(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に、構造物の設計の際には、構造物が配置される場所の周辺に存在する物体及び構造物の使用時に構造物に搭載又は格納される物体など、構造物とは異なる物体との干渉を考慮に入れる必要がある。例えば、
図7に示される構造物A1は、装置A2を収容する構造物であるが、このような構造物A1の設計に際しては、構造物A1に用いられる部品間の干渉のみならず、構造物A1と装置A2との干渉を勘案する必要がある。
【0008】
このように他の物体との干渉を勘案しながら構造物を設計することは、構造物の設計者の負担を増加させる。
【0009】
そこで、本発明は、このような問題に鑑み、構造物の設計に当たり、構造物の設計者の負担を軽減または解消できる設計支援システム、設計支援プログラム及び設計支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の設計支援システムは、複数の部材の組み合わせにより構成される構造物の設計をCADにより支援する設計支援システムであって、
ユーザからの入力を受け付ける入力部と、
前記入力部への前記ユーザの入力に応じて、前記複数の部材の夫々の3次元座標系上の存在領域である部材存在領域を認識する部材認識部と、
前記入力部
を介して指定された前記構造物とは異なる物体の3次元座標系上の位置を含む情報に応じて、
当該物体の前記3次元座標系上の存在領域である物体存在領域を認識する物体認識部と、
前記複数の部材の夫々の前記部材存在領域と前記物体存在領域とに基づいて、前記複数の部材の夫々と前記物体との干渉の有無を判定する干渉判定部と、
少なくとも一の部材と前記物体とが干渉していると判定されたことを要件として、前記少なくとも一の部材と前記物体とが干渉している旨を出力する警告出力部とを備える。
【0011】
なお、本発明の構成要素が存在領域を「認識する」とは、ユーザから入力された情報により直接的に存在領域を確定すること、及びユーザから入力された基礎情報に対して指定の演算処理を実行することによって情報を算定又は決定等すること等、他の情報処理のために当該存在領域を確定するためのあらゆる情報処理を実行することを意味する。
【0012】
本発明の設計支援システムは、入力部と、部材認識部と、物体認識部と、干渉判定部と、警告出力部とを備える。
【0013】
本発明の設計支援システムによれば、部材認識部により、入力部へのユーザの入力に応じて、構造物を構成する複数の部材の3次元座標系上の存在領域(部材存在領域)が認識され、物体認識部により、入力部
を介して指定された前記構造物とは異なる物体の3次元座標系上の位置を含む情報に応じて、
当該物体の3次元座標系上の存在領域(物体存在領域)が認識される。
【0014】
そして、干渉判定部により、複数の部材の夫々の部材存在領域と物体存在領域とに基づいて複数の部材の夫々と物体との干渉の有無が判定される。
【0015】
警告出力部により、少なくとも一の部材と前記物体とが干渉していると判定されたことを要件として、前記少なくとも一の部材と前記物体とが干渉している旨が出力される。
【0016】
したがって、本発明の設計支援システムを利用することにより、ユーザ(構造物の設計者)は、構造物の設計時に、構造物の設計の際に考慮に入れるべき物体の存在領域を入力部を介して物体認識部に認識させることにより、構造物を構成する部材と前記物体との干渉の有無を容易に認識することが出来る。この結果、構造物設計者の負担が軽減または解消される。
【0017】
本発明の設計支援システムにおいて、
前記物体認識部は、前記入力部を介して指定された
前記物体の形状並びに
前記物体の3次元座標系上の大きさ及び位置に基づいて、前記物体存在領域を認識するように構成されていることが好ましい。
【0018】
当該構成の設計支援システムによれば、入力部を介して指定された
前記物体の形状並びに
前記物体の3次元座標系上の大きさ及び位置に基づいて物体存在領域が認識されるので、物体に関するその他の詳細な情報を入力が省略できる。この結果、構造物の設計に際し、構造物の設計者の負担がより軽減または解消される。
【0019】
本発明の設計支援システムにおいて、
前記物体認識部は、前記入力部を介して指定された前記物体のCADデータ及び
前記物体の前記3次元座標系上の位置に基づいて、前記物体存在領域を認識するように構成されていることが好ましい。
【0020】
当該構成の設計支援システムによれば、前記入力部を介して指定された前記物体のCA
Dデータ及び
前記物体の3次元座標系上の位置に基づいて物体存在領域が認識される。このため、構造物の設計者は、過去に作成された物体のCADデータを再利用することにより、構造物を構成する部材と当該物体との干渉の有無を容易に確認できる。この結果、構造物の設計者の負担がより軽減または解消される。
【0021】
本発明の設計支援システムにおいて、前記3次元座標系における前記部材の画像及び前記物体の画像を表示する画像表示部を備え、前記部材認識部は、前記物体存在領域に基づいて、前記物体の外側における前記部材の配置候補の位置であるガイド位置を認識し、前記ガイド位置に配置された部材の画像を前記画像表示部へ表示させるように構成されていることが好ましい。
【0022】
当該構成の設計支援システムによれば、部材認識部により、物体存在領域に応じて、当該物体の外側における部材の配置候補の位置であるガイド位置が認識され、当該ガイド位置に配置された部材の画像が画像表示部に表示される。
