特許第6094192号(P6094192)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6094192
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/02 20060101AFI20170306BHJP
   B60K 20/02 20060101ALI20170306BHJP
   F16H 59/10 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   F16H61/02
   B60K20/02 D
   F16H59/10
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-270439(P2012-270439)
(22)【出願日】2012年12月11日
(65)【公開番号】特開2014-114909(P2014-114909A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2015年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】林 邦繁
【審査官】 中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/145014(WO,A1)
【文献】 特開2008−290622(JP,A)
【文献】 特開2005−007993(JP,A)
【文献】 特開2011−225033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 61/02
B60K 20/02
F16H 59/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、運転者の手動操作によりニュートラルポジションを選択した後、基準ポジションに自動復帰するシフトレバーと、
前記シフトレバーが前記ニュートラルポジションに位置したことを検出するポジション検出手段と、
前記シフトレバーが前記ニュートラルポジションに規定時間以上保持された際に、前記車両をニュートラル状態とする設定手段と、を備えたシフト装置であって、
前記設定手段は、
前記シフトレバーが所定時間内に前記ニュートラルポジションに複数回位置した際でも、前記車両をニュートラル状態とする
ことを特徴とするシフト装置。
【請求項2】
前記基準ポジションと前記ニュートラルポジョンとは直線的に配置され、
前記設定手段は、
前記基準ポジションから前記ニュートラルポジションに操作された回数が前記所定時間
内に複数回以上となった際に、前記車両をニュートラル状態とする
ことを特徴とする請求項1に記載のシフト装置。
【請求項3】
前記設定手段は、
前記基準ポジションから前記ニュートラルポジションとは異なるポジションへ操作された際は、前記ニュートラルポジションに操作された回数をキャンセルする
ことを特徴とする請求項2に記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者によるシフト操作に応じて車両の走行モードを設定するシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両のシフトレバーの一つとして、運転者による力が加えられていない状況においてはホームポジションに自動的に戻るように構成したものが知られている。この種のシフトレバーは、ジョイスティックレバーとも称される。
【0003】
そしてこの種のシフトレバーを搭載した車両には、規定時間(例えば1秒)を越えて継続的にニュートラルポジションに保持された場合に、車両の走行モードをニュートラルモードに設定するものが存在する。
【0004】
なお、暗号コードとして規定された操作パターンでシフト操作が行われた場合に、オートパーキング機能を解除する技術が特許文献1により知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−190311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような車両では、走行モードをニュートラルモードに設定しようとする運転者は、シフトレバーを、ホームポジションに戻ろうとする力に抗してニュートラルポジションに保持し続ける必要がある。このような操作は、運転者が慌てている場合などにおいては正確に行うことが困難な場合も考えられ、走行モードを速やかにニュートラルモードに設定することが困難となる恐れがあった。
【0007】
特許文献1の技術では、暗号コードとして規定された操作パターンでのシフト操作に応じて、結果的にニュートラルモードが設定されるものの、あくまでもオートパーキング機能を解除する技術である。
【0008】
