【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を果たすために、本発明は、竹を有効成分として含む骨成長促進用薬学的組成物を提供する。
上記の目的を果たすために、本発明は、竹を有効成分として含む骨成長促進用食品組成物を提供する。
上記の目的を果たすために、本発明は、竹を有効成分として含む骨成長促進用の動物飼料用組成物を提供する。
上記の他の目的を果たすために、本発明は、必要投与対象に有効投与量の竹を投与する段階を含む、骨成長を促進する方法を提供する。
【0008】
竹(Bamboo)とは、単子葉植物、イネ目イネ科タケ亜科に属する多年生植物の総称である。竹はイネ科植物で、世界に約280余種が知られており、韓国には約70種の竹が自生または栽培されている。竹の種としては、ハチク(淡竹)、マダケ(真竹)、モウソウチク(孟宗竹)、クロチク(烏竹)、斑竹、チシマザサ、海蔵竹、コウライザサ、スズタケ、山竹、ヤダケ(矢竹)など11種の代表的な品種があり、これらの中で、主な栽培品種はマダケ(真竹)、ハチク(淡竹)、モウソウチク(孟宗竹)である。
【0009】
本発明の竹は公知の竹の種であれば、これに限定されないが、好ましくは、本発明の竹はハチク(Phyllostachys nigra var. henonis)、マダケ(Phyllostachys bambusoides Sieb. et Zucc.)、花眉竹(Bambusa tuldoides)、及び竹変(Sinocalamus beecheyanus var pubesceus)からなる群より選ばれた1つ以上であることができ、更に好ましくは、ハチク(Phyllostachys nigra var. henonis)、またはマダケ(Phyllostachys bambusoides Sieb. et Zucc.)であることができる。
【0010】
本発明の竹は、竹を構成する部位であれば特に制限されないが、好ましくは、竹の葉、津液、筍、根及び幹の粗皮を除去した中間層からなる群より選ばれた1つ以上のものであることができ、更に好ましくは、竹の幹の粗皮を除去した中間層であることができる。上記竹の幹の粗皮を除去した中間層は、竹茹(Bambusae Caulis in Taeniam)、青竹茹、竹皮、淡竹皮茹などとも呼ばれ、本発明の明細書において上記用語を混用して指称することができる。
【0011】
本発明の竹は、そのまま又は動物に投与可能な形態に加工されて使用されることができ、これに制限されないが、例えば、粉末、懸濁液、抽出物などであることができ、好ましくは竹抽出物であることができる。
上記竹抽出物は公知の天然物の抽出方法によって抽出することができ、好ましくは、水、炭素数1〜6の有機溶媒及び亜臨界または超臨界流体からなる群より選ばれた1つ以上の溶媒で抽出することができ、上記炭素数1〜6の有機溶媒は、炭素数1〜6のアルコール(alcohol)、アセトン(acetone)、エーテル(ether)、ベンゼン(benzene)、クロロホルム(chloroform)、エチルアセテート(ethyl acetate)、メチレンクロリド(methylene chloride)、ヘキサン(hexane)、シクロヘキサン(cyclohexane)、ジエチルエーテル(diethyl ether)及び石油エーテル(petroleum ether)からなる群より選ばれたものであることができる。好ましくは、水または炭素数1〜6のアルコールを使用して抽出することができる。
【0012】
上記竹抽出物は、抽出効率を増大させるために前処理過程を含むことができ、例えば、竹を粉砕機で粉砕して使用することができる。本発明の抽出物の抽出温度は特に制限されず、例えば0℃乃至150℃であることができ、好ましくは80℃乃至120℃であることができる。本発明の抽出物の抽出時間は抽出温度によって特に制限されず、例えば1時間乃至10日間であることができ、好ましくは0.5時間乃至6時間であることができ、好ましくは1時間乃至3時間の間に抽出することができる。
【0013】
本発明の抽出物は、公知の天然物の抽出法で抽出することができる。例えば、冷浸抽出、熱水抽出、超音波抽出、還流冷却抽出、加熱抽出法で抽出することができ、好ましくは熱水抽出または還流冷却抽出法で抽出することができ、1回乃至10回、好ましくは2回乃至7回で繰り返し抽出することができる。
【0014】
本発明の抽出物は、濾過して液状で使用することができ、好ましくは噴霧乾燥または凍結乾燥の乾燥工程によって固形化して使用することができる。更に好ましくは、噴霧乾燥または凍結乾燥の前にデキストリンを混合して乾燥することができる。
本発明の最も好ましい実施形態は竹茹抽出物である。上記竹茹抽出物は、これに制限されないが、好ましくはハチク、マダケ、花眉竹、竹変などの竹の甘皮から抽出された液体を意味する。また上記竹茹抽出物は、これに制限されないが、最も好ましくは水を溶媒で用いて熱水抽出法によって製造することができる。
【0015】
上記熱水抽出の時、竹と水の比率は特に限定されないが、竹に水を3倍〜20倍(重量基準)で添加することができる。好ましくは、抽出効率を増加させるために竹に対して水を8倍〜15倍(重量基準)で添加することができる。
本発明の一実施例では、本発明の竹抽出物は、竹を20〜40meshの大きさに粉砕した後、飲用水を竹粉に10倍で添加し、100℃で2時間を熱水抽出する。上記熱水抽出液を1時間放置して、不純物がある下澄液10%を除いた上澄液を回収して凍結乾燥することで竹抽出物を製造した。