【0023】
ユーザ(構造物の設計者)は、当該構成の設計支援システムを利用することにより、物体の外側における部材の配置位置を容易に認識することが出来るので、構造物の設計者の負担がより軽減または解消される。
【0024】
本発明の設計支援プログラムは、
ユーザからの入力を受け付ける入力部と、情報を出力する出力部とを有するシステムを、
前記入力部への前記ユーザの入力に応じて、構造物を構成する複数の部材の夫々の3次元座標系上の存在領域である部材存在領域を認識する部材認識手段、
前記入力部
を介して指定された前記構造物とは異なる物体の3次元座標系上の位置を含む情報に応じて、
当該物体の前記3次元座標系上の存在領域である物体存在領域を認識する物体認識手段、
前記複数の部材の夫々の前記部材存在領域と前記物体存在領域とに基づいて、前記複数の部材の夫々と前記物体との干渉の有無を判定する干渉判定手段、及び
少なくとも一の部材と前記物体とが干渉していると判定されたことを要件として、前記少なくとも一の部材と前記物体とが干渉している旨を前記出力部に出力する警告出力手段として機能させることを特徴とする。
【0025】
本発明の設計支援プログラムをシステムに実行させることによって、上述した本発明の設計支援システムと同様の作用効果を得ることができる。
【0026】
本発明の設計支援方法は、
ユーザからの入力を受け付ける入力部と、情報を出力する出力部とを有するシステムが実行する方法であって、
前記入力部への前記ユーザの入力に応じて、構造物を構成する複数の部材の夫々の3次元座標系上の存在領域である部材存在領域を認識する部材認識ステップと、
前記入力部
を介して指定された前記構造物とは異なる物体の3次元座標系上の位置を含む情報に応じて、
当該物体の前記3次元座標系上の存在領域である物体存在領域を認識する物体認識ステップと、
前記複数の部材の夫々の前記部材存在領域と前記物体存在領域とに基づいて、前記複数の部材の夫々と前記物体との干渉の有無を判定する干渉判定ステップと、
少なくとも一の部材と前記物体とが干渉していると判定されたことを要件として、前記少なくとも一の部材と前記物体とが干渉している旨を前記出力部に出力する警告出力ステップとを含むことを特徴とする。
【0027】
本発明の設計支援方法をシステムに適用して実施することによって、上述した本発明の設計支援システムと同様の作用効果を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0030】
本実施形態では、複数のユーザ端末10と、1の販売会社端末20と、複数のメーカ端末30とが、ネットワークにより相互に接続されている。
【0031】
ユーザ端末10が、本発明の「設計支援システム」に相当し、設計支援プログラム(CADアプリケーションのプログラム)を実行して、ユーザ(設計者)による構造物の設計を支援する。
【0032】
(ユーザ端末の構成)
ユーザ端末10は、例えば、デスクトップ型コンピュータまたはラップトップ型コンピュータにより構成され、ユーザ端末演算処理装置11と、ユーザ端末入力部12と、ユーザ端末ディスプレイ13と、ユーザ端末通信装置14と、ユーザ端末記憶装置15とを備える。
【0033】
ユーザ端末演算処理装置11は、演算処理を実行するCPU等によって構成されている。ユーザ端末演算処理装置11は、ユーザ端末記憶装置15から設計支援プログラム151を読み込んで、当該設計支援プログラム151により規定される演算処理を実行することにより、操作認識部110、部材認識部111、物体認識部112、干渉判定部113、警告部114及び発注部115の夫々として機能する。
【0034】
ユーザ端末入力部12は、キーボード、マウス、マイク及びタッチパネル等の入力機器により構成される。ユーザは、ユーザ端末入力部12を介して、種々の情報を入力することが出来る。なお、ユーザ端末入力部12が、本発明の「入力部」に相当する。
【0035】
ユーザ端末ディスプレイ13は、画像を表示するように構成されている。なお、ユーザ端末ディスプレイ13により本発明の「出力部」が構成され、警告部114及びユーザ端末ディスプレイ13により、本発明の「警告出力部」が構成される。また、ユーザ端末ディスプレイ13により、本発明の「画像表示部」が構成される。
【0036】
また、ユーザ端末ディスプレイ13に加えて又は代えて、スピーカー等の音声出力装置又は印刷装置等の出力装置によって、本発明の「出力部」又は「警告出力部」が構成されてもよい。
【0037】
ユーザ端末通信装置14は、有線又は無線により、ネットワークを介して他の端末(販売会社端末20)と種々の情報を送受信可能に構成されている。
【0038】
ユーザ端末記憶装置15は、RAM、ROMまたはHDD等の記憶装置により構成され、ユーザ端末演算処理装置11による演算処理で使用されるデータ等の種々の情報を記憶し、及び読み出すようように構成されている。
【0039】
ユーザ端末記憶装置15には、あらかじめ、設計支援プログラム151、テンプレートデータ152、コア機器データ153及び部品データ154が記憶されている。これらの、設計支援プログラム151のうち一部のプログラム、テンプレートデータ152、コア機器データ153及び部品データ154は、それぞれ、演算処理実行時に必要に応じてユーザ端末通信装置14を介して外部(例えば、販売会社端末20)よりダウンロードされ、ユーザ端末記憶装置15に記憶されてもよい。
【0040】
