特許第6095073号(P6095073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6095073モバイルデバイスの動作センサーを使用してスポーツ動作を分析する方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095073
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】モバイルデバイスの動作センサーを使用してスポーツ動作を分析する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20170306BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20170306BHJP
   A63B 69/36 20060101ALI20170306BHJP
   A63B 69/38 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
   A63B69/00 C
   A63B69/36 541P
   A63B69/00 505Z
   A63B69/38 Z
【請求項の数】23
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-538849(P2014-538849)
(86)(22)【出願日】2012年10月19日
(65)【公表番号】特表2015-504259(P2015-504259A)
(43)【公表日】2015年2月5日
(86)【国際出願番号】US2012061209
(87)【国際公開番号】WO2013062873
(87)【国際公開日】20130502
【審査請求日】2015年2月26日
(31)【優先権主張番号】61/713,813
(32)【優先日】2012年10月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/551,388
(32)【優先日】2011年10月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/580,534
(32)【優先日】2011年12月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/655,366
(32)【優先日】2012年10月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514100267
【氏名又は名称】アキーモ,リミテッド ライアビリティー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Aquimo,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】コモラウス−キング,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ラナ,マノジ
【審査官】 山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−229197(JP,A)
【文献】 特開2004−113689(JP,A)
【文献】 特開平05−309174(JP,A)
【文献】 特開2010−252861(JP,A)
【文献】 特開2010−246612(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1059258(KR,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0040380(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/056548(WO,A1)
【文献】 特表2008−506421(JP,A)
【文献】 特開2009−247763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00−71/16
H04B 7/24− 7/26
H04M 1/00
1/24− 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
99/00
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツ動作の分析方法であって:
(a)統合型の動作センサを有するモバイルデバイスを用いてシミュレーションを行うスポーツ動作の開始点を特定するステップであって、ユーザが前記モバイルデバイスを所定の時間の間静止して保持することのみによって、前記開始点が示されるステップと
)前記動作センサから、前記開始点と前記モバイルデバイスの軌道に沿った移動に関する動作データを取得するステップと;
)前記取得した動作データを用いて、シミュレーションを行ったスポーツイベントの発生を特定するステップと;
)前記シミュレーションが行われたスポーツ動作に関する情報を出力するステップと;
を具え、
)前記モバイルデバイスがスポーツ器具のどの部分にも装着されておらず、前記開始点がユーザが設定した入力によって示されない、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記ステップ()から()が、前記モバイルデバイスに統合されたプロセッサを用いて実行されることを特徴とする方法。
