(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
撮像指示に応答して動作し被写体を撮像して、画像データを出力する撮像手段と、予め定められた複数の記憶領域を有し、前記撮像手段から出力された前記画像データに要する処理が完了するまで、前記画像データを各前記記憶領域に割り当てて一時的に記憶する記憶手段と、を備えた撮像装置が有するコンピュータを、
前記記憶手段において前記画像データが割り当てられていない空き記憶領域の数を検出する検出手段、
連写を行なった直後に再度連写を行なう場合に、前記被写体の撮像に関連する複数の数値情報の乗算によって、異なる撮像回数で前記撮像手段を動作させる複数種の制御形態に対して優先順位を設定し、前記検出手段により検出された前記空き記憶領域の数以内の撮像回数であり、且つ、前記優先順位のより高い前記制御形態を選択する制御形態選択手段、
前記制御形態選択手段により選択された前記制御形態に基づき、前記撮像手段を制御する制御手段、
として機能させる、
ことを特徴とする撮像プログラム。
撮像指示に応答して動作し被写体を撮像して、画像データを出力する撮像手段と、予め定められた複数の記憶領域を有し、前記撮像手段から出力された前記画像データに要する処理が完了するまで、前記画像データを各前記記憶領域に割り当てて一時的に記憶する記憶手段と、を備えた撮像装置における撮像方法であって、
前記記憶手段において前記画像データが割り当てられていない空き記憶領域の数を検出する検出ステップと、
連写を行なった直後に再度連写を行なう場合に、前記被写体の撮像に関連する複数の数値情報の乗算によって、異なる撮像回数で前記撮像手段を動作させる複数種の制御形態に対して優先順位を設定し、前記検出ステップにより検出された前記空き記憶領域の数以内の撮像回数であり、且つ、前記優先順位のより高い前記制御形態を選択する制御形態選択ステップと、
前記制御形態選択ステップにより選択された前記制御形態に基づき、前記撮像手段を制御する制御ステップと、
を含む、
ことを特徴とする撮像方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るデジタルカメラ1の電気的構成を示すブロック図である。このデジタルカメラ1は、撮像素子であるCCD2と、DSP/CPU3とを有している。CCD2は、図外の撮像レンズ等の光学系を介して結像された被写体の光学像を光電変換し、被写体の光学像に応じたアナログの撮像信号を出力する。
【0011】
DSP/CPU3は、JPEG方式による画像データの圧縮・伸張を含むデジタル信号処理を行うとともにデジタルカメラ1の各部を制御するワンチップマイコンである。DSP/CPU3には、CCD2を駆動するTG(Timing Generator)4が接続され、TG4には、CCD2から出力される撮像信号が入力するユニット回路5が接続されている。ユニット回路5は、相関二重サンプリングによりCCD2の出力信号等のノイズを除去するCDS回路、ノイズが除去された撮像信号を増幅するゲイン調整用アンプ(AGC)、増幅後の撮像信号をデジタル信号に変換するA/D変換器(AD)から構成されており、CCD2の出力信号はユニット回路5にてデジタル信号に変換され、DSP/CPU3に送られる。
【0012】
また、DSP/CPU3には、角速度検出回路6、ストロボ回路7、測光回路8、測距回路9、キー入力部10、液晶モニタ11が接続されるとともに、アドレス・データバス12を介してDRAM13、内蔵フラッシュメモリ14、カード・インターフェース15が接続されている。カード・インターフェース15には、本体に設けられている図示しないカードスロットに着脱自在に装着されたメモリ・カード16が接続されている。
【0013】
角速度検出回路6は、上下及び左右方向の角速度を各々検出するセンサを備え、当該デジタルカメラ1の手ブレを検出する。この検出される手ブレの有無に基づき、DSP/CPU3は当該デジタルカメラ1が三脚を使用している状態にあるか否かを判断することもできる。
【0014】
