特許第6094041号(P6094041)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6094041
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】駆動装置、投影装置及び負荷駆動方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20170306BHJP
   H05B 37/02 20060101ALI20170306BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   H01L33/00 J
   H05B37/02 H
   G03B21/14 A
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-51504(P2012-51504)
(22)【出願日】2012年3月8日
(65)【公開番号】特開2013-187363(P2013-187363A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2015年3月2日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】濱中 秀雄
【審査官】 佐藤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−295677(JP,A)
【文献】 特開2012−038781(JP,A)
【文献】 特開2005−309286(JP,A)
【文献】 特開2005−292502(JP,A)
【文献】 特開2006−317935(JP,A)
【文献】 特開2006−352011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の負荷と第2の負荷を含む複数の負荷と、
複数の出力レベル信号を出力するコントローラと、
前記コントローラによって出力される前記複数の出力レベル信号に基づく出力を前記複数の負荷にそれぞれ供給するドライバと、
を備え、
前記コントローラが、前記第1の負荷の駆動の開始に同期して前記第2の負荷の駆動を停止させる切換期間において、前記第1の負荷の駆動開始時の立ち上がり特性に合わせて、前記第2の負荷の駆動停止時の立ち下がり特性を鈍化させるように制御し、
前記複数の負荷の電流が前記コントローラに帰還され、
前記コントローラが、前記第1の負荷を駆動開始時の電流に基づいて、前記第2の負荷の駆動停止時の立ち下がり特性を鈍化させるように制御をすることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記出力レベル信号として段階的に漸減する信号を前記ドライバに出力することにより、前記立ち下がり特性を鈍化させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記第1の負荷と前記第2の負荷は、それぞれ第1の発光素子と第2の発光素子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動装置。
【請求項4】
1の発光素子と第2の発光素子を含む複数の発光素子と、
複数の出力レベル信号を出力するコントローラと、
当該駆動装置は、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の発光強度を検出する複数の光検出器と、
前記コントローラによって出力される前記複数の出力レベル信号に基づく出力を前記複数の発光素子にそれぞれ供給するドライバと、
を備え、
前記コントローラが、前記第1の発光素子の駆動の開始に同期して前記第2の発光素子の駆動を停止させる切換期間において、前記第1の発光素子の駆動開始時の立ち上がり特性に合わせて、前記第2の発光素子の駆動停止時の立ち下がり特性を鈍化させるように制御し、
前記コントローラが、前記第1の発光素子を駆動開始時の前記光検出器の出力に基づいて、前記第2の発光素子の駆動停止時の立ち下がり特性を鈍化させるように制御をすることを特徴とする駆動装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記出力レベル信号として段階的に漸減する信号を前記ドライバに出力することにより、前記立ち下がり特性を鈍化させるように制御することを特徴とする請求項に記載の駆動装置。
【請求項6】
請求項からの何れか一項に記載の駆動装置を備える投影装置。
【請求項7】
前記切換期間に、映像が投影されることを特徴とする請求項に記載の投影装置。
【請求項8】
第1の負荷と第2の負荷を含む複数の負荷と、
複数の出力レベル信号を出力するコントローラと、
前記コントローラによって出力される前記複数の出力レベル信号に基づく出力を前記複数の負荷にそれぞれ供給するドライバと、
を備える装置の負荷駆動方法であって、
前記コントローラが、前記第1の負荷の駆動の開始に同期して前記第2の負荷の駆動を停止させる切換期間において、前記第1の負荷の駆動開始時の立ち上がり特性に合わせて、前記第2の負荷の駆動停止時の立ち下がり特性を鈍化させるように制御し、
前記複数の負荷の電流が前記コントローラに帰還され、
前記コントローラが、前記第1の負荷を駆動開始時の電流に基づいて、前記第2の負荷の駆動停止時の立ち下がり特性を鈍化させるように制御をすることを特徴とする負荷駆動方法。
【請求項9】
第1の発光素子と第2の発光素子を含む複数の発光素子と、
複数の出力レベル信号を出力するコントローラと、
当該駆動装置は、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の発光強度を検出する複数の光検出器と、
前記コントローラによって出力される前記複数の出力レベル信号に基づく出力を前記複数の発光素子にそれぞれ供給するドライバと、
を備える装置の負荷駆動方法であって、
前記コントローラが、前記第1の発光素子の駆動の開始に同期して前記第2の発光素子の駆動を停止させる切換期間において、前記第1の発光素子の駆動開始時の立ち上がり特性に合わせて、前記第2の発光素子の駆動停止時の立ち下がり特性を鈍化させるように制御し、
前記コントローラが、前記第1の発光素子を駆動開始時の前記光検出器の出力に基づいて、前記第2の発光素子の駆動停止時の立ち下がり特性を鈍化させるように制御をすることを特徴とする負荷駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置、投影装置及び負荷駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードのドライバは、発光ダイオードを所望のレベルの電流で定電流駆動するものである。そのようなドライバには、スイッチングレギュレータ、カレントミラー回路等の定電流回路が利用される(例えば、特許文献1(図14図15図16図24図25)参照)。また、定電流回路を利用した電流可変式のドライバも発光ダイオードの駆動のために用いられ(例えば、特許文献1(図14図15図16)参照)、特許文献1に記載の電流値可変式定電流回路(20)が電流可変式のドライバである。具体的には、出力電流の目標値を表す制御信号が電流可変式のドライバに入力され、そのドライバは電源電圧を利用して制御信号を増幅して、増幅された信号を出力電流として発光ダイオードに出力する(特許文献1(図14図15図16)参照)。
【0003】