【請求項3】
前記モバイルデバイスが電話機であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記シミュレーションを行ったスポーツイベントに関する情報を出力するステップが、前記モバイルデバイスの画面上に前記情報を出力するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記シミュレーションを行ったスポーツイベントに関する情報を出力するステップが、ゲームシステムへ前記情報を出力するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記動作センサが、加速度計と多軸ジャイロスコープとを具えることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記スポーツイベントが仮想物体との打点であることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項に記載の方法において、さらに、前記打点周辺の仮想物体の速度を特定するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項に記載の方法において、
前記速度の特定が、前記打点周辺のモバイルデバイスの特定された速度と、特定された腕の長さと、特定されたクラブの長さと、特定されたアーク長と、特定されたスイング種類と、の少なくとも一部に基づくことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項に記載の方法において、前記速度を特定するステップが、加速度計からのデータの使用を含まないことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項に記載の方法において、
前記速度を特定するステップが、第1動作データを用いて速度を計算するステップと、同時発生する第2動作データに基づいてマルチプライヤを適用するステップとを具えることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項に記載の方法において、さらに、前記打点での仮想物体の瞬間速度を特定するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、
前記開始点から軌道に沿って前記モバイルデバイスを移動させるステップが、ゴルフスイング、野球のスイング、ボウリングの動作、バドミントンのスイング、および釣り竿の投げ入れ、のうちの1つをシミュレーションするために、前記モバイルデバイスをスイングするステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項に記載の方法において、
前記打点が、前記モバイルデバイスの第1回転方向が最小であるかその近辺であり、前記モバイルデバイスの第2回転方向の微分係数が最大であるかその近辺である時の瞬間を検出することにより特定されることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項に記載の方法において、
前記動作センサが多軸ジャイロスコープを具え、前記打点が、ピッチ、ロール、およびヨー、のうちの2つ以上を使用して特定されることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法において、シミュレーションが行われたスポーツ動作を分析するステップをさらに具えることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記シミュレーションが行われたスポーツ動作を分析するステップが、前記シミュレーションが行われたスポーツ動作の間の前記モバイルデバイスの、ピッチ、ロール、およびヨー、のうちの1つを分析するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、
前記シミュレーションが行われたスポーツ動作は、前記シミュレーションが行われたスポーツ動作の間の前記モバイルデバイスの第1動作と、打点における前記モバイルデバイスの第2動作と、に基づいて特定されることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、
前記打点におけるモバイルデバイスの第2動作を分析するステップが、前記打点における第2動作を前記開始点における第2動作から差し引くステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項20】
前記スポーツイベントが放出点であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、前記放出点が、
ボウリングのボール、ラクロスのハンドル、バスケットボール、野球のボール、ホッケーのスティック、ビーンバッグ、アメリカンフットボール、および釣り竿、のうちの1つの放出点であることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項1に記載の方法において、
前記シミュレーションが行われたスポーツ動作に関する情報を出力するステップが、前記モバイルデバイスおよび独立したウェブ対応ディスプレイのうちの少なくとも1つを使用して、前記情報を出力するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項1に記載の方法において、
