(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6094769
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】包装機械にチューブ状ブランク材を供給する装置と方法
(51)【国際特許分類】
B65B 43/18 20060101AFI20170306BHJP
B65B 43/30 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
B65B43/18
B65B43/30 B
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-523325(P2014-523325)
(86)(22)【出願日】2012年8月1日
(65)【公表番号】特表2014-521565(P2014-521565A)
(43)【公表日】2014年8月28日
(86)【国際出願番号】EP2012065081
(87)【国際公開番号】WO2013017640
(87)【国際公開日】20130207
【審査請求日】2015年4月21日
(31)【優先権主張番号】BO2011A000486
(32)【優先日】2011年8月4日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】514013750
【氏名又は名称】アイ.エム.エー.インダストリア マッシーネ アウトマティシェ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100081053
【弁理士】
【氏名又は名称】三俣 弘文
(72)【発明者】
【氏名】フェレッティ,マウリティオ
【審査官】
西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−505711(JP,A)
【文献】
特開平07−315337(JP,A)
【文献】
特開2007−168874(JP,A)
【文献】
特開平07−223614(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01419969(EP,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第00693425(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/00−43/62
B65B 5/00− 5/12
B65B 35/00−35/58
B31B 1/00−49/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ状ブランク材を包装機械に供給する装置において、
第1把持手段(11)を具備する収集装置(10)と、
第2把持手段(21)を具備する放出装置(20)と、
を有し、
前記第1把持手段(11)は、1枚の平たく折り畳んだチューブ状ブランク材(2)を第1面で把持し、ステーション(A)とステーション(B)との間を往復し、
前記ステーション(A)では、貯蔵庫(3)から前記チューブ状ブランク材(2)を取り出し、
前記ステーション(B)では、起立した前記チューブ状ブランク材(2)を移送ライン(4)に放出し、
前記第2把持手段(21)は、前記チューブ状ブランク材(2)を第1面とは反対面の第2面で把持し、前記チューブ状ブランク材(2)を起立させ、
前記収集装置(10)は、第1アーム(12)と第2アーム(15)とを具備する駆動機構(12,15)を有し、
前記第1アーム(12)は、駆動部材(5)の制御下で第1回転軸(13)の回りを、前記移送ライン(4)の方向の移送面で振り子運動をし、
前記第2アーム(15)は、前記把持手段(11)を搭載し、
前記第2アーム(15)は、第2回転軸(14)を中心に、前記第1アーム(12)上に搭載され、固定点(18)に対し軸方向にスライドし、前記第1把持手段(11)に、前記移送面上で、回転移動往復運動を与え、
前記放出装置(20)は、前記第2把持手段(21)を支持する支持フレーム(22)を有し、
前記第2把持手段(21)は、前記第2アーム(15)で回転軸(23)を中心に振り子運動をし、引っ張り部材(25)に拘束され、前記引っ張り部材(25)が前記第1把持手段(11)の回転移動往復運動の適宜の段階で、前記第2把持手段(21)の回転移動往復運動を実行し、前記チューブ状ブランク材(2)の把持と起立を実行する
ことを特徴とする包装機械に管状ブランクを供給する装置。
【請求項2】