また、ユーザ端末記憶装置15には、設計支援プログラム151によるCADアプリケーションによりユーザの操作に応じて作成された構造物データ155及び発注データ156が記憶されうる。また、ユーザに作成より構造物データ155が、ユーザの操作に応じて、新たなテンプレートデータ152又はコア機器データ153として記憶されてもよい。
【0041】
設計支援プログラム151は、仮想的な3次元座標系(以下、当該3次元座標系の互いに直交する各座標軸をX軸、Y軸及びZ軸として表す。)上において、主にアルミフレームにより構成され、種々の物品をその内部に格納可能な構造物の設計を支援するCADアプリケーションのプログラムである。当該設計支援プログラム151によるCADアプリケーションの詳細については後述する。
【0042】
テンプレートデータ152は、
図7に構造物A1として示された、12本の直方体アルミフレームを辺として組み合わせた直方体のように、設計対象の構造物によく使用される形状に関するCADデータである。テンプレートデータ152は、各形状の名称(直方体など)、集合物の基準位置(例えば、構造物の重心位置)及び基準となる大きさにおける各部品のX軸、Y軸及びZ軸それぞれの座標値及び各部品のIDを含む。
【0043】
なお、「テンプレート」とは、複数の部材の集合で構成される集合物を簡易的に指定するための雛形である。
【0044】
コア機器データ153は、
図7に装置A2として示されるように、設計対象の構造物に収容される物体(コア機器)のCADデータである。なお、コア機器のCADデータ以外にも、設計対象の構造物の上側に載置される物体等、設計対象の構造物の周辺に存在する物体のCADデータ、または設計対象の構造物が設置される施設のCADデータに対しても、本実施形態の設計支援プログラムに規定される処理を同様に適用できる。
【0045】
コア機器データ153は、コア機器の基準位置(例えば、コア機器の重心位置)におけるコア機器を構成する各部品の位置を示すX軸、Y軸及びZ軸それぞれの座標値、各部品のID並びにコア機器を表示する際の色を含む。
【0046】
部品データ154は、設計対象の構造物を構成するために使用可能な部品のCADデータであり、本実施形態では、アルミフレーム、アルミフレームに取り付けられるネジ及びキャップ並びにアルミフレームに取り付け可能な扉等のCADデータである。部品データ154は、夫々の部品ごとに、部品のID及びコア機器の基準位置におけるコア機器を構成する各部品の位置を示すX軸、Y軸及びZ軸それぞれの座標値、各部品のID並びに伸縮可能な方向を示すベクトルのX軸、Y軸及びZ軸それぞれの座標値を含む。
【0047】
構造物データ155は、設計対象の構造物のCADデータであり、当該構造物に使用されている部品の位置を示すX軸、Y軸及びZ軸それぞれの座標値及び各部品のIDを含む。
【0048】
発注データ156は、構造物データ155に基づいて生成されるデータであり、構造物データ155に加え、使用者を特定するためのユーザID、構造物を特定するための構造物ID、構造物の各部品ID、大きさ、及び個数を含む。
【0049】
(販売会社端末の構成)
販売会社端末20は、例えば、サーバコンピュータにより構成され、販売会社端末演算処理装置21と、販売会社端末通信装置24と、販売会社端末記憶装置25とを備える。
【0050】
販売会社端末演算処理装置21は、演算処理を実行するCPU等の演算処理装置によって構成されている。販売会社端末演算処理装置21は、販売会社端末記憶装置25から受発注支援プログラム251を読み込んで、当該受発注支援プログラム251により規定される演算処理を実行することにより、受発注支援部211として機能する。
【0051】
販売会社端末通信装置24は、有線又は無線により、ネットワークを介して他の端末(ユーザ端末10及びメーカ端末30)と種々の情報を送受信可能に構成されている。
【0052】
販売会社端末記憶装置25は、RAM、ROMまたはHDD等の記憶装置により構成され、演算処理で使用されるデータ等の種々の情報を記憶し、又は読み出すように構成されている。
【0053】
販売会社端末記憶装置25には、あらかじめ、受発注支援プログラム251及びカタログデータ252が記憶されている。また、販売会社端末記憶装置25は、受発注支援プログラム251に規定される演算処理の結果生成される受発注履歴データ253を記憶するように構成されている。
【0054】
受発注支援プログラム251の処理の詳細については後述する。
【0055】
カタログデータ252は、互いに関連付けられた部品IDと部品のメーカを特定するメーカIDとを含む。
【0056】
受発注履歴データ253は、互いに関連付けられた構造物の発注元のユーザ端末10を示すユーザIDと、発注データ156に含まれる内容と同様の内容と、当該発注データ156に含まれる部品IDの各発注先のメーカIDとを含む。
【0057】
(メーカ端末の構成)
メーカ端末30は、例えば、デスクトップ型コンピュータまたはラップトップ型コンピュータにより構成され、メーカ端末演算処理装置31と、メーカ端末出力装置33と、メーカ端末通信装置34と、メーカ端末記憶装置35とを備える。
【0058】
メーカ端末演算処理装置31は、演算処理を実行するCPU等の演算処理装置によって構成されている。メーカ端末演算処理装置31は、メーカ端末記憶装置35から受注支援プログラム351を読み込んで、当該受注支援プログラム351により規定される演算処理を実行することにより、受注支援部311として機能する。
【0059】
