特許第6094028号(P6094028)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6094028
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】真空遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/66 20060101AFI20170306BHJP
   H01H 33/662 20060101ALI20170306BHJP
   H02B 13/035 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   H01H33/66 Q
   H01H33/662 R
   H02B13/035 A
   H02B13/035 301G
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-281223(P2011-281223)
(22)【出願日】2011年12月22日
(65)【公開番号】特開2013-131440(P2013-131440A)
(43)【公開日】2013年7月4日
【審査請求日】2014年9月16日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 聡
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 英樹
【審査官】 高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−231112(JP,A)
【文献】 特開2005−259562(JP,A)
【文献】 実開昭56−050034(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/66−33/662
H02B 13/035
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性ガスが密閉されたタンク内に真空バルブを水平に配置し、前記真空バルブの可動側端子と固定側端子を各々可動側導体と固定側導体に接続し、前記真空バルブを絶縁ケースに収納し、前記絶縁ケースは、断面略コの字状の第一絶縁フレームと、前記第一絶縁フレームと対称形状の第二絶縁フレームの2つの絶縁フレームから成り、前記2つの絶縁フレームは間隔をあけて各々の断面略コの字状の開口部を対向させて前記真空バルブを収容する真空遮断器において、
前記2つの絶縁フレームの断面略コの字状の上下端部の一方又は両方の辺に前記可動側導体と前記固定側導体を通すための切欠き部を設け、前記2つの絶縁フレームの断面略コの字状の中央の辺に透孔部を設け、
更に前記2つの絶縁フレームには、
前記可動側導体をボルトにより機械的に固定するための取付リブと、
前記固定側導体が当接してボルトにより機械的に固定される取付端面と、
更に前記絶縁フレームを前記タンクにボルトにより機械的に固定するためのタンク取付部をそれぞれ設け、
前記2つの絶縁フレームが、予め組付けられた前記可動側導体と前記固定側導体と前記真空バルブとに対して前記開口部を対向させて左右から覆うように取り付けられ、
前記可動側導体と前記固定側導体と前記タンク取付部の3箇所において一体的に固定されることを特徴とする真空遮断器。
【請求項2】
前記2つの絶縁フレームの断面略コの字状の上下端部の辺の全周に渡って補強リブが形成されたことを特徴とする請求項1記載の真空遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真空遮断器に関し、特に真空バルブを絶縁ケース内に収納する真空遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の真空遮断器における絶縁ケース(特許文献1)の構成を図8乃至図10に示す。本特許文献には、図8に示すように、真空バルブ14を2つの絶縁フレーム11a、11bで上下に挟み込む形で収容した絶縁ケース13が開示されている。真空バルブ14に接続される可動電極ロッド27は絶縁ロッド19を介して図示しない駆動装置に接続されている。この絶縁ロッド19と可動電極ロッド27間には図示しない可撓導体の一端が絶縁ケース外部に配置された導体に向けて接続されており、その周囲を導体カバー18で覆っている。
【0003】
また、図9に示すように、絶縁ケース13は長手方向に直行する断面が略コの字形状の第1の絶縁フレーム11a及びこれと同一形状の第2の絶縁フレーム11bを間隔を開けて各々の開口側が対向するように配置させて構成されている。こうすることで、絶縁ケース13に遮断器の単極部に働く電磁力に対する機械的強度を持たせている。また、特許文献1の他の実施例には、図10に示すように、通電時の発熱により熱くなったガスを対流させ、冷却性能向上を図るために各々の絶縁フレーム24a、24bに切欠き部21を設けた構成が開示されている。なお、これらの絶縁ケース13は3相分が平行に配置されている。
【0004】