また特許文献1に記載された発明は、オートパーキング機能が生産ラインでの作業の支障となることに鑑みてなされたものであり、暗号コードとして規定された操作パターンは、通常走行時の操作では行われることのない操作の組み合わせで構成している。特許文献1の実施の形態としては、シフトレバーがNレンジ位置で保持されて閾値時間Tth(例えば15秒)が経過するまでの間に、ボタンスイッチを閾値回数Nth(例えば3回)以上押圧する操作パターンを、「暗号コードとして規定された操作パターン」としている。つまり暗号コードとして規定された操作パターンでのシフト操作は、走行モードをニュートラルモードに変更したいものの慌てている運転者が容易に行うことが可能な操作にはなり得ない。
【0009】
本発明は、慌てた運転者による操作に従って走行モードを速やかにニュートラルモードに設定できる可能性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載される発明のシフト装置は、車両に搭載され、運転者の手動操作によりニュートラルポジションを選択した後、基準ポジションに自動復帰するシフトレバーと、前記シフトレバーが前記ニュートラルポジションに位置したことを検出するポジション検出手段と、前記シフトレバーが前記ニュートラルポジションに規定時間以上保持された際に、前記車両をニュートラル状態とする設定手段と、を備えたシフト装置であって、前記設定手段は、前記シフトレバーが所定時間内に前記ニュートラルポジションに複数回位置した際でも、前記車両をニュートラル状態とする。
【0011】
請求項2に記載される発明のシフト装置では、請求項1の記載において、前記基準ポジションと前記ニュートラルポジョンとは直線的に配置され、前記設定手段は、前記基準ポジションから前記ニュートラルポジションに操作された回数が前記所定時間内に複数回以上となった際に、前記車両をニュートラル状態とする。
【0012】
請求項3に記載される発明のシフト装置では、請求項2の記載において、前記設定手段は、前記基準ポジションから前記ニュートラルポジションとは異なるポジションへ操作された際は、前記ニュートラルポジションに操作された回数をキャンセルする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、慌てた運転者による操作に従って走行モードを速やかにニュートラルモードに設定できる可能性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態に係る自動車の構成を示す図。
図2図1に示す自動車の車室内のジョイスティックレバーの設置場所の近辺の斜視図。
図3図1中のPHEV−ECUのブロック図。
図4】走行モード設定処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係るシフト装置を搭載した自動車を、図1〜4を用いて説明する。なお、本実施形態においてはプラグインハイブリッドタイプの自動車を例示するが、他の様々なタイプの自動車においても本発明を同様に実施が可能である。
【0016】
図1は自動車100の構成を示す図である。なお、自動車100はプラグインハイブリッドタイプの既存の別の自動車が備えるのと同様な多数の要素を備えるが、図1においてはそれらの要素のうちの一部の要素のみを示している。
【0017】
自動車100は、本体1、前輪2a,2b、後輪3a,3b、車軸4a,4b,5a,5b、伝達機構6,7、内燃機関8、電動モータ9,10、発電機11、バッテリ12、インバータ13,14,15、コンタクタ16a,16b,16c,17a,17b,17c、外部給電プラグ18、充電装置19、ニュートラルポジションセンサ(以下、Nセンサと称する)20、ドライブポジションセンサ(以下、Dセンサと称する)21、ブレーキポジションセンサ(以下、Bセンサと称する)22、リバースポジションセンサ(以下、Rセンサと称する)23、パワースイッチ24、車速センサ25、OSS−ECU(one-touch start system-electric control unit)26、ETACS−ECU(electric time and alarm control system-electric control unit)27、エンジン−ECU(electric control unit)28およびPHEV−ECU(plug-in hybrid electric vehicle-electric control unit)29を含む。
【0018】
また自動車100は、例えば図2に示すようなジョイスティックタイプのシフトレバー(以下、ジョイスティックレバーと称する)30を搭載する。
【0019】
図2は自動車100の車室内のジョイスティックレバー30の設置場所の近辺の斜視図である。
【0020】
ジョイスティックレバー30は、ガイドパネル31に形成したガイド溝31aを貫通する状態で配置される。そしてジョイスティックレバー30は、ガイド溝31aに沿って移動可能なように、図示しない周知の支持機構によって支持されている。
【0021】
ガイド溝31aは、ホームポジション(基準ポジション)HP、ニュートラルポジションNP、ドライブポジションDP、ブレーキポジションBPおよびリバースポジションRPのそれぞれにジョイスティックレバー30を位置させることを可能とする。なお上記の支持機構は、ジョイスティックレバー30に運転者による操作力などの外力が加えられていない状況においては、ジョイスティックレバー30をホームポジションHPに復帰させる。
