ステップS510では、クライアント端末102は、移動先の作業場に十分なスペースがあるか否かを判定する。すなわち、作業場のサイズ、重量上限が対象部材のサイズ、重量よりも大きいかどうかを判定し、十分なスペースがある場合、ステップS512へ処理を進め、十分なスペースがない場合、ステップS518へ処理を進める。
【0143】
ステップS512では、クライアント端末102は、移動先までの搬送手段が確保できるかどうかを判定する。対象部材を移動元から移動先まで運ぶ重機などが存在するか、稼動可能か否かを、搬送機テーブル(
図12)を参照して判定し、搬送手段が確保できる場合、ステップS514へ処理を進め、搬送手段が確保できない場合、ステップS516へ処理を進める。
【0144】
搬送機テーブルは、搬送機を一意に識別する搬送機ID、搬送機が設置された工場の工場ID
を示す工場、搬送機名、搬送機を用いて、部材を搬送可能な範囲を示す情報、部材を搬送可能な限度重量から構成されている。
【0145】
部材を搬送可能な範囲を示す情報とは、前述した通り、各クライアント端末102の表示部210に表示された画面が、矩形の表示領域を備えている場合、例えば、矩形の左下を原点として、原点から右方向を正とするX軸、上方向を正とするY軸、原点に対して垂直上向きを正とするZ軸として定義しておき、X軸、Y軸、及びZ軸から構成される座標を用いて、搬送可能な範囲を示している。
【0146】
可動範囲Xについては、X軸の正方向に対して搬送可能な座標値、可動範囲Yについては、Y軸の正方向に対して搬送可能な座標値、可動範囲Zについては、Z軸の正方向に対して搬送可能な座標値を示している。
【0147】
ステップS514では、クライアント端末102は、移動先に部材を配置した際、他の部材または工場壁と干渉するかどうかを判定する。移動先の作業場に部材を配置したときの座標位置計算を行い、対象部材のサイズ及び該当作業場にすでに配置されている部材のサイズから、部材同士の干渉が発生するかどうかを判定する。
【0148】
また、同様に対象部材の移動先座標位置計算後、工場壁との干渉が発生するか否かを判定し、干渉が発生する場合、ステップS518へ処理を進め、干渉が発生しない場合、ステップS516へ処理を進める。
【0149】
ステップS516では、クライアント端末102は、移動先に対象部材を配置可能とし、ステップS514で計算した位置に部材を移動し、当該部材の作業情報及び配置情報を更新する。
【0150】
ステップS518では、クライアント端末102は、現在対象としている部材が、現在の作業場に長期間滞留しているか否かを判定する。具体的には、ステップS200で設定した現在の設定時刻と、現在の作業場に配置された時刻との差分がシステム指定の値を超える場合、長期間滞留とする。
【0151】
このときあわせて、現在対象としている移動先には移動不可とし、該当移動先を記憶しておく。長期間滞留している場合、ステップS520へ処理を進め、長期間滞留していない場合、部材移動を終了する。
【0152】
ステップS520では、クライアント端末102は、長期間滞留している部材に対し、空き作業場(現在の作業場以外の作業場)を見つけ、移動する措置をとる。これにより、後段で現作業場に移動できない部材が移動可能になる可能性がある。
【0153】
尚、空き場所を選定する方法としては、前述したユーザ指定された工場IDと作業情報の作業場IDに該当しない、作業場テーブルの工場と作業場IDから選定することが可能である。
【0154】
ステップS518で記憶している移動不可の作業場及び空きのない作業場を除いた作業場を移動候補とし、移動候補の中からいずれかをランダムで選択して移動先に設定し、移動先設定後、ステップS510に処理を進める。
【0155】
ステップS520を経由して設定される移動処理を、本実施形態では変則的移動と呼び、ステップS120での評価値における変則的移動の回数とは、作業部材配置計画で発生するこの移動の回数のことである。
【0156】
以上、本発明に依れば、作業対象となる部材の配置位置に関して複数の配置パターンを作成し、最適な配置位置を選定することで、適切な作業計画の作成を行うことが可能となる。
【0157】
また、本発明におけるプログラムは、各処理方法をコンピュータが実行可能(読取可能)なプログラムであり、本発明の記憶媒体は、各処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。
【0158】
なお、本発明におけるプログラムは、各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0159】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読取り実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0160】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0161】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータで稼働しているOS等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0162】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0163】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、クライアント端末における処理を実施することを主だって記載したが、クライアント端末については、主に入出力の機能のみを持たせ、その他の機能については、データサーバで処理を行う態様でも何ら問題ない。
【0164】
また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0165】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステム、あるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。