【文献】
中島嘉之,大気中紫外線光電子分析装置AC−1有機エレクトロルミネッセンス素子への応用,月刊新素材,1996年 5月 1日,第7巻,第5号,P.37−39
【文献】
石井久夫、外5名,「光電子収量分光による有機エレクトロニクス材料・界面の電子構造評価」,表面化学,2007年 6月 3日,vol.28,No.5,p.264-270
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コレクター電極は金属製であり、前記コレクター電極と前記試料との間の距離が大気圧下の測定では1.0mm以下であることを特徴とする請求項3に記載のバンドラインナップ装置。
前記コレクター電極形状は、前記照射光の光路上で前記照射光のビーム径を邪魔しないリング状、前記照射光のビーム径の一部にかかる短針状、又は照射光のビーム径と同程度のメッシュ状の少なくとも1つであることを特徴とする請求項3又は4に記載のバンドラインナップ装置。
前記光照射部は、前記分光器の取りだす特定波長の光から、前記照射光及び前記反射光を分けるハーフミラーを含む光学系、又は前記照射光及び前記反射光のそれぞれを分岐するファイバーを含む光学系を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のバンドラインナップ装置。
前記光照射部は、照射光用光ファイバーを有すると共に、当該照射光用光ファイバーをグランド電位にすることで、前記コレクター電極に相当する機能を持たせることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のバンドラインナップ装置。
【背景技術】
【0002】
従来より物質・材料のバンドラインナップは、水を分解する物質の探索や、次世代Si集積回路(SiULSI)テクノロジーにおける高誘電率ゲート絶縁膜(High−K材料)の探索、P型及びN型有機半導体材料の探索などにおけるその指標として使われている。今後、高精度の制御が必要なデバイスや、有機物又は酸化物などの多様な材料がデバイスに使われることから、高精度で多種多様な材料でのバンドラインナップ計測が求められる。
【0003】
固体の電子状態は、縦軸にエネルギー、横軸に波数ベクトルの大きさをとったバンド図によって表現される。例えば
図1は、バンド図を簡略的に表したものである。電子状態で重要なパラメータは、価電子帯上端E
VBMと伝導帯下端E
CBMである。価電子帯上端E
VBMは、分子の場合の最高占有軌道(HOMO)に相当する価電子帯の最上部(Va1ence Band Maximum,以下VBM)のエネルギーである。伝導帯下端E
CBMは、分子の場合の最低非占有軌道(LUMO)に相当する伝導帯の最底部(Conduction Band Minimum、以下CBM)のエネルギーである。また、電子の占有と非占有状態の境界のエネルギーを示すフェルミレベル(E
F)である。電子が物質に束縛されなくなるエネルギーが真空準位(E
vac)と呼ばれ、これを電子のエネルギーの原点と定義される。E
vac−E
CBMは電子親和力(χ)、E
vac−E
VBMはイオン化ポテンシャル(IP)と呼ばれる。バンドラインナップは、E
vacを基準として、E
CBMとE
VBMの位置に相当するもので、バンドギャップはE
CBMとE
VBMのエネルギーの差である(非特許文献1)。
【0004】
バンドラインナップでは、E
vacから測ったE
CBMとE
VBMの位置を決める必要がある。このバンドラインナップは複数の測定を組み合わせることで決めることができる。測定法のひとつとして、紫外光電子分光法(UPS)と逆光電子分光法(IPES)を用いた方法がある。この方法では、E
CBMとE
VBMの値と詳細なバンド図を求めることができる。他方、この測定法では、以下の理由から真空環境の利用と試料の帯電から測定対象材料が限られるといった問題がある。
第1に、UPSではHeの放電による紫外光源と電子分光器、IPESでは低速エネルギー可変電子源と光検出器が必要でありそれぞれ超高真空中での動作環境が必要なことから、試料を超高真空中にいれなければならない。そのため、当該測定法では水を含んだ有機物や蒸気圧の高い物質などを測定できない。
第2に、測定中に試料の帯電によって電子分光器のエネルギー基準がずれるために、当該測定法では比較的導電性の高い試料しか測定できない。
【0005】
測定対象材料が格段に広い計測方法として、次の二つがある。
(a)E
VBMの測定に光電子収量分光装置(別名イオン化ポテンシャル測定装置)(非特許文献2)によるイオン化ポテンシャル測定、
(b)分光光度計を用いた光の反射、透過、並びに吸収測定によるバンドギャップの測定。
上記2つの計測法を用いることで、E
CBMとE
VBMを求めることができる。これらの計測法は、光源及び検出器は真空環境を必要としないため、大気中での計測が行えるため、水を含む有機物や蒸気圧の高い物質も測定が行えるほか、帯電の影響をあまり受けないため(非特許文献3)、導電性の低い材料(絶縁物)に対しても計測でき、測定対象材料が格段に広い。
