(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6094568
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】フローティング型コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/631 20060101AFI20170306BHJP
H01R 12/71 20110101ALI20170306BHJP
【FI】
H01R13/631
H01R12/71
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-240415(P2014-240415)
(22)【出願日】2014年11月27日
(65)【公開番号】特開2016-103369(P2016-103369A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2015年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 正知
(74)【代理人】
【識別番号】100123973
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 拓真
(72)【発明者】
【氏名】島田 弓裕
(72)【発明者】
【氏名】大澤 文雄
【審査官】
高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−152801(JP,A)
【文献】
特開2004−139826(JP,A)
【文献】
特開2013−168362(JP,A)
【文献】
特開昭58−005983(JP,A)
【文献】
実開平03−040770(JP,U)
【文献】
特開2008−084756(JP,A)
【文献】
特開2012−129109(JP,A)
【文献】
特開2014−165066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/631
H01R 12/70−12/73
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と前記基部に対して連結される可動部とを有するソケットコンタクトと、前記ソケットコンタクトの基部が固定されるハウジングとを有するフローティング型コネクタであって、
前記ハウジングは、前記ソケットコンタクトが収容される収容部に凸部を有し、
前記可動部は、互いに対向する第1のコンタクトおよび第2のコンタクトと、前記第1および第2のコンタクトと前記基部とを連結する連結部とを有し、
前記第1のコンタクトは、挿入されたプラグコンタクトと接触する第1の接触部と、挿入されたプラグコンタクトを固定する第1の位置固定部と、前記凸部よりも大きく形成されると共に前記凸部に挿入される開口部とを有し、
前記第2のコンタクトは、前記第1の接触部と対向する位置に設けられ、挿入されたプラグコンタクトと接触する第2の接触部と、前記第1の位置固定部と対向する位置に設けられ、挿入されたプラグコンタクトを固定する第2の位置固定部と、前記凸部よりも大きく形成されると共に前記凸部に挿入される開口部とを有する
フローティング型コネクタ。
【請求項2】
前記連結部は、前記基部に対して連結されるアーム部と、
前記アーム部に連結され、前記第1および第2のコンタクトを支持する支持部とを有する
請求項1に記載のフローティング型コネクタ。
【請求項3】
前記アーム部は、略L字状の形状を有して成る
請求項2に記載のフローティング型コネクタ。
【請求項4】
複数の前記アーム部を有し、
前記複数のアーム部が略平行となる位置に配されて成る
請求項2または3に記載のフローティング型コネクタ。
【請求項5】
前記第1の位置固定部および前記第2の位置固定部は、第1および第2のコンタクトのそれぞれの対向面から所定方向に凸となる凸部または貫通孔により構成されて成る
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフローティング型コネクタ。
【請求項6】
前記ハウジングは、前記基部を固定する固定部と、前記プラグコンタクトの挿入孔と、前記プラグコンタクトの挿入孔と連続して形成され、少なくとも前記第1のコンタクトおよび前記第2のコンタクトが収容される収容部と、前記コンタクトが変位するための隙間とを有する
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフローティング型コネクタ。
【請求項7】
前記基部が前記ハウジングの固定部に対して圧入されて固定されて成る
請求項6に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローティング型コネクタコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板を設計する過程で回路が追加される場合、追加される回路を別の基板上に構成し、元のプリント基板に対してコネクタを介して接続することが行われている。このような用途のコネクタとして、フローティング型コネクタが知られている。フローティング型コネクタは、嵌合したコネクタが可動とされ、基板取り付け公差の吸収、半田付け部分へのストレスの軽減、接触部分へのストレスの軽減等の利点を有する。例えば特許文献1には、固定側ハウジングと可動側ハウジングとを嵌合させ、許容移動範囲を超えて可動側ハウジングが移動することを規制することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−156090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のコネクタの場合、嵌合後にコンタクトの接触部が振動などによって摺動し、繰り返し摺動することによって、接触部が磨耗し、接触部の接触が不安定となる、という問題があった。また、磨耗がさらに進むとコネクタが損傷するおそれがある、という問題があった。
