(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、第2の導電フォイルを、所望の誘電率を達成するよう選択されたナノ粉末が詰まっている未硬化又は半硬化誘電材料を有する第3の誘電層でコーティングするステップと;
前記第3の誘電層の露出面を前記第2の導電層に結合するステップと;
前記第3の誘電層の前記誘電材料を硬化させるステップと;
を具えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記第1の領域の大きさ及び前記第2の誘電層の容量密度が、所望の1平方インチ当たり約22ナノファラッドの容量値を達成するよう選択されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
前記第1の導電層及び前記第1の導電フォイル間のインピーダンスが所望の閾値よりも小さい場合に、前記第2の誘電層が欠陥を有することを特徴とする請求項11に記載の方法。
前記第1の導電層に前記第2の誘電層の露出面を結合するステップが、前記第2の誘電層及び前記第1の導電フォイル間にエポキシ層を使用するステップを有していることを特徴とする請求項11に記載の方法。
前記電子的相互接続プラットフォームがさらに、前記平らな容量性積層体、前記1又はそれ以上の信号層、及び前記第1の回路部品を収容するチップスケールパッケージを具えていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【背景技術】
【0003】
電子回路デバイスが、一般にデジタル及びアナログ回路の双方で使用されている。デジタル信号処理では、信号があるバイナリーレベルから別のバイナリーレベルに切り変わる。このような信号は、多くの場合、回路基板上のその経路に沿った抵抗、静電容量、及び/又はインダクタンスにより歪んでしまう。さらに、あるバイナリーレベルから別のバイナリーレベルに切り変えると、多くの場合、さらに他の歪み及び例えばノイズといったスプリアス信号、及び回路基板の他の電気経路上に誘導信号を生じる。回路設計及び回路基板の製造の分野では、電磁的干渉を減らし、信号を減結合し、共振を減少又は減衰させ、電流/電圧ノイズを抑え、信号の質を改善し、信号をフィルタリングし、さらなるいくつかのこのような目的及び/又は機能のために、コンデンサが一般に採用されている。
【0004】
歴史的に、高周波の減結合(例えば、共振の減衰、ノイズの抑制、等)のために特定のアクティブデバイスでディスクリートのバイパスコンデンサを使用しており、設計者がスペースの制約に直面しない場合に現在でも採用されている。しかしながら、回路の複雑さが増し電子製品のサイズが小さくなると、回路基板の表面のスペースが多くの場合限定され、表面実装される多くの減結合コンデンサのための余地が無くなる。さらに、ディスクリートのコンデンサによって要する電気ビアは、高周波において望ましくない寄生インダクタンスを引き起こしてしまう。このため、基板に実装される各集積回路の近くに取り付けられるバイパスコンデンサの必要性を無くすよう、内蔵型減結合コンデンサ(又は埋込型コンデンサ)が一般に使用される。
【0005】
内蔵型の減結合コンデンサを提供する試みが当技術分野で知られている。例えば、Howardらの米国特許番号第5,079,069号で、2枚の導電材料に挟まれた1枚の誘電材料を具えている集積内蔵型コンデンサが提供されている。このように、Howardは、デバイスのランダムな動作に応じて、個別のデバイスに比例した一部のコンデンサ層及びコンデンサ層の他の部分から借りた静電容量によって各個別のデバイスに静電容量を提供するプリント回路基板(PCB)を開示している。
【0006】
Howardらによって開示された集積容量層を使用するPCBは、デバイスに静電容量を与える点で一般に成功している一方、特定の適用例では、このような集積容量層によって与えられる静電容量が限られ又は不十分である。例えば、それらの干渉及びノイズの可能性のため、特定の高出力、高切替スピードの集積回路(IC)デバイスが、多くの場合、Howardらによって開示されたのと同じ集積容量層によって与えられ得るのを超える減結合コンデンサを必要とする。このような環境では、回路設計者は、ICEデバイスのための十分な減結合静電容量を与えるよう、局在の表面実装されたさらなるコンデンサを採用する。しかしながら、このような局在の表面実装されたコンデンサは、上述した理由のために望ましくない。
【0007】
また、従来技術のコンデンサは、電子デバイスが全て同じ内蔵型容量層に結合されていることでデバイス間に潜在的な干渉を引き起こすという点で、さらなる欠点に悩まされている。例えば、高出力、高切替スピードのICデバイスは、相当な電圧及び/又は電流変化、又は容量層に結合する回路基板上の他の低ノイズのデバイスと干渉する可能性のあるノイズを引き起こす。
【0008】
高出力、高切替スピードのICの静電容量を増やす必要性に対処するために、静電容量を増やした集積容量層が開発されており、いくつかの層が積層され平行に結合されている。例えば、Laufferらによる米国特許番号第6,739,027号は、第1の導電フォイルを採用し誘電層で両面をコーティングすることによって製造される容量性PCBを開示している。また、第2及び第3の導電フォイルの片側が誘電体でコーティングされており、各フォイルが第2の及び第3のフォイルのコーティングしていない側によって第1の誘電体に取り付けられている。そして、第2及び第3のフォイルを、互いに平行に結合されるトータルで4つの容量面を形成する回路化したコアにそれぞれ積層することで、容量密度を増やす。
【0009】
このように、Laufferらは、Howardらと同様に、個別のデバイスに比例する一部のコンデンサ層によって各個別のデバイスに静電容量を与え、デバイスの偶発的なファイヤリングに応じて容量層の他の部分から借りた静電容量を与えるPCBを提供している。Laufferらは容量密度を増やしているが、デバイスは依然として同じ容量層を共有している。このため、低ノイズのデバイスが、上記のような高出力、高切り替えスピードのICデバイスによって発生するノイズの干渉の影響を継続的に受け易くなる。
【0010】
粉末の樹脂材料でできた薄い誘電層又は充填樹脂系の使用が、容量密度を増やし得るその高い誘電率のために当技術分野で知られている。Laufferらは、薄い未硬化(B−ステージ)の誘電体の使用を組み込んだPCBを開示している。しかしながら、Laufferらによって開示された積層集積容量層の製造プロセスは、これらの薄い誘電体を使用する場合に難しくなっている。薄い誘電体へのナノ粉末の充填は非常に脆く、実質的には特別な対処及び処理無しには製造することが不可能である。さらに、薄い誘電体を使用すると、誘電体を挟んでいる導電フォイルに電気的な完全性を落とす介在物又は欠陥が導入される可能性が高くなり、コンデンサ内での短絡又は発火のリスクが発生する。積層容量性素子が完成するまで短絡の検査は不可能である。欠陥が発見される場合、PCB全体を廃棄しなければならず、高い金銭上のロスの可能性につながる。
【0011】
このため、当技術分野において、平行に結合して容量密度を増やし得る、又は代替的にノイズを発するデバイス及び静かなデバイスに別々の静電容量を与え得る、回路基板にナノ充填することで、積層集積又は内蔵型コンデンサに薄い誘電厚さ及び高いDkを提供する長年にわたる必要性がある。また、次のコア層又は回路層を加える前に積層容量コアにおいて不具合及び欠陥を特定する長年にわたる必要性がある。
【発明の概要】
【0012】
一態様が、高い容量密度を備えた容量性積層体を製造するための方法を提供する。第1の導電層及び第2の導電層間に挟まれた第1の誘電コア層を有する平らなコア容量性基板が形成される。コア容量性基板は、さらなる導電層及び誘電層を結合するための構造的剛性を与える。第1の導電フォイルを、所望の誘電率を達成するよう選択されるナノ粉末が詰まっている未硬化又は半硬化誘電材料を有する第2の誘電層でコーティングする。第2の誘電層の露出面を第1の導電層に結合し、その後で第2の誘電層の誘電材料を硬化させる。
【0013】
第1の導電層に1又はそれ以上のクリアランスのパターンを形成する。第2の誘電層を第1の導電層に結合する前に、第1の導電層の1又はそれ以上のクリアランスにエポキシを充填する。第2の誘電層を第1の導電層に結合する前にエポキシを硬化させる。第2の誘電層を第1の導電層に結合する前にエポキシを平らにする。
【0014】
さらに、第2の導電フォイルを、所望の誘電率を達成するよう選択されるナノ粉末が詰まっている未硬化又は半硬化誘電材料を有する第3の誘電層でコーティングする。第3の誘電層の露出面を第2の導電層に結合し、第3の誘電層の誘電材料を硬化させる。
【0015】
第1の導電フォイル及び第1の導電層が第1の容量性素子を規定し、第2の導電フォイル及び第2の導電層が第2の容量性素子を規定する。第1の導電層と第2の導電フォイルとの間に第1の導電ビアを形成する。同様に、第2の導電層と第1の導電フォイルとの間に第2の導電ビアを形成する。容量密度が高い容量性素子を、第1の導電層及び第2の導電フォイル間並びに第2の導電層及び第1の導電フォイル間に形成する。
【0016】
別の実施例では、第1の導電層と第1の導電フォイルとの間に第1の絶縁容量性素子を形成する。第2の導電層と第2の導電フォイルとの間に第2の絶縁容量性素子を形成する。同様に、第1の導電層と第2の導電層との間に第3の絶縁容量性素子を形成する。