なお、イオン化ポテンシャル測定装置は、特許文献2、4にも開示されている。特許文献2には、試料に分光された紫外光を照射し、放出される光電子の収量を測定することにより、試料の仕事関数またはイオン化ポテンシャルを測定する仕事関数またはイオン化ポテンシャル測定装置が提案されている。また、特許文献4には、試料に紫外光を照射することで得られる電流値からイオン化ポテンシャルを測定するためのイオン化ポテンシャル測定装置が提案されている。
【0006】
イオン化ポテンシャル測定では、紫外域の光源が用いられ、通常、重水素ランプ又はキセノンランプ光源が用いられる。光の波長は、フォトンエネルギーと反比例の関係にあり、試料に照射する光の波長(フォトンエネルギー)を掃引し、その際に試料に流れる電流値を測定する。また、予めもしくは同時に照射光の光強度を測定し、照射フォトン数に換算する。ここで、電流値を電子数に換算し、照射フォトン数で除した値が光電子収量であるが、その変化点のフォトンエネルギーがイオン化ポテンシャルとされる。
【0007】
同様に、バンドギャップ計測では、赤外域から紫外域の光源が用いられ、通常、重水素ランプとハロゲンランプを組み合わせたもの、あるいはキセノンランプが用いられる。試料に照射する光の波長を掃引し、その際に試料から反射又は透過する光強度を測定する。反射では反射率が変わる変曲点のフォトンエネルギー、透過では透過せず吸収されるフォトンエネルギーがバンドギャップになる。
【0008】
材料探索ではデバイス材料の高精度化に伴い、高い精度でのバンドラインナップの値が必要である。別々の目的で開発された装置を使ってのバンドラインナップの測定においては、以下の理由から精度のよい測定が行えない。
第1に各々の測定装置の光学特性が異なる。例えば、光源ランプの出力や種類による波長範囲、光量や透過率及び特性線の違い、光学レンズの配置による入射光量変化、分光器の特性による二次光や迷光といった課題がある。
第2に、別々の光学装置では試料の形状や測定面を鉛直にするか水平にするかといった測定器への設置態様が異なる。そのため別々の装置では、試料のホルダーへの設置や、形状の加工など装置によって対応を変える必要が生じ、測定作業が複雑になるという課題がある。
第3に別々の光学装置では、同じ試料に対してエネルギーの高い紫外光を少なくとも2回照射することになり、エネルギーの高い紫外光に対して、ダメージを受けやすい有機物材料では照射によって試料状態が変わってしまい正確に測れないという課題がある。
【0009】
なお、上記第1の課題を克服するための発明が、特許文献1、3に開示されている。例えば、特許文献1には、測定光を分光器に2回透過する分散型分光器において、迷光除去機能をもつ分光器が提案されている。また、特許文献3には、光ファイバーとの接続が容易であると共に、迷光を良好に除去することのできるフィルター機構を備えた分光分析装置が提案されている。
しかし、特許文献1、3によれば、各光学装置ごとに校正を行う必要があるという課題がある。そして個々の光学装置の誤差により、最終的な値の誤差範囲は広がり、精度を落とすことになる。また、別々の装置であるため、光量や分光器の波長精度は各光学装置に強く依存しているために別々の光学装置では同じ条件に合わせることが難しいという課題がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明におけるバンドラインナップ測定装置及びバンドラインナップ測定方法を好適に実施した形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0030】
<バンドラインナップ装置>
図2は本発明の第1の実施形態を示すバンドラインナップ測定装置の要部構成図である。
図2において、バンドラインナップ測定装置は、光源部1、電気系測定部2、試料設置部3、分光器4、照射・参照・反射光学系5、透過光学系7、論理制御部8を備えている。
【0031】
光源部1は、ハロゲンランプ12、レンズ13、重水素光源ランプ14、レンズ15を備えている。光源部1は、連続光を放出するものであり、例えばハロゲンランプ12と重水素光源ランプ14を組み合わせることにより赤外から紫外の波長帯をカバーできる。光源部1には、補完的にキセノンランプも使うことができる。光源部1では、各ランプから発生する異なる波長帯の光を用いてバンドラインナップを測定することができる。
【0032】
電気系測定部2は、コレクター電極21と、試料ホルダー32に接続された負電圧源Vee22と電流計23を備えている。電流計23は、試料31とコレクター電極21と流れる電流を測定する。コレクター電極21は、照射・反射用光ファイバー59の先端部と試料31との間に設けられている。
【0033】
