特許 6094971 石掃い用反転機

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6094971

(24)【登録日】2017年2月24日

(45)【発行日】2017年3月15日

(54)【発明の名称】石掃い用反転機

(51)【国際特許分類】

   E04D 13/00 20060101AFI20170306BHJP

   E04D 3/35 20060101ALI20170306BHJP

   E04F 13/12 20060101ALI20170306BHJP

   B32B 37/00 20060101ALI20170306BHJP

【ＦＩ】

   E04D13/00 Z

   E04D3/35 C

   E04F13/12 A

   B32B37/00

【請求項の数】4

【全頁数】10

(21)【出願番号】特願2013-187187(P2013-187187)

(22)【出願日】2013年9月10日

(65)【公開番号】特開2015-55040(P2015-55040A)

(43)【公開日】2015年3月23日

【審査請求日】2016年8月25日

【新規性喪失の例外の表示】特許法第３０条第２項適用 平成２５年５月２９日付け鉄鋼新聞 日刊第３面にて公開

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】595111239

【氏名又は名称】株式会社佐渡島

(74)【代理人】

【識別番号】100180149

【弁理士】

【氏名又は名称】庄司 修

(72)【発明者】

【氏名】高木 優

(72)【発明者】

【氏名】溝口 昌則

【審査官】 五十幡 直子

(56)【参考文献】

【文献】 特開昭５２−０１８７２４（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特許第３６０８０８２（ＪＰ，Ｂ２）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｅ０４Ｄ １３／００

Ｅ０４Ｄ ３／３５

Ｂ３２Ｂ ３７／００−３７／３０

Ｅ０４Ｆ １３／００−１３／３０

Ｂ２３Ｐ ２１／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

石粒が接着される鋼板製屋根材の製造過程で、未接着で不要な石粒を掃う石掃い用の反転機であって、
架台の上に設置された水平ピストンが、同架台に設置された水平軸に対して回動自在に取り付けられ、鋼板製屋根材が載置される回転コンベアーが前記水平軸に軸着されていると共に、回転挟持体は、その下端が前記水平軸に軸着され、その上端に上下のエアークランプが取り付けられており、その上下のエアークランプにより鋼板製屋根材の一側面部を挟持しつつ、前記水平ピストンが収縮するに従って、鋼板製屋根材は回転コンベアー及び回転挟持体と共に下方に回転され、当該鋼板製屋根材に未接着の石粒が自重で落下され、水平ピストンが伸長するに従って、前記鋼板製屋根材は回転コンベアー及び回転挟持体と共に上方に回転され、前記鋼板製屋根材は元の水平状態に変位自在に構成されていることを特徴とする石掃い用反転機。

【請求項2】

自然石粒が接着される鋼板製屋根材の製造過程で、未接着で不要な自然石粒を掃う石掃い用反転機であって、
ａ）水平方向に伸縮自在な水平ピストンが架台の上に設置されていると共に、鋼板製屋根材が載置される９０度回転コンベアー及び前記水平ピストンの先端でピン連結された腕部が、架台に設置された水平軸に各々軸着されていること、
ｂ）アングル状の９０度回転挟持体の下端が前記水平軸に軸着され、当該９０度回転挟持体の上端に、上エアークランプと下エアークランプが取り付けられており、その上下のエアークランプは、前記水平ピストンの伸長状態で、前記９０度回転コンベアー上で水平な鋼板製屋根材の一側面部を上下方向から挟持自在であること、
ｃ）前記水平ピストンが収縮するに従って、上下のエアークランプにより一側面部が挟持された前記鋼板製屋根材は９０度回転コンベアー及び９０度回転挟持体と共に下方に回転され、最大９０度回転状態で前記上下のエアークランプに挟持された鋼板製屋根材は垂直状態に変位され、当該鋼板製屋根材に未接着の石粒が自重で落下されること、
ｄ）前記水平ピストンが伸長するに従って、前記鋼板製屋根材は９０度回転コンベアー及び９０度回転挟持体と共に上方に回転され、前記上下のエアークランプに挟持された鋼板製屋根材は元の水平状態に変位され、一側面部の挟持が解除自在に構成されていること、から成ることを特徴とする石掃い用反転機。