メーカ端末出力装置33は、画像を表示するディスプレイ又は情報を印刷した紙を出力する印刷装置によって構成される。
【0060】
メーカ端末通信装置34は、有線又は無線により構成され、ネットワークを介して他の端末(販売会社端末20)と種々の情報を送受信可能に構成されている。
【0061】
メーカ端末記憶装置35は、RAM、ROMまたはHDD等の記憶装置により構成され、演算処理で使用されるデータ等の種々の情報を記憶し又は読み出すように構成されている。メーカ端末記憶装置35には、あらかじめ、受注支援プログラム351が記憶されている。また、メーカ端末記憶装置35は、受注支援プログラム351に規定される演算処理により生成される受注履歴データ352を記録するように構成されている。
【0062】
受注支援プログラム351の処理の詳細については後述する。
【0063】
受注履歴データ352には、販売会社端末20から受信した部品の発注データに含まれる、販売会社を特定するための販売会社ID、部品ID、部品の大きさ及び部品の個数などが含まれる。
【0064】
(構造物製作支援の全体フロー)
図2を参照して、ユーザU1が
図7に示される構造物A1の製作をする場合を例にとって、構造物製作(設計・発注を含む。)時の各端末の支援処理の全体フローを説明する。構造物A1は、装置A2を収容するために使用される構造物である。
【0065】
まず、
図2のSTEP120において、ユーザ端末10のユーザ端末演算処理装置11(操作認識部110、部材認識部111、物体認識部112、干渉判定部113、警告部114及び発注部115)は、ユーザ端末入力部12で検知したユーザU1の入力に応じて、CADにより構造物A1の設計を支援する設計支援処理を実行する。設計支援の詳細な処理は後述するが、この設計支援により、ユーザU1が設計した構造物の構造物データ155及び発注データ156が生成される。
【0066】
図2のSTEP140において、発注部115は、ユーザ端末入力部12で検知したユーザU1の入力に応じて、ユーザ端末通信装置14を介して、発注データ156を販売会社端末20に送信する。
【0067】
図2のSTEP200において、販売会社端末20の販売会社端末演算処理装置21(受発注支援部211)は、販売会社端末通信装置24を介して、発注データ156を受信する。
【0068】
図2のSTEP220において、受発注支援部211は、カタログデータ252を参照することにより、発注データ156に含まれる部品の夫々のメーカを特定する。
【0069】
図2のSTEP240において、受発注支援部211は、STEP220において特定されたそれぞれのメーカに対し、販売会社端末通信装置24を介して、各部品ごとの発注データを送信する。
【0070】
図2のSTEP320において、各メーカ端末30のメーカ端末演算処理装置31(受注支援部311)は、メーカ端末通信装置34を介して、夫々のメーカ宛ての部品ごとの発注データを受信する。
【0071】
図2のSTEP340において、各受注支援部311は、発注データに含まれる部品ID及びその大きさ等の、部品ごとの仕様データをメーカ端末出力装置33に出力する。各作業員U2がメーカ端末出力装置33に出力された仕様データに基づき各部品を手配する。
【0072】
図2のSTEP360において、受注支援部311は、手配された部品の情報と構造物A1の構造物IDとを含む納品データを、メーカ端末通信装置34を介して、販売会社端末20に送信する。この部品情報の送信にあわせて、作業員U2は、手配した構造物A1用各部品を販売会社に発送する。
【0073】
受発注支援部211は、
図2のSTEP260において、販売会社端末通信装置24を介して各納品データを受信したのち、
図2のSTEP280において、販売会社端末通信装置24を介して各納品データをユーザ端末10に転送する。また、これにあわせて、販売会社の作業員が各メーカから受領した構造物A1用各部品をユーザに送付する。
【0074】
発注部115は、
図2のSTEP160において、ユーザ端末通信装置14を介して販売会社より送付されてきた納品データに含まれる部品の情報をユーザ端末ディスプレイ13に表示する。発注部115は、あわせて、構造物データ155に基づき、構造物A1の六面図などをユーザ端末ディスプレイ13に表示してもよい。ユーザU1は、これらの情報を確認しながら、販売会社より送付されてきた各部品を組み立てることにより、
図7に示される構造物A1を完成させることが出来る。
【0075】
(設計支援処理)
次に、
図3〜
図6を参照して、
図2のSTEP120の設計支援処理の詳細を説明する。
【0076】
本明細書においては、本発明を説明する範囲で必要な処理について説明し、他の処理については省略する。
【0077】
図3AのSTEP121において、操作認識部110は、ユーザ端末入力部12に対するユーザU1の入力を認識する。操作認識部110は、例えば、ユーザ端末ディスプレイ13に表示された画像のうち、ユーザ端末入力部12に入力された、各処理に対応するボタンの選択操作(例えば、クリック操作またはタップ操作等)を認識する。
【0078】
図3AのSTEP122において、操作認識部110は、入力がどの処理を要求するものであるかを判定する。本実施形態では、「テンプレート読込処理」、「コア機器CADデータ読込処理」、「簡易形状読込処理」、「部材配置処理」、「干渉チェック処理」及び「終了処理」のいずれであるかが判定される。
【0079】
図3AのSTEP122において、操作認識部110の判定結果が「テンプレート読込処理」である場合、