試料設置部3は、試料31、試料ホルダー32、ステージユニット33、大気・真空容器34、電気的接続用窓部36を備えている。試料ホルダー32は、試料31を保持してバンドラインナップ測定に適した状態に置く。ステージユニット33は、試料ホルダー32を置く試料台で、併せて左右前後の平面方向や上下の垂直方向に試料ホルダー32を移動させる機構も備えている。大気・真空容器34には、試料31、試料ホルダー32、ステージユニット33が収容されていると共に、照射及び反射用光ファイバー59の先端部、透過用光ファイバー又はレンズ71の先端部が収容されている。大気・真空容器に真空ポンプまたは、ガス導入口をつなぐことで、大気・真空容器内の圧力、湿度あるいは雰囲気ガスなどを制御することができる。電気的接続用窓部36は、試料ホルダー32と電流計23とを接続する電気配線を収容する窓で、大気・真空容器34の圧力及び測定環境を維持する。
【0034】
分光器4は、内部にミラー41、42、44と回折格子43を有する。分光器4は、光源部1から入力される赤外域から紫外域の光に対して、分光器内のミラー41、42、回折格子43、並びにミラー44の経路を経て、入射角度に対して異なる方向に角度を替えることで分光器4から特定の波長の光(単色光)を出力することができる。
【0035】
光照射部5としての照射・参照・反射光学系5は、レンズ51、ハーフミラー52、レンズ53、54、55、筐体部56、照射及び反射用光ファイバー59を備えている。また、光照射部5とは独立して、参照光用光量計57、反射光用光量計58が設けられている。なお、照射光学系としては、照射・参照・反射光学系5のうち、レンズ51、ハーフミラー52、レンズ53、筐体部56、照射用光ファイバー59が対応している。参照光学系としては、レンズ55と参照光用光量計57が対応している。反射光学系としてはレンズ54、反射光用光量計58、反射用光ファイバー59が対応している。なお、参照光用光量計57、反射光用光量計58としては、CCD付きマルチチャンネル分光器(CMM)でもよく、また例えば、フォトダイオード(PD)、サーモパイルを用いてもよい。レンズ51、53、54、55は、光の集光に用いられるもので、ここでは凸レンズを示しているが、色収差を取り除いたアクロマテックレンズでもよく、要は集光できるものであればよい。
【0036】
透過光学系7は、透過用光ファイバー71と透過光用光量計72を備えている。透過用光ファイバー71に代えてレンズでもよい。透過光用光量計72としては、CCD付きマルチチャンネル分光器(CMM)でもよく、また例えば、フォトダイオード(PD)、サーモパイルを用いてもよい。
論理制御部8は、電流計23、参照光用光量計57、反射光用光量計58、透過光用光量計72の各種測定データを記憶する記憶装置81と、この記憶装置81から各種測定データを入力して解析する解析装置82と、記憶装置81と解析装置82のデータに基づいて分光器4及び、ステージユニット33に操作信号を出力する制御装置83を有する。
【0037】
このように構成された装置における、測定の原理を次に説明する。
光源部1から放出された連続光は、分光器4にて特定の波長の光が選択されて、照射・参照・反射光学系5に送られる。照射・参照・反射光学系5では、ハーフミラー52によって通過した単色光の一部(数%)を参照光用光量計57にある方向に反射させ、残りの多くの単色光を照射及び反射用光ファイバー59へ導く。そして、試料31で散乱、反射した単色光を反射光用光量計58に導く。また、試料が光透過性を有する材料の場合は、透過光を透過光学系7の透過光用光量計72に導く。なお、
図2の実施例では、反射用光ファイバー59と透過用光ファイバー71を用いているが、光ファイバーを用いないでレンズを使用して構成してもよい。また、試料が光透過性を有しない材料の場合は、バンドラインナップ装置において、透過光学系7と透過光用光量計72を省略しても良い。
【0038】
電子を効率よく測定するために、試料ホルダー32に負電圧源Veeを接続して、試料に負の電圧として数十〜数百ボルトを印加する。この際、試料直上に設置されたコレクター電極21はグランド電位にする。また、照射に用いる照射及び反射用光ファイバー59をグランド電位にすることでコレクター電極21として用いてもよい。電流計23は、電圧印加も行えるソースメータを用いることができる。
【0039】
照射光は、試料に対して垂直位置(Z方向)から照射される。ステージユニット33は、試料を置く平面を有するXYZステージで、このXYZステージ上に試料ホルダー32を置いて試料31を設置し、ステッピングモーター又は手動の制御により設置した試料を保持したまま、光軸に対してX,Y、Z軸方向に移動させることができる。これにより、ステージユニット33の上に置かれた試料ホルダー32及び試料31を所定の位置に移動させることができる。また試料ホルダー32及びステージユニット33には、透過測定が行えるようにホールおよび、透過光学系が入るスペースが設けられている。
【0040】
<測定方法>
次に、バンドラインナップの測定方法について、図及びフローチャートを用いて説明する。
図3は、バンドラインナップ測定手順の一例を示すフローチャートである。
