(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
超音波プローブは、長手方向分解能を有する超音波画像信号を生成するように動作可能であり、前記距離は前記長手方向分解能よりも大きい、請求項10に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
発明の原則の理解を促進する目的のため、図面に図示される実施形態をここで参照し、これを説明するのに具体的な文言を用いる。それにも拘わらず、それによって発明の範囲の限定を意図するものではないことが理解されるであろう。記載の実施形態における任意の変更およびさらなる修正ならびに本明細書中に記載のような発明の原則の任意のさらなる応用は、発明が関連する技術分野の当業者に通常は想到されるであろうように企図される。
【0010】
以上開示されるように、発明のある局面は、超音波画像化技術を用いた血管装置の送達の際の機能性および/または安全性を向上させる特徴を含む方法およびシステムに関する。加えて、発明の局面は血管装置に関し、特定的な実施形態では、その上に位置する2つ以上の音波発生マーカを含む血管フィルタと、独自の音波発生特徴および/またはIVUS画像化能力を含む経皮的送達または回収装置とに関する。
【0011】
ここで
図1を参照して、広がった状態の血管フィルタ20を示す。示すような血管フィルタ20はヒトの中での大静脈フィルタとしての使用に好適である。フィルタ20は、複数の一次支柱22とそこから発する複数の二次支柱23とを有するハブ21を含む。特に、示される実施形態では、フィルタ20は、ハブ21から延在する4本の一次支柱21と8本の二次支柱23とを含む。ハブ21は、フィルタ20の中心または長手方向軸にほぼ沿って延在する小型の束に支柱22および23の端をともに圧着する。支柱22および23は、超弾性ニッケル−チタン(Ni−Ti)合金(たとえばニチノール)、ステンレス鋼、または自己拡張フィルタとなる任意の他の好適な材料などの超弾性金属合金から形成可能である。フィルタ20の支柱は、血管中の塞栓物を捉えるように構成されるフィルタ構造を設けることができる。発明の他のフィルタは、交互の支柱構成または塞栓物を捉えるように血管内に位置決め可能な他の部材を含むことができる。
【0012】
フィルタ20は、逆向きに曲げられたフック25に接続されるほぼ真っ直ぐな細長い首部24を含む回収/送達要素も含み、フックはボール構成要素26で終端する。フィルタ20を回収するおよび/または最初に留置するのにこの回収/送達特徴を用いることができる。図示するような首部24はほぼ真っ直ぐであるが、湾曲した構成を含む他の首部構成を使用できることが理解されるであろう。ハブ21は、肩部27、またはその全周の周りに好ましくは延在し、音波発生マーカとして働き、こうして周囲の媒体または装置構成要素から識別可能な超音波画像を生成する他の特徴を含む。さらに、ボール構成要素26はそのような音波発生マーカとして有効に働く。
【0013】
図示する装置では、その定位置にある肩部27およびボール26または他の音波発生特徴は、IVUS画像化、外部超音波画像化、またはその両方によってボール/マーカ26および肩部/マーカ27の別個のおよび別々の視覚化を可能にするのに十分な距離「d」だけ互いから長手方向に離間する。特定的な実施形態では、IVUS画像化を用いる場合、距離「d」は十分に大きいので、画像の中でボール/マーカ26または肩部/マーカ27のいずれかをピックアップしなくても、IVUS画像を生成するためのIVUSプローブを長手方向距離「d」内で位置決め可能である。このように、IVUSプローブおよびそれに隣接する他の装置構成要素(たとえばスネアカテーテルの先端)は、IVUSプローブを進めるかまたは引抜いてボール/マーカ26および肩部/マーカ27を別個に見て、次にIVUS画像中にいずれのマーカも見られなくなる点までIVUSプローブをその間に位置決めすることによって長手方向距離「d」内に確実にかつ認識可能に位置決め可能である。主治医または他のユーザはこれにより、IVUSプローブおよび近くの装置構成要素が長手方向距離「d」の範囲内で行為のために適切に位置決めされることに対して自信を持つことができる。例示的には、以下により詳細に論じるように、その遠位先端にまたはその近くにIVUSプローブを有する回収スネアは、長手方向距離「d」内に確実に位置決めされてスネアループを閉じてフィルタ20の回収要素を捕捉することができる。さらにまたはこれに代えて、距離「d」を十分に大きくすることができるので、マーカ26およびマーカ27は、外部(たとえば経腹的)画像化技術を用いて別個のかつ別々の画像を生成することができる。次に外部画像化を用いて、たとえば、距離「d」の範囲内での行為のためにマーカ26と27との間にスネアの端などの別の装置の上に第3の音波発生マーカの位置決めを見ることができる。ある実施形態では、距離「d」は、たとえば4mmから10mmまでの範囲など、3mmよりも大きい。
【0014】
フィルタ20は、その一次および/または二次支柱のうち1つまたは複数の上に位置決めされる音波発生マーカも有してもよい。これらの音波発生マーカは、たとえば、IVUSもしくは外部超音波(US)画像化によって識別可能な音波反射金属コイル、または窪ませた、溝をつけられた、もしくは他のやり方でテクスチャ付けされた表面を有するカニューレ状セグメント、または任意の他の好適な音波発生構造を含む、たとえば支柱の周りに搭載される音波発生要素であり得る。図示する装置では、音波発生コイル28は一次支柱22の周りに搭載される。さらに、音波発生マーカ28は、たとえば血管壁を通る支柱の移動に対して向上したアンカー固定および/または抵抗を提供する、血管壁との支柱の相互作用を向上させるように働くことができる、ウィスカーまたはかえし29などの突出したフィラメントを含むことができる。
【0015】
ここで
図1Aおよび
図1Bを参照して、発明のフィルタ20Aおよび20Bの付加的な実施形態の一部破断図をそれぞれ示す。それ以外に記載する場合を除き、フィルタ20Aおよび20Bは、フィルタ20と同じ特徴を有することができる。フィルタ20Aでは、フィルタ20のように、ハブの上に肩部27Aと、終端するより直径の大きなボール構成要素25Aに接続されるほぼ真っ直ぐな首部分24Aとを含む送達/回収要素を設ける。ボール構成要素25Aは、血管スネアを利用して把持可能な特徴として働く十分な寸法のものである。ボール構成要素25Aもフィルタ20Aのための音波発生マーカとして働く。フィルタ20B(
図1B)には、フィルタ20のように、ハブ上の肩部27Bと、終端する閉じた輪25Bに接続されるほぼ真っ直ぐの首部分24Bとを含む送達/回収要素を設ける。輪25Bは内部開口を規定し、たとえば回収フック装置を利用して把持可能な特徴として働く十分な寸法のものである。輪構成要素25Bは、その上の少なくとも1つの音波発生マーカと、ある実施形態では、輪25Bの材料に装着されるかまたはその中にもしくはその上に一体に存在する、本明細書中に記載のたとえば任意の音波発生構造、構成要素、または材料であり得る、複数の音波発生マーカ(25B′、25B″、25B′″)とも含む。
【0016】
図1、
図1A、および
図1Bは血管フィルタの構造内への組入れのための具体的な回収要素を図示するが、発明の局面の範囲内で他の回収構造または材料も使用できることが理解されるであろう。たとえば、機械的要素によっておよび/または(たとえば磁)場の力を用いてまたは他の手段によって係合可能な任意の装着構造を用いることができる。ある実施形態では、図示するフィルタのように、フィルタを配備する際に、フィルタの回収要素を血管の管腔内のほぼ中央に存在するように構成可能である。
【0017】
