特許第6095051号(P6095051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095051
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】テレビシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/431 20110101AFI20170306BHJP
   H04N 21/435 20110101ALI20170306BHJP
   H04N 5/44 20110101ALI20170306BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20170306BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20170306BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   H04N21/431
   H04N21/435
   H04N5/44 Z
   G09G5/36 520P
   G09G5/02 B
   G09G5/00 550X
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-261346(P2012-261346)
(22)【出願日】2012年11月29日
(65)【公開番号】特開2014-107818(P2014-107818A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 稔
【審査官】 古川 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−055671(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/113286(WO,A1)
【文献】 特表2011−512570(JP,A)
【文献】 特開2003−078835(JP,A)
【文献】 特開2003−009031(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 − 21/858
H04N 5/44 − 5/46
G09G 5/00 − 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ装置と、端末装置と、を備えるテレビシステムであって、
前記テレビ装置は、
受信した映像データに基づいて表示データを生成する表示データ生成部と、
前記表示データを表示するテレビ表示部と、
前記映像データの画面レイアウトの情報をレイアウト情報として抽出するレイアウト情報抽出部と、
前記レイアウト情報に基づいて前記端末装置で表示可能なレイアウト画面に関する情報を生成するデータ生成部と、を有し、
前記端末装置は、
前記テレビ装置からの前記レイアウト画面に関する情報に基づいて前記レイアウト画面を表示する端末表示部と、
ユーザの領域選択操作を受け付け、前記レイアウト画面のなかの1又は複数の領域を選択した選択領域情報を作成する選択領域情報作成部と、を有し、
前記テレビ装置は、さらに、前記端末装置からの前記選択領域情報に基づいて、選択された領域内の映像データに対して色覚異常者用の色変換を行った色変換情報を生成する映像色変換部を有し、
前記表示データ生成部は、受信した映像データに加えて、前記映像色変換部で作成された色変換情報と、に基づいて表示データを生成する
ことを特徴とするテレビシステム。
【請求項2】
前記テレビ装置は、
前記レイアウト情報抽出部で抽出された前記レイアウト情報を用い、色覚異常をもつユーザが前記レイアウト画面を認識できるように、レイアウト画面内の各領域の色変換を行った色変換後レイアウト情報を生成するレイアウト色変換部、をさらに備え、
前記端末表示部は、前記色変換後レイアウト情報に基づいて、色変換されたレイアウト画面表示する
請求項1に記載のテレビシステム。
【請求項3】
前記レイアウト色変換部は、白黒2値化して表示させる色変換後レイアウト情報を生成する、
請求項2に記載のテレビシステム。
【請求項4】
前記端末装置は、
前記端末表示部で表示された色変換後レイアウトの画面を見ながら、ユーザが色変換を所望する範囲を入力可能な入力手段と、
前記入力手段によりユーザが入力した所望の範囲に含まれているブロック要素を検出する検出手段と、をさらに備え、
前記選択領域情報作成部は、前記検出手段により検出されたブロック要素に基づいて選択領域情報を生成する、
請求項2又は請求項3に記載のテレビシステム。
【請求項5】
前記データ生成部は、前記レイアウト色変換部により生成された前記色変換後レイアウト情報に基づいて、前記レイアウト画面に関する情報として、HTMLドキュメントを生成するデータ生成部、を更に備え、
前記端末表示部は、Webブラウザにより画面表示を行う、
請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のテレビシステム。
【請求項6】
前記テレビ装置は、