初めに、光源部1から出射する赤外域から紫外域の光のうち、制御装置83からの制御信号により、分光器4を操作し所望の波長の光だけを単色光として出力する(S01)。照射・参照・反射光学系5を用いて、分光器4から出力された単色光の一部を参照光として測定し、その余は照射及び反射光用光ファイバー59を通じて試料31に照射する(S02)。
【0041】
次に、光が試料31に照射されたときに接地グランドから試料に流れる電流値を電流計23で計測し、同時に試料面で反射した反射光を反射光用光量計58で計測し、試料が透過性のある材料の時は、透過光を透過光用光量計72で計測する(S03)。測定された電流値及び参照光光量、反射光光量、透過光光量を記憶装置81に記録する(S04)。
ここで、制御装置83は、最初に設定した測定波長範囲の測定が終了したか否かを判断し(S05)、全測定波長による測定が終了していない場合(S05において、NO)、分光器4を操作し、波長を変更する(S06)。また、S06の処理が終了後は、S02に戻り、S02以降の処理を行う。
【0042】
全測定波長による測定が終了した場合(S05において、YES)、記憶装置81に記録された測定結果を解析装置82に送り、イオン化ポテンシャルを決定し(S07)、次にバンドギャップを決定する(S08)。その後、イオン化ポテンシャルの値およびバンドギャップの値からバンドラインナップを決定する(S09)。
【0043】
そして、制御装置83では、測定位置の変更を行うかどうかを判断し(S10)、測定位置の変更を行う場合(S10において、YES)、ステージユニット33を操作して測定場所を変更する(S11)。また、S11の処理が終了後は、S01に戻り、S01以降の処理を行う。
また、S10の処理において、測定位置の変更しない場合(S10において、NO)、測定を終了する。
このように、同一の光源及び光学系を用いて、そして、同一試料で同一の場所の電流値及び光量の測定を同時に行える機能設備を有し、記録した複数の測定結果を解析することにより、バンドラインナップの測定精度を向上させることができる。
【0044】
<バンドラインナップの測定例>
図4は、
図3のS08のバンドギャップを決定するアルゴリズムの詳細図で、
図2の装置におけるバンドラインナップ演算手順を説明するフローチャートである。
図4のバンドギャップ決定アルゴリズムは、得られた反射光量、参照光量または透過光量からバンドギャップを決定するアルゴリズムになる。光量の測定はフォトダイオードを用いる。フォトダイオードは波長によって感度係数が異なるので、感度係数で校正する必要がある。また、測定材料によっては、透過測定ができないものもある。
【0045】
参照光量(rPD)は、測定器の波長感度特性(rSENS)を用いて、校正された光量に変換される(S102)。
C−rPD=rPD/rSENS (1)
また、反射光量(fPD)は、測定器の波長感度特性(fSENS)を用いて、校正された光量に変換される(S104)。
C−fPD=fPD/fSENS (2)
その際、透過光がある場合とない場合によって、解析装置82での、その後の処理が変わる(S106)。透過光がある場合は、透過光光量(tPD)も波長感度係数(tSENS)によって校正される(S108)。
C−tPD=tPD/tSENS (3)
次に、解析装置82は校正透過光量を校正参照光量で割り、透過率(Trans)を求める(S110)。
Trans=C−tPD/C−rPD (4)
そして、入射フォトンエネルギーに対する透過率のグラフを作成し(S112)、当該グラフの透過率からバンドギャップが得られる(S114)。
【0046】
一方、透過光がない場合、校正反射光量と校正参照光量の比を計測し、相対反射率(Refl)を求める(S116)。
Refl=C−fPD/C−rPD (5)
次に、解析装置82は、Kubelka−Munk変換を用いて相対反射率から相対吸収率(abs)に変換する(S118)(非特許文献4、6)。
abs=(1−Refl)
2/(2xRefl) (6)
そして、解析装置82は、横軸が照射エネルギー(E)、縦軸がabsの入射フォトンエネルギーに対するグラフを作成し(S120)、そのグラフの吸収率からバンドギャップが得られる(S122)。
【0047】
図5は、
図3のS07のイオン化ポテンシャルを決定するアルゴリズムの詳細図で、
図2の装置におけるイオン化ポテンシャル演算手順を説明するフローチャートである。
図5のイオン化ポテンシャル決定アルゴリズムは、参照光量及び電流値からイオン化ポテンシャルを決定するアルゴリズムになる。前述の通り、参照光量測定はフォトダイオードで行っており波長感度補正が必要である。まず波長感度校正を行う(S202)。
C−rPD=rPD/rSENS (7)
そして光子数に変換するために、校正光量C−rPDを各波長での光子のエネルギー(E)で割り相対光子数(NP)にする(S204)。
NP=(C−rPD)/E (8)
1光子あたりの収量(PYS)にするために、電流値(CI)を相対光子数で割る(S206)。
PYS=CI/NP (9)
