(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のバンドにおいて、前記弾性支持部は、順次連結された前記複数のバンド駒の凹部と突起部との間に形成された隙間に配置される複数の弾性取付部と、前記複数のバンド駒の裏面の溝に嵌合する複数の弾性連結部とを有していることを特徴とするバンド。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、
図1〜
図5を参照して、この発明を腕時計のバンドに適用した一実施形態について説明する。
このバンド1は、
図1および
図2に示すように、腕時計2を腕に取り付けるためのものである。この場合、腕時計2は、腕時計ケース3を備えている。この腕時計ケース3の上部開口部には、時計ガラス4が取り付けられており、この腕時計ケース3の下面には、裏蓋5が取り付けられている。
【0011】
また、この腕時計ケース3の内部には、時計モジュール(図示せず)が設けられている。この時計モジュールは、指針を運針させる時計ムーブメント、時刻を電気光学的に表示する表示パネルなどの時計機能に必要な各種の電子部品を備えているほか、電波を受信するアンテナや方位を検出する方位検出部などを備えている。この場合、アンテナは、コアにコイルを巻き付けたバーアンテナであり、磁界を利用して電波を受信するように構成されている。方位検出部は、磁気センサによって方位を検出するように構成されている。
【0012】
一方、バンド1は、
図1〜
図3に示すように、腕時計ケース3の12時と6時とに位置する側壁部にそれぞれ設けられた一対のバンド取付部6に取り付けられている。このバンド1は、ステンレスなどの金属からなるバンド駒7を連結ピン8によって順次連結した構成になっている。この場合、バンド駒7は、
図3(a)〜
図3(c)に示すように、ほぼ長方形の金属板からなる駒本体10を有し、バンド駒7の連結方向における駒本体10の一辺部(
図1では上辺部)に突起部11が形成され、他辺部(
図1では下辺部)に凹部12が形成された構成になっている。
【0013】
このバンド駒7の突起部11は、
図3(a)〜
図3(c)に示すように、駒本体10の一辺部における中間部に、バンド駒7の連結方向に向けて突出して設けられている。この突起部11には、連結ピン8が挿入するピン挿入孔13が形成されている。このピン挿入孔13は、バンド駒7の連結方向に対して直交する方向に沿って、突起部11の両端面に貫通して形成されている。
【0014】
また、バンド駒7の凹部12は、
図3(a)〜
図3(c)に示すように、突起部11と反対側に位置する駒本体10の他辺部における中間部に、突起部11よりも少し大きく切り欠かれて形成されている。すなわち、この凹部12は、バンド駒7の連結方向に対して直交する方向の長さL1が、これに対応する突起部11の長さL2よりも長く形成されている。
【0015】
これにより、この凹部12は、
図3(a)〜
図3(c)に示すように、その内部に配置された突起部11の両端面と、これらに対面する凹部12の内壁面12aとの間に、隙間Sがそれぞれ形成されるように構成されている。また、この凹部12は、バンド駒7の連結方向の長さが、これに対応する突起部11の突出長さよりも少し長く形成されている。さらに、この凹部12の互いに対向する内壁面12aには、連結ピン8の両端部がそれぞれ挿入する各ピン取付孔14が互いに対応して設けられている。
【0016】
連結ピン8は、
図3(a)および
図3(b)に示すように、バンド駒7を順次連結するばね棒であり、バンド駒7の突起部11に設けられたピン挿入孔13に挿入するパイプ状のピン本体8aと、このピン本体8aの両側部に出没可能に設けられて、バンド駒7の凹部12の内壁面12aに設けられた各ピン取付孔14にそれぞれ挿入する一対の先端ピン8bと、ピン本体8a内に配置されて、一対の先端ピン8bをばね力によって弾力的に押し出すばね部材(図示せず)とを備えている。
【0017】
この場合、ピン本体8aは、
図3(a)および
図3(b)に示すように、その長さがバンド駒7の突起部11に設けられたピン挿入孔13の長さとほぼ同じ長さで形成されている。また、一対の先端ピン8bは、ピン本体8aから突出する長さが、バンド駒7の凹部12における互いに対向する各内壁面12aから各外壁面までの厚み、つまりバンド駒7の凹部12の両側に位置する個所におけるバンド駒7の連結方向に対して直交する方向の長さとほぼ同じ長さに形成されている。
【0018】