【0017】
一態様によれば、コア容量性基板の少なくとも一方の側に、1又はそれ以上の交互に並ぶ導電フォイル及び誘電層を結合する。コア容量性基板の上に誘電層を積層する際に、誘電層の完全性を検査する。
【0018】
ある実施例では、第2の誘電層が誘電膜を有しており、第2の誘電層で前記第1の導電フォイルをコーティングするステップが、第1の導電フォイルの上に誘電膜を積層するステップを有している。
【0019】
ある実施例によれば、第2の誘電層の厚さが第1の誘電層の厚さよりも薄い。第2の誘電層を、約0.004ミル(mil)及び1.25ミル間の厚さにコーティングしてもよい。一実施例では、第2の誘電層を、約0.3ミル(mil)以下の厚さにコーティングしてもよい。第1の導電フォイル及び第2の導電フォイルが、0.12ミル及び4ミル間の厚さを有する超薄膜でもよい。コア容量性基板が、約0.25及び4ミル間の厚さを有している。第2の誘電層が、1平方インチ当たり5ナノファラッドと60ナノファラッドとの間の容量密度を与える。
【0020】
別の実施例によれば、第1の導電フォイルに、第1の導電フォイルの残りの部分から電気的に絶縁された第1の領域を形成する。第1の領域及び第1の導電層が、第1の導電フォイルの残りの部分及び第1の導電層から分離した容量性素子を形成する。第1の領域の大きさ及び第2の誘電層の容量密度が、所望の容量値を達成するよう選択される。
【0021】
結果的に、(a)第1の導電層及び第2の導電層間に挟まれた第1のコア誘電層を有する平らなコア容量性基板であって、さらなる導電層及び誘電層を結合するための構造的剛性を与えるコア容量性基板と;(b)第1の導電層に結合された第1の平面を有する第2の誘電層であって、第1のコア誘電層よりも薄く、所望の誘電率を達成するよう選択されたナノ粉末が詰まっている誘電材料を有する第2の誘電層と;(c)第2の誘電層の第2の平面に結合された第1の導電フォイルであって、第2の誘電層の厚さが、第1の誘電層の厚さよりも薄い第1の導電フォイルと;及び/又は(d)容量性コア基板の少なくとも一方の側に結合された1又はそれ以上の交互に並ぶ導電フォイル及び誘電層と;を具えた高い容量密度を具えた容量性積層体が提供される。第1及び第2の導電層並びに第1の導電フォイルが、交互に並んだ電力面及び接地面である。第1及び第2の導電層の少なくとも一方が、1又はそれ以上のクリアランスのパターンを有している。一実施例では、第2の誘電層が、約0.004ミル及び1.25ミル間の厚さにコーティングされている。別の実施例では、第1の導電膜が、1ミル及び4ミル間の厚さ又は0.12ミル及び1ミル間の厚さを有する超薄膜である。第2の誘電層が、1平方インチ当たり5ナノファラッド及び60ナノファラッド間の容量密度を与える。
【0022】
また、多層の内蔵型容量性積層体を製造するための方法が提供されている。第1の導電層及び第2の導電層間に挟まれた第1の誘電コア層を有する平らなコア容量性基板を形成する。コア容量性基板は、さらなる導電層及び誘電層のための構造的剛性を与える。第1の導電フォイルを、未硬化又は半硬化誘電材料でコーティングして、第2の誘電層を形成する。未硬化又は半硬化誘電材料には、所望の誘電率を達成するよう選択されるナノ粉末が詰まっている。第1の導電層に第2の誘電層を結合して、第2の誘電層の完全性を検査する。第2の誘電層に欠陥が見付かった場合に容量性積層体を廃棄する。第1の導電層及び第1の導電フォイルが電気的に結合される場合に、第2の誘電層が欠陥を有する。また、第1の導電層及び第1の導電フォイル間のインピーダンスが所望の閾値よりも小さい場合に、第2の誘電層が欠陥を有する。第1の導電層に第2の誘電層の露出面を結合するステップが、前記第2の誘電層及び第1の導電フォイル間にエポキシ層を使用する。第1の導電フォイルの上に追加層を結合する前に、第2の誘電層の完全性が検査される。
【0023】
追加的に、未硬化又は半硬化誘電材料で第2の導電フォイルをコーティングして、第3の誘電層を形成する。第3の誘電層の露出面を前記第2の導電層に結合し、第3の誘電層の完全性を検査する。第3の誘電層の露出面が、第2の誘電層の露出面が第1の導電層に結合されるのと同時に、前記第2の導電層に結合される。第2の誘電層及び第3の誘電層の完全性が同時に検査される。
【0024】
同様に、コア容量性基板の少なくとも一方の側に、1又はそれ以上の交互に並ぶ導電フォイル及び誘電層を加える。容量性積層体に誘電層が加えられる際に、各誘電層の完全性を検査する。
【0025】
多層の内蔵型容量性積層体を製造するための別の代替的な方法では、第1の導電層及び第2の導電層間に挟まれた第1の誘電コア層を有する平らなコア容量性基板であって、さらなる導電層及び誘電層のための構造的剛性を与えるコア容量性基板を形成する。第1の導電層を、所望の誘電率を達成するよう選択されたナノ粉末が詰まっている未硬化又は半硬化誘電材料でコーティングして、第2の誘電層を形成する。第2の誘電層の露出面の上に第1の導電フォイルを結合し、第2の誘電層の完全性を検査する。
【0026】
結果として、(a)第1の導電層及び第2の導電層間に挟まれた第1の誘電層を有する平らなコア容量性基板であって、第1の誘電層がさらなる導電層及び誘電層のための構造的剛性を与える平らなコア容量性基板と;(b)第1の導電フォイル及び第1の導電層間に挟まれた第2の誘電層であって、第1の誘電層よりも薄く、ナノ粉末が詰まっている誘電材料を有している第2の誘電層と;(c)第1の導電層及び第2の導電層間に規定される第1の絶縁容量性素子と;(d)第1の導電フォイル及び第1の導電層間に規定される第2の絶縁容量性素子と;(e)第2の導電層及び第2の導電フォイル間に挟まれた第3の誘電層と;及び/又は(f)第2の導電層及び第2の導電フォイル間に規定される第3の絶縁容量性素子と、を具えた容量性積層体が提供される。第1の導電ビアを、第1の導電層及び第2の導電フォイル間に結合し、第2の導電ビアを、第2の導電層及び第1の導電フォイル間に結合して、容量密度の高い容量性素子を、第1の導電層及び第2の導電フォイル間並びに第2の導電層及び第1の導電フォイル間に形成する。
【0027】
第1の導電層及び第2の導電フォイルが電力層として機能する一方、第2の導電層及び第1の導電フォイルが接地層として機能する。
【0028】
一実施例では、第2の誘電層の厚さが、第1の誘電層の厚さよりも薄い。例えば、第1の誘電層は、約0.5及び4ミル間の厚さであり、第1及び第2の導電層が、それぞれ約0.5及び6ミル間の厚さであり、第2の誘電層が、約0.08及び1.25ミル間(又は0.004及び1ミル間又は約0.3ミル以下)の厚さであり、第1の導電フォイルが約0.25及び1.5ミル間(又は1及び4ミル間又は0.12及び1ミル間)の厚さである。第1の導電フォイルが、第1の導電フォイルから電気的に絶縁された第1の領域を有しており、第1の領域及び第1の導電層が、第1のディスクリート型容量性素子を規定する。第1の領域の第1の部分が、第1のディスクリート型容量性素子について所望の容量値を得るよう選択される。
【0029】
また、電子的相互接続プラットフォームを製造するための方法が提供されており、この方法は、(a)平らな内蔵型容量性積層体を形成するステップと、(b)内蔵型容量性積層体の少なくとも一方の側に1又はそれ以上の信号層を結合するステップと、を具えている。容量性積層体は、(a)第1の導電層及び第2の導電層間に挟まれた第1の誘電層を有し、さらなる導電層及びより薄い誘電層のための構造的剛性を与える平らなコア容量性基板と;(b)平らなコア容量性基板の少なくとも一方の側に結合された1又はそれ以上の交互に並ぶ誘電層及び導電フォイルであって、1又はそれ以上の誘電層が、ナノ粉末が詰まっている誘電材料を有し、第1の誘電層よりも薄い誘電層及び導電フォイルと;を有しており;(c)第1、及び第2の導電層並びに1又はそれ以上の交互に並ぶ誘電層及び導電フォイルが、分離した容量性素子として機能するよう構成される。1又はそれ以上の導電フォイルの中の第1の導電フォイルに、第3の導電フォイルから電気的に絶縁された第1の領域を形成する。第1の領域及び隣接する導電層が、第1の導電フォイルの残りの部分から電気的に分けられた第1の分離した容量性素子を規定する。また、本方法を使用して、平らな内蔵型容量性積層体及び1又はそれ以上の信号層を収容するチップスケールパッケージを形成してもよい。
【0030】
結果的に、平らな内蔵型容量性積層体及び内蔵型容量性積層体の少なくとも一方の側に結合された1又はそれ以上の信号層を具える電子的相互接続プラットフォームが提供される。内蔵型容量性積層体は、(a)第1の導電層及び第2の導電層間に挟まれた第1の誘電層であって、さらなる導電層及び誘電層のための構造的剛性を与える第1の誘電層を有する平らなコア容量性基板と;(b)平らなコア容量性基板の少なくとも一方の側に結合された1又はそれ以上の交互に並ぶ誘電層及び導電フォイルとを有しており、1又はそれ以上の誘電層が、ナノ粉末が詰まっている誘電材料を有しており;及び/又は(c)第1及び第2の導電層並びに1又はそれ以上の交互に並ぶ誘電層及び導電フォイルが、分離した容量性素子として機能するよう構成可能である。
【0031】