さらに特許文献2(図示せず)には、真空バルブの固定側端子部を支持する部材と、ほぼ平行に配置され真空バルブの両側の各相間の空間を絶縁する一対の絶縁バリヤ部材とを一体に注型または成型したモールドフレームが開示されている。この一対の絶縁バリヤ部材の両側を開放する形状とすることで、真空バルブの単極部に接続される導体等が、開放部のどちらからでも接続可能となり、導体を最短距離で接続して導体長を最短化する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2009/125467
【特許文献2】特開2008−277139
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1のように、2つの絶縁フレームを真空バルブの上下に配置した構成においては、可動電極ロッドに一端を接続した導体の他端を絶縁ケースの外部に配置された回路に最短距離で接続するために絶縁ケースに導体が通る貫通孔や切欠き部を設ける必要が生じ、絶縁ケースの強度が弱くなる恐れがある。また、導体を絶縁フレームの間隙を通すように真空バルブから水平方向に引き回して、真空バルブの上下に配置される主回路に接続しようとすると、水平方向に3相分配置した絶縁フレーム間の距離を導体引き回しのために長くとらなければない上に、導体長も長くなることが懸念される。
【0007】
また、可動電極ロッド側と固定電極ロッド側に切欠き部を設けた構成においては、フレームの機械的強度が落ちる恐れがあると共に、切欠き部が局部的であるため、ガスの対流がスムーズに起こりづらく、十分な冷却効果が得られない懸念がある。
【0008】
更に特許文献2においては、モールドフレームが絶縁物で一体に注形した1つの部材から成るため、真空バルブの全体をモールドフレーム内部に収納した状態で真空バルブの固定を行うため組立性が悪くなる懸念がある。また、大容量の真空遮断器に適用する場合にはモールドフレームの強度補強についても考慮した構造とする必要が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る真空遮断器は、絶縁性ガスが密閉されたタンク内に真空バルブを水平に配置し、前記真空バルブの可動側端子と固定側端子を各々可動側導体と固定側導体に接続し、前記真空バルブを絶縁ケースに収納し、前記絶縁ケースは、断面略コの字状の第一絶縁フレームと、前記第一絶縁フレームと対称形状の第二絶縁フレームの2つの絶縁フレームから成り、前記2つの絶縁フレームは間隔をあけて各々の断面略コの字状の開口部が対向して配置される真空遮断器において、前記2つの絶縁フレームの断面略コの字状の上下端部の一方又は両方の辺に前記可動側導体と前記固定側導体を通すための切欠き部を設け、更に前記2つの絶縁フレームには、前記可動側導体をボルトにより機械的に固定するための取付リブと、前記固定側導体をボルトにより機械的に固定するための取付端面と、更に前記絶縁フレームを前記タンクにボルトにより機械的に固定するためのタンク取付部をそれぞれ設けたことを特徴とする。
【0010】
また前記2つの絶縁フレームの断面略コの字状の上下端部の辺の全周に渡って補強リブが形成されたことを特徴とする。
【0011】
さらに、前記2つの絶縁フレームの断面略コの字状の中央の辺には透孔部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
水平配置の真空バルブを、対称形状で半割り状の2つの絶縁フレームで左右から覆い、更に真空バルブの上下及び絶縁フレームの内周と真空バルブの外周の間にも隙間がある構成としたため、真空バルブの下方に熱源が配置された場合や、可動側導体、固定側導体、真空バルブ等で発熱しても、熱せられた絶縁性ガスが2つの絶縁フレーム内を上方に流れることで自然対流が生じやすくなり、冷却性が向上する。
【0013】
また、絶縁フレームの断面略コの字状の上下端部の2辺に切欠き部を設けたので、可動側及び固定側導体を、真空バルブの上下に配置される主回路に最短距離で接続できる。また絶縁フレームに可動側導体を機械的に固定する取付リブと、固定側導体を機械的に固定する取付端面と、更に絶縁フレームをタンクに機械的に固定するためのタンク取付部をそれぞれ設けたことで、各導体とタンクを絶縁フレームと一体構造としたため、絶縁フレームに切欠き部を有していても機械的強度を維持することができる。
【0014】
また、予め組み立てられた状態の可動側導体、固定側導体、真空バルブに対し、2つの絶縁フレームを真空バルブの左右からはめ込むように取り付けるため、取り付け位置の調整が容易となり組立性が向上する。
【0015】
また、絶縁フレームの全周に補強リブを設けているため、絶縁フレームの機械的強度を更に向上させることができる。
【0016】
また、絶縁フレームの断面略コの字状の中央の辺に透孔部を設けたことで、絶縁フレームの周囲で絶縁性ガスの対流がより生じやすくなり、冷却性能を更に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る真空遮断器とこれを収納したガス絶縁開閉装置を示す側断面図である。
図2図1の真空遮断器周辺の拡大図である。
図3】本発明に係る真空遮断器の外観斜視図である。
図4】絶縁ケースのみを断面し、真空バルブを仮想円で示した図2のA−A断面矢視図である。
図5】絶縁ケースのみを断面し、絶縁ロッドを仮想円で示すと共に可動側導体及び取付リブを示した図2のB−B断面矢視図である。