前記選択された領域に色覚異常者用に色変換を行う色変換ルールを記憶する色変換テーブルを更に備え、
前記映像色変換部は、前記色変換テーブルの色変換ルールに基づいて色変換情報を生成する、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のテレビシステム。
【請求項7】
前記端末装置は、
端末装置ごとに変更可能な色変換ルールを記憶した端末側色変換テーブル、を更に備え、
前記映像色変換部は、前記端末側色変換テーブルから入力した色変換ルールに基づいて色変換情報を生成する、
請求項1〜6のいずれか1項に記載のテレビシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル信号圧縮技術を用いて映像・音声信号やコンテンツ情報信号を圧縮し、放送するデジタル放送が行われている。ここでコンテンツ情報とは、例えば、番組名、番組内容、番組開始時刻、番組継続時間、番組ジャンル情報等である。
【0003】
ここでテレビを一人で見るのではなく、複数の人間が視聴することがある。このとき、1つのテレビ画面を、色覚異常者と色覚異常でない人とが同時に視るという場合がある。
【0004】
特許文献1では、表示文字などを見やすくして色覚異常の人でもデータ放送等を快適に視ることを可能にするデジタル放送受信装置の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−78835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたデジタル放送受信装置による方法は、デジタル放送受信機単体での動作であって、画面全体の色変換を行うことで、色覚異常者にとって見やすい映像を生成するものである。そのため、色覚異常者と色覚異常でない人が同時に視聴している場合、色覚異常でない人は色変換された映像を見続ける必要がある。ここで、色覚異常者に色変換された映像は、色覚異常でない人にとっては不自然に感じる場合がある。したがって、テレビ装置に表示される映像は、色覚異常者にとって所望の情報の取得がしやすく、かつ、色覚異常でない人にとっても違和感が少ないものが表示されることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るテレビシステムは、テレビ装置と、端末装置と、を備えるテレビシステムであって、前記テレビ装置は、受信した映像データに基づいて表示データを生成する表示データ生成部と、前記表示データを表示するテレビ表示部と、前記映像データの画面レイアウトの情報をレイアウト情報として抽出するレイアウト情報抽出部と、前記レイアウト情報に基づいて前記端末装置で表示可能なレイアウト画面に関する情報を生成するデータ生成部と、を有し、前記端末装置は、前記テレビ装置からの前記レイアウト画面に関する情報に基づいて前記レイアウト画面を表示する端末表示部と、ユーザの領域選択操作を受け付け、前記レイアウト画面のなかの1又は複数の領域を選択した選択領域情報を作成する選択領域情報作成部と、を有し、前記テレビ装置は、さらに、前記端末装置からの前記選択領域情報に基づいて、選択された領域内の映像データに対して色覚異常者用の色変換を行った色変換情報を生成する映像色変換部を有し、前記表示データ生成部は、受信した映像データに加えて、前記映像色変換部で作成された色変換情報と、に基づいて表示データを生成することを特徴とする。
これにより、ユーザが色変換を行いたい箇所を指定し、指定箇所のみ色変換を行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
色覚異常者にとって所望の情報の取得がしやすく、色覚異常でない人にとっても違和感が少ない映像を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1にかかるテレビシステムの構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1にかかる2色に変換した色変換後レイアウト情報の一例の図である。
図3】実施の形態1にかかる2色に変換した色変換後レイアウト情報の別の例の図である。
図4】実施の形態1にかかる端末装置の表示部において画面左上の領域を選択した場合の図である。
図5】実施の形態1にかかるテレビシステムにかかるフローチャートである。
図6】実施の形態1にかかるテレビシステムにかかるフローチャートである。
図7】実施の形態1にかかる色変換がなされた後のテレビ装置の表示部の一例の図である。
図8】実施の形態2にかかるテレビシステムの構成を示すブロック図である。
図9】実施の形態2にかかるテレビシステムにかかるフローチャートである。
図10】実施の形態2にかかるテレビシステムにかかるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、テレビシステム1の構成を示すブロック図である。
【0011】
テレビシステム1は、テレビ装置11と、端末装置12を備える。テレビ装置11は、受信機21と、デコーダ22と、表示データ生成部23と、テレビ表示部24と、レイアウト情報抽出部25と、レイアウト色変換部26と、データ生成部27と、送信部28と、映像色変換部29と、色変換テーブル30を備える。
