特許第6094943号(P6094943)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6094943
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】スイッチ装置および電子楽器
(51)【国際特許分類】
   H01H 21/36 20060101AFI20170306BHJP
   G10H 1/32 20060101ALI20170306BHJP
   G10H 1/34 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   H01H21/36 N
   G10H1/32 Z
   G10H1/34
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-87454(P2013-87454)
(22)【出願日】2013年4月18日
(65)【公開番号】特開2014-212020(P2014-212020A)
(43)【公開日】2014年11月13日
【審査請求日】2016年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(72)【発明者】
【氏名】石崎 浩輔
【審査官】 澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】 実開平2−77723(JP,U)
【文献】 実開平4−111603(JP,U)
【文献】 特開2009−117303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 19/00 − 21/88
G10H 1/00 − 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体内に設けられ、回転軸の回転に応じて電気信号を出力するスイッチ部と、
このスイッチ部の前記回転軸に取り付けられ、一部が前記機器本体の外部に突出した状態で前記回転軸と共に回転する回転操作部材と、
この回転操作部材を所定の回転方向に向けて付勢するための付勢部材と、
切替操作に応じて前記付勢部材に係脱可能に係合して前記付勢部材の付勢力を前記回転操作部材に付与し、かつ前記切替操作に応じて前記付勢部材から離脱して前記回転操作部材に対する前記付勢部材の付勢力を解除する切替部材と、
を備えていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ装置において、前記付勢部材は、前記スイッチ部の前記回転軸に取り付けられる前記回転操作部材の筒軸部に巻き付けられたばね本体と、このばね本体の両端部にそれぞれ設けられた一対のばね足とを有し、これら一対のばね足が予め定められた位置に係脱可能に位置規制された状態で、前記一対のばね足の間に前記切替部材が挿脱可能に配置されることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のスイッチ装置において、前記切替部材は、前記回転操作部材にスライド可能に取り付けられ、そのスライド動作に応じて前記付勢部材に係脱可能に係合することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスイッチ装置において、前記切替部材は、その一部が前記機器本体の外部に突出した状態で、前記回転操作部材の回転操作に応じて前記機器本体に設けられた円弧状のガイド孔に沿って回転移動することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスイッチ装置において、前記切替部材が前記付勢部材に係合した際に前記切替部材を位置規制する第1規制部と、前記切替部材が前記付勢部材から離脱した際に前記切替部材を位置規制する第2規制部とを備えていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のスイッチ装置と、
複数の演奏操作子と、
前記複数の演奏操作子のいずれかの操作に応答して、接続された音源に楽音の発音を指示する発音指示手段と、
前記スイッチ装置から出力される電気信号に応じて、前記音源により発音されている楽音のピッチあるいは付与されたエフェクトを制御するエフェクタと、
を有する電子楽器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鍵盤楽器や弦楽器、管楽器などの楽器、または音楽プレーヤなどの音響機器に用いられるスイッチ装置に関し、更に詳しくは楽音に効果を付与する回転式のスイッチ装置および電子楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子鍵盤楽器に用いられているスイッチ装置においては、特許文献1に記載されているように、ピッチベンド機能とモジュレーション機能とを備えるために、楽器本体にピッチベンド用の第1回転スイッチ部材と、モジュレーション用の第2回転スイッチ部材とを並列に設けた構成のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平02−77723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような電子鍵盤楽器のスイッチ装置では、ピッチベンド機能とモジュレーション機能とを備えるために、楽器本体にピッチベンド用の第1回転スイッチ部材と、モジュレーション用の第2回転スイッチ部材とを、それぞれ個別に設けているので、設置スペースが大きくなり、楽器全体が大型化するばかりか、部品点数が多くなり、コスト高になるなどの問題がある。