前記シミュレーションが行われたスポーツ動作に関する情報を出力するステップが、ゴルフボールの飛行、野球のボールの飛行、テニスボールの動き、卓球ボールの動き、ビーンバッグのトス、アメリカンフットボールのボールの飛行、ボウリングのボールの軌道、釣り針の飛行、およびシミュレーションが行われたスポーツ動作に対応する他の動作、のうちの1つまたはそれ以上の表示を出力するステップを具えることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、2011年10月25日に提出され、「スポーツ動作の評価をセンシングする統合動作を具備したモバイルフォーンの使用および該評価に反応するカスタマイズされたスポーツ指導の提供」と題された米国仮出願番号第61/551,388号;2011年12月27日に提出され、「ゴルフスイング評価をセンシングする統合動作を具備したモバイルフォーンの使用およびゴルフクラブからフィット感を得るカスタマイズ」と題された米国仮出願番号第61/580,534号;2012年10月15日に提出され、「モバイルデバイスからのマルチセンサー情報を用いたスポーツ動作の分析法」と題された米国仮出願番号第61/713,813号に対する優先権を主張する。これらの特許の内容全体は引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
1.発明の属する技術分野
本発明は、モバイルデバイスの動作センサーを使用してスポーツ動作を分析する方法およびシステムに関する。
【0003】
2.関連技術の説明
スポーツ動作、特に、ゴルフスイングの評価においては広範囲な従来技術がある。例えば、複数の製造者は、ゴルフボールの飛び出し角および速度を分析する高速ビデオカメラ使ったローンチモニターを提供する。加えて、後の分析のために動作データを捉えるゴルフクラブに装着可能な種々のデバイスの使用に関する先行技術の開示がある。例えば、HashimotoらのWIPO公開公報WO2011085494号は、パーソナルコンピュータで分析されるデータを用いた実際のゴルフクラブに装着可能な動作センサーのシステムを記載している。同様に、Eyestoneらの米国特許出願公開2005/0054457号は、ブルートゥースコネクションを用いたデバイス上でデータ収集を使用する、物理的なゴルフクラブに装着できるクリップ式の動作センサーを記載している。更に、PING,Incは、使用者が物理的なボールをパッティングすると、物理的なゴルフクラブにクリップ装着したモバイルフォーンの動作センサーが、パットの分析、およびプロゴルファーのパッティングと結果を比較し、アプリケーション用のデータを提供するパッティング分析システムを開発した。しかしながら、かかる先行技術システムおよび方法は、物理的なボールとのインパクト、および/または、スポーツ器具、または、それへの装着の使用を必要とする。
【0004】
コンピュータゲームの世界では、動作センサーを使用したいくつかのスポーツ関連ゲームが導入されている。例えば、任天堂Wiiは、人気のあるゲーム機コンソールで、Wiiコントローラは、ゲーム機コンソールと赤外線で接続される3軸加速度計を含む。任天堂Wiiコントローラは、ゲーム機コンソールにブルートゥースコネクション経由で接続されており、かつ、加速度計を使用して3次元での加速度を検知する。また、Wiiコントローラは、使用者から数フィートのとこに置かれる10LEDセンサバーと組合せ、かつ、ゲーム機コンソールと物理的に接続されたPixArt光学的センサを特徴として、Wiiリモートが向かう場所の決定を可能にする。ジャイロスコープを含め、Wiiコントローラ用のアドオンが、利用可能であるが、有っても無くても、Wiiは、使用者が高価で、煩雑なゲームシステムのすべての購入を必要とし、かつ、テレビに物理的な装着を必要とする。
【発明の概要】
【0005】
本開示の1つの態様は、スポーツ動作の分析法に関する。本方法は、モバイルデバイスはスポーツ器具のどの部分にも装着していない、かつ、開始点が使用者入力インプットで示していない、統合動作センサを有するモバイルデバイスを用いてシミュレーションすべきスポーツ動作の開始点を測定;シミュレーションを完了する軌道に沿って開始点からモバイルデバイスを移動;開始点および軌道に沿った運動に関する動作センサから動作データを取得;取得した動作データを使用しているシミュレーションされたスポーツイベントの有無の測定;および、シミュレーションされたスポーツ動作に関連する情報のアウトプットから成る。一実施態様では、開始点は、所定時間静止して持っているモバイルディバイスにより表示する。一実施態様では、例えば、シミュレーションされたスポーツイベントに関連する情報は、モバイルデバイスのスクリーン上での情報のアウトプットを含む。別の実施態様では、シミュレーションされたスポーツイベントに関連する情報は、ゲームシステムへの情報のアウトプットを含む。
【0006】
一実施態様では、測定されたスポーツイベントは、仮想のゴルフボールなどの仮想物体との打点である。ゴルフの場合では、モバイルデバイスは、ゴルフのフルスイング、チップ、またはパットをシミュレーションするゴルフクラブのように使用できる。ゴルフのフルスイングでの一実施態様では、打点は、モバイルデバイスのピッチが第2の最小値またはその近辺である時のモーメントを求めることで測定する。別の実施態様では、打点は、モバイルデバイスのピッチが最小値またはその近辺であり、および、モバイルデバイスのヨーの微分(変化率)が最大値またはその近辺である時のモーメントを求めることで測定する。
