(54)【発明の名称】電子部品の実装方法、この実装方法を用いてICタグを製造する方法、この実装方法を用いて発光電子部品を製造する方法、及びこの実装方法に用いる装置
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記非透過部分によって前記紫外可視光が遮られる非照射領域に塗布された前記接着剤の硬化後の厚みが200μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子部品の実装方法。
前記接着剤は、0.01〜50質量%の導電性粒子を含み、該導電性粒子の粒子径は、0.01〜100μmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子部品の実装方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、紫外線硬化樹脂からなる接着剤を用いる方法でも、十分な接着強度を得るためには、透明又は半透明の基板を用いることが必要とされ、紫外線を透過しない基板に半導体を実装することは困難であるといった問題点があった。紫外線が遮られる箇所について、紫外線を透過する支持部材を用いて予め接着しておくことも考えられるが、装置が小型化している近年の状況ではそれも困難である。
【0007】
この発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、紫外可視光が照射されることにより硬化する樹脂を含む接着剤を用いて電子部品を十分な強度で基板へ実装する実装方法、この実装方法を用い
てICタグ
を製造する方法、この実装方法を用いて発光電子部品
を製造する方法、
及びこの実装方法に用いる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る電子部品の実装方法は、電極が形成された基板の表面に、
照射部材から紫外可視光が照射されることにより硬化する樹脂を含む接着剤を塗布するステップと、電子部品の一部が電極の上方に位置するように電子部品を基板上に載置するステップと、基板に対して垂直に紫外可視光を照射するステップとを含み、基板の表面側には、前記紫外可視光を透過させない非透過部分が存在し、非透過部分の外接矩形の短辺の長さが2mm以下であ
り、紫外可視光を照射するステップの前またはそのステップと同時に、紫外可視光が透過可能な透明又は半透明の平坦な板部材で基板を加圧し、電子部品が載置された基板に接する照射部材の接触面が平坦な板部材を有することを特徴とする。
基板に対して電子部品が位置する側から紫外可視光が照射され、非透過部分は、電子部品の少なくとも一部であってもよい。
基板は、紫外可視光が透過するように透明または半透明であり、基板に対して電子部品が位置する側とは反対側から紫外可視光が照射され、非透過部分は電極であってもよい。
非透過部分によって紫外可視光が遮られる非照射領域に塗布された前記接着剤の硬化後の厚みが200μm以下であることが好ましい。
非透過部分によって紫外可視光が遮られる非照射領域の面積が4mm
2以下であることが好ましい。
接着剤は、0.01〜50質量%の導電性粒子を含み、導電性粒子の粒子径は、0.01〜100μmであってもよい
。
紫外可視光を照射するステップとともに、電子部品を載置した基板を30〜100℃で加熱してもよい。
電子部品が半導体であってもよい。半導体がICチップであってもよい。
上記電子部品の実装方法によって、このようなICチップを備えるICタグが
製造される。
電子部品が発光ダイオードであってもよい。
上記電子部品の実装方法によって、このような発光ダイオードを備える発光電子部品が
製造される。
【0009】
この発明に係る電子部品の実装方法に用いる装置は、30〜100℃に加熱される加熱部材と、紫外可視光を照射する照射部材とを備え、加熱部材の上に、電子部品が載置された基板を載置し、加熱部材及び照射部材の少なくとも一方を他方に向かって移動させて、電子部品が載置された基板を加熱部材と照射部材との間に挟むことを特徴とする