また、電子的相互接続プラットフォームは、外部の信号層に結合され、内蔵型容量性積層体の第1の導電フォイル及び第1の導電層間に形成された第1の分離した容量性素子に電気的に結合された、第1の回路部品を具えている。さらに、第1の回路部品を、内蔵型容量性積層体の第1の導電層及び第2の導電フォイル間に形成された第2の分離した容量性素子であって、第1の分離した容量性素子とは別個の第2の分離した容量性素子に結合してもよい。さらに、電子的相互接続プラットフォームは、平らな内蔵型容量性積層体、1又はそれ以上の信号層、及び第1の回路部品を収容するチップスケールパッケージを具えている。追加的に、1又はそれ以上の導電フォイルの中の第3の導電フォイルの第1の領域が、第3の導電フォイルから電気的に絶縁されており、第1の領域及び隣接する導電フォイルが、第3の導電フォイルの残りの部分から電気的に絶縁された第1のディスクリート型コンデンサを規定する。
【0032】
本発明の他の態様及び利点が、添付図面及び実施例とともに本発明の好適な実施例の以下の詳細な説明で明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の説明において、多くの特定事項が本発明の深い理解を与えるよう説明されている。しかしながら、当業者は、本発明をこれらの特定事項なしに実施してもよいことを認識するであろう。他の例では、既知の方法、手順、及び/又は構成要素が、本発明の態様を不必要にわかりにくくしないように詳細に説明されている。
【0035】
以下の説明において、特定の用語を使用して本発明の1又はそれ以上の実施例の特定の態様を説明する。例えば、「コア」は1又はそれ以上の層を機械的に支持する基板に関する。「コア」は、1又はそれ以上の回路基板層が一方又は双方の側に取り付けられる1又はそれ以上のベース層を含んでもよい。「内蔵型」という用語は、プリント回路基板の表面の下方の場所に関する。「フォイル」という用語は、金属及び/又は導電材料の薄い(例えば、構造的な剛性が無い)柔軟性のある層に関する。「電子相互接続プラットフォーム」という用語は、電子部品に取付及び/又はこれを形成するためのベースを与える、絶縁材料及び/又は導電トレース及び/又はビアを具えた導電材料の1又はそれ以上の層を含む、プリント回路基板、PCB、回路基板、基板、チップモジュール、及び/又はマルチチップに関する。これらの用語は、特に、従来の多層基板、シリコン基板、チップスケールデバイス、チップスケールパッケージ、半導体デバイスを含む、様々な適用例で使用される全てのサイズ及び寸法の導電層及び/又は誘電層を含んでいる。
【0036】
第1の新規の態様は、コア容量性基板上に容量性素子(例えば、交互に並ぶ誘電層及び導電フォイル)の薄膜を積層することによってコア容量性積層体の容量密度を増やすための方法を提供する。導電フォイル層間にナノ粉末が詰まっている(樹脂)誘電層を使用することによって、容量性素子の誘電率を修正又は調整し、コア容量性積層体の容量密度を増やしてもよい。誘電層及び導電フォイルの使用により容量密度を増やし得る一方、容量性積層体の全体の厚さを制限する。
【0037】
第2の新規の態様は、容量性積層体を製造するための方法を提供するもので、容量層を容量性積層体に加えたときに又は複合材料にしたときに、容量層の欠陥を検査し得る。2つの導電層/フォイル間に挟まれた誘電層を有するコア基板を形成する。コア基板が半硬質又は硬質となり、柔軟な導電フォイルを積層する構造を与えるように、誘電層を硬化させる(C−ステージ)。そして、導電フォイルを未硬化又は部分的に硬化したナノ粉末が詰まっている誘電材料(B−ステージの樹脂)でコーティングし、未硬化又は半硬化の誘電材料がコア基板の導電層に隣接した状態で、コア基板のいずれかの側に積層する。多層回路基板を製造した際に、未硬化のナノ粉末が詰まっている誘電材料でコーティングした追加の導電フォイルを、積層、硬化、及び検査してもよい。このような積層、硬化、及び検査により、積層したコンデンサに関する問題の早期の発見が可能となる。
【0038】
第3の新規な態様は、回路基板、マルチチップモジュール、及び/又は半導体パッケージの1又はそれ以上のデバイスに個別のデバイスに特有な減結合静電容量を提供するよう構成された容量性積層体を有するプリント回路基板を提供する。このため、PCB上の全ての電子デバイスを共有された内蔵型静電容量で減結合する代わりに、このような態様は異なる電子デバイスに結合し得る複数の分離した容量性素子を提供する。
【0039】
第4の新規な態様は、1又はそれ以上の回路部品及び/又は半導体パッケージに局在減結合静電容量を与えるよう多層回路基板の中で使用されるコア容量性積層体に内蔵型の1又はそれ以上のディスクリートのコンデンサを提供する。コア容量性積層体の中に形成される1又はそれ以上のコンデンサを、1又はそれ以上の回路部品及び/又は半導体デバイスの容量の必要性を満足する様々な値を有するような大きさにしてもよい。また、追加的に、ディスクリートのコンデンサは、様々な部品のための電力の隔離を与える。積層体に誘電層及び導電フォイルを加える際に、回路基板の中に積層体を内蔵する前に、積層したコンデンサの信頼性を構成及び検査してもよい。
【0040】
第5の新規な態様は、チップスケールパッケージの中の容量性積層体の使用して、減結合静電容量を1つのソースに近付けることで、高い動作周波数での望ましくない寄生インダクタンスを減らすことを提供する。
【0041】
コア容量性積層体の容量密度の増加
従来技術では、1つの容量性の平らなコアを使用して、回路基板に減結合静電容量を提供している。しかしながら、より高い周波数に適合するために容量性コアの容量密度が増加すると、一般に容量性コアの厚さを大幅に減らすことが必要となる。これは、回路基板の厚さを増加させてより高い周波数での寄生インダクタンスを増やすため容量性コアの厚さが増加することが望ましくないためである。
【0042】
従来技術の欠点を扱うために、1つの態様が、コアベース基板上に容量性素子(例えば、交互に並んだ誘電層及び導電層)の薄膜を積層することによってコア容量性積層体の容量密度を増加させる。導電層の間のナノ粉末(樹脂)が詰まっている誘電層を使用して、コア容量性積層体の容量密度を増やすることによって、容量性素子の誘電率を修正又は調整してもよい。
【0043】
図1は、一実施例に係る内蔵型容量性積層体の部分として使用してもよいコア容量性基板100の構成を示す。コア容量性基板100は、第1の導電層又はフォイル102及び第2の導電層又はフォイル106に挟まれたコア誘電層104を有している。コア誘電層104は、硬化又はC−ステージの誘電材料でできている。コア容量性基板100にC−ステージの誘電層を使用することで、積層コンデンサの次の層の剛性を増加させる。様々な実施例では、コア誘電層104が、ポリイミド、テフロン(登録商標)、エポキシ、樹脂、及び/又は薄膜でよい(これらを有してよい)。このように、コア容量性基板100が、さらなる誘電及び導電層を加えてさらなる容量性素子を形成するベースとして機能する。コア誘電層104に結合する前後に第1の導電層102及び第2の導電フォイル106にパターンを形成して、例えば容量性積層体の2又はそれ以上の導電層に電気的に接続するよう使用する又は回路の1又はそれ以上の電機部品に結合するよう使用する接地及び/又は電力クリアランス又は分離部108を形成してもよい。ある実施例では、クリアランス108を、例えばエッチングといった導電層102及び/又は106の化学的又は機械的処理で形成してもよい。
【0044】
コア容量性基板100は、より薄くて処理しにくい誘電層及び/又は導電層を交互に又は相互接続するよう積層して容量密度を増やす硬質又は半硬質の平らな構造体又は基板として機能する。
【0045】
ある実施例及び実施形態によれば、誘電層104が、ほぼ0.5乃至4ミル(mil)間の厚さであり、各導電層102及び106が0.25乃至6ミル間の厚さである。
【0046】
ある実施例では、エポキシ又は他の充填ペースト(例えば、非導電又は誘電材料)の層110及び112を、第1の導電層/フォイル102及び/又は106の平らな面に加えて、空洞、欠陥、及び/又はクリアランス108を埋める。これらの空洞、欠陥、及び/又はクリアランス108を埋めることで、コア容量性基板に積層及び結合される次の薄膜の変形を防ぎ易くなる。例えば、コーティング又は浸すことによって、導電層102及び106の空洞、欠陥、及び/又はクリアランス108を埋めるよう十分に厚いエポキシ又は充填ペースト(例えば、誘電体ペースト、エポキシインク、等)を適用してもよいことに留意されたい。埋まったクリアランスを符号108′で示す。
【0047】
そして、エポキシ又は充填剤110及び112を硬化又は半硬化させ、(例えば、平らに研磨することによって又は他の化学的又は機械的プロセスによって)その後で平らにして余分なエポキシ又は充填ペーストを除去しほぼ平らな面を形成する。導電層102及び/又は106が露出するように、クリアランス108′のエポキシ又は充填ペースト以外の完全に又は部分的に余分なエポキシ又は充填ペーストを平坦化により除去してよい。
【0048】
図2は、コア容量性基板100にさらなる容量層を加えて、容量密度が増加した一実施例に係る容量性積層体200を形成することを示す。容量性積層体200は、第3の導電フォイル202及び薄い第1の誘電層204をコア容量性基板100の一方の側に結合することによって形成する。第1の誘電層204の露出面を第1の導電フォイル102の露出面に結合して容量性素子210を形成する。同様に、第4の導電フォイル208及び薄い第2の誘電層206をコア容量性基板100の反対側に結合してもよい。第2の誘電層206の露出面を第2の導電フォイル106の露出面に結合して、別の容量性素子212を形成する。ある実施例では、第3の導電フォイル202及び第1の誘電層204及び第4の導電フォイル208及び第2の誘電層206を、同時にコア容量性基板100に結合又は加える。