【0022】
本体1は、車台および車体などを含み、他の各要素を支持するとともに、運転者を含む乗員が搭乗するための空間を形成する。
【0023】
前輪2a,2bは、車軸4a,4bの端部にそれぞれ固定されている。後輪3a,3bは、車軸5a,5bの端部にそれぞれ固定されている。前輪2a,2bおよび後輪3a,3bは、それぞれ接地して本体1を支持するとともに、回転して本体1を移動させる。
【0024】
車軸4a,4bは、本体1と前輪2a,2bとの相対的な位置関係を所定の状態に維持するとともに、伝達機構6から伝達される回転力を前輪2a,2bへと伝達する。
【0025】
車軸5a,5bは、本体1と後輪3a,3bとの相対的な位置関係を所定の状態に維持するとともに、伝達機構7から伝達される回転力を後輪3a,3bへと伝達する。
【0026】
伝達機構6は、車軸4a,4bを個別に回転可能に支持する。伝達機構6には、内燃機関8、電動モータ9および発電機11のそれぞれの回転軸8a,9a,11aが個別に接続されている。伝達機構6は、ディファレンシャルギアを含む各種のギア、シャフトおよびクラッチなどを周知のように組み合わせて構成され、回転軸8aと車軸4a、4bとを接続する状態、回転軸8aと回転軸11aとを接続する状態、回転軸8aの回転力を車軸4a,4bおよび回転軸11aに分配して伝達する状態、回転軸9aと車軸4a,4bとを接続する状態、回転軸11aと車軸4a,4bとを接続する状態、車軸4a,4bを自由に回転させる状態、あるいは車軸4a,4bをロックする状態を選択的に形成する。なお、車軸4a,4bのロックは例えば、伝達機構6が備えるパーキングロック機構により、伝達機構6が備えるシャフトの回転を機械的にロックすることにより行う。
【0027】
伝達機構7は、車軸5a,5bを個別に回転可能に支持する。伝達機構7には、電動モータ10の回転軸10aが接続されている。伝達機構7は、ディファレンシャルギアを含む各種のギア、シャフトおよびクラッチなどを周知のように組み合わせて構成され、回転軸10aと車軸5a,5bとを接続する状態および車軸5a,5bを自由に回転させる状態を選択的に形成する。
【0028】
内燃機関8は、燃料を利用して回転力を発生し、回転軸8aを回転する。内燃機関8は、典型的には燃料としてガソリンを使用するものであるが、軽油などの別の燃料油やLPG(liquefied petroleum gas)などのガスのようなガソリン以外の燃料を利用するものでも良い。伝達機構6が回転軸8aと車軸4a,4bとを接続するとき、内燃機関8は前輪2a,2bを回転させる。
【0029】
電動モータ9,10は、電気エネルギを利用して回転力を発生し、回転軸9a,10aを回転する。伝達機構6が回転軸9aと車軸4a,4bとを接続するとき、電動モータ9は前輪2a,2bを回転させる。伝達機構7が回転軸10aと車軸5a,5bとを接続するとき、電動モータ10は後輪3a,3bを回転させる。
【0030】
発電機11は、回転軸11aの回転を利用して電磁誘導により発電する。伝達機構6が回転軸8aと回転軸11aとを接続するとき、発電機11は内燃機関8が発生した回転力を利用して発電する。伝達機構6が車軸4a,4bと発電機11とを接続するとき、発電機11は車軸4a,4bの回転力を利用して発電する。
【0031】
バッテリ(電池)12は、直流電流を発生する。
【0032】
インバータ13,14は、バッテリ12が出力する直流電流を交流電流に変換する。インバータ13,14は、IGBTなどのスイッチング素子を有した周知の構成のものであって良い。インバータ13は、交流電流を電動モータ9に印加することにより、電動モータ9に電気エネルギを供給する。インバータ14は、交流電流を電動モータ10に供給することにより、電動モータ10を動作させる。インバータ13,14は、PHEV−ECU29の制御の下に、スイッチング素子のスイッチング周波数や、出力する電流の電流値(出力電流値)および周波数(出力周波数)を変更する。
【0033】
インバータ15は、発電機11が発生する交流電流を直流電流に変換する。インバータ15が得た直流電流は、バッテリ12へと供給される。
【0034】
コンタクタ16a,16b,16cは、バッテリ12の正極とインバータ13,14,15との間に介挿されている。コンタクタ16a,16b,16cは、PHEV−ECU29の制御の下にバッテリ12の正極とインバータ13,14,15との電気的接続をオン/オフする。
【0035】
コンタクタ17a,17b,17cは、バッテリ12の負極とインバータ14,15,16との間に介挿されている。コンタクタ17a,17b,17cは、PHEV−ECU29の制御の下にバッテリ12の負極とインバータ14,15,16との電気的接続をオン/オフする。
【0036】
外部給電プラグ18は、外部電源からの電力供給を受けるためのケーブルが必要に応じて接続できる。外部給電プラグ18は、ケーブルが接続されているときには、当該ケーブルと充電装置19とを電気的に接続する。
