特許第6094539号(P6094539)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6094539
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】転動体ベル
(51)【国際特許分類】
   G10K 1/072 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
   G10K1/072 Z
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-143152(P2014-143152)
(22)【出願日】2014年7月11日
(62)【分割の表示】特願2012-263433(P2012-263433)の分割
【原出願日】2012年11月30日
(65)【公開番号】特開2014-199465(P2014-199465A)
(43)【公開日】2014年10月23日
【審査請求日】2015年11月25日
(31)【優先権主張番号】特願2011-281711(P2011-281711)
(32)【優先日】2011年12月22日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-21987(P2012-21987)
(32)【優先日】2012年2月3日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
【審査官】 渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3121672(JP,U)
【文献】 実開昭49−133573(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 1/00− 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
転動体が転がることで鳴るベルであって、ベルはベース部と、当該ベース部に直接又は間接的に支持されたりん部とを有し、
前記ベース部は凹部を有し、当該凹部には転動体が転動可能に載置されていて、
前記ベース部は水平機構により水平に保持されていることを特徴とする転動体ベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアベル,警報ベル,動物よけ鈴、呼び鈴等、広い分野にて利用できるベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から人の来訪を知らせるドアベル、人に警報する警報ベル、熊等の動物よけの為のベル、縁起物としての鈴等、各種ベルが提案されているが、従来のベルはいずれも大きく振らないと鳴らないものであり音色も単調であった。
特許文献1には金属薄板で形成した空所に転動子を収容した鈴を開示し、特許文献2には上下の共鳴体の間に球を保持した鈴おもちゃを開示するが、いずれも大きな振れにて音が出るものである。
特許文献3には電気信号により皿部上の球状体を運動させることで、釣鐘部材に音を発生させる電子風鈴を開示する。
しかし、電気信号を出力させる特殊装置が必要であり、構造が複雑である。
また、従来のベルには図15に示すように、りん部112の内側にひも等の吊り下げ部材111を用いておもり114等を吊り下げたものがある。
この場合におもり114が振れる周期は、吊り下げ部材111の長さで決まってしまう問題があった。
また、このように吊り下げた打鈴球のタイプにあっては、球がりん部の内壁と当たる角度が一定である。
しかも、りん部を振っても球がひも等に吊り下げられているので、すぐには鳴らない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3012065号公
【特許文献2】意匠登録第392367号公報
【特許文献3】実用新案登録第3121672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電気的な制御装置を用いることなく小さな動きで鳴り、音の大きさや音色の調整が容易なベルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る転動体ベルは、転動体が転がることで鳴るベルであって、ベルはベース部と、当該ベース部に直接又は間接的に支持されたりん部とを有し、前記ベース部は凹部を有し、当該凹部には転動体が転動可能に載置されていて、前記ベース部は水平機構により水平に保持されていることを特徴とする。