。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、紫外可視光を透過させない非透過部分の外接矩形の短辺の長さが2mm以下であることにより、非透過部分の周辺で生じる接着剤の硬化反応が、非透過部分によって紫外可視光が遮られる非照射領域に塗布された接着剤にまで伝播して、非照射領域に塗布された接着剤も硬化するので、電子部品を十分な強度で基板へ実装することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この実施の形態に係る電子部品の実装方法によって、基板に実装された電子部品の構成を
図1に示す。フィルムや紙のような基板1の一方の面である表面1a上に、電極であるアルミアンテナ2が形成されている。表面1aには、少なくともアルミアンテナ2の全体を含む範囲に、紫外可視光が照射されることにより硬化する樹脂を含む接着剤3が塗布されている。ここで、紫外可視光とは、紫外線領域及び可視光の領域の一部を含む範囲の波長を有する光であり、当該範囲は、100〜700nm、好ましくは150〜500nm、さらに好ましくは180〜400nmである。基板1には表面1a上に、金属電極5を有する電子部品、すなわち半導体であるICチップ4が、金属電極5がアルミアンテナ2の上方に位置するように載置されている。ICチップ4は、接着剤3によって基板1の表面1a側に接着されている。尚、ICチップ4は紫外可視光を透過させない。接着剤3には、後述する特性を有する導電性粒子6が含まれており、アルミアンテナ2と、金属電極5すなわちICチップ4とは、導電性粒子6を介して通電するように構成されている(ただし、
図1に図示されている導電性粒子6は、その存在を強調するために、実際の大きさよりも非常に大きく描かれている)。
【0013】
ICチップ4の平面形状は任意の形状でよいが、ここでは、
図2に示されるような楕円形状を有するものとして説明する。ICチップ4を基板1に対して垂直な方向から見たときに、ICチップ4が外接する外接矩形20を想定する。この外接矩形20は、2つの互いに平行な長辺21と、2つの互いに平行な短辺22とを有しているが、短辺22の長さは2mm以下、好ましくは1.5mm以下である。尚、外接矩形が正方形の場合は、長辺及び短辺のそれぞれの長さは等しいので、一辺の長さが2mm以下、好ましくは1.5mm以下であればよい。ICチップ4は紫外可視光を透過させないので、
図3に示されるように、基板1に対して垂直な方向にICチップ4を投影した領域(斜線部分の領域)は、紫外可視光を基板1に対して垂直に照射した場合に、紫外可視光が接着剤3(
図1参照)に直接には照射されない領域、すなわち非照射領域23となる。ICチップ4の外接矩形20の短辺22(
図2参照)が2mm以下、好ましくは1.5mm以下であるので、短辺22に平行な方向の非透過部分の幅Wは、ICチップ4全体にわたって2mm以下、好ましくは1.5mm以下となる。
【0014】
一方、
図4に示されるように、電子部品として、透明な材料からなる発光ダイオード14を基板1に実装する場合、基板1に対して垂直に照射された紫外可視光は、発光ダイオード14を透過して接着剤3(
図1参照)に照射される。ただし、発光ダイオード14が透明であっても金属電極5は透明ではなく、紫外可視光は金属電極5を透過しないので、金属電極5が非透過部分となり、基板1に対して垂直な方向に金属電極5を投影した領域(斜線部分の領域)が非照射領域23となる。この場合、金属電極5の外接矩形の短辺の長さが2mm以下、好ましくは1.5mm以下であれば、金属電極5の外接矩形の短辺に平行な方向の非透過部分の幅W’は、金属電極5全体にわたって2mm以下、好ましくは1.5mm以下となる。すなわち、
図3に示されるように、ICチップ4のような紫外可視光を透過させない電子部品を基板1に実装する場合には、ICチップ4が、紫外可視光を透過させない非透過部分となり、
図4に示されるように、発光ダイオード14のような紫外可視光を透過させる電子部品を基板1に実装する場合には、発光ダイオード14の金属電極5が、紫外可視光を透過させない非透過部分となる。
【0015】
基板1が透明または半透明な部材である場合には、ICチップ4または発光ダイオード14が位置する側とは反対側、すなわち基板1の他方の面である裏面1b側から紫外可視光を照射することも可能である。裏面1b側から紫外可視光を照射する場合、基板1に対して垂直な方向に照射された紫外可視光は、基板1を透過して接着剤3に照射される。ただし、紫外可視光が基板1を透過可能であっても、紫外可視光はアルミアンテナ2を透過しないので、アルミアンテナ2が非透過部分となり、基板1に対して垂直かつICチップ4または発光ダイオード14に向かってアルミアンテナ2を投影した領域が非照射領域23となる。