図2を参照して、フィルタなどの血管装置を植込むのに有用なシステムの一部破断図を示す。システム40は、経皮的導入のための拡張器41と、ワイヤガイドなどのガイド装置42と、外側送達シース43とを含む。拡張器41は、超音波を発生するおよび/または受信するための、圧電結晶素子などの1つ以上の超音波トランスデューサを含むIVUSプローブ44を含む。IVUSプローブ44は、好ましくは、複数の超音波トランスデューサを有するトランスデューサアレイであるが、公知のように単一の回転トランスデューサによって設けることもできる。IVUSプローブ44および本明細書中に開示する他のIVUS要素は、たとえば、2次元および/または3次元IVUS画像のためのデータを与えるように構成可能である。IVUSプローブ44は、拡張器41内にまたはこれに沿って位置決めされるワイヤおよびコネクタ(図示せず)によってなど、IVUSプローブ44が集めるデータを処理しかつそれに相関する画像を表示するための表示装置およびコンピュータプロセッサを含み得るIVUS画像化システムに電子的に接続される。システム40のシース43は、音波発生マーカ45およびX線透視マーカ46を有する遠位先端領域を含む。音波発生マーカ45およびX線透視マーカ46は、同じ物理的構造によってまたは異なる物理的構造によって設けることができる。
【0018】
1つの実施形態では、マーカ45/46は両者とも、シース43の本体を構成する材料の外側および/またはその中に位置決めされる、プラチナ、チタン、タングステン、または別の金属(合金を含む)などの放射線透過性材料によって設けられる。例示的に、プラチナ輪またはリングなどのプラチナ構造をシース43の外側の周囲に装着してX線透視で識別可能なマーカを設けることができる。そのような放射線透過構造は、音波発生マーカとしてこれを有効にする構造的特徴も内蔵することができる。これらの特徴は、たとえば、マーカ材料を超音波画像化によって視覚的に識別可能にする窪み、溝、または他のテクスチャ付けされた表面特徴を含んでもよい。X線透視および/または音波発生マーカを他の構造もしくは材料またはその組合せによって設けることもできる。例示的に、1つの実施形態では、マーカ45および46は互いの近くに隣接して位置することができ、X線透視マーカ46を金属などの放射線透過性材料によって設け、音波発生マーカ45を音波発生マーカについて以上で論じたようなパターン化された特徴のうち任意のものを有する別個の要素によって設け、または超音波画像化によって識別可能なように周囲の媒体とは大きく異なる音響インピーダンスを有する内部材料もしくは特徴を含有する。組入れられる特徴または材料は、たとえば、ポリマー材料内に埋め込まれる気体充填空間(たとえば気泡)、またはポリマー材料内に組入れられるかもしくはその上に被覆される、ガラス、セラミック、金属、または他の粒子(たとえばビーズ)などの音響インピーダンス不整合音波反射材料を含むことができる。本明細書中で用いることができる音波発生マーカについての付加的な情報については、たとえば米国特許第5,201,314号を参照することができる。
【0019】
マーカ45/46は、シース43の本体または壁の外側、内側、その中、またはその組合せの上の位置決めを含む任意の好適な態様でシース43と関連付けることができる。シース43は、患者の外部に位置決めされた場合にユーザの目で見ることができるより近位に位置するマーキング特徴47も含む。図示する実施形態中の可視マーキング特徴47は、特徴47内の場所からシース43の遠位先端への距離を画定する。これらの目的のため、マーキング特徴47は、線、スコア、またはシース43の周に部分的にまたは完全に外接する他のマーキングなどの、シース43の長さに沿って互いに長手方向に離間した複数の可視マーキング特徴48を含むことができる。図示する実施形態では、マーキング特徴47は、シース43の先端からのそれぞれの関連のマーキング48の距離を数値で示す、マーキング48と関連付けられる数値マーキング49も含む。1つの例では、マーキング特徴47は、1mmまたは1cmなどの等距離だけ互いから長手方向にオフセットされるマーキング48と、それぞれ何ミリメートルまたは何センチメートルかを示す関連の数値マーキング49とを含み、各々のマーキング48はシース43の遠位先端から離間している。マーキング特徴47はシース43の長さに沿って位置決めされるため、マーキング特徴47の少なくともいくつかまたはその全体は、フィルタまたは他の血管装置を送達するようにシース43を使用する際に患者の外部に存在する。これらの目的のため、マーキング特徴47を、たとえば、システム40がそれを通って導入される経皮挿入部位で皮膚レベルでマーキングを含むように位置決めすることができる。この点において、手順の間にマーキング特徴47を確実に追跡してシースの遠位先端までの距離を定めることができる、患者の外部の他の基準点も用いてもよいことが理解されるであろう。固定された外部基準点はこれらの目的に特に有用である。
【0020】
使用の1つのモードでは、IVUS可能化拡張器41はガイド42に沿って患者の血管内を進むことができ、IVUSプローブ44は、血管の特徴の画像に変換される信号を生成するように動作可能である。次に、シース43の遠位先端をそこまで移動させることが望まれる目標位置にIVUSプローブ44を位置決めし、これを画像化することができる。そうすると、シース43を、シース43の遠位先端がIVUSプローブ44またはそれに近接した領域に検出可能に当接するまたはその上に重なるまで、拡張器41に沿って同軸に進めることができる。この検出は、たとえば、IVUSプローブ44またはそれに近接したシース43の何らかの領域もしくは特徴の上にわたるシース43の進行に対する触覚的な抵抗によるものであるか、またはIVUSプローブ44のうちいくつかもしくはそのすべての上に重なるシース43の遠位先端によるIVUSプローブ44からの信号に基づいて生成される超音波画像の変化(たとえば画像の明るさの変化)によるものであり得る。ある実施形態では、この画像の変化を、シース43の遠端領域での音波発生マーカ45の存在によって向上させることができる。この点で、ユーザは、シース43の遠位先端がIVUSプローブ44と本質的に同じ目標位置にあることを知る。その後、拡張器41およびガイド42をシース43から引抜くことができ、血管装置を送達するための送達カテーテルまたは他の送達器具を、その遠位先端が目標位置にある状態でシース43の位置を安定して保持し続けながらシース43を通して進めることができる。ある実施形態では、次に、配備すべき血管インプラントの遠位先端を、シース43の安定した位置を維持しながらシース43の遠位先端と整列させることができ、目標部位に血管装置を確実に配備するように送達器具の位置を安定して保持しつつシース43をある距離だけ近位に引抜くことができる。
【0021】
シース43の遠端と血管インプラントの遠端との整列は、超音波で血管インプラントの遠位先端の位置を追跡することによって(たとえばフィルタ20上のマーカ26およびシース43上のマーカ45などの先端に位置する音波発生マーカの支援によって経腹的に)および/または他の手段によってを含む任意の好適な態様で達成することができる。ある実施形態では、血管装置は、患者の外部に残り、シース43の近端などの外部基準点と整列する第1の可視マーカ、または血管インプラントの遠端がシース43の遠端にある場合は接続された付属品(たとえばTouhy-Borstアダプタ)を有する送達カテーテルまたは他の器具によって運ばれる。送達器具は、たとえば血管インプラントがシースの外に完全に配備された場合に配備段階を信号で伝えるように、そこまでシースを引抜くことができる第1の可視マーカに近位の第2の可視マーカも含んでもよい。同様の信号伝達整列を達成するための他の手段も用いてもよい。
【0022】
次に、患者に大静脈フィルタを送達するための
図2のシステム40の使用を
図3−
図7を参照して説明する。
図3は、患者の右大腿静脈中の経皮アクセス部位51を通して大静脈50の中に導入されたシステム40を示す。右腎静脈52Aおよび左腎静脈52Bは大静脈50の中に入り、図示する実施形態では、フィルタを腎静脈52Aおよび52Bのほぼ下またはその「尾」側に配備することが望まれる。