1つのドライバによって出力電流を複数の発光ダイオードに順次供給する場合、ドライバと複数の発光ダイオードとの間に切換スイッチが設けられ、これら発光ダイオードが切換スイッチによって順次選択される。この場合、ドライバに入力される制御信号のレベルが発光ダイオードの選択に同期して切り換えられ、これにより、ドライバの出力電流のレベルが発光ダイオードの選択に同期して切り換えられる(例えば、特許文献1(図14図15図16)参照)。これにより、複数の発光ダイオードが別々の強度で順次発光する。このような複数の発光ダイオードが順次発光するシステムは、投影装置等の光源に利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−311635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ドライバの出力電流には、ドライバに入力される制御信号に対する応答遅れが生じる。つまり、制御信号が立ち上がると出力電流も立ち上がるが、出力電流が定常状態になるまでに時間を要し、出力電流の立ち上がり時間は制御信号の立ち上がり時間よりも長くなってしまう。制御信号が立ち下がる際にも同様に出力電流の応答遅れが生じるが、出力電流の立ち上がり時の応答遅れは、出力電流の立ち下がり時の応答遅れよりも顕著に現れる。
【0006】
そのため、ある光源の立ち下がりに同期して、別の光源を立ち上げるように、複数の光源を駆動するような場合において、両光源の切換期間に、立ち下がり特性と立ち上がり特性が異なるために、輝度低下等の現象が発生する。
上記現象を解決するためには、立ち下がり特性と同程度に立ち上がり特性を高速化することが望ましいが、そのためには、回路が複雑化してしまうという問題がある。また、立ち上がり特性の高速化にも限界があった。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、各負荷の切換期間において、負荷の出力が低くならないようにバランスよく切り換えることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するために、本発明に係る駆動装置は、第1の負荷と第2の負荷を含む複数の負荷と、複数の出力レベル信号を出力するコントローラと、前記コントローラによって出力される前記複数の出力レベル信号に基づく出力を前記複数の負荷にそれぞれ供給するドライバと、を備え、前記コントローラが、前記第1の負荷の駆動の開始に同期して前記第2の負荷の駆動を停止させる切換期間において、前記第1の負荷の駆動開始時の立ち上がり特性に合わせて、前記第2の負荷の駆動停止時の立ち下がり特性を鈍化させるように制御し、前記複数の負荷の電流が前記コントローラに帰還され、前記コントローラが、前記第1の負荷を駆動開始時の電流に基づいて、前記第2の負荷の駆動停止時の立ち下がり特性を鈍化させるように制御をする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の負荷の立ち下げと立ち上げを同期して切り換える切換期間において、負荷の出力が低下しないようにバランスよく切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施の形態に係るシーケンシャルカラー発光装置の回路図である。
図2】同シーケンシャルカラー発光装置の各部の信号波形を示したタイミングチャートである。
図3】第2の実施の形態に係るシーケンシャルカラー発光装置の回路図である。
図4】第3の実施の形態に係るシーケンシャルカラー発光装置の回路図である。
図5】投影装置の光学ユニットを示した平面図である。
図6】投影装置の光学ユニットを示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0013】
〔第1の実施の形態〕
図1は、シーケンシャルカラー発光装置1の回路図である。図2は、シーケンシャルカラー発光装置1の各部の信号波形を示したタイミングチャートである。
【0014】
このシーケンシャルカラー発光装置1は、コントローラ3、ドライバ4R,4G,4R、発光素子5R,5G,5B及び抵抗器6R,6G,6Bを備える。
【0015】
コントローラ3、ドライバ4R,4G,4R、発光素子5R,5G,5B及び抵抗器6R,6G,6Bからなる回路が駆動装置2であり、この駆動装置2がシーケンシャルカラー発光装置1に適用されることによって、発光素子5R,5G,5Bが駆動装置2によって駆動される。具体的には、発光素子5R,5G,5Bが駆動装置2によって順次繰り返し点灯される。
【0016】
負荷の一例として発光素子5R,5G,5Bを挙げるが、発光素子5R,5G,5B以外の3つの負荷(例えば、モータ)を順次作動するために駆動装置2を用いてもよい。
【0017】
発光素子5R,5G,5Bは発光ダイオード、有機EL素子、半導体レーザーその他の半導体発光素子である。発光素子5R,5G,5Bの発光色を特定の色に限定するものではなく、発光素子5R,5G,5Bの発光色を可視光帯域の色に限定するものでもない。
【0018】
発光素子5R,5G,5Bのうち1つ以上が可視光帯域外の光(例えば、紫外線又は赤外線)を発するものとしてもよい。発光素子5R,5G,5Bの全てが可視光を発するものとしてもよい。発光素子5R,5G,5Bのうち1つ以上が紫外線を発するものであれば、紫外線が蛍光体によって可視光に変換されてもよい。
発光素子5R,5G,5Bの発光色は互いに異なることが好ましい。例えば、発光素子5R,5G,5Bはそれぞれ赤色光、緑色光、青色光を発するか、又はそれぞれ赤色光、紫外線(但し、その紫外線は蛍光体によって緑色光に変換されることが好ましい。)、青色光を発する。
また、発光素子5R,5G,5Bのうち2つ又は3つが同じ色を発するものとしてもよい。例えば、発光素子5Rが赤色光を発し、発光素子5G,5Bが青色光を発し、発光素子5Gから発した青色光が蛍光体によって緑色光に変換される。
以下では、発光素子5R,5G,5Bの発光色がそれぞれ赤色、緑色、青色であるとして説明する。
【0019】
発光素子5R,5G,5Bのアノードはそれぞれドライバ4R,4G,4Bの出力端子に接続される。ドライバ4R,4G,4Bの出力電流Iout1,Iout2,Iout3がそれぞれ発光素子5R,5G,5Bに供給されるとともに、ドライバ4R,4G,4Bの出力電圧Vout1,Vout2,Vout3がそれぞれ発光素子5R,5G,5Bに供給される。
【0020】
発光素子5R,5G,5Bのカソードはそれぞれ抵抗器6R,6G,6Bを介してグランドに接続されている。抵抗器6R,6G,6Bはそれぞれ発光素子5R,5G,5Bの電流(ドライバ4R,4G,4Bの出力電流Iout1,Iout2,Iout3)の検出のためのものである。
【0021】
コントローラ3は、周期が互いに等しい選択信号S1,S2,S3をドライバ4R,4G,4Bにそれぞれ出力する。図2に示すように、コントローラ3は、選択信号S1,S2,S3を順次繰り返して立ち上げるとともに、選択信号S1,S2,S3を順次繰り返して立ち下げる。具体的には、コントローラ3は、選択信号S3の立ち上げ後であって選択信号S2の立ち下げ後に選択信号S1を立ち上げ、選択信号S1の立ち上げ後であって選択信号S3の立ち下げ後に選択信号S2を立ち上げ、選択信号S2の立ち上げ後であって選択信号S1の立ち下げ後に選択信号S3を立ち上げる。従って、選択信号S1がオンレベル(ハイレベル)となる期間Prの初期は選択信号S3がオンレベルとなる期間Pbの終期に重なり、選択信号S2がオンレベルとなる期間Pgの初期は選択信号S1がオンレベルとなる期間Prの終期に重なり、選択信号S3がオンレベルとなる期間Pbの初期は選択信号S2がオンレベルとなる期間Pgの終期に重なる。