これにより、連結ピン8は、
図3(a)および
図3(b)に示すように、予め、バンド駒7の突起部11に設けられたピン挿入孔13にピン本体8aが挿入されると、一対の先端ピン8bが突起部11の両側に突出した状態で、バンド駒7に取り付けられるように構成されている。また、この連結ピン8は、バンド駒7の突起部11をこれに隣接するバンド駒8の凹部12内に配置する際に、バンド駒7の突起部11の両側から突出した一対の先端ピン8bがばね部材(図示せず)のばね力に抗してピン本体8a内に押し込まれるように構成されている。
【0019】
さらに、この連結ピン8は、
図3(a)および
図3(b)に示すように、一対の先端ピン8bがピン本体8a内に押し込まれた状態で、バンド駒7の突起部11をこれに隣接するバンド駒8の凹部12内に配置して、一対の先端ピン8bを凹部12の互いに対向する内壁面12aに設けられた各ピン取付孔14にそれぞれ対応させると、ピン本体8a内のばね部材(図示せず)のばね力によって一対の先端ピン8bがピン本体8a内から押し出されて、互いに対向する内壁面12aの各ピン取付孔14にそれぞれ挿入し、これにより互いに隣接するバンド駒7同士を連結するように構成されている。
【0020】
ところで、このバンド1は、
図1〜
図4に示すように、バンド駒7の裏面側に設けられてバンド駒7を弾力的に起立させて支持する弾性支持部15を備えている。この弾性支持部15は、連結ピン8によって順次連結されたバンド駒7の裏面に、その連結方向に沿って2列に設けられている。すなわち、この弾性支持部15は、シリコーンゴムやウレタンゴムなどの弾性材料からなり、バンド駒7間にそれぞれ配置されて連結ピン8に取り付けられる複数の弾性取付部16と、これら複数の弾性取付部16を順次連結する複数の弾性連結部17とを有している。
【0021】
この場合、弾性取付部16は、
図3および
図4に示すように、バンド駒7の凹部12内にこれに隣接する他のバンド駒7の突起部11が配置された際に、この突起部11の両端面とこれらが対向する凹部12の内壁面12aとの間に形成された隙間Sに配置されるように構成されている。すなわち、この弾性取付部16は、バンド駒7の突起部11の断面形状とほぼ同じ大きさの円形状に形成されている。
【0022】
また、この弾性取付部16の中心部には、
図3および
図4に示すように、連結ピン8の先端ピン8bが挿入する挿入孔16aが貫通して設けられている。この挿入孔16aは、バンド駒7の凹部12内にこれに隣接する他のバンド駒7の突起部11が配置されて、突起部11の両端面とこれらが対向する凹部12の内壁面12aとの間に弾性取付部16が配置された際に、突起部11のピン挿入孔13と、凹部12の内壁面12aに設けられたピン取付孔14とに、対応するように形成されている。
【0023】
また、この弾性取付部16は、
図3(a)および
図3(b)に示すように、その厚み、つまりバンド駒7の連結方向に対して直交する方向の長さが、バンド駒7の凹部12に挿入された他のバンド駒7の突起部11の両端面とこれらが対向する凹部12の内壁面12aとの間に形成された隙間Sと同じ長さに形成されている。
【0024】
これにより、弾性取付部16は、
図3(a)および
図3(b)に示すように、バンド駒7の凹部12内にこれに隣接する他のバンド駒7の突起部11が配置された際に、この突起部11の両端面とこれらが対向する凹部12の内壁面12aとの間に形成された隙間Sに配置され、この状態で突起部11のピン挿入孔13に挿入された連結ピン8の各先端ピン8bが弾性取付部16の挿入孔16aに挿入することにより、互いに隣接するバンド駒7同士の間に取り付けられるように構成されている。
【0025】
また、複数の弾性連結部17は、
図2〜
図4に示すように、それぞれ細長い帯板状に形成されてバンド駒7の裏面に沿って配置されるように構成されている。すなわち、この弾性連結部17は、バンド駒7の連結方向におけるバンド駒7の駒本体10の長さ、つまり突起部11が位置する一辺部から反対側の凹部12内の底部に位置するまでの長さと同じ長さに形成されている。
【0026】
そして、バンド駒7の裏面には、弾性連結部17が嵌合する溝が形成されている。バンド駒7の裏面の溝の深さは、弾性連結部17の厚さと同等に形成され、弾性連結部17が嵌合すると、
図5に示すように、バンド駒7の断面形状と一体的になる。また、これら複数の弾性連結部17は、
図4および
図5に示すように、これら全体が緩やかに湾曲する曲線を描くように構成されている。