図3は、大静脈50の中に進められ、IVUSプローブ44が大部分の例では右腎静脈52Aである少なくとも最も低い位置にある腎静脈の画像を生成することができる位置にある拡張器41を示す。この位置に到達する前に、IVUSプローブ44を用いて、たとえば右心房、肝静脈、または他の特徴などの、腎静脈に対して遠位の血管標識点の画像を生成することができる。ある実施形態では、IVUSプローブ44は、腎静脈52Aおよび52Bの両方を示す画像を得ることができるように長手方向の分解能を有する。シース43も大静脈に経皮的に挿入され、この挿入は拡張器41の挿入の前、同時、またはその後であったかもしれない。シース43の遠位先端は、IVUSプローブ44の十分に下に位置決めされ、このためこれはIVUSプローブ44を妨げず、これにより生成される画像データを劣化させることがないものとして示される。また見られるように、マーキング特徴47は、患者の皮膚レベルに留まり、皮膚レベルからシース43の遠位先端までの軸の距離を画定する少なくとも部分を含む。さらに、図示する実施形態では、再位置決め可能目盛りマーカ54をシース43の周りに位置決めし、マーカ特徴47内の場所に進めることができる。目盛りマーカ54はシース43に沿って目盛りマーカ54の位置を選択的に解放するおよびしっかりと固定するように作動可能な留めまたはロッキング機構55を含むことができる。たとえば、シース43に対してばねで作動される摩擦留め具、シース43に当接する締結可能なねじもしくはノブ、または締付マーカ54などを含む任意の好適な機構をこの目的のために用いることができる。
【0023】
図17を参照して、マーカ54は、発明の別の局面をそれ自身が表わし、シース43の周りで受けられる、ばねカラー54Aを備えることができる(例示的な
図3Bを参照;マーカ54を示す別の図では、ばねカラー54Aをマーカ54として用いることもできることが理解されるであろう)。ばねカラー54Aはワイヤばね120を含み、ワイヤは、互いに隣接して位置決め可能な1つ以上のワイヤループおよび好ましくは複数のワイヤループ121を設けるようにコイル状に巻かれる。ばねカラー54Aは、ワイヤループ121から延在する第1のワイヤセグメント122と、ワイヤループ121から延在する第2のワイヤセグメント123とも含むことができる。緩められた(応力がかかっていない)状態では、セグメント122および123は、好ましくは中心軸「A」の周りで約140度未満のオフセットでワイヤループ121の中心軸「A」の周りで互いから径方向にオフセットされる方向に延在する。ばねカラー54Aは、セグメント122および123が、たとえばこれらを互いに向けて押さえ付けてワイヤループ121の内径を大きくして結果的にばねカラー54Aを応力付加状態にすることによって互いに対して径方向に移動可能となるように構成される。このように、シース43または別の細長い経皮的に導入された装置の周りでばねカラー54Aを受けることができ、これが緩められた状態にある場合または少なくともその緩められた状態に向けて付勢している場合はシース43または他の装置の外面を摩擦係合し、次にセグメント122および123が互いに向けて動かされてループ径を増大させる場合は摩擦係合解除する(または少なくともより少ない摩擦で係合する)ようにサイズ決めすることができる。この作用を用いて、ばねカラー54Aを係合解除し、動かし、かつ次に再係合することによってばねカラー54Aをシース43または他の装置に沿って再位置決めすることを容易にすることができる。たとえば、互いに向けてセグメント122および123を動かして、ばねカラーに応力を導入しつつ、そのような直径を小さくしていく作用を含む、ループ121の直径を小さくする他の作用も用いてもよい。そのような設計では、シース43または他の装置との摩擦係合のために、一旦シース/装置に応力を加えてこれによって係合するとセグメント122および123を定位置に保持するための、たとえばクリップまたはキャップなどの特徴を用いることができる。クリップ、キャップ、または他の特徴は、後で取外すか解放して、ばねカラーをシース43/装置から係合解除し、ばねカラーを動かして、次にセグメント122および123を互いに向けて押さえ付けた後にこれを再適用してシース/装置を再係合することができる。
【0024】
図17に図示するように、ばねカラー54Aは任意に、ワイヤばね120に装着され、かつ少なくとも部分的にこれを覆う成形されたプラスチックまたは他の被覆を含むことができる。そのような被覆を1つの片または任意で複数の片によって設けることができ、これは望ましくはワイヤセグメント122および123の各々にそれぞれ接続される少なくともタブ部分を含み、タブ部分は、以上で論じた係合/係合解除動作のためにばねカラー54Aを手動で把持しかつ操作するのに用いることができる(ワイヤセグメント122および123の直径に対して)広げられた区域を設ける。図示する実施形態では、被覆は、第1の被覆片124および第2の被覆片125を含む。第1および第2の被覆片124、125は、ワイヤセグメント122、123のそれぞれの部分を受けるためのそれぞれの溝128、129を規定するそれぞれのタブ部分126、127を含む。溝128および129はタブ部分126および127の長さに沿って終端し、タブ部分126および127は、ワイヤセグメント122および123の外側端部分を受けるためのそれぞれのアパーチャ132および133を規定する溝128および129の外側の部分130および131を含む。所望されれば、アパーチャ132および133内にまたは他の場所に接着剤を塗布してワイヤばね120に被覆片124および125を固着するのを補助することができる。被覆片124および125は、ワイヤばね120のワイヤループ121を被覆するための構造も含むことができる。第1の被覆片124を参照して、これは1つ以上の指部135、好ましくは2つ以上の指部を含むループカバー部分134を含む。第2の被覆片125は、1つ以上の指部137、好ましくは2つ以上の指部を含むループカバー部分136を含む。被覆片124および125がワイヤばね上に組立てられると、指部135および指部137は交互配置されるが、互いに対して摺動可能に配設されたままとなる。このように、タブ部分126および127が互いに対して押付けられてまたは他のやり方で力を加えられてループ121を拡大すると、指部135および137は互いに対して摺動してループ121をほぼ取囲む構造を依然として設けつつ、それらの交互配置された重なりの程度を小さくする。タブ部分126および127を解放すると、次に、指部135および137が互いに対して再び摺動してループを取囲む構造を設けつつそれらの交互配置された重なりの程度が大きくなる。被覆部分124および125は、図示するように任意に各々一体となった片であることができ、それぞれのタブ部分およびループを取囲む部分の両方を設ける。
【0025】
ばねカラー54Aまたは他の目盛りマーカ54をシース43または他の装置と摩擦係合する場合、シース43または他の装置の形状を実質的に変形しない(たとえばその内部の管腔が開いたままにする)が、使用の際はシース43または他の装置に沿ったカラー54Aまたは他のマーカ54の動きに抗するのに十分な摩擦を生じるレベルでシース43または他の装置を圧縮しつつそうすることができる。たとえば、そのような摩擦は、シース43または他の装置の長手方向軸の方向に係合されたカラー54A/マーカ54に加えられ、係合されたカラー54A/マーカ54の摺動移動を生じる2ニュートンよりも大きい力、より好ましくは約3ニュートンから10ニュートンの範囲の力、および最も好ましくは約4から約5ニュートンの力を必要とするには十分であり得る。たとえば特定的な経皮導入装置およびそれに関連の手順の要件に依存して異なる状況で他の力の値を利用することができることが理解されるであろう。係合されたばねカラー54Aまたは他のマーカ54の線形の変位に対する摩擦および結果的に生じる抵抗は、たとえば、表面接触の程度、表面特性、ならびにカラーまたはマーカの構成の材料および所望の結果を達成する際に変更することもできるシースまたは他の経皮装置の材料に依存する可能性があることも理解されるであろう。本明細書中の教示を与えられれば、これらおよび他のパラメータの変更は当該技術分野の当業者の範囲内に入るであろう。さらに、