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、1つの構成部材で2つの機能をそのいずれかに簡単に切り替えることができるスイッチ装置および電子楽器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、機器本体内に設けられ、回転軸の回転に応じて電気信号を出力するスイッチ部と、このスイッチ部の前記回転軸に取り付けられ、一部が前記機器本体の外部に突出した状態で前記回転軸と共に回転する回転操作部材と、この回転操作部材を所定の回転方向に向けて付勢するための付勢部材と、切替操作に応じて前記付勢部材に係脱可能に係合して前記付勢部材の付勢力を前記回転操作部材に付与し、かつ前記切替操作に応じて前記付勢部材から離脱して前記回転操作部材に対する前記付勢部材の付勢力を解除する切替部材と、を備えていることを特徴とするスイッチ装置である。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、切替操作によって切替部材を付勢部材に係脱可能に係合させた際に、付勢部材の付勢力を回転操作部材に付与させることができるので、2つの機能のうちの1つの機能に切り替えることができ、これにより回転操作部材を1つの機能として操作することができる。また、切替操作によって切替部材を付勢部材から離脱させた際に、回転操作部材に対する付勢部材の付勢力を解除させることができるので、他の機能に切り替えることができ、これにより回転操作部材を他の機能として操作することができる。このため、1つの構成部材でピッチベンド機能やモジュレーション機能などの2つの機能をそのいずれかに簡単に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明を電子鍵盤楽器に適用した一実施形態において、その要部を示した斜視図である。
図2図1に示された電子鍵盤楽器の要部を示した拡大側面図である。
図3図1に示された電子鍵盤楽器のA−A矢視における要部を示した拡大断面図である。
図4図1に示された電子鍵盤楽器のB−B矢視において、スイッチ装置の切替部材を押し込んでピッチベンド機能に切り替えた状態を示した要部の拡大断面図である。
図5図4に示された電子鍵盤楽器のスイッチ装置において、切替部材を引き出してモジュレーション機能に切り替えた状態を示した要部の拡大断面図である。
図6図4に示された状態におけるスイッチ装置の切替部材を示した拡大平面図である。
図7図6に示された切替部材の位置を規制する第1、第2の各規制部を示し、(a)は切替部材によってピッチベンド機能に切り替えた際に切替部材を位置規制する第1規制部を示した要部の拡大断面図、(b)は切替部材によってモジュレーション機能に切り替えた際に切替部材を位置規制する第2規制部を示した要部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1図7を参照して、この発明を電子鍵盤楽器に適用した一実施形態について説明する。
この電子鍵盤楽器は、図1および図2に示すように、楽器本体1を備えている。この楽器本体1は、上部ケース2と下部ケース3とを有し、これらの内部に演奏操作子としての鍵盤部4が設けられた構成になっている。この場合、鍵盤部4は、白鍵および黒鍵からなる複数の鍵4aを有し、これら複数の鍵4aが楽器本体1の上側に露呈した状態で、複数の鍵4aを押鍵操作すると、この押鍵操作に応答して楽器本体1に内蔵もしくは接続された音源(図示せず)に楽音の発音を指示するように構成されている。
【0010】
また、この鍵盤部4の両側に位置する楽器本体1の両側部のうち、一方の側部(例えば図1では左側に位置する側部)には、図1および図2に示すように、回転式のスイッチ装置5が設けられている。この回転式のスイッチ装置5は、楽音に効果を付与するためのものであり、2つの機能であるピッチベンド機能とモジュレーション機能とをそのいずれかに切り替えられるように構成されている。
【0011】
このために電子鍵盤楽器は、楽器本体1に内蔵もしくは接続されたエフェクタ(図示せず)を有する。そして、このエフェクタは、回転式のスイッチ装置5の操作により、音源にて発音された楽音のピッチあるいは付与されているエフェクトが制御される。
【0012】
すなわち、このスイッチ装置5は、図1図5に示すように、楽器本体1内に取り付けられたスイッチ部6と、このスイッチ部6を回転させる回転操作部材7と、この回転操作部材7を予め定められた回転位置に向けて付勢するためのばね部材8と、このばね部材8に係脱可能に係合してピッチベンド機能とモジュレーション機能とをそのいずれかに切り替えるための切替部材9とを備えている。