【0037】
充電装置19は、外部給電プラグ18に接続されたケーブルを介して外部電源から供給される電力によりバッテリ12を充電する。
【0038】
Nセンサ20は、ジョイスティックレバー30がニュートラルポジションNPに位置している状態およびそれ以外の状態のいずれであるかを検出し、その検出結果を表した検出信号を出力する。
【0039】
Dセンサ21は、ジョイスティックレバー30がドライブポジションDPに位置している状態およびそれ以外の状態のいずれであるかを検出し、その検出結果を表した検出信号を出力する。
【0040】
Bセンサ22は、ジョイスティックレバー30がブレーキポジションBPに位置している状態およびそれ以外の状態のいずれであるかを検出し、その検出結果を表した検出信号を出力する。
【0041】
Rセンサ23は、ジョイスティックレバー30がリバースポジションRPに位置している状態およびそれ以外の状態のいずれであるかを検出し、その検出結果を表した検出信号を出力する。
【0042】
なお、ジョイスティックレバー30がホームポジションHPに位置している状態およびそれ以外の状態のいずれであるかを検出し、その検出結果を表した検出信号を出力するHセンサを別に設けても良い。
【0043】
パワースイッチ24は、自動車100の起動および停止を指示するためにユーザにより操作されるスイッチである。
【0044】
車速センサ25は、自動車100の走行速度を、例えば車軸5bの回転速度に基づいて検出する。
【0045】
OSS−ECU26は、ユーザがパワースイッチ24を操作した際に、認証通信を行った後に、各部の電源制御などを実施する。
【0046】
ETACS−ECU27は、自動車100に搭載されていて図1では図示を省略している各種の電装品を制御する。ETACS−ECU27の制御対象となる電装品は、例えばヘッドライト、ドアミラー、ワイパー、ドアロック機構、室内照明器具およびセキュリティアラームなどである。ETACS−ECU27は、OSS−ECU26、エンジン−ECU28およびPHEV−ECU29と適宜に通信して必要な情報を取得しながら、予め定められた動作を実現するべく各種の電装品を制御する。一例としてETACS−ECU27は、車速が規定値以上になった際にドアミラーが格納状態であるならば、ドアミラーを自動的に展開する。
【0047】
エンジン−ECU28は、内燃機関8の動作を制御する。エンジン−ECU28は、ETACS−ECU27およびPHEV−ECU29と適宜に通信して各種の制御に必要な情報を取得する。
【0048】
PHEV−ECU29は、自動車100の走行に係わる各種の制御処理を行う。例えばPHEV−ECU29は、自動車100の走行状況に応じて、伝達機構6,7の状態を制御する。またPHEV−ECU29は、インバータ13,14およびコンタクタ16a,16b,16c,17a,17b,17cの状態を制御する。一例としてPHEV−ECU29は、EV(electric vehicle)モードの力行状態においては、伝達機構6を電動モータ9の回転軸9aと車軸4a,4bとを接続する状態に、また伝達機構7を電動モータ10の回転軸10aと車軸5a,5bとを接続する状態にするとともに、コンタクタ16a,16b,16c,17a,17b,17cをいずれもオンとしておく。そして当該状態においてPHEV−ECU29は、図示しないアクセル開度センサが検出したアクセル開度に応じて、要求される走行出力を算出し、この走行出力を得るべく電動モータ9,10を動作させるようにインバータ13,14の出力を制御する。PHEV−ECU29はこのほか、既存の別のハイブリッド自動車で実現されているような各種の動作状態を必要に応じて形成するように伝達機構6,7、インバータ13,14およびコンタクタ16a,16b,16c,17a,17b,17cの状態を制御する。PHEV−ECU29は、ETACS−ECU27およびエンジン−ECU28と適宜に通信して各種の制御に必要な情報を取得する。
【0049】
なお、PHEV−ECU29の制御の下での自動車100の基本的な走行モードとしては、ニュートラルモード、ドライブモード、ブレーキモードおよびリバースモードを選択的に適用可能である。ニュートラルモードは、車軸4a,4b,5a、5bに如何なる駆動力も伝達しないし、ブレーキもかけない。ドライブモードは、車軸4a,4b,5a、5bの少なくともいずれか一方に駆動力を伝達して自動車100を前進させる。ブレーキモードは、内燃機関8または電動モータ9,10の回転抵抗を自動車100の走行への抵抗として作用させる。リバースモードは、車軸4a,4b,5a、5bの少なくともいずれか一方に駆動力を伝達して自動車100を後退させる。
【0050】
図3はPHEV−ECU29のブロック図である。なお、図3において図1に示されるのと同一の部分には同一の符号を付している。
【0051】
PHEV−ECU29は、CPU(central processing unit)29a、ROM(read-only memory)29b、RAM(random-access memory)29c、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)29d、インタフェースユニット(I/Fユニット)29eおよび通信ユニット29fを含む。そしてこれらの各要素は、バス29gにそれぞれ接続されている。