【0012】
受信機21は、外部の送信局から送信された映像データを受信する。ここで、受信機21が受信する映像データは、映像情報、放送コンテンツ情報などを含むものであり、無線送信を効率的に行うために符号化されている。なおデジタル放送信号には、もちろん音声データも含まれるが、音声信号の処理については本実施の形態の主要部ではなく、音声信号処理は既存の技術を利用すればよいので、説明を省略する。受信機21は、受信した映像データをデコーダ22に出力する。
【0013】
デコーダ22は、受信機21から入力した映像データを復号し、デコード情報を生成する。デコーダ22は、復号により生成された映像データと、BML(Broadcast Markup Language)により記載されたコンテンツ情報を、表示データ生成部23に出力する。また、デコーダ22は、コンテンツ情報を、レイアウト情報抽出部25に出力する。
【0014】
表示データ生成部23は、デコーダ22と、レイアウト情報抽出部25と、後述する選択領域情報作成部34からデータを受け取る。より具体的には、表示データ生成部23は、デコーダ22から復号された映像データ、およびコンテンツ情報のデータを受け取る。また表示データ生成部23は、レイアウト情報抽出部25から、レイアウト情報を受け取る。また表示データ生成部23は、選択領域情報作成部34から、ユーザにより選択された領域の情報を受け取る。レイアウト情報、選択領域情報については後述する。
表示データ生成部23は、デコーダ22と、レイアウト情報抽出部25と、選択領域情報作成部34から入力されたデータに基づいて表示データを生成し、映像色変換部29に出力する。また、表示データ生成部23は、映像色変換部29から色変換情報を受け取る。表示データ生成部23は、生成した表示データと、映像色変換部29による色変換情報に基づいて駆動信号を生成し、テレビ表示部24に出力する。
なお表示データ生成部23は、選択領域情報作成部34からの領域選択情報の入力が無い場合には、デコーダ22から入力されたデコード情報に基づいて表示するよう駆動信号を生成し、テレビ表示部24に出力する。言い換えると、表示データ生成部23は、BML文書にて指定されている本来の色で提示するよう、駆動信号を生成してテレビ表示部24に出力する。
【0015】
テレビ表示部24は、表示データ生成部23から入力された駆動信号に基づいて動作する、ディスプレイである。
【0016】
レイアウト情報抽出部25は、デコーダ22から放送コンテンツ情報を受け取る。レイアウト情報抽出部25は、BML文章で記載されたコンテンツ情報から、レイアウト情報を抽出する。レイアウト情報抽出部25は、抽出したレイアウト情報を、表示データ生成部23に出力する。また、レイアウト情報抽出部25は、レイアウト情報を、レイアウト色変換部26に出力する。
【0017】
レイアウト色変換部26は、レイアウト情報抽出部25からレイアウト情報を受け取る。レイアウト色変換部26は、レイアウト情報に含まれるコンテンツの色情報を変換する。ここでレイアウト色変換部26は、レイアウトを色覚異常者用に見せるために色を変換した、色変換後レイアウト情報を生成する。より具体的には、レイアウト色変換部26は、白黒の2色に変換した色変換後レイアウト情報を生成する。図2は、白黒の2色に変換した色変換後レイアウト情報の一例である。また図3は、色変換後レイアウト情報の別の例である。レイアウト色変換部26は、色変換後レイアウト情報をデータ生成部27に出力する。より詳しくは、フローチャートとともに後述する。
【0018】
データ生成部27は、レイアウト色変換部26から入力された色変換後レイアウト情報に基づいて、端末装置12で表示可能な表示データを生成する。典型的にはデータ生成部27は、HTMLデータ生成部であり、HTMLドキュメントを生成する。データ生成部27は、生成した表示データを、送信部28に出力する。
【0019】
送信部28は、データ生成部27から入力された表示データを、端末装置12に出力する。典型的には送信部28は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)に則り、HTMLドキュメントを、端末装置12に出力する。これにより、テレビ装置11はWebサーバとして機能する。
【0020】
映像色変換部29は、表示データ生成部23で生成された表示データに対し、色変換を行う。より具体的には、映像色変換部29は、表示データ生成部23から表示データを受け、後述する選択領域情報作成部34から入力された選択領域情報に基づき、色変換テーブル30を利用して選択領域の色変換を行い、色変換情報を生成する。映像色変換部29は、色変換情報を、表示データ生成部23に出力する。
【0021】
色変換テーブル30は、映像色変換部29に色変換ルールを提供する。典型的には、色変換テーブル30が提供する色変換ルールは、色覚異常者が視認しにくい色を、視認しやすい色に変換するルールが記憶されている。
【0022】
端末装置12は、ユーザが携帯できるような小型軽量の端末であり、典型的にはスマートフォンやタブレットなどである。端末装置12は、受信部31と、端末表示部32と、入力検出部33と、選択領域情報作成部34を備える。