【0013】
スイッチ部6は、図3図5に示すように、スイッチ本体10と、このスイッチ本体10に回転自在に取り付けられた回転軸11とを備え、この回転軸11の回転に応じてスイッチ本体10が電気信号を出力するように構成されている。このスイッチ本体10には、接続ケーブル10aが接続されており、このスイッチ本体10の中心部には、回転軸11が挿入する取付筒部10bが設けられている。
【0014】
また、このスイッチ本体10は、図3図5に示すように、楽器本体1内に設けられた取付部材12に取り付けられるように構成されている。この場合、取付部材12は、ほぼT字形状に形成された金属板からなり、楽器本体1内の上部下面に取り付けられている。この取付部材12のほぼT字形状の下端部には、ばね当接部12aがスイッチ部6の回転軸11の下方に位置した状態で回転軸11に沿って設けられている。
【0015】
また、この取付部材12のほぼT字形状の中心部には、図3図5に示すように、取付孔12bが設けられている。これにより、スイッチ本体10は、その取付筒部10bが取付部材12の取付孔12bに挿入された状態で、取付筒部10bにナット12cが取り付けられ、このナット12cを締め付けてスイッチ本体10との間に取付部材12を挟み付けることにより、取付部材12に取り付けられるように構成されている。
【0016】
また、スイッチ部6の回転軸11は、図3図5に示すように、その一端部がスイッチ本体10の取付筒部10bを通してスイッチ本体10内に回転可能に取り付けられ、他端部が取付筒部10bから突出した構成になっている。この場合、回転軸11が取付筒部11bから突出した先端部側の外周面には、キー突起11aが軸方向に沿って設けられている。このキー突起11aは、回転軸11の径方向におけるキー突起11aの両側に位置する回転軸11の外周面を軸方向に沿って切り欠くことにより、回転軸11の外周よりも突出すことなく形成されている。
【0017】
一方、スイッチ部6の回転軸11に取り付けられる回転操作部材7は、図3図5に示すように、ほぼ半円形状の操作本体部13と、この操作本体部13の回転中心から下側に延びる延出部14と、操作本体部13の回転中心に設けられた筒軸部15とを備えている。操作本体部13は、その外周部に沿って操作鍔部13aが設けられており、この操作鍔部13aの外周面の中間部には、半円形の凹部13bが設けられている。これにより、操作本体部13は、その外周部の一部が常に楽器本体1の開口部2aから上方に突出して露出するように構成されている。
【0018】
また、この回転操作部材7の筒軸部15は、図3図5に示すように、操作本体部13からスイッチ部6側に向けて突出して設けられている。この筒軸部15には、回転軸11が挿入する軸挿入孔15aが操作本体部13に亘って軸方向に貫通して設けられている。この軸挿入孔15a内には、回転軸11のキー突起11aが係合するキー溝部15bが軸方向に沿って設けられている。
【0019】
これにより、回転操作部材7は、図3図5に示すように、筒軸部15の軸挿入孔15a内にスイッチ部6の回転軸11が挿入して、回転軸11のキー突起11aが軸挿入孔15a内のキー溝部15bに係合することにより、スイッチ部6の回転軸11に取り付けられ、この状態で操作本体部13の回転に伴って筒軸部15と共に回転軸11が一体的に回転するように構成されている。
【0020】
また、ばね部材8は、図3図5に示すように、ねじりコイルばねであり、回転操作部材7の筒軸部15の外周に巻き付けられたコイル状のばね本体16と、このばね本体16の両端部にそれぞれ設けられた一対のばね足17a、17bとを有し、これら一対のばね足17a、17bが予め定められた位置に係脱可能に位置規制された状態で、一対のばね足17a、17b間に切替部材9が係脱可能に係合するように構成されている。
【0021】
この場合、一対のばね足17a、17bのうち、一方のばね足17aは、図3図6に示すように、操作本体部13側に位置するばね本体16の端部(図3では右端部)から下側に向けて延び、その下端部が取付部材12のばね当接部12aにおける一方の側部(図6では下辺側に位置する側部)に接離可能に当接するように構成されている。
【0022】
また、他方のばね足17bは、図3図6に示すように、操作本体部13から離れてスイッチ本体10側に位置するばね本体16の端部(図3では左端部)から下側に向けて延び、その下端部が取付部材12のばね当接部12aにおける他方の側部(図6では上辺側に位置する側部)に接離可能に当接するように構成されている。
【0023】
これにより、一対のばね足17a、17bは、図3および図6に示すように、ばね本体16の径方向の長さ、つまり回転操作部材7の筒軸部15における外径の長さだけ離れていると共に、図4に示すように、回転操作部材7の筒軸部15の軸方向におけるばね本体16の長さだけ離れている。
【0024】
すなわち、一対のばね足17a、17bは、図6に示すように、これらの間に取付部材12のばね当接部12aが配置され、このばね当接部12aを挟んで対角線上に位置すると共に、一対のばね足17a、17b間に切替部材9の後述するばね操作部19が挿脱可能に挿入するように構成されている。このため、一対のばね足17a、17bは、取付部材12のばね当接部12aの両側にそれぞれ接離可能に当接することにより、予め定められた位置に位置規制されるように構成されている。