Fowler関数で閾値を求めるために、S206で得られた値の平方根を取る(S208)。グラフを作成し(S210)、イオン化ポテンシャルを決定する(S212)。
【0048】
この2つの値からバンドラインナップを求める。E
VBMはイオン化ポテンシャルと一致する。E
VBMはこの値にバンドギャップの値を加算したものとなる。
【0049】
ここで、バンドラインナップの測定例について図を用いて説明する。
図6(a)は、Siサンプルの反射測定の結果から
図4のアルゴリズムを用いて求めたバンドギャップの一例を示す図である。また、
図6(b)は、同じSiサンプルの電流測定の結果から
図5のアルゴリズムを用いて求めたイオン化ポテンシャルの一例を示す図である。そして、
図6(c)は、(a)及び(b)によって得られた測定値から求められるバンドラインナップの値の一例である。
【0050】
Siサンプルはウエハー状の単結晶である。このサンプルでは、透過測定ができないために反射測定からバンドギャップを求める。前述の通り、反射測定の結果より
図6(a)より、バンドギャップは1.10eVと得られる。
図6(b)よりイオン化ポテンシャルは、5.22eVと得られる。従って、
図6(c)のようにE
VBM=5.22eV、E
CBM=4.12eVと求めることができる。
【0051】
図7は本発明の第2の実施形態を示すバンドラインナップ測定装置の要部構成図で、ハーフミラー光学系を含む場合を示している。なお、
図7において、前述した
図2と同一作用をするものには同一符号を付して説明を省略する。
図7の実施形態は、
図2の実施形態の改良型である。電気系測定部2には、さらに正電圧源Vcc24及び電流計25が設けられている。照射・参照・反射光学系5には、さらに二次光・迷光フィルター60と集光レンズユニット61が設けてある。
【0052】
正電圧源Vcc24は、一端が接地され、他端が電気的接続用窓部36を介してコレクター電極21と接続されている。正電圧源Vcc24は、電子を効率よく測定するために、コレクター電極21に数ボルトから数百ボルトの電圧を印加する。
二次光・迷光フィルター60は、ノイズとなる二次光や迷光を除去して、信号成分の光からより正確な測定値が得られるようにするもので、分光器4から出力された単色光を透過して、ハーフミラー52に送る。集光レンズユニット61は、照射及び反射用光ファイバー59の先端部に設けられ、照射光を試料31の表面に集光すると共に、試料表面からの反射光が反射用光ファイバー59に入射しやすいようにする。
第2の実施形態によれば、別々の測定装置で測定する場合における、試料のセッティングなどの測定環境や装置特性の影響が除去でき、高精度なバンドラインナップの測定を実現することができる。
【0053】
図8は本発明の第3の実施形態を示すバンドラインナップ測定装置の要部構成図で、分岐ファイバー光学系を含む場合を示している。なお、
図8において、前述した
図2と同一作用をするものには同一符号を付して説明を省略する。
図8の実施形態は、
図2や
図7の実施形態における照射・参照・反射光学系の光学部品を分岐ファイバーで置き換えたものである。分岐ファイバー9は、分光器側ファイバー91、参照光ファイバー92、反射光ファイバー93、照射光ファイバー94、ファイバー分岐部95で構成される。
【0054】
図9は分岐ファイバーの詳細を説明する構成図で、(A)は装置全体図、(B)は照射光側の端面図、(C)は参照光側の端面図、(D)は反射光側の端面図、(E)は分光器側の端面図である。分光器側ファイバー91は、分光器4の出口では単色光が直線状に出射するため、分光器4の出射する単色光の分布と適合するようにファイバー縦に配置されている。参照光ファイバー92は、分光器側ファイバー91に入射した単色光を、参照光用としてファイバー分岐部95で分岐して取り出す。反射光ファイバー93は、一端が反射光を反射光用光量計58に導くと共に、他端は照射光ファイバー94とバンドルされて、試料に対向する。照射光ファイバー94は、照射参照光用以外の照射された単色光を、試料照射用としてファイバー分岐部95で配置し直して試料に照射する。
このように構成された分岐ファイバーにおいて、試料上で反射した光は、照射光ファイバー94とバンドルされている反射光ファイバー93を通り、ファイバー分岐部95で分岐され、反射光ファイバー93を通って、反射光用光量計58へと導かれる。
【0055】
図10は電極形状と電極配置の関係を示す図で、
図7の装置のようなハーフミラー光学系の使用時を示している。
図10において、(a1)はリング状電極の側面図、(a2)はリング状電極の平面図、(b1)は短針形電極の側面図、(b2)は短針形電極の平面図、(c1)はメッシュ形電極の側面図、(c2)はメッシュ形電極の平面図を示している。
【0056】