【0027】
これにより、弾性支持部15は、
図1および
図2に示すように、連結ピン8によって順次連結されたバンド駒7のうち、腕時計ケース3のバンド取付部6に取り付けられたバンド駒7から3個程度のバンド駒7を湾曲状に弾力的に起立させて支持するように構成されている。また、この弾性支持部15は、
図4および
図5に示すように、腕時計ケース3の両側部に設けられた一対のバンド取付部6にそれぞれ取り付けられる緩衝部18を有し、この緩衝部18に一体的に設けられている。
【0028】
この緩衝部18は、弾性支持部15と同様、シリコーンゴムやウレタンゴムなどの弾性材料からなり、
図4および
図5に示すように、腕時計ケース3のバンド取付部6に取り付けられるバンド駒7の裏面に配置される緩衝本体19と、この緩衝本体19上に一体に形成されて腕時計ケース3のバンド取付部6に取り付けられる一対の緩衝取付部20とを備えている。
【0029】
緩衝本体19は、
図4および
図5に示すように、バンド駒7の裏面に沿って少し湾曲した湾曲板状に形成されている。この緩衝本体19の上面には、一対の弾性支持部15が一体的に形成されている。すなわち、一対の弾性支持部15は、腕時計ケース3のバンド取付部6に取り付けられるバンド駒7の裏面に配置された各弾性連結部17が、バンド取付部6と反対側に位置する緩衝本体19の側部に、その側方に向けて突出するように形成されている。
【0030】
また、一対の緩衝取付部20は、
図4および
図5に示すように、腕時計ケース3のバンド取付部6とこれに取り付けられるバンド駒7の突起部11との間に配置される突起部である。この一対の緩衝取付部20には、連結ピン8が挿入する取付孔20aが、バンド駒7の突起部11のピン挿入孔13とバンド取付部6の取付孔(図示せず)とにそれぞれ対応して設けられている。
【0031】
これにより、緩衝部18は、
図1および
図5に示すように、緩衝本体19を腕時計ケース3のバンド取付部6に取り付けられるバンド駒7の裏面に配置して、一対の緩衝取付部20を腕時計ケース3のバンド取付部6とこれに取り付けられるバンド駒7の突起部11との間に配置し、この状態で一対の緩衝取付部20の各取付孔20aをバンド駒7の突起部11のピン挿入孔13とバンド取付部6の取付孔(図示せず)とに対応させて、連結ピン8の先端ピン8bを挿入することにより、腕時計ケース3のバンド取付部6にバンド駒7と共に取り付けられるように構成されている。
【0032】
次に、この腕時計2のバンド1の作用について説明する。
バンド駒7を順次連結してバンド1を形成する場合には、まず、
図3(a)〜
図3(c)に示すように、バンド駒7の突起部11に設けられたピン挿入孔13に、連結ピン8のピン本体8aを挿入する。このときには、連結ピン8の両側に位置する先端ピン8bがピン本体8a内のばね部材(図示せず)のばね力によってピン本体8a内から押し出されて突起部11の両側に突出する。
【0033】
そして、連結ピン8が取り付けられたバンド駒7の突起部11をこれに隣接する他のバンド駒7の凹部12内に配置してバンド駒7同士を連結する際には、連結ピン8の各先端ピン8bをばね部材(図示せず)のばね力に抗してピン本体8a内に押し込み、この状態でバンド駒7の突起部11をこれに隣接する他のバンド駒7の凹部12内に配置する。
【0034】
この状態で、突起部11に取り付けられた連結ピン8の各先端ピン8bを、凹部12の内壁面12aに設けられた各ピン取付孔14に対応させる。すると、連結ピン8の各先端ピン8bがばね部材のばね力によってピン本体8a内から押し出され、この押し出された各先端ピン8bが凹部12の内壁面12aに設けられた各ピン取付孔14に挿入する。これにより、互いに隣接するバンド駒7同士が連結ピン8によって連結される。
【0035】
このように、複数のバンド駒7を連結ピン8によって順次連結する際には、一対の弾性支持部15も同時にバンド駒7に取り付ける。このときには、まず、一対の弾性支持部15が一体的に形成された緩衝部18を、腕時計ケース3のバンド取付部6に取り付けられるバンド駒7の裏面に配置すると共に、このバンド駒7に順次連続する他のバンド駒7の裏面側に一対の弾性支持部15を配置して、一対の弾性支持部15の各弾性取付部16を順次連結されるバンド駒7の各突起部11の両端面に対応させる。
【0036】