本発明の上記「骨成長」とは、骨の組織の大きさ、太さ、密度、長さ及び機能の増大を含み、好ましくは骨の長さの成長を意味する。
本発明の組成物は竹を有効成分として含んで骨の長さの成長及び成長板の軟骨組織の増殖促進に効果的である。
【0016】
これは本発明の明細書の実施例によく示されている。
本発明の一実施例では、ラット(rat)に10日間竹茹を投与した後、脛骨(tibia)の長さ変化を観察した。その結果、成長ホルモン投与群とほぼ同じ水準に脛骨の長さが長くなったことが確認された。
本発明のまた他の一実施例では、ラットに10日間竹茹を投与した後、成長板組織の変化を観察した。その結果、成長板の増殖部(proliferative zone)及び肥大部(hypertrophic zone)の長さが成長ホルモン投与群とほぼ同じ水準に増加することが確認された。
【0017】
本発明のまた他の実施例では、ラットに10日間竹茹を投与した後、軟骨組織で活性化された軟骨細胞数の変化をBrdU染色(BrdU staining)で確認した。その結果、BrdU陽性細胞(BrdU positive cell)の比率が増加されたことが確認され、これにより、竹茹投与群で軟骨細胞の増殖が促進されることを確認した。
本発明のまた他の実施例では、ラットに10日間竹茹を投与した後、血清中のオステオカルシン(osteocalcin)濃度を測定した。その結果、竹茹投与群で血清中のオステオカルシン濃度が増加されたことを確認し、これにより、竹茹抽出物が骨形成及び骨芽細胞活性を増加させることを確認した。
【0018】
したがって、本発明は、竹を有効成分として含む骨成長促進用薬学的組成物を提供する。
本発明による薬学的組成物は、本発明の竹を単独で含有するか、または1つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を更に含有することができる。上記の「薬学的に許容される」とは、生理学的に許容され、ヒトに投与された時に活性成分の作用を阻害せず、通常的に胃腸障害、めまいのようなアレルギー反応またはこれと類似した反応を起こさない非毒性の組成物である。
【0019】
薬学的に許容される担体としては、例えば、経口投与用担体または非経口投与用担体を更に含むことができる。経口投与用担体はラクトース、澱粉、セルロース誘導体、マグネシウムステアレート、ステアリン酸などを含むことができる。更に、ペプチド製剤に対する経口投与用で使用される多様な薬物伝達物質を含むことができる。また、非経口投与用担体は、水、適合したオイル、食塩水、水性グルコース及びグリコールなどを含むことができ、安定化剤及び保存剤を更に含むことができる。適合した安定化剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸のような抗酸化剤がある。適合した保存剤としては、ベンザルコニウムクロリド、メチル−またはプロピルパラベン及びクロロブタノールがある。
本発明の薬学的組成物は、上記成分以外に潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁化剤などを更に含むことができる。その他の薬学的に許容される担体及び製剤は次の文献に記載されているものを参考することができる(Remington’s Pharmaceutical Sciences, 19th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1995)。
【0020】
本発明の組成物は、ヒトを含め、哺乳動物にいずれの方法でも投与することができる。例えば、経口または非経口的に投与することができる。非経口的投与の方法としては、これに限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、硬膜内、心臓内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸管、局所、舌下または直腸内の投与であることができる。
【0021】
本発明の薬学的組成物は、上述のような投与経路によって経口投与用または非経口投与用製剤に剤形化することができる。
経口投与用製剤の場合に、本発明の組成物は、粉末、顆粒、錠剤、丸剤、糖衣錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁液などに、当業界で公知された方法を用いて剤形化することができる。例えば、経口用製剤は、活性成分を固体賦形剤と配合した後、これを粉砕し、適合した補助剤を添加して顆粒混合物に加工することで錠剤または糖衣錠剤を得ることができる。適合した賦形剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール及びマルチトールなどを含む糖類と、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉及びジャガイモ澱粉などを含む澱粉類、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを含むセルロース類、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなどのような充填剤を含むことができる。また、場合によって、架橋結合ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはナトリウムアルギネートなどを崩壊剤として添加することができる。さらに本発明の薬学的組成物は、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤及び防腐剤などを更に含むことができる。