前記駆動機構(12,15)は、前記移送面で、前記第1把持手段(11)に前記回転移動往復運動を伝達するクランクとスロット附きのリンクの組を形成する
ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第2アーム(15)は、
一端で、前記第1把持手段(11)を搭載し、
他端で、前記固定点(18)で支持されたスライダー(17)内をスライドするロッド部分(16)を有する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
前記固定点(18)は、前記ロッド部分(16)のガイドホールに対し偏心している
ことを特徴とする請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記駆動手段(5)は、連結ロッド(6)を有するクランクギアーを具備し、
前記連結ロッド(6)は、カム(8)を介してモーターから回転運動を受け取り、レバー(7)に前記第1回転軸(13)中心にした振り子運動をさせる
ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記支持フレーム(22)は、フォーク形状をしたフレームであり、
前記フレームは、
一端で、前記第2アーム(15)の自由端近傍の端部の第4回転軸(23)を中心に振り子運動をし、
他端で、前記第2把持手段(21)を搭載する
ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記支持フレーム(22)の第4回転軸(23)は、第1と第2の把持手段(11,21)にそれぞれ把持されたブランク材(2)の第1と第2の面の間で規定される隣り合うラインと同軸になる
ことを特徴とする請求項1又は6記載の装置。
【請求項8】
前記引っ張り部材(25)は、
一端で、軸(24)で前記支持フレーム(22)にヒンジ構成で連結され、
他端で、固定軸(26)で振り子運動をする
ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記第2アーム(15)は、前記固定点(18)に対し、第1上側デッドロック位置である把持ステーションAと、下側デッドロックと、第2上側デッドロック位置である放出ステーションBとの間を軸方向にスライドし、
前記把持ステーションAでは、貯蔵庫(3)からブランク材(2)の把持が可能となるよう、前記第1と第2の把持手段(11,21)の間の角度スペースが最大となり、
前記下側デッドロックでは、前記第1と第2の把持手段(11,21)往復アプローチ時の前記第1アーム(12)と整列し、
前記放出ステーションBでは、前記第1と第2の把持手段(11,21)が、両面で把持されたブランク材(2)を起立させるよう、前記第2アーム(15)に直角に配置される
ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ状ブランク材を包装機械に供給する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特に本発明は、倉庫内に折り畳んだ状態で保管された段ボール製のチューブ状ブランク材を集め、起立させ、それらを包装機械の移送ラインに供給する方法と装置に関する。
【0003】
多種類の製品を、折り畳んで平坦な形状で供給される段ボール製のチューブ状ブランク材から得られる容器の中にパッケージすること、特に予め折り畳んだチューブ状ブランク材を膨らませてパッケージ用に用いることは公知である。この様に平らに折り畳んだチューブ状ブランク材を個別に集め、それを連続的に開いてチューブ状に大きくして、形成されたパッケージに、商品を挿入している。
パッケージの技術分野においては、折り畳んだチューブ状ブランク材を倉庫から取り出して、それを広げ、包装機械の移送ラインに供給し、作業ステーションに持っていき、そこでパッケージされるべき商品の包装を実行している。この様な装置は、倉庫からチューブ状ブランク材を個別に取り出す把持手段と、このブランク材をチューブ状に広げる手段とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ヨーロッパ特許出願第2108505号明細書
【特許文献2】ヨーロッパ特許第1419969号公報
【0005】