図10において、照射及び反射用光ファイバー59、集光レンズ61、コレクター電極21、試料31の順に垂直方向に位置している。コレクター電極21は、試料31の直上に配置されており、電子を計測するももので、コレクター電極21と試料31との距離は、例えば、大気圧下での測定では、1.0mm以下とすると測定精度と測定作業効率が両立できて好ましいが、電子の平均自由行程を考慮して0.5mm以下として測定精度を高めてもよい。電極形状としては例えば、照射ビームの光路上で、照射ビーム径を邪魔しないリング状の電極21a、照射ビーム径の一部にかかる短針状の電極21b、あるいは、照射ビーム径と同程度のメッシュ状の電極21cを用いる。
【0057】
図11は電極形状と電極配置の関係を示した図で、
図8の装置のような分岐ファイバー光学系の使用時を示している。
図11において、(a1)はリング状電極の側面図、(a2)はリング状電極の平面図、(b1)は短針形電極の側面図、(b2)は短針形電極の平面図、(c1)はメッシュ形電極の側面図、(c2)はメッシュ形電極の平面図を示している。
【0058】
<測定方法>
次に、バンドラインナップの測定方法について、図及びフローチャートを用いて説明する。
図12はバンドラインナップ測定における全体測定の手順を示すフローチャートである。
初めに、制御装置83は、透過及び反射測定に必要なバックグラウンド(Dark)スペクトル及び、参照(Ref)スペクトルをすでに取得しているかどうかを判断する(S302)。取得していなければ、後述のバックグラウンド・参照スペクトル測定フローチャートに従い取得する(S304)。取得していた場合は、試料ホルダー32に測定試料31をセットする(S306)。試料31もしくは電極21あるいは両方に、電圧を印加する(S308)。光源部1から出射する赤外域から紫外域の光のうち、制御装置83からの制御信号により、分光器4を操作し所望の波長の光だけを単色光として出力する(S310)。分光器4から出力された単色光はハーフミラー52を含む光学系5または、分岐ファイバー9を用いて、一部は参照光として残りは照射光として、そして試料で反射した光を分離する。参照光用光量計57、反射光用光量計58、透過光用光量計72は、それぞれ参照光、反射光、試料が光透過性を有する材料の場合は透過光の光量を測定する(S312)。
【0059】
次に、光が試料31に照射されたときに試料31とコレクター電極21間に流れる電流値を電流計23または、24で計測する(S314)。測定された電流値及び光量は記憶装置81に記録される(S316)。
ここで、最初に設定した測定波長範囲の測定が終了したか否かを判断し(S318)、全測定波長による測定が終了していない場合(S318において、NO)、制御装置83は分光器4を操作し、単色光の波長を変更する(S322)。また、S322の処理が終了した後は、S312に戻り、S312以降の処理を行う。
【0060】
全測定波長による測定が終了した場合(S318において、YES)、試料31もしくはコレクター電極21あるいは両方に、印加された直流電圧をOFFにする(S320)。記憶装置81に記録された測定結果が解析装置82に送られる。解析装置82は、後述のイオン化ポテンシャル決定フローチャート(S324)、続いてバンドギャップ決定フローチャート(S326)に従い、それぞれの値を決定する。その後、イオン化ポテンシャルの値およびバンドギャップの値から、解析装置82はバンドラインナップ決定フローチャートによりバンドラインナップを決定する(S328)。
【0061】
そして、制御装置83は測定位置の変更を行うかどうかを判断し(S330)、測定位置の変更を行う場合(S330において、YES)、ステージユニット33を操作して測定場所を変更する(S332)。また、S332の処理が終了した後は、制御装置83はS310に戻り、S310以降の処理を行う。
他方、S330の処理において、測定位置の変更しない場合(S330において、NO)、測定を終了する。
【0062】
次に、
図13を用いてバックグラウンド・参照スペクトル測定フローチャートについて説明する。
相対透過率及び相対反射率を求めるためには、バックグラウンドスペクトル・参照スペクトルの両方を測定しなければならない。まず、制御装置83はバックグランド(Dark)スペクトルを測定するか、それとも参照(Ref)スペクトルのどちらを測定するかを判断する(S402)。バックグランドスペクトルの場合には、試料ホルダー32には、何もセットしない(S404)。参照スペクトルの場合には、試料ホルダー32に参照物質をセットする(S406)。その後の操作は同じであり、光源部1から出射する赤外域から紫外域の光のうち、制御装置83からの制御信号により、分光器1を操作し所望の波長の光だけを単色光として出力する(S408)。参照光用光量計57、反射光用光量計58、透過光用光量計72は、それぞれ参照光、反射光、試料が光透過性を有する材料の場合は透過光の光量を測定する(S410)。測定された光量は記憶装置81に記録される(S412)。
【0063】
次に、制御装置83は、最初に設定した測定波長範囲の測定が終了したか否かを判断し(S414)、全測定波長による測定が終了していない場合(S414において、NO)、分光器4を操作し、波長を変更する(S416)。また、S416の処理が終了後は、S410に戻り以降の処理を行う。