【0022】
非経口投与用製剤の場合は、注射剤、クリーム剤、ローション剤、外用軟膏剤、オイル剤、保湿剤、ゲル剤、エアロゾル及び鼻腔吸入剤の形態に、当業界に公知された方法で剤形化することができる。これらの剤形は、全ての製薬化学に一般的に公知された処方書である文献(Remington’s Pharmaceutical Science, 19th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1995)に記載されている。
【0023】
本発明の組成物の総有効量は、単一投与量(single dose)で患者に投与することができ、多重投与量(multiple dose)で長期間投与される分割治療方法(fractionated treatment protocol)により投与することができる。
本発明の薬学的組成物は、疾患の程度によって有効成分の含量を変えることができる。好ましくは、本発明の薬学的組成物の好ましい全体用量は、1日間当り、患者体重1kg当たり約0.01μg乃至10,000mg、最も好ましくは0.1μg乃至500mgであることができる。しかし、上記薬学的組成物の用量は製剤化方法、投与経路及び治療回数だけではなく、患者の年齢、体重、健康状態、性別、疾患の重症度、食餌及び排泄率など、多様な要因を考慮して患者に対する有効投与量が決定されるので、このような点を考慮したとき、当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の組成物の適切な有効投与量を決定することができるはずである。
本発明による薬学的組成物は本発明の効果を奏する限り、その剤形、投与経路及び投与方法は特に制限されない。
【0024】
本発明は、竹を有効成分として含む骨成長促進用食品組成物を提供する。
本発明の食品組成物は、機能性食品(functional food)、栄養補助剤(nutritional supplement)、健康食品(health food)及び食品添加剤(food additives)などの全ての形態を含む。上記類型の食品組成物は当業界において公知された通常的な方法によりいろいろな形態で製造することができる。
【0025】
例えば、健康食品としては、本発明の竹をお茶、ジュース及びドリンクの形態で製造して飲用するようにするか、顆粒化、カプセル化及び粉末化して摂取することができる。また、本発明の竹を骨成長の促進効果があると知られている公知の物質または活性成分と共に混合して組成物の形態で製造することができる。例えば、本発明の食品組成物は、竹または竹抽出物成分の以外に微量のミネラル、ビタミン、脂質、糖類及び公知の成長促進活性を有する成分などを更に含むことができる。上記ミネラルとしては、カルシウム、鉄など成長期に必要な栄養成分を含有することができ、ビタミンとしては、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6などを含有することができる。脂質としては、アルコキシグリセロールまたはレシチンなどを含有することができ、糖類としては、フラクトオリゴ糖などを含有することができる。
【0026】
また、機能性食品としては、飲み物(アルコール性飲み物を含み)、果実及びその加工食品(例:フルーツ缶詰め、瓶詰め、ジャム、マーマレードなど)、魚類、肉類及びその加工食品(例:ハム、ソーセージコンビーフなど)、パン類及び麺類(例:うどん、そば、ラーメン、スパゲッティ、マカロニなど)、果汁、各種ドリンク、クッキー、飴、乳製品(例:バター、チーズなど)、食用植物油脂、マーガリン、植物性タンパク質、レトルト食品、冷凍食品、各種調味料(例:みそ、醤油、ソースなど)などに本発明の竹を添加して製造することができる。
また、本発明の竹を食品添加剤の形態で使用するためには、粉末または濃縮液の形態に製造して使用することができる。
【0027】
本発明の食品組成物中の竹の好ましい含量は、食品組成物の総重量に対して食品の全体重量を基準で0.01〜90%、好ましくは0.1〜50%の比率で含有されることができる。
【0028】
本発明は、竹を有効成分として含む骨成長促進用の動物飼料用組成物を提供する。
本発明による飼料用組成物は発酵飼料、配合飼料、ペレット及びサイレージ(silage)などの形態で製造することができる。上記発酵飼料は、本発明の竹を含み、更にさまざまな微生物菌または酵素を添加することで有機物を発酵させて製造することができる。上記配合飼料は多くの種類の一般飼料と本発明の竹を混合して製造することができる。ペレット形態の飼料は上記発酵飼料または配合飼料をペレット機で剤形化して製造することができる。サイレージは青刈り飼料と本発明の竹を混合して乳酸菌で発酵させることで製造することができる。
【0029】
本発明は、必要投与対象に有効投与量の竹を投与する段階を含む、骨成長を促進する方法に関する。
上記の「有効投与量」は、本発明による骨成長の促進に効果的な竹の量を意味する。上記説明のように、本発明の竹は、そのまま又は動物に投与可能な形態に加工して使用することができる。また、本発明の竹は、粉末、懸濁液、抽出物の形態を有することができるが、これに限定されず、好ましくは竹抽出物である。
上記の「投与対象」は、動物、好ましくは哺乳動物(ヒトを含む哺乳動物)であり、動物の細胞、組織、器官も含まれる。このような対象は治療が必要な患者を含むことができる。