【0005】
したがって、本発明の目的の一つは、接触部が振動等によって磨耗することが防止されたフローティング型コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様は、
基部と基部に対して連結される可動部とを有するソケットコンタクトと、ソケットコンタクトの基部が固定されるハウジングとを有するフローティング型コネクタであって、
ハウジングは、ソケットコンタクトが収容される収容部に凸部を有し、
可動部は、互いに対向する第1のコンタクトおよび第2のコンタクトと、第1および第2のコンタクトと基部とを連結する連結部とを有し、
第1のコンタクトは、挿入されたプラグコンタクトと接触する第1の接触部と、挿入されたプラグコンタクトを固定する第1の位置固定部と、
凸部よりも大きく形成されると共に凸部に挿入される開口部とを有し、
第2のコンタクトは、第1の接触部と対向する位置に設けられ、挿入されたプラグコンタクトと接触する第2の接触部と、第1の位置固定部と対向する位置に設けられ、挿入されたプラグコンタクトを固定する第2の位置固定部と、
凸部よりも大きく形成されると共に凸部に挿入される開口部とを有する
フローティング型コネクタである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の少なくとも一の実施形態によれば、ソケットコンタクトおよびプラグコンタクトの接触部が振動等によって磨耗することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1Aは、本発明の一実施形態におけるフローティング型コネクタを上面から見た斜視図であり、
図1Bは、それを底面から見た斜視図である。
【
図2】
図2Aおよび
図2Bは、本発明の一実施形態におけるフローティング型コネクタの横断面図であり、
図2Cは、縦断面図である。
【
図3】
図3Aおよび
図3Bは、本発明の一実施形態におけるソケットコンタクトを説明するための正面図、側面図、上面図および底面図であり、
図3Cは、斜視図である。
【
図4】
図4Aは本発明の一実施形態におけるプラグコネクタの斜視図であり、
図4Bおよび
図4Cは、ソケットコンタクトにプラグコンタクトが嵌合した状態を示す斜視図である。
【
図5】
図5Aは、本発明の一実施形態におけるフローティング型コネクタを基板に取り付けた状態でフローティング型コネクタを上面から見た斜視図であり、
図5Bは、それを底面から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施形態等について図面を参照して説明する。説明は、以下の順序によってなされる。
<1.一実施形態>
<2.変形例>
但し、以下に示す実施形態等は、本発明の技術思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明は例示された構成に限定されるものではない。なお、特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものではない。特に、実施形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置、上下左右等の方向の記載等は特に限定する旨の記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。方向の記載は特に断らない限り図面に向かう方向を基準に設定している。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、図示が煩雑となることを防止するために、複数の同一の部材については、一部のみに参照符号を付す場合がある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、重複する説明を適宜省略する。見る方向によっては、参照符号が付された構成が図面に表れない場合がある。
【0010】
<1.一実施形態>
「コネクタについて」
以下、
図1乃至
図5を参照して、本発明の一実施形態について説明する。始めに、本発明の一実施形態におけるコネクタについて概略的に説明する。
図1Aに示すように、コネクタ11は、樹脂成型等により形成された直方体状のハウジング21を有している。ハウジング21に対して例えば(2列×5=10)個のソケットコンタクト31a、31b、31c、31d、31e、31f、31g、31h、31i、31j(特に区別する必要がない場合には、ソケットコンタクト31と表記する)が取り付けられている。ハウジング21の両側面の下半部に上下方向に延びる溝(固定部の一例)が形成されており、この溝にソケットコンタクト31の基部が例えば、圧入固定されている。
【0011】
一実施形態は、ボトムインサートのコネクタである。
図1Bに示すように、ハウジング21の底面に(2列×5=10)個のプラグコンタクト挿入孔22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g、22h、22i、22j(特に区別する必要がない場合には、プラグコンタクト挿入孔22と表記する)が形成されている。
図2Aおよび