図3Cに示すように、ある発明の実施形態に従うと、ばねカラー54Aまたは他の付勢されたマーカ54には、これをシース43または他の装置の周りで受ける場合に、緩んでいない(または応力を与えられた)状態でカラー54Aまたは他のマーカ54を保持する保持装置54Bを装備することができる。たとえば、シースまたは他の装置を、カラー54Aまたは他のマーカ54をその周りで受けるが、カラー54Aまたは他のマーカ54によるシース43または他の装置の係合を解除するまたはその圧縮を低減する適用保持装置54Bを装備した状態で、パッケージするまたは扱うことができる。このように、たとえば使用前の保管の間の経時的なシース43または他の装置の潜在的な変形を低減するまたは排除することができる。図示するように、保持装置54Bは、その中にタブ部分126および127を受け、カラー54Aを緩めた状態にそうなるであるであろう場合よりもそれらをともにより近くに保持するキャップであることができる。もっとも、ばねカラー54Aがその緩んだ状態に戻るのに抗する他の保持要素または装置も用いることができる。
【0026】
図示する手順の検討に戻って、
図4を特に参照して、IVUSプローブ44の位置を静止して保持しつつ、シース43の遠位先端がIVUSプローブ44の上を進むまで拡張器41の上を同軸にシース43を進める。この事象は、以上で論じたように触覚で、および/または(内部のプローブ44から供給される超音波エネルギを反射するように構成可能な音波発生マーカ46の存在によって潜在的に向上される)シース43の壁で覆われていることによりIVUSプローブ44が生成する画像の変化を通して、検知することができる。この点で、ユーザは、シース43の遠位先端がIVUSプローブ44で見出される目標位置に位置決めされていることを知る。次にユーザは、経皮挿入部位51の皮膚レベルと一致するマーキング特徴47内の目盛りマーキングを参照することができる。これにより、目標部位のシース43の遠位先端の位置決めとマーキング特徴47内の目盛りマーキングとの間に相関を導出することができる。ここでも、1つの実施形態では、そのような目盛りマーキングは、マーキングからシース43の遠位先端までの距離に相関する数値を含む。存在する場合は、再位置決め可能な目盛りマーカ54を、シース43の遠位先端がこの目標位置にある状態で経皮挿入部位51と当接するように進めかつ固着することもできる。次に、拡張器41、および依然として存在する場合はワイヤガイドを、シース43の遠位先端が目標位置にある状態でシースを定位置に安定して保持しつつ、シース43から取外すことができる。
【0027】
次に
図5および
図6を参照して、その後、シース43の中にフィルタ20を担持するフィルタ導入器システム(
図1)を進める。
図5では、シース43の中に進められて実質的にシース43の遠位先端にフィルタ20の遠位先端を位置決めするフィルタ導入器システム60を示す。以上で注記したように、この位置決めは任意の好適な態様で識別することができる。示す実施形態では、フィルタ導入器60は、互いから長手方向に離間し、導入器60上に位置決めされて手順の間は患者の外部に留まる近位可視マーカ62および63を含む。最も遠位のマーカ62がシース43の最も遠位の部分と整列すると、またはシース43と関連の別の同定可能な基準と整列すると、フィルタ20の遠位先端がシース43の遠位先端と整列する。
【0028】
次に
図5および
図6をともに参照して、この点で、シース43の近端(または関連の基準点)がマーカ63と同一平面になるまでシース43を引抜くことができ、そうするとフィルタ20が目標場所でシース43から外に置かれる。図示する実施形態では、この段階で、フィルタ20の二次脚部23が下大静脈50の壁に対して外向きに配備されるが、しかしながら、一次支柱22は導入器60の先端に位置する金属マウントなどの保持要素61によって係合されたままである。たとえばボタン、スイッチ、レバー、または任意の他の好適な機構を動作することによってフィルタ20の一次支柱22を解放するように患者の外部の位置から保持装置61を作動させることができる。そのような機構は、大腿静脈アプローチ用のCOOK(登録商標)CLECT(登録商標)フィルタセット(William Cook Europe、デンマーク)で現在使用されており、この機構を本明細書中で用いることができる。加えて、本明細書中で使用することができる同様の解放機構を記載する米国特許第5,324,304号を参照することができる。
【0029】
保持要素61からの一次支柱22の解放の後、フィルタ20は大静脈50中で完全に配備し、シース43および任意の他の経皮的に導入された装置を後で患者から引抜くことができる。
図7には、下大静脈50内に配備されるようなフィルタ20の拡大図を示し、二次支柱23および一次支柱22の両者ともが大静脈50の壁に対して径方向外向きに広がっている。フィルタ装置20がそのように配備されると、ある実施形態では、音波発生マーカ26および27は十分に離間されるので、経腹超音波によって区別される画像として見られる。またさらに、望ましい実施形態では、音波発生マーカ28は、広がって配備された状態の場合に大静脈または他の血管の壁に対して位置決めされるように一次支柱22上に位置する。音波発生マーカ28およびしたがって関連の支柱領域の位置を、このように、超音波画像で確認することができる。以上注記したように、マーカ28から延在する細長いほぼ真っ直ぐなフィラメント29は、大静脈50の壁に対する装置20の固定を助けることができ、および/または大静脈もしくは他の血管の壁を通る支柱22の移動を防止するのを助けることができる。
【0030】
有利な動作においては、シース43からのフィルタ20の配備および保持装置61からの一次支柱22の解放の後、シース43を経皮的に挿入したまま残して、フィルタ導入器60を引抜く。次にガイド42をシース43を通して再挿入することができ、拡張器41などのIVUS可能化カテーテルをガイド42の上にわたって再導入することができる。ガイド42がフィルタ20の中にまたはそれを越えて延在すると、IVUS可能化拡張器41は大静脈50内を進むことができ、IVUSプローブ44をフィルタ20の配備位置を確認するための画像の生成に用いることができる。1つのモードでは、生成されたIVUS画像を用いて、大静脈50の壁に対する一次支柱22および/または二次支柱23の位置を調べることができる。この調査を容易にするため、支柱22および/または23上に位置決めされ、かつフィルタ20の適切な配備の際は大静脈50の壁に対して並置するように構成される音波発生マーカ(たとえば28)を用いて画像を生成し、これからそのような並置を確認するまたは否定することができる。IVUSプローブ44は、所望される場合はフィルタ20を越えて進められて腎静脈または静脈52Aおよび/もしくは52Bの画像を生成して、その尾側のフィルタ20の位置を確認することもできる。この調査の後、かつ潜在的には患者記録のための確認画像の電子的記憶の後も、ガイド装置42およびIVUS可能化拡張器41を患者から引抜くことができる。たとえば、
図16は、ヒツジの大静脈に植込まれ、植込まれたフィルタを越えてIVUS可能化カテーテルを進め、カテーテルの引戻しの際にIVUS画像を生成することによって得た大静脈フィルタの画像を示す。上部には、一連の軸方向画像から生成した、下方の腎臓接合部、大静脈フィルタフック、フィルタ脚部、および腸骨静脈分岐を示す投影画像を示す。投影画像は、植込まれた装置の解剖学的標識点および特徴に対応する色分けされた鉛直方向の線の形態の、ユーザが加えた解釈用マーキングを有する。望ましくは投影画像または他のIVUS生成画像は、オプションでユーザが画像上にマーキングすることができる装置の第1および第2の端を示す。下部には、以上で論じた装置特徴および解剖学的標識点に対応し、投影画像に示され、かつ投影画像に加えられた鉛直方向の線に色分けされた軸方向IVUS画像を示す。これらおよび他のマーキングおよび/または指標付け手段をとって画像の解釈に明瞭性を加えることができる。植込まれた大静脈フィルタまたは他の血管フィルタまたは他の装置の、患者からの付随の生理学的標識点を有するそのような画像または複数の画像を得て、配備後の装置の適切な留置を確認することができる。たとえばフィルタフックおよび/またはフィルタ脚部上の装置上の音波発生特徴の任意の存在は、確認超音波画像中の装置特徴を視覚化する能力を向上させることができる。配備後の植込まれた装置の場所を確認するための、および外科手術に関する患者カルテを維持する目的のためのIVUS生成装置留置画像の利用は発明の別の実施形態を構成し、本明細書中に記載の任意のシステムまたは留置方法またはそれ以外と関連して用いることができる。集められたIVUSデータをフィルタリングして、たとえばあるセグメントまたは領域からデータを排除することによってIVUS画像を改良することができる。たとえば、