【0049】
例えば、コア誘電層104に結合した後に第3の導電フォイル202及び第4の導電フォイル208にパターンを形成して、例えば電力及び/又は接地クリアランス又は分離部214及び224を規定又は形成してもよい。このようなクリアランス214及び224により、1又はそれ以上の容量性積層体200に及び/又はこれらを通して後で適切な電気的接続を形成し得る。ある実施例では、さらなる層を第3の導電フォイル202及び第4の導電フォイル208に結合する前に、クリアランス214及び224をエポキシ又は充填ペースト(214′及び224′で示す)で埋めてもよい。他の実施例では、第3導電フォイル202及び第4の導電フォイル208が十分に薄い場合、後で加えられる誘電層の未硬化の誘電材料によって簡単に埋めてもよい。
【0050】
誘電層204及び206はナノ粉末を充填した誘電材料を有している。様々な実施例では、誘電層204及び206が、ローラー、ラミネート加工、スクリーン印刷、粉末又はカーテン式塗布、スプレー、蒸着、及び/又は浸漬といった当技術分野で既知の手段によって、導電フォイル(例えば、クーパーフォイル)202及び208にそれぞれコーティング、積層及び又は結合されている。これら又は他の既知の方法を、導電フォイルへの薄い均一な誘電膜/層の形成に使用してもよい。ある実施例では、誘電層204及び/又は206は、コア容量性基板100に結合し得る未硬化又は半硬化状態のポリマー、ゾル−ゲル、薄膜である。誘電層204及び又は206で使用される材料に応じて、コア容量性基板100へのより良好な接着のために、さらなる薄い接着層を加えてもよいことに留意されたい。一実施例では、誘電層204及び/又は206及び/又は導電フォイル202及び/又は206は十分に薄く、容量性積層体200及び/又はそれを使用するプリント回路基板の全体の厚さを減らす。例えば、誘電層204及び206は、それぞれ、0.1乃至24マイクロメートル(ミクロン)である一方、導電フォイル202及び/又は206は、それぞれ、1/8オンス及び6オンスのフォイルである。できる限り薄い容量性積層体200及び/又はプリント回路基板を作製することが、高周波で容量性積層体100に関する寄生インダクタンスを減らす点で望ましい。所望の誘電率(Dk)のナノ粉末が詰まっている材料を使用することによって、容量性積層体200の容量密度が増減する。例えば、ナノ粉末が詰まっている樹脂(例えば、Oak MC8TR)を使用して、1平行インチ当たり22ナノファラッドを達成する。さらに、容量性積層体における容量層の数を増やして、その容量密度を増やす。一例として、複数の容量層を組み合わせて使用することによって、(例えば、各層が1平方インチ当たり22ナノファラッドを与える)2つの誘電層204及び/又は206を使用することによって、1平方インチ当たり44ナノファラッド(又はそれ以上)のトータルの静電容量を達成する。適切な誘電材料を選択することによって、又は誘電層及び導電層の数を増やすことによって、より大きな容量密度を達成する。
【0051】
一般に、ナノ粉末を詰めた誘電材料の薄膜は非常に脆く、多層回路基板を製造する際に扱いにくい。しかしながら、ほぼ硬いコア容量性基板100の上に未硬化又は部分的に硬化した形式で薄い誘電層204及び206を蒸着又は結合することによって、薄い誘電層204及び206の完全性が維持されることで、これらの導電フォイルの高い降伏過程が可能となる。コア容量性基板100が構造上のコアとして機能するため、次の誘電層及び導電層を非常に薄い膜又は超薄膜にすることが可能となり、従来の製造方法よりも薄いこのような容量性積層体を内蔵した容量性積層体及び又は多層回路基板が作製される。
【0052】
コア容量性基板100に結合する際に熱及び/又は圧力によって誘電層204及び206を硬化させてもよい。実質的に硬いコア容量性基板100に結合した後に薄い誘電層204及び/又は206が硬化するため、誘電層の脆さによる誘電層204及び/又は206における欠陥のリスクが減少する。
【0053】
導電フォイルは、各容量性素子210、100、及び212が誘電層によって分けられた少なくとも1の電力面及び1の接地面を含む限り、電力面又は接地面のいずれかである。このため、一実施例では、導電フォイル202及び106が接地面である一方、導電フォイル102及び208が電力面である。代替的に、導電フォイル102及び208が接地面である一方、導電フォイル202及び106が電力面でもよい。導電フォイルは構造的に硬いシート又はあまり硬くない又は全く硬くない薄い紙状の導電層である。例えば、導電フォイル202及び/又は208及び/又は未硬化又は半硬化の誘電層204及び/又は206は、コア容量性基板100に結合する前は柔軟性がある(非剛性の層である)。コア容量性基板100に結合した後に、誘電層204及び/又は206を硬化し、より硬く及び/又は脆くしてもよい。
【0054】
ある実施例では、エッチング又は他の機械的又は化学的プロセスによって、導電フォイル202及び208の一方又は双方にさらなるクリアランス214のパターンを形成してもよい。
【0055】
さらなる誘電層216及び218及び/又は導電フォイル220及び222を、元の導電フォイル202及び208にそれぞれ同じように結合して、容量性積層体200の容量密度を増やしてもよい。また、これらの追加の導電フォイル220及び222のそれぞれにクリアランスをパターン形成してもよい。ある実施例では、導電フォイルにエポキシ又充填ペーストを加えて次の誘電層/導電フォイルを結合する前にクリアランスを埋めてもよいことに留意されたい。さらに別の実施例では、誘電層216は、誘電層が積層及び結合される導電フォイルのクリアランス214を埋めるように未硬化又は半硬化状態である。
【0056】
図3は、高い容量密度を具えた容量性積層体を製造するための方法を示す。第1の導電層と第2の導電層との間に挟まれた第1の誘電コア層を含む平らなコア容量性基板を形成するが、このコア容量性基板は、さらなる導電層及び誘電層を結合するための構造的剛性を与える(ステップ302)。1又はそれ以上のクリアランスのパターンを、第1の導電層及び/又は第2の導電層に形成する(ステップ304)。第1の導電層の1又はそれ以上のクリアランスに、エポキシ又は充填ペーストを充填する(ステップ306)。そして、エポキシを硬化させる(ステップ308)。その後、エポキシを平らにして、第1の導電層の表面が露出されるように余分なエポキシ又は充填ペーストを完全に又は実質的に除去する(ステップ310)。
【0057】
第1の導電フォイルを、所望の誘電率を達成するよう選択されたナノ粉末が詰まっている未硬化又は半硬化の誘電材料を有する第2の誘電層でコーティングする(ステップ312)。そして、第2の誘電層の露出面を第1の導電層に結合し(ステップ314)、第2の誘電層の誘電材料を硬化させる(ステップ316)。ある実施例では、さらなるパターン(例えば、電力/接地面のクリアランス、ディスクリートの容量領域の表現等)を形成してもよい。このようなパターンにエポキシ及び/又は充填ペーストを充填し、平らにすることによって余分なエポキシ又はペーストを除去する。
【0058】
同様に、第2の導電フォイルを、所望の誘電率を達成するよう選択されたナノ粉末が詰まっている未硬化又は半硬化の誘電材料を有する第3の誘電層でコーティングする(ステップ318)。第3の誘電層の露出面を第2の導電層に結合し(ステップ320)、第3の誘電層の誘電材料を硬化させる(ステップ322)。第2の誘電層及び第3の誘電層を、それぞれ第1の導電層及び第2の導電層に同時に結合して硬化させてもよいことに留意されたい。誘電体及び導電フォイルが交互に並ぶ追加層を、コア容量性基板の上に結合してもよい(ステップ324)。
【0059】
ある実施例によれば、コア誘電層104は、0.5乃至4ミル間の厚さ(又は好適には0.5乃至2.0ミル間である)である一方、第1及び/又は第2の導電層102及び106は、それぞれ0.5乃至6ミル間の厚さである。組み合わせた容量性コア(例えば、誘電層102及び第1及び第2の導電層102及び106)の厚さは、約1.5乃至16ミル間である。第2及び/又は第3の誘電層204及び206は、それぞれ第1のコア誘電層104の厚さよりも小さい。例えば、第2又は第3の誘電層204及び206を、それぞれ約0.08乃至1.5ミル間の厚さにコーティングしてもよい。ある実施例では、(例えば)0.004ミルの厚さの誘電層204及び206を、薄膜及び/又は蒸着プロセスを用いて形成してもよい。一実施例では、第2又は第3の誘電層204及び206が、それぞれ約1ミル以下の厚さを有している。導電フォイル202、208、220、及び222は、それぞれ0.12乃至6ミル間の厚さを有している。また、追加の導電フォイル(例えば、0.12乃至6ミル厚)及び追加の誘電層(例えば、0.004乃至1.5ミル厚)を、容量性積層体の一方又は双方の側に結合してもよいことに留意されたい。
【0060】