【請求項3】

前方センサーと後方センサーが、９０度回転コンベアーの前後における架台に設置されており、９０度回転コンベアーの上に鋼板製屋根材が移送された際に、当該９０度回転コンベアーの作動が一旦停止自在に構成されていることを特徴とする、請求項２に記載した石掃い用反転機。

【請求項4】

鋼板製屋根材が鋼板製壁材であることを特徴とする、請求項１又は２又は３に記載した石掃い用反転機。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、石掃い用反転機に係り、さらに言えば、石粒が接着される鋼板製屋根材又は鋼板製壁材（以下「鋼板製屋根材等」ということがある。）の製造過程において、最終的に接着されないで不要な石粒を掃う石掃い用反転機に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、この技術分野で本出願人は、特許第３６０８０８２号に係る「屋根材又は壁材への自然石粒等の接着方法」を既に開発している。同特許公報の請求項２に関し、段落番号〔０００８〕には、「請求項２記載の発明の屋根材又は壁材への自然石粒等の接着方法は、上面部ｂとその上面部ｂに各々つづく両側面部ｃ、ｄを有する鋼板製屋根材ａ又は鋼板製壁材の表面に、自然石粒ｆ等を接着する方法において、
ａ）コンベアーライン上で、前記屋根材ａ又は壁材を各側面部ｃ、ｄで起立させ、上面部ｂが上向き状態のままで長手方向に載置し、前記上面部ｂ及び両側面部ｃ、ｄの表面に接着剤ｅを塗布すること、
ｂ）コンベアーｍの上方を跨る架台にホッパーｐと板状のガード体ｇ、ｊを設置し、そのガード体ｇ、ｊは下向きの垂直又は傾斜状態を維持し、同ガード体ｇ、ｊの下端部ｋ、ｋをコンベアーｍに載置される前記屋根材ａ又は壁材の側面部ｄから所定間隔をあけた外方位置又は側面部ｃの表面の所望位置に臨ませ、自然石粒ｆが集合可能な集合スペースＳ、Ｓ’を形成すること、
ｃ）前記屋根材ａ又は壁材を長手方向でコンベアーｍに載置して移動させながら、前記ホッパーｐから自然石粒ｆを落下させて屋根材ａの上面部部ｂに当該自然石粒ｆを接着させると共に、ホッパーｐから自然石粒ｆを前記ガード体ｇ、ｊの内側面に落下させ、当該ガード体ｇ、ｊを伝って前記集合スペースＳ、Ｓ’に自然石粒ｆを集合させつつ屋根材ａ又は壁材の側面部ｄ、ｃに当該自然石粒ｆを接着させることをそれぞれ特徴とする。」旨記載されている（但し、英文字符号は新たに付与）。

【0003】

また、段落番号〔００１２〕には、「請求項６記載の発明の屋根材又は壁材への自然石粒等の接着方法は、前記網状の均し部材ｈを、ホッパーｐの下部に所定高さを維持して設置し、コンベアーｍで移動する屋根材ａ又は壁材の上面部ｂにホッパーｐから落下した自然石粒ｆの表面を、前記均し部材ｈで均すことを特徴とする。」旨記載されている（但し、前記同様、英文字符号は新たに付与、図７及び図８参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特許第３６０８０８２号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

前記特許文献１は、主に鋼板製屋根材ａ等の側面部ｄ、ｃに自然石粒ｆを接着するため、板状のガード体ｇ、ｊを所定位置に配置させ、当該ガード体ｇ、ｊと側面部ｄ、ｃとの間で自然石粒ｆが集合可能な集合スペースＳ、Ｓ′を形成し、その集合スペースＳ、Ｓ′を含むガード体ｇ、ｊの内方に上方から自然石粒ｆを落下させて、屋根材ａの上面部ｂ及び側面部ｃ、ｄの表面に自然石粒ｆを接着するものである。しかし、ホッパーｐの下部に設置した前記網状の均し部材ｈによる均し作業（石掃い作業）では、接着されないで屋根材ａの上面部ｂに存置されたままの石粒ｆが残っている虞れもあり、未接着状態で不要な石粒ｆの掃い処理に十分とは言えない。