図16(上側)中の投影画像は、以下に見出される最も左側の軸方向画像中の点線の間に示される長手方向の容量からとられたデータから生成された。本明細書中の教示を与えられると、この技術および/または他のフィルタリング技術を用いて画質を向上させることができる。たとえばIVUS装置またはシステムに直接に結合されたデータ捕捉および記憶システムを用いて、または他のやり方で電子データを患者記録に転送することによって、および/または捕捉された確認画像のプリントアウトもしくは他の「ハードコピー」版を保持することによって、IVUS生成画像を患者記録中に電子的に記憶することができる。ある実施形態では、IVUS生成画像は、留置の放射線確認がなされない任意の放射線画像(たとえばX線画像)に対する代替物となることができ、他の実施形態では、IVUS生成画像は患者記録中の留置確認X線または他の放射線画像に対する追加となることができる。
【0031】
図7−
図9は、たとえば、左または右頚静脈中の経皮アクセス部位を通して大静脈内に下向きに降下するアプローチから有用な、血管フィルタなどの血管装置のための送達システムの実施形態を図示する。システム70は、以上で論じたシステム40の特徴と直接に対応する数多くの特徴を有し、詳細についてはこれを参照することができる。システム70は、経皮アクセス部位71を通した経皮的挿入のための、IVUSプローブ78を有するIVUS可能化拡張器を含む。システム70は、拡張器の上を同軸に並進可能なシース72を含む。音波発生マーカ73がシース72の遠端に設けられる。シース72は長手方向距離75だけマーカ73の近位に離間した音波発生マーカ74をさらに含む。マーカ73および74は、以上で論じたような物理的に別々のまたは物理的に一体化されたX線透視マーカをオプションで含むことができる。長手方向距離75は、以下にさらに詳細に論じるように、血管装置の配備のためにシースを位置決めする、IVUSプローブ78を越えたシース72の遠位先端の進行のための所望の距離に対応する。シース72は、以上で論じたように、望ましくは数値距離目盛りであるシース43のマーキング特徴47に対応するマーキング特徴76も含む。この点において、シース72に沿ったマーキング特徴76の相対的位置は、それぞれの経皮侵入部位から目標部位までの異なる距離のために、シース43に沿ったマーキング特徴47の位置とは異なり得ることが理解されるであろう。システム70はワイヤガイドなどのガイド装置79も含む。
図7は、下大静脈50に入る腎静脈52Aおよび52Bにあるまたはそのすぐ下にある場所を画像化および同定するためのIVUSプローブ78が定位置にある拡張器を示す。この位置は、配備された際に血管インプラントの最も上の部分にまたはその近くにあることが意図される。シース72は、
図7で、その遠位先端が最もよく見える条件のためにIVUSプローブ78の近位にある状態の位置に示される。
【0032】
次に特に
図8を参照して、目標位置にIVUSプローブ78を保持しつつシース72を拡張器に沿って進めた。そうする際に、IVUSプローブ78の上にわたる遠位シース先端の進行は、音波発生マーカ73の存在を通して向上可能な生成IVUS画像の変化によってユーザが認識可能である。シース72がさらに進められると、より近位の音波発生マーカ74がIVUSプローブ78の上に到達するにつれてユーザはIVUS画像の変化に再び気づく。所望されれば、この位置決めの触覚信号も与えるようにシース72を構成することができる。この位置では、シース72の遠位先端はIVUSプローブ78の遠位の目標場所に進められており、インプラントの配備のためにそこからシース72の引戻しが開始される。この点でも、ユーザは、可視マーカ特徴76と、特定的な実施形態では経皮侵入部位71の皮膚レベルのまたはシース72の遠位先端の位置に相関する任意の他の好適な場所と整列するその中の目盛りマーキングとを視覚的に参照することができる。シースを定位置に保持しつつ、マーキング特徴76内の目盛りマーキングの位置を潜在的に続けて参照して、IVUSプローブ78およびガイド79を含む拡張器を次に引抜くことができる。
【0033】
次に
図9を参照して、フィルタ20を担持するフィルタ導入器80を次にシース72を通して挿入することができる。たとえば、導入器80の遠端に位置し、フィルタ装置20のフックを係合するループ、フック、または同様の保持装置84を用いて、導入器80によってフィルタ20を保持することができる。上記システム40と同様に、フィルタ導入器80は、装置80の軸に沿って長手方向に離間した、近位に位置決めされた外部可視マーカ82および83を含む。遠位マーカ82は、フィルタ20の遠端がシース72の遠位先端とほぼ整列すると、たとえばシース72の近端またはそれに接続される要素などの基準点とほぼ整列する。シース72を定位置に保持しつつこの位置にフィルタ導入器80を進めた後、シース72の遠端(またはそれと関連付けられる片)がマーカ83とほぼ同一平面上になってフィルタ装置20がシース72の遠位開口から配備されたことを示すまで、シース72を近位に引抜くことができる。次に保持装置84を作動させて導入器80からフィルタ装置20を解放することができ、こうしてフィルタ装置20を下大静脈内に配備して残す。その後、所望されれば、ガイド装置79およびIVUS可能化拡張器をシース72を通して再導入して、配備されたフィルタ20および大静脈壁に対するその支柱の並置を調べるのに用いることができる。一次支柱22および/または二次支柱23上に位置決めされた音波発生マーカ28は、血管50の壁にまたはこれに対してそれらのマーカを示す画像の捕捉を容易にし、フィルタ20が適切にかつ完全に配備していることの確認を与えることができる。次に、ガイド79、IVUSプローブ78を有する拡張器、および依然として存在する場合はシース72を患者から引抜くことができる。
【0034】
発明の付加的な局面では、血管フィルタまたは他のインプラント装置の回収または送達で用いることができる、IVUS可能化および/または音波発生によってマーキングされる、経皮的に挿入可能な装置が設けられる。
図11は、発明の経皮的血管スネア装置90の実施形態の一部破断図である。血管スネア90は、内部管腔を有する細長い軸91と、管腔から制御可能に配備されかつその中を引抜くことができる、たとえばワイヤなどの可撓性フィラメントから作られるスネアループ92とを含む。スネア装置90はスネアループ92の少なくとも一部の上に音波発生マーカ92を含む。音波発生マーカ92は、溝をつけられた構造、ワイヤコイルなどのコイル、窪みをつけられたおよび/もしくは溝をつけられたカニューレなどの、窪みをつけられたおよび/もしくは溝をつけられた構造、または本明細書中で論じたような任意の他の好適な音波発生構造もしくは材料を含むことができる。さらに、マーカ92をスネアループ92を形成するワイヤもしくは他の細長いフィラメントの上に搭載することができ、またはワイヤもしくは他の細長いフィラメントの中に一体に形成することができる。音波発生マーカ92は、いずれにも実質的な損傷を与えずに、カニューレを挿入された装置91から外へおよびその中にスムーズにスネアループ92の配備を可能にするようにサイズ決めおよび構成されて、スネアを有する捕捉装置を容易にする。ある実施形態では、スネア装置90はIVUSプローブ94を含む。