他の実施例では、コア誘電層104が、約0.75ミル厚又はそれ以上である一方、第1及び/又は第2の導電層102及び106がそれぞれ1乃至4ミル間の厚さである。第2及び/又は第3の誘電層204及び206は、それぞれ第1のコア誘電層104の厚さよりも薄い。例えば、第2又は第3の誘電層204及び206を、それぞれ約0.3ミル以下の厚さにコーティングしてもよい。導電フォイル202、208、220、及び222は、それぞれ0.12乃至1ミル間の厚さを有している。
【0061】
本方法は、適度に硬い容量性コアの上に積層された超薄膜容量層を有する高い歩留まり及び/又は高いボリュームの容量性積層体の製造を提供することに留意されたい。従来技術の方法では、容量性積層体の部分としてのこのような薄い容量層を実現していない。これは、誘電層204及び206の超薄膜が非常に脆くそれらを扱うのが難しいためである。さらに、本書に記載されている技術により、従来技術の容量性積層体よりも1平方インチ当たりにおいてより大きな静電容量を有する容量性積層体を形成し得る。例えば、超薄膜の容量層により、1平方インチ当たり数ナノファラッド(例えば、5ナノファラッド)乃至(multiple)マイクロファラッドまでの容量密度を実現し得る。
【0062】
容量性積層体の製造及び検査方法
図2を参照すると、誘電層204及び/又は206を薄膜又は超薄膜(例えば、4乃至24ミクロン厚)にすることで、誘電層の両側の導電層/フォイル間でのアーク放電又は短絡の原因となる可能性のある介在物及び/又は欠陥が導入される可能性が増える。従来技術では、回路基板が完成するまで、又はさらに悪いことには動作するまで内部層の欠陥が特定されない可能性があった。すなわち、多層回路基板を製造する従来の方法は、一般に基板の全ての層を一度に結合する。しかしながら、ある層の欠陥により回路基板全体が廃棄されることで、材料を浪費してしまう。
【0063】
このような問題を扱うために、一態様がコア容量性基板100への一連の追加層を提供し、それが追加され時点で各誘電層の完全性が検査される。本方法は、コア容量性基板100の一方又は双方の側に1又はそれ以上の容量層(すなわち、誘電層及び導電層)を加え、容量層を加えた時点で各容量層の完全性及び/又は電気的特性を検査することによって容量性積層体200を形成することで、欠陥を早期に発見する。容量層を加えた際に各容量層の検査を行い易くするために、加えた導電又は誘電層にテストホール又はクリアランスを形成して、覆われた/隠された層を調査又はこれらにアクセスし得るようにしてもよい。誘電層及び導電フォイルをコア容量性基板の両側に同時に加え、それらの完全性を同時に検査できることに留意されたい。
【0064】
例えば、第3の導電フォイル202及び第1の誘電層204を通して第1のテストホール216を形成し、第1の導電フォイル102にアクセスする。第1のテストホール216により、積層体200の完全性を落とす第1の誘電層204の欠陥(例えば、介在物又はボイド)を検査し得る。導電フォイル102及び202間に抵抗試験又は高圧試験を実施してもよい。導電層202のひとつに比較的高い電圧を加えてもよく、他の導電層102における対応する電圧を測定する。第1のテストホール214は、第1の導電層102にプローブを結合して高圧試験の際にその電圧を印加及び/又は測定するよう機能する。誘電層204に欠陥がある場合(すなわち、2つの導電層102及び202間で電気的な短絡が存在する場合)、電流が導電層102及び202間を流れ又はアーク放電し、対応する電圧を他の導電層102で検出する。このような欠陥を検出する場合、追加の材料を使用せずに及び/又はリソースを製造せずに容量性積層体200を廃棄してもよい。
【0065】
同様に、第4の導電フォイル208及び第2の誘電層206を通る第2のテストホール224を形成してもよく、これを第2の誘電層206での欠陥(例えば、介在物又はボイド)検査に使用し得る。
【0066】
一実施例では、コア容量性基板100に誘電層204及び/又は206及び導電フォイル202及び/又は208を結合した後にテストホール214及び/又は224を形成する。コア容量性基板100に結合した時点で、例えば、レーザ、ドリル、及び/又は他の手段を使用することによってテストホール214及び/又は224を形成する。
【0067】
さらに他の実施例では、コア容量性基板100に誘電層204及び/又は206及び導電フォイル202及び/又は208を結合する前にテストホール216及び218を形成する。
【0068】
他の実施例では、覆われた導電フォイル又は層にアクセス又はこれらを探査するようテストホールを使用する代わりに、導電層のエッジをオフセット又はシフトさせて異なる層にアクセスする。代替的に、導電層が容量性積層体の側面を通って突出するタブを有しており、個々の導電層を探査し得るようになっている。
【0069】
図4は、一実施例に係る内蔵型コア容量性積層体を製造するための方法を示す。第1のコア誘電層に結合された第1の導電層及び第2の導電層を有する構造的に硬いコア容量性基板(例えば、
図1のコア容量性基板100)を形成する(ステップ402)。コア容量性基板(例えば、Faradflex BC24)は、第1の誘電層に硬化した誘電材料を含むことによって硬く又は実質的に硬い。第1及び第2の導電フォイルに結合する前後に第1の誘電層を硬化させてもよい。第1の導電層に電力面のパターンを形成する(ステップ404)。同様に、第2の導電層に接地面のパターンを形成する(ステップ406)。接地及び/又は電力面のパターンを、第1のコア誘電層に第1及び第2の導電フォイルを結合する前後に既知の方法(例えば、エッチング等)で形成する。接地及び/又は電力面のパターンは、次の電気経路及び/又はビアのためのクリアランスを形成する。
【0070】
第1のコア誘電層を検査して欠陥があるかどうかを判定する(ステップ408)。例えば、第1及び/又は第2の導電層間で高圧試験を実行して、第1のコア誘電層に何らかの欠陥(例えば、介在物及び/又はボイド)があるかどうかを判定する。例えば、第1及び第2の導電層が短絡しているといった何らかの欠陥が見つかった場合、さらなる材料、時間、及び又は労働を消費する前にコア容量性基板を廃棄する(ステップ410)。
【0071】
そして、電力面及び/又は接地面のパターン(例えば、クリアランス)をエポキシ又は充填ペーストで充填する。いくつかの実施例では、余分なエポキシ及び/又は充填ペーストを平らにするか又は除去する。
【0072】
それぞれ未硬化又は部分的に硬化した誘電層(例えば、4乃至24ミクロン厚)でコーティングした薄い導電フォイル(例えば、1/8オンス乃至4オンス)を、パターンを形成したコア容量性基板のいずれかの側に積層又は結合して容量性積層体を形成してもよい。各導電フォイルの誘電層にナノ粉末を充填して誘電率を大きくしてもよい。それらをコア容量性基板に(コア容量性基板の一方又は双方の面に)加える際に、(例えば、誘電層のいずれかの側の導電層間に短絡又はアーク放電を引き起こす)容量性積層体全体の電気的な完全性を落とす誘電層の欠陥(例えば、介在物又はボイド)を検査する。
【0073】
その後、例えば第1の導電フォイルを、第2の誘電層を形成するナノ粉末が詰まっている未硬化又は半硬化の誘電材料でコーティングする(ステップ412)。第1の導電フォイル及び第2の誘電層が、第1の導電層の上に積層される(ステップ414)。例えば、第1の導電フォイル及び第2の誘電層をコア容量性基板に温度及び/又は圧力の下で積層する。コア容量性基板に第1の導電フォイル及び第2の誘電層を結合する際に、熱及び/又は圧力が第2の誘電層を硬化させるよう作用する。また、第1の導電フォイルの上に接地/電力面を形成して、所望の電力/接地形態を実現する(ステップ416)。電気的パターンとともに、第1の導電フォイル及び第2の誘電層を通る見えないテストホールを形成する。このようなテストホールを(例えば、回路パターン領域の外の)周囲領域に沿って配置し、第1の導電層の探査が可能となる。一実施例では、導電フォイル及び/又は誘電層を通るテストホール又はクリアランスを紫外線(UV)YAG又はCO2レーザによって形成する。
【0074】
代替的な実施例では、ナノ粉末が詰まっている未硬化又は半硬化の誘電材料で第1の導電層をコーティングして第2の誘電層を形成し、その後で第2の誘電層に第1の導電フォイルを結合する(例えば、積層する)。さらに別の実施例では、第1の導電層及び第1の導電フォイルを誘電材料でコーティングし、2つの誘電性のコーティングの表面を結合する(例えば、積層する)。
【0075】
そして、第2の誘電層を検査又は検証して、例えば、第2の誘電層に欠陥があるかどうかといった、その電気的な完全性を確認する(ステップ418)。例えば、第1の導電フォイルと第1の導電層との間で高圧試験を実施して、それらが電気的に絶縁されているかどうかを判定する。例えば、プローブを第1の導電層に電気的に接触させて、ある導電フォイル/層に印加した電圧が他の導電フォイル/層で測定されるかどうかを判断する。検査が第2の誘電層の欠陥を示す場合、容量性積層体を廃棄する(ステップ420)。容量性積層体に層を加える際にこのようなプレ検査を実施してもよいため、欠陥のある又は信頼性の無い容量性積層体がその製造工程の早期に特定される。
【0076】
また同様に、第2の導電フォイルをナノ粉末が詰まっている未硬化又は半硬化誘電材料でコーティングして、第3の誘電層を形成する(ステップ422)。そして、第3の誘電層の露出面を第2の導電層に結合して第3の容量性素子を形成する(ステップ424)。代替的な実施例では、第2の導電層をナノ粉末が詰まっている未硬化又は半硬化誘電材料でコーティングして、第3の誘電層を形成し、その後で第3の誘電層の露出面に第2の導電フォイルを結合する(例えば、積層する)。さらに別の実施例では、第2の導電フォイル及び第2の導電層の双方を未硬化又は半硬化誘電材料でコーティングして2つの誘電性のコーティングの露出面を結合する。