【0052】
CPU29aは、ROM29bおよびRAM29cに記憶されたオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムに基づいて、PHEV−ECU29の制御対象となる各要素の動作を制御するための情報処理を行う。
【0053】
ROM29bは、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM29bは、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM29bは、CPU29aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
【0054】
RAM29cは、CPU29aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
【0055】
EEPROM29dは、CPU29aが各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU29aでの処理によって生成されたデータを保存する。またEEPROM29dは、アプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0056】
ROM29bまたはEEPROM29dに記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する走行モード設定処理に関して記述した走行モード設定プログラムを含む。この走行モード設定プログラムがEEPROM29dに記憶される場合、PHEV−ECU29、PHEV−ECU29を含んだユニット、あるいは自動車100の譲渡は、一般的に上記の走行モード設定プログラムがEEPROM29dに記憶された状態にて行われる。しかし、PHEV−ECU29、PHEV−ECU29を含んだユニット、あるいは自動車100が上記の走行モード設定ログラムがEEPROM29dに記憶されない状態で譲渡されるとともに、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して上記の走行モード設定プログラムが譲渡され、この走行モード設定プログラムが上記の別途に譲渡されたPHEV−ECU29、PHEV−ECU29を含んだユニット、あるいは自動車100のEEPROM29dに書き込まれても良い。
【0057】
インタフェースユニット29eは、PHEV−ECU29の制御対象となる各要素を物理的に接続する。すなわち、バッテリ12、インバータ13,14、コンタクタ16a,16b,16c,17a,17b,17c、Nセンサ20、Dセンサ21、Bセンサ22、Rセンサ23、車速センサ25は、インタフェースユニット29eに接続される。インタフェースユニット29eは、接続された各要素とCPU29aとの間でのデータの授受をインタフェースする。つまりインタフェースユニット29eは、Nセンサ20が出力する検出信号を取り込む取込手段としての機能を備える。
【0058】
通信ユニット29fは、OSS−ECU26、ETACS−ECU27およびエンジン−ECU28と通信する。
【0059】
上述のように、インタフェースユニット29eは、検出信号を取り込む取込手段としての機能を備える。また、CPU29aは、後述する走行モード設定処理を実行することによって設定手段として機能する。
【0060】
次に以上のように構成された自動車100の動作について説明する。なお、自動車100は既存の別の自動車が備えるのと同様な様々な機能を備えるが、それらの機能に関する動作は既存の別の自動車と同様であるので、その詳細な説明は省略する。そして以下においては、走行モードの設定に関して詳細に説明する。
【0061】
図4は走行モード設定処理のフローチャートである。
【0062】
OSS−ECU26が、パワースイッチ24の操作に応じて各部の電源制御などを実施することによってPHEV−ECU29が起動されると、CPU29aが走行モード設定プログラムに従って図4に示す走行モード設定処理を開始する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0063】
ステップSa1においてCPU29aは、変数mを0にクリアする。変数mは、ジョイスティックレバー30がニュートラルポジションNPに連続的に移動した回数をカウントするためのものである。
【0064】
ステップSa2においてCPU29aは、Nセンサ20、Dセンサ21、Bセンサ22およびRセンサ23のいずれかがジョイスティックレバー30を新たに検出したか否かを確認する。なお、以下においては、Nセンサ20、Dセンサ21、Bセンサ22およびRセンサ23に関して、ジョイスティックレバー30を検出している状態をオンと称し、検出していない状態をオフと称する。
【0065】