図3BのSTEP123において、部材認識部111は、ユーザ端末入力部12に対するユーザU1の入力に応じて、読み込むテンプレートの形状及び部材種別並びに集合物の大きさ、位置及び姿勢を認識する。
【0080】
例えば、部材認識部111は、
図4Aに示されるテンプレート指定画面P1をユーザ端末ディスプレイ13に表示する。
【0081】
テンプレート指定画面P1には、読み込むテンプレートの種別を指定するための種別指定ボックスP11、集合物の縦、横、高さ又は半径等の大きさを指定するためのサイズ指定ボックスP12、集合物を配置するための3次元座標系上の位置(集合物の位置決めの基準位置(例えば、重心位置)について、X軸、Y軸及びZ軸の夫々の座標値で表される位置)を指定するための位置指定ボックスP13、及び集合物の姿勢(X軸、Y軸及びZ軸それぞれ回りの回転角度で表される姿勢)を指定するための姿勢指定ボックスP14が含まれている。
【0082】
部材認識部111は、3次元画像上のユーザのクリック操作等の所定の操作に応じて、読み込むテンプレートの種別並びに集合物の大きさ、位置及び姿勢を認識してもよい。
【0083】
部材認識部111は、これに代えてまたは加えて、ユーザのクリック操作等の所定の操作により指定された3次元画像上の位置に基づいて、テンプレートの種別並びに集合物の大きさ、位置及び姿勢を認識してもよい。この場合、たとえば、各ボックスP11〜P14の近傍にチェックボックスを設け、チェックボックスが有効とされた一部のボックスに関する情報(例えば、X軸方向の大きさ)がボックスP11〜P14に入力された情報に基づいて認識される一方、チェックボックスが無効とされた残りの情報(たとえば、Y軸方向及びZ軸方向の大きさ)が3次元座標上の位置の指定に基づいて認識されてもよい。
【0084】
図3BのSTEP124において、部材認識部111は、認識したテンプレートの種別並びに集合物の大きさ、位置及び姿勢に基づいて、テンプレートデータ152を参照し、集合物に含まれる各部材を3次元座標系上に描画することにより、
図4Dに示される集合物の画像P15を表示する。
【0085】
STEP124の後、
図3AのSTEP121以下の処理が再度実行される。
【0086】
図3AのSTEP122において、操作認識部110の判定結果が「コア機器CADデータ読込処理」である場合、
図3BのSTEP125において、物体認識部112は、ユーザ端末入力部12に対するユーザU1の入力に応じて、読み込むコア機器のCADデータ及びコア機器の位置及び姿勢を認識する。なお、物体認識部112は、これに加えて、ユーザの入力に応じて、コア機器の大きさを認識してもよい。
【0087】
物体認識部112は、3次元画像上のユーザのクリック操作等の所定の操作に応じて、コア機器のCADデータ及びコア機器の位置及び姿勢を認識してもよい。
【0088】
例えば、物体認識部112は、コア機器データ153を参照し、
図4Bに示されるコア機器指定画面P2をユーザ端末ディスプレイ13に表示する。
【0089】
コア機器指定画面P2は、コア機器のCADデータの選択ボックスP21と、コア機器を配置するための3次元座標系上の位置を指定するための位置指定ボックスP22、集合物の姿勢を指定するための姿勢指定ボックスP23とを含む。
【0090】
物体認識部112は、この各ボックスP21〜P23に入力された情報に基づいて、コア機器を構成する部材の種別、大きさ、各部材の位置及び姿勢並びにコア機器の色を認識する。
【0091】
図3BのSTEP126において、物体認識部112は、コア機器を構成する部材の種別、大きさ、各部材の位置及び姿勢に基づいて、コア機器に含まれる各部材を3次元座標系上に描画することにより、
図4Dに示されるコア機器の画像P25を表示する。
【0092】
STEP126の後、
図3AのSTEP121以下の処理が再度実行される。
【0093】
図3AのSTEP122において、操作認識部110の判定結果が「簡易形状読込処理」である場合、
図3BのSTEP127において、物体認識部112は、ユーザ端末入力部12に対するユーザU1の入力に応じて、コア機器を簡易形状により指定するための形状、大きさ、位置及び姿勢を認識する。
【0094】
例えば、物体認識部112は、
図4Cに示される簡易形状指定画面P3をユーザ端末ディスプレイ13に表示する。
【0095】
簡易形状指定画面P3は、簡易形状の形状の形状選択ボックスP31と、簡易形状の縦、横、高さ又は半径等の大きさを指定するためのサイズ指定ボックスP32、簡易形状を配置するための3次元座標系上の位置を指定するための位置指定ボックスP33、簡易形状の姿勢を指定するための姿勢指定ボックスP34とを含む。
【0096】
物体認識部112は、この各ボックスP31〜P34に入力された情報に基づいてコア機器の簡易形状の形状、大きさ、位置及び姿勢を認識する。なお、コア機器の簡易形状の色として、ユーザにより指定された色が認識されてもよいし、あらかじめ設定ファイルに保存された値により指定された色が認識されてもよい。
【0097】
物体認識部112は、これに代えてまたは加えて、ユーザのクリック操作等の所定の操作により指定された3次元画像上の位置に基づいて、機器を簡易形状により指定するための形状、大きさ、位置及び姿勢を認識してもよい。この場合、たとえば、各ボックスP31〜P34の近傍にチェックボックスを設け、チェックボックスが有効とされた一部のボックスに関する情報(例えば、X軸方向の大きさ)がボックスP31〜P34に入力された情報に基づいて認識される一方、チェックボックスが無効とされた残りの情報(たとえば、Y軸方向及びZ軸方向の大きさ)が3次元座標上の位置の指定に基づいて認識されてもよい。