【0077】
そして、第3の誘電層の欠陥を同じように検査する(ステップ426)。例えば、第2の導電フォイルと第2の導電層間で高圧試験を実施して、それらが電気的に絶縁されているかどうかを確認してもよい。検査が第3の誘電素子の欠陥を示す場合、容量性積層体を廃棄する(ステップ428)。
【0078】
第1及び第2の導電フォイル及び第2及び第3の誘電層を、同時に容量性積層体に加えてもよい。また、第2及び第3の誘電層を同時に検査してもよい。
【0079】
容量性積層体に1又はそれ以上の容量性素子(例えば、導電フォイル及び誘電層)を加え、それを容量性積層体に加える際に各容量性素子の欠陥を検査する(ステップ430)。
【0080】
追加的に、導電フォイルにパターンを形成して、個別の容量性素子として使用される1又はそれ以上の分離領域を規定してもよい。これらの分離領域のそれぞれを検査して(上述のように)対応する誘電層に欠陥があるかどうかを確認する。
【0081】
第1のコア容量性基板502の上部及び/又は下部に任意の数の容量層を加え、それらを加える際に検査する。例えば、
図5は、一方の側に誘電/導電層のペア504(すなわち、誘電層504a及び導電フォイル504b)を具え、反対側に2の誘電導電層のペア(すなわち、誘電層506b及び導電フォイル506a及び誘電層508b及び導電フォイル508a)を具えたコア容量性素子502(導電層/フォイル502a及び502c、及び誘電層502b)を有する容量性積層体500を示す。
【0082】
絶縁された平らな容量性素子を具えた容量性積層体
別の新規な態様が、高い容量密度を有する平行で平らな容量性素子又は複数の分離したデバイスに特有な減結合容量性素子を与えるよう構成可能なコア容量性積層体を有するプリント回路基板を提供する。このように、実施例に応じて特定の値を具えた高い静電容量又は複数の分離した内蔵型の平らなコンデンサ又はディスクリートの値のコンデンサを与えるよう容量性積層体を選択的に構成する。
【0083】
図6は、コア容量性積層体600を構成して本発明に係る高容量密度を有する平らな容量性素子を与える方法を示す。容量性積層体600は、コア容量性素子602、第1の容量性素子604、及び第2の容量性素子606を有している。コア容量性素子602は、第1及び第2の導電層(フォイル)610及び614間に挟まれた硬化した誘電層612を有している。第2の誘電層618でコーティングされた(又は結合された)第3の導電層616で第1の容量性素子604を形成する。同様に、第2の容量性素子606を第3の誘電層622でコーティングされた第4の導電層620で形成する。
【0084】
第1の導電ビア624が、第3の導電層616及び第2の導電層614に結合されており、これら双方の層は平行な接地層である。クリアランス626は、第1の導電層610からビア624を電気的に絶縁している。第2のクリアランス628は、第4の導電層620からビア624を電気的に絶縁している。
【0085】
第2の導電ビア630は、第1の導電層610及び第4の導電層620に結合されており、これら双方の層が平行な電力層である。第3のクリアランス634が、第2の導電層614からビア630を電気的に絶縁している。第4のクリアランス632が、第3の導電層616からビア630を電気的に絶縁している。
【0086】
本実施例では、高い容量密度を有する内蔵型の平らなコンデンサが、(平行に結合されている)第2及び第3の導電層614及び616及び(平行に結合されている)第1及び第4の導電層610及び620を電気的に結合することによって形成される。このように、第2及び第3の導電層614及び616及び第1及び第4の導電層610及び620の組み合わせの間に形成されたこのような多層の内蔵型の平らなコンデンサにデバイスを結合する。
【0087】
複数レベルの平行層を内蔵型容量性積層体600に加えて非常に高い容量密度を構築してもよく、これにより、競合する他のものよりも1平方インチ当たりにおいて潜在的に非常に高い静電容量を実現する。
【0088】
一実施例では、誘電層612が、約24ミクロンの厚さの誘電材料(例えば、Faradflex 24,Dupont Hk,等)である(又はこれを有する)。誘電層618及び622は、それぞれナノ粉末が詰まっている2乃至24ミクロンの厚さの誘電材料である。容量性積層体600のトータルの厚さは、4乃至8インチ(ミル)である。ナノ粉末は、例えばチタン酸バリウムといった焼成又はプリ焼成材料である。誘電材料及び/又はナノ粉末材料の特性を調整して異なるレベルの性能を達成し得ることに留意されたい。
【0089】
ある容量性積層体600は、回路基板上の1又はそれ以上のデバイスに複数の分離したデバイスに特有な減結合容量性素子を与えるよう構成可能である。このため、共有内蔵型静電容量を具えたPCB上の全ての電子デバイスを減結合する代わりに、このような態様が様々な電子デバイスに結合し得る複数の絶縁された容量性素子を与える。さらに、1つの電子デバイスが、容量性積層体600の異なる容量性素子に結合された異なるリード線を有してもよい。
【0090】
図7は、容量性積層体500を構成して一実施例に係る複数の分離した平らな容量性素子を与える方法を示す。本実施例では、第1の容量性素子702を第1の導電層610と第3の導電層616との間に形成する。ビア706を第1の導電層610及び第1のクリアランス708に結合して、第1の導電層610及び第3の導電層616間で電子デバイスを減結合し得る。
【0091】
第2の容量性素子704を、第2の導電層614及び第4の導電層620間で同じように形成する。ビア710を第2の導電層614に結合してクリアランス712を通すことで電子デバイスを第2の導電層614及び第4の導電層620間で減結合し得る。
【0092】
コア容量性基板602によって(すなわち、第1の導電層610及び第2の導電層614間に)第3の容量性素子602を同様に形成する。第2の導電層614にビア710を結合しクリアランス714及び716に通すことで、(ビア710を通して)第2の導電層614及び(ビア706を通して)第1の導電層610間で電子デバイスを減結合し得る。
【0093】
このような方法では、4つの導電層から成る容量性積層体600を、3つの分離した平らなコンデンサ702、704、及び602を与えるよう構成する。これにより、雑音のある部品(デバイス)をより静かな通電を要する他の部品(デバイス)から分けることが可能となる。
【0094】
1又はそれ以上の所望の容量性素子を与えるよう容量性積層体を構成するこのような概念を、積層体において利用可能な導電層の数及び回路部品の減結合の要請に応じて拡張してもよい。
【0095】
図8は、容量性積層体800を構成して電子部品を減結合するための複数の分離した容量面を与える実施例を示す。容量性積層体800は、間に誘電層を具えた複数の導電フォイル812、814、816、及び818によって形成された複数の交互に並ぶ接地層及び電力層を有している。容量性積層体800は、内蔵され又は多層基板のさらなる回路層838及び842のためのコアとして機能する。これらの追加の回路層838を、容量性積層体800の一方又は双方の平らな面に結合する。このように、容量性積層体800を追加の回路層の間に挟む。積層体800は、回路層838及び842及び/又は回路部品808及び810に関する1又はそれ以上の電圧の1又はそれ以上の電力面及び/又は接地面を与える。また、接地面800は、回路部品808及び810に1又はそれ以上の減結合容量性素子を与える。
【0096】
第1の部品A808(例えば、集積回路デバイス、等)の第1の脚部830が、ビア840を通して第1の導電フォイル812に電気的に接続されている。第1の部品A808の第2の脚部832が、ビア802によって第2の導電フォイル814に電気的に接続されている。ビア802は、クリアランス820によって第1の導電フォイル812から電気的に絶縁されている。第1の容量性素子813が、第1の部品A808にバイパスフィルタリングを与える第1及び第2の導電フォイル812及び814間に形成されている。
【0097】
第2の部品B810は、ビア804によって第3の導電フォイル816に電気的に接続された第1の脚部834を有している。ビア804は、クリアランス822によって第1の導電フォイル812から電気的に絶縁されており、ギャップ及び/又はクリアランス825によって第2の導電フォイル814から絶縁されている。第2の部品B810の第2の脚部836は、ビア806によって第4の導電フォイル818に電気的に接続されている。ビア806は、クリアランス824、826、及び828によって他の導電フォイル812、814、及び816から電気的に絶縁されている。第3の導電フォイル816と第4の導電フォイル818間に、第2の部品B810にバイパスフィルタリングを与える第2の容量性素子815を形成する。
【0098】
図示及び説明した方法で第1の部品A808及び第2の部品B810を容量性積層体800に結合することによって、第2の部品B810を減結合するよう使用される第2の容量性素子815から分かれている第1の容量性素子813により第1の部品A808を減結合する。このため、第1の部品A808が高いノイズ部品である場合、その減結合容量性素子813を動作で干渉しないように他のデバイスから分離し得る。このような方法では、異なる内蔵型減結合容量性素子を有することによって回路基板上の様々な電子デバイスを互いに分離する。実際に、異なる内蔵型容量性素子によって1つの電子部品についての異なる脚部を減結合する。さらに、
