(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記所定の操作を受け付け続けて前記第1所定時間経過した時に、前記基本表示とし、続けて前記第2所定時間経過すると前記動作手段の動作可否を動作可能状態と動作禁止状態との間で切り替えることを特徴とする請求項1記載の電子時計。
前記表示手段は、前記複数の機能の各々を示す機能標識及び前記動作禁止状態を示す禁止標識が設けられた文字盤と、前記文字盤に対して回動可能に配置された指針と、を備え、
前記制御手段は、前記表示手段に前記基本表示を行わせていない場合に、前記表示手段による表示内容に係る機能に対応する前記機能標識を前記指針に指し示させ、前記基本表示を行わせている場合に、前記指針に前記禁止標識を指し示させることで前記動作禁止状態を示す表示を行う
ことを特徴とする請求項1又は2記載の電子時計。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の電子時計の実施形態であるアナログ電子時計1の正面図である。
このアナログ電子時計1は、内部に各構成を収めるケーシング2と、ケーシング2内で一方の面(露出面)が外部に露出される文字盤3と、文字盤3の露出面を覆う図示略の透明部材(風防ガラス)と、文字盤3の略中心を回転軸として文字盤3の略全面に亘って回転動作し、文字盤3の外縁付近に設けられた標識や目盛を指し示す秒針61、分針62及び時針63と、文字盤3の露出面とは反対側に当該文字盤3と平行に設けられ、回転動作に応じて文字盤3の4時30分位置に設けられた開口部4から一の標識が露出される日車64と、文字盤3の3時位置に設けられた小窓5及び小窓5の内部で回転動作するモード指針65(指針)と、ケーシング2における文字盤3の露出面に対して側面側に設けられたりゅうずスイッチC1及び押しボタンスイッチB1、B2、B3と、などを備える。
【0012】
秒針61、分針62及び時針63(まとめて時刻指針61〜63とも記す)は、通常、時刻を表示する場合に、それぞれ、時刻の時、分、秒を指し示す。日車64は、その周縁部に日付を表す標識が順番に等間隔で設けられて、これらの標識のうちの一つが開口部4から露出されることで日付を示す。また、本実施形態のアナログ電子時計1では、時刻指針61〜63が各種機能に係る表示や設定にも用いられる。
【0013】
モード指針65は、小窓5内部の3時側に設けられた7つの標識(曜日標識)の何れかを指し示すことで曜日を示し、小窓5内部の9時側に設けられた4つの標識のうち、上側(12時寄り)の3つの標識(機能標識)の何れかを指し示すことで、時刻指針61〜63により表示され、また、当該表示に対する操作を受け付ける機能モードの種別を示す。このアナログ電子時計1では、機能モードとしてストップウォッチモード、タイマーモード及びアラーム設定モード(アラームモード)があり、それぞれ、標識「ST」、標識「TR」及び標識「AL」で示される。また、これらの各種機能モードと平行して、無線通信電波の送受信の可否に係る設定(機内モードとも呼ばれる)が可能となっており、この無線通信電波の送受信禁止時に当該禁止を示す標識(禁止標識)として指し示される飛行機形状の標識(飛行機標識)が、機能モード標識の下側(6時側)に設けられている。
これら文字盤3と、時刻指針61〜63、日車64及びモード指針65とにより表示手段が構成される。
【0014】
りゅうずスイッチC1及び押しボタンスイッチB1〜B3は、それぞれ、ユーザからの入力操作を受け付ける。りゅうずスイッチC1は、ケーシング2から2段階の引き出しが可能であり、引き出された状態で回転操作が行われることにより各種設定の切り替えや値の変更が行われる。押しボタンスイッチB1〜B3は、それぞれ、押下されることで機能モードの種別やその動作状態ごとに割り当てられた動作命令を受け付ける。これらのうち、押しボタンスイッチB3は、表示される機能モードの切り替えに用いられる。
【0015】
図2は、アナログ電子時計1の内部構成を示すブロック図である。
アナログ電子時計1は、CPU41(Central Processing Unit)(出力制御手段、
設定手段)と、ROM42(Read Only Memory)と、RAM43(Random Access Memory)と、発振回路44と、分周回路45と、計時回路46と、操作部47(