スネア装置90を用いて捕捉すべきおよび潜在的に回収すべき装置の超音波生成画像を得るのにIVUSプローブ94を用いることができる。またさらに、いくつかの実施形態では、スネア装置90の音波発生マーカ93をスネアループ92の上に位置決めすることができ、スネアループを、IVUSプローブ94を用いて生成される超音波信号を用いてマーカ93の少なくとも一部を画像化できるような構成に配備することができる。これらの目的のため、スネアループ92を、少なくとも部分的に、カニューレを挿入された装置91の管腔から横方向に配備して、音波発生マーカ93の少なくとも一部および潜在的にはマーカ92全体をIVUSプローブ94の長手方向分解能の範囲内に位置決めすることができる。このように、スネア装置90のユーザは、IVUSプローブ94を用いて生成される画像を見ることによって、開いた位置のスネアループ92の配備および位置を確認することができる。これらの目的のため、スネアループ92を、音波発生マーカ93の少なくとも一部がIVUSプローブ94の少なくとも一部と長手方向に整列するか、またはそこから約3mm以下長手方向にオフセットする開いた状態に配備することができる。当然ながら、外部で生成された(たとえば経腹的)超音波画像を用いて音波発生マーカ93を視覚化して捕捉または回収動作を支援することもできる。そのような外部超音波画像化を、動作を誘導する際にIVUSプローブ94から導出されるIVUS画像化と関連して用いることもできる。
【0035】
続いて
図11を、また
図12も参照して、1つのモードでは、血管スネア90を用いて、植込まれた血管フィルタ、たとえば本明細書中に記載のフィルタ20を捕捉し、回収することができる。外部(たとえば経腹的)超音波画像化を用いて、音波発生マーカ26と27との間であってフィルタ20の首部25の付近に位置決めされた(開いた状態の)スネア装置20の音波発生マーカ93およびフィルタ20の音波発生マーカ26および27を別々に視覚化することができる。次にカニューレを挿入された軸91の中でスネアループ92を引抜くことによってこれを閉じてフィルタ20を捕捉することができ、閉じたスネアループは最終的にフック25の中に捕らえる。これに代えてまたは加えて、IVUSプローブ94が存在する場合、IVUS画像を生成してフィルタ20のマーカ27およびマーカ26を別々におよび順次視覚化して、その間であってフィルタ20の首部25の付近のスネアループの位置決めを誘導するのに用いることができ、これによりフィルタ20を捕捉するようにこれを閉じることができる。閉じられた状態のスネアループ92中へのフィルタの捕捉後、カテーテルまたはシースなどの、カニューレを挿入された回収装置95(
図12)は、装置91の上およびフィルタ20の上を進み、支柱23および22に径方向内向きに力を加えて、カニューレを挿入された回収装置95中にフィルタ20を回収することができる。次に、スネア90、フィルタ20、およびカニューレを挿入された回収装置95を患者から取外すことができる。これに代えて、そのような捕捉および/または回収動作を用いて、配備後のフィルタ20を再位置決めすることができる。
【0036】
図13は、発明のIVUS可能化フィルタ送達システム100の別の実施形態を図示する。システム100は、フィルタ20がその管腔の中に収容された状態の、フィルタ送達シース101を含む。送達シース101は、マーキング特徴47および再位置決め可能目盛りマーカ54(たとえば
図2−
図6を参照)を含むがそれらに限定されない、以上で論じたシース43の属性のすべてを有することができる。送達シース101は、その遠位先端に近接して搭載されたIVUSプローブ102も有する。以上で論じたように、IVUSトランスデューサ要素102に電力供給して信号データを送信するためのワイヤおよびコネクタを、軸壁内、その付加的な管腔内に埋め込まれたシース101に沿って好適に引回すことができ、または適切に位置決めしかつ保護することができ、フィルタ20と管腔を共有してもよい。これらの同じ配置またはその組合せのいずれも、本明細書中に開示するIVUSプローブの任意のもののためのワイヤおよびコネクタの引回しに用いることができる。インプラント送達シース101自体の上のIVUSプローブ102の存在は、別個のIVUS可能化装置(たとえば以上で論じたIVUS可能化拡張器41)を用いる必要性を排除することができる。もっとも、ある使用モードでは、装置の送達を誘導するのに両方の種類のIVUS可能化装置を用いることができる。
【0037】
送達シース101は、音波発生マーカ103および/またはX線透視マーカ104も含む。以上で論じたように、マーカ103および104は、両者ともが存在する場合は、2つの機能を有する単一の構造もしくは材料によって、または別個の片もしくは構造によって設けることができる。以上で論じた配置を好適に用いることができる。IVUS可能化フィルタ送達システム100は、金属マウントなどの細長い軸106および保持要素107を有する、カテーテルなどのフィルタ導入器装置105も含み、その中で、フィルタ20の一次支柱22の端を受け、解放可能に保持する。他の実施形態について以上で論じたように、導入器装置105のボタン、スイッチ、または他の好適な機構の作動によって一次支柱22の端を保持要素107から解放することができる。
【0038】
送達シース101を用いて、修正により、
図3−
図6に一般的に示すような位置に大静脈フィルタ20を経皮的に送達することができる。そうするためには、たとえば右または左大腿静脈を通して(従来は後で取除かれる拡張器とともに)シース101を経皮的に導入し、IVUSプローブ102を用いて腎静脈を見る位置に進めることができる。プローブ102の位置がほぼ下腎静脈(典型的には右)の場所にまたはその尾側にある状態で、(たとえば上記特徴47に対応する可視目盛りマーキングを用いて)シース101の位置に気づくことができる。シース101を定位置に保持して、フィルタ導入器105を用いて、たとえば導入器105上の外側可視近位マーカ108をシース101上のまたはそれと関連の特徴と整列させて、フィルタ20の遠位先端がシース101の遠位先端と整列していることを信号で伝えることで、シース101の遠位先端へとフィルタ20のフックを進めることができる。次に、シース上の外部(たとえば皮膚レベル)可視目盛りマーキングを用いておよび/またはIVUSプローブ102を用いて腎静脈を再び視覚化して、下大静脈内のシース101の遠位先端の位置を確認することができる。次にシースを引戻して、シース101上のまたはそれに関連の特徴を外部可視マーカ109と整列させて、フィルタ20がシース101の遠位開口から配備されたことを信号で伝えることができる。次に保持装置107の解放アクチュエータを動作させて、フィルタ20の一次支柱22を解放して、フィルタ20を完全に配備することができる。
【0039】
図14は、発明のIVUS可能化フィルタ送達システム110のまた別の実施形態を図示する。システム110は、フィルタ20がその管腔内に収容された、フィルタ送達シース111を含む。送達シース111は、外部可視マーキング特徴(たとえば76、
図8−
図10)および再位置決め可能目盛りマーカ(たとえば54、
図2−
図6)を含むがこれらに限定されない、以上で論じたシースの属性のすべてを有することができる。送達シース111は、その遠位先端に近接した距離にIVUSプローブ112も有する。インプラント送達シース111自体の上のIVUSプローブ112の存在は、別個のIVUS可能化装置(たとえば以上で論じたようなIVUS可能化拡張器)を用いる必要性を排除することができる。もっとも、ある使用モードでは、装置の送達を誘導するのに両方の種類のIVUS可能化装置を用いることができる。
【0040】
送達シース111は、その遠位先端に近接して、音波発生マーカ113および/またはX線透視マーカ114も含み、その構成は以上で論じたようなものであることができる。システム110は、フィルタ20のフックを解放可能に係合するフックなどの細長い軸116および保持要素117を有する、カテーテルなどのフィルタ導入器装置115も含む。他の実施形態について以上で論じたように、導入器装置115のボタン、スイッチ、または他の好適な機構の作動により、フィルタ20のフックを保持要素117から解放することができる。