ジョイスティックレバー30が運転手により操作されてニュートラルポジションNP、ドライブポジションDP、ブレーキポジションBPおよびリバースポジションRPのいずれかに移動されると、該当するポジションに対応したセンサが検出信号の状態を変化する。CPU29aは、インタフェースユニット29eを介してNセンサ20、Dセンサ21、Bセンサ22およびRセンサ23がそれぞれ出力する検出信号を取り込んで、その状態を監視する。そしてNセンサ20、Dセンサ21、Bセンサ22およびRセンサ23のいずれもが新たにオンとなっていないためにステップSa2にてNOと判定したならば、CPU29aはステップSa3へ進む。
【0066】
ステップSa3においてCPU29aは、ウェイトタイマがタイムアップしたか否かを確認する。なおウェイトタイマについては後述する。そしてウェイトタイマがタイムアップしていないためにNOと判定したならばCPU29aは、ステップSa2に戻る。なお、ウェイトタイマが起動されていない場合もあるが、その場合にはCPU29aはNOと判定する。
【0067】
かくしてCPU29aは、ステップSa2,3において、Nセンサ20、Dセンサ21、Bセンサ22およびRセンサ23のいずれかが新たにオンとなるか、あるいはウェイトタイマがタイムアップするのを待ち受ける。
【0068】
Nセンサ20、Dセンサ21、Bセンサ22およびRセンサ23のいずれかが新たにオンとなったためにステップSa2にてYESと判定したならばCPU29aは、ステップSa4へ進む。
【0069】
ステップSa4においてCPU29aは、新たにオンとなったのがDセンサ21であるか否かを確認する。そしてYESと判定したならばCPU29aは、ステップSa5へ進む。
【0070】
ステップSa5においてCPU29aは、ドライブモードへ移行するための予め定められた条件(Dモード移行条件)が成立しているか否かを確認する。Dモード移行条件は、自動車100の設計者などによって任意に定められて良い。そしてDモード移行条件が成立しているためにYESと判定したならばCPU29aは、ステップSa6へ進む。
【0071】
ステップSa6においてCPU29aは、走行モードとしてドライブモードを設定する。
【0072】
そしてこののちにCPU29aは、ステップSa1に戻る。なお、Dモード移行条件が成立していないためにステップSa5にてNOと判定したならばCPU29aは、ステップSa6をパスしてステップSa1に戻る。
【0073】
さて、ステップSa2にて新たにオンしたと判定されたセンサがDセンサ21ではないためにステップSa4にてNOと判定したならばCPU29aは、ステップSa7へ進む。
【0074】
ステップSa7においてCPU29aは、新たにオンとなったのがBセンサ22であるか否かを確認する。そしてYESと判定したならばCPU29aは、ステップSa8へ進む。
【0075】
ステップSa8においてCPU29aは、ブレーキモードへ移行するための予め定められた条件(Bモード移行条件)が成立しているか否かを確認する。Bモード移行条件は、自動車100の設計者などによって任意に定められて良い。そしてBモード移行条件が成立しているためにYESと判定したならばCPU29aは、ステップSa9へ進む。
【0076】
ステップSa9においてCPU29aは、走行モードとしてブレーキモードを設定する。
【0077】
そしてこののちにCPU29aは、ステップSa1に戻る。なお、Bモード移行条件が成立していないためにステップSa8にてNOと判定したならばCPU29aは、ステップSa9をパスしてステップSa1に戻る。
【0078】
さて、ステップSa2にて新たにオンしたと判定されたセンサがBセンサ22ではないためにステップSa7にてNOと判定したならばCPU29aは、ステップSa10へ進む。
【0079】
ステップSa10においてCPU29aは、新たにオンとなったのがRセンサ23であるか否かを確認する。そしてYESと判定したならばCPU29aは、ステップSa11へ進む。
【0080】
ステップSa11においてCPU29aは、リバースモードへ移行するための予め定められた条件(Rモード移行条件)が成立しているか否かを確認する。Rモード移行条件は、自動車100の設計者などによって任意に定められて良い。そしてRモード移行条件が成立しているためにYESと判定したならばCPU29aは、ステップSa12へ進む。
【0081】
ステップSa12においてCPU29aは、走行モードとしてリバースモードを設定する。
【0082】
そしてこののちにCPU29aは、ステップSa1に戻る。なお、Rモード移行条件が成立していないためにステップSa11にてNOと判定したならばCPU29aは、ステップSa12をパスしてステップSa1に戻る。
【0083】
さて、ステップSa2にて新たにオンしたと判定されたセンサがRセンサ23ではないためにステップSa10にてNOと判定したならばCPU29aは、ステップSa13へ進む。すなわち、ステップSa2にて新たにオンしたと判定されたセンサがNセンサ20であるならばCPU29aは、ステップSa13へ進む。
【0084】