ここで転動体は、ベース部材の凹部の底部に沿って転がり、りん部に当たるものをいう。
転がるものであれば形状に制限はないが、転がりやすいものとしては球体に近いものが好ましい。
本発明におけるベルは概ね横方向に動かして使用するものであり、転動体が凹部の底面に沿って転がるように動かすことをいい、多少斜めに動かすことも含まれる。
転動体がベース部の凹部底面に載置されており、この状態でベルが概ね横方向に動くと転動体はその慣性力にてベルの動く方向とは逆方向に転がり始める。
また、ベース部とりん部とは所定の隙や空間を有するように連結するのがよく、それにより、音の鳴り響きが良くなる。
本発明は、この球体等の転動体の転動する周期(速さ)をベース部の凹部の底面形状(転動面形状)にて調整した点にある。
このようにすると、従来のベルは吊り下げ部材の長さによる影響が大きく、音の調整が困難であったのに対して、本発明は、凹部の底面の曲率等にて容易に調整可能である。
【0006】
本発明に係るベルは、球体等の転動体がベース部に形成した凹部形状からなる転動面を転がるようにしたので、転動面の形状により転動体の転がりやすさ、転がり速度を調整することができる。
そこで、転動面の形状を中央部が最も低くなる球面形状にし、球面の曲率を小さくすれば転動体が転がりにくくなり、転動体がりん部に当たる力がそれだけ弱くなるので小さい音になる。
また、ベルの動きが小さい場合には、転動体がりん部に当たる前に中央側に戻ることで音が鳴らない。
また、逆に転動面の曲率を大きくし、平坦に近い状態にすると小さい動きでも音が鳴る。
転動面の形状は必ずしも球面形状にする必要はなく、転動体の転がる方向を規制した溝部を有してもよく、例えば中心から周縁部に向けて放射状に形成したり、うず巻き状に溝部を形成してもよい。
また、凹部の底面であって、少なくとも中央部に所定の曲率からなる球面形状部を有するようにすると、この球面形状部にて転動体の転がる周期やりん部に当たる強さの調整がしやすい。
【0007】
従来の糸等で吊り下げた打鈴球の場合には、りん部の内壁との当たる角度が一定であるのに対して、本発明に係るベルは、ベース部の転動面の傾斜角度、りん部の内壁の角度によって転動体の当たり方が変わるので、それらの角度や転動体の当たる高さを調整することができる。
また、転動体の大きさや材質によってもりん部の鳴り方が変化するが、転動体の取り替えも容易である。
【0008】
本発明は、ベルを概ね横方向に動かす大きさが所定より小さいと転動体が転がらないようにした停止手段を有するようにしてもよい。
ここで転動体の停止手段としては、ベース部の転動用凹面の一部、例えば中央部に小さなくぼみを設ける方法や、ベース部が鉄等の強磁性体でない場合で、転動体が磁性体である場合に、このベース部にマグネットを埋設あるいはベース部の裏側等にマグネットを配設する方法がある。
いずれにしても、ベルの動きが小さい場合に、転動体が動かないようにしたものであれば、手段に制限は無い。
このようにすると、小さなベルの動きでは転動体が動かないが、所定の大きさ以上になり、転動体がくぼみより飛び出したり、マグネットから外れることで共鳴体に当たるようになる。
本発明に係るベルはベル単体としても使用可能であり、製品の一部に組み込んだり、玄関ドア等の被取付体に取り付けて使用することも可能である。
ここで、玄関ドア等に取り付けるとは、ドア等の外部のみなず、ドア等の内部に取り付けることも含まれる。
玄関ドアには前後方向に回動する開きドアと左右方向にスライドする引戸があり、引戸は開きドアに比較して振れ、揺れが小さい。
本発明に係るベルはベース部の上面を転動体が転がる際にりん部に当たるので、このような振れの小さい引戸に取り付けても、大きい音が発生する。
また、風等による小さな揺れでは鳴らないようにできる。
被取付体にベルを取り付ける際に被取付体に取り付けるための取付部とベルとを弾性体で連結すると、この弾性体がベルの振れや揺れを増幅したり、逆に抑制したりする。