【0007】
さらに、スポーツ動作分析法は、推定される腕の長さ、クラブの長さ、スイングタイプのアーク長に関するデータと併せた、ジャイロスコープデータ(加速度計を必要としない)を使用する打点での仮想物体の速度測定ステップを含む。別の実施態様では、仮想物体の瞬間速度は、好適な加速度計を使用して測定できる。一実施態様では、マルチプライヤは、取得された動作データに含まれる、打点におけるモバイルデバイスのヨー、および、ロールによって測定した推定された手首の曲げおよび前腕の回転に基づく速度に適用できる。
【0008】
スポーツ動作の分析法は、シミュレーションされたスポーツ動作の分析のステップを含み得る。シミュレーションされたスポーツ動作の分析は、シミュレーションされたスポーツ動作中のモバイルデバイスのピッチ、および、例えば、ゴルフでの、打点でのモバイルデバイスのロールの分析を含み得る。スポーツ動作(例えば、ゴルフスイング)の分析情報は、インターネット経由でクラウドベースのサーバに接続されている使用者のモバイルデバイス、または、ウエブ対応ディスプレイ上に提示され得る。
【0009】
一実施態様では、例えば、ボウリングボール、ラクロスハンドル、バスケットボール、野球、ホッケースティック、ビーンバッグ、および、フィッシングロードの放出点などのスポーツイベントは放出点である。
【0010】
該方法は、さらに拡大して、動いている仮想物体(野球、ホッケーパック、テニスボール、卓球ボール、シャトルコックなど)の仮想スポーツ器具(野球バット、ホッケースティック、テニスラケット、卓球ラケット、バトミントンラケットなど)での打撃を含有するスポーツ動作を含み得る。また、該方法は、仮想のフライフィッシングフックを魚に向かって投げだす、仮想のボーリングボールをボウリングピンに当てる、仮想のバスケットボールを仮想の籠に放り込む、仮想のアメリカンフットボールを仮想のランニングレシーバに投げる、仮想のビーンバッグまたは仮想のやり投げを目標に向かって投げるなどのプレイヤーからある距離にある物体をインパクトするスポーツ動作の分析に使用し得る。
【0011】
開示の別の態様は、スポーツ動作の分析法に関する。該方法は、(a)ウエブ対応ディスプレイのスクリーン上の仮想物体の表示から成る;(b)シミュレーションされたスポーツ動作に関連する動作データである、モバイルデバイスの動作センサからの動作データ取得;(c)取得した動作データを使用して、スポーツ動作の軌道に沿ったスポーツ動作および運動の開始点の測定;(d)仮想物体がインパクトされたかを、もしされたならば、打点を測定するために、シミュレーションされたスポーツ動作のタイミングと動く仮想物体のタイミングとの比較;および(e)シミュレーションされたスポーツ動作に関連する情報のアウトプット;(f)ウエブ対応ディスプレイは、モバイルデバイスから分離し区別されるデバイスであり、かつ、使用者がモバイルデバイスを動かしスポーツ動作をシミュレーションすると、モバイルデバイスの使用者は観ることができる;ウエブ対応ディスプレイおよびモバイルデバイスは、クラウド型エンジンにインターネット経由で接続され;かつ、クラウド型エンジンは、ゲームプレイングを管理して、少なくとも部分的に(d)のパフォーマンスに係わりが有る。ウエブ対応ディスプレイは、インターネットに接続可能なコンピュータ、タブレット、ウエブ対応テレビ、および他のモバイルデバイスの1つであり得る。一実施態様では、ゲームは、投げられたまたは打たれた物体を含み、かつ、仮想物体は、野球、テニスボール、ラケットボール、卓球ボール、ホッケーパック、およびバトミントンシャトルコックの1つである。仮想物体の表示は、ウエブ対応ディスプレイ上のビデオ、スプライト、シネマグラフ、または、アニメーションを含み得る。一実施態様では、クラウド型エンジンの時計、ウエブ対応ディスプレイ、および、モバイルデバイスは、ネットワークタイムプロトコルを使用して同期される。一実施態様では、タイミングの比較は、打点を測定する内挿の使用を含む。
【0012】
一実施態様では、さらに、該方法は、(g)シミュレーションされたスポーツ動作に応答するウエブ対応ディスプレイ上の仮想物体の飛行の表示から成る。例えば、仮想物体の飛行は、ゴルフボールの飛球、野球ボールの飛球、テニスボールの飛球、または、卓球ボールの飛球であり得る。一実施態様では、方法は、(h)ウエブ対応ディスプレイ上の仮想物体の飛行との相互作用の表示から成る。かかる相互作用は、ビデオ、スプライト、シネマグラフ、または、アニメーションの1つ以上を使用して表示することができる仮想物体のキャッチングまたはヒッティングを含み得る。相互作用は、ステップ(h)の後で使用者に打ち返された仮想物体を含み得て、ステップ(b)から(f)は、ゲームプレイ感覚を与えるように繰り返すことができる。
【0013】
開示の別の態様は、メモリー、プロセッサー、および、統合多軸ジャイロスコープを含むモバイルデバイスから成るスポーツ動作を分析するシステムに関する。モバイルデバイスは、シミュレーションされたスポーツ動作の開始点を測定する;開始点およびスポーツ動作をシミュレーションする軌道に沿った運動中でのモバイルデバイスの方向に関連するジャイロスコープからジャイロスコープ測定を取得する;仮想物体の打点、および、取得したジャイロスコープ測定を使用して打点でのモバイルデバイスの速度を測定する;ならびに、シミュレーションされたスポーツ動作に関連する情報をアウトプットするように構成されている。一実施態様では、モバイルデバイスは、補助装置(例えば、ゴルフクラブまたは加重されたゴルフグリップ)に装着する。