受付手段)と、標準電波受信部48及びそのアンテナ49と、GPS受信処理部50及びそのアンテナ51と、Bluetoothモジュール52及びそのアンテナ53と、UART54(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)と、音声出力部55(音声出力手段)及びそのドライバ56と、駆動回路57と、上述の時刻指針61〜63、日車64及びモード指針65と、輪列機構71〜75と、ステッピングモータ81〜85などを備える。
【0016】
CPU41は、各種演算処理を行い、また、アナログ電子時計1の全体動作を統括制御する。CPU41は、日時の表示に係る指針動作を制御すると共に、標準電波受信部48を動作させて受信データを取得して日時を算出したり、GPS受信処理部50を動作させて日時情報を取得したりする。また、CPU41は、Bluetoothモジュール52を動作させて外部の電子機器と通信を行い、情報の送受信を行う。
【0017】
ROM42は、CPU41により実行される各種制御用のプログラムや設定データを格納する。
RAM43は、CPU41に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAM43には、また、日時情報及び位置情報取得の履歴、都市設定や指針位置を示すデータ、Bluetooth通信が行われる外部電子機器の識別情報などの通信データ、当該外部電子機器から受信された設定情報などが記憶されている。
【0018】
発振回路44は、所定の周波数信号を生成して出力する。発振回路44は、例えば、水晶発振器を備える。
分周回路45は、発振回路44から出力された周波数信号をCPU41や計時回路46により利用される周波数の信号に分周して出力する。出力される周波数は、CPU41からの制御信号により変更可能に設定されていても良い。
計時回路46は、所定の日時を示す初期値に分周回路45から入力される分周信号を計数して加算していくことにより現在の日時を計数する。この計時回路46の計数する日時は、CPU41からの制御信号により修正されることが可能となっている。
【0019】
操作部47は、ユーザからの入力操作を受け付ける。操作部47には、上述の押しボタンスイッチB1〜B3やりゅうずスイッチC1が含まれる。押しボタンスイッチB1〜B3がそれぞれ押下されたり、りゅうずスイッチC1が引き出され、押し戻され、また、引き出された状態で回転動作がなされたりした場合には、動作種別に応じた電気信号がCPU41に出力される。
【0020】
標準電波受信部48は、アンテナ49を用いて長波長帯の電波を受信して、振幅変調された標準電波の時刻信号出力(TCO)を復調し、受信感度を向上させるための各種処理を行い、アナログ信号を所定のサンプリング周波数でデジタル化した後にCPU41へ出力する。標準電波受信部48による長波長帯の同調周波数は、CPU41の制御により受信対象とされた標準電波送信局からの送信周波数に応じて変更される。
【0021】
GPS受信処理部50は、アンテナ51を用いてL1帯(1.57542GHz)の電波を受信し、測位衛星、例えば、GPS(Global Positioning System)に係る測位衛星(GPS衛星)からのスペクトラム拡散された送信電波を復調して信号(航法メッセージデータ)を復号、解読する。GPS受信処理部50は、解読された航法メッセージデータの内容に対して、更に、必要に応じて各種演算処理を行い、CPU41からの要求に応じたデータを予め設定されたフォーマットで出力する。GPS受信処理部50の動作は、CPU41により独自にオンオフの制御がなされる。アナログ電子時計1では、GPS受信処理部50を動作させる必要が無い場合や動作を禁止する場合には、GPS受信処理部50への電力供給を中断することが出来る。
【0022】
Bluetoothモジュール52は、アンテナ53を介して外部の電子機器との間でBluetooth通信を行うための制御モジュールである。CPU41から送られた送信データは、UART54でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、Bluetoothモジュール52で変調され、外部機器に送信される。また、アンテナ53を介してBluetoothモジュール52により受信された受信データは、復調された後、UART54でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、CPU41へ出力される。Bluetoothモジュール52の動作は、CPU41により独自にオンオフの制御がなされる。アナログ電子時計1では、Bluetooth通信を行わない場合や通信が禁止されている場合には、Bluetoothモジュール52への電力供給を中断することが出来る。