【0041】
送達シース111を用いて、修正により、
図8−
図10に一般的に示すような位置に大静脈フィルタ20を経皮的に送達することができる。そうするために、シース111を、たとえば右または左頚静脈を通して(従来は後で取外す拡張器とともに)経皮的に導入して、IVUSプローブ112を用いて腎静脈を見る位置に進めることができる。プローブ112の位置がほぼ下腎静脈(典型的には右)にあるまたはその尾側にある状態で、(たとえば上記特徴47または76に対応する外部可視目盛りマーキングを用いて)シース111の位置に気付くことができる。IVUSプローブ112とシースの遠端との間の距離により、この位置は、シース111の遠端を、配備されるフィルタインプラントの所望のいちばん下の点に対応する位置であって腎静脈の十分に尾側に留置するであろう。図示する実施形態では、IVUSプローブ112から遠位シース先端までの距離は、配備された際のフィルタ20の長さとほぼ等しいか、またはこれよりもわずかに大きい(たとえばその約130%まで)。シース111を定位置に保持して、フィルタ導入器115を用いて、たとえば外部可視近位マーカ118をシース111上のまたはそれと関連の特徴と整列させて、フィルタ20の遠位先端がシース111の遠位先端と整列していることを信号で伝えることで、シース111の遠位先端までフィルタ20の遠位脚部端を進めることができる。次に、シース上の外部(たとえば皮膚レベル)可視目盛りマーキングを用いておよび/またはIVUSプローブ112を用いて腎静脈を再視覚化して、下大静脈内のシース111の遠位先端の位置を確認することができる。次に、シースを引戻してシース111上のまたはそれと関連の特徴を外部可視マーカ119と整列させて、フィルタ20がシース111の遠位開口から配備されたことを信号で伝えることができる。次に、保持装置117のための解放アクチュエータを動作させて、フィルタ20のフック25を解放して、フィルタ20を完全に配備することができる。
【0042】
付加的な実施形態では、独自の超音波画像誘導方法およびシステムを提供する。これらの方法およびシステムを、以上で論じたインプラント装置および送達/回収構成要素または他の装置もしくは構成要素と関連して用いることができる。1つの局面では、経皮手順の超音波誘導手順は、リアルタイムIVUS画像と電子的に記憶された画像との組合せを用いて提供可能である。電子的に記憶された画像は、たとえば、望ましくは一定の速度での血管内の(たとえば以上で論じたようなIVUS可能化拡張器、シース、またはスネア上の)IVUSプローブの引戻しの際に取得された血管の順次画像、またはそのような複数の順次画像から再構築された生成画像であり得る。これらの目的のための一定速度引戻し装置は公知であり、市販されている。生成された記憶された画像は、たとえば、複数の順次断面またはそれ以外ではセグメント血管の画像から再構築された、フィルタなどのインプラントを配備すべき血管の長さの3次元または2次元画像であり得る。
【0043】
図15を参照して、そのようなシステムの1つの実施形態の構成要素の概略的な表示を与える。示すようなシステム200は、上述のような(
図2−
図4)IVUS可能化拡張器41を含む。もっとも、
図8−
図9の拡張器、スネア94(
図11)、または送達シース101(
図13)もしくは111(
図14)などの、他のIVUS可能化装置を拡張器41の代わりに用いることができる。拡張器41はIVUSプローブ44を含み、
図2−
図6に関連して以上で論じたマーキング特徴47と同じであり得るマーキング特徴47Aも含み、こうして個別の目盛りマーキングからIVUSプローブ44までの距離などの、マーキングから拡張器41の遠位特徴までの距離を表わす個別の目盛りマーキング48と、関連の数値マーキング49とを含む。拡張器は、マーキング特徴47Aの目盛り付けされた領域が患者の侵入部位51にある皮膚レベルに存在する状態で経皮的に挿入されて示される。
【0044】
システム200は、データおよび画像を記憶するための電子メモリ記憶装置も含むことができるコンピュータプロセッサ201を含む。コンピュータプロセッサ201は、たとえば有線または無線接続部であり得るデータ伝送接続部202を介してIVUSプローブ44から信号データを受信する。コンピュータプロセッサ201は、伝送された信号データを用いて血管50の超音波画像を生成する。プロセッサ201は、接続部203を介してディスプレイモニタなどの視覚的表示装置204に電子的に接続される。表示装置204は、IVUSプローブ44を用いて生成された2次元リアルタイムIVUS画像205を表示する。示される画像205には、これにより近くに位置決めされたIVUSプローブ44によって生成された左右の腎静脈が示される。表示装置204は、IVUSプローブ44からの複数の以前に取得された2次元断面画像データセットを再構築することによって生成される画像206も表示する。これらの目的のためのアルゴリズムは公知であり、Volcano Corporation(San Diego, CA, USA)から入手可能なものを含む市販のIVUS装置および関連のソフトウェアにおいても利用可能である。画像206を再構築するための以前に取得されたデータセットを、望ましくは一定の速度での拡張器41の引戻しの際に得ることができ、その間に望ましくは等しい時間間隔でIVUS画像データを収集する。これらの目的のために引戻し装置206Aを用いることができ、その実施形態もVolcano Corporationから市販されている。
【0045】
1つの実施形態では、グラフィック目盛り207が画像206の上にまたはそれと関連して表示される。目盛り207は、拡張器41上の個別の目盛りマーキング48に相関する目盛りマーキング208を有することができる。目盛り207は、拡張器41上のそれぞれの関連の数値マーキング49に相関するそれぞれの関連の数値マーキング209も有することができる。このように、たとえば、「10cm」と数字を付されたグラフィック目盛り207上の目盛り付けされたマーカは、マーキング特徴47Aの対応の「10cm」と目盛りを振られたマーカが侵入部位51の皮膚レベルに存在する際にIVUSプローブ44の長手方向位置に相関する点で、画像206の上またはその隣に長手方向に整列する。皮膚レベル以外のマーキング特徴47Aのための確実な外部基準点も用いることができる。グラフィック目盛り207を生成しかつ場所特定する1つの態様では、引戻しの開始点で、ユーザは、皮膚レベルに関連のマーカ28を有する数値しるし49をプロセッサ201に入力することができる。接続部206Bを介して引戻し装置206Aがプロセッサ201に与える時間経過および一定速度情報を用いて、プロセッサ201は、画像206の再構築において組入れるべき所与の画像データセットを生成する際にどの程度プローブ44が移動したかを確定することができ、これにより再構築された画像206の参照の際に目盛り207を正確に生成することができる。目盛り207を正確に生成する他のモードでは、引戻し装置206Aは、たとえば周が分かっているローラホイールの回転数を検出することによってまたは任意の他の好適な手段によって、引戻しの際に拡張器41によって移動される距離を直接に測定するための装置を含むことができ、取得された画像に相関する移動距離をプロセッサ201に通信することができる。これに代えて、接続部213を介した画像取得の際の拡張器41の軸の移動距離に関する同様の情報をプロセッサ201に通信する別個の位置追跡装置212の中にそのような直接測定装置を設けることができる。別の代替例として、引戻しの際に、ユーザは、マーキング特徴47Aが皮膚レベルまたは別の基準点を過ぎて移動すると、マーキング特徴47Aを見ながら画像捕捉の際の軸の距離の増分をプロセッサ201に手動で通信することができる。目盛り207を画像206と正確に関連付けるためのこれらおよび他の手段を用いることができる。
【0046】
