【実施例】
【0038】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明を限定するものではない。
【0039】
まず、表面処理層の弾性率、弾性体(以下、ゴム弾性体という)の弾性率又はこれらの弾性率の差が異なるクリーニングブレードを以下の手順で作製し、実施例1〜11及び比較例1〜8とした。
【0040】
(実施例1)
(ゴム弾性体の作製)
ポリオールとしてカプロラクトン系ポリオール(分子量2000)100質量部と、イソシアネート化合物として4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)38質量部とを115℃×20分間反応させた後、架橋剤として1,4−ブタンジオール6.1質量部およびトリメチロールプロパン2.6質量部を混合し、140℃に保った金型で40分間加熱硬化させた。遠心成形後、幅15.0mm、厚さ2.0mm、長さ350mmに切断加工しゴム弾性体とした。得られたゴム弾性体は、弾性率が9.8MPaであった。
【0041】
(表面処理液の調製)
MDI(日本ポリウレタン工業(株)製、分子量250.25)7.7質量部、TMP(日本ポリウレタン工業(株)製、分子量134.17)2.3質量部、MEK90質量部の濃度10%の表面処理液を調製した。
【0042】
(ゴム弾性体の表面処理)
表面処理液を23℃に保ったまま、ゴム弾性体を表面処理液に10秒間浸漬後、50℃で保持されたオーブンで1時間加熱した。その後、表面処理されたゴム弾性体を支持部材に接着してクリーニングブレードとした。これにより、弾性率11.4MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が1.6MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.3のクリーニングブレードを得た。
【0043】
表面処理層及びゴム弾性体の弾性率は、ISO14577に準じた押し込み弾性率とする。押し込み弾性率は、島津製作所製ダイナミック超微小硬度計(DUH−201)を用いて、負荷−除荷試験により保持時間5s、最大試験荷重0.98N、負荷速度0.14mN/sの条件下で押し込み深さを3μm〜10μmとして測定した。測定サンプルは、同じ条件で作製したシートより切り出したサンプルを用い、表面処理層の押し込み弾性率の測定には、表面処理層を形成したゴム弾性体のシートの中央部から、40mm×12mmの寸法で切り出し、スライドガラス上に鏡面(遠心成形の際の型面とは反対側)を上にして両面テープで固定し、23℃設定の恒温槽中で30〜40分間放置したものを用いた。測定は、測定サンプルの長手方向の中央部で、長辺である稜線から30μm離れた位置で、稜線に平行に長手方向に30μm間隔で20点測定し、平均値を測定値とした。なお、ゴム弾生体の押し込み弾性率の測定には、表面処理層を形成する前のゴム弾性体のシートから切り出した測定サンプルを用いた。
【0044】
表面処理層の厚さは、島津製作所製ダイナミック超微小硬度計を用いて、JIS Z2255、ISO14577に準じて以下の方法で測定した。まず、ゴム弾性体の表面硬度を測定し、次いで表面処理したゴム弾性体の断面を切り出し、断面の表層からゴム弾性体の内部に向けての硬度変化を測定し、表層からの距離10μmの硬度との変化量が30%以下の距離を計測し、表層からその距離までを表面処理層の厚さとした。
【0045】
表面処理層の動摩擦係数は、新東科学製表面性試験機を用いて、JIS K7125、P8147、ISO8295に準じ、相手材として直径10mmのSUS304鋼球を用い、移動速度50mm/分、荷重0.49N、振幅50mmの条件下で測定した。
【0046】
(実施例2)
MDI55質量部とした以外は実施例1と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が15.4MPaであった。そして、実施例1と同様の手順でゴム弾性体の表面処理を行った。これにより、弾性率18.5MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が3.1MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.1のクリーニングブレードを得た。
【0047】
(実施例3)
実施例1と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が9.8MPaであった。そして、MDI9.6質量部、TMP2.9質量部、MEK87.5質量部の濃度12.5%の表面処理液を用いた以外は実施例1と同様の手順でゴム弾性体の表面処理を行った。これにより、弾性率18.8MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が9.0MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.2のクリーニングブレードを得た。
【0048】
(実施例4)
実施例1と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が9.8MPaであった。そして、MDI11.5質量部、TMP3.5質量部、MEK85質量部の濃度15%の処理液を用いた以外は実施例1と同様の手順でゴム弾性体の表面処理を行った。これにより、弾性率28.5MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が18.7MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.1のクリーニングブレードを得た。
【0049】
(実施例5)
MDI34質量部とした以外は実施例1と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が4.8MPaであった。そして、MDI15.4質量部、TMP4.6質量部、MEK80質量部の濃度20%の処理液を用いた以外は実施例1と同様の手順でゴム弾性体の表面処理を行った。これにより、弾性率23.1MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が18.3MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.1のクリーニングブレードを得た。
【0050】
(実施例6)
実施例1と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が9.8MPaであった。そして、実施例5と同様の表面処理液を用いてゴム弾性体の表面処理を行った。これにより、弾性率23.9MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が14.1MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.3のクリーニングブレードを得た。
【0051】
(実施例7)
MDI52質量部とした以外は実施例1と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が14.3MPaであった。そして、実施例1と同様の手順でゴム弾性体の表面処理を行った。これにより、弾性率16.3MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が2.0MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.4のクリーニングブレードを得た。