ストロボ回路7は、前述したストロボを構成するキセノンランプ等の光源や、その給電回路及び調光回路等から構成される。測光回路8は、被写体を含む撮影環境の明るさを検出するセンサを備える。測距回路9は、被写体までの距離を検出するセンサを備える。キー入力部10は、モード選択キー等の複数の操作キー及びスイッチを含み、使用者によるキー操作に応じた操作信号をDSP/CPU3に出力する。
【0015】
液晶モニタ11はカラーLCDとその駆動回路とを含み、撮影待機モードではCCD2によって撮像された被写体画像をスルー画像として表示し、また、再生モード(PLAYモード)では、メモリ・カード16から読み出され、DSP/CPU3によって伸張された記録画像を表示する。また、操作補助用として、機能選択時の処理メニュー表示や設定用の図形若しくはアイコン等の表示を行う。
【0016】
DRAM13は、シャッターキーが押された撮影指示に応答して、CCD2により撮像されデジタル化された被写体の画像データを一時記憶する後述のバッファメモリを有するとともに、DSP/CPU3のワーキングメモリとして使用される。そして、シャッターキーが押された撮影時には、DRAM13に一時記憶された画像データが、DSP/CPU3により処理されて圧縮され、最終的には所定のフォーマットの画像ファイルとしてメモリ・カード16に記録される。
【0017】
内蔵フラッシュメモリ14には、DSP/CPU3に上記各部を制御させるための制御プログラム、例えばAE・AF制御用のプログラムや、データ通信用プログラム等の各種の動作モードに応じた制御に必要なプログラム、及び各種データが予め記憶されている。
【0018】
図2は、DRAM13に設けられているバッファメモリ131の構成を示す概念図である。このバッファメモリ131には、10個のメモリバンク(1)〜(10)が設けられている。各メモリバンク(1)〜(10)は、CCD2により撮像されデジタル化された画像1枚分の画像データを格納することのできる容量を有している。
【0019】
図3は、DRAM13に設けられている評価値テーブル132の構成を示す概念図である。この評価値テーブル132には、シーンエリア133、露出評価値エリア134、色評価値エリア135、フォーカス評価値エリア136、顔評価値エリア137、その他評価値エリア138、乗算結果エリア139、優先順位エリア140がそれぞれ7行ずつ設けられている。このうち、シーンエリア133の各行には、前記シーン(1)〜(7)の名称と使用バンク数(「3bank」、「1bank」等)が書き込まれているが、他のエリア134〜140は空欄(図示では、数値を書き込んである)で後述する処理により数値が書き込まれる。
【0020】
図4は、前記プログラム等とともに内蔵フラッシュメモリ14に予め記憶されているシーン選択テーブル141の構成を示す概念図である。このシーン選択テーブル141には、7種類のシーン(1)〜(7)に対応して記憶エリアが区分されている。各シーン(1)〜(7)エリアには、HDR(
High Dynamic Range)撮影」「normal」等の撮影シーンの名称(プログラムの名称)、及び「逆
光などの白飛び、黒潰れを抑制し広いダイナミックレンジを再現する。」等の制御効果や、「露出の異なる3枚の画像を合成して処理する。」、「明暗差、顔検出状態、被写体の動きなどを参照する。」等の制御内容で表記したように、当該制御内容により当該制御効果を発生させるプログラムが記憶されている。
【0021】
つまり、各シーン(1)〜(7)エリアは、個々異なる制御形態からなるプログラムを記憶したエリアであり、このプログラムに従ってDSP/CPU3が処理を実行することにより、記載した制御内容が具現化され、記載した制御効果が発生する。また、各シーン(1)〜(7)エリアには、DSP/CPU3が処理を完了するまでに必要とするバッファメモリ131の数が「使用バンク数」として記憶されている。
【0022】
以上の構成に係る本実施の形態において、キー入力部10に設けられている前記モード選択キーを操作して撮影モードを設定すると、DSP/CPU3は、CCD2によって撮像された被写体画像をスルー画像として液晶モニタ11に表示するとともに、前記内蔵フラッシュメモリ14に格納されているプログラムに基づき、
図5のフローチャートに示すように処理を実行する。すなわち、先ず撮影情報を取得する(ステップS101)。