【0098】
図3BのSTEP128において、部材認識部111は、読み込むコア機器としての簡易形状の形状、大きさ、位置及び姿勢に基づいて、当該簡易形状を3次元座標系上に描画することにより、
図4Dに示される当該簡易形状の画像P35を表示する。
【0099】
STEP128の後、
図3AのSTEP121以下の処理が再度実行される。
【0100】
図3AのSTEP122において、操作認識部110の判定結果が「部材配置処理」である場合、
図3AのSTEP129において、部材認識部111は、コア機器(簡易形状含む。)が読み込まれているか否かを判定する。
【0101】
当該判定結果が肯定的である場合(
図3AのSTEP129でYES)、
図3AのSTEP130において、部材認識部111は、所定形状のコア機器の簡易外形を認識する。たとえば、
図5Aに示されるように、部材認識部111は、コア機器C1を内包する最小限の大きさのコア機器簡易外形C2(外接直方体)の各頂点の座標値を認識する。コア機器簡易外形C2の各頂点の座標値は、例えば、コア機器C1のX軸、Y軸、Z軸の夫々について、その存在範囲における最大値又は最小値の組として認識されうる。
【0102】
図3のSTEP131において、部材認識部111は、コア機器簡易外形C2の各頂点の座標値に基づいて、部材のガイド位置(部材の配置候補の位置を示す各座標値の範囲)を認識する。
【0103】
図5B及び
図5Cを用いて、部材認識部111が、3次元のうち、2次元の大きさ(例えば縦方向及び横方向の大きさ)が固定であり、残り1次元の大きさ(例えば高さ方向の大きさ)が可変であるフレーム部材C3及びC4のガイド位置を認識する処理を説明する。
【0104】
図5Bは、
図5Aのコア機器簡易外形C2をZ軸方向(高さ方向)から見た図である。また、説明を簡易にするため、
図5Bにおいては、X軸方向(縦方向)及びY軸方向(横方向)の2次元の座標値で表している。
【0105】
部材認識部111は、コア機器簡易外形C2の各頂点を認識し、認識した各頂点からみて外側となる点を、ガイド位置の一頂点として認識する。
【0106】
例えば、
図5Bに示されるように、X軸の値X1及びY軸の値Y1の夫々が簡易外形C2に含まれる各頂点の座標値の中で最大値である頂点V1の場合、部材認識部111は、頂点V1の座標値(x1、y1)に所定の値α、β(α≧0、β≧0)を加えた座標値(x1+α、y1+β)を、フレーム部材C3のコア機器簡易外形C2側の頂点V2の座標値として認識する。なお、部材認識部111は、所定の設定ファイルからα、βを読み込む。ユーザは、例えば当該設定ファイルを編集することにより、α、βの値を自由に変更することが出来る。
【0107】
部材認識部111は、頂点V2の座標値(x1+α、y1+β)に、部材の縦方向の大きさx2及び横方向の大きさy2を加えた座標値(x1+x2+α、y1+y2+β)を頂点V2の対角の頂点V3の座標値として認識する。
【0108】
また、X軸の値X1及びY軸の値Y1の夫々が簡易外形C2に含まれる各頂点の座標値の中で最小値である頂点V4の場合、部材認識部111は、頂点V4の座標値(x3、y3)に所定の値α、βを減じた座標値(x3−α、y3−β)を、フレーム部材C4のコア機器簡易外形C2側の頂点V5の座標値として認識する。
【0109】
部材認識部111は、頂点V5の座標値(x3−α、y3−β)に、部材の縦方向の大きさx2及び横方向の大きさy2を減じた座標値(x3−x2−α、y3−y2−β)を頂点V2の対角の頂点V6の座標値として認識する。
【0110】
図5Cは、
図5Aのコア機器簡易外形C2をY軸方向から見た図である。また、説明を簡易にするため、
図5Cにおいては、座標値をZ軸の1次元で表している。
【0111】
また、部材認識部111は、コア機器簡易外形C2の各頂点に基づいて、ガイド位置のZ軸の範囲を認識する。より具体的には、部材認識部111は、Z軸の値Z1がコア機器簡易外形C2に含まれる各頂点のZ軸座標値の中で最大値となる頂点V7の場合、フレーム部材C3のガイド位置の一端のZ軸座標値をz1+γ/2として認識する(γ≧0)。また、部材認識部111は、Z軸の値z2がコア機器簡易外形C2に含まれる各頂点のZ軸座標値の中で最小値となる頂点V8の場合、ガイド位置の一端のZ軸座標値をz2−γ/2として認識する。
【0112】
この場合、部材のZ軸方向の長さは、コア機器簡易外形C2のZ軸方向の長さz3(z1−z2)よりも、γだけ長くなる。なお、部材認識部111は、所定の設定ファイルからγを読み込む。ユーザは、例えば当該設定ファイルを編集することにより、γの値を自由に変更することが出来る。
【0113】
上記のようにして、部材認識部111は、部材のX軸、Y軸及びZ軸の各座標値の存在範囲をガイド位置として認識する。
【0114】
なお、部材認識部111は、
図3AのSTEP130及びSTE131の処理に代えて、干渉判定部113によりコア機器C1と干渉が生じない部材の配置位置を特定することにより、部材のガイド位置を認識してもよい。
【0115】
なお、
図3AのSTEP130及びSTE131は、コア機器を囲むための部材の位置をガイド位置として認識する処理であるが、これらの処理に代えて、部材認識部111は、