【0022】
選択信号S1がオンレベルとなる期間Prを選択期間Prといい、選択信号S2がオンレベルとなる期間Pgを選択期間Pgといい、選択信号S3がオンレベルとなる期間Pbを選択期間Pbという。選択期間Prと選択期間Pgが重複した期間Pyを重複期間Pyといい、選択期間Pgと選択期間Pbが重複した期間Pcを重複期間Pcといい、選択期間Pbと選択期間Prが重複した期間Pmを重複期間Pmという。また、選択信号S1,S2,S3のうち選択信号S1のみがオンレベルとなる期間P1を非重複期間P1といい、選択信号S2のみがオンレベルとなる期間P2を非重複期間P2といい、選択信号S3のみがオンレベルとなる期間P3を非重複期間P3という。非重複期間P1,P2,P3は、それぞれ、選択期間Pr,Pg,Pbの中期である。
【0023】
非重複期間P1,P2,P3は、重複期間Py,Pc,Pmよりも長いことが好ましい。また、選択期間Pr,Pg,Pbの長短は特に限定するものではないが、各各発光素子の輝度バランスによって、後述の出力レベルとともに、ホワイトバランスが保たれるように決められる。例えば、選択期間Pr,Pg,Pbが互いに等しい長さでもよいし、選択期間Pr,Pg,Pbが互いに異なる長さでもよい。また、選択期間Pr,Pg,Pbのうち何れか2つの期間が、互いに等しい長さで、他の期間と異なる長さであってもよい。
【0024】
コントローラ3は、出力レベル信号A1,A2,A3をドライバ4R,4G,4Bにそれぞれ出力する。出力レベル信号A1,A2,A3は、それぞれ、ドライバ4R,4G,4Bの出力電流Iout1,Iout2,Iout3の目標値を表す。つまり、出力レベル信号A1,A2,A3は、それぞれ発光素子5R,5G,5Bの発光強度の目標値を表す。
【0025】
ここで、コントローラ3は、重複期間Pm及び非重複期間P1において出力レベル信号A1を高レベルで一定にし、重複期間Pyにおいて出力レベル信号A1を高レベルから低レベルに漸減させ、非重複期間P2、重複期間Pc及び非重複期間P3において出力レベル信号A1を低レベルである0で一定にする。コントローラ3は、重複期間Py及び非重複期間P2において出力レベル信号A2を高レベルで一定にし、重複期間Pcにおいて出力レベル信号A2を高レベルから低レベルに漸減させ、非重複期間P3、重複期間Pm及び非重複期間P1において出力レベル信号A1を低レベルである0で一定にする。コントローラ3は、重複期間Pc及び非重複期間P3において出力レベル信号A3を高レベルで一定にし、重複期間Pmにおいて出力レベル信号A3を高レベルから低レベルに漸減させ、非重複期間P1、重複期間Py及び非重複期間P2において出力レベル信号A1を低レベルである0で一定にする。
【0026】
出力レベル信号A1,A2,A3のレベルを漸減させる際には、これらの出力レベル信号A1,A2,A3を段階的に低下させる。これは、出力レベル信号A1,A2,A3がコントローラ3に内蔵されたD/Aコンバータの出力信号であるためである。
【0027】
コントローラ3は論理回路を有し、上述のような出力レベル信号A1,A2,A3のレベル変化がその論理回路によってコントローラ3にプログラミングされていることによって、コントローラ3が出力レベル信号A1,A2,A3を出力する。或いは、コントローラ3は出力レベル信号A1,A2,A3のレベル変化を表すプログラムを記憶した演算処理回路(コンピュータ)を有し、その演算処理回路がそのプログラムに従って動作することによってコントローラ3が上述のような出力レベル信号A1,A2,A3を出力する。
【0028】
ドライバ4R,4G,4Bには、入力電圧Vinが入力される。
ドライバ4R,4G,4Bは、コントローラ3によって作動・停止される。具体的には、ドライバ4R,4G,4Bは、それぞれ選択信号S1,S2,S3がオンレベルである選択期間Pr,Pg,Pb中に作動し、それぞれ選択信号S1,S2,S3がオフレベルである非選択期間中に停止する。つまり、選択信号S1,S2,S3は、それぞれドライバ4R,4G,4B(詳細には後述する定電流制御部12R,12G,12B)に対するイネーブル信号である。
【0029】
ドライバ4Rは、選択期間Pr中において直流の入力電圧Vinを直流の出力電圧Vout1に変換することによって、出力レベル信号A1を出力電流Iout1に増幅してその出力電流Iout1を発光素子5Rに出力する。一方、選択信号S1がオフレベルである非選択期間中は、ドライバ4Rが停止するので、出力電流Iout1及び出力電圧Vout1がゼロになる。
【0030】
選択期間Prの開始の際に出力レベル信号A1が立ち上がると、出力電流Iout1も立ち上がる。出力レベル信号A1の立ち上がりに対する出力電流Iout1の立ち上がりには応答遅れが生じ、出力電流Iout1の立ち上がり時間は出力レベル信号A1の立ち上がり時間よりも長い。そのため、選択期間Prの初期(重複期間Pm)において、出力電流Iout1がゼロから高レベルへ漸増する。これは、ドライバ4Rの回路特性に起因する。
【0031】
一方、出力電流Iout1の立ち下がりの応答遅れは、出力電流Iout1の立ち上がりの応答遅れ程顕著に現れない。通常、出力レベル信号A1を立ち上がりと同様の急峻な波形で立ち下げてしまうと、出力電流Iout1が高レベルから高速に(急峻に)立ち下がり、立ち上がりの特性とアンバランスになってしまう。しかし、本実施形態では、図2に示すように、選択期間Prの終期(重複期間Py)において、出力電流Iout1が高レベルからゼロへ漸減するように、出力レベル信号A1を漸減させる。
【0032】
ドライバ4Rと同様に、ドライバ4G,4Bも、それぞれ、選択期間Pg,Pb中において出力レベル信号A2,A3を出力電流Iout2,Iout3に増幅して、出力電流Iout2,Iout3を発光素子5G,5Bに出力する。
【0033】
ドライバ4R,4G,4Bは、スイッチング電源(スイッチングレギュレータ又はDC−DCコンバータともいう。)である。
ドライバ4Rについて説明する。ドライバ4Rは、スイッチング素子11R、定電流制御部12R及び平滑回路13Rを有する。
【0034】
スイッチング素子11Rは、Pチャネル型又はNチャネル型の電界効果トランジスタである。スイッチング素子11Rのソースとドレインのうちの一方の電極が入力電圧Vinの電源に接続され、他方の電極が平滑回路13Rの入力端子に接続されている。平滑回路13Rの出力端子はドライバ4Rの出力端子であり、その出力端子が第一発光素子5Rのアノードに接続されている。
【0035】
平滑回路13Rは環流ダイオード14R、インダクタ15R及びキャパシタ16Rを有する。環流ダイオード14Rのアノードが接地されている。環流ダイオード14Rのカソード及びインダクタ15Rの一端は、平滑回路13Rの入力端子であるとともに、スイッチング素子11Rのソースとドレインのうちの他方の電極に接続されている。インダクタ15Rの他端及びキャパシタ16Rの一方の電極は、平滑回路13Rの出力端子であるとともに、第一発光素子5Rのアノードに接続されている。キャパシタ16Rの他方の電極は、接地されている。
【0036】
スイッチング素子11Rのゲートが定電流制御部12Rに接続され、定電流制御部12Rの出力信号(PWM信号)に基づきスイッチング素子11Rがオン・オフする。定電流制御部12Rの出力信号のオン・オフの周期は選択信号S1,S2,S3の周期よりも短い。つまり、スイッチング素子11Rは、選択期間Pr中において繰り返してオン・オフし、定電流制御部12Rの出力信号のオン・オフの周期は、非重複期間P1,P2,P3及び重複期間Py,Pc,Pmよりも短い。