ステップSa13においてCPU29aは、変数mを1つ増加する。つまり、Nセンサ20が新たにオンする毎に変数mを1つ増加する。
【0085】
ステップSa14においてCPU29aは、変数mが予め定めた閾値TH以上であるか否かを確認する。なお、閾値THは、2以上の値として自動車100の設計者などによって任意に定められて良い。一例として閾値は、「3」とすることが想定される。そして変数mが閾値TH以上ではないためにNOと判定したならばCPU29aは、ステップSa15へ進む。
【0086】
ステップSa15においてCPU29aは、ホールドタイマを起動する。ホールドタイマは、予め定めた必要保持時間を計時する。必要保持時間は、自動車100の設計者などによって任意に定められ良い。一例として必要保持時間は、1秒とすることが想定される。なおホールドタイマは、CPU29aによる走行モード設定処理とは別タスクの処理によるソフトウェアタイマとして実現することができる。ホールドタイマは、CPU29aとは別のプロセッサによるソフトウェアタイマや、ハードウェアタイマを用いても良い。
【0087】
ステップSa16においてCPU29aは、Nセンサ20がオフとなったか否かを確認する。そしてNセンサ20がまだオンのままであるためにNOと判定したならばCPU29aは、ステップSa17へ進む。
【0088】
ステップSa17においてCPU29aは、ホールドタイマがタイムアップしたか否かを確認する。そしてホールドタイマがタイムアップしていないためにNOと判定したならばCPU29aは、ステップSa16に戻る。
【0089】
かくしてCPU29aは、ステップSa16,17において、Nセンサ20がオフとなるか、あるいはホールドタイマがタイムアップするのを待ち受ける。
【0090】
ホールドタイマがタイムアップするのよりも先にNセンサ20がオフとなったためにステップSa16にてYESと判定したならばCPU29aは、ステップSa18へ進む。
【0091】
ステップSa18においてCPU29aは、ウェイトタイマを起動する。ウェイトタイマは、Nセンサ20の新たなオンが連続的に行われる場合におけるその間隔の許容時間としての待ち時間を計時する。待ち時間は、自動車100の設計者などによって任意に定められ良い。一例として必要保持時間は、0.5秒とすることが想定される。なおウェイトタイマは、CPU29aによる走行モード設定処理とは別タスクの処理によるソフトウェアタイマとして実現することができる。ウェイトタイマは、CPU29aとは別のプロセッサによるソフトウェアタイマや、ハードウェアタイマを用いても良い。
【0092】
そしてこの後にCPU29aは、ステップSa2,3の待ち受け状態に戻る。かくしてステップSa2,3の待ち受け状態においては、Nセンサ20が一旦オフとなってから待ち時間が経過するまでの間にNセンサ20が新たにオンとなるか否かを確認している。そしてNセンサ20が新たにオンとなるよりも先にウェイトタイマがタイムアップしたことによってステップSa3にてYESと判定したならばCPU29aは、ステップSa1に戻る。つまりこの場合には、変数mをクリアした上で、上述した処理を繰り返す。
【0093】
そして、Nセンサ20が一旦オフとなってから待ち時間が経過するまでの間にNセンサ20が新たにオンとなったならばCPU29aは、変数mをクリアすることなしに、ステップSa13において1つ増加する。なお、前述した通り、Dセンサ21、Bセンサ22およびRセンサ23のいずれかがオンとなった場合には、CPU29aはステップSa5,6,8,9,11,12のいずれかからステップSa1へと戻っており、mを0にクリアしている。かくして変数mは、待ち時間を越えない間隔で、かつ途中にDセンサ21、Bセンサ22およびRセンサ23のいずれもがオンとならないでNセンサ20のオン/オフが繰り返される状況においてNセンサ20がオンされた回数を表すものとなる。
【0094】
そして変数mが閾値TH以上となったことによってステップSa14にてYESと判定したならばCPU29aは、ステップSa19へ進む。また、ステップSa16,17の待ち受け状態において、Nセンサ20がオフになるよりも先にホールドタイマがタイムアップしたことによってステップSa17にてYESと判定したならばCPU29aは、ステップSa19へ進む。
【0095】
つまり、待ち時間を越えない間隔でNセンサ20のオン/オフが繰り返される中でのNセンサ20のオン回数が閾値THに応じた規定値以上となるか、あるいはNセンサが必要保持時間を越えてオンし続けたことに応じて、CPU29aはステップSa19へと進む。
【0096】
ステップSa19においてCPU29aは、現在の走行モードをニュートラルモードに設定しているか否かを確認する。そしてここでNOと判定したならばCPU29aは、ステップSa20へ進む。
【0097】
ステップSa20においてCPU29aは、走行モードとしてニュートラルモードを設定する。
【0098】
こののちにCPU29aは、ステップSa1に戻る。なお、既に走行モードとしてニュートラルモードを設定しているためにステップSa19にてYESと判定したならばCPU29aは、ステップSa20をパスしてステップSa1に戻る。