このときには、バンド駒7の突起部11のピン挿入孔13に挿入されて突起部11の両端面から突出した連結ピン8の各先端ピン8bを、弾性取付部16の挿入孔16aに挿入させる。そして、バンド駒7の凹部12内にこれに隣接する他のバンド駒7の突起部11を配置する際には、連結ピン8の各先端ピン8bをピン本体8a内に向けて押し込み、この状態でバンド駒7の凹部12内にこれに隣接する他のバンド駒7の突起部11を配置する。すると、突起部11の両端面とこれが対向する凹部12の内壁面12aとの間に形成された隙間Sに弾性支持部15の弾性取付部16が配置される。
【0037】
そして、この弾性取付部16の挿入孔16aを凹部12の内壁面12aに設けられたピン取付孔14に対応させると、連結ピン8の各先端ピン8bがばね部材(じせず)のばね力で押し出されて内壁面12aのピン取付孔14に挿入する。これにより、弾性支持部15の弾性取付部16が互いに隣接するバンド駒7同士の間に取り付けられると共に、各弾性取付部16を連結する各弾性連結部17が各バンド駒7の裏面に配置された状態(バンド駒7の裏面の溝に嵌合した状態)で取り付けられる。
【0038】
このようにして、一対の弾性支持部15が取り付けられたバンド1を腕時計ケース3のバンド取付部6に取り付ける際には、まず、緩衝部18の緩衝本体19を、腕時計ケース3のバンド取付部6に取り付けられるバンド駒7の裏面に配置する。このときには、一対の緩衝取付部20を腕時計ケース3のバンド取付部6とこれに取り付けられるバンド駒7の突起部11との間に配置する。
【0039】
この状態で、一対の緩衝取付部20の各取付孔21をバンド駒7の突起部11のピン挿入孔13とバンド取付部6の取付孔(図示せず)とに対応させ、この状態で連結ピン8の先端ピン8bをバンド駒7の突起部11のピン挿入孔13とバンド取付部6の取付孔(図示せず)とに挿入する。これにより、緩衝部18が腕時計ケース3のバンド取付部6に連結ピン8によってバンド駒7と共に取り付けられる。
【0040】
このように腕時計ケース3に取り付けられたバンド1は、
図5に示すように、腕時計2を腕から取り外して卓上などの平面P上に配置する際に、一対の弾性支持部15によって互いに隣接するバンド駒7が連結ピン8を中心に勝手に回転することがなく、弾性支持部15の各弾性連結部17によって各バンド駒7が弾力的に起立した状態で支持される。これにより、弾力的に起立したバンド駒7によって腕時計ケース3の両側が平面Pの上方に支持される。
【0041】
この場合には、一対の弾性支持部15が緩衝部18の緩衝本体19に一体に設けられ、この緩衝本体19が腕時計ケース3のバンド取付部6に取り付けられるバンド駒7の裏面に配置され、この状態で一対の緩衝取付部20が腕時計ケース3のバンド取付部6に連結ピン8によってバンド駒7の突起部11と共に取り付けられているので、一対の弾性支持部15がバンド取付部6に対して回転することがなく、腕時計ケース3の両側を弾力的に支持する。
【0042】
また、一対の弾性支持部15によって弾力的に起立したバンド駒7が腕時計ケース3の両側を平面Pの上方に支持した状態で、腕時計2に上方から負荷が加わった際には、弾性支持部15の各弾性連結部17が各弾性取付部16で弾力的に屈曲するため、互いに隣接するバンド駒7同士が連結ピン8を中心に回転し、起立している箇所のバンド1が潰れるように弾性変形する。このため、腕時計2が上方から押されても、バンド1が破損することがない。
【0043】
そして、腕時計2に対して上方から押されるような外力がなくなると、一対の弾性支持部15が弾性復帰し、再び、バンド駒7を弾力的に起立させるので、バンド1が腕時計ケース3の両側を弾力的に支持する。これにより、金属製のバンド駒7が腕時計2の下に重なって接近することがなく、腕時計2の裏面から離れる。このため、金属製のバンド駒7によって腕時計ケース3内のアンテナや方位検出部の磁気センサなどの電子部品が悪影響を受けることがなく、電子部品を正常に動作させて電波や方位などを正確に検出することができる。
【0044】
また、腕時計2をバンド1によって腕に取り付けて使用する際には、バンド1の裏面に取り付けられた弾性支持部15が腕の外周に沿って弾力的に湾曲するので、バンド1を腕にフィットさせて取り付けることができる。この場合、弾性支持部15は、シリコーンゴムやウレタンゴムなどの弾性材料からなっているので、腕に柔らかく接触させることができ、これによっても腕に良好に取り付けることができる。
【0045】