【0037】
スイッチング素子11Rがオン・オフすることによって入力電圧Vinのチョッパ(切り刻み)が行われ、スイッチング素子11Rの出力が平滑回路13Rに入力されて平滑回路13Rによって平滑化されて、ドライバ4Rの出力電圧Vout1として出力される。
【0038】
具体的には、スイッチング素子11Rがオンであると、入力(入力電圧Vinの電源)からスイッチング素子11R及びインダクタ15Rを経由してドライバ4Rの出力端子へ流れる電流によってインダクタ15Rにエネルギーが蓄えられる。その後、スイッチング素子11Rがオフになると、インダクタ15Rが誘導起電力を発生させて環流ダイオード14Rが導通し、接地から環流ダイオード14R及びインダクタ15Rを経由してドライバ4Rの出力へ流れる電流が発生し、インダクタ15Rに蓄えられたエネルギーが放出される。これにより、入力電圧Vinが出力電圧Vout1に変換され、出力電圧Vout1及び出力電流Iout1が第一発光素子5Rに供給される。出力電圧Vout1の脈動は、スイッチング素子11Rのオン・オフ切換時のキャパシタ16Rの充電・放電によって小さくなる。
【0039】
抵抗器6Rは、第一発光素子5Rの電流を抵抗器6Rの両端の電圧に変換するものである。つまり、抵抗器6Rの両端の電圧の差分に応じた第一発光素子5Rの電流が抵抗器6Rにも流れ、抵抗器6Rの両端の電圧が定電流制御部12Rに帰還されることによって、抵抗器6Rの両端の電圧の差分に応じた第一発光素子5Rの電流が定電流制御部12Rに帰還される。なお、抵抗器6Rがドライバ4Rの出力端子と第一発光素子5Rとの間に設けられ、出力電流Iout1が定電流制御部12Rに帰還されてもよい。
【0040】
定電流制御部12Rには、入力電圧Vinが電源電圧として供給される。また、定電流制御部12Rには、選択信号S1が入力される。定電流制御部12Rは選択信号S1に基づいて作動・停止する。具体的には、選択信号S1がオンレベルであると、定電流制御部12Rが有効になって作動し、選択信号S1がオフレベルであると、定電流制御部12Rが無効になって停止する。
【0041】
定電流制御部12Rは、作動中にフィードバック制御を行う。具体的には、定電流制御部12Rは、帰還した出力電流Iout1と出力レベル信号A1とに基づいたデューティ比のPWM信号を生成して、そのPWM信号をスイッチング素子11Rのゲートに出力する。これにより、定電流制御部は、出力レベル信号A1のレベルに応じた目標値に出力電流Iout1を近似させて、出力電流Iout1をその目標値に維持するような定電流制御を行う。
【0042】
一方、定電流制御部12Rは、停止中にPWM信号をスイッチング素子11Rのゲートに出力しない。つまり、定電流制御部12Rの停止中(選択期間Prを除く期間)、スイッチング素子11Rがオフであり、出力電流Iout1及び出力電圧Vout1がゼロである。
【0043】
同様に、ドライバ4Gは、スイッチング素子11G、定電流制御部12G及び平滑回路13G(環流ダイオード14G、インダクタ15G及びキャパシタ16Gからなる)を有する。ドライバ4Bは、スイッチング素子11B、定電流制御部12B及び平滑回路13B(環流ダイオード14B、インダクタ15B及びキャパシタ16Bからなる)を有する。ドライバ4G,4Bの構成要素の機能と回路構成は、ドライバ4Rの構成要素の機能と回路構成と同様である(図1参照)。
【0044】
続いて、シーケンシャルカラー発光装置1の動作について説明する。
選択期間Prの開始時に、選択信号S1及び出力レベル信号A1がコントローラ3によって立ち上げられ、定電流制御部12Rがフィードバック制御による定電流制御を開始する。そうすると、選択期間Prの初期(重複期間Pm)では、ドライバ4Rの出力電流Iout1が過渡状態であり、ドライバ4Rの出力電流Iout1が時間の経過に伴ってゼロから高レベルに上昇する。そのため、第一発光素子5Rが発光して、その発光強度が時間の経過に伴って上昇する。
【0045】
また、重複期間Pmでは、選択信号S3がコントローラ3によってオンレベルにされている。更に、重複期間Pmの開始時に出力レベル信号A3の漸減が開始し、重複期間Pmでは、出力レベル信号A3が時間の経過に伴ってコントローラ3によって低下される。重複期間Pmでは、定電流制御部12Bがフィードバック制御による定電流制御を行っているので、ドライバ4Bの出力電流Iout3が時間の経過に伴って低下する。そのため、第三発光素子5Bの発光強度が時間の経過に伴って低下する。重複期間Pmにおいて、発光素子5B,5Rの光が混色されると、混色光の色はマゼンタである。
【0046】
その後、選択期間Pbの終了時に、選択信号S3がコントローラ3によって立ち下げられ、定電流制御部12Bが停止して定電流制御を終了する。そうすると、ドライバ4Bの出力電流Iout3がゼロになり、第三発光素子5Bが消灯する。その後、非重複期間P1中も定電流制御部12Rが定電流制御を行い、ドライバ4Rの出力電流Iout1が定常状態になって安定し、第一発光素子5Rが一定強度で発光する。なお、重複期間Pm及び非重複期間P1中、選択信号S2がオフレベルであるから、定電流制御部12Gが停止しており、ドライバ4Gの出力電流Iout2がゼロであるから、第二発光素子5Gが消灯している。
【0047】
その後、選択期間Pgの開始時に、選択信号S2及び出力レベル信号A2がコントローラ3によって立ち上げられ、定電流制御部12Gがフィードバック制御による定電流制御を開始する。そうすると、選択期間Pgの初期(重複期間Py)では、ドライバ4Gの出力電流Iout2が過渡状態であり、ドライバ4Gの出力電流Iout2が時間の経過に伴ってゼロから高レベルに上昇する。そのため、第二発光素子5Gが発光して、その発光強度が時間の経過に伴って上昇する。
【0048】
また、重複期間Pyの開始時に出力レベル信号A1の漸減が開始し、重複期間Pyでは、出力レベル信号A1が時間の経過に伴ってコントローラ3によって低下され、ドライバ4Rの出力電流Iout1が時間の経過に伴って低下する。そのため、第一発光素子5Rの発光強度が時間の経過に伴って低下する。重複期間Pyにおいて、発光素子5R,5Gの光が混色されると、混色光の色はイエローである。
【0049】
その後、選択期間Prの終了時に、選択信号S1がコントローラ3によって立ち下げられ、定電流制御部12Rが停止して定電流制御を終了する。そうすると、ドライバ4Rの出力電流Iout1がゼロになり、第一発光素子5Rが消灯する。その後、非重複期間P2中も定電流制御部12Gが定電流制御を行い、ドライバ4Gの出力電流Iout2が定常状態になって安定し、第二発光素子5Gが一定強度で発光する。
【0050】
その後、選択期間Pbの開始時に、選択信号S3及び出力レベル信号A3がコントローラ3によって立ち上げられ、定電流制御部12Bがフィードバック制御による定電流制御を開始する。そうすると、選択期間Pbの初期(重複期間Pc)では、ドライバ4Bの出力電流Iout3が過渡状態であり、ドライバ4Bの出力電流Iout3が時間の経過に伴ってゼロから高レベルに上昇する。そのため、第三発光素子5Bが発光して、その発光強度が時間の経過に伴って上昇する。
【0051】