【0016】
非照射領域23の面積は、4mm
2以下であることが好ましい。また、非照射領域23に塗布された接着剤3の硬化後の厚さは、0.01〜200μmであることが好ましい。200μmより厚くなると、接着剤3における紫外可視光の透過が不十分となり、接着剤3全体が完全には硬化しなくなるおそれがあり、0.01μmより薄くなると、接着箇所が薄すぎるために接着強度に問題が生じるからである。
【0017】
基板1に実装されたICチップ4(
図1または3参照)は、ICカードやICタグなどのRFID関連製品に用いられる。また、基板1に実装された発光ダイオード14(
図4参照)は、発光電子部品に用いられる。
【0018】
接着剤3は、紫外可視光が照射されることにより硬化する樹脂である主剤と、光重合開始剤と、導電性粒子6とを含んでいる。主剤は、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系など一般の組成のものを使用でき、いずれか1種類を用いることもできるが、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。光重合開始剤は、ラジカル重合剤、光酸発生剤、光塩基発生剤など一般的なものを使用でき、いずれか1種類を用いることもできるが、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なお、ラジカル重合開始剤を用いる場合、紫外可視光を照射した箇所のみ反応が生じるので、反応が周囲に伝播されるように、光酸発生剤か光塩基発生剤を用いることがより好ましい。ただし、アントラセンなどの増感剤や光酸発生剤、光塩基発生剤を併用することにより同様の効果を得ることができる。導電性粒子6は、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、ハンダ等の金属粒子、カーボン粒子のようなそれ自体で導電性を有するもの、あるいは芯材粒子の表面を導電性金属で被覆処理したもの等を用いることができる。
【0019】
導電性粒子6の大きさは、具体的な用途に応じて適切な大きさが選択されるが、紫外可視光を接着剤3の内部に浸透させるためには、それを阻害しないことを要する。用いる紫外可視光の波長にもよるが、導電性粒子6の粒子径は、好ましくは0.01〜100μm、さらに好ましくは0.05〜10μmである。導電性粒子6の形状は特に制限はない。一般に導電性粒子6は粉粒状であり得るが、それ以外の形状、例えば繊維状、中空状、板状、針状であってもよく、粒子表面に多数の突起を有するものや、不定形のものであってもよい。ただし、紫外可視光を接着剤3の内部に浸透させるためには、球状の導電性粒子6が特に好ましい。
【0020】
芯材粒子の表面を導電性金属で被覆処理したものを導電性粒子6として用いる場合、芯材粒子としては、無機物であっても有機物であっても特に制限はなく用いることができる。無機物の芯材粒子としては、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、ハンダ等の金属粒子、合金、ガラス、セラミックス、シリカ、金属または非金属の酸化物(含水物も含む)、アルミノ珪酸塩を含む金属珪酸塩、金属炭化物、金属窒化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属リン酸塩、金属硫化物、金属酸塩、金属ハロゲン化物及び炭素等が挙げられる。一方、有機物の芯材粒子としては、例えば、天然繊維、天然樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリブテン、ポリアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル二トリル、ポリアセタール、アイオノマー、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂またはジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。
【0021】