GPS受信処理部50及びBluetoothモジュール52により
動作手段が構成される。
【0023】
音声出力部55は、例えば、圧電素子などに所定の駆動電圧信号を入力することで発振させてビープ音(報知音)を発生させる。ドライバ56は、CPU41からの制御信号に応じて音声出力部55を動作させるための駆動電圧信号を音声出力部55に出力する。この音声出力部55による音声出力は、ユーザの操作部47への操作により可否の設定が行われる。
【0024】
本実施形態の電子時計の動作に必要な電力を供給するバッテリとしては、例えば、ソーラバッテリと二次電池とが用いられる。或いは、バッテリとして着脱交換可能なボタン型の乾電池を用いても良い。また、複数の異なる電圧が供給される場合には、例えば、スイッチング電源などを用いて所望の電圧に変換して出力可能な構成とすることが出来る。
【0025】
ステッピングモータ81は、複数の歯車の配列である輪列機構71を介して秒針61を回転動作させる。ステッピングモータ82は、輪列機構72を介して分針62を回転動作させる。ステッピングモータ83は、輪列機構73を介して時針63を回転動作させる。ステッピングモータ84は、輪列機構74を介して日車64を回転動作させる。また、ステッピングモータ85は、輪列機構75を介してモード指針65を回転動作させる。
【0026】
ステッピングモータ81〜85が一回駆動されるごとに各指針が何度回転するかは、それぞれ、輪列機構71〜75における歯車の配列により定められる。例えば、ここでは、秒針61及びモード指針65は、ステッピングモータ81、85がそれぞれ1回駆動されるごとに6度回転されるように輪列機構71、75が構成され、分針62及び時針63は、ステッピングモータ82、83がそれぞれ1回駆動されるごとに1度回転されるように輪列機構72、73が構成されている。また、ステッピングモータ84は、例えば、150回の駆動で開口部4から露出させる日車64上の日付標識を1日分変化させる。
【0027】
時刻指針61〜63、日車64及びモード指針65は、特には限られないが、正転方向(時刻が進む方向、文字盤3の露出面側から見て右回り)に90pps(pulse per second)で回転移動可能であり、また、逆転方向に32ppsで回転移動可能となっている。
【0028】
駆動回路57は、CPU41からの制御信号に従ってステッピングモータ81〜85に所定電圧の駆動パルスを出力する。駆動回路57は、アナログ電子時計1の状態などに応じて駆動パルスの長さ(パルス幅)を変更させることが出来る。また、複数の指針を同時に駆動させる制御信号が入力された場合に、負荷のピーク値を低減させるために僅かに駆動パルスの出力タイミングをずらしたりすることが出来る。
【0029】
次に、本実施形態のアナログ電子時計1による無線通信の禁止設定及び解除に係る動作について説明する。
【0030】
図3は、機能モードの切り替えについて説明する図である。
本実施形態のアナログ電子時計1では、押しボタンスイッチB3が押下されることで、表示される機能モードの切替が行われる。ここでは、押しボタンスイッチB3が一回押下されるごとに、基本時計モード、ストップウォッチモード、タイマーモード、アラーム設定モードの順で変更され、アラーム設定モードにおいて押しボタンスイッチB3が再度押下されると、基本時計モードに戻る設定となっている。なお、基本時計モードにおける日時の計数をはじめ、ストップウォッチモードやタイマーモードで計測されている経過時間の計数動作などは、表示される機能モードが変更されても継続される。このとき、音声出力部55からの音声発信が可能な設定の場合には、変更を示す音声、例えば、短い(例えば、0.1秒間など)ビープ音が1回出力される。
【0031】
また、このアナログ電子時計1では、押しボタンスイッチB3が連続的に2秒間(第1所定時間)押下されることで、何れの機能モードに係る表示が行われている状態であっても、直接基本時計モード(基本機能)に復帰する。このとき、音声出力部55からの音声発信が可能な設定の場合には、上述の変更を示す音声とは異なる音声、例えば、短いビープ音が連続して2回(例えば、0.3秒間隔など)出力されることで、基本時計モードへの直接復帰が報知される。