図6】本発明に係る絶縁フレームの平面図である。
図7】本発明に係る絶縁フレームの側面図である
図8】従来の真空遮断器の側断面図である
図9図8の絶縁フレームのみを示す斜視図である。
図10図9の絶縁フレームの他の実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0018】
本発明を実施した真空遮断器及びそれを用いたガス絶縁開閉装置につき、適宜図面を参照しながら説明する。図1において、ガス絶縁開閉装置30はタンク31を母線室33と機器室34に区分されており各々に絶縁性ガスが密封されている。
【0019】
これより、タンク31内の主回路構成を通電経路に沿って説明する。母線室33側において、まず母線導体35より印加された電流が導体36を通り、接地機構付断路器37の固定側コンタクト37aに流れる。さらに固定側コンタクト37aから接地機構付断路器37のブレード37b(図中では電流「切」状態)とスペーサ上部導体38を通り、三相スペーサ39を貫通しているスペーサ導体41に通電される。
【0020】
機器室34側において、電流はスペーサ導体41から導体42を流れ、真空遮断器43の可動側導体44、真空バルブ46へと通電される。さらに固定側導体48、変流器49及びケーブルソケット50へと接続される構成となっている。ここで、真空バルブ46の両側面(紙面奥行き方向)は、後述する同一形状の2つの絶縁フレーム52により覆われているが、構造説明の便宜上片側(紙面手前方向)の絶縁フレーム52の図示を省略している。
【0021】
次に本発明の要部である真空遮断器43の構造について説明する。図2において、真空遮断器43の遮断部である真空バルブ46は、その内部に接離可能な固定側及び可動側の電極(図示せず)を有している。可動側電極に接続される可動側リード45は、絶縁ロッド56及びベローズ64を介して図示しない駆動装置に機械的に接続されている。
【0022】
また、可動側リード45は習動可能なコンタクトが収納されている可動側導体44に機械的、電気的に接続されている。可動側導体44は後述する絶縁フレーム52に設けられた取付リブ55にボルト57で固定されている。更に絶縁フレーム52はタンク取付部59を有しており、ボルト60によってタンクフランジ31aに固定されている。
【0023】
一方、図示しない固定側電極に接続される固定側リード47には、固定側導体48がボルト63によって機械的、電気的に接続されている。更に固定側導体48は絶縁フレーム52の取付端面61にボルト62で固定されている。
【0024】
真空バルブ46は、図5に示すように、断面略コの字状で対称形状の2つの絶縁フレーム52で構成される絶縁ケース51内に収納されている。ここで、「断面略コの字状」とは、絶縁フレーム52の上端の辺52a、中央の辺52b、下端の辺52c及び補強リブ52dよりなる形状を指す。また、図3に示すように2つの絶縁フレーム52は、間隔をあけて各々の断面略コの字状の開口部が対向するように配置されている。即ち、真空バルブ46の両側面を左右から半割りの絶縁フレーム52で覆うような構成となっている。なお、絶縁フレーム52は例えばエポキシ樹脂等で形成されている。
【0025】
次に絶縁フレーム52の詳細な構造につき説明する。2つの絶縁フレーム52は対称形状となっているが、その基本形状は同じであるため、ここでは片方の絶縁フレームの構造のみ説明する。
【0026】
図4に示すように絶縁フレーム52の内周と真空バルブ46の外周の間には、絶縁性ガスが対流するための隙間が設けられている。また辺52a、52cは円弧状に形成されると共に、絶縁フレーム52の断面略コの字状の中央の辺52bには透孔部65を設けることで、絶縁フレーム52と真空バルブ46間のガス対流の更なる改善を図っている。
【0027】
なお、本実施例においては辺52bを直線上に形成している。こうすることで、水平方向に3相分配置される真空バルブ46の相間距離の縮小を図っている。しかしながら辺52bの形状はこれに限られず、例えば円弧状に形成しても良い。
【0028】
図3及び図5に示すように、断面略コの字状の上端にある辺52a及び下端にある辺52cには、可動側導体44を通すための切欠き部53が形成されている。また本実施例においては、可動側導体44は上端の辺52aに形成された切欠き部53を通って主回路に接続されている。絶縁フレーム52の略断面コの字状の下端の辺52cにも切欠き部53を設けておくことで、組立時における絶縁ロッド56とベローズ64及び可動リード45の位置調整や、後述するように可動側導体44と取付リブ55のボルト57による締結作業を容易に行うことができる。
【0029】
絶縁フレーム52の下端にある辺52cには、固定側導体48を通すための切欠き部54が形成されている。なお、切欠き部のある絶縁フレーム52の辺52aと辺52cの全周において補強リブ52dを形成している。
【0030】
図5乃至図7に示すように絶縁フレーム52には、可動側導体44と絶縁フレーム52を機械的に固定するための取付リブ55が設けられている。更に、図3及び図6、7に示すように固定側導体48と絶縁フレーム52を機械的に固定するための取付端面61と、絶縁フレーム52をタンクフランジ31aに機械的に固定するためのタンク取付部59が形成されている。こうすることで、絶縁フレーム52が、可動側導体44と固定側導体48とタンクフランジ31aの3箇所において一体に固定される構造となっている。なお、可動側導体44及び固定側導体48は絶縁フレーム52と機械的に強固に固定するため、剛性のある導体を用いる必要があり、本実施例においては板状の導体を用いている。