このように、この腕時計2のバンド1によれば、バンド駒7が連結ピン8によって順次連結されて腕時計ケース3に取り付けられるものであり、バンド駒7の裏面側に設けられてバンド駒7を弾力的に起立させて支持する弾性支持部15を備えていることにより、バンド駒7を腕時計ケース3の裏面から確実にかつ良好に離すことができ、これによりバンド駒7を金属で形成しても、このバンド駒7が腕時計ケース3内のアンテナや方位検出部の磁気センサなどの電子部品に悪影響を及ぼさないようにすることができる。
【0046】
すなわち、このバンド1では、腕時計ケース3を腕から取り外して平面P上に配置した際に、弾性支持部15がバンド駒7を平面P上に弾力的に起立させて支持することができるので、バンド駒7が腕時計2の下に重なって接近することがなく、バンド駒7を腕時計ケース3の裏面から確実にかつ良好に離すことができる。このため、バンド駒7が金属製であっても、このバンド駒7によって腕時計ケース3内のアンテナや方位検出部の磁気センサなどの電子部品が悪影響を受けることがなく、電子部品を正常に動作させて電波や方位などを正確に検出することができる。
【0047】
また、このバンド1では、弾性支持部15によって弾力的に起立したバンド駒7が腕時計ケース3を平面P上に支持した状態で、腕時計2に上方から負荷が加わった際に、弾性支持部15が弾力的に屈曲するため、腕時計ケース3が上方から押されても、バンド1が破損するのを防ぐことができる。さらに、腕時計2をバンド1によって腕に取り付けて使用する際には、バンド駒7の裏面に取り付けられた弾性支持部15が腕の外周に沿って弾力的に湾曲するので、バンド1を腕にフィットさせて取り付けることができる。
【0048】
この場合、弾性支持部15は、連結ピン8によって順次連結されたバンド駒7の裏面に、その連結方向に沿って2列に設けられていることにより、連結ピン8によって順次連結されたバンド駒7を2列の弾性支持部15によって安定した状態で確実にかつ良好に起立させることができ、これにより腕時計ケース3を平面P上に弾力的に安定させて支持することができる。
【0049】
また、弾性支持部15は、連結ピン8によって順次連結されるバンド駒7間にそれぞれ配置されて連結ピン8に取り付けられる複数の弾性取付部16と、これら複数の弾性取付部16を順次連結する複数の弾性連結部17とを有しているので、複数の弾性取付部16によって複数の弾性連結部17を順次連結されたバンド駒7の裏面に確実にかつ良好に取り付けることができる。
【0050】
この場合、複数の弾性取付部16が連結ピン8によって互いに隣接するバンド駒7間にそれぞれ取り付けられ、複数の弾性連結部17が各バンド駒7の裏面に配置されていることにより、互いに隣接するバンド駒7同士が連結ピン8を中心に回転する構成であっても、連結ピン8によって順次連結されたバンド駒7を弾性取付部16と弾性連結部17とによって安定した状態で確実にかつ良好に起立させることができる。また、腕時計2に上方から負荷が加わった際には、弾性支持部15の弾性取付部16と弾性連結部17とが弾力的に屈曲するため、腕時計ケース3が上方から押されても、バンド1が破損するのを防ぐことができる。
【0051】
また、この弾性支持部15は、複数の弾性取付部16が互いに隣接するバンド駒7間に配置されて、複数の弾性連結部17が各バンド駒7の裏面に配置されているので、バンド1の表面に複数の弾性取付部16の一部が露呈するだけで、弾性支持部15のほとんどをバンド1の裏面側に隠すことができ、これにより外観的にもデザイン的にも好ましいものを提供することができると共に、バンド1の表面に露呈した複数の弾性取付部16の一部をバンド1の装飾用のアクセントとして表現することができるので、より一層、デザイン性の高いものを提供することができる。
【0052】
また、この弾性支持部15は、複数の弾性連結部17が各バンド駒7の裏面の溝に嵌合するので、バンド駒7の断面形状と一体的になるため、弾性支持部15のほとんどをバンド1と一体化することができ、これにより外観的にもデザイン的に好ましいものを提供することができる。
【0053】
さらに、このバンド1では、弾性支持部15が腕時計ケース3の両側部に設けられた一対のバンド取付部6にそれぞれ取り付けられる緩衝部18を有し、この緩衝部18に一体的に設けられていることにより、緩衝部18を腕時計ケース3のバンド取付部6に取り付けられるバンド駒7の裏面に配置してバンド取付部6にバンド駒7と共に取り付けることができ、これにより弾性支持部15を腕時計ケース3のバンド取付部6の下側に良好に起立させることができる。
【0054】