ある実施形態では、使用されている拡張器41または他の装置の特徴と一般的に相関する特徴を有するグラフィック画像210を、潜在的には目盛り207とも組合せて画像206と関連して表示する。グラフィック画像210は、IVUSプローブ44、使用されている装置の遠位先端、および/または他の装置特徴のグラフィック表示211を含むことができる。画像206に対する画像210の位置および移動は、血管50内の拡張器41(または使用されている他の装置)の位置に相関することができる。これは、皮膚レベルもしくは別の基準点に対するマーキング特徴47Aの視覚的観察に基づいてユーザがたとえば手動で入力し得る、および/または引戻し/画像取得段階での装置41の上述の位置追跡の直接の継続であり得る分かっている基準点から開始して、手順の間に拡張器41の軸の移動に関連の情報をプロセッサ201に入力することによって達成可能であり、そのために、引戻しの開始時のユーザからの元の位置入力情報が、分かっている基準点としてはたらき続けることがある。軸の移動を追跡するため、(たとえば引戻し装置206Aの一部としてまたは別個の位置追跡装置23として)軸の移動を直接に測定するための装置、または以上で論じたようなユーザによる手動の入力を用いることができる。
【0047】
異なるモードでは、適切なアルゴリズムおよびプロセッサ201を用いて、手順の間にIVUSプローブ41が取得し続けている順次画像を、画像206を生成するように得られた先に取得した画像と比較することができる。次に、新しく取得した画像を、画像206に沿って、位置が分かっている先に取得した画像に位置合わせすることができ、たとえば位置合わせした先に取得した画像とグラフィックIVUSプローブ画像211とを整列させることによって、これに応じてグラフィック画像210を位置決めすることができる。
【0048】
システム200は、伝送接続部215を介してプロセッサ201に接続される外部超音波画像化プローブ214(たとえば経腹的プローブ)も含むことができる。以上で論じたグラフィック画像207および/もしくは210に代えてまたはこれに加えて、リアルタイム外部超音波画像を、先に取得しかつ生成したIVUS画像206に位置合わせして、たとえば、手順の間にプローブ214の位置を固定し、画像206を生成するための引戻しの開始および終わりにそれぞれ外部で画像化された音波発生マーカ(たとえば45、
図2)の開始および終了位置の場所などの引戻し動作の間の基準点を取得することにより、IVUS画像206の生成の際に確立される適切な基準点を介してその中にまたはそれに隣接して表示することができる。このように、履歴的IVUSデータおよびリアルタイム外部超音波データをともに用いて、装置送達または回収動作を誘導することができる。当然ながら、リアルタイムIVUSデータおよび画像を、履歴的IVUSデータおよびリアルタイム外部超音波データと関連して用いることもできる。
【0049】
ディスプレイ204は、患者特有の情報216および日時情報217ならびに適切な画像記述子218および219、または他の標準的なシステム性能もしくは設定情報も含むことができる。
【0050】
発明のまたさらなる実施形態では、経皮的に導入された装置上の超音波送出IVUSプローブを用いる上述のようなシステムおよび方法を、IVUSプローブからの超音波信号を受信するように同調される外部(たとえば経腹的)超音波ユニットと関連して用いることができ、これによりシステム中の「活性」超音波マーカとしてのIVUSプローブの場所を検出することができる、または内部で生成されたIVUS信号の別個のマーカによる反射に基づいて、導入されたIVUS装置もしくは近隣の装置上の別個の音波発生マーカの場所を検出することができる。このように、導入された装置の部分の相対的な場所を、IVUSプローブで生成され、かつ潜在的に反射された超音波信号に基づいて、外部超音波を用いて検出することができる。さらにまたはこれに代えて、内部生成IVUSプローブ信号を外部超音波ユニットで受信し、生物学的構造の画像を展開するように処理することができ、こうして「裏表に通じた(inside out)」超音波画像生成システムを提供することができる。いくつかの実施形態では、IVUSプローブからの信号の外部受信および処理は、以上で論じたように超音波画像の展開のために反射された超音波を送出しかつ検出するように同時にまたは間欠的にも用いられる外部超音波ユニットを用いて達成することができる。これに代えて、別個の外部超音波ユニットを用いることができる。1つはIVUSプローブ生成信号を検出するように同調され、1つは、外部生成超音波から生物学的構造および導入された装置の潜在的に他の特徴の画像を生成するように機能する。ある実践モードでは、内部IVUSプローブおよび外部ユニットが送出した両方の超音波から生成された画像または対応の信号をともに用いて、別個の画像としてユーザに表示するか、または(たとえば位置合わせとともに)アルゴリズムを用いて処理しかつ組合せて単一の向上した表示用画像を生成することができる。そのような処理は、本明細書に記載のようなコンピュータプロセッサを用いて達成することができる。ここに記載されるような、外部で検出されるIVUSプローブで生成された超音波を単独でまたは外部で生成された超音波と組合せて用いて画像が展開されるシステムおよび方法は、以上の図面と関連して記載した具体的なシステムとともに用いられても、またはそれ以外の態様で用いられても、発明の付加的な実施形態を形成する。
【0051】
本明細書中に記載の実施形態は、時には、血管フィルタならびに関連のシースおよび/またはカテーテル配備装置の送達またはその特徴に関連して論じられるが、発明の実施形態は同様に、ステント、ステント弁、オクルダー、塞栓装置、吻合装置などの他の経皮的に送達可能な血管装置の送達およびその特徴に係り得ることが理解されるであろう。これらおよび他の置換は、本明細書中の教示を与えられれば、当該技術分野の当業者の範囲内に入るであろう。
【0052】
発明を記載する文脈での(特に以下の請求項の文脈での)「a」および「an」および「the」という用語ならびに同様の指示物の使用は、本明細書中に他に示されなければまたは文脈によって明確にそうでないとされなければ、単数および複数の両方をカバーすると解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の記載は、本明細書中に他に示されなければ、その範囲内に入る各々の別個の値を個別に参照する略式の方法として働くことが意図されるに過ぎず、各々の別個の値は、それがあたかも個別に本明細書中に記載されているかのように明細書中に組入れられる。本明細書中に記載のすべての方法は、本明細書中に他に示されなければまたは文脈によって明確にそうでないとされなければ、任意の好適な順に実行可能である。本明細書中で与えられるありとあらゆる例または例示的な文言(たとえば「など」)の使用は、発明をよりよく解明することを単に意図されるものであり、他に請求されなければ発明の範囲に対して限定を課すものではない。明細書中のいずれの文言も、任意の請求されていない要素を発明の実践に必須のものとして示すと解釈されるべきではない。
【0053】
発明を実行するために発明者にとって公知の最良のモードを含むこの発明の好ましい実施形態を本明細書中に記載する。当然ながら、以上の説明を読めば、当該技術分野の当業者には、これらの好ましい実施形態の変形が明らかになるであろう。発明者らは、当業者がそのような変形を適宜用いることを期待し、発明者らは本明細書中に具体的に記載した以外の態様で発明が実践されることを意図している。応じて、この発明は、適用可能な法律が許すような、本明細書中に添付される請求項に記載の主題のすべての変更および均等物を含む。さらに、そのすべての可能な変形中の上述の要素の任意の組合せは、本明細書中に他に示されなければまたは文脈によって明確にそうでないとされなければ、発明に包含される。さらに、本明細書中に引用されるすべての刊行物は当該技術分野の当業者の能力を示すものであり、あたかも引用により個別に援用され、完全に述べられているかのようにその全体が引用によりここに援用される。