【0023】
受信部31は、送信部28から表示データを受信する。受信部31は、表示データを端末表示部32に出力する。
【0024】
端末表示部32は、受信部31から入力した表示データに基づいて、画面表示を行うディスプレイである。ここで典型的には、端末表示部32に入力される表示データは、レイアウトを白黒の2色で表示するよう記載されたHTMLドキュメントである。端末表示部32は、Webブラウザにより、白黒の2色で表現されたレイアウトを表示する。
【0025】
入力検出部33は、入力手段331と、検出手段332を備える。
【0026】
入力手段331は、ユーザによる入力手段である。典型的には入力手段331は、表示画面上に設けられたタッチパネルである。ユーザは、テレビ表示部24に表示された映像と端末表示部32に表示されたレイアウト画面を見比べ、入力手段331を用いて色変換を所望する範囲を入力する。例えば入力手段331は、ユーザ操作による操作の軌跡を取得する。図4は、端末表示部32に表示されたレイアウト画面から、ユーザが画面左上の領域を選択する場合の例であり、点線の円形はユーザによる操作の軌跡を示している。
【0027】
検出手段332は、入力手段331により入力された軌跡に基づいて、軌跡内に含まれているブロック要素を検出する。検出手段332は、検出したブロック要素の情報を、選択領域情報作成部34に出力する。なお典型的には、ブロック要素は、要素ごとに矩形領域となっている。言い換えると、検出手段332は1又は複数の矩形領域の情報を、選択領域情報作成部34に出力する。
【0028】
選択領域情報作成部34は、検出手段332から入力された矩形領域の情報に基づいて、選択領域情報を生成する。選択領域情報作成部34は、選択領域情報を、表示データ生成部23に出力する。例えば選択領域情報作成部34は、選択領域に該当するレイアウト情報を、表示データ生成部23に出力する。
【0029】
次に、テレビシステム1の動作を説明する。図5および図6は、テレビシステム1の動作フローチャートである。
【0030】
受信機21は、外部の送信局から送信された映像データを受信する(ステップS11)。
【0031】
デコーダ22は、受信機21から入力した映像データを復号し、デコード情報を生成する(ステップS12)。次にステップS13及びステップS16に進む。典型的には、ステップS13からの処理と、ステップS16からの処理は同時並行で行う。
【0032】
テレビ装置11は、選択領域情報作成部34から表示データ生成部23への、選択領域情報の入力状態を判定する(ステップS13)。典型的には、ステップS13は、選択領域情報作成部34に入力されるデータが変更された場合に実行する。選択領域情報作成部34から表示データ生成部23に入力が無い場合には(ステップS13でNo)、ステップS14に進む。選択領域情報作成部34から表示データ生成部23に入力がある場合(ステップS13でYes)には、ステップS31に進む。
【0033】
表示データ生成部23は、デコーダ22から入力されたデコード情報に基づいて駆動信号を生成する(ステップS14)。
【0034】
テレビ表示部24は、駆動信号に基づいて表示を行う(ステップS15)。
【0035】
レイアウト情報抽出部25は、デコーダ22から入力されたBML文章を解析する(ステップS16)。より具体的には、レイアウト情報抽出部25は、BML文章を解析し、ブロック要素であるbody要素、div要素、p要素、object要素、input要素が示す矩形領域によるレイアウト情報を抽出する。また、レイアウト情報抽出部25は、矩形の位置について、BML文章で指定されているposition特性、left、top、right、bottom特性から算出する。ここで、レイアウト情報抽出部25は、抽出したレイアウト情報を表示データ生成部23と、レイアウト色変換部26に出力する。
【0036】
レイアウト色変換部26は、コンテンツの色情報を変換する(ステップS17)。より具体的には、レイアウト色変換部26は、BML文章においてcolor-index、background-color-indexに記載されている値に関わらず、レイアウトにおける親要素から順に、黒、白、黒、・・・、の順に色を付けて表示するよう、色変換後レイアウト情報を生成する。図2は、親要素から順に、2色に変換した色変換後レイアウト情報である。図2において、黒色に色変換された部分を斜線のハッチングで示す。
ここでレイアウト色変換部26は、BML文章においてborder-widthの指定がある場合には、border-top-color-index、border-right-color-index、border-left-color-index、border-bottom-color-indexの値を無視して、色変換後レイアウト情報を生成する。例えばレイアウト色変換部26は、border-widthの指定がある矩形領域の親要素が黒で塗られている場合には、自身のborderは白で塗り、borderより内側は黒で塗る。図3は、borderを白で塗り、borderより内側は黒で塗った色変換後レイアウト情報である。図3において、白色に色変換された部分を斜線のハッチングで示す。また逆に、レイアウト色変換部26は、親要素が白の場合には、自身のborderは黒で塗り、borderより内側は白で塗ってもよい。