特許文献1は、平たく折り畳んだチューブ状ブランク材を広げる装置を開示する。この装置は、第1の把持手段を具備する収集装置を有する。この第1の把持手段は、倉庫から1個のチューブ状ブランク材を取り出すステーションとこのチューブ状ブランク材を放出ステーションとの間を、移動可能である。この放出ステーションには放出装置が配置されている。この放出装置は、第2面で平たく折り畳んだ1個のチューブ状ブランク材を把持する第2の把持手段を有する。この第2面は第1の把持手段に係合する第1面の反対面である。この第2の把持手段は、1個のチューブ状ブランク材の把持位置とこの把持位置から離れた放出位置の間を動く。保持手段を用いて、放出時に1個のチューブ状ブランク材の自由単に順次係合させて、チューブ状ブランク材の立ち上げを完了する。
【0006】
特許文献2は、段ボール製のチューブ状ブランク材を把持し起立させる装置を開示する。この装置は、チューブ状ブランク材を供給ステーションから取り出す第1位置と、チューブ状ブランク材を起立させた後それを放出する第2位置との間を振れ動くアームを有する。このアームは第1と第2の吸引手段を有し、両側でチューブ状ブランク材に係合する。第1の吸引手段は前記アームと一体に形成されており、第2の吸引手段はクラウン歯車セクタに搭載されており、このクラウン歯車セクタが前記アーム上で回転する歯車と噛み合っている。この歯車は4個のバーのリンク機構で制御されるクランク機構により取り扱われる。より好ましくは往復運動をする駆動モータとで駆動される。
【0007】
従来公知の解決方法は、ユーザの現在の緊急性を必ずしも十分に満足するものではない。実際に公知の装置は、構造的観点からも機能的観点からも一般に複雑である。特にこの様な装置は、複数の部材を必要とする。そしてこれらの部材を様々な動作ステーションで順番に動かし、平たく折り畳まれたチューブ状ブランク材が倉庫から取り出され、それをを開き、立ち上げ、チューブ状ブランク材の包装具を形成する。この包装機械でパッケージされるべき商品の挿入が行われる。このことは、コストや故障のリスクが上がり、それに比例して製造速度が落ち、包装機械の生産性が落ち、更に又ユーザの使用に困難を来す不都合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、前記の欠点を回避することである。本発明の方法と装置は、1枚のチューブ状ブランク材を簡単かつ高速に包装機械に供給する。特に本発明により、平たく折り畳んだチューブ状ブランク材を倉庫から取り出しそれをチューブ状に起立させて、それらを包装機械の移送ラインに供給することができる。
【0009】
本発明の目的は、簡単な構成で、即ち簡単な駆動機構と移送手段で、チューブ状ブランク材を包装機械の移送ラインに供給する方法と装置を提供することである。
【0010】
本発明の更なる目的は、生成されるべき包装容器の形状に容易に合わせることのできる装置を提供することである。
【0011】
本発明の更なる目的は、生成されるべき包装容器を信頼性高く形成できる方法と装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、請求項1、9に記載の包装機械にチューブ状ブランク材を供給する装置と方法を提供する。
【0013】
本発明の装置は、駆動機構を具備した収集装置を有する。この駆動機構は、前記移送面で、前記第1把持手段に前記回転移動往復運動を伝達するクランクとスロット附きのリンクの組を形成する。
【0014】
本発明の収集装置は、第1アームと第2アームとを具備する駆動機構を有し、前記第1アームは、駆動部材の制御下で第1回転軸の回りを、前記移送ラインの方向の移送面で振り子運動をし、前記第2アームは、前記把持手段を搭載し、前記第2アームは、第2回転軸を中心に、前記第1アーム上に搭載され、固定点に対し軸方向にスライドし、前記第1把持手段に、前記移送面上で、回転移動往復運動を与える。
【0015】
本発明の放出装置は、前記第2把持手段を支持する支持手段を有し、前記第2把持手段は、前記第2アームで回転軸を中心に振り子運動をし、引っ張り部材に拘束され、前記引っ張り部材が前記第1把持手段の回転移動往復運動の適宜の段階で、前記第2把持手段の回転移動往復運動を実行し、前記チューブ状ブランク材の把持と起立を実行する。
【0016】
本発明の駆動手段は、連結ロッドを有するクランクギアーを具備し、前記連結ロッドは、カムを介してモーターから回転運動を受け取り、レバーに前記第1回転軸中心にした振り子運動をさせる。
【0017】
本発明のチューブ状ブランク材を包装機械に供給する方法は、
(a)平たく折り畳んだチューブ状ブランク材をピックアップステーション(A)に用意するステップと、
(b)前記チューブ状ブランク材を第1把持手段を具備した収集装置でピックアップするステップと、