【0025】
一方、切替部材9は、図3図6に示すように、切替操作に応じてばね部材8に係脱可能に係合してばね部材8のばね力を回転操作部材7に付与し、かつ切替操作に応じてばね部材8から離脱して回転操作部材7に対するばね部材8のばね力を解除するように構成されている。すなわち、この切替部材9は、操作レバー部18とばね操作部19とを備えている。
【0026】
操作レバー部18は、図2図6に示すように、丸棒状に形成されている。この操作レバー部18は、その一端部が楽器本体1の側面部に設けられた半円弧状のガイド孔20から楽器本体1の外部に出没可能に突出するように構成されている。この楽器本体1の外部に突出した操作レバー部18の端部には、操作頭部18aが設けられている。
【0027】
この場合、楽器本体1のガイド孔20は、図2図4に示すように、スイッチ部6の回転軸11を中心とする半円弧状に形成されている。これにより、操作レバー部18は、回転操作部材7の回転操作に応じて楽器本体1のガイド孔20内を移動すると共に、切替操作に応じて楽器本体1の出没方向に向けてスライドするにように構成されている。
【0028】
ばね操作部19は、図3図6に示すように、ほぼ平板状に形成され、操作レバー部18の内端部に一体に設けられている。このばね操作部19は、回転操作部材7の延出部14の下部に設けられた矩形状のスライド孔14a内にスライド可能に挿入されると共に、ばね部材8の一対のばね足17a、17b間に挿脱可能に配置されるように構成されている。
【0029】
これにより、切替部材9は、図4に示すように、操作レバー部18の操作頭部18aを楽器本体1内に向けて押し込むと、これに伴ってばね操作部19が回転操作部材7の延出部14の下部に設けられたスライド孔14a内をスライドして、ばね部材8の一対のばね足17a、17b間に挿入し、ばね部材8のばね力を回転操作部材7に付与するように構成されている。これにより、切替部材9は、スイッチ装置5をピッチベンド機能に切り替えるように構成されている。
【0030】
すなわち、この切替部材9は、図3および図4に示すように、ピッチベンド機能に切り替わった際に、ばね部材8の一対のばね足17a、17bが取付部材12のばね当接部12aの両側部に当接した状態で、回転操作部材7が図3において反時計回りに回転すると、ばね操作部19がばね部材8のばね力に抗して一方のばね足17aを反時計回り方向に押し広げるように回転移動させるように構成されている。
【0031】
この場合、切替部材9は、図3および図4に示すように、ばね操作部19がばね部材8のばね力に抗して一方のばね足17aを反時計回り方向に押し広げるように回転移動させる際に、ばね操作部19が回転操作部材7と共に回転移動し、かつ操作レバー部18が楽器本体1の半円弧状のガイド孔20に沿って移動するように構成されている。また、この切替部材9は、回転操作部材7をばね部材8のばね力によって元の回転位置に戻すように構成されている。
【0032】
また、この切替部材9は、図3および図5に示すように、ばね部材8の一対のばね足17a、17bが取付部材12のばね当接部12aの両側部に当接した状態で、上述した場合とは逆に、回転操作部材7が図3において時計回りに回転すると、ばね操作部19がばね部材8のばね力に抗して他方のばね足17bを時計回り方向に押し広げて回転移動させるように構成されている。
【0033】
この場合にも、切替部材9は、図3および図5に示すように、ばね操作部19がばね部材8のばね力に抗して他方のばね足17bを時計回り方向に押し広げて回転移動させる際に、ばね操作部19が回転操作部材7と共に回転移動し、かつ操作レバー部18が楽器本体1の半円弧状のガイド孔20に沿って移動するように構成されている。また、この切替部材9は、回転操作部材7をばね部材8のばね力によって元の回転位置に戻すように構成されている。
【0034】
また、この切替部材9は、図5に示すように、操作レバー部18の操作頭部18aを楽器本体1の外部に向けて引き出すと、これに伴ってばね操作部19が回転操作部材7の延出部14の下部に設けられたスライド孔14a内をスライドして、ばね部材8の一対のばね足17a、17b間から離脱し、回転操作部材7に対するばね部材8のばね力を解除するように構成されている。これにより、切替部材9は、スイッチ装置5をモジュレーション機能に切り替えるように構成されている。
【0035】
すなわち、この切替部材9は、図3および図5に示すように、モジュレーション機能に切り替わった際に、ばね部材8の一対のばね足17a、17bが取付部材12のばね当接部12aの両側部に当接した状態で、回転操作部材7が図3において反時計回り方向または時計回り方向のいずれかの方向に回転すると、ばね部材8のばね本体16が回転操作部材7の筒軸部15の外周面に沿って空転するように構成されている。
【0036】