例えば、取付部の上に弾性体を介してベルを立設すると、取付部の振れを増幅させるように作用し、取付部の下に弾性体でベルを吊り下げると振れが弾性体により抑えられる。
また、弾性体に連結するとベルが長く鳴る。
本発明に係るベルをドアに取り付ける場合にドアを開閉する取手に取り付けてもよい。
また、転動体が転がる範囲を制御又は転がりを止める制御手段を設けると音の大きさを制御したり、音そのものがでないようにすることもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るベルは、転動体のりん部への当たり方を調整することで、鳴る音の高さ,強さ,音色等の調整が可能である。
特に転動体の転がる周期,速度を底面の曲率,転がり軌道の規制溝等によって調整が容易である。
また、転動面の曲率を大きくし平坦な形状に近づけると、微細な動きによっても充分な運動エネルギーを与えることができ、大きな音になる。
また、転動体の制御手段を設けると、転動体の転がり範囲や転がりそのものを止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るベルの例を示し、(a)は断面図、(b)は転動体がりん部に当たる際の部分拡大図を示す。
図2】試験評価した転動面の曲率と音圧の測定結果を示す。曲率Rの値が(a)は70mm,(b)は80mm,(c)は90mmである。
図3】試験評価した転動面の曲率と音圧の測定結果を示す。曲率Rの値が(a)は100mm,(b)は150mm,(c)は200mmである。
図4】本発明に係るベルの構造例を示し、釣鐘形状の共鳴部(りん部)の例を示し、(a),(b),(c)でベース部の凹面形状の曲率を変化させた例を示す。
図5】ベース部の凹面の形状例を示し、(a)はくぼみを形成した例、(b)は裏面にマグネットを取り付けた例を示す。
図6】ベース部を弾性体で支持した例を示す。
図7】製品の一部にベルを組み込んだ例を示す。
図8】ベース部とりん部との連結例を示し、(a)はベース部とりん部の上端と連結した例、(b)は内側の支柱で連結した例、(c)はU字状に分岐した支柱で連結した例を示す。
図9】取付部とベルを弾性体で連結した例を示し、(a)はベース部で連結した例、(b)はりん部で連結した例を示す。
図10】ベルをドアの取手に取り付けた例を示し、(a)は取手の上部、(b)は取手の下部に取り付けた例を示す。
図11】ベース部をりん部の内側に形成した例を示す。
図12】ベース部をりん部の内側に配置するとともに、蓋体で転動体の動きを制御する例を示す。
図13】りん部にカバー部材を取り付け、カバー部材の内側底部に転動面を形成した例を示す。
図14】カバー付りん部の内側に転動体の転がりの制御手段を設けた例を示す。
図15】従来のベル(りん)の構造例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係るベル10は、図1に断面構造例を示すようにベース部11とりん部12からなり、ベース部11の上面側に形成した凹部の底面形状からなる転動面11aに球形状等の転動体20を転がり載置してある。
図1では図示を省略したが、ベース部11にりん部12が連結支持されていて、支持構造に制限がない。
例えば、りん部12の内側でベース部と連結してもよく、りん部12の外側でベース部11と連結してもよい。
共鳴音が鳴りやすいようにベース部11とりん部12の間には隙間部13を有する。
【0012】
球面形状になっている転動面の曲率Rと音圧との関係を調査したので、以下説明する。
りん部12は黄銅からなり、外径寸法φ=54mm,下端部の内径寸法φ=48mm,高さ寸法H=34.5mmの釣鐘形状に設定した。
ベース部は、上面部の外径寸法φ=47mm,隙間部13の水平方向寸法0.5mmに設定した。
転動体20は、直径11mm,重さ5gの鉄球を用いた。
転動面11aの曲率R=70,80,90,100,150,200mmの6種類を試作し、水平方向に速度30,000mm/minで約100mm移動させ、音圧測定用マイクをベルの移動後の位置から100mm離れた位置に配置した。
このときの音圧(Pa)の値を図2,3に示す。
音圧を示す縦目盛りの大きさが一致していないので、目盛りの大きさを考慮しつつ比較する。
転動体(鉄球)のりん部への当たり方は、ベルの移動方向とは逆に一旦転がり、りん部の内壁に当たった後に反対側に転がり、りん部の内壁に当たるパターンを示した。