【0023】
より詳細には、
図6のフローチャートに示すように、現時点でデジタルカメラ1に設定されている露出値を示す露出情報(ステップS201)、被写体あるいはスルー画像全体の主要色を示す色情報(ステップS202)、スルー画像のピントの合い具合を示すフォーカス情報(ステップS203)、スルー画像中における顔の有無を示す顔情報(ステップS204)、明るさ、手ブレの検出の有無に基づく三脚の使用の有無、被写体の動き量等のその他の情報(
ステップS205)を取得する。
【0024】
なお、これら、露出情報、色情報、フォーカス情報、顔情報、その他情報は、全て数値により取得され、例えば露出情報=10、色情報=10、フォーカス情報=5、顔情報=10、その他情報=1が取得される。
【0025】
次に、
図5のフローチャートにおけるステップS101に続くステップS102では、シーン別評価値演算処理を実行する。
図7は、このシーン別評価値演算処理の詳細を示すフローチャートである。先ず、シーン番号を特定するためのカウンタNに初期値「1」をセットする(ステップS301)。次に、このセットしたカウンタNの値で特定されるシーン(N)の重み付け係数を読み出す(ステップS302)。
【0026】
すなわち、内蔵フラッシュメモリ14には、図示しないがシーン(1)〜(7)に対応して、「露出」、「色」、「フォーカス」、「顔」、「その他」に対応して重み付け係数が記憶された重み付け係数テーブルが格納されている。したがって、今N=1であるとすると、重み付け係数テーブルからシーン(1)の「露出」重み付け係数、「色」重み付け係数、「フォーカス」重み付け係数、「顔」重み付け係数、「その他」重み付け係数を読み出す。これら重み付け係数は、「0」を含む数値である。これにより、シーン(1)の重み付け係数として、例えば「露出」=10、「色」=1、「フォーカス」=5、「顔」=0.1、「その他」=1が読み出される。
【0027】
次に、露出情報による重み付け評価値算出処理(ステップS303)を実行する。この露出情報による重み付け評価値算出処理は、前記ステップS201で取得した露出情報の数値とシーン(N)の「露出」重み付け係数とを乗算し、その結果を
図3に示した評価値テーブル132のシーン(N)の行に書き込む。したがって、前述の例のように、現時点の露出情報=10であり、「露出」の重み付け係数=10であるとすると、10×10=100が算出され、
図3に示すように、評価値テーブル132においてシーン(1)の露出評価値エリア134には、「100」が書き込まれることとなる。
【0028】
引き続き、色情報による重み付け評価値算出処理(ステップS304)、フォーカス情報による重み付け評価値算出処理(ステップS305)、顔情報による重み付け評価値算出処理(ステップS306)、その他情報による重み付け評価値算出処理(ステップS307)を順次実行する。
【0029】
したがって、前述の例のように、現時点の色情報=10、フォーカス情報=5、顔情報=10、その他情報=1であり、「色」の重み付け係数=1、「フォーカス」の重み付け係数=1、「顔」の重み付け係数=0.1、「その他」の重み付け係数=1であるとすると、
【0030】
色情報による重み付け評価値=10×1 =10
フォーカス情報による重み付け評価値=5×1 =5
顔情報による重み付け評価値=10×0.1=1
その他情報による重み付け評価値=1×1 =1
が算出されて評価値テーブル132においてシーン(1)の対応するエリア135〜138に書き込まれる。
【0031】
したがって、N=1の状態でステップS302〜S307の処理が実行されると、
図3の「シーン(1)」の行に示すように、「露出」から「その他」までの評価値として、
「100」、「10」、「5」、「1」、「1」が書き込まれることとなる。また、次のステップS308では、全重み付け評価値の乗算処理を実行して、評価値テーブル132の対応する乗算結果エリア139に書き込む。
【0032】
したがって、この例の場合、式「100×10×5×1×1=5000」となる乗算処理が実行されて、
図3に示すように「シーン(1)」の乗算結果エリア139に「5000」が書き込まれる。
【0033】