図8の実施例では、第2の導電フォイル814及び第3の導電フォイル816間に第3の容量性素子を形成する。
【0099】
第1の容量性素子813が、第1の部品A808に第1の電圧レベルで電力を供給する一方、第2の容量性素子815が、第2の部品B810に第2の電圧レベルで電力を供給することに留意されたい。様々な実施例では、第1及び第2の電圧レベルが同じであるか又はそれらが異なっていてもよい。
【0100】
図9は、容量性積層体900を構成して電子部品を減結合するための複数の別々のバイパスコンデンサを形成する別の実施例を示す。容量性積層体900は、間に誘電層を具えた導電フォイル912、914、916、918、及び920によって形成された複数の交互に並ぶ接地及び電力層を有している。容量性積層体900は、
図1、2、3及び/又は
図4の容量性積層体と同じような方法で構成されている。容量性積層体900は、内蔵されており、又は多層基板の追加の回路層942及び/又は944のコアとして機能する。これらの追加の回路層942及び/又は944を、容量性積層体900の平らな面の一方又は双方に結合する。このため、容量性積層体900が容量性積層体900のいずれかの側の回路層942及び944間に挟まれる。
【0101】
第1の部品A902(例えば、集積回路デバイス)の第1の脚部932を、ビア906によって第2及び第4のファイル914及び918に電気的に接続する。ビア906をクリアランス924、922によって第1及び第3の導電フォイル912及び916から電気的に絶縁する。第1の部品A902の第2の脚部934をビア908によって第3及び第4の導電フォイル916及び920に電気的に接続する。クリアランス930、926及び928によって導電フォイル912、914、及び918からビア908を電気的に絶縁する。これにより、第1の部品A902が、平行な複数の容量性素子を有する第1の容量性素子917に電気的に接続される。第1の部品A902を平行な複数の容量性素子に結合するこれによって、第1の部品A902への減結合静電容量が、回路基板アッセンブリに表面実装されるさらなるディスクリートのコンデンサを必要とせずに増加する。
【0102】
第2の部品B904は、導電ビア944によって第1の導電フォイル912に電気的に接続された第1の脚部936を有している。第2の部品B904の第2の脚部938は、ビア910によって第2の導電フォイル914に電気的に接続されている。クリアランス940によって導電フォイル912からビア910を電気的に絶縁する。このように、第2の部品B904は、第1の部品A902の第1の容量性素子917から分離された第2の容量性素子915に結合されている。第1の部品A902がより大きな静電容量を要する高いノイズデバイスの場合には、このような構成により静電容量が増加し、第1の部品A902のバイパスする第1の容量性素子917を、第2の部品B904の第2の容量性素子915から分離する。このため、第1の部品A902によって発生するノイズが第2の部品B904と干渉しない。
【0103】
図8及び
図9で説明した実施例は、容量性積層体800及び900の一方の側に配置された電子部品を示すが、部品を容量性積層体の両側に結合してもよい。
【0104】
図10は、容量性積層体1000を構成して両面回路基板に対して電子部品を減結合するための複数の別々のバイパスコンデンサを形成するさらに別の実施例を示す。容量性積層体1000は、間に誘電層を具えた複数の導電フォイル1012、1014、1016、及び1018によって形成された複数の交互に並ぶ接地及び電力層を有している。容量性積層体1000は、内蔵されており、又は追加の回路又は多層基板の一つの層1038及び1039のためのコアとして機能する。このため、容量性積層体1000は、追加の回路又は単一層1038及び1039間に挟まれ又は内蔵されている。
【0105】
第1の部品A1008は、第1の回路層1038に実装されている。第1の部品A91008(例えば、集積回路デバイス、等)の第1の脚部1030が、導電ビア1040を介して第1の導電フォイル1012に電気的に接続されている。第1の部品A1008の第2の脚部1032がビア1002によって第2の導電フォイル1014に電気的に接続されている。ビア1002は、クリアランス1020によって第1の導電フォイル1012から電気的に絶縁されている。第1の部品A1008にバイパスフィルタリングを与える第1の容量性素子1013を第1及び第2の導電フォイル1012及び1014間に形成する。同様に、部品A1008の第3の脚部1034をビア1004によって第3の導電フォイル1016に電気的に接続する。ビア1004は、クリアランス1022によって第1の導電フォイル1012から電気的に絶縁されており、クリアランス1025によって第2の導電フォイル1014から分離されている。第1の部品A1008の第4の脚部1036が、ビア1006によって第4の導電フォイル1018に電気的に結合されている。ビア1006をクリアランス1024、1026及び1028によって他の導電フォイル1012、1014、及び1016から電気的に絶縁する。第3の導電フォイル1016及び第4の導電フォイル1018間に、第1の部品A1010にバイパスフィルタリングを与える第2の容量性素子1015を形成する。
【0106】
第2の回路部品B1010を第2の回路層939に実装する。第1の脚部942をビア1046によって第3の導電フォイル1016に電気的に接続する。ビア942は、クリアランス1050によって第4の導電フォイル918から電気的に絶縁されている。第2の回路部品B1010の第2の脚部1044をビア1048によって第2の導電フォイル1014に電気的に接続する。ビア1048は、クリアランス1052及び1054によって他の導電フォイル1016及び1018から電気的に絶縁されている。第2の導電フォイル1014及び第3の導電フォイル1016間に、第2の回路部品B1010にバイパスフィルタリングを与える第2の容量性素子1056を形成する。
【0107】
図10に示す実施例により、回路部品A1008を2つの分離した容量性素子1013及び1015に結合し得る一方、回路基板B1010を別の分離した容量性素子1056に結合し得る。
【0108】
導電フォイルを容量性積層体に結合する前、導電フォイルを容量性積層体に加えた直後、及び/又は全ての導電フォイルを容量性積層体に加えた後、といった製造時のいつでも、各導電層にクリアランスの絶縁ギャップを形成する。ドリル、パンチ、レーザ、及び/又はエッチング技術といった、当技術分野で既知の方法を用いてクリアランス及び又は絶縁ギャップを形成する。
【0109】
図11は、容量性積層体に絶縁された減結合容量性素子を形成するための一実施例に係る方法を示す。多数の電気的に絶縁された容量層を有する平らな容量性積層体を形成する(ステップ1102)。このような容量性積層体を、例えば
図1、2、及び又は
図3で説明され図示されるよう形成する。そして、第1の所望の容量密度を有する第1の容量性素子を、容量性積層体の2つの導電層間に形成する(ステップ1104)。第1の回路部品を第1の容量性素子に結合する(ステップ1106)。一実施例では、第1の容量性素子の第1の容量密度を、第1の回路部品の電気的特性及び/又は必要性に従ってバイパス静電容量を与えるよう選択する。第2の所望の容量密度を有する第2の容量性素子を、容量性積層体の2つの導電層間に形成し、これにより、第2の容量性素子が第1の容量性素子から電気的に絶縁される(ステップ1108)。第2の回路部品は、第2の容量性素子でよい(ステップ1110)。第1の回路部品の電気的特性及び/又は必要性に従ってバイパス静電容量を与えるよう第2の容量密度を選択する。ある実施例では、第1の容量密度及び第2の容量密度が同じである。他の実施例では、第1及び第2の容量密度が異なる。
【0110】
さらなる容量性素子を、容量性積層体の2又はそれ以上の導電層間に同じように形成してもよく、これにより、追加の容量性素子が第1及び第2の容量性素子から互いに電気的に絶縁される(ステップ1112)。追加の回路部品を追加の容量性素子に結合してもよい(ステップ1114)。
【0111】
各容量性素子を形成するために、各層を容量性積層体に加える際又は容量性積層体に複数の層を加えた後に、容量性積層体の1又はそれ以上の層にクリアランスを形成する。
【0112】
ある実施例では、
図11に示す平らな容量性積層体を
図1、2、3、及び/又は
図4に示す方法によって形成する。
【0113】
内蔵型のディスクリートのコンデンサ
さらに別の新規な態様が、多層プリント回路基板で使用され1又はそれ以上のデバイスに局在減結合静電容量を与える内蔵型容量性積層体の中にディスクリートのコンデンサを形成することを提供する。例えば、サブアッセンブリとして容量性積層体を構成し、回路基板の中に内蔵する前に欠陥を検査する。容量性積層体の導電層の部分又は領域と絶縁することによって、ディスクリートの積層コンデンサを形成する。誘電層の所定の容量密度のために適切に大きさを決めた部分又は領域によって、所望の容量値を得る。
【0114】