図2Bに示すように、プラグコンタクト挿入孔22は、底面に向かって幅広となる形状とされており、プラグコンタクト51の挿入が容易とされている。なお、本発明は、ボトムインサート型に限らず、トップインサート型、水平嵌合型等のコネクタに対しても適用できる。
【0012】
ハウジング21はその内部に、プラグコンタクト挿入孔22と連続して形成された収容部(収容空間)23a、23b、23c、23d、23e、23f、23g、23h、23i、23j(特に区別する必要がない場合には、収容部23と表記する)が形成されている。収容部23には、少なくともソケットコンタクト31のコンタクト(第1コンタクトおよび第2コンタクト)が収容される。収容部23には、プラグコンタクト挿入孔22から挿入されたプラグコンタクトが位置し、収容部23内においてソケットコンタクト31のコンタクトとプラグコンタクトとが接触する。
図2A、
図2Bおよび
図2Cでは、収容部23aにプラグコンタクト51が挿入された状態が図示されている。
【0013】
「ソケットコンタクトについて」
次に、本発明の一実施形態におけるソケットコンタクト31について
図2および
図3を参照して詳細に説明する。
図3Aは、ソケットコンタクト31の正面図、左側面図、右側面図、平面図および底面図である。
図3Bおよび
図3Cは、ソケットコンタクト31の斜視図である。ソケットコンタクト31は、全体としてりん青銅等の弾性を有する帯状金属板に対して折り曲げ等の加工を施して形成したものである。
【0014】
ソケットコンタクト31は、板状の基部41を有している。基部41がハウジング21に形成された溝に圧入固定等されることにより、ハウジング21に対してソケットコンタクト31が固定される。基部41の一端には、プリント基板との接続用のリードが形成されている。
【0015】
基部41の他端からは、互いに平行する細板状のアーム部4a、4bが導出されている。アーム部4aは、基部41の他端から上方向に延長するアーム42aと、アーム42aがほぼ直角に折り曲げられたアーム43aとを有しており、全体として略L字状の形状として構成されている。また、アーム部4bは、基部41の他端から上方向に延長するアーム42bと、アーム42bがほぼ直角に折り曲げられたアーム43bとを有しており、全体として略L字状の形状として構成されている。アーム部4a、4bは、外部から加わる振動や衝撃に応じて弾性変位する。アーム42a、43a、42b、43bがハウジング21の収容部23内に配置される。
【0016】
なお、一実施形態では、アーム部4aにおける基部41との接続箇所付近を内側に屈曲させている。これにより、アーム部4aが上下方向に変形し、変位し易くしている。アーム部4bについても同様である。
【0017】
アーム43aおよび43bが下方向に折り曲げられて、支持部の一例である支持板44と接続されている。支持板44の両端には、この支持板44によって支持される第1コンタクト45aおよび第2コンタクト45bが接続されている。第1コンタクト45aおよび第2コンタクト45bは、例えば同一形状をそれぞれ有しており、基部41と支持板44とが対向する空間内において、互いに向き合うように形成されている。第1コンタクト45aおよび第2コンタクト45bは、支持板44と接続されている折り曲げ部分の弾性変形によって、それぞれの基部41側の端部を拡開するように弾性変位することができる。例えばアーム部4a、4bおよび支持板44により連結部が構成され、この連結部を介して基部41と2個のコンタクト(第1コンタクト45aおよび第2コンタクト45b)とが連結されている。
【0018】
第1コンタクト45aは、第1接触部46aを有している。
図2Bに示すように、第1接触部46aは、対向面に形成された第1接点47aおよび第1コンタクト45aの先端に形成された第1挟持部48aの少なくとも一方に対応している。
【0019】
第2コンタクト45bは、第2接触部46bを有している。
図2Bに示すように、第2接触部46bは、対向面において第1接点47aと対向する位置に形成された第2接点47bおよび第1挟持部48aと対向する位置に形成された第2挟持部48bの少なくとも一方に対応している。第1挟持部48aおよび第2挟持部48bにより、第1コンタクト45aおよび第2コンタクト45bの先端付近が互いに接近し、挿入されたプラグコンタクトの先端付近が弾性的に挟持される。
【0020】
さらに、第1コンタクト45aの対向面には、挿入されたプラグコンタクトの位置固定部と係合する第1位置固定部49aが形成されている。また、第2コンタクト45bの対向面における第1位置固定部49aと対向する位置に第2位置固定部49bが形成されている。
【0021】
第1位置固定部49aおよび第2位置固定部49bは、例えば、所定方向(例えば、対向面から内方に向かう方向)に突出する半球状の凸部であり、打ち抜き加工等によって形成される。
図2Bに示すように、第1位置固定部49aおよび第2位置固定部49bは、プラグコンタクト51に形成されている位置固定部(貫通孔)52と弾性的に嵌合するようになされる。したがって、挿入されたプラグコンタクト51が位置固定部同士の嵌合によって第1コンタクト45aと、第2コンタクト45bとに対して固定される。
【0022】
なお、プラグコンタクト51に設けられる位置固定部としては、貫通孔でなく凹部であっても良い。第1位置固定部49aおよび第2位置固定部49bは、例えば、対向面から外方に向かう方向に突出する凸部や貫通孔でもよい。この場合、プラグコンタクト51には位置固定部として凸部が形成される。
【0023】