芯材粒子の形状も、特に制限はない。一般に芯材粒子は粉粒状であり得るが、それ以外の形状、例えば繊維状、中空状、板状、針状であってもよく、粒子表面に多数の突起を有するものや或いは不定形のものであってもよい。本発明では、球状のものが導電性フィラーとして使用する場合に充填性に優れたものになる点で特に好ましい。芯材粒子の平均粒径は0.1〜1000μm、特に0.5〜100μmが好ましい。粒子径が小さすぎると、金属被覆しても対向電極間での導通ができなくなる。一方、大きすぎると隣接電極間の短絡が発生する。なお、芯材粒子の平均粒径は電気抵抗法を用いて測定された値を示している。
【0022】
ただし、前述の方法によって測定された芯材粒子の粒度分布には幅がある。一般に、粉体の粒度分布の幅は、下記計算式(1)で示される変動係数により表わされる。
変動係数(%)=(標準偏差/平均粒径)×100・・・(1)
この変動係数が大きいことは分布に幅があることを示し、一方、変動係数が小さいことは粒度分布がシャープであることを示す。この実施形態では、この変動係数が芯材粒子として50%以下、特に30%以下、とりわけ20%以下のものを使用することが好ましい。この理由は、このようにして得られた被覆導電性粉体を接着剤3中の導電性粒子6として用いた場合に、接続に有効な寄与割合が高くなるという利点があるからである。
【0023】
また、芯材粒子のその他の物性は、特に制限されるものではないが、樹脂粒子の場合は、下記の計算式(2)
K値(kgf/mm
2)=(3/√2)×F×S−3/2×R−1/2・・・(2)
で定義されるKの値が、20℃において10kgf/mm
2〜10000kgf/mm
2の範囲であり、且つ10%の圧縮変形後の回復率が20℃において1%〜100%の範囲であるものが、アルミアンテナ2と金属電極5とを圧着する際にこれらを傷つけることなく、これらと十分に接触させることができる点で好ましい(ここに、計算式(2)で示されるF、Sは、微小圧縮試験機MCTM−500(島津製作所製)で測定したときの、それぞれ該微球体の10%の圧縮変形における荷重値(kgf)、圧縮変位(mm)であり、Rは該微球体の半径(mm)である)。
【0024】
芯材粒子の表面を導電性金属で被覆処理する方法としては、蒸着法、スパッタ法、メカノケミカル法、ハイブリダイゼーション処理を利用する等の乾式法、電解めっき法、無電解めっき法等の湿式法、あるいはこれらを組み合わせた方法を用いることができる。特に芯材粒子の表面を無電解めっき法により金属皮膜を形成した導電性めっき粒子が、粒子表面を均一かつ濃密に被覆できる点で好ましく、とりわけ該金属皮膜が金又はパラジウムであるものが導電性を高くすることができる点で好ましい。また、本発明において、芯材粒子として樹脂を用いたものは金属粉に比べて比重が軽いために沈降しにくく、分散安定性が増し、樹脂の弾性による電気接続の維持ができるなどの点で好ましい。なお、前記金属皮膜の合金(例えばニッケル−リン合金やニッケル−ホウ素合金)も含まれる。
【0025】
導電性めっき粒子における金属皮膜の厚さは0.001〜2μm、特に0.005〜1μmであることが好ましい。金属皮膜の厚さは、例えば被覆する金属イオンの添加量や化学分析から算出することができる。また、金属被覆樹脂粒子表面に絶縁樹脂や無機酸化物をコーティングしても良い。
【0026】
導電性粒子6の添加量は、紫外可視光が接着剤3の内部に届くことを妨げない限りにおいて、その添加量に制限はないが、量が多すぎると紫外可視光が内部まで到達できず、接着剤3の硬化を妨げる。そのため、0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜10質量%が紫外可視光を阻害しない点で有効である。
【0027】
接着剤3はさらに、脱泡剤、チキソ性付与剤、粘度調整剤、レベリング散剤、シランカップリング剤、安定剤、イオン交換体などを含むことできるが、紫外可視光を接着剤3の内部まで到達せしめることのできる範囲内で添加することが好ましい。また、接着剤3は通常、無溶剤で使用されるが、使用方法に適応するための粘度調整剤として溶剤を添加することもできる。さらに、接着剤3は、ペースト状接着剤、フィルム状接着剤として調整してもよい。
【0028】
次に、この実施の形態の実装方法に用いる装置について説明する。
図5に、この実装方法に用いる装置30の構成を示す。装置30は、基板1を載置すると共に基板1を加熱する加熱部材であるヒートテーブル31と、紫外可視光を照射する照射部材32と、照射部材32をヒートテーブル31に向かってあるいはヒートテーブル31から離れるように移動させる駆動装置33と、制御部34とを備えている。制御部34は、ヒートテーブル31と、照射部材32と、駆動装置33とのそれぞれに電気的に接続されている。