しかる後に、カウンタNの値をインクリメントして(ステップS309)、N=8となったか否かを判断し、N=8となるまでステップS302〜S309の処理を繰り返す。したがって、ステップS302〜S309の処理が7回繰り返され、
図3に示すように、評価値テーブル132のシーン(1)〜(7)に対応するエリア134〜139の全てに評価値が書き込まれた状態となる。
【0034】
これにより、
図5のフローチャートにおいてステップS102の処理が終了し、ステップS103に進む。そして、このステップS103で、乗算結果エリア139に書き込まれている乗算結果の数値が多い順にシーン(1)〜(7)に対して優先順位を設定し、評価値テーブル132の優先順位エリア140に書き込む。これにより、
図3の例に示すように、乗算結果「5000」であるシーン(1)に優先順位として「1」
が設定され、乗算結果「1800」であるシーン(5)に優先順位として「2」
が設定され、残る他のシーンに対しても優先順位が設定される。
【0035】
したがって、本実施の形態によれば、数値を用いた演算という簡単な処理により容易に優先順位を設定することができる。
【0036】
また、演算に用いる情報は、色情報、フォーカス情報、顔情報等の複数種であることから、用いる情報に偏りがないことにより、適正な優先順位を設定することができる。
【0037】
次に、DSP/CPU3は、バッファメモリ131のいずれかのメモリバンクに、後述する画像処理が終了して不要となった画像データがあるか否かを判断する(ステップS104)。不要となった画像データがある場合には、これを削除(上書き)許可状態にして当該画像データが割り当てられていたメモリバンクを空き状態にする(ステップS105)。しかる後に、現時点でのバッファメモリ131の空きバンク数、つまり画像データが割り当てられておらず空き状態となっているメモリバンクの数を検出する(ステップS106)。
【0038】
そして、この検出した空きバンク数以内を使用バンク数とするシーンモードであって、優先順位が最も高いシーンモードを選択する(ステップS107)。
【0039】
また、このステップS107で適正にいずれかのシーンモードが選択できたか否かを判断する(ステップS108)。つまり、この検出した空きバンク数が「0」であり、全てのメモリバンク(1)〜(10)に画像データが割り当てられている満杯状態においては、ステップS107の処理を実行することができない。したがって、ステップS108からステップS101に戻り、ステップS101からの処理を繰り返す。この間に、いずれかのメモリバンク(1)〜(10)に割り当てられている画像データに対する処理が完了すると、ステップS104の判断がYESとなって不要画像データの削除が許可され(ステップS105)、ステップS107でのシーンモード選択が可能となる。
【0040】
また、ステップS108の判断がYESであって、いずれかのシーンモードが適正に選択できた場合には、シャッターキーが操作されたか否かを判断し(ステップS109)、シャッターキーが操作されるまでステップS101からの処理を繰り返す。したがって、この間においても、いずれかのメモリバンク(1)〜(10)に割り当てられている画像データに対する処理が完了すると、ステップS104の判断がYESとなって不要画像データの削除が許可される(ステップS105)。よって、ステップS107の処理で用いる空きバンク数は、最大値「10」まで経時的に増大する。
【0041】
そして、ユーザが撮影を行うべくシャッターキーを操作すると、DSP/CPU3はTG4を制御してCCD2を駆動し、選択されたシーンモードが示す使用バンク数分の画像データを取り込む(ステップS110)。すなわち、
図4に示したように、シーン選択テーブル141には、シーン(1)〜(7)に対応して「使用バンク数」が記憶されているので、この「使用バンク数」が示す数の画像データを取り込む。さらに、この取り込んだ数の画像データを空いているメモリバンクに割り当てて、画素加算処理等の選択されたシーンに応じた画像処理を実行する(ステップS111)。
【0042】
すなわち、