【0052】
(実施例8)
実施例5と同様の手順でゴム弾性体を得た。そして、実施例3と同様の手順でゴム弾性体の表面処理を行った。これにより、弾性率8.7MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が3.9MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.2のクリーニングブレードを得た。
【0053】
(実施例9)
実施例7と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が14.3MPaであった。そして、MDI5.7質量部、TMP1.8質量部、MEK92.5質量部の濃度7.5%の処理液を用いた以外は実施例5と同様の手順でゴム弾性体の表面処理を行った。これにより、弾性率15.6MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が1.3MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.6のクリーニングブレードを得た。
【0054】
(実施例10)
実施例1と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が9.8MPaであった。そして、MDI3.8質量部、TMP1.3質量部、MEK95質量部の濃度5%の処理液を用いた以外は実施例1と同様の手順でゴム弾性体の表面処理を行った。これにより、弾性率10.9MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が1.1MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.8のクリーニングブレードを得た。
【0055】
(実施例11)
実施例7と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が14.3MPaであった。そして、ゴム弾性体を実施例1と同様の表面処理液を用いてゴム弾性体の表面処理を行った。これにより、弾性率15.3MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が1.0MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.6のクリーニングブレードを得た。
【0056】
(比較例1)
実施例1と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が9.8MPaであった。そして、MDI13.5質量部、TMP4.0質量部、MEK82.5質量部の濃度17.5%の処理液を用いた以外は実施例1と同様の手順でゴム弾性体の表面処理を行った。これにより、弾性率40.2MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が30.4MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.0のクリーニングブレードを得た。
【0057】
(比較例2)
実施例1と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が9.8MPaであった。そして、実施例5と同様の手順でゴム弾性体の表面処理を行った。これにより、弾性率43.1MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が33.3MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.0のクリーニングブレードを得た。
【0058】
(比較例3)
MDI30質量部とした以外は実施例1と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が2.8MPaであった。そして、MDI23.1質量部、TMP6.9質量部、MEK70質量部の濃度30%の処理液を用いた以外は実施例1と同様の手順でゴム弾性体の表面処理を行った。これにより、弾性率22.6MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が19.8MPaで、表面処理層の動摩擦係数が0.8のクリーニングブレードを得た。
【0059】
(比較例4)
比較例3と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が2.8MPaであった。そして、比較例1と同様の手順でゴム弾性体の表面処理を行った。これにより、弾性率14.5MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が11.7MPaで、表面処理層の動摩擦係数が0.9のクリーニングブレードを得た。
【0060】
(比較例5)
実施例1と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が9.8MPaであった。また、表面処理は施さず、表面の動摩擦係数が3.3のクリーニングブレードを得た。なお、表1中の表面処理層の弾性率は、ゴム弾性体の弾性率として測定した値とした。後述する比較例6についても同様である。
【0061】
(比較例6)
実施例7と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が14.3MPaであった。また、表面処理は施さず、表面の動摩擦係数が3.3のクリーニングブレードを得た。
【0062】
(比較例7)
実施例7と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が14.3MPaであった。そして、実施例10と同様の手順でゴム弾性体の表面処理を行った。これにより、弾性率14.9MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が0.6MPaで、表面処理層の動摩擦係数が2.6のクリーニングブレードを得た。
【0063】
(比較例8)
実施例1と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が9.8MPaであった。そして、MDI1.9質量部、TMP0.6質量部、MEK97.5質量部の濃度2.5%の処理液を用いた以外は実施例1と同様の手順でゴム弾性体の表面処理を行った。これにより、弾性率10.7MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が0.9MPaで、表面処理層の動摩擦係数が2.8のクリーニングブレードを得た。
【0064】
(試験例1)
<表面処理層及びゴム弾性体の弾性率、並びにこれらの弾性率の差の評価>
実施例1〜11及び比較例1〜8のクリーニングブレードを用いて、耐カケ性、フィルミング抑制性及びクリーニング性の評価を行った。なお、これらの評価は、京セラ製TASKalfa5550ciを用いて行った。
【0065】
耐カケ性の評価は、カートリッジにブレードを組み込み10万枚印刷した後、カケや摩耗がなかった場合を○、カケや摩耗が少しだけ観察された場合を△、カケや摩耗があった場合を×とした。
【0066】