また、重複期間Pcの開始時に出力レベル信号A2の漸減が開始し、重複期間Pcでは、出力レベル信号A2が時間の経過に伴ってコントローラ3によって低下され、ドライバ4Gの出力電流Iout2が時間の経過に伴って低下する。そのため、第二発光素子5Gの発光強度が時間の経過に伴って低下する。重複期間Pcにおいて、発光素子5G,5Bの光が混色されると、混色光の色はシアンである。
【0052】
その後、選択期間Pgの終了時に、選択信号S2がコントローラ3によって立ち下げられ、定電流制御部12Gが停止して定電流制御を終了する。そうすると、ドライバ4Gの出力電流Iout2がゼロになり、第二発光素子5Gが消灯する。その後、非重複期間P3中も定電流制御部12Bが定電流制御を行い、ドライバ4Bの出力電流Iout3が定常状態になって安定し、第三発光素子5Bが一定強度で発光する。
【0053】
以上のように説明した点灯制御動作が繰り返される。
【0054】
以上のように、重複期間Pmでは、出力電流Iout1が回路特性により出力レベル信号A1の立ち上がりに対して遅れて立ち上がり、第一発光素子5Rの発光強度が低い。その重複期間Pm中の出力レベル信号A3を漸減させる(立ち下がり特性を鈍化させる)ことによって、出力電流Iout3の立ち下がりを積極的に遅らせ、第三発光素子5Bを徐々に消灯させる。そのため、第一発光素子5Rの漸増する光を第三発光素子5Bの漸減する光で補強することができる。しかも、この重複期間Pm中に第一発光素子5Rの発光強度や出力電流Iout1が回路特性により漸増するのに合わせて、第三発光素子5Bの発光強度や出力電流Iout3を積極的に漸減させるから、発光素子5B,5Rの発光強度の和が大きく低下したり、大きく増加したりすることなく、安定させることができる。よって、この重複期間Pmの発光素子5B,5Rの光を有効利用することができる。重複期間Py,Pcについても同様である。
【0055】
選択期間Pbの終期(重複期間Pm)では、出力レベル信号A3を漸減させることによって、出力電流Iout3も漸減し、第三発光素子5Bの発光強度も漸減する。選択期間Pb後に第三発光素子5Bは消灯し、第三発光素子5Bの不要な発光を抑えることができる。選択期間Py,Pb後についても同様である。
【0056】
〔第2の実施の形態〕
図3は、本発明の第2実施形態に係るシーケンシャルカラー発光装置1Aの回路図である。このシーケンシャルカラー発光装置1Aも、第1実施形態に係るシーケンシャルカラー発光装置1と同様に、コントローラ3、ドライバ4R,4G,4R、発光素子5R,5G,5B及び抵抗器6R,6G,6Bを備える。シーケンシャルカラー発光装置1Aのドライバ4R,4G,4R、発光素子5R,5G,5B及び抵抗器6R,6G,6Bは、それぞれ、シーケンシャルカラー発光装置1のドライバ4R,4G,4R、発光素子5R,5G,5B及び抵抗器6R,6G,6Bと同じである。シーケンシャルカラー発光装置1Aとシーケンシャルカラー発光装置1とは、コントローラ3が選択信号S1,S2,S3をドライバ4R,4G,4B(定電流制御部12R,12G,12B)にそれぞれ出力する点について一致する。シーケンシャルカラー発光装置1Aとシーケンシャルカラー発光装置1とは、選択信号S1,S2,S3の周期や立ち上がり・立ち下がりのタイミングについても一致する。
【0057】
但し、シーケンシャルカラー発光装置1では、重複期間Py,Pc,Pmにおける出力レベル信号A1,A2,A3のレベル変化は、予めプログラミングされているものであるのに対し、シーケンシャルカラー発光装置1Aでは、コントローラ3が重複期間Py,Pc,Pmに監視制御を行うことによって出力レベル信号A1,A2,A3のレベル変化が発生する。以下、これについて具体的に説明する。
【0058】
コントローラ3には、発光素子5R,5G,5Bの電流が帰還される。つまり、抵抗器6R,6G,6Bの両端の電圧がコントローラ3に帰還されることによって、抵抗器6R,6G,6Bの両端の電圧の差分に応じた発光素子5R,5G,5Bの電流がコントローラ3に帰還される。なお、第一発光素子5Rの電流と第一発光素子5Rの発光強度は、相関性(線形性)があるので、抵抗器6Rは第一発光素子5Rの発光強度を検出するものに相当する。抵抗器6G,6Bについても同様である。
【0059】
なお、抵抗器6Rがドライバ4Rの出力端子と第一発光素子5Rとの間に設けられ、出力電流Iout1がコントローラ3に帰還されてもよい。抵抗器6G,6Bについても同様で、出力電流Iout2,Iout3がコントローラ3に帰還されればよい。
【0060】
コントローラ3は、選択期間Prの開始時に出力レベル信号A1を低レベルから高レベルに立ち上げて、選択期間Prの初期及び中期(重複期間Pm及び非重複期間P1)において出力レベル信号A1を高レベルで一定にする。重複期間Pmでは、ドライバ4Rの出力電流Iout1が過渡状態であるから漸増し、非重複期間P1では、ドライバ4Rの出力電流Iout1が定常状態であるから、高レベルで一定に維持される。
【0061】
コントローラ3は、選択期間Pgの開始時に出力レベル信号A2を低レベルから高レベルに立ち上げて、選択期間Pgの初期及び中期(重複期間Py及び非重複期間P2)において出力レベル信号A2を高レベルで一定にする。重複期間Pyでは、ドライバ4Gの出力電流Iout2が過渡状態であるから漸増し、非重複期間P2では、ドライバ4Gの出力電流Iout2が定常状態であるから、高レベルで一定に維持される。
【0062】
また、コントローラ3は、選択期間Prの終期(重複期間Py)において、帰還した第二発光素子5Gの電流を監視しながら出力レベル信号A1のレベル制御を行う。具体的には、コントローラ3は、帰還した第二発光素子5Gの電流のレベルに相当する第二発光素子5Gの輝度増加の応答の仕方(速度)と出力レベル信号A1によって制御される第一発光素子5Rの輝度減少の応答の仕方がほぼ同様になるように出力レベル信号A1のレベルを制御する。重複期間Py中に第二発光素子5Gの電流が漸増するから、コントローラ3は出力レベル信号A1をレベル制御により時間の経過に伴って低下させ、ドライバ4Rの出力電流Iout1が漸減するようにする。よって、重複期間Pyでは、第二発光素子5Gの発光強度が漸増するのに合わせて、第一発光素子5Rの発光強度が漸減するようになる。
【0063】
コントローラ3は、選択期間Prの終了時に出力レベル信号A1のレベル制御を終了し、次の選択期間Prまで出力レベル信号A1を低レベルで一定にする。
【0064】
コントローラ3は、選択期間Pbの開始時に出力レベル信号A3を低レベルから高レベルに立ち上げて、選択期間Pbの初期及び中期(重複期間Pc及び非重複期間P3)において出力レベル信号A3を高レベルで一定にする。重複期間Pcでは、ドライバ4Bの出力電流Iout3が過渡状態であるから漸増し、非重複期間P3では、ドライバ4Bの出力電流Iout3が定常状態であるから、高レベルで一定に維持される。
【0065】
コントローラ3は、選択期間Pgの終期(重複期間Pc)において、帰還した第三発光素子5Bの電流を監視しながら出力レベル信号A2のレベル制御を行う。具体的には、コントローラ3は、帰還した第三発光素子5Bの電流のレベルに相当する第三発光素子5Bの輝度増加の応答の仕方と出力レベル信号A2によって制御される第二発光素子5Gの輝度減少の応答の仕方がほぼ同様になるように出力レベル信号A2のレベルを制御する。重複期間Pc中に第三発光素子5Bの電流が漸増するから、コントローラ3は出力レベル信号A2をレベル制御により時間の経過に伴って低下させ、ドライバ4Gの出力電流Iout2が漸減するようにする。よって、重複期間Pcでは、第三発光素子5Bの発光強度が漸増するのに合わせて、第二発光素子5Gの発光強度が漸減するようになる。