この場合、切替部材9は、図3および図5に示すように、ばね部材8の一対のばね足17a、17bが取付部材12のばね当接部12aの両側部に当接した状態で、ばね部材8のばね本体16が回転操作部材7の筒軸部15の外周面に沿って空転する際に、ばね操作部19が回転操作部材7と共に回転移動し、かつ操作レバー部18が楽器本体1の半円弧状のガイド孔20に沿って移動するように構成されている。
【0037】
さらに、この切替部材は、図6および図7に示すように、そのばね操作部19がばね部材8の一対のばね足17a、17b間に配置されて、ばね操作部19がばね部材8に係合した際に、第1規制部21によって位置規制され、またばね操作部19がばね部材8の一対のばね足17a、17b間から離脱して、ばね操作部19によるばね部材8の係合が解除された際に、第2規制部22によって位置規制されるように構成されている。
【0038】
この場合、第1規制部21は、図4図6および図7に示すように、ばね操作部19の上面における楽器本体1側(図6では左側)に位置する個所に設けられた第1突起部21aを有し、この第1突起部21aが回転操作部材7の延出部14のスライド孔14a内に設けられた係止突起部23を乗り越えた際に、第1突起部21aが係止突起部23に係止されるように構成されている。
【0039】
すなわち、この第1規制部21は、図4および図7(a)に示すように、その第1突起部21aが回転操作部材7の延出部14のスライド孔14a内に設けられた係止突起部23を乗り越えた際に、操作レバー部18の操作頭部18aが楽器本体1の外面に当接するように構成されている。これにより、第1規制部21は、ばね操作部19をばね部材8の一対のばね足17a、17b間に配置させて、ばね操作部19をばね部材8に係合させた状態で、切替部材9を位置規制するように構成されている。
【0040】
また、第2規制部22は、図5図7に示すように、ばね操作部19の上面におけるスイッチ部6側(図6では右側)に位置する個所に設けられた第2突起部22aを有し、この第2突起部22aが回転操作部材7のスライド孔14a内に設けられた係止突起部23を乗り越えた際に、第2突起部22aが係止突起部23に係止されるように構成されている。
【0041】
すなわち、この第2規制部21は、図5および図7(b)に示すように、その第2突起部22aが回転操作部材7のスライド孔14a内に設けられた係止突起部23を乗り越えた際に、ばね操作部19の上面におけるスイッチ部6側に位置する端部に設けられた規制突起部24が回転操作部材7のスライド孔14a内に設けられた係止凹部25に係合するように構成されている。
【0042】
これにより、この第2規制部21は、図5および図7(b)に示すように、ばね操作部19をばね部材8の一対のばね足17a、17b間から離脱させて、ばね操作部19によるばね部材8の係合を解除させた状態で、切替部材9を位置規制するように構成されている。
【0043】
次に、このような電子鍵盤楽器のスイッチ装置5の作用について説明する。
このスイッチ装置5をピッチベンド機能に切り替えて使用する場合には、図4に示すように、まず、切替部材9を楽器本体1内に向けて押し込む。このときには、切替部材9の操作レバー部18の操作頭部18aを楽器本体1内に向けて押し込むと、切替部材9のばね操作部19が、回転操作部材7の延出部14に設けられたスライド孔14a内をスライドして、ばね部材8の一対のばね足17a、17b間に挿入される。
【0044】
すると、第1規制部21によって切替部材9が位置規制されている。このときには、第1規制部21の第1突起部21aが回転操作部材7の延出部14のスライド孔14a内に設けられた係止突起部23を乗り越える際に、操作レバー部18の操作頭部18aが楽器本体1の外面に当接する。
【0045】
このように、操作レバー部18の操作頭部18aが楽器本体1の外面に当接すると、第1規制部21の第1突起部21aが引き戻されるようにして、回転操作部材7の延出部14のスライド孔14a内に設けられた係止突起部23に押し当てられる。このため、切替部材9は、そのばね操作部19がばね部材8の一対のばね足17a、17b間に配置された状態で、位置規制される。
【0046】
これにより、スイッチ装置5がピッチベンド機能に切り替わる。この状態で、楽器本体1の上面に設けられた開口部2aから楽器本体1の上側に突出して露出した回転操作部材7の操作本体部13の一部を回転操作すると、この操作本体部13の回転に伴ってスイッチ部6の回転軸11が回転し、この回転軸11に回転に応じてスイッチ本体10が電気信号を出力する。
【0047】
このときには、ばね部材8の一対のばね足17a、17bが取付部材12のばね当接部12aの両側部に当接していることにより、この状態で回転操作部材7の操作本体部13を図3において反時計回りに回転させると、回転操作部材7の回転に伴って切替部材9が回転移動する。
【0048】
すると、切替部材9のばね操作部19がばね部材8のばね力に抗して一方のばね足17aを反時計回り方向に押し広げるように回転移動させる。このときには、ばね操作部19が回転操作部材7と共に回転移動し、かつ操作レバー部18が楽器本体1の半円弧状のガイド孔20に沿って反時計回り方向に移動する。そして、回転操作部材7の回転操作が解除されると、回転操作部材7がばね部材8のばね力によって元の回転位置に戻る。
【0049】