【0032】
本実施形態のアナログ電子時計1では、また、押しボタンスイッチB3が連続して4秒間(第2所定時間)押下されることで、強い(所定強度の)電磁波を発生する無線通信可否(動作可否)に係る設定が動作可能状態と動作禁止状態との間で交互に切り替えられる。即ち、このアナログ電子時計1では、押しボタンスイッチB3が押下された段階で機能モードが1つ変更され、2秒間押下された段階で基本時計モードに移行し、4秒間押下された段階で無線通信可否に係る設定が切り替えられる。従って、無線通信の可否が切り替えられた後には、必ず基本時計モードになる。このとき、音声出力部55からの音声発信が可能な設定の場合には、上述の2パターンの音声とは更に異なるパターンの音声、例えば、長い(例えば、0.5秒間など)ビープ音が1回出力されることで、無線通信可否に係る設定が切り替えられたことが報知される。
【0033】
図4は、本実施形態のアナログ電子時計1において実行される操作受付処理のうち、機能モードの切り替えに係る処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。
【0034】
この操作受付処理は、ユーザによる操作部47の押しボタンスイッチB1〜B3又はりゅうずスイッチC1の何れかのスイッチ操作に係る入力信号がCPU41に入力されることで開始される。
【0035】
操作受付処理が開始されると、CPU41は、先ず、押しボタンスイッチB3が押下されたか否かを判別する(ステップS101)。或いは、単にどのスイッチが操作されたかを判別しても良い。このとき、CPU41は、スイッチが操作されてからの継続時間(操作受付処理が開始されてからの継続時間でも良い)の計数を開始する。押しボタンスイッチB3が押下されたのではない(押しボタンスイッチB3以外のスイッチが操作された)と判別された場合には(ステップS101で“NO”)、CPU41は、当該操作されたスイッチ、機能モード及び動作状態に応じた処理を実行する。
【0036】
押しボタンスイッチB3が押下されたと判別された場合には(ステップS101で“YES”)、CPU41は、現在の機能モードから次の機能モードに移行させる(ステップS102)。CPU41は、表示内容を当該次の機能モードに係るものに変更する。
【0037】
CPU41は、押しボタンスイッチB3が押下された状態が継続されているか否かを判別する(ステップS103)。継続していない(既に押下されていない)と判別された場合には(ステップS103で“NO”)、CPU41は、操作受付処理を終了する。継続していると判別された場合には(ステップS103で“YES”)、CPU41は、ステップS101で計数が開始された継続時間が2秒以上となったか否かを判別する(ステップS104)。2秒以上となっていないと判別された場合には(ステップS104で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS103に戻る。
なお、CPU41は、押しボタンスイッチB3が押下されたと判別された場合には(ステップS101で“YES”)、ステップS102の処理を行わずにステップS103へ処理を移行させ、ステップS103の判別処理で、押しボタンスイッチB3が押下された状態が継続していないと判別された場合に(ステップS103で“NO”)、現在の機能モードから次の機能モードに移行させる(ステップS102)ようにしても良い。
【0038】
継続時間が2秒以上となったと判別された場合には(ステップS104で“YES”)、CPU41は、機能モードを基本時計モードに移行させる(ステップS105)。CPU41は、駆動回路57に制御信号を出力して、時刻指針61〜63による表示内容を基本時計モードにおける基本表示に変更させると共に、モード指針65を現在の曜日位置に移動させる。
【0039】
それから、CPU41は、押下状態が継続されているか否かを判別する(ステップS106)。継続されていないと判別された場合には(ステップS106で“NO”)、CPU41は、操作受付処理を終了する。
【0040】
押下状態が継続されていると判別された場合には(ステップS106で“YES”)、CPU41は、押下状態の継続時間が4秒以上であるか否かを判別する(ステップS107)。4秒以上ではないと判別された場合には(ステップS107で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS106に戻る。