図8(a)に示すように、全てのメモリバンク(1)〜(10)が空き状態であるとき、前述の乗算結果により同図(b)に示すように優先順位「シーン(1)、シーン(2)、シーン(3)・・・」が設定されたとする。すると、空きバンク数は「10」であり、優先順位「1」であるシーン(1)の使用バンク数は「3」であるから、空きバンク数「10」以内を使用バンク数とし、優先度が最も高いシーンモードは「シーン(1)」となる。したがって、「シーン(1)」が選択される。そして、このタイミングでシャッターキー操作による撮影指示がなされると、「シーン(1)」の
使用バンク数である3枚分の画像データが取り込まれ、同図(c)に示すように、メモリバンク(1)(2)(3)に割り当てられて処理される。
【0043】
このようにメモリバンク(1)(2)(3)が使用されている
図9(a)に示す状態で、同図(b)に示すように優先順位「シーン(5)、シーン(6)、シーン(3)・・・」が設定されたとする。すると、空きバンク数は「10−3=7」であるが、優先順位「1」であるシーン(5)の使用バンク数は「8」であるから、優先順位「1」のシーン(5)は選択されない。そして、空きバンク数「7」以内を使用バンク数とし優先度が最も高いシーンモードは、優先順位「2」で「4bank」の「シーン(6)」であるから、「シーン(6)」が選択される。したがって、このタイミングでシャッターキー操作による撮影指示がなされると、4枚分の画像データが取り込まれ、同図(c)に示すように、メモリバンク(4)(5)(6)(7)に割り当てられて処理される。その結果、バッファメモリ131は、メモリバンク(1)〜(7)に画像データが割り当てられた使用状態となる。
【0044】
このようにメモリバンク(1)〜(7)が使用されている
図10(a)に示す状態で、同図(b)に示すように前回と同様に(
図9(b)と同様に)優先順位「シーン(5)、シーン(6)、シーン(3)・・・」が設定されたとする。すると、空きバンク数は「10−7=3」であるが、優先順位「1」であるシーン(5)の使用バンク数は「8」であり、優先順位「2」であるシーン(6)の使用バンク数は「4」であるから、優先順位「1」のシーン(5)のみならず、優先順位「2」のシーン(6)も選択されない。そして、空きバンク数「3」以内を使用バンク数とし優先度が最も高いシーンモードは、優先順位「3」で「1bank」の「シーン(3)」であるから、「シーン(3)」が選択される。したがって、このタイミングでシャッターキー操作による撮影指示がなされると、1枚分の画像データが取り込まれ、同図(c)に示すように、メモリバンク(8)に割り当てられて処理される。その結果、バッファメモリ131は、メモリバンク(1)〜(8)に画像データが割り当てられた使用状態となる。
【0045】
また、処理時間の経過に伴って、メモリバンク(1)〜(8)に割り当てられている画像データが全て不要画像データとなると、これらは全て削除許可状態になる。その結果、
図11(a)に示すように、全てのメモリバンク(1)〜(10)が空き状態となる。このとき、同図(b)に示すように優先順位「シーン(5)、シーン(6)、シーン(3)・・・」が設定されたとする。すると、空きバンク数は「10」であり、優先順位「1」であるシーン(5)の使用バンク数は「8」であるから、空きバンク数「10」以内を使用バンク数とし優先度が最も高いシーンモードは「シーン(5)」となる。したがって、「シーン(5)」が選択される。そして、このタイミングでシャッターキー操作による撮影指示がなされると、8枚分の画像データが取り込まれ、同図(c)に示すように、メモリバンク(1)〜(8)に割り当てられて処理される。
【0046】
また、処理時間の経過に伴って、メモリバンク(1)〜(8)に割り当てられている画像データのうち、メモリバンク(1)に割り当てられている画像データのみが不要画像データとなると、
図12(a)に示すように、メモリバンク(1)は空き状態となり、その結果計3個のメモリバンク(1)(9)(10)が空き状態となる。
【0047】