図5Dに示されるように、コア機器C5に吸着させて部材C6を配置するための部材の位置をガイド位置として認識する処理を実行してもよい。
図5Dは、コア機器C5の上面に吸着したフレーム部材C6の配置開始位置を示している。この位置は、例えば、コア機器C5の上面の一頂点の座標値とフレーム部材の大きさとに基づいて決定される。
【0116】
図3AのSTEP132において、部材認識部111は、認識したガイド位置に基づいて、ガイド位置に配置された部材を含む画面をユーザ端末ディスプレイ13に表示する。
【0117】
図3BのSTEP133において、物体認識部112は、ユーザ端末入力部12に対するユーザU1の入力に応じて、個別の部材の種別、大きさ、位置及び姿勢を認識する。
【0118】
図3BのSTEP134において、部材認識部111は、部材の種別、大きさ、位置及び姿勢に基づいて、部品データ154を参照し、
図4Dに示されるように、当該部材の部材配置画像P42をユーザ端末ディスプレイ13に表示する。
【0119】
部材配置画面P4は、集合物、コア機器及び簡易形状の各画像P15、P25及びP35並びにユーザの入力に応じて認識された部材の画像P42を含む3次元座標系画像P41を含む。
【0120】
ユーザは、当該3次元座標系画像P41上の右クリック等の第1操作により部材の種別を選択し、当該3次元座標系画像P41の所定の位置の左クリック等の第2操作により、部材を配置する両端の位置を選択できる。また、ユーザは、ガイド位置に配置された部材をダブルクリック等の第3操作により、当該部材の当該ガイド位置への配置を確定できる。
【0121】
部材認識部111は、ユーザ端末入力部12で検知された、この3次元座標系画像P41上の第1操作及び第2操作に基づいて、部材の種別、大きさ、位置及び姿勢を認識する。
【0122】
STEP134の後、
図3AのSTEP121以下の処理が再度実行される。
【0123】
図3AのSTEP122において、操作認識部110の判定結果が「干渉チェック処理」である場合、
図3AのSTEP135において、干渉判定部113は、ユーザ端末入力部12に対するユーザU1の入力に応じて、構造物を構成する各部材(集合物を構成する部材を含む。)と、コア機器(簡易形状を含む)の干渉を判定する。
【0124】
より詳しくは、干渉判定部113は、構造物を構成する各部材(集合物を構成する部材を含む。)の位置及び姿勢に基づいて確定される部材の存在領域と、コア機器の位置及び姿勢(簡易形状の場合は、簡易形状の形状、位置及び姿勢)に基づいて確定されるコア機器の存在領域とを対比し、当該存在領域が重複する干渉状態か否かを判定する。
【0125】
図3AのSTEP135の干渉判定部113による判定結果が「干渉状態」である場合、
図3BのSTEP136において、警告部114は、
図6Aに示される干渉警告画面P5をユーザ端末ディスプレイ13に表示する。
【0126】
干渉警告画面P5には、3次元座標系画像P41上に表示される、構造物を構成する各部材(集合物に含まれる部材を含む。)の画像P51と、コア機器(簡易形状を含む。)の画像P52と、干渉している旨の表示P53と、異なる色で表示されている干渉している部材の画像P54とが含まれている。この時、コア機器の干渉部分は、通常のコア機器の色で表示される。換言すれば、たとえ干渉していても、コア機器の色は変更されない。
【0127】
図3AのSTEP135の干渉判定部113による判定結果が「非干渉状態」である場合、
図3BのSTEP137において、警告部114は、
図6Bに示される非干渉報告画面P6をユーザ端末ディスプレイ13に表示する。
【0128】
非干渉報告画面P6には、3次元座標系画像P41上に表示される、各部材(集合物に含まれる部材を含む。)の画像P61と、コア機器(簡易形状を含む。)の画像P62と、干渉していない旨の表示P63とが含まれている。
【0129】
STEP136又はSTEP137の後、
図3AのSTEP121以下の処理が再度実行される。
【0130】
なお、ユーザによる干渉チェック処理の指定がなくとも、STEP123、STEP125、STEP127又はSTEP133の処理の後に、STEP135〜STEP137の処理が実行されてもよいし、STEP124、STEP126、STEP128又はSTEP134の処理の後に、STEP135〜STEP137の処理が実行されてもよい。
【0131】
図3AのSTEP122において、操作認識部110の判定結果が「終了処理」である場合、
図3AのSTEP138において、発注部115は、各部材(集合物に含まれる部材を含む)の種別、大きさ、位置及び姿勢に基づいて、構造物データ155及び発注データ156を生成し、設計支援処理を終了する。
【0132】
図3B/STEP123及び
図3B/STEP133のぞれぞれが、本発明の設計支援方法における「部材認識ステップ」に相当し、
図3B/STEP125及び
図3B/STEP127のぞれぞれが、本発明の「物体認識ステップ」に相当し、
図3B/STEP135が、本発明の「干渉判定ステップ」に相当し、
図3B/STEP136が、本発明の「警告出力ステップ」に相当する。
【0133】
なお、ユーザ端末演算処理装置11が、
図3B/STEP123又は
図3B/STEP133を実行することにより本発明の設計支援プログラムにおける「部材認識手段」として機能し、
図3B/STEP125又は
図3B/STEP127を実行することにより本発明の「物体認識手段」として機能し、