【0041】
押下状態の継続時間が4秒以上であると判別された場合には(ステップS107で“YES”)、CPU41は、現在、無線通信を禁止する設定がなされているか否かを判別する(ステップS108)。無線通信禁止の設定がなされていると判別された場合には(ステップS108で“YES”)、CPU41は、当該無線通信禁止の設定を解除する(ステップS110)。CPU41は、モード指針65を現在の曜日位置に移動させる。そして、CPU41は、操作受付処理を終了する。
【0042】
無線通信禁止の設定がなされていないと判別された場合には(ステップS108で“NO”)、CPU41は、無線通信を禁止する設定を行う(ステップS109)。CPU41は、駆動回路57に制御信号を出力して、モード指針65を飛行機標識の位置に移動させる。このとき、GPS衛星からの電波受信中や他の電子機器とBluetooth通信中である場合には、電波受信や通信動作の終了処理を行う。そして、CPU41は、操作受付処理を終了する。
【0043】
図5は、モード指針65による表示について示す図である。
【0044】
図5(a)に示すように、基本時計モードでは、モード指針65は、小窓5内において、曜日標識のうちの何れかを指し示す。ここでは、曜日標識「SU」が指し示されることで、基本時計モードであり、且つ、日曜日であることが示されている。
【0045】
一方、ストップウォッチモード、タイマーモード又はアラーム設定モードの何れかの機能に係る表示が行われている場合には、モード指針65は、小窓5内において、それぞれ、機能標識「ST」、「TR」、「AL」を指し示す。例えば、ストップウォッチモードでは、
図5(b)に示されるように、機能標識「ST」がモード指針65により指し示されている。この間、曜日の表示は行われない。
【0046】
図5(c)に示すように、無線通信禁止(機内モード)の設定がなされた場合には、基本時計モードにおいて、曜日標識の代わりに飛行機標識がモード指針65によって指し示される。上述のように、無線通信の禁止設定がなされる場合又は解除される場合には、必ず一度基本時計モードに移行するので、モード指針65により曜日標識又は飛行機標識の何れが指し示されているかにより、無線通信の禁止設定がなされた又は解除されたことが示される。
【0047】
無線通信の禁止設定がなされている間でも、ストップウォッチ、タイマ及びアラーム設定の各モードにおける表示及び動作は、可能である。無線通信の禁止設定中にこれらの機能モードに係る表示状態に移行した場合には、モード指針65により該当する機能標識が指し示される。例えば、
図5(d)に示すように、アラーム設定モードでは、標識「AL」がモード指針65により指し示される。この間、無線通信の禁止設定がなされているかは、表示されない。
【0048】
[変形例]
図6は、本実施形態のアナログ電子時計1における機能モードの切り替えに係る変形例について説明する図である。
【0049】
この変形例のアナログ電子時計1では、CPU41は、操作部47から出力される操作信号に基づいて、操作部47からの操作信号が途切れた場合、即ち、押しボタンスイッチB1〜B3の押下が終了したタイミングを検出して(リリース検知)動作を行う。
【0050】
基本時計モードにおいて、押しボタンスイッチB3の押下状態が終了すると、押下中に計数されていた押下継続時間が取得される。継続時間が2秒未満の場合には、ストップウォッチモードに移行し、2秒以上4秒未満の場合には、基本時計モード、即ち、モードの変更はなく、4秒以上の場合には、無線通信の可否に係る設定が切り替えられる。
【0051】
同様に、ストップウォッチモード、タイマーモード及びアラーム設定モードの各状態で継続時間が2秒未満であった場合には、それぞれ、タイマーモード、アラーム設定モード及び基本時計モードに移行する。2秒以上4秒未満であった場合には、何れの場合でも基本時計モードに移行する。4秒以上であった場合には、何れの場合であっても、無線通信の可否に係る設定の切替が行われ、また、基本時計モードに移行する。