曲率Rが小さい程、最初の当たり音が小さく、次の当たり音の方が大きくなるものの、転動体が揺動方向に転がり、りん部に当たる2回目の音圧レベルは曲率Rが小さいほど、小さくなる傾向を示した。
曲率Rが大きい程、転動体20が転がりやすく音圧も大きくなっている。
これらの実験結果から、ベース部11の転動面の形状により音圧の調整が可能であることが明らかになった。
【0013】
また、図1(b)に示すように転動体の当たり方向とりん部12の内壁との当接角度θ及び当接高さによっても音圧が変化する。
そこで、ベース部11の転動面の傾斜角度、りん部12の内壁の立設角度を調整することでも音圧の調整が可能であり、最も音が出やすい高さに調整するのが好ましい。
【0014】
次にベース部とりん部を連結部14にて連結した例について説明する。
図4は断面図であり、りん部12がつり鐘状で、ベース部11は円盤状の例である。
これらの形状に制限はない。
図4(a)においてベース部11の内側上面は転動体20が小さな振れでも転がりやすいように、大きな曲率の凹面になっている。
ベース部11は金属製,樹脂製,木製等、転動体20を転がり保持できれば材質を問わない。
ベース部11の転動体20が転がる凹面は、転動体が転がる際に異音が出ないようにゴムシートや樹脂材で形成するのが好ましい。
なお、りん部12は金属製が好ましい。
転動体20はりん部12に当たり、音を出すことができるものであれば材質を問わない。
音色や音の大きさにより木製,樹脂,金属製を選択使用できる。
形状も転がりやすいものであれば球状に限定されない。
ベース部11の内側凹面の形状は転動体20の大きさや音の長短を考慮して設定すればよい。
図4(a),(b),(c)の順に凹面の曲率を小さくした例を示す。
このように凹面の曲率変えるだけで、転動体の転動の周期を調整することができる。
図5はベース部に転動体の停止手段を設けた例を示す。
図5(a)はベース部11の凹面からなる転動面の略中央部に小さなくぼみ21を形成した例である。
小さなベルの動きでは転動体20がくぼみに納まっているのでベルが鳴らないが、転動体がくぼみ21から飛び出すような大きい動き等になるとベルが鳴る。
図5(b)はベース部材が強磁性体でなく、転動体が鉄球等の磁性体である場合にベース部材にマグネット22を配設した例である。
この場合も小さい揺れの場合にマグネットの磁力により、転動体が停止している。
また、ドア等に取り付けるためのアーム16を有する例である。
図6はベース部11を弾性体からなる支持部材23で支持した例を示す。
ベルは図1のような形状のベース部を別部材に設けた弾性体で支持してもよいが、図6に示した実施例はりん部12aを逆さにして、内側にベース部11を弾性支持した例になっている。
この場合にベース部11も支持部材23により、揺れ又は振れる。
従って、ベース部11が揺れて共鳴体12aに当たるようにすることができ、この場合に転動体20を必ずしも設ける必要がない。
図6に示したように支持部材23にて支持したベース部に転動体20を配置すると、小さな揺れでは転動体20により音が鳴り、大きい揺れになるとベース部11がりん部12aに当たるように設定することもできる。
揺れの大きさは弾性体の弾性率を調整することで可能である。
この場合にベース部11の支持部材23は剛体でもよく、可撓性のある弾性体でもよい。
また、転動体20がベース部11から落下しないように蓋体等を設けてもよい。
図7は吊り下げ部31を有する製品30の一部に本発明に係るベルを組み込んだ例である。
このように本発明に係るベルはドア等に取り付けるだけでなく、各種製品に組み込むことができる。
【0015】
ベース部11とりん部12との連結方法は、図4に示すようにベース部11とりん部12との近くで連結した連結部14でもよく、図8(a)に示すようにベース部11とりん部12の上端部と連結部14aで連結してもよく、連結位置に限定はない。
図8(b)は内部の支柱連結部14bで連結した例を示し、図8(c)が逆U字形状の分岐した支柱連結部14cの例を示す。
また、ベル単体で用いてもよいが、本実施例は被取付体に取付部16にて取り付けた。
連結部は転動体20を組み込み、あるいは入れ替えやすいようにベース部11とりん部12とを係脱自在に連結してもよく、また一体的に成形してもよい。