【0064】
<バンドラインナップの測定例>
記憶装置81は、
図12のフローチャートに従って、波長を走査しながら測定される光量と電流値を記録する。得られたスペクトルから、解析装置82によってイオン化ポテンシャル決定フローチャート、バンドギャップ決定フローチャートおよびバンドラインナップ決定フローチャートに従ってバンドラインナップを決定する。
【0065】
図12のS324のイオン化ポテンシャル決定フローチャートは、
図14のように参照光量及び電流値からイオン化ポテンシャルを決定する。前述の通り、参照光量測定は、フォトダイオードで行っており波長感度補正が必要である。感度補正は、測定波長ごとにその場で感度補正を行うものと、ある波長を基準にして、測定後補正するものとがある。ここでは、感度補正された光量(C−rPD)とする。解析装置82は、波長感度校正された光量から、光子数に変換するために、C−rPDを各波長での光子のエネルギーで割り相対光子数(NP)を求める(S502)。
NP=(C−rPD)/E (10)
【0066】
1光子あたりの収量(光電子収量:PYS)にするために、解析装置82は、電流値(CI)を相対光子数(NP)で割る(S504)。
PYS=CI/NP (11)
Fowler関数を仮定して閾値を求めるために、S504で得られた値の平方根を取る(S506)。
S−PYS=(PYS)
1/2 (12)
解析装置82は、横軸を照射エネルギー、縦軸をS−PYSとしてグラフを作成する(S508)。そして、グラフにおける変曲点の位置で接線を引き、バックグラウンドのラインとの交点におけるエネルギーをイオン化ポテンシャルと決定する(S510)。
【0067】
図12のS326のバンドギャップ決定フローチャートは、
図15のように反射測定あるいは、透過測定からバンドギャップを決定する。
解析装置82は、測定装置に透過測定の設備が取り付けられているか、又は、透過性のある試料かによって透過測定があるかないかを判断する(S602)。透過測定がある場合は、透過測定データ(TM)からバックグランドデータ(Tdark)と参照データ(Tref)を用いて相対透過率(RT)を求める(S604)。
RT=(TM−Tdark)/(Tref−Tdark) (13)
その次に、縦軸:RT、横軸:Eのグラフを作成する(S620)。グラフより吸収端を求める(S622)。
【0068】
透過測定がない場合(S602でNO)は、反射測定データ(RM)からバックグランドデータ(Rdark)と参照データ(Rref)を用いて相対反射率(RR)を求める(S606)。
RR=(RM−Rdark)/(Rref−Rdark) (14)
相対反射率RRを求めてからは2つの計算方法を使って吸収係数(a)を求めることになる。RRを用いてKramers - Kronig変換(非特許文献5)を用いて屈折率(n)と消光係数(k)を求める(S608)。そして消光係数を用いて吸収係数(a)を求める(S612)。
a=4πk/λ (15)
ここでλは波長である。
一方で、Kubelka - Munk変換(非特許文献6)を用いて吸収係数(a)を求める(S610)。
a/s=(1−RR)(1−RR)/(2RR) (16)
ここで、s=1とする。
【0069】
それぞれの変換方法で吸収係数が求まったので、その後の処理は同じになる。直接遷移を仮定した場合、次式の関係より縦軸:(aE)
2、横軸:Eのグラフを作成する(S614)。
a=A・(E−Eg)
1/2/E (17)
間接遷移を仮定した場合、次式の関係より縦軸:(aE)
1/2、横軸:Eのグラフを作成する(S616)。
a=B・(E−Eg)
2/E (18)
グラフにおけるもっとも低いエネルギーでの変曲点の位置で接線を引き、バックグラウンドのラインとの交点におけるエネルギーをバンドギャップとする(S618)。それぞれよりバンドギャップが求まるが、測定対象の材料特性などを考慮して、どの値を使用するかを決め、バンドギャップを決定する(S624)。
【0070】
図12のS326のバンドラインナップ決定フローチャートは、
図16のようにバンドギャップの値とイオン化ポテンシャルの値からバンドラインナップを決定する。まず、バンドギャップ(Eg)及びイオン化ポテンシャル(IP)の値を読み込む(S702)。次に、伝導体下端(LUMO):電子親和力(χ)の準位を求める(S704)。
χ=IP−Eg (19)
そして、真空準位、χ、IP、Egを表示した図表を作成する(S706)。
【0071】