前記第1把持手段は、第1面で前記チューブ状ブランク材を把持し、駆動機構に搭載され、
(c)前記ピックアップステーション(A)から、前記チューブ状ブランク材を、前記チューブ状ブランク材を放出するステーション(B)に移送するステップと、
前記チューブ状ブランク材は、移送面で、前記第1把持手段の回転移送運動により起立し、前記回転移送運動は、前記駆動機構の軸方向のスライド運動と回転運動の組み合わせ運動により生成され、
(d)第2把持手段を具備する放出装置を予め配置するステップと、
前記第2把持手段は、前記収集装置で集められた前記チューブ状ブランク材を前記第1面とは反対面の第2面で把持し、
(e)前記把持手段の回転移動運動に関連するステップにおいて、前記第2把持手段の往復回転を行い、前記チューブ状ブランク材の把持と起立を行うステップと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明のチューブ状ブランク材を包装機械に供給する装置の斜視図。
【
図2】様々な動作ステップにある本発明の装置の動作領域の斜視図。
【
図3】様々な動作ステップにある本発明の装置の動作領域の斜視図。
【
図4】様々な動作ステップにある本発明の装置の動作領域の斜視図。
【
図5】様々な動作ステップにある本発明の装置の動作領域の斜視図。
【
図6】様々な動作ステップにある本発明の装置の動作領域の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に、予め積み上げたチューブ状ブランク材を包装機械に供給する包装機械1を示す。チューブ状ブランク材は貯蔵庫内に平たく折り畳んだ形態で予め配置(貯蔵)されている。この貯蔵庫からチューブ状ブランク材が開く順番に取り上げられ、包装機械の移送ラインに供給される。
【0020】
包装機械1は、第1把持手段11を具備する収集装置10を有する。この第1把持手段11は、平たく折り畳んだ1枚のチューブ状ブランク材を第1面で把持する。
【0021】
第1把持手段11は、適宜の吸引源手段にリンク接続されている吸引カップ部材で構成されている。
【0022】
収集装置10は第1把持手段11の駆動機構を具備する。この駆動機構は、移送ライン4(
図5)につながる移送面上で、第1把持手段11の把持ステーションA(平たく折り畳んだ1枚のチューブ状ブランク材2を貯蔵庫3から取り出す場所、
図2)と放出ステーションB(チューブ状ブランク材2を開きそれを移送ライン4の上に放出する位置、
図5)との間の回転移動(往復)運動を行う。
【0023】
この駆動機構は、第1アーム12を具備する。この第1アーム12は、ロッカーアームの形態でモータ手段5の制御下で前記移送面上で傾斜(旋回)運動をするよう駆動される。
【0024】
ロッカーアームである第1アーム12は、一端で、第1回転軸13を中心に回転(振り子運動を)するよう、そこでモータ手段5から往復運動を受け、他端で、第1回転軸13に平行な第2回転軸14に第2アーム15を搭載する。第2アーム15は、前記移送面上で連結ロッドとして、回転する。
【0025】
モータ手段5はクランクギアーを具備する。このクランクギアーは、レバー7に傾斜(軸13を中心にした振り子)運動をさせる連結ロッド6からなる。レバー7は、第1アーム12の第1回転軸13を中心にその端部を振り子運動させる(
図7)。連結ロッド6は、モータ9によるカム8の回転によい、往復運動をする。
【0026】
収集装置10の第2アーム15は、一端で、第1把持手段11が一体成形され、他端で、ロッド16を構成する。ロッド16はスライダー17内をスライドする。スライダー17は、第3回転軸18で、同じ面上で回転可能に支持されている。第3回転軸18は、スライダー17上でロッド16のガイド穴に対し若干偏心しているのが好ましい(
図2)。第1アーム(ロッカー・アーム)12と第2アーム(連結ロッド・アーム)15により形成されるメカニズムは、第1把持手段である吸引カップ11に回転移動運動を伝達する傾斜クランクとスロット附きのリンクの組を形成する。
【0027】
図2において、第1把持手段11上の把持位置において、平たく折り畳まれたチューブ状ブランク材2は、第2アーム(連結ロッド・アーム)15の長手方向軸に直交する面で配置される。更に第1把持手段11は、支持アーム19により第2アーム15に押しつけられている。この支持アーム19は、生成されるべき容器の形態に依存して即ちブランク材2の寸法に依存して、交換可能である。
【0028】