また、回転操作部材7の操作本体部13を上述した場合と逆方向、つまり図3において時計回りに回転させると、回転操作部材7の回転に伴って切替部材9が回転移動し、この切替部材9のばね操作部19がばね部材8のばね力に抗して他方のばね足17bを時計回り方向に押し広げるように回転移動させる。
【0050】
このときにも、ばね部材8の一対のばね足17a、17bが取付部材12のばね当接部12aの両側部に当接していることにより、この状態でばね操作部19が回転操作部材7と共に回転移動し、かつ操作レバー部18が楽器本体1の半円弧状のガイド孔20に沿って時計回り方向に移動する。そして、回転操作部材7の回転操作が解除されると、回転操作部材7がばね部材8のばね力によって元の回転位置に戻る。
【0051】
一方、このスイッチ装置5をモジュレーション機能に切り替えて使用する場合には、図5に示すように、まず、切替部材9を楽器本体1の外部に向けて引き出す。このときには、切替部材9の操作レバー部18の操作頭部18aを楽器本体1の外部に向けて引き出すと、切替部材9のばね操作部19が、回転操作部材7の延出部14に設けられたスライド孔14a内をスライドして、ばね部材8の一対のばね足17a、17b間から離脱する。
【0052】
すると、第2規制部22によって切替部材9が位置規制されている。このときには、第2規制部22の第2突起部22aが回転操作部材7のスライド孔14a内に設けられた係止突起部23を乗り越えた際に、ばね操作部19の規制突起部24が、回転操作部材7のスライド孔14a内に設けられた係止凹部25に係合する。このため、第2突起部22aが係止突起部23を乗り越えた状態で係止突起部23に係止され、切替部材9のばね操作部19がばね部材8から離脱した状態で、切替部材9が位置規制される。
【0053】
これにより、スイッチ装置5がモジュレーション機能に切り替わる。この状態で、楽器本体1の上側に突出して露出した回転操作部材7の操作本体部13の一部を回転操作すると、この操作本体部13の回転に伴ってスイッチ部6の回転軸11が回転し、この回転軸11に回転に応じてスイッチ本体10が電気信号を出力する。このときには、ばね部材8の一対のばね足17a、17bが取付部材12のばね当接部12aの両側部に当接している。
【0054】
このため、回転操作部材7の操作本体部13を、図3において反時計回り方向または時計回り方向のいずれかの方向に回転させると、ばね部材8のばね本体16が回転操作部材7の筒軸部15の外周面に沿って空転する。これにより、回転操作部材7はばね部材8のばね力の影響を受けずに回転する。このときにも、ばね操作部19が回転操作部材7と共に回転移動すると共に操作レバー部18が楽器本体1の半円弧状のガイド孔20に沿って移動する。
【0055】
このように、この電子鍵盤楽器のスイッチ装置5によれば、回転軸11の回転に応じて電気信号を出力するスイッチ部6と、このスイッチ部6の回転軸11に取り付けられて回転軸11と共に回転する回転操作部材7と、この回転操作部材7を予め定められた回転位置に向けて付勢するためのばね部材8と、切替操作に応じてばね部材8に係脱可能に係合してばね部材8のばね力を回転操作部材7に付与し、かつ切替操作に応じてばね部材8から離脱して回転操作部材7に対するばね部材8のばね勢力を解除する切替部材9と、を備えているので、1つの構成部材で2つの機能であるピッチベンド機能とモジュレーション機能とをそのいずれかに簡単に切り替えることができる。
【0056】
すなわち、このスイッチ装置5では、切替操作によって切替部材9をばね部材8に係脱可能に係合させると、ばね部材8のばね力を回転操作部材7に付与させることができるので、ピッチベンド機能とモジュレーション機能との2つの機能のうち、1つの機能であるピッチベンド機能に確実に切り替えることができ、これにより回転操作部材7をピッチベンド機能として操作することができる。
【0057】
また、このスイッチ装置5では、切替操作によって切替部材9をばね部材8から離脱させると、回転操作部材7に対するばね部材8のばね力を解除させることができるので、ピッチベンド機能とモジュレーション機能との2つの機能のうち、他の機能であるモジュレーション機能に確実に切り替えることができ、これにより回転操作部材7をモジュレーション機能として操作することができる。
【0058】
このため、このスイッチ装置5では、切替部材9を切替操作するだけで、1つの構成部材で2つの機能であるピッチベンド機能とモジュレーション機能とをそのいずれかに簡単にかつ確実に切り替えることができ、これにより2つの機能ごとに個別にスイッチ装置5を設ける必要がないので、装置全体の小型化、部品点数の削減、および低コスト化を図ることができる。
【0059】
この場合、スイッチ装置5は、楽器本体1内に設けられた取付部材12にスイッチ部6が取り付けられ、このスイッチ部6の回転軸11に取り付けられた回転操作部材7の一部が楽器本体1に設けられた開口部2aから楽器本体1の外部に突出して露出しているので、スイッチ部6が楽器本体1内に組み込まれていても、楽器本体1の外部に露出した回転操作部材7の一部を操作して、回転操作部材7を良好に回転操作することができる。
【0060】