図17は、有機EL材料に使われるRubrene、Me−TPD、Alq3、CuPCの反射測定より求めたバンドギャップの一例を示す図である。なお、Rubrene(5,6,11,12-tetraphenyl naphthacene)は、テトラセン誘導体の芳香族炭化水素である。Rubrene単結晶は有機半導体で最も高い移動度をもち、有機EL(OLED)、有機電界効果トランジスタ(OFET)などに用いられる。Me−TPD(N,N,N’, N’-Tetrakis (4−methylphenyl) Benzidine)は、芳香族のアミンである。高い正孔移動度を持つことから有機EL材料では、正孔輸送材として用いられる。Alq3は、トリス (8-キノリノラト)アルミニウム(tris (8-hydroxyquinolinato) aluminium)のことで、アルミニウム金属と3つの8−キノリノール配位子の二座配位による錯体であり、有機ELパネルの発光材料である。CuPCは、銅フタロシアニン (Phthalocyanine, Copper complex)のことで、4つのフタル酸イミドが窒素原子で架橋された構造をもつ環状化合物の銅錯体である。
【0072】
また、
図18は、同じサンプルのイオン化ポテンシャル測定の一例を示す図で、ここでは光電子収量測定結果として表示してある。そして、
図19は、
図17及び
図18によって得られた測定値から求められるバンドラインナップの値の一例である。
測定に用いたサンプルでは、粉状物質であり、透過測定ができないために反射測定からバンドギャップを求める。前述の通り、反射測定の結果である
図17より、バンドギャップはRubrene、Me−TPD、Alq3及びCuPCの其々について、2.2eV、3.1eV、2.9eV、1.6eVと得られる。
図18より其々のイオン化ポテンシャルは、5.35eV、5.5eV、5.9eV、5.25eVと得られる。従って、
図19のように其々の価電子帯上端E
VBMはイオン化ポテンシャルと等しくなり、其々の伝導帯下端E
CBMは3.15eV、2.4eV、3.0eV、3.65eVと求めることができる。
【0073】
<蛍光測定機能>
蛍光機能測定を有するバンドラインナップ装置は、
図7または、
図8に示す装置をベースとし、反射測定部58に蛍光用分光器を設置する。蛍光用分光器は、CCD付分光器または、CCD付マルチチャンネル分光器を用いることができる。蛍光測定は、分光器4の分光した入射波長とは別の波長を測定する。試料が蛍光物質である場合には、紫外光を照射したときに、照射した紫外光の波長とは異なる別の波長の反射光又は発光が観測されるので、この蛍光をCCD付分光器または、CCD付マルチチャンネル分光器で測定する。
【0074】
図20は
図8の装置で測定した蛍光測定の一例を示す図で、(A)は分光図で縦軸は発光強度(Photoluminecence:PL[a.u.])、横軸は波長を示してあり、(B)は蛍光ペンの緑色、黄色、オレンジ色、ピンクを示してある。ここでは、分光器4の分光した入射波長は395nmの場合を示している。蛍光ペンの緑色に対して、入射波長の395nmと510nm付近をピークとする蛍光波長が観測される。蛍光ペンの黄色に対して、入射波長の395nmと510nm付近をピークとする蛍光波長が観測される。蛍光ペンのオレンジ色に対して、入射波長の395nmと590nm付近をピークとする蛍光波長が観測される。蛍光ペンのピンクに対して、入射波長の395nmと600nm付近をピークとする蛍光波長が観測される。
【0075】
図21は
図8の装置で反射測定部58にCCD付マルチチャンネル分光器を設置し、蛍光測定の一例を示す図である。測定サンプルはMe−TPDである。縦軸は、発光強度で横軸は波長で示してある。照射波長を変えても発光波長に変化はないが、波長により強度の変化が見られる。最大値発光における波長は、420nm付近である。
【0076】
なお、上記の実施形態においては、光源部の放射する連続光として、赤外域の波長、可視光域の波長、紫外域の波長の全ての領域に渡るものを示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、測定対象材料の既知の性質を基礎にバンドラインナップの特定事項に関して測定する場合のように、光源部は赤外域の波長、可視光域の波長、紫外域の波長のうち一部のみを含む連続光を放射するものでもよい。
また、上記の実施形態においては、透過光測定部と反射光測定部の双方を備える場合を示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、測定対象試料が光透過性を有する場合には、透過光測定部だけでもよい。また、測定対象試料が光透過性のない場合には、反射光測定部だけを用いてもよい。
【0077】
さらに、上記の実施形態においては、解析装置における解析式として、Kramers - Kronig変換、Kubelka - Munk変換を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、同一の目的を達成する同等の変換式を用いることができる。また、上記の実施形態は、本発明を例示するものに過ぎず、当業者にとって自明な装置や機器・材料による変更を含むものである。
さらに、上記の実施形態においては、バンドラインナップ測定装置としてバッチ処理で試料の特性値を測定する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、製造ラインに設置して製造される試料を連続的に測定するように構成されてもよい。