収集装置10に、第2把持手段21を具備した放出装置20がリンクで連結される。この第2把持手段21は、第2面で平たく折り畳まれたブランク材2を把持する。この第2面は、第1把持手段11が当たる第1面の反対面である。第2把持手段21は、適宜の吸引手段により公知の方法でリンク結合された吸引キャップ部材から構成される。
【0029】
放出装置20は、第2把持手段21の支持フレーム22を具備する。この支持フレーム22は、第2アーム(連結ロッド・アーム)15の自由端近傍の第4回転軸23(軸13,14,18に平行である)を中心に振り子(旋回)運動をする。支持フレーム22は、二股の形状をした(フォーク形状をした)フレームであり、一方の先端で第4回転軸23上で第2アーム(連結ロッド・アーム)15にリンクで連結される。他方の先端に第2把持手段21を具備する。支持フレーム22の第4回転軸23は、第1把持手段11と第2把持手段21にそれぞれ把持されたブランク材2の2つの面の間で規定される「隣り合うライン」と同軸になる。
【0030】
支持フレーム22に、引っ張り部材25の端部が、軸24でヒンジ構成で連結される。この引っ張り部材25は、反対端部で包装機械のフレームワークに固定された軸26上を中心に旋回運動をする。その為引っ張り部材25は、固定軸26で傾斜(旋回)運動をし、第2アーム15により支持フレーム22に加えられる動きに従い、第4回転軸23上で支持フレーム22の対応する角度回転を決定する。
【0031】
本発明のチューブ状ブランク材2を供給する装置の動作を以下説明する。
【0032】
図2において、最初に、収集装置10の第1把持手段11が、把持ステーションAで、貯蔵庫3の前面に配置されたブランク材2と接触する。特に第1把持手段である吸引カップ11は、貯蔵庫3の外側方向を向いたブランク材2の第1面を把持(吸引)する。
【0033】
この段階では、第2把持手段21は、支持フレーム22により、ブランク材2の把持の邪魔にならないような角度位置に保持されている。
【0034】
図3において、第1把持手段11により把持されたブランク材2が貯蔵庫3から取り出される。これは収集装置10の第1アーム12を傾斜した後行われる。これにより、第1アーム12は、第1回転軸13を中心に長手方向面上で移送ライン4の方向にある角度旋回する。第1アーム12の旋回は、第2アーム(連結ロッド・アーム)15の対応する回転角を決定する。これは、同時に、スライダー17内にロッド16が填まっていることにより、第2アーム15を軸方向に強制的にスライドさせることになる。この様な第2アーム15の軸方向のスライドと、スライダー17の第3回転軸18を中心とした第2アーム15の回転の組み合わせ運動が、第1把持手段11の回転移動(往復/旋回)運動を決定する。
【0035】
適宜の回転のステップにおいて、放出装置20の支持フレーム22の部分角度回転/旋回は、第2把持手段21をブランク材2の第2面へ順次接近させる。支持フレーム22が第4回転軸23でリンク連結されている第2アーム15が回転すると、この部分回転は、固定軸26を中心に旋回する引っ張り部材25により支持フレーム22に伝えられる。
【0036】
支持フレーム22の部分角度回転が完了すると、第2把持手段21はブランク材2の第2面と接触するようになる(
図4)。その結果、ブランク材2は、第1把持手段11と第2把持手段21で、両面で把持されることになる。
【0037】
把持手段11,21が反対面(両面)でブランク材2を把持する状態は、スライダー17内をスライドするロッド16が下側のデッドロック状態に達し、その結果、第2アーム15が第1アーム12と一直線状に並ぶようになった時点で実現する(
図5)。この下側のデッドロック状態から次に、第2アーム15は、支持フレーム22の回転方向を反転させる。
具体的には、第2アーム15は、第1上側デッドロック位置である把持ステーションA(
図2)と、下側デッドロックと、第2上側デッドロック位置である放出ステーションB(
図5)との間をスライド可能である。
把持ステーションAでは、貯蔵庫3からブランク材2の把持が可能となるよう、第1と第2の把持手段11,21の間の角度スペースが最大となる。
下側デッドロックでは、両面でブランク材2を把持する第1と第2の把持手段11,21の往復のアプローチで第1アーム12と整列する。
放出ステーションBでは、第1と第2の把持手段11,21が、両面で把持されたブランク材2を起立させるよう直角に配置される。
【0038】
第1アーム12の部分角度回転に引き続いて、ブランク材2の順次の放出が、かくして行われる(