【0029】
図6に、照射部材32が基板1(
図5参照)に接触する接触面35の構成を示す。接触面35は、紫外可視光が透過可能な透明または半透明の平坦な板部材36から構成されており、板部材36を通して、照射部材32の内部に設けられた紫外可視光の光源37が見えるようになっている。光源37は、制御部34(
図5参照)からの給電によって、紫外可視光を照射するようになっている。尚、光源37としては、LED、メタハライドランプ、キセノンランプ、加圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、カーボンアーク灯、その他波長100〜700nmに発光分布を有する光を発するものを用いることができる。
【0030】
次に、この実施の形態の実装方法について説明する。
図5に示されるように、ヒートテーブル31の上に基板1を載置する。基板1には既に、表面1aにアルミアンテナ2が形成され、少なくともアルミアンテナ2の全体を含む範囲に接着剤3が塗布され、金属電極5がアルミアンテナ2の上方に位置するようにICチップ4が載置されている。ヒートテーブル31の上に基板1を載置する前に、制御部34は予めヒートテーブル31を30〜100℃の範囲の適切な温度に加熱しておく。ヒートテーブル31の上に基板1を載置後、制御部34は、駆動装置33を起動することにより、照射部材32をヒートテーブル31に向かって移動させ、基板1をヒートテーブル31と照射部材32とによって挟む。さらに制御部34は、照射部材32から紫外可視光を照射させ、基板1をヒートテーブル31と照射部材32とによって加圧する。この際に加える圧力は、0.01〜500N/mm
2の範囲で、より好ましくは0.03〜300N/mm
2の範囲で適宜設定される。この加圧の間に、接着剤3に紫外可視光が照射されることにより接着剤3が硬化する。接着剤3が完全に硬化するのに十分な時間だけ加圧及び加熱した後、制御部34は、駆動装置33によって照射部材32をヒートテーブル31から離れるように移動させ、ヒートテーブル31による加熱及び照射部材32からの紫外可視光の照射を終了することにより、基板1へのICチップ4の実装が完了する。
【0031】
既に述べたように、ICチップ4と基板1との間には、紫外可視光が直接には照射されない非照射領域23(
図3参照)が存在する。非照射領域23に塗布された接着剤は、紫外可視光が照射されないので、基本的には硬化しない。しかし、非照射領域23に塗布された接着剤を取り囲む接着剤には紫外可視光が照射されて硬化反応が生じる。この硬化反応は、その周囲に伝播する。その伝播距離は1mm程度であるので、ICチップ4の外接矩形20の短辺22(
図2参照)に平行な方向の非照射領域23の幅Wが2mm以下であれば、非照射領域23に塗布された接着剤を取り囲む接着剤で生じた硬化反応が、非照射領域23に塗布された接着剤全体に伝播することで、非照射領域23に塗布された接着剤も硬化する。その結果、基板1に塗布された接着剤3の全体が硬化するので、ICチップ4は十分な接着強度で基板1に実装される。
【0032】
このように、ICチップ4の外接矩形20の短辺22の長さが2mm以下であることにより、非照射領域23の周辺で生じる接着剤の硬化反応が、ICチップ4によって紫外可視光が遮られる非照射領域23に塗布された接着剤にまで伝播して、非照射領域23に塗布された接着剤も硬化するので、ICチップ4を十分な強度で基板1へ実装することができる。
【0033】
この実施の形態では、電子部品としてICチップ4及び発光ダイオード14を例にして説明したが、これらに限定するものではない。紫外可視光が照射されることによって硬化する接着剤によって接着される電子部品であれば任意のものであってもよい。
【0034】
この実施の形態では、接着剤3が導電性粒子6を含んでいたが、導電性粒子を含まない接着剤を用いてもよい。ただし、この場合には、アルミアンテナ2に金属電極5の少なくとも一部が接するようにして、ICチップ4または発光ダイオード14を基板1に実装する必要がある。
【0035】
この実施の形態では、制御部34が照射部材32をヒートテーブル31に向かって移動させていたが、この形態に限定するものではない。照射部材32を固定しておき、ヒートテーブル31を照射部材32に向かって移動させてもよいし、両者を互いに向かって同時にまたは交互に移動させてもよい。