また、連結部の材質として弾性体を用いたり、連結部の途中に弾性材を組み込んでもよい。
さらには、図9(a)に示すようにベース部11と取付部16の間にバネ等の弾性体17を介して立設すると、ベル10の揺れが増幅する。
また、図9(b)に示すように弾性体17でベル10を吊り下げるように取付部16と連結すると、ベルの揺れが取付部の揺れより小さく抑えられる。
また、その分だけ長く揺れる。
図10はスライド式の引戸2の取手21にベル10を取り付けた例を示す。
図10(a)は取手21の上に連結した例で、図10(b)は取手21の下に吊り下げた例を示す。
これにより取手21の動きがそのままベル10に伝達される。
本発明に係るベル10はベース部11の上に覆い被さるようにりん部12を設けた構造に限定されるものではなく、例えば図11(a)に示すようにりん部12bの内部にベース部11dを形成しても、図11(b)に示すように対向配置した2つのりん部12c,12dの内側空間にベース部11eを形成してもよい。
図12は転動体20の転がりを制御する制御手段として機械的な制御手段を設けた例を示す。
なお、転動体を磁性体にした場合には、りん部の内外から磁力で停止させてもよい。
図12は断面端面図を示し、外観は全体として内部が中空の円柱状である。
本実施例は有底円筒状のケース31の内側にりん部12eとベース部11を配置した。
ケース31、りん部12e及びベース部11の連結方法はこれに限定されないが、本実施例ではケース31の底部にめねじ部31aを形成し、ベース部11の支柱11fの先端部におねじ部を形成し、この間にりん部12eを挟み込むようにして螺着してある。
ケース31の開口部には、めねじ部31bを形成し、この開口部を塞ぐように蓋体(制御部)32のおねじ部32aで螺合した。
このようにすると、図12(a)→(b)のように蓋体32の締め代を大きくすると、蓋体32の内側面32cにより転動体20が押さえられ、転がりを止めることができる。
また、蓋体32の内側面の外周縁32bが下に突出するように凹面形状にすると、ベース部11の凹面の外周縁11gとの間の隙間寸法dを調整することで、転動体20のりん部12eの当たり方を変えることができる。
例えば、この隙間dの大きさを転動体20の直径より大きくすると、ベルが少し揺れてもりん部12eに当たり、隙間dの大きさを転動体20の直径よりやや小さくすると、ベルを強く振らないと音が出ないように制御できる。
ここで、制御手段としての蓋体32は、透明であると転動体の動きが外部から見える。
また、ベルを上下逆にしても横にしても転動体20が転がり音がでる。
また、転動体20の転がりを利用して水平具合を見ることもできる。
図13に示す例は、カバー付のベルの例を示す。
りん部12は、つり鐘状になっているとともに上部に持手部15を有する。
持手部15等から、りん部12を覆うようにカバー部材40を取り付けた。
カバー部材40の内側底部に転動面11aを形成するためにカバー部材の底部をベース部11とした例である。
カバー部材40の底部に形成した転動面11aに転動体20が載置され、ベルの揺れにより転がり、りん部12に当たるとベルが鳴る。
カバー部材の上部にて、ベース部11とりん部の持手部と連結部14で連結した例になっている。
図14に示す例は、図13の例に対して更にりん部12の内側に転動体20の転がりを制御する制御部32を設けた例である。
制御部32は、持手部の途中に形成したおねじ部31aにてりん部12の上部に設けためねじ部32aと螺着した例になっている。
カバー部材の底部外側の形状を凸形状にし、起き上がりコボシのように前後、左右に揺動することで、長く揺れるようにしてもよい。
また、本発明に係るベルは、水平に保持されるように宇宙ゴマのような機械的水平機構、水中に浮かせる浮遊機構、吊り下げ重力による水平機構を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明に係る転動体ベルは、ドアベル,呼び鈴等のベルとして広く利用できる。
【符号の説明】
【0017】
10 ベル
11 ベース部
11a 転動面
12 りん部
13 隙間部
20 転動体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15