このとき、同図(b)に示すように優先順位「シーン(1)、シーン(2)、シーン(3)・・・」が設定されたとする。すると、空きバンク数は「3」であり、優先順位「1」であるシーン(1)の使用バンク数は「3」であるから、空きバンク数「3」以内を使用バンク数とし優先度が最も高いシーンモードは「シーン(1)」となる。したがって、「シーン(1)」が選択される。そして、このタイミングでシャッターキー操作による撮影指示がなされると、3枚分の画像データが取り込まれ、同図(c)に示すように、メモリバンク(1)、(9)(10)に割り当てられて処理される。その結果、全てのメモリバンク(1)〜(10)に画像データが割り当てられて、バッファメモリ131は満杯の状態となる。
【0048】
また、処理時間の経過に伴って、メモリバンク(1)〜(10)に割り当てられている画像データのうち、メモリバンク(5)〜(8)に割り当てられている画像データが不要画像データとなると、同図(d)に示すように、4個のメモリバンク(5)〜(8)が空き状態となり、使用可能なメモリバンク数は4個となる。
【0049】
以上のように、画像データが割り当てられていない空き状態のメモリバンク数を常時検出し、検出した空きバンクの数以内の撮像回数であって、より優先順位の高いシーンモードで撮影し、画像処理を実行し、空きバンクに割り当てて一時記憶した画像データを、DSP/CPU3により処理して圧縮し、最終的には所定のフォーマットの画像ファイルとしてメモリ・カード16に記録する(ステップS110)。
【0050】
したがって、本実施の形態によれば、より優先順位の高いシーンモードでの撮影により画質の改善を図りつつ、空きバンク数以内のシーンモードでの撮影によりシャッターチャンスを逃すことなく、撮像して記録することができる。
【0051】
なお、実施の形態においては、本発明をデジタルカメラ単体に適用した場合を示したが、デジタルカメラを内蔵する携帯電話等のデジタルカメラを具備する機器にも本発明を適用することができる。
1.本実施形態では、全てのシーンを評価して優先順位を付けるようにしたが、空きバンク数以内のシーンについてのみ評価して優先順位を付けるようにしたり、優先順位を付けることなく空きバンク数以内のシーンについてのみ評価して最も評価の高いシーンを選択するようにしてもよい。このようにすれば、優先順位を付けるための処理を簡単化して、全体の処理速度を高めることができる。
2.本実施形態では、シーンを自動選択するようにしたが、ユーザが所望のシーンをキー操作により選択(マニュアル選択)することで、そのシーンの撮影枚数分の撮影が行えるようにする。そして、このマニュアル選択された撮影を行うのに必要な分の空きバンクがない場合に、空きバンク数以内で最良(類似)のシーンに自動的に変更して撮影を行うようにしてもよい。
3.予め撮影回数が異なる類似の複数シーンを関連付けて記憶(グループ化)しておき、自動又は手動で選択したシーンの撮影が空きバンク不足により不可能になった場合に、そのシーンと関連付けて記憶されている撮影回数の少ないシーンに自動的に変更して撮影を行うようにしてもよい。この場合、各シーンの評価や優先順位付けが不要になり、全体の処理速度を高めることができる。
【0052】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
【0053】
以下に、本出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0054】
<請求項1>
撮像指示に応答して動作し被写体を撮像して、画像データを出力する撮像手段と、
予め定められた複数の記憶領域を有し、前記撮像手段から出力された画像データに要する処理が完了するまで、当該画像データを各記憶領域に割り当てて一時的に記憶する記憶手段と、
この記憶手段において前記画像データが割り当てられていない空き記憶領域の数を検出する検出手段と、
異なる撮像回数で前記撮像手段を動作させる複数種の制御形態の中から、前記検出手段により検出された空き記憶領域の数以内の撮像回数である制御形態を選択する制御形態選択手段と、
この制御形態選択手段により選択された制御形態に基づき、前記撮像手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【0055】
<請求項2>
前記制御形態選択手段は、
前記被写体の撮像に関連する情報に基づき、前記複数種の制御形態の中から、前記検出手段により検出された空き記憶領域の数以内の撮像回数である制御形態を選択することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【0056】