図3A/STEP135を実行することにより本発明の「干渉判定手段」として機能し、
図3B/STEP136を実行することにより本発明の「警告出力手段」として機能する。
【0134】
(本実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、部材認識部111により、ユーザU1の入力に応じて、各部材(集合物に含まれる部材を含む。)の種別、大きさ、位置及び姿勢が認識される(
図3BのSTEP123又はSTEP133)とともに、物体認識部112により、ユーザU1の入力に応じて、コア機器(簡易形状を含む)の形状(CADデータに示される形状を含む。)、大きさ(CADデータに示される大きさを含む。)、位置及び姿勢が認識される(
図3BのSTEP125又はSTEP127)。
【0135】
そして、干渉判定部113により、各部材の大きさ、位置及び姿勢により画定される各部材の存在領域と、コア機器の位置及び姿勢により画定されるコア機器の存在領域とが対比され、当該存在領域が重なり合う干渉状態か否かが判定される(
図3AのSTEP135)。
【0136】
そして、干渉判定部113により部材とコア機器とが干渉していると判定された場合(
図3AのSTEP135で「干渉状態」)、警告部114は、部材とコア機器とが干渉している旨の画像P53とともに、コア機器と干渉している部材の色を変えた画像P54をユーザ端末ディスプレイ13に表示する(
図3BのSTEP136)。
【0137】
これにより、構造物A1の設計者であるユーザU1は、設計中に、コア機器と部材とが干渉するか否かを容易に認識でき、さらに干渉している部材を容易に把握できるので、構造物A1の設計にかかる構造物A1の設計者(ユーザU1)の負担が軽減される。
【0138】
特に、構造物A1に収容されるコア機器の形状、大きさ、位置及び姿勢は、構造物A1の設計時に大きく影響を及ぼすところ、物体認識部112によりこれらのコア機器の形状、大きさ、位置及び姿勢が認識され、干渉判定部113により、これらのコア機器と各部材との干渉の有無が判定されることにより、構造物A1の設計者(ユーザU1)がコア機器の形状、大きさ、位置及び姿勢を過剰に気にする必要がなくなる。
【0139】
これにより、構造物A1の設計時における、構造物A1の設計者(ユーザU1)の負担が軽減される。
【0140】
また、「コア機器CADデータ読込処理」によって、コア機器のCADデータが読み込まれることにより(
図3BのSTEP126)、コア機器の詳細な形状及び大きさが物体認識部112により認識される。これにより、構造物A1の設計者はコア機器の形状及び大きさを適切に把握できるので、構造物A1の設計者(ユーザU1)の負担が軽減される。
【0141】
また、コア機器は、設計対象ではないので、コア機器の形状及び大きさはある程度大雑把なものでもよいところ、「簡易形状読込処理」において物体認識部112により、ユーザU1の入力に応じてコア機器として簡易形状の形状及び大きさが認識される(
図3BのSTEP127)。
【0142】
この結果、例えば、コア機器のCADデータをユーザU1が有していない場合又はコア機器の形状が明確には定まっていない場合であっても、コア機器の形状及び大きさが認識されるので、コア機器の形状及び大きさの指定に当たり、構造物A1の設計者(ユーザU1)の負担が軽減される。
【0143】
部材認識部111は、コア機器C1の簡易外形C2を認識し(
図3AのSTEP130)、当該簡易外形C2を囲むような部材C3,C4のガイド位置を認識し(
図3AのSTEP131)、当該ガイド位置に配置された部材の画像をユーザ端末ディスプレイ13に表示している(
図3AのSTEP132)。これにより、ユーザU1は、コア機器C1を収容する構造物の部材の配置箇所を容易に認識できるので、構造物A1の設計者(ユーザU1)の負担が軽減される。
【0144】
(変形態様)
本実施形態では、ユーザ端末10により、本発明の「設計支援システム」が構成されたが、これに限られない。例えば、ユーザ端末10及び販売会社端末20によって本発明「設計支援システム」が構成されてもよい。この場合、販売会社端末演算処理装置21が、通信を介してユーザ端末入力部12に対する入力を認識して所定の演算処理を実行することにより、部材認識部、物体認識部及び干渉判定部として機能し、干渉判定部の判定結果を受信したユーザ端末演算処理装置11が当該判定結果を示す画像をユーザ端末ディスプレイ13に表示させることにより、ユーザ端末演算処理装置11及びユーザ端末ディスプレイ13が本発明の警告出力部として機能する。
【0145】
また、部材認識部111は、テンプレートの読み込みに際し、
図3AのSTEP129〜STEP132と同様の処理を実行することにより、テンプレートに含まれる各部材のガイド位置を認識し、当該ガイド位置に基づいて、テンプレートに含まれる各部材を表示してもよい。
設計支援システム10は、入力部12へのユーザU1の入力に応じて、構造物A1を構成する複数の部材の夫々の3次元座標系上の存在領域である部材存在領域を認識する部材認識部111と、入力部12への前記ユーザU1の入力に応じて、構造物A1とは異なる物体A2の3次元座標系上の存在領域である物体存在領域を認識する物体認識部112と、複数の部材の夫々の部材存在領域と物体存在領域とに基づいて、複数の部材の夫々と物体との干渉の有無を判定する干渉判定部113と、少なくとも一の部材と物体とが干渉していると判定されたことを要件として、干渉している旨を出力する警告出力部114,13とを備える。