【0031】
次に真空バルブ46を図3に示すように絶縁ケース11内に収容する際の組立手順について説明する。まず予め組み立てられた状態の可動側導体44、固定側導体48、真空バルブ46に対し、図2に示すように2つの絶縁フレーム52の片方を真空バルブ46の左右いずれからはめ込むと共に、固定側導体48と絶縁フレーム52の取付端面61を当接させる。そして、固定側導体48と絶縁フレーム52の取付端面61を2本のボルト62で絶縁フレーム52の外側から締付けることで固定する。
【0032】
一方、絶縁フレーム52と可動側導体44は、図2及び図5に示すように取付リブ55側から可動側導体44方向に2本のボルト57を締付けることで固定する。この時、真空バルブ46の左右片側の側面はまだ開放空間となっているため、容易にボルト57の締結を行うことができる。
【0033】
もう片方の絶縁フレーム52も同様に、図2に示すように真空バルブ46の左右のいずれかからはめ込むようにして固定側導体48と当接させ、固定側導体48と取付端面61を絶縁フレーム52の外側から2本のボルト62により固定する。こうすることで、真空バルブ46が図3に示すように、2つの絶縁フレーム52よりなる絶縁ケース51に覆われる状態となる。
【0034】
図3及び図5に示すように、絶縁フレーム52には切欠き部53を設けているため、可動側導体44ともう片方の絶縁フレーム52の取付リブ55は、この切欠き部53より工具を挿入しボルト57により締結することで固定を行う。またこの時、絶縁フレーム52内のタンク取付部59側の空間は、図2に示すタンクフランジ31aによって閉じられてはおらず開放されている。このため、絶縁フレーム52のタンク取付部59側から可動側導体44と取付リブ55をボルト57により締結することも可能である。
【0035】
固定側導体44と取付リブ55の固定が終わった後、最後に図2に示すように2つの絶縁フレーム52のタンク取付部59をタンクフランジ31aに計4本のボルト60によって固定する。
【0036】
このような手順により、図3に示すように1つの固定側導体48と2つの絶縁フレーム52の取付端面61を計4本のボルト62で固定する。また、図5に示すように1つの可動側導体44と2つの絶縁フレーム52の取付リブ55を計4本のボルト57で固定する。更に、図2に示すようにタンクフランジ31aと2つの絶縁フレーム52のタンク取付部59を計4本のボルト60によって固定する。
【0037】
このように、可動側導体44と固定側導体48とタンクフランジ31aの3箇所において、絶縁フレーム52を機械的に一体に固定するため、絶縁フレーム52の機械的強度が向上される。
【0038】
上記のように本発明に係る真空遮断器は、水平配置の真空バルブ46を、対称形状で半割り状の2つの絶縁フレーム52で左右から覆い、真空バルブ46の上下及び絶縁フレーム52の内周と真空バルブ46の外周の間に間隙がある構成としたため、真空バルブ46の下方に熱源が配置された場合や、可動側導体44、固定側導体48、真空バルブ46等で発熱しても、熱せられた絶縁性ガスが2つの絶縁フレーム52内を上方に流れることで自然対流が生じやすくなり、冷却性が向上する。
【0039】
また、絶縁フレーム52の断面略コの字状の上下端部の2辺52a、52cにそれぞれ切り欠き部53、54を設けたので、可動側導体44及び固定側導体48を、真空バルブ46の上下に配置される主回路に最短距離で接続できる。また絶縁フレーム52に可動側導体44を機械的に固定する取付リブ55と、固定側導体48を機械的に固定する取付端面61と、更に絶縁フレーム52をタンク31に機械的に固定するためのタンク取付部59をそれぞれ設けて、各導体とタンクを絶縁フレームと一体構造としたため、絶縁フレームに切欠き部を有していても機械的強度を維持することができる。
【0040】
また、予め組み立てられた状態の可動側導体44、固定側導体48、真空バルブ46に対し、2つの絶縁フレーム52を真空バルブ46の左右からはめ込むように取り付けるため、取り付け位置の調整が容易となり組立性が向上する。
【0041】
また、切欠き部53、54がある絶縁フレーム52の辺52a、52cの全周に補強リブ52dを設けているため、絶縁フレーム52の機械的強度を更に向上させることができる。
【0042】
また、絶縁フレームの断面略コの字状の中央の辺52bに透孔部65を設けたことで、絶縁フレーム52の周囲で絶縁性ガスの対流がより生じやすくなり、冷却性能を更に向上することができる。
【0043】
以上述べたように本発明に係る真空遮断器は、冷却特性向上、組立性及び強度向上を同時に達成しうる構成となっている。
【符号の説明】
【0044】
43 真空遮断器
44 可動側導体
46 真空バルブ
48 固定側導体
51 絶縁ケース
52 絶縁フレーム
53、54 切欠部
55 取付リブ
59 タンク取付部
61 取付端面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10