【0014】
開示の別の態様は、メモリー、プロセッサー、および、統合動作センサを含むモバイルデバイスから成るスポーツ動作を分析するシステムに関する。モバイルデバイスは、開始点が所定時間静止して持っているモバイルディバイスにより表示する、シミュレーションされたスポーツ動作の開始点を測定する;開始点およびスポーツ動作をシミュレーションする軌道に沿った運動中でのモバイルデバイスの方向に関連する動作センサからの動作データを取得する;少なくとも2つの軸に沿ったモバイルデバイスの方向に関連する得られた動作データを使用して仮想物体の打点を測定する;ならびに、モバイルデバイス経由でのシミュレーションされたスポーツ動作に関連する情報をアウトプットするように構成されている。一実施態様では、モバイルデバイスは、補助装置に装着する。
【0015】
本発明の他の局面および実施態様も考えられている。前述の説明および以下の詳細な説明は、本発明がいかなる特定の実施態様に制限されることを意味するものではなく、本発明のいくつかの実施態様を単に記述することを目的としている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、モバイルデバイスの内部の動作センサにより測定された種々の回転運動を図示している;
図2図2は、モバイルデバイスの動作センサを使用してスポーツ動作を部関するシステムを図示している;
図3図3は、スイングの正確性を測定するのに有用な例示ゴルフのフルスイング中のモバイルデバイスのピッチおよびロールを図示している;
図4図4(a)は、ゴルフフルスイングの際のクラブヘッド速度計算技術を図示している;図4(b)は、ゴルフチップの際のクラブヘッド速度計算技術を図示している;
図5図5は、打点および打点でのクラブヘッド速度を測定するモバイルデバイスのピッチデータの利用を図示している;
図6図6は、打点を測定する例示ゴルフのフルスイング中のモバイルデバイスのピッチおよびヨーの利用を図示している;
図7図7(a)ないし(c)は、例示ゴルフのスフスイング、チップ、およびパットそれぞれについてモバイルデバイスのピッチの変化を図示している;
図8図8は、例示テニススイングまたは座りながら水平に打つゴルフスイング中のモバイルデバイスのピッチ、ヨー、ロール変化を図示している;
図9図9は、野球のスイングのヨー、ロール、およびピッチを図示している;
図10図10は、ボーリング動作のヨー、ロール、およびピッチを図示している;
図11図11は、補助装置に装着した例示のモバイルデバイスを図示している;
図12図12(a)ないし(c)は、補助装置に装着した図11のモバイルデバイスホルダーを図示している;
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書で使用するとき、モバイルデバイスは、マイクロプロセッサ、メモリー、統合動作センサを有するハンドヘルドデバイスを言う。
【0018】
本明細書で使用するとき、校正点は、スポーツ動作が開始する前の構えのポジションでのモバイルデバイスの時間および空間の位置を言う。
【0019】
本明細書で使用するとき、打点は、仮想物体とのインパクトの時間および空間の位置を言う。
【0020】
本明細書で使用するとき、放出点は、仮想物体の放出の時間および空間の位置を言う。
【0021】
ゴルフなどのスポーツでは、打点および放出点は、時間及び空間での同じ物理的位置である。しかしながら、他のスポーツでは、打点および放出点は、同じではない。例えば、ラクロスでは、長柄のスティックでボールを受け取り(打点でボールがラクロススティックに当たる)、次に、異なる位置の(放出点で)スティックから投げる。更に、いくつかのスポーツでは、打点が無くて放出点のみである。例えば、フライフィッシングでは、特定の最大値を超えると加重された釣り針が釣竿から放出され、釣竿に角運動量を付与す手首の軽い振りで放出点が生じる。
【0022】
図1は、アップルアイフォーン4Gs、アップルアイポットタッチ、またはサムソンギャラクシーIIIスマートフォーンなどのモバイルデバイス10の内部の動作センサにより測定された種々の回転運動を図示する。モバイルデバイス10のこのセンサは、X、Y、Zの加速度データ(各軸に沿ってGで表示)を捉える加速度計、ならびに、移動(各軸でのラジアン単位で表わす)中のモバイルデバイス10のピッチ、ロール、およびヨーを測定するジャイロスコープを含む。現在、動作センサは、モバイルデバイス10に搭載されたアプリケーションプログラムで利用できる(プッシュされたデータを引き寄せるか、所有するかのいづれかで)データを用いて、1秒当たり(100ヘルツ)約100倍でサンプリングする。本発明と併せて用いられる代表的なジャイロスコープは、STMicroelectronics,Inc.製のL3G4200Dジャイロスコープである。しかしながら、本発明は、現在利用可能な動作センサ技術に限定されないことを理解すべきである。
【0023】
図2は、スポーツ動作100を分析するシステムを図示している。図示の様に、スポーツ動作100を分析するシステムは、モバイルデバイス10のメモリーにローディングされたアプリケーションプログラムの含有が可能な分析エンジン50を含む。アップルアイフォーン用のかかるアプリケーションプログラムは、Apple Developer Suiteを