【0006】

したがって、本発明の目的は、石粒が接着される鋼板製屋根材等の製造過程において、接着されないで不要な石粒を自動的に効率よく掃えて合理的であり、必要な石粒を迅速かつ確実に鋼板製屋根材等に接着して品質向上が図られる石掃い用反転機を提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0007】

課題を解決するための手段として、請求項１に記載の石掃い用反転機は、石粒５が接着される鋼板製屋根材１の製造過程で、未接着で不要な石粒５を掃う石掃い用反転機であって、
架台６０の上に設置された水平ピストン６１が、同架台６０に設置された水平軸６２に対して回動自在に取り付けられ、鋼板製屋根材１が載置される回転コンベアーが前記水平軸６２に軸着されていると共に、回転挟持体は、その下端６４ｂが前記水平軸６２に軸着され、その上端６４ａに上下のエアークランプ６５、６６が取り付けられており、その上下のエアークランプ６５、６６により鋼板製屋根材１の一側面部１Ｂを挟持しつつ、前記水平ピストン６１が収縮するに従って、鋼板製屋根材１は回転コンベアー及び回転挟持体と共に下方に回転され、当該鋼板製屋根材１に未接着の石粒５が自重で落下され、水平ピストン６１が伸長するに従って、前記鋼板製屋根材１は回転コンベアー及び回転挟持体と共に上方に回転され、前記鋼板製屋根材１は元の水平状態に変位自在に構成されていることを特徴とする。

【0008】

請求項２記載の石掃い用反転機は、石粒５が接着される鋼板製屋根材１の製造過程で、未接着で不要な石粒５を掃う石掃い用反転機６であって、
ａ）水平方向に伸縮自在な水平ピストン６１が架台６０の上に設置されていると共に、鋼板製屋根材１が載置される９０度回転コンベアー２０及び前記水平ピストン６１の先端６１ａでピン連結された腕部６３が、架台６０に設置された水平軸６２に各々軸着されていること、
ｂ）アングル状の９０度回転挟持体６４の下端６４ｂが前記水平軸６２に軸着され、当該９０度回転挟持体６４の上端６４ａに、上エアークランプ６５と下エアークランプ６６が取り付けられており、その上下のエアークランプ６５、６６は、前記水平ピストン６１の伸長状態で、前記９０度回転コンベアー２０上で水平な鋼板製屋根材１の一側面部１Ｂを上下方向から挟持自在であること、
ｃ）前記水平ピストン６１が収縮するに従って、上下のエアークランプ６５、６６により一側面部１Ｂが挟持された前記鋼板製屋根材１は９０度回転コンベアー２０及び９０度回転挟持体６４と共に下方に回転され、最大９０度回転状態で前記上下のエアークランプ６５、６６に挟持された鋼板製屋根材１は垂直状態に変位され、当該鋼板製屋根材１に未接着の石粒５が自重で落下されること、
ｄ）前記水平ピストン６１が伸長するに従って、前記鋼板製屋根材１は９０度回転コンベアー２０及び９０度回転挟持体６４と共に上方に回転され、前記上下のエアークランプ６５、６６に挟持された鋼板製屋根材１は元の水平状態に変位され、一側面部１Ｂの挟持が解除自在に構成されていること、から成ることを特徴とする。

【0009】

請求項３記載の石掃い用反転機は、前方センサー６７と後方センサー６８が、前記９０度回転コンベアー２０の前後における架台６０に設置されており、９０度回転コンベアー２０の上に鋼板製屋根材１が移送された際に、当該９０度回転コンベアー２０の作動が一旦停止自在に構成されていることを特徴とする。

