特許第6094562号(P6094562)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 横河電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6094562-記録計 図000002
  • 特許6094562-記録計 図000003
  • 特許6094562-記録計 図000004
  • 特許6094562-記録計 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6094562
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】記録計
(51)【国際特許分類】
   G01D 9/00 20060101AFI20170306BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   G01D9/00 Z
   G08C17/00 Z
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-225699(P2014-225699)
(22)【出願日】2014年11月6日
(65)【公開番号】特開2016-90412(P2016-90412A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2015年11月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】内田 雅之
(72)【発明者】
【氏名】福原 達也
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−318148(JP,A)
【文献】 特表2013−535739(JP,A)
【文献】 特開2014−032677(JP,A)
【文献】 特開2013−033322(JP,A)
【文献】 特開2012−208627(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/142733(WO,A1)
【文献】 特開2014−023102(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0321443(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 9/00
G08C 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防爆規格を満たすように設計された中継機器を介して無線通信を行なうフィールド機器からデータを収集し、前記収集したデータに基づき生成される波形を表示装置に表示する制御部を具備する記録計において
前記フィールド機器と無線接続を行なうとともに、前記フィールド機器が無線通信に使用する前記無線通信のプロトコルを記録計内部の通信に用いるプロトコルに変換する無線ゲートウェイ部と、
記録計のパラメータ設定を行なうための外部の端末装置と有線接続して通信可能とするEthernet(登録商標)コネクタと、
を備え、
さらに、前記無線ゲートウェイ部から受信した通信データを前記制御部へ中継可能なEthernet(登録商標)スイッチを内蔵し、
このEthernet(登録商標)スイッチは、さらに、前記制御部と前記外部の端末装置との前記パラメータ設定のための通信データの中継も可能であり、
前記無線通信プロトコルは、ISA100.11aの無線プロトコルまたはWirelessHART(登録商標)の無線プロトコルであることを特徴とする記録計。
【請求項2】
初期状態で前記無線ゲートウェイ部の機器識別子が設定済みであることを特徴とする請求項1に記載の記録計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差圧電送機、温度伝送器等のフィールド機器からデータを収集して記録、波形表示等を行なう記録計に関する。
【背景技術】
【0002】
記録計は、差圧電送機、温度伝送器、流量計等のフィールド機器からデータを収集して記録、波形表示等を行なう装置であり、製品の製造工程における管理記録等に用いられている。従来、記録計とフィールド機器との通信は、有線で行なわれていたが、近年では、無線通信も行なわれるようになっている。
【0003】
記録計が、無線機能を内蔵あるいは無線通信モジュールを接続した無線フィールド機器と無線通信を行なう場合には、図3に示すように、記録計500と無線ゲートウェイ機器600とをEthernet(登録商標)等を利用して有線接続し、無線ゲートウェイ機器600を介して、無線フィールド機器610と無線通信を行なう。
【0004】
ここで、無線ゲートウェイ機器600は、記録計500が通信に用いるModbus/TCP等のプロトコルと、無線フィールド機器610が無線通信に用いるISA100.11a等の無線プロトコルとを変換するとともに、無線フィールド機器610と無線接続を行ない、無線フィールド機器610が測定等したデータを収集して記録計500に送信する。
【0005】
あるいは、図4に示すように、アクセスポイント602を有線接続したゲートウェイ機器601と記録計500とを有線接続し、アクセスポイント602が無線フィールド機器610と無線通信を行なう構成としてもよい。
【0006】
この場合、ゲートウェイ機器601が、Modbus/TCP等のプロトコルとフィールド無線バックボーンの独自プロトコル等とを変換し、アクセスポイント602が、無線フィールド機器610と無線接続を行なうことになる。
【0007】
いずれの構成においても、記録計500がホストとなって、無線フィールド機器610が測定等したデータを、無線ゲートウェイ機器600を介してあるいはアクセスポイント602とゲートウェイ機器601とを介して収集する。そして、記録計500は、収集したデータを記録し、必要に応じて波形表示や数値表示等を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−118530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
記録計500と無線フィールド機器610との通信に用いられる無線ゲートウェイ機器600やゲートウェイ機器601、アクセスポイント602は、もともとプラント等で構築する大規模な無線ネットワークでの使用を想定したものである。
【0010】