この場合、緩衝部18は、弾性支持部15と同様、シリコーンゴムやウレタンゴムなどの弾性材料からなり、腕時計ケース3のバンド取付部6に取り付けられるバンド駒7の裏面に配置される緩衝本体19と、この緩衝本体19上に一体に形成されて腕時計ケース3のバンド取付部6に取り付けられる一対の緩衝取付部20とを備えているので、連結ピン8によってバンド駒7と共に腕時計ケース3のバンド取付部6に簡単に取り付けることができる。
【0055】
すなわち、この緩衝部18は、緩衝本体19を腕時計ケース3のバンド取付部6に取り付けられるバンド駒7の裏面に配置して、一対の緩衝取付部20を腕時計ケース3のバンド取付部6とこれに取り付けられるバンド駒7の突起部11との間に配置し、この状態で一対の緩衝取付部20の各取付孔21をバンド駒7の突起部11のピン挿入孔13とバンド取付部6の取付孔(図示せず)とに対応させて、連結ピン8の先端ピン8bを挿入させることにより、腕時計ケース3のバンド取付部6にバンド駒7と共に簡単に取り付けることができる。
【0056】
さらに、このバンド1では、弾性支持部15が腕時計ケース3の両側にそれぞれ配置されていることにより、腕時計ケース3の両側に設けられた各バンド取付部6にバンド駒7を取り付ける際に、腕時計ケース3の両側に位置するバンド駒7を弾性支持部15によってそれぞれ弾力的に起立させることができ、これにより卓上などの平面P上に腕時計ケース3を配置する際に、腕時計ケース3の両側を弾力的に支持することができるので、腕時計ケース3を平面Pの上方に良好に支持することができる。
【0057】
なお、上述した実施形態では、バンド駒7を連結ピン8で順次連結したバンド1について述べたが、これに限らず、バンド駒に連結駒を連結ピンで連結し、この連結駒に他のバンド駒を連結ピンで連結することにより、連結駒を介してバンド駒を順次連結するように構成されたバンドにも適用することができる。
【0058】
また、上述した実施形態では、連結ピン8がパイプ状のピン本体8aとこのピン本体8aの両側にばね部材のばね力によって出没する先端ピン8bとを有するばね棒である場合について述べたが、必ずしも連結ピンはばね棒である必要はなく、例えば単純な丸棒であっても良い。
【0059】
さらに、上述した実施形態では、弾性支持部15が複数のバンド駒7の連結方向に沿って2列に設けられている場合について述べたが、複数のバンド駒7を起立させて支持できればよいので、1列でも2列以上の複数列であっても良い。
【0060】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0061】
(付記)
請求項1に記載の発明は、複数のバンド駒が順次連結されて腕時計ケースに取り付けられるバンドにおいて、前記複数のバンド駒に対して設けられ、前記複数のバンド駒を起立させて支持する弾性支持部を備えていることを特徴とするバンドである。
【0062】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバンドにおいて、前記弾性支持部は、順次連結された前記複数のバンド駒の裏面に、その連結方向に沿って設けられていることを特徴とするバンドである。
【0063】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のバンドにおいて、前記弾性支持部は、連結ピンによって順次連結される前記複数のバンド駒の間にそれぞれ配置されて前記連結ピンに取り付けられる複数の弾性取付部と、前記複数の弾性取付部を順次連結する複数の弾性連結部とを有していることを特徴とするバンドである。
【0064】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のバンドにおいて、前記弾性支持部は、順次連結された前記複数のバンド駒の凹部と突起部との間に形成された隙間に配置される複数の弾性取付部と、前記複数のバンド駒の裏面の溝に嵌合する複数の弾性連結部とを有していることを特徴とするバンドである。
【0065】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のバンドにおいて、前記弾性支持部は、前記腕時計ケースに設けられたバンド取付部に取り付けられる緩衝部を有し、この緩衝部に設けられていることを特徴とするバンドである。
【0066】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のバンドにおいて、前記弾性支持部は、前記腕時計ケースの両側にそれぞれ配置されていることを特徴とするバンドである。