【0010】

請求項４記載の石掃い用反転機は、前記鋼板製屋根材１が鋼板製壁材であることを特徴とする。

【発明の効果】

【0011】

本発明の石掃い用反転機（請求項１、請求項２）は、架台上の水平ピストンが水平軸に対して回動自在で、その水平軸に９０度回転コンベアーが軸着され、９０度回転挟持体はその下端が前記水平軸に軸着されていると共に、その上端に上下のエアークランプが取り付けられているので、その上下のエアークランプにより鋼板屋根材の一側面部を挟持しつつ、前記水平ピストンが収縮するに従って、鋼板製屋根材は９０度回転コンベアー及び９０度回転挟持体と共に下方に９０度回転されて垂直状態となる。かかる垂直状態で、鋼板製屋根材の上面部に接着していない石粒が、当該鋼板屋根材の上面部で接着している石粒との間で摩擦力が生ぜずその自重で一気に落下し、石掃いを確実に行なうことができ、必要な石粒を迅速かつ確実に接着した高品質の鋼板製屋根材が提供される。

【0012】

前記自重による不要な石粒の石掃いが終ったら、水平ピストンが伸長され、前記鋼板製屋根材は９０度回転コンベアー及び９０度回転挟持体と共に上方に回転され、上下のエアークランプに挟持された鋼板製屋根材は元の水平状態に変位され、一側面部の挟持が解除されるから、当該９０度回転コンベアーの作動により次の製造工程へとスムーズに移行される。

【0013】

また、前方センサーと後方センサーが９０度回転コンベアーの前後における架台に設置されているので（請求項３）、９０度回転コンベアーの上に鋼板製屋根材が移送されるとこの前後のセンサーが検知して９０度回転コンベアーの作動が一旦停止して９０度回転コンベアー上で鋼板製屋根材が止まる。よって、上下のエアークランプにより、９０度回転コンベアー上の鋼板製屋根材の一側面部を確実に挟持でき、上記の反転する石掃い作業を確実に行なうことができる。

【0014】

さらに請求項４発明のように、上述した鋼板製屋根材は、全て鋼板製壁材に適用できる利便性もある。

【図面の簡単な説明】

【0015】

【図1】本発明の石掃い用反転機を示した側面図である。

【0016】

【図2】図１の状態から９０度反転した状態を示した側面図である。

【0017】

【図3】石掃い用反転機を示した正面図である。

【0018】

【図4】石掃い用反転機の参考上面図である。

【0019】

【図5】Ａ、Ｂは石掃い用反転機の使用例を示した平面図とその側面図である。

【0020】

【図6】石粒接着の鋼板製屋根材の製造過程を示した説明図である。

【0021】

【図7】従来例を示した説明図である。

【0022】

【図8】従来の石粒接着の鋼板製屋根材を示した斜視図である。

【発明を実施するための最良の形態】

【0023】

本発明の石掃い用反転機６の好適な実施形態を、以下図面（図１〜図４を中心）にしたがって説明する。本発明は、石粒５が接着される鋼板製屋根材１の製造過程で、最終的に接着しないで不要となった石粒５を掃うものである。なお、本発明は鋼板製壁材についても同様に実施されるが、以下の説明では省略する。また、鋼板製屋根材１に接着される石粒５としては、人工石粒が好適であるが、これに限らず自然石粒でも実施される。

【0024】

この石掃い用反転機６は、架台６０上の水平ピストン６１、水平軸６２及び９０度回転挟持体６４並びに９０度回転コンベアー２０を主要な構成要素としている。

【0025】

まず、架台６０の内外で、水平方向に伸縮自在な水平ピストン６１が、架台６０（長手方向の幅が約２１０ｃｍ）の上に２ケ設置されている。水平ピストン６１は、駆動モーター（図示は省略）により伸縮動作自在に構成されている。また、架台６０の上には、その長手方向の前後に亘って配置された水平な水平軸６２が設置されている（図３参照）。

【0026】

水平軸６２には、前記水平ピストン６１の先端６１ａでピン連結された腕部６３が軸着されている。また、鋼板製屋根材１が移送・載置される通常のコンベアーとしての機能を有すると共に、それ自体が９０度下方に反転自在な９０度回転コンベアー２０も、前記水平軸６２に軸着されている。

【0027】

すなわち、９０度回転コンベアー２０は、図３に示したように、水平軸６２の直上位置に設置され、水平ピストン６１の伸縮動作に従って、図１に示した水平状態から図２に示した垂直状態へと、それ自体が９０度回転自在である。かくして、９０度回転コンベアー２０の高さは、隣り合うコンベアー２・・・の高さと同じに設定されている（図５参照）。