【0037】
データ生成部27は、レイアウト色変換部26から入力された色変換後レイアウト情報に基づいて、HTMLドキュメントを生成し、端末装置12に送信する(ステップS18)。言い換えると、テレビ装置11は、図2又は図3で示した色変換後レイアウト情報を、Webページとして公開する。
【0038】
端末装置12の受信部31は、HTMLドキュメントを受信する(ステップS19)。言い換えると、端末装置12は、テレビ装置11により公開されたWebページを取得する。
【0039】
端末表示部32は、HTMLドキュメントの記載に基づいて、表示を行う(ステップS20)。
【0040】
端末装置12は、入力手段331を用いて、ユーザが色変換を所望する範囲が入力したか否かを判定する(ステップS21)。入力された場合(ステップS21でYes)は、ステップS22に進む。入力されない場合(ステップS21でNo)は、ステップS13に戻る。
【0041】
検出手段332は、入力手段331による入力に基づいて、色変換を行うブロック要素の検出を行う(ステップS22)。例えば、ユーザにより入力された軌跡が図4の点線の円形である場合、4つの矩形領域(B、C、D、E)は、50%以上が含まれている。したがって検出手段332は、ユーザが矩形領域(B、C、D、E)を選択したものとして検出する。ここで検出された矩形領域には、ユーザが見づらい部分を含んでいるものとして扱われる。なお、それ以外の矩形領域(A、F、G、H、I、J、K)は、選択範囲が50%未満と判定されるため、検出手段332では検出を行わない。
【0042】
選択領域情報作成部34は、検出手段332により検出された矩形領域から選択領域情報を作成し、ユーザイベントとして表示データ生成部23に出力する(ステップS23)。その後、ステップS13に戻る。
【0043】
選択領域情報作成部34から表示データ生成部23に入力がある場合(ステップS13でYes)には、映像色変換部29は、表示データ生成部23から表示データを入力し、選択領域情報作成部34により選択された領域について、色変換テーブル30に基づいて色変換を行う(ステップS31)。映像色変換部29は、CSS、PNG、MNG、文字については色覚異常者向けのCLUT(color lookup table)を用意して、本来の指定色とは異なる色を使用して変換する。また映像色変換部29は、JPEGに関してもデコードされたRGBの値を、あらかじめ用意されている色変換テーブル30に基づいて、色覚異常者向けの色に変換する。なお、映像色変換部29は、現在選択されている選択領域と、前回の色変換を実行した際の選択領域が異なる場合には、前回の色変換を実行した領域の色を本来の色に戻し、現在選択されている選択領域にのみ色変換を実施する。映像色変換部29は、色変換情報を、表示データ生成部23に出力する。


【0044】
表示データ生成部23は、映像色変換部29から入力された色変換情報と、表示データに基づいて、駆動信号を生成する(ステップS32)。その後、ステップS15に進む。図7は、選択された領域の色変換がなされた後の、テレビ表示部24の画面の1例である。より具体的には、図7は、左上の点線部分の矩形領域(B、C、D、E)の色変更がなされた状態を示している。
【0045】
これによりテレビ装置11上では、端末装置12で指定された選択領域のデータ放送の色が変換された状態で表示される。このときテレビ装置11では、端末装置12で指定されていない領域は、元の色のまま表示される。言い換えると、テレビ装置11では、ユーザが指定した必要最低限の領域の色を変換した映像を、表示することができる。したがって、色覚異常者と色覚異常でない人が同時にテレビ装置11を視聴している場合に、色覚異常者が所望の情報を得やすくなるとともに、色覚異常でない人は、色変更の箇所が少ない映像を視聴することができる。
【0046】
実施の形態2
図8は、実施の形態2にかかるテレビシステム2の構成図である。テレビシステム2は、テレビ装置11と、端末装置13を備える。なお、実施の形態1で示したテレビシステム1と同一の機能を奏する構成物品については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0047】
端末装置13は、受信部31と、端末表示部32と、入力検出部33と、選択領域情報作成部34と、端末側色変換テーブル35を備える。
【0048】
端末側色変換テーブル35は、端末装置13が個別に有する色変換テーブルである。例えば複数のユーザがそれぞれ端末装置13を持っている場合において、端末側色変換テーブル35は、ユーザが所有する端末装置13ごとに、ユーザの色覚異常の特徴に合わせた色変換ルールを記憶している。端末側色変換テーブル35は、記憶しているテーブルの内容を、色変換テーブル30に出力する。
【0049】
次に、テレビシステム2の動作について説明する。図9および図10は、テレビシステム2の動作フローチャートである。
【0050】
受信機21は、外部の送信局から送信された映像データを受信する(ステップS11)。