【0066】
コントローラ3は、選択期間Pgの終了時に出力レベル信号A2のレベル制御を終了し、次の選択期間Pgまで出力レベル信号A2を低レベルで一定にする。
【0067】
コントローラ3は、選択期間Pr開始後の選択期間Pbの終期(重複期間Pm)において、帰還した第一発光素子5Rの電流を監視しながら出力レベル信号A3のレベル制御を行う。具体的には、コントローラ3は、帰還した第一発光素子5Rの電流のレベルに相当する第一発光素子5Rの輝度増加の応答の仕方と出力レベル信号A3によって制御される第三発光素子5Bの輝度減少の応答の仕方がほぼ同様になるように出力レベル信号A3のレベルを制御する。重複期間Pm中に第一発光素子5Rの電流が漸増するから、コントローラ3は出力レベル信号A3をレベル制御により時間の経過に伴って低下させ、ドライバ4Bの出力電流Iout3が漸減するようにする。よって、重複期間Pmでは、第一発光素子5Rの発光強度が漸増するのに合わせて、第三発光素子5Bの発光強度が漸減するようになる。
【0068】
コントローラ3は、以上に説明した点灯制御動作を繰り返す。
【0069】
本実施の形態においても、この重複期間Pm中に発光素子5B,5Rの発光強度の和を安定させることができ、この重複期間Pmの発光素子5B,5Rの光を有効利用することができる。重複期間Py,Pcについても同様である。
【0070】
〔第3の実施の形態〕
図3は、本発明の第3実施形態に係るシーケンシャルカラー発光装置1Bの回路図である。以下、このシーケンシャルカラー発光装置1Bと第2実施形態にシーケンシャルカラー発光装置1Aの相違点について説明する。
【0071】
シーケンシャルカラー発光装置1Bは、コントローラ3、ドライバ4R,4G,4R、発光素子5R,5G,5B及び抵抗器6R,6G,6Bに加えて、光検出器17R,17G,17Bを備える。
【0072】
シーケンシャルカラー発光装置1Aでは、発光素子5R,5G,5Bの電流がコントローラ3に帰還されるのに対して、このシーケンシャルカラー発光装置1Bでは、発光素子5R,5G,5Bの発光強度がコントローラ3に帰還される。具体的には、光検出器17R,17G,17Bは、発光素子5R,5G,5Bの発光強度を電気信号にそれぞれ変換して、それら電気信号をコントローラ3に出力する。これにより、発光素子5R,5G,5Bの発光強度がそれぞれ光検出器17R,17G,17Bによって検出される。
【0073】
そして、コントローラ3は、選択期間Prの終期(重複期間Py)において、第二光検出器17Gの出力信号を監視しながら出力レベル信号A1のレベル制御を行う。具体的には、コントローラ3は、第二光検出器17Gの出力信号のレベルに相当する第二発光素子5Gの輝度増加の応答の仕方(速度)と出力レベル信号A1のレベルによって制御される第一発光素子5Rの輝度減少の応答の仕方がほぼ同様になるように出力レベル信号A1のレベルを制御する。重複期間Py中に第二発光素子5Gの発光強度が漸増するから、コントローラ3は出力レベル信号A1をレベル制御により時間の経過に伴って低下させ、ドライバ4Rの出力電流Iout1が漸減するようにする。よって、重複期間Pyでは、第二発光素子5Gの発光強度が漸増するのに合わせて、第一発光素子5Rの発光強度が漸減するようになる。
【0074】
また、コントローラ3は、選択期間Pgの終期(重複期間Pc)において、第三光検出器17Bの出力信号を監視しながら出力レベル信号A2のレベル制御を行う。具体的には、コントローラ3は、第三光検出器17Bの出力信号のレベルに相当する第三発光素子5Bの輝度増加の応答の仕方と出力レベル信号A2によって制御される第二発光素子5Gの輝度減少の応答の仕方がほぼ同様になるように出力レベル信号A2のレベルを制御する。重複期間Pc中に第三発光素子5Bの発光強度が漸増するから、コントローラ3は出力レベル信号A2をレベル制御により時間の経過に伴って低下させ、ドライバ4Gの出力電流Iout2が漸減するようにする。よって、重複期間Pcでは、第三発光素子5Bの発光強度が漸増するのに合わせて、第二発光素子5Gの発光強度が漸減するようになる。
【0075】
また、コントローラ3は、選択期間Pbの終期(重複期間Pm)において、第一光検出器17Rの出力信号を監視しながら出力レベル信号A3のレベル制御を行う。具体的には、コントローラ3は、第一光検出器17Rの出力信号のレベルに相当する第一発光素子5Rの輝度増加の応答の仕方と出力レベル信号A3によって制御される第三発光素子5Bの輝度減少の応答の仕方がほぼ同様になるように出力レベル信号A3のレベルを制御する。重複期間Pm中に第一発光素子5Rの発光強度が漸増するから、コントローラ3は出力レベル信号A3をレベル制御により時間の経過に伴って低下させ、ドライバ4Bの出力電流Iout3が漸減するようにする。よって、重複期間Pmでは、第一発光素子5Rの発光強度が漸増するのに合わせて、第三発光素子5Bの発光強度が漸減するようになる。
【0076】
以上説明したことを除いて、シーケンシャルカラー発光装置1Bはシーケンシャルカラー発光装置1Aと一致する。
【0077】
〔変形例1〕
上述の各実施形態では、出力電圧Vout1,Vout2,Vout3が入力電圧Vinよりも低く、ドライバ4R,4G,4Bが降圧方式のスイッチングレギュレータであった。それに対して、ドライバ4R,4G,4Bが昇圧方式又は昇降圧方式のスイッチングレギュレータであってもよい。
【0078】
〔変形例2〕
上述の実施形態では、ドライバ4R,4G,4Bが非絶縁型のスイッチングレギュレータであった。それに対して、ドライバ4R,4G,4Bが絶縁型のスイッチングレギュレータであってもよい。
【0079】
〔変形例3〕
上述の各実施形態では、ドライバ4Rが定電流型のスイッチングレギュレータであった。それに対して、ドライバ4Rが定電圧型のスイッチングレギュレータであってもよい。この場合、定電流制御部12Rを定電圧制御部に代えて、ドライバ4Rの出力電圧Vout1又は発光ダイオード5Rの電圧が定電圧制御部に帰還され、定電圧制御部が帰還した出力電圧Vout1と出力レベル信号A1とに基づいたデューティ比のPWM信号を生成してそのPWM信号をスイッチング素子11Rのゲートに出力する。これにより、定電圧制御部は、出力レベル信号A1のレベルに対応する目標値に出力電圧Vout1を近似させて出力電圧Vout1を目標値に維持するような定電圧制御を行う。ドライバ4G,4Bが定電圧型のスイッチングレギュレータである場合、ドライバ4G,4Bについても同様である。
【0080】
発光素子5R,5G,5Bが発光ダイオードや有機EL素子であれば、ドライバ4R,4G,4Bは定電流型であることが好ましい。発光素子5R,5G,5B以外の負荷を駆動装置2で駆動する場合、負荷の特質や制御方式に応じて定電流型・定電圧型を選択する。
【0081】
〔変形例4〕
上述の各実施形態では、ドライバ4R,4G,4Bがスイッチングレギュレータを利用した出力電流可変型定電流回路であった。それに対して、他の方式の出力電流可変型定電流回路をドライバ4R,4G,4Bに適用してもよい。
【0082】
〔第4の実施の形態〕
図5を参照して、シーケンシャルカラー発光装置1,1A,1Bの何れかを備える投影装置について説明する。図5は、投影装置の光学ユニットを示した平面図である。なお、投影装置によって投影される画像の1フレーム期間は、図2に示す重複期間Py、Pc,Pm及び非重複期間P1,P2,P3の和に等しい。
【0083】