【0028】

次に、アングル状に形成された４つの９０度回転挟持体６４の下端６４ｂが、前記水平軸６２に軸着されており、この９０度回転挟持体６４自体も架台６０の内外方向へ９０度回転自在に構成されている。当該９０度回転挟持体６４の上端６４ａにおいて、上方に位置する上エアークランプ６５と、下方に位置する下エアークランプ６６が取り付けられている。

【0029】

図１に示した水平ピストン６１が伸長している状態において、当該上下のエアークランプ６５、６６は、９０度回転コンベアー２０上で水平に載置される鋼板製屋根材１の一側面部１Ｂを、上下方向から挟持自在である。

【0030】

また、当該石掃い用反転機６は、１対の前方センサー６７、６７と後方センサー６８、６８が、９０度回転コンベアー２０の前後における架台６０にそれぞれ設置されている。９０度回転コンベアー２０の上に鋼板製屋根材１が移送された際に、当該前後センサー６７、６８で感知し、９０度回転コンベアー２０の作動を一旦停止させるためである。その停止後、前記上下のエアークランプ６５、６６が即座に作動される仕組である。

【0031】

上述した本発明の石掃い用反転機６の使用例について説明する。

【0032】

図６の左端部分において、鋼板製屋根材１を、縦向きでコンベアー２の上に載置する。すぐに同コンベアー２上を移動する鋼板製屋根材１の上面部１Ａ及び一側面１Ｂ並びに他側面部１Ｃに対し、２液混合接着剤スプレー装置３から２液混合接着剤３０を塗布する。

【0033】

ここで鋼板製屋根材１について説明すると、厚さ約０．４ｍｍの鋼板をプレス成型して所望形状の屋根材１を形成する。一般的にはフラットな上面部１Ａ（長手方向の長さが約１３０ｃｍ、短手方向の長さが約４０ｃｍ）とその左右両端部を折曲して上面部１Ａに各々つづく左右の一側面１Ｂと他側面部１Ｃ（高さ約２０ｍｍ）を形成する。この両側面部１Ｂ、１Ｃの形状は限定されないが、本実施形態では、一側面１Ｂは垂直面に形成し、他側面１Ｃは緩やかな傾斜面として形成する場合について説明する（図９参照）。

【0034】

つづいて前記接着剤３０が塗布された鋼板製屋根材１の上面部１Ａに、第１ホッパー４Ａから大粒の石粒５Ａを落下させて接着させる。その後、前記大粒の石粒５Ａが接着された鋼板製屋根材１を、本発明の石掃い用反転機６により９０度下向きに反転させる（図５参照）。

【0035】

すなわち、図１に示したように、当該石掃い用反転機６の水平ピストン６１が収縮するに従って、上下のエアークランプ６５、６６により一側面部１Ｂが挟持された鋼板製屋根材１は、９０度回転コンベアー２０及び９０度回転挟持体６４と共に、架台６の内方の下方に回転される。最大９０度まで回転されると、前記上下のエアークランプ６５、６６に挟持された鋼板製屋根材１は垂直状態に変位される。そうすると、最終的に接着していない石粒５は、当該鋼板屋根材１の上面部１Ａで接着している石粒５との間で摩擦力が生ぜず、その自重で一気に落下し、石掃いが確実に行なわれる。

【0036】

かかる石掃い作業が終ったら、石掃い用反転機６の水平ピストン６１を伸長させると、前記鋼板製屋根材１は、９０度回転コンベアー２０及び９０度回転挟持体６４と共に上方に回転される（図１）。最終的に、上下のエアークランプ６５、６６に挟持された鋼板製屋根材１は元の水平状態に変位される。しかる後、上下のエアークランプ６５、６６による一側面部１Ｂへの挟持が解除される。

【0037】

かくして、９０度回転コンベアー２０を作動し、次のコンベアー２へと移送すると、前記必要な大粒の石粒５Ａが接着された鋼板製屋根材１の上面部１Ａに、第２ホッパー４Ｂから小粒の石粒５Ｂを落下させて接着させる（図５）。また、コンベアー７を介して前記第２ホッパー４Ｂから小粒の石粒５Ｂを小口石付け装置８へ供給する。