【0051】
デコーダ22は、受信機21から入力した映像データを復号し、デコード情報を生成する(ステップS12)。次にステップS13及びステップS16に進む。典型的には、ステップS13からの処理と、ステップS16からの処理は同時並行で行う。
【0052】
テレビ装置11は、選択領域情報作成部34から表示データ生成部23への、選択領域に関する情報の入力状態を判定する(ステップS13)。選択領域情報作成部34から表示データ生成部23に入力が無い場合には(ステップS13でNo)、ステップS14に進む。選択領域情報作成部34から表示データ生成部23に入力がある場合(ステップS13でYes)には、ステップS31に進む。
【0053】
表示データ生成部23は、デコーダ22から入力された情報に基づいて駆動信号を生成する(ステップS14)。
【0054】
テレビ表示部24は、駆動信号に基づいて表示を行う(ステップS15)。
【0055】
レイアウト情報抽出部25は、デコーダ22から入力されたBML文章を解析する(ステップS16)。
【0056】
レイアウト色変換部26は、コンテンツの色情報を変換する(ステップS17)。
【0057】
データ生成部27は、レイアウト色変換部26から入力された色変換後レイアウト情報に基づいて、HTMLドキュメントを生成し、端末装置13に送信する(ステップS18)。
【0058】
端末装置13の受信部31は、HTMLドキュメントを受信する(ステップS19)。
【0059】
端末表示部32は、HTMLドキュメントの記載に基づいて、表示を行う(ステップS20)。
【0060】
端末装置13は、入力手段331を用いて、ユーザが色変換を所望する範囲を入力したか否かを判定する(ステップS21)。入力された場合(ステップS21でYes)は、ステップS22に進む。入力されない場合(ステップS21でNo)は、ステップS13に戻る。
【0061】
検出手段332は、入力手段331による入力に基づいて、色変換を行うブロック要素の検出を行う(ステップS22)。
【0062】
選択領域情報作成部34は、検出手段332により検出された矩形領域から選択領域情報を作成し、ユーザイベントとして表示データ生成部23に出力する(ステップS23)。
【0063】
端末側色変換テーブル35は、記憶しているテーブルの内容を、色変換テーブル30に出力する(ステップS41)。その後、ステップS13に戻る。
【0064】
映像色変換部29は、表示データ生成部23から表示データを入力し、選択領域情報作成部34により選択された領域について、色変換テーブル30に基づいて色変換情報を生成する(ステップS31)。すなわち、映像色変換部29は、端末側色変換テーブル35に記憶された色変換ルールに基づいて、色変換情報を生成する。
【0065】
表示データ生成部23は、映像色変換部29から入力された色変換情報に応じて、デコーダ22から入力された表示データについて、選択領域の色変換を行い生成した新たな表示データに基づいて、駆動信号を生成する(ステップS32)。その後、ステップS15に進む。
【0066】
これによりテレビ装置11上では、端末装置12で指定された選択領域のデータ放送の色が変換されて表示される。このときテレビ装置11上では、あらかじめ端末装置13に記憶された、色覚異常者の特徴に合わせた変換ルールに基づいて色変換がなされるため、より色覚異常者にとって視認しやすい映像が表示される。
【0067】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述の動作では、常にテレビ装置はWebサーバとして動作する状態となるが、Webサーバとしての機能のON、OFFを切り替え可能にし、色変換の設定変更を行うときにのみONにして、ステップS16以降の動作を行うこととしても良い。また、テレビ装置11にレイアウト色変換部26が設けられ、白黒の2色に変換して端末装置12に出力するものとして説明したが、レイアウト色変換部26を端末装置12内に設けておき、端末装置12側で色変換を行って端末表示部32に表示させることとしてもよい。また、実施の形態2において、端末側色変換テーブル35で記憶している色変換ルールを色変換テーブル30に出力した後に、映像色変換部29は色変換テーブル30を参照しているが、端末側色変換テーブル35から映像色変換部29に色変換ルールを直接出力してもよい。検出手段332は、矩形領域の50%以上を含んでいるものを選択領域として検出したが、閾値は50%以外の値であってもよく、ユーザが任意に設定できることが望ましい。
【符号の説明】
【0068】
1 テレビシステム
2 テレビシステム
11 テレビ装置
12 端末装置
13 端末装置
21 受信機
22 デコーダ
23 表示データ生成部
24 テレビ表示部
25 レイアウト情報抽出部
26 レイアウト色変換部
27 データ生成部
28 送信部
29 映像色変換部
30 色変換テーブル
31 受信部
32 端末表示部
33 入力検出部
331 入力手段
332 検出手段
34 選択領域情報作成部
35 端末側色変換テーブル
図1
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