これらの場合、4秒が経過した時点で、それ以上の押しボタンスイッチB3の押下継続有無に拘わらず、無線通信可否の設定を切り替え、また、基本時計モードに移行させても良い。同様に、ユーザが無線通信可否の切り替えを行わず、単に基本時計モードへ戻したい場合に、2秒以上4秒未満の継続時間を計って押しボタンスイッチB3を押下する手間を避けるために、2秒未満の通常の押下操作に対してのみリリース検知に伴う動作を行い、2秒以上の長押しに対しては、当該時間が経過した時点で動作を行わせても良い。
【0052】
このように、リリース検知により機能モードを切り替える場合には、無線通信可否の設定が切り替えられる前に次の他の機能モードへの不要な切り替え動作が発生しない。
【0053】
以上のように、本実施形態のアナログ電子時計1は、Bluetooth通信時に所定強度以上の電磁波を送信するBluetoothモジュール52と、動作時に電磁波を発生するGPS受信処理部50と、文字盤3に対して回転動作する時刻指針61〜63、日車64及び小窓5内で回転動作するモード指針65と、これらの指針による表示内容を、複数の機能に係る表示内容間で切り替える押しボタンスイッチB3の押下操作を受け付ける操作部47と、CPU41と、を備える。CPU41は、押しボタンスイッチB3が2秒間連続的に押下された場合に、指針による表示内容を基本時計モードとし、押しボタンスイッチが4秒間押下された場合に、Bluetoothモジュール52やGPS受信処理部50の動作可否に係る設定を動作可能状態と動作禁止状態との間で切り替える。
従って、ユーザの動作状態などに応じて異なる煩雑な動作を必要とせず、直接的な動作で容易且つ速やかに通信機能や電波を受信、発生する機能のオンオフを切り替えることが可能となる。また、ユーザがこれらの機能のオンオフを速やかに切り替えられずに問題が生じる事態を避けることが出来る。
【0054】
また、CPU41は、基本時計モードにおいてモード指針65に機内モード(通信動作禁止)の設定を示す飛行機標識を指し示させる一方、機内モード設定がなされていない場合には、曜日標識の何れかを指し示させることで、機内モードの設定有無をユーザに知得させることが出来る。特に、通信動作可否の切り替え設定時には、それまでの表示状態に依らず必ず基本時計モードでの表示となっているので、ユーザの意図する切り替えが適切になされたか否かを即座且つ確実に視認することが出来る。
【0055】
また、特に、文字盤3に対して回転動作する時刻指針61〜64、日車64及びモード指針65による表示が行われるアナログ電子時計1において、各機能の実施時には、モード指針65に当該機能を示す機能標識を指し示させ、基本時計モードに係る表示中には、飛行機標識又は曜日標識を指し示させることで、一本の指針で効率良く必要な表示を行わせることが出来る。特に、基本時計モードで相対的に常時表示の必要性の低い曜日標識の代わりに飛行機標識を指し示させることで、影響を最小限に抑えつつアナログ電子時計1における機能モード及び通信動作の可否に係る表示を的確に行って、ユーザがアナログ電子時計1の状態を把握出来なくなる状況を避けて容易な操作を可能としている。
【0056】
また、所定の報知音を出力する音声出力部55を備え、CPU41は、動作可否の切り替え時に、例えば、表示内容の順次切り替え時に出力する短い(0.1秒間以下など)単音1回のビープ音による報知を行わせる一方、無線通信動作のオンオフ設定切り替え時には、この単音報知とは異なる音声出力パターン、例えば、0.5秒間以上の長音で報知音出力を行わせる。
従って、経過時間に応じて、現在どの処理が行われたかを知得することが出来、ユーザは、報知音に基づいて当該長音が聞こえるまで押しボタンスイッチB3を押下し続ければ良い。即ち、ユーザがモード指針65の動作を見ながら押下時間を考慮する必要が無い。
【0057】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、アナログ電子時計1を例に挙げて説明したが、デジタル表示画面を備えたデジタル電子時計であっても良い。この場合、曜日の表示領域に機内モードを示す表示を行わせても良いし、別途機内モードを示すセグメントを用意して点灯又は消灯の制御を行うことで、曜日表示と並列に表示可能としても良い。
【0058】
同様にアナログ電子時計であっても、機能モードを示す指針と機内モードを示す指針とが別途設けられる場合には、これらを同時に表示させても良い。或いは、指針による表示とデジタル表示画面とが併用された電子時計の場合には、デザインや機能に応じて適宜どちらかで機内モードの設定に係る表示を行わせることが出来る。
【0059】