【0038】

つづいて前記小粒の石粒５Ｂが接着された鋼板製屋根材１を前記小口石付け装置８により４５度上向きに反転させ、当該鋼板製屋根材１の側面１Ｂに、小口石付け装置８の石粒載置皿（図示は省略）から石粒５Ｂを降下して接着させた後（図４参照）、元の水平状態に戻す。

【0039】

しかる後、前記上面部１Ａと側面１Ｂに石粒５が接着された鋼板製屋根材１を、小型で前記同仕様の石掃い用反転機６により、上述したように９０度下向きに反転させ、接着されずに不要な石粒５（とりわけ小粒の石粒５Ｂ）を自重で落下させた後（図２参照）、元の水平状態に戻す（図５参照）。

【0040】

そして、図６の右端に示したように、前記石粒５が接着された縦向きｙの鋼板製屋根材１を、水平９０度回転機１０により９０度回転させて横方向ｘに向きを変える。そうしたら、各段がコンベア単独駆動の４段の入口１１Ａ・・・を備えた第１乾燥炉１１に、前記横向きｘに配置された鋼板製屋根材１・・・をそれぞれ投入して接着剤３０を乾燥させる。処理温度は８０℃／２０分である。前記のように第１乾燥炉１１が複数段の入口１１Ａを備えているのは、場所をとらない横向きｘに配置された鋼板屋根材１・・・を一度により多く第１乾燥炉１１に入れることができる上、乾燥炉の規定温度と時間に対し当該第１乾燥炉１１の全長を短くできる利点があるためである。なお、図６中、符号１６はコンベアーラインの近傍に設置した粉塵用集塵機、符号１５は冷却装置をそれぞれ示している。

【0041】

次に、上記の乾燥された横向きｘの鋼板製屋根材１を、そのまま直角方向に進行させ、縦向きｙで進行する前記乾燥された鋼板製屋根材１の上面１Ａ及び側面１Ｂに、トップコートスプレー装置１３からトップコート１４をコーティングする。このトップコートスプレー装置１３はノズルが４ケ所設置され、４ヘッド自動塗布方式である。しかる後、図示を省略した串刺し状のコンベアー２の上を鋼板製屋根材１を移動させ、下記第２乾燥炉１２へと移送する。結局その工程を上方からみると、図６の略中央部分のように、コ字状に配置されたコンベアー２の上を鋼板製屋根材１が移動していく。かくして鋼板製屋根材１はこの間、進行方向に対し、（１）横向きｘ１→（２）縦向きｙ２→（３）横向きｘ３→（４）縦向きｙ４→（５）横向きｘ５の状態で移送される。

【0042】

そうして、上記のトップコート１４がコーティングされた縦向きｙの鋼板製屋根材１を、各段がコンベア単独駆動の４段の入口１２Ａ・・・を備えた第２乾燥炉１２に、横方向から投入してトップコート１４を乾燥させる。この第２乾燥炉１２も前記第１乾燥炉１１のように複数段の入口１２Ａを備えており、一度により多くの鋼板屋根材１・・・を当該第２乾燥炉１１に入れて処理時間の短縮化が図られる。処理温度は８５〜９５℃／４０分で、処理枚数は１２０枚である。前記の第２乾燥炉１２から排出された横向きｘの鋼板製屋根材１を冷却装置１５で冷却し、完成したこの石粒接着の鋼板製屋根材１に、最後に図示を省略したインクジェットスプレーによりロットナンバーを記入して完了する。

【符号の説明】

【0043】

１ 鋼板製屋根材
１Ａ 上面部
１Ｂ 一側面部
２０ ９０度回転コンベアー
５ 石粒
６ 石掃い用反転機
６０ 架台
６１ 水平ピストン
６１ａ 先端
６２ 水平軸
６３ 腕部
６４ ９０度回転挟持体
６４ａ 上端
６４ｂ 下端
６５ 上エアークランプ
６６ 下エアークランプ
６７ 前方センサー
６８ 後方センサー

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】