<請求項3>
前記制御形態選択手段は、
前記被写体の撮像に関連する情報に基づき、前記複数種の制御形態に対し優先順位を設定する優先順位設定手段を含み、
前記検出手段により検出された空き記憶領域の数以内の撮像回数であって、前記優先順位設定手段により設定された優先順位のより高い制御形態を選択することを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【0057】
<請求項4>
前記被写体の撮像に関連する情報は数値で表され、前記優先順位設定手段は、前記数値に基づき前記複数種の制御形態に対し優先順位を設定することを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【0058】
<請求項5>
前記被写体の撮像に関連する情報は複数であり、各情報が数値で表され、前記優先順位設定手段は、前記各情報の数値を用いた演算により前記複数種の制御形態に対し優先順位を設定することを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【0059】
<請求項6>
前記演算とは、各数値の乗算であることを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
【0060】
<請求項7>
前記制御形態選択手段は、
前記複数種の制御形態の中から任意の制御形態を手動選択する第1の制御形態選択手段と、
前記複数種の制御形態の中から、前記検出手段により検出された空き記憶領域の数以内の撮像回数である制御形態を自動選択する第2の制御形態選択手段と
を含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の撮像装置。
【0061】
<請求項8>
前記複数種の制御形態を関連付けて記憶する制御形態記憶手段をさらに備え、
前記制御形態選択手段は、
前記複数種の制御形態の中から1つの制御形態を選択する第1の制御形態選択手段と、
前記複数種の制御形態の中から前記第1の制御形態選択手段により選択された制御形態と関連付けて前記制御形態記憶手段に記憶されている制御形態を選択することにより、前記検出手段により検出された空き記憶領域の数以内の撮像回数である制御形態を選択する第2の制御形態選択手段と
を含むことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【0062】
<請求項9>
撮像指示に応答して動作し被写体を撮像して、画像データを出力する撮像手段と、予め定められた複数の記憶領域を有し、前記撮像手段から出力された画像データに要する処理が完了するまで、当該画像データを各記憶領域に割り当てて一時的に記憶する記憶手段とを備えた装置が有するコンピュータを、
前記記憶手段において前記画像データが割り当てられていない空き記憶領域の数を検出する検出手段と、
異なる撮像回数で前記撮像手段を動作させる複数種の制御形態の中から、前記検出手段により検出された空き記憶領域の数以内の撮像回数である制御形態を選択する制御形態選択手段と、
この制御形態選択手段により選択された制御形態に基づき、前記撮像手段を制御する制御手段と、
して機能させることを特徴とする撮像プログラム。
【0063】
<請求項10>
撮像指示に応答して動作し被写体を撮像して、画像データを出力する撮像手段と、予め定められた複数の記憶領域を有し、前記撮像手段から出力された画像データに要する処理が完了するまで、当該画像データを各記憶領域に割り当てて一時的に記憶する記憶手段を備えた装置における撮像方法であって、
前記記憶手段において前記画像データが割り当てられていない空き記憶領域の数を検出する検出ステップと、
異なる撮像回数で前記撮像手段を動作させる複数種の制御形態の中から、前記検出ステップにより検出された空き記憶領域の数以内の撮像回数である制御形態を選択する制御形態選択ステップと、
この制御形態選択ステップにより選択された制御形態に基づき、前記撮像手段を制御する制御ステップと、
を含むことを特徴とする撮像方法。