また、上記実施の形態では、押しボタンスイッチB3を押下する時間に基づいて機能モード及び電波受信の動作可否の設定を行ったが、他の容易な動作、例えば、タッチパネル機能を有する場合に、所定箇所へのタッチ時間に基づいてこれらの設定を行っても良い。
【0060】
また、上記実施の形態では、Bluetooth通信とGPS受信処理部による測位衛星からの電波受信の動作禁止について説明したが、他の通信方法も適宜用いることが出来る。このとき、標準電波が送信されている長波長電波の受信動作や赤外線通信に関しては、航空機内での受信禁止対象とならないが、他のBluetoothモジュール52やGPS受信処理部50と共に機内モード時に併せて動作禁止とさせても良い。同様に、本発明は、UWB(IEEE802.15.3a)、Zigbee(登録商標、IEEE802.15.4)や無線LAN(IEEE802.11n)などの動作状態可否の切り替えに用いることが出来る。更に、これらの通信手段や受信手段のうち停止動作が必須ではないものについて、何れを機内モードでオフさせるかについて、予めユーザの手動操作で設定可能としても良い。また、その他、所定強度の電磁波を発生させる電子機器に当たる行為、例えば、外部充電器(電磁誘導によるものなど)を用いた充電機能などを有する場合には、当該動作を禁止する設定とすることが出来る。
【0061】
また、上記実施の形態では、押しボタンスイッチB3によって切り替えられる機能モードの種別として基本時計モード、ストップウォッチモード、タイマーモード及びアラーム設定モードを挙げたが、その他のものが含まれていても良い。このとき、機能モード中に測位に係るモードやBluetooth通信の動作に係るモードがある場合、通信動作禁止設定中には、これらのモードをスキップして選択させないこととしても良いし、履歴の表示や各種設定動作のみが可能としても良い。
【0062】
また、上記実施の形態では、設定された都市の時刻表示を行う基本時計モードを基本機能としたが、他の機能モードがメインのもの、例えば、時刻表示(時計)機能を有するストップウォッチなどでは、長押しにより、当該ストップウォッチ機能に移動させると共に、更に、無線通信動作の可否の切り替えを行わせることも出来る。
その他、上記実施の形態で示した構成、配置や制御手順などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0064】
[付記]
<請求項1>
所定強度以上の電磁波の送信、受信及び発生のうち少なくとも何れかを伴う電磁波動作手段と、
情報の表示を行う表示手段と、
前記表示手段による表示内容を、複数の機能に係る表示内容間で切り替える所定の操作を受け付ける操作手段と、
前記操作手段が第1所定時間連続的に前記所定の操作を受け付け続けた場合に、前記表示手段の表示内容を所定の基本機能に係る基本表示とする出力制御手段と、
前記操作手段が前記第1所定時間より長い第2所定時間連続的に前記所定の操作を受け付け続けた場合に、前記電磁波動作手段の動作可否を動作可能状態と動作禁止状態との間で切り替える電磁波動作設定手段と、
を備えることを特徴とする電子時計。
<請求項2>
前記出力制御手段は、少なくとも前記基本表示が行われている間、前記表示手段に前記動作可否に応じた表示を行わせることを特徴とする請求項1記載の電子時計。
<請求項3>
前記出力制御手段は、前記表示手段の現在の表示内容に係らず、前記操作手段が前記第1所定時間連続的に前記所定の操作を受け付け続けた場合に、前記基本表示とすることを特徴とする請求項1又は2記載の電子時計。
<請求項4>
前記表示手段は、前記複数の機能の各々を示す機能標識及び前記動作禁止状態を示す禁止標識が設けられた文字盤と、前記文字盤に対して回動可能に配置された指針と、を有し、
前記出力制御手段は、前記表示手段に前記基本表示を行わせていない場合に、前記表示手段による表示内容に係る機能に対応する前記機能標識を前記指針に指し示させ、前記基本表示を行わせている場合に、前記指針に前記禁止標識を指し示させることで前記動作禁止状態を示す表示を行う
ことを特徴とする請求項2又は3記載の電子時計。
<請求項5>
所定の報知音を出力する音声出力手段を備え、
前記出力制御手段は、前記動作可否の切り替え時に、前記表示手段による表示内容の切り替え時に出力する報知音とは異なるパターンで報知音出力を行わせる
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電子時計。