図5に示すように、投影装置は、表示素子30、時分割光発生装置40、光源側光学系50及び投影光学系60等を備える。
【0084】
時分割光発生装置40は、赤色光、イエロー光、緑色光、シアン光、青色光及びマゼンタ光を時分割で出射するものである。時分割光発生装置40は、第一光源41、光源装置42、第三光源43及び光学系44を有する。
【0085】
光源装置42は、緑色光を発生させるものである。具体的には、光源装置42は、励起光を発して、その励起光を緑色光に変換するものである。光源装置42は、複数の励起光光源(第二光源)42a、複数のコリメートレンズ42b、レンズ群42c、レンズ群42d、蛍光体ホイール42e及びスピンドルモーター42fを有する。
【0086】
複数の励起光光源42aは、二次元アレイ状に配列されている。これら励起光光源42aは、レーザー励起光を発するレーザーダイオードである。励起光光源42aから発するレーザー励起光の波長帯域は、青色帯域又は紫外線帯域であるが、特に限定するものではない。ここで、図1図3図4に示す第二発光素子5Gが励起光光源42aに相当し、選択期間Pg中に励起光光源42aが発光する。
【0087】
コリメートレンズ42bが励起光光源42aにそれぞれ対向配置され、各励起光光源42aから発したレーザー励起光がコリメートレンズ42bによってコリメートされる。レンズ群42c及びレンズ群42dは、同一光軸上に配置されている。レンズ群42c及びレンズ群42dは、コリメートレンズ42bによってコリメートされたレーザー励起光の光束群を一つに纏めて、集光させる。
【0088】
蛍光体ホイール42eが、複数の励起光光源42aが二次元アレイ状に配列された面に対向配置されている。レンズ群42c及びレンズ群42dが蛍光体ホイール42eと励起光光源42aとの間に配置されており、レンズ群42c及びレンズ群42dの光軸が蛍光体ホイール42eに直交する。レンズ群42c及びレンズ群42dによって集光されたレーザー励起光は蛍光体ホイール42eに照射される。蛍光体ホイール42eは、レーザー励起光によって励起されて緑色光を発する緑色蛍光体等からなり、レーザー励起光を緑色光に変換するものである。蛍光体ホイール42eがスピンドルモーター42fに連結され、蛍光体ホイール42eがスピンドルモーター42fによって回転される。
【0089】
第一光源41は、赤色光を発生させる赤色発光ダイオードである。第三光源43は、青色光を発生させる青色発光ダイオードである。ここで、図1図3図4に示す第一発光素子5Rが第一光源41に相当し、第三発光素子5Bが第三光源43に相当する。選択期間Pr中に第一光源41が発光し、選択期間Pb中に第三光源43が発光する。
【0090】
第一光源41は、第一光源41の光軸がレンズ群42c,42dの光軸と平行となるように配置されている。第三光源43は、第三光源43の光軸がレンズ群42c,42dの光軸及び第一光源41の光軸に直交するように配置されている。
【0091】
光学系44は、第一光源41から発した赤色光の光軸、光源装置42から発した緑色光の光軸及び第三光源43から発した青色光の光軸を一つに重ねて、これらの赤色光、緑色光及び青色光を出射する。光学系44は、レンズ群44a、レンズ44b、レンズ群44c、第一ダイクロイックミラー44d及び第二ダイクロイックミラー44eを有する。
【0092】
レンズ群44aは、第三光源43に対向する。レンズ群44a及びレンズ44bは、これらの光軸が一直線状になるように配列されている。レンズ群44a及びレンズ44bは、それらの光軸がレンズ群42cとレンズ群42dの間でレンズ群42c及びレンズ群42dの光軸に対して直交するように配置されている。
【0093】
第一ダイクロイックミラー44dは、レンズ群44aとレンズ44bとの間に配置されているとともに、レンズ群42cとレンズ群42dとの間に配置されている。第一ダイクロイックミラー44dは、レンズ群42c,42dの光軸に対して45°で斜交するとともに、レンズ群44a及びレンズ44bの光軸に対して45°で斜交する。第一ダイクロイックミラー44dは、励起光光源42aから発する波長帯域の励起光(例えば、青色の励起光)を蛍光体ホイール42eに向けて透過させるととともに、第三光源43から発する青色波長帯域の光を第二ダイクロイックミラー44eに向けて透過させる。また、第一ダイクロイックミラー44dは、蛍光体ホイール42eから発する緑色波長帯域の光を第二ダイクロイックミラー44eに向けて反射させる。
【0094】
レンズ群44cは、第一光源41に対向する。レンズ群44cは、その光軸がレンズ44bに関して第三光源43及び第一ダイクロイックミラー44dの反対側でレンズ群44a及びレンズ44bの光軸に対して直交するように配置されている。
【0095】
第二ダイクロイックミラー44eは、レンズ群44cに関して第一光源41の反対側に配置されているとともに、レンズ44bに関して第一ダイクロイックミラー44dの反対側に配置されている。第二ダイクロイックミラー44eは、レンズ群44cの光軸に対して45°で斜交するとともに、レンズ群44a及びレンズ44bの光軸に対して45°で斜交する。第二ダイクロイックミラー44eは、第一ダイクロイックミラー44dからの青色及び緑色の波長帯域の光を光源側光学系50に向けて透過させるとともに、第一光源41から発する赤色の波長帯域の光を光源側光学系50に向けて反射させる。
【0096】
光源側光学系50は、時分割光発生装置40から出射された光を表示素子30に投射する。光源側光学系50は、レンズ51、反射ミラー52、レンズ53、導光装置54、レンズ55、光軸変換ミラー56、集光レンズ群57、照射ミラー58及び照射レンズ59を有する。
【0097】
レンズ51は、第二ダイクロイックミラー44eに関してレンズ44bの反対側に配置されている。レンズ51は、その光軸がレンズ44b及びレンズ群44aの光軸と重なるように配置されている。
【0098】
レンズ53、導光装置54及びレンズ55は、これらの光軸が一直線状になるように配置されている。レンズ53、導光装置54及びレンズ55の光軸はレンズ51、レンズ44b及びレンズ群44aの光軸に直交する。
【0099】
反射ミラー52は、レンズ53の光軸とレンズ51の光軸が交差する個所に配置されている。反射ミラー52は、レンズ51,44b及びレンズ群44aの光軸に対して45°で斜交するとともに、レンズ53、導光装置54及びレンズ55の光軸に対して45°で斜交する。時分割光発生装置40によって発生された光はレンズ51及びレンズ53によって集光されつつ、反射ミラー52によって導光装置54に向けて反射される。
【0100】
導光装置54は、ライトトンネル又はライトロッドである。導光装置54は、時分割光発生装置40から出射された光を側面で複数回反射又は全反射させることで、光を均一な強度分布の光束にする。レンズ55は、導光装置54によって導光された光を光軸変換ミラー56に向けて投射するとともに、集光する。光軸変換ミラー56は、レンズ55によって投射された光を集光レンズ群57に向けて反射させる。集光レンズ群57は、光軸変換ミラー56によって反射された光を照射ミラー58に向けて投射するとともに、集光する。照射ミラー58は、集光レンズ群57によって投射された光を表示素子30に向けて反射させる。照射レンズ59は、照射ミラー58によって反射された光を表示素子30へ投射する。
【0101】