このため、記録計をホストとして構築するような小規模な無線ネットワークシステムには必ずしも適しているものではない。例えば、防爆規格を満たすために頑健性や密閉性等が必要とされて大がかりな構造となっていたり、2線伝送方式規格により動作電源が直流24Vとなっており、商用電源をそのまま用いることができない等である。
【0011】
記録計をホストとして構築するような小規模ネットワークでは、その規模に適した簡易な構成が望ましい。そこで、本発明は、記録計をホストとした小規模な無線ネットワークを簡易に構成できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の記録計は、防爆規格を満たすように設計された中継機器を介して無線通信を行なうフィールド機器からデータを収集し、前記収集したデータに基づき生成される波形を表示装置に表示する制御部を具備する記録計において、前記フィールド機器と無線接続を行なうとともに、前記フィールド機器が無線通信に使用する前記無線通信のプロトコルを記録計内部の通信に用いるプロトコルに変換する無線ゲートウェイ部と、記録計のパラメータ設定を行なうための外部の端末装置と有線接続して通信可能とするEthernet(登録商標)コネクタと、を備え、さらに、前記無線ゲートウェイ部から受信した通信データを前記制御部へ中継可能なEthernet(登録商標)スイッチを内蔵し、このEthernet(登録商標)スイッチは、さらに、前記制御部と前記外部の端末装置との前記パラメータ設定のための通信データの中継も可能であり、前記無線通信プロトコルは、ISA100.11aの無線プロトコルまたはWirelessHART(登録商標)の無線プロトコルであることを特徴とする。
ここで、初期状態で前記無線ゲートウェイ部の機器識別子を設定済みとすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、記録計をホストとした小規模な無線ネットワークを簡易に構成できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る記録計の構成を示すブロック図である。
図2】機器識別子の設定について説明する図である。
図3】従来の記録計と無線フィールド機器との通信を説明する図である。
図4】従来の記録計と無線フィールド機器との通信の別例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る記録計100の構成を示すブロック図である。記録計100は、差圧電送機、温度伝送器、流量計等のフィールド機器からデータを収集して記録、波形表示等を行なう装置である。
【0016】
本実施形態では、記録計100は、小規模ネットワークのホストとして機能し、無線機能を内蔵あるいは無線通信モジュールを接続した無線フィールド機器200とISA100.11aの無線プロトコルで無線通信を行なう。ただし、WirelessHART等その他の無線プロトコルであってもよい。
【0017】
本図に示すように、記録計100は、制御部110、表示装置120、記憶装置130、Ethernetコネクタ140、Ethernetスイッチ150、無線ゲートウェイ部160を備えている。
【0018】
制御部110は、記録計100における各種処理を制御する。表示装置120は、波形等の表示を行なうが、データの収集・記録のみを行ない、波形表示を行なわないデータロガー等の記録計の場合は省いてもよい。記憶装置130は、フィールド機器から収集したデータや各種設定を記憶する。
【0019】
Ethernetコネクタ140は、EthernetによりPC300等と接続し、TCP/IP等による通信を行なう。PC300には、記録計100に対応した設定ツールがインストールされており、記録計100の各種パラメータの設定等を行なうことができる。Ethernetスイッチ150は、CPU110とEthernetコネクタ140と無線ゲートウェイ部160との間で、通信データの中継を行なう。
【0020】
無線ゲートウェイ部160は、記録計100が内部の通信に用いるModbus/TCP等のプロトコルと、無線フィールド機器200が無線通信に用いるISA100.11a等の無線プロトコルとを変換するとともに、無線フィールド機器200と無線接続を行ない、無線フィールド機器200が測定等したデータを収集して、Ethernetスイッチ150を介して制御部110に送信する。制御部110は、無線フィールド機器200から収集したデータを記憶装置130に記録し、必要に応じて波形や数値等を表示装置120に表示する。
【0021】
このように、本実施形態の記録計100は、無線ゲートウェイ部160を内蔵しているため、別途無線ゲートウェイ機器を用意したり、24V直流電源を用意することなく、無線フィールド機器200と直接無線通信を行なうことができる。このため、記録計100をホストとした小規模ネットワークに適した簡易な構成とすることができる。
【0022】
また、本実施形態の記録計100は、無線ゲートウェイ部160を内蔵しているため、移動が容易であり、使用場所を随時変更する用途にも適している。なお、本実施形態の記録計100は、外観上は、例えば、無線通信のためのアンテナ機構を除いて従来の記録計500と同様とすることが望ましい。
【0023】
ところで、図2(a)に示すように、従来の記録計500に無線ゲートウェイ機器600をEthernetで接続する場合、ユーザが、設定ツール310をインストールしたPC300を用いて、無線ゲートウェイ機器600の機器識別子をあらかじめ設定しなければならなかった。ここで、機器識別子は、制御部110がデバイスを識別するために割り付ける名称であり、例えば、「DEV ID:xxxx」のように任意のユニークな名称を設定することができる。
【0024】
これに対し、図2(b)に示す本実施形態の記録計100では、初期状態で無線ゲートウェイ部160に、例えば、「DEV ID:AAAA」というようなデフォルトの機器識別子を設定しておくようにしている。これにより、ユーザは機器識別子を設定する手間を省くことができる。このデフォルトの機器識別子は、設定ツール310をインストールしたPC300を利用して、ユーザが任意の名称に変更することも可能である。
【符号の説明】
【0025】
100…記録計、110…制御部、120…表示装置、130…記憶装置、140…Ethernetコネクタ、150…Ethernetスイッチ、160…無線ゲートウェイ部、200…無線フィールド機器
図1
図2
図3
図4