図5)。この様な放出は、ブランク材2の起立を完了させるまで、第1と第2の把持手段11,21により把持されたブランク材2の両面をつなぐ角のラインにより決まる回転中心に対する相対回転により行われる。これは、両面をつなぐ角のラインが、支持フレーム22を回転させる第4回転軸23に整列するという事実により可能となる。
【0039】
起立したブランク材2は、その後、放出ステーションB(
図6)の移送ライン4に送られる。移送ライン4は、公知の方法で一組のコンベアベルト27から構成される。このコンベアベルト27は、一定間隔で並んで配置る一連の当接部材28を具備する。このコンベアベルト27の間に、起立したブランク材2を収納するシートが形成される。ブランク材2はスライド・ガイド29上を移動する。このスライド・ガイド29は、コンベアベルト27の活性ブランチの上方に配置される。
【0040】
放出ステーションB(これは移送ライン4の入口に配置される)において、ブランク材2は、吸引カップである第1と第2の把持手段11,21により、ブランク材2が直立するよう、下流側(移送ライン4の供給方向に対し)に配置された当接部材28で保持される。ブランク材2は、第1と第2の把持手段11,21により、当接部材28が到達した時点で同時に放出される。この当接部材28は、起立状態にあるブランク材2を保持している。
【0041】
ブランク材2を放出した後、第1アーム12は、元に戻り、更に貯蔵庫3からブランク材2を連続して取り出し、放出装置20と一緒に移動する。
【0042】
上記した方法と装置は、本発明の目的を簡単かつ高速に実行することができる。
【0043】
上記の構成による利点は、チューブ状ブランク材を倉庫からピックアップするステーションから、移送ラインの放出ステーションに、移送ラインの第1の把持手段による往復回転/旋回運動手段により行われる。これは第2の把持手段の往復回転/旋回と組み合わせて行われ、これによりチューブ状ブランク材の把持と起立を行うことができる。
【0044】
本発明の特徴は、第1の把持手段の往復回転/旋回移動運動は、傾斜クランクとスロットの付いたリンクを形成する駆動機構を具備した収集装置で実現される。
【0045】
本発明の他の特徴は、第2の把持手段の往復回転/旋回運動は、固定軸の回りを回転する第2の把持手段をサポートする手段を具備する放出装置で実現される。
【0046】
本発明の装置による更なる利点は、収集装置を駆動する簡単な駆動機構を提供することにより得られ、更に機構チェーンにより、チューブ状ブランク材の放出装置により得られる。
【0047】
本発明の駆動手段は、構造的、機能的観点からしても簡単であり、更に連結ロッドを具備したクランクギアーを提供できる。この連結ロッドは、電気モータにより回転駆動される下部からの動きを得て、更に収集装置の第1アームの回転軸上で回転するレバーへ傾斜運動を伝達する。
【0048】
チューブ状ブランク材の把持、放出、移送は、1個の部材動きのみで達成でき、更に駆動機構により活性化され、その結果、本発明の装置の簡単な機能と動作速度の向上が図られる。
【0049】
本発明の装置によるユーザに対する利点は、強制動作の実行が容易で例えば商品の変更あるいは正しい動作状態を維持することが簡単である。
【0050】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。明細書中において、「少なくとも1つ或いは複数」、「と/又は」は、それらの内の1つに限定されない。例えば「A,B,Cの内の少なくとも1つ」は「A」、「B」、「C」単独のみならず「A,B或いはB,C更には又A,B,C」のように複数のものを含んでもよい。「A,B,Cの内の少なくとも1つ」は、A,B,C単独のみならずA,Bの組合せA,B,Cの組合せでもよい。「A,Bと/又はC」は、A,B,C単独のみならず、A,Bの2つ、或いはA,B,Cの全部を含んでもよい。本明細書において「Aを含む」「Aを有する」は、A以外のものを含んでもよい。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。
【符号の説明】
【0051】
1:包装機械
2:チューブ状ブランク材
3:貯蔵庫
4:移送ライン
5:モータ手段
6:連結ロッド
7:レバー
10:収集装置
11:第1把持手段
11,21:把持手段
12:第1アーム(ロッカー・アーム)
13:第1回転軸
14:
15:第2アーム(連結ロッドアーム)
16:ロッド
17:スライダー
18:第3回転軸
19:支持アーム
20:放出装置
21:第2把持手段
22:支持フレーム
23:第4回転軸
24:
25:引っ張り部材
26:固定軸
27:コンベアベルト
28:当接部材
29:スライド・ガイド