また、このスイッチ装置5では、ばね部材8が、スイッチ部6の回転軸11に取り付けられる回転操作部材7の筒軸部15に巻き付けられたばね本体16と、このばね本体16の両端部にそれぞれ設けられた一対のばね足17a、17bとを有し、これら一対のばね足17a、17bが予め定められた位置に係脱可能に位置規制された状態で、一対のばね足17a、17b間に切替部材9が挿脱可能に配置されるので、切替部材9によってピッチベンド機能とモジュレーション機能とをそのいずれかに簡単に切り替えることができる。
【0061】
すなわち、このスイッチ装置5では、ばね部材8の一対のばね足17a、17b間に切替部材9を挿脱可能に配置することにより、切替部材9をばね部材8に係脱可能に係合させることができ、これによりばね部材8のばね力を回転操作部材7に付与させることができるので、回転操作部材7をピッチベンド機能として操作することができる。また、ばね部材8の一対のばね足17a、17b間から切替部材9を離脱させることにより、回転操作部材7に対するばね部材8のばね力を解除させることができるので、回転操作部材7をモジュレーション機能として操作することができる。
【0062】
この場合、ばね部材8は、楽器本体1に取り付けられた取付部材12のばね当接部12aが一対のばね足17a、17b間に配置されて、この一対のばね足17a、17bが取付部材12のばね当接部12aの両側部に接離可能に当接していることにより、一対のばね足17a、17bを予め定められた位置に確実にかつ良好に位置規制することができると共に、ばね本体16を回転操作部材7の筒軸部15の外周面に沿って空転させることができる。
【0063】
また、このスイッチ装置5では、切替部材9が、回転操作部材7にスライド可能に取り付けられ、そのスライド動作に応じてばね部材8に係脱可能に係合することにより、切替部材9をスライドさせるだけの簡単な操作で、ピッチベンド機能とモジュレーション機能とをそのいずれかに容易にかつ良好に切り替えることができる。
【0064】
この場合、切替部材9は、操作レバー部18とばね操作部19とを備え、操作レバー部18の一端部が楽器本体1のガイド孔20から楽器本体1の外部に出没可能に突出し、ばね操作部19が回転操作部材7のスライド孔14a内にスライド可能に挿入されると共に、ばね部材8の一対のばね足17a、17b間に挿脱可能に配置される構成であるから、切替部材9を容易にかつ良好にスライドさせることができ、これによりピッチベンド機能とモジュレーション機能とをそのいずれかに簡単に切り替えることができる。
【0065】
すなわち、このスイッチ装置5では、切替部材9を押し込むと、ばね操作部19が回転操作部材7のスライド孔14a内にスライドして、ばね操作部19をばね部材8の一対のばね足17a、17b間に確実に挿入させて配置することができる。また、切替部材9を引き出すと、ばね操作部19が回転操作部材7のスライド孔14a内にスライドして、ばね操作部19をばね部材8の一対のばね足17a、17b間から確実に引き出して離脱させることができる。これにより、切替部材9をスライドさせるだけで、ピッチベンド機能とモジュレーション機能とをそのいずれかに簡単に切り替えることができる。
【0066】
また、このスイッチ装置5では、切替部材9の一部が楽器本体1の外部に突出した状態で、回転操作部材7の回転操作に応じて楽器本体1に設けられた円弧状のガイド孔20に沿って移動するので、切替部材9によってピッチベンド機能とモジュレーション機能とをそのいずれかに切り替えた状態で、切替部材9が回転操作部材7の回転操作に応じて回転移動しても、切替部材9が楽器本体1に妨げられることなく、切替部材9を円滑にかつ良好に回転移動させることができる。
【0067】
すなわち、この切替部材9は、楽器本体1のガイド孔20がスイッチ部6の回転軸11を中心とする半円弧状に形成され、このガイド孔20内を切替部材9の操作レバー部18が移動すると共に、楽器本体1にその出没方向に向けてスライドするので、切替部材9をスライドさせてピッチベンド機能とモジュレーション機能とをそのいずれかに切り替えた状態で、回転操作部材7を回転操作すると、切替部材9がスイッチ部6の回転軸11を中心に回転移動する際に、切替部材9を円弧状のガイド孔20に沿って円滑にかつ良好に回転移動させることができる。
【0068】
さらに、このスイッチ装置5によれば、切替部材9がばね部材8に係合した際に切替部材9を位置規制する第1規制部21と、切替部材9がばね部材8から離脱した際に切替部材9を位置規制する第2規制部22とを備えているので、ピッチベンド機能とモジュレーション機能とをそのいずれかに切り替えた状態において、切替部材9が不用意にスライドしてピッチベンド機能とモジュレーション機能とがそのいずれかに勝手に切り替わらないように、切替部材9を確実に位置規制することができる。
【0069】
すなわち、第1規制部21は、ばね操作部19における楽器本体1側に位置する個所に設けられた第1突起部21aを有し、この第1突起部21aが回転操作部材7の延出部14のスライド孔14a内に設けられた係止突起部23を乗り越えた際に、第1突起部21aが係止突起部23に係脱可能に係止されると共に、操作レバー部18の操作頭部18aが楽器本体1の外面に当接することにより、ばね操作部19をばね部材8に係合させてピッチベンド機能に切り替えた状態で、切替部材9を確実にかつ良好に位置規制することができる。