図12は、容量性積層体1200の1又はそれ以上の層を分割して、1又はそれ以上の回路部品にさらなる減結合静電容量を与える一実施例を示す。容量性積層体1200を、例えば、
図1、2、3、4、5、6、7、8、9、10及び/又は11に示すよう形成する。例えば、導電層1204及び1206間に挟まれた誘電層1202を有するコア容量性要素1214が、さらなる誘電層1208及び1210及び導電層1206及び1212を結合させるためのベースとして機能する。容量性積層体1200は、複数の導電層及び誘電層、さらに製造又は修正なしに使用される1又はそれ以上の容量性素子を規定するクリアランスの電力/接地パターンを有している。
【0115】
1又はそれ以上の導電層にパターンを形成して、別々の容量領域を規定する。例えば、第1の導電層1206に、パターンを形成し、エッチングし、又はそうでなければ第1の導電層1206の残りの部分から電気的に絶縁された領域1216、1217及び1218を規定するよう加工してもよい。容量性積層体1200を形成及び/又はその欠陥の検査した後に、それを大規模なプリント回路基板に内蔵する。
【0116】
第1の導電層1206によって与えられる静電容量とは独立して、電気的に絶縁された領域1216、1217及び/又は1218もまた、1又はそれ以上の電子デバイスを独立して減結合するよう機能する。絶縁領域1216、1217、及び1218及び対応する対向する層(例えば、導電層1204)間にディスクリートのコンデンサを形成する。絶縁領域1216、1217及び1218によって与えられる静電容量の大きさを、各領域(例えば、長さ×幅)の部分及び誘電層(例えば、誘電層1208)の容量領域によって規定する。このような方法では、電子デバイスを絶縁領域によって規定される所望の容量値に合わせる。
【0117】
また、隣接する導電層にクリアランス(例えば、穴)を作成し、絶縁領域1216、1217、及び1218と短絡があるかどうかを判定することによって、各層を容量性積層体に加えた後に絶縁領域1216、1217、及び1218の信頼性を検査してもよい。
【0118】
各導電層/フォイルを容量性積層体に加える際に、エッチング又は他の機械的又は化学的プロセスによって、内蔵型ディスクリートのコンデンサの絶縁領域を規定してもよいことに留意されたい。本書に記載の方法により、導電層/フォイル上にいかなる形状及び/又は大きさのコンデンサを形成し得ることで、表面実装されるコンデンサの必要性を減らし、結果的に小さな表面積の回路基板が潜在的に可能となる。
【0119】
図13は、同じ導電層の他の領域から電気的に絶縁された異なる部分又は領域に容量性積層体1302の1又はそれ以上の導電層を分割するさらに別の実施例を示す。本実施例では、容量性積層体1302の導電層1300を、複数の領域1304、1306,1308、及び1310に分割する。多層回路基板又は半導体パッケージに中に内蔵される際に、これらの分離領域1304、1306、1308、及び1310は、異なる電圧で動作する。
【0120】
図14は、一実施例に係る内蔵型積層コンデンサを有する回路基板を製造するための方法を示す。1又はそれ以上の平らな容量性素子を規定する多数の導電層を有する容量性積層体を形成する(ステップ1402)。一実施例では、(例えば、
図1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、及び/又は
図13に示すように)容量性積層体を形成する。このような容量性積層体は、容量性積層体のいずれかの側に回路層を結合させるコアとして機能する。容量性積層体の第1の導電層の中に第1の電気的に絶縁された領域を規定する(ステップ1404)。この電気的に絶縁された領域を、容量性積層体の上に第1の導電層を積層するプロセスの間に、形成又は規定してもよい。1又はそれ以上の回路基板層を容量性積層体に結合する(ステップ1406)。回路基板の最外層から容量性積層体の第1の導電層に延びる第1の導電ビアを形成する(ステップ1408)。回路基板の最外層から第1の導電層の第1の絶縁領域に延びる第2の導電ビアを形成する(ステップ1410)。回路基板の最外層から容量性積層体の第2の導電層に延びる第3の導電ビアを形成する(ステップ1412)。第1及び第2の導電層間に第1のバイパスコンデンサを規定し、第1の絶縁領域及び第2の導電層によって第2のバイパスコンデンサを規定する(ステップ1414)。第1及び第3のビア間で第1の回路部品を結合して、第1の回路部品の第1のバイパスコンデンサを与える(ステップ1416)。同様に、第2及び第3のビア間で第2の回路部品を結合して、第2の回路部品の第2のバイパスコンデンサを与える(ステップ1418)。ある実施例では、1つの回路部品の異なる電気的脚部を、第1及び第2のバイパス静電容量によって減結合してもよい。第1の電気的に絶縁された領域の部分を所望の静電容量を得るよう選択してもよい。
【0121】
チップスケール包装のための内蔵型容量性積層体
図6、7、8、9及び/又は
図10に示すように、本開示に係る容量性積層体は、回路基板又は電子プラットフォームのコア基板の中に複数のバイパス容量層を内蔵していることで、寄生インダクタンスを減らす。すなわち、表面実装されるディスクリートのコンデンサの代わりに内蔵型コンデンサを使用することで、信号が伝送される経路長を減らし、これにより寄生インダクタンスを減らす。結果として、開示されている容量性積層体の様々な実施例は、容量性素子を回路部品の近くに移動させることによって、信号の経路長を減らす。
【0122】
従来技術では、半導体デバイスは一般に、半導体パッケージが結合される回路基板上に配置された別々のディスクリートのコンデンサによって減結合される。
【0123】
本発明の容量性積層体の一実施例では、容量性積層体が半導体パッケージの中に内蔵される。上記の方法により非常に薄い容量性積層体を作製することが可能となるため、回路基板上ではなく半導体パッケージの中に容量性素子を内蔵することが可能となる。
【0124】
図15は、チップスケールパッケージ1500の中で容量性積層体を使用して、半導体デバイス1502に局在的な静電容量を与える一実施例を示す。チップスケールパッケージ1500は、コア容量性素子1504を具えている容量性積層体を有している(すなわち、誘電層1514が導電層1520及び1522及び複数の誘電層1512及び1516及び導電フォイル1510及び1514の間に挟まれている)。本実施例では、容量性積層体が1又はそれ以上の回路層1506及び1508間に挟まれている。半導体回路1502を第1の回路層1506に結合してもよい。第1の回路層1506にパターンを形成して導電ビア1526、1528、1530、及び1534が半導体回路1502の異なる脚部に結合し得る。
【0125】
本実施例では、半導体回路1502が容量性積層体の2つの異なった容量性素子に結合されている。第2の導電層1510及び第1の導電フォイル1520に挟まれた第1の誘電層1512によって第1の容量性素子1542を形成する。第2の導電フォイル1522及び第3の導電フォイル1524間に挟まれた第2の誘電層1516によって第2の容量性素子1544を形成する。第1のビア1528及び第2のビア1530が、半導体回路1502の2つの異なる脚部を第1の容量性素子1542に結合する。第3及び第4のビア1526及び1534が、半導体回路1502の2つの異なる脚部を第2の容量性素子1544に結合する。このような方法では、半導体回路1502のためのバイパス静電容量を、チップスケールパッケージ1500の中に収容してもよい。
【0126】
そして、チップスケールパッケージ1500を回路基板1536に結合する。例えば、ボールグリッドアレイを使用して、チップスケールパッケージ1500の複数のバンプ1538を回路基板1536上の対応するパッド1540に結合してもよい。
【0127】
ここに記載した態様を様々な大きさ及び/又は材質の回路層上で実施してもよいことが、明らかに理解できるであろう。例えば、(a)容量性積層体を製造及び検査する方法、(b)複数の分離した平らな容量性素子を提供する方法、及び/又は(c)内蔵型積層コンデンサ(又は容量性積層体)を、多層基板、シリコン基板、半導体デバイス、チップスケールパッケージ等でそれぞれ実施してもよい。ある実施例では、電子デバイスを結合する多層回路基板の部分として容量性積層体を実施する。他の実施例では、集積回路及び/又はマイクロ電子デバイスを結合又は形成する半導体のシリコン基板(例えば、ウェハー)の部分として容量性積層体を実施してもよい。
【0128】
図1乃至15に示す1又はそれ以上の構成要素、ステップ、及び/又は機能を、本発明から逸脱せずに、1つの構成要素、ステップ、及び/又は機能の中に再構成及び/又は結合してもよく、又はいくつかの構成要素、ステップ、及び/又は機能に分けてもよい。また、さらなる要素、構成要素、ステップ、及び/又は機能を本発明から逸脱せずに加えてもよい。
【0129】
特定の典型的な実施例を説明及び添付図面で図示したが、これらの実施例は本発明の単なる具体例であって本発明の範囲を限定するものではなく、様々な他の変更が可能であるため本発明は図示及び説明される特定の構成及び配置に限定されないことに留意されたい。当業者は、説明した好適な実施例の様々な適合及び変更を本発明の範囲及び精神から逸脱することなしに構成し得ることを理解するであろう。このため、添付の特許請求の範囲内で、本書に特に記載した以外のようにして本発明を実施し得ることに留意されたい。