第1コンタクト45aは、例えば第1位置固定部49aのやや下方となる位置に矩形状の開口部50aを有している。開口部50aの開口寸法は、ハウジング21に形成された凸部25aの寸法よりも若干大きく、開口部50aに対して凸部25aが若干の隙間を形成しつつ挿入される。第2コンタクト45bは、例えば第2位置固定部49bのやや下方となる位置に矩形状の開口部50bを有している。開口部50bの開口寸法は、ハウジング21に形成された凸部25bの寸法よりも若干大きく、開口部50bに対して凸部25bが若干の隙間を形成しつつ挿入される。
【0024】
開口部50a、50bにハウジング21に形成された凸部25a、25bが挿入されることにより、強い振動や衝撃が加わった場合にソケットコンタクト31が上述した隙間の範囲を超えて大幅に変位することが抑制されるので、アーム部4a、4bが塑性変形することを防止できる。なお、開口部50a、50bの形状は矩形に限定されることはなく、円形状等であってもよい。
【0025】
プラグコンタクト51は、
図4Aに示すように、基部55と基部55に対して厚みがやや薄くされた先端部56とが一体的に形成された板状のピンである。寸法の一例は、幅が1.5mm、厚みが0.64mm、先端部53の厚みが0.50mmである。基部55と先端部56との境界には先端部56に向かって内側に傾斜する傾斜部57a、57bが形成されている。
【0026】
図4Bおよび
図4Cは、上述したソケットコンタクト31に対してプラグコンタクト51が挿入され、固定された状態を示している。プラグコンタクト51が第1コンタクト45aと第2コンタクト45bとの間に挿入される際には、一旦、傾斜部57aと第1位置固定部49a、および、傾斜部57bと第2位置固定部49bとがそれぞれ当接する。その状態から、さらにプラグコンタクト51が挿入されることに伴って、第1コンタクト45aと第2コンタクト45bとの間を押し広げながらプラグコンタクト51が進行し、最終的に位置固定部同士が嵌合してその状態で固定される。この状態では、プラグコンタクト51の先端付近が第1挟持部48aおよび第2挟持部48bによって挟持される。また、傾斜部57aと第1接点47aとが接触し、傾斜部57bと第2接点47bとが接触して電気的な接続がなされる。
【0027】
ソケットコンタクト31の基部41は、ハウジング21と固定されている。基部41以外のソケットコンタクト31の構成部分(アーム部4a、4b、支持板44、第1コンタクト45a、第2コンタクト45b)は、変位可能部分(可動部)である。一例として、ソケットコンタクト31の可動部とハウジング21との間には、左右方向、前後方向、および上下方向にそれぞれ±0.1mm程度、可動部が変位可能なように、隙間が形成されている。
【0028】
図5に示すように、ソケットコンタクト31が圧入固定されたハウジング21は、プリント基板61上に実装される。プリント基板61の反対面には、プラグコンタクト51の挿入孔62a〜62jが形成されている。ソケットコンタクト31のハウジング21の底面に形成されているプラグコンタクト挿入孔22と対応する位置に挿入孔62a〜62jが形成される。プラグコンタクト51は、例えば図示しない他のプリント基板上に立設されたものである。
【0029】
以上、説明したように本発明の一実施形態におけるコネクタは、フローティング型コネクタとして構成している。フローティング型コネクタは、基板取り付け公差の吸収、半田付け部分へのストレスの軽減、接触部分へのストレスの軽減等の利点を有する。
【0030】
「コネクタの動作について」
コネクタ11の動作の一例について説明する。コネクタ11に振動や衝撃が加わると、プラグコンタクト51が位置固定部同士の嵌合によって第1コンタクト45aおよび第2コンタクト45bに対して固定されているので、ソケットコンタクト31のアーム部4a、4bが振動方向あるいは衝撃方向に応じた方向に弾性変位する。支持板44、第1コンタクト45a、第2コンタクト45bがアーム部4a、4bの弾性変位に連動(追従)して、変位する。換言すれば、ソケットコンタクト31とプラグコンタクト51との接触位置が固定されたまま、可動部全体が変位する。このため、第1接触部46a、第2接触部46bにおける接触箇所が摺動することがない。したがって、接点が摺動によって摩耗等することを防止できる。
【0031】
一実施形態におけるコネクタ11は、細板状の2本のアーム部を有している。アーム部を細板状とすることにより、振動や衝撃に応じて弾性変位し易くすることができるとともに、アーム部を複数(例えば、2本)形成することにより一定の強度を得ることができる。もちろん、本発明のアーム部の個数、形状は実施形態で例示されたものに限定されるものではない。
【0032】
<2.変形例>
以上、この発明の実施の形態について具体的に説明したが、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。さらに、上述の実施の形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いても良い。例えば、ハウジング21に装着されるソケットコンタクト31の個数は、一実施形態において例示された個数に限定されるものではない。
【0033】
上述した説明における「対向」とは、厳密に対向する場合に限定されるものではない。本発明の作用、効果を奏するものであれば、略対向する位置も特許請求の範囲における「対向」に含まれるものである。
【符号の説明】
【0034】
4a、4b・・・アーム部
11・・・フローティング型コネクタ
21・・・ハウジング
22・・・プラグコンタクト挿入孔
23・・・収容部
31・・・ソケットコンタクト
41・・・基部
44・・・支持板
45a・・・第1コンタクト
45b・・・第2コンタクト
46a・・・第1接触部
46b・・・第2接触部
49a・・・第1位置固定部
49b・・・第2位置固定部
51・・・プラグコンタクト