【0099】
以上のように自動車100では、走行モードがニュートラルモード以外に設定された状態において、ジョイスティックレバー30をニュートラルポジションNPに位置させた状態を必要保持時間を越えて維持するように運転者がジョイスティックレバー30を操作したならば、走行モードがニュートラルモードに変更される。
【0100】
ところで、ジョイスティックレバー30は、運転者が力を加えなければホームポジションHPに戻る。このため、走行モードをニュートラルモードに変更したい運転者が、ジョイスティックレバー30を一旦はニュートラルポジションNPに位置させたものの、必要保持時間を越えないうちに慌てて力を緩めてしまった場合には、ジョイスティックレバー30はホームポジションHPに戻ってしまい、走行モードはニュートラルモードには切り換わらない。そしてこのような状況において慌てた運転者は、上記と同様な動作を繰り返してしまいがちである。つまり、このような状況においては、ホームポジションHPとニュートラルポジションNPとの間を素早く往復させるようにジョイスティックレバー30が操作される。
【0101】
このとき、ジョイスティックレバー30がニュートラルポジションNPに位置する状態が必要保持時間を越えて維持されることはないが、走行モードがニュートラルモードに変更される。従って自動車100によれば、慌てた運転者による操作に従って走行モードを速やかにニュートラルモードに設定できる可能性を高めることができる。
【0102】
ただし、Nセンサ20がオンする間隔が待ち時間(所定時間)を越えることがないまま、Nセンサ20が規定回数を越えてオンするほどにNセンサ20が高頻度にオンした場合に、走行モードはニュートラルモードに設定される。このため、上記のような操作が規定頻度よりも低い頻度で行われた場合には、それに応じて走行モードをニュートラルモードに設定することはないから、走行モードを不必要にニュートラルモードに設定してしまうことはない。
【0103】
また、シフトレバーはホームポジションHPに自動復帰し、かつ、ホームポジションHPとニュートラルポジションNPとは、直線的な位置に配置されているので、運転非常時に運転者がホームポジションHPにシフトレバーを入れようとしてニュートラルポジションNPとホームポジションHPとの間を直線的に素早く何度も操作してしまう可能性がある。このような場合であっても、確実に車両をニュートラルモードに設定できるようになっている。
【0104】
更に、ホームポジションHPとニュートラルポジションNPとの間を操作している際に、ニュートラルポジションNP以外の別のポジション、例えば、ドライブポジションDPにシフトレバーが位置した際は、ニュートラルポジションNPに位置した回数をキャンセルすることで運転者がニュートラルポジションNP以外の別のポジションにいれようとする意思を反映することができる。
【0105】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0106】
ウェイトタイマにより計時する待ち時間を、変数mの値に応じて動的に変更しても良い。具体的には例えば、運転者がジョイスティックレバー30を繰り返しニュートラルポジションNPに移動させる場合、そのスピードは徐々に遅くなる可能性が高いので、変数mの値が大きいほどに待ち時間を長くすれば、上記の傾向に適応することができる。
【0107】
規定の時間が経過するまでの間にNセンサ20が新たにオンした回数が規定回数に到達したか否かを確認するなどのように、Nセンサ20が新たにオンする頻度が規定頻度を越えるか否かを判定するための処理は種々変形が可能である。
【0108】
Dセンサ21、Bセンサ22およびRセンサ23のいずれかがオンとなった場合には変数mを0にクリアしているが、これは行わないようにしても良い。つまり、途中でドライブポジションDP、ブレーキポジションBPおよびリバースポジションRPにジョイスティックレバー30が移動されることがあっても、Nセンサ20が新たにオンする頻度が規定頻度を越えるならば走行モードをニュートラルモードに設定することとしても良い。このようにすれば、例えば運転者が勢い余ってドライブポジションDPやリバースポジションRPにジョイスティックレバー30を移動させてしまった場合に変数mがリセットされてしまうことが無くなり、そのような操作を許容して速やかなニュートラルモードへの移行を可能とすることができる。ただし、各ポジションの配置が図2に示す状態であるときに上記のように変形実施するならば、閾値THは3以上に定めておくべきである。
【0109】
前記実施形態では、本発明のシフト装置における制御機能をPHEV−ECU29に持たせているが、他のECUに持たせても良い。
【0110】
この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0111】
20…Nセンサ、29…PHEV−ECU、29a…CPU、29b…ROM、29c…RAM、29d…EEPROM、29e…インタフェースユニット、29f…通信ユニット、30…ジョイスティックレバー、100…自動車。
図1
図2
図3
図4