【0036】
この実施の形態では、接着剤3に紫外可視光を照射させるときに、ヒートテーブル31によって加熱も一緒に行っていたが、この形態に限定するものではない。この加熱は、接着剤3の硬化反応を促進するために行うものであるので、ヒートテーブル31の代わりに、加熱を行わない単なる固定台を用いて、紫外可視光の照射のみを行ってもよい。
【0037】
この実施の形態では、ヒートテーブル31の上に基板1を載置していたが、この形態に限定するものではない。接触面35が上方に向くように照射部材32を配置し、基板1を接触面35上に載置する形態であってもよい。この場合、照射部材32の上方にヒートテーブル31が配置され、ヒートテーブル31を照射部材32に向かって移動させてもよいし、照射部材32をヒートテーブル31に向かって移動させてもよいし、両者を互いに向かって同時にまたは交互に移動させてもよい。
【実施例】
【0038】
次に、この発明の電子部品の実装方法の効果を実施例で説明する。
表1に、実施例1〜6及び比較例1〜3について、基板に実装される電子部品の種類、当該電子部品による非透過部分の形状及びサイズ、当該非透過部分の外接矩形の短辺の長さ、当該非照射領域の面積、当該非照射領域に塗布された接着剤の硬化後の厚さを示す。
【0039】
【表1】
【0040】
光硬化型異方導電接着剤の調製
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER828、ジャパン・エポキシレジン社製)100重量部、光カチオン重合開始剤(IRGACURE250、チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)3重量部、粘度調製剤(アエロジル200、日本アエロジル社製)2重両部、導電粒子(ブライト20GNR4.6−EH、日本化学工業社製)5重量部を自転・公転式真空ミキサーを用いて混練し、光硬化型異方導電接着剤を得た。
【0041】
実施例1〜6及び比較例1〜2について
アルミアンテナが形成された基板上において少なくともアルミアンテナの全体を含む範囲に、上記光硬化型異方導電接着剤を、硬化後の厚さが30μmとなるように塗布した。そこに、表1に示された各電子部品を載置し、電子部品が載置された基板を、この発明の電子部品の実装方法に用いる装置(
図5参照)のヒートテーブル31の上に置いた。その後、既に説明した実装方法によって、ヒートテーブル31に置かれた基板を70℃で加熱するとともに1.5N/mm
2で加圧し、さらに照射部材32から基板に紫外可視光(波長365nm、照度1000mW/cm
2)を5秒間照射し、光硬化型異方導電接着剤を硬化させて、各電子部品を各基板に接着した。
【0042】
実施例6の電子部品は、紫外可視光を透過可能な透明な材料からなる発光ダイオードであるので、非透過部分の形状及びサイズとは、発光ダイオードの金属電極の形状及びサイズであり、非透過部分の外接矩形の短辺の長さとは、金属電極の外接矩形の短辺の長さであり、非照射領域の面積とは、金属電極の面積に相当する。
【0043】
比較例3について
アルミアンテナが形成された基板上において少なくともアルミアンテナ2の全体を含む範囲に、上記光硬化型異方導電接着剤を、硬化後の厚さが350μmとなるように塗布した以外は、実施例1〜6及び比較例1〜2と同様の方法で電子部品を基板上に実装した。
【0044】
実施例1〜6及び比較例1〜3の、基板に実装された電子部品について、テスターを用いて導通の有無を確認した後、電子部品を引き剥がして、電子部品と基板の表面との間の接着剤の硬化状態を目視及び触手で観察した。それらの結果を表2に示す。尚、導通の有無については、導通が確認された場合を「○」、導通が確認されない場合を「×」とした。また、接着剤の硬化状態については、完全に硬化した場合を「○」、一部に未硬化部分がある場合を「△」、未硬化の場合を「×」とした。
【0045】
【表2】
【0046】
表2に示された結果から、非透過部分の外接矩形の短辺の長さが2mm以下であれば、紫外可視光が直接には照射されない非照射領域に塗布された接着剤も硬化することが確認され、この発明の効果が実証された。また、紫外可視光の照射とともに加圧を行うことで、良好な導通性能を保つことも実証された。