表示素子30は、空間光変調器であり、光源側光学系50によって照射された光を画素毎(空間光変調素子毎)で変調することによって画像を形成する。具体的には、表示素子30は、二次元アレイ状に配列された複数の可動マイクロミラー等を有するデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)であり、可動マイクロミラーが画素としての空間光変調素子に相当する。表示素子30は表示ドライバによって駆動される。つまり、赤色光が表示素子30に照射されている時(非重複期間P1)に、表示素子30の各可動マイクロミラーが制御(例えば、パルス幅変調制御、パルス数変調制御)されることで、赤色光が後述の投影光学系60に向けて反射される時間比や回数が可動マイクロミラー毎に制御される。これにより、表示素子30によって赤色の画像が形成される。イエロー光、緑色光、シアン光、青色光及びマゼンタ光が表示素子30に照射されている際も、同様である。
【0102】
なお、表示素子30が反射型の空間光変調器ではなく、透過型の空間光変調器(例えば、液晶シャッターアレイパネル:いわゆる液晶表示器)であってもよい。表示素子30が透過型の空間光変調器である場合、光源側光学系50の光学設計を変更し、光源側光学系50によって照射される光の光軸が後述の投影光学系60の光軸に重なるようにして、投影光学系60と光源側光学系50との間に表示素子30を配置する。
【0103】
投影光学系60は表示素子30に正対するように設けられ、投影光学系60の光軸が前後に延びて表示素子30に交差(具体的には、直交)する。投影光学系60は、表示素子30によって反射された光を前方に投射することによって、表示素子30によって形成された画像をスクリーンに投影する。この投影光学系60は、可動レンズ群61及び固定レンズ群62等を備える。投影光学系60は、可動レンズ群61の移動によって、焦点距離が変更可能であるとともに、フォーカシングが可能である。
【0104】
図5に示した光源装置42の励起光光源42a、コリメートレンズ42b、レンズ群42c、蛍光体ホイール42e及びスピンドルモーター42fを、図6に示すように、第二光源42Aに代えてもよい。この第二光源42Aは、緑色光を発生させる緑色発光ダイオードである。第二光源42Aは、その光軸がレンズ群42dの光軸と一致するように配置されている。ここで、図1図3図4に示す第二発光素子5Gが第二光源42Aに相当し、選択期間Pg中に第二光源42Aが発光する。
【0105】
なお、図5又は図6に示す投影装置の光学系をリアプロジェクション表示装置に適用してもよい。
【0106】
従来であれば、選択期間Prの初期(重複期間Pm)は第一発光素子5Rの発光強度が漸増する過渡状態であり、第三発光素子5Bの発光と重ねて利用しようとしても、第三発光素子5Bの発光強度は高速に下がるので、切換期間の色バランスを取るのが困難であったので、その光を有効に利用できず、いわゆるスポーク光として捨ててしまう(空間光変調素子により、オフ光として利用しない)か、第三発光素子5Bの発光を重ねずに、暗い赤画像として利用することになっていた。ところが、本実施形態では、漸増する赤色光をそれに合わせて漸減する第三発光素子5Bの青色光によって補い、色相は変化するが、マゼンタ光として利用することができる。しかも、その重複期間Pm中に発光素子5B,5Rの発光強度の和を安定させることができるから、画像が極端に暗くなったり、極端に明るくなったりすることを防止することができる。選択期間Pg,Pbの初期についても同様である。
【0107】
ドライバ4Rの出力電流Iout1及び第一発光素子5Rの発光強度が過渡状態である期間(重複期間Pm)の赤色光を青色光と混色することによってマゼンタ色光として利用し、ドライバ4Rの出力電流Iout1及び第一発光素子5Rの発光強度が定常状態である期間(非重複期間P1)の赤色光を混色せずに用いる。従って、必要最低限の混色で済む。緑色光及び青色光についても同様である。
【0108】
以上に、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
第1の負荷と第2の負荷を含む複数の負荷と、
複数の出力レベル信号を出力するコントローラと、
前記コントローラによって出力される前記複数の出力レベル信号に基づく出力を前記複数の負荷にそれぞれ供給するドライバと、
を備え、
前記コントローラが、前記第1の負荷の駆動の開始に同期して前記第2の負荷の駆動を停止させる切換期間において、前記第1の負荷の駆動開始時の立ち上がり特性に合わせて、前記第2の負荷の駆動停止時の立ち下がり特性を鈍化させるように制御することを特徴とする駆動装置。
<請求項2>
前記複数の負荷の電流が前記コントローラに帰還され、
前記コントローラが、前記第1の負荷を駆動開始時の電流に基づいて、前記第2の負荷の駆動停止時の立ち下がり特性を鈍化させるように制御をすることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
<請求項3>
前記コントローラは、前記出力レベル信号として段階的に漸減する信号を前記ドライバに出力することにより、前記立ち下がり特性を鈍化させるように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動装置。
<請求項4>
前記第1の負荷と前記第2の負荷は、それぞれ第1の発光素子と第2の発光素子であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の駆動装置。
<請求項5>
前記第1の負荷と前記第2の負荷は、それぞれ第1の発光素子と第2の発光素子であり、
当該駆動装置は、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子の発光強度を検出する複数の光検出器
を更に備え、
前記コントローラが、前記第1の発光素子を駆動開始時の前記光検出器の出力に基づいて、前記第2の発光素子の駆動停止時の立ち下がり特性を鈍化させるように制御をすることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
<請求項6>
前記コントローラは、前記出力レベル信号として段階的に漸減する信号を前記ドライバに出力することにより、前記立ち下がり特性を鈍化させるように制御することを特徴とする請求項5に記載の駆動装置。
<請求項7>
請求項4から6の何れか一項に記載の駆動装置を備える投影装置。
<請求項8>
前記切換期間に、映像が投影されることを特徴とする請求項7に記載の投影装置。
<請求項9>
第1の負荷と第2の負荷を含む複数の負荷と、
複数の出力レベル信号を出力するコントローラと、
前記コントローラによって出力される前記複数の出力レベル信号に基づく出力を前記複数の負荷にそれぞれ供給するドライバと、
を備える装置の負荷駆動方法であって、
前記コントローラが、前記第1の負荷の駆動の開始に同期して前記第2の負荷の駆動を停止させる切換期間において、前記第1の負荷の駆動開始時の立ち上がり特性に合わせて、前記第2の負荷の駆動停止時の立ち下がり特性を鈍化させるように制御することを特徴とする負荷駆動方法。
【符号の説明】
【0109】
1,1A,1B シーケンシャルカラー発光装置
2 駆動装置
3 コントローラ
4R,4G,4B ドライバ
5R,5G,5B 発光素子(負荷)
A1,A2,A3 出力レベル信号
17R,17G,17B 光検出器
A1,A2,A3 出力レベル信号
S1,S2,S3 選択信号
Iout1,Iout2,Iout3 出力電流
Vout1,Vout2,Vout3 出力電圧
Vin 入力電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6