【0070】
また、第2規制部22は、ばね操作部19におけるスイッチ部6側に位置する個所に設けられた第2突起部22aを有し、この第2突起部22aが回転操作部材7のスライド孔14a内に設けられた係止突起部23を乗り越えた際に、第2突起部22aが係止突起部23に係止されると共に、ばね操作部19におけるスイッチ部6側に位置する端部に設けられた規制突起部24が回転操作部材7のスライド孔14a内に設けられた係止凹部25に係合することにより、ばね操作部19をばね部材8から離脱させてモジュレーション機能に切り替えた状態で、切替部材9を確実にかつ良好に位置規制することができる。
【0071】
なお、上述した実施形態では、回転操作部材7を予め定められた回転位置に向けて付勢するための付勢部材として、ねじりコイルばねのばね部材8を用いた場合について述べたが、これに限らず、例えば一対の板ばねを用いたばね部材であっても良い。
【0072】
また、上述した実施形態では、スイッチ装置5が切替部材9によってピッチベンド機能とモジュレーション機能とをそのいずれかに切り替わるように構成した場合について述べたが、必ずしも2つの機能はピッチベンド機能とモジュレーション機能とである必要はなく、例えばピッチベンド機能とスクラッチ機能などの他の2つの機能を組み合わせたものであって良い。
【0073】
さらに、上述した実施形態では、電子鍵盤楽器に適用した場合について述べたが、必ずしも電子鍵盤楽器である必要はなく、例えば弦楽器、管楽器などの電子楽器、または音楽プレーヤなどの音響機器などにも広く適用することができる。
【0074】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0075】
(付記)
請求項1に記載の発明は、機器本体内に設けられ、回転軸の回転に応じて電気信号を出力するスイッチ部と、このスイッチ部の前記回転軸に取り付けられ、一部が前記機器本体の外部に突出した状態で前記回転軸と共に回転する回転操作部材と、この回転操作部材を所定の回転方向に向けて付勢するための付勢部材と、切替操作に応じて前記付勢部材に係脱可能に係合して前記付勢部材の付勢力を前記回転操作部材に付与し、かつ前記切替操作に応じて前記付勢部材から離脱して前記回転操作部材に対する前記付勢部材の付勢力を解除する切替部材と、を備えていることを特徴とするスイッチ装置である。
【0076】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスイッチ装置において、前記付勢部材は、前記スイッチ部の前記回転軸に取り付けられる前記回転操作部材の筒軸部に巻き付けられたばね本体と、このばね本体の両端部にそれぞれ設けられた一対のばね足とを有し、これら一対のばね足が予め定められた位置に係脱可能に位置規制された状態で、前記一対のばね足の間に前記切替部材が挿脱可能に配置されることを特徴とするスイッチ装置である。
【0077】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のスイッチ装置において、前記切替部材は、前記回転操作部材にスライド可能に取り付けられ、そのスライド動作に応じて前記付勢部材に係脱可能に係合することを特徴とするスイッチ装置である。
【0078】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスイッチ装置において、前記切替部材は、その一部が前記機器本体の外部に突出した状態で、前記回転操作部材の回転操作に応じて前記機器本体に設けられた円弧状のガイド孔に沿って回転移動することを特徴とするスイッチ装置である。
【0079】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスイッチ装置において、前記切替部材が前記付勢部材に係合した際に前記切替部材を位置規制する第1規制部と、前記切替部材が前記付勢部材から離脱した際に前記切替部材を位置規制する第2規制部とを備えていることを特徴とするスイッチ装置である。
【0080】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のスイッチ装置と、複数の演奏操作子と、前記複数の演奏操作子のいずれかの操作に応答して、接続された音源に楽音の発音を指示する発音指示手段と、前記スイッチ装置から出力される電気信号に応じて、前記音源により発音されている楽音のピッチあるいは付与されたエフェクトを制御するエフェクタと、を有する電子楽器である。
【符号の説明】
【0081】
1 楽器本体
5 スイッチ装置
6 スイッチ部
7 回転操作部材
8 ばね部材
9 切替部材
10 スイッチ本体
11 回転軸
12 取付部材
12a ばね当接部
13 操作本体部
14 延出部
15 筒軸部
16 ばね本体
17a、17b 一対のばね足
18 操作レバー部
19 ばね操作部
20 ガイド孔
21 第1規制部
22 第2規制部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7