フィルミング抑制性の評価は、カートリッジにブレードを組み込み10万枚印刷した後、トナーの固着がなかった場合を○、トナーの固着が少しだけ観察された場合を△、トナーの固着があった場合を×とした。
【0067】
クリーニング性の評価は、カートリッジにブレードを組み込み10万枚印刷した後、トナーのすり抜けがなかった場合を○、トナーのすり抜けが少し観察された場合を△、トナーのすり抜けがあった場合を×とした。結果を表1に示す。
【0068】
表1に示すように、実施例1〜11と比較例1〜8とを比べると、表面処理層の弾性率が40MPa以下(規定値)であり、ゴム弾性体の弾性率が3MPa以上20MPa以下(規定値)であり、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が1MPa以上(規定値)である実施例1〜11のクリーニングブレードは、耐カケ性、フィルミング抑制性及びクリーニング性の評価がいずれも○となった。一方、表面処理層の弾性率が40MPaよりも大きい比較例1,2及びゴム弾性体の弾性率が3MPaより小さい比較例3,4は、クリーニング性の評価が×となった。また、表面処理を施さなかった比較例5,6、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が1MPa未満の比較例7,8は、耐カケ性の評価が△となり、フィルミング抑制性の評価が×となった。これにより、表面処理層の弾性率、ゴム弾性体の弾性率及びこれらの弾性率の差を所定の範囲とすることで(実施例1〜11)、耐カケ性に優れ、フィルミング抑制性及びクリーニング性の向上を同時に達成できることがわかった。
【0069】
【表1】
【0070】
次に、表面処理層の厚さが異なるクリーニングブレードを以下の手順で作製し、実施例12〜18とした。
【0071】
(実施例12)
実施例7と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が14.3MPaであった。そして、表面処理液の浸漬時間を変更した以外は実施例3と同様の表面処理を行った。これにより、弾性率16.3MPaで厚さ10μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が2.0MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.2のクリーニングブレードを得た。
【0072】
(実施例13)
実施例7と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が14.3MPaであった。そして、表面処理液の浸漬時間とオーブン加熱時間を変更した以外は実施例3と同様の表面処理を行った。これにより、弾性率16.2MPaで厚さ20μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が1.9MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.2のクリーニングブレードを得た。
【0073】
(実施例14)
実施例7と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が14.3MPaであった。そして、表面処理液の浸漬時間とオーブン加熱時間を変更した以外は実施例3と同様の表面処理を行った。これにより、弾性率16.4MPaで厚さ30μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が2.1MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.2のクリーニングブレードを得た。
【0074】
(実施例15)
実施例7と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が14.3MPaであった。そして、表面処理液の浸漬時間とオーブン加熱時間を変更した以外は実施例3と同様の表面処理を行った。これにより、弾性率16.3MPaで厚さ40μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が2.0MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.2のクリーニングブレードを得た。
【0075】
(実施例16)
実施例7と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が14.3MPaであった。そして、表面処理液の浸漬時間とオーブン加熱時間を変更した以外は実施例3と同様の表面処理を行った。これにより、弾性率16.4MPaで厚さ50μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が2.1MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.3のクリーニングブレードを得た。
【0076】
(実施例17)
実施例7と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が14.3MPaであった。そして、表面処理液の浸漬時間とオーブン加熱時間を変更した以外は実施例3と同様の表面処理を行った。これにより、弾性率16.5MPaで厚さ5μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が2.2MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.2のクリーニングブレードを得た。
【0077】
(実施例18)
実施例7と同様の手順でゴム弾性体を得た。得られたゴム弾性体は、弾性率が14.3MPaであった。そして、表面処理液の浸漬時間とオーブン加熱時間を変更した以外は実施例3と同様の表面処理を行った。これにより、弾性率16.5MPaで厚さ55μmの表面処理層を有し、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が2.2MPaで、表面処理層の動摩擦係数が1.1のクリーニングブレードを得た。
【0078】
(試験例2)
<表面処理層の厚さの評価>
実施例12〜18のクリーニングブレードを用いて、耐カケ性、フィルミング抑制性及びクリーニング性の評価を行った。結果を表2に示す。なお、これらの評価は、京セラ製TASKalfa5550ciを用いて行った。
【0079】
表2に示すように、表面処理層の弾性率が40MPa以下(規定値)であり、ゴム弾性体の弾性率が5以上20MPa以下(規定値)であり、表面処理層の弾性率とゴム弾性体の弾性率との差が1MPa以上(規定値)である実施例12〜18のクリーニングブレードは、耐カケ性、フィルミング抑制性及びクリーニング性の評価が○又は△となった。これらの中でも、表面処理層の厚さが10μm以上50μm以下(規定値)の実施例12〜16は、耐カケ性、フィルミング抑制性及びクリーニング性の評価がいずれも○となった。一方、表面処理層の厚さが10μm未満の実施例17は、耐カケ性及びフィルミング抑制性の評価が△となり、表面処理層の厚さが50μmより厚い実施例18は、耐カケ性及びクリーニング性の評価が△となった。これにより、表面処理層の弾性率、ゴム弾性体の弾性率及びこれらの弾性率の差を所定の範囲とし、さらに表面処理層の厚さを10以上50μm以下とすることにより、耐カケ性、フィルミング抑制性及びクリーニング性をより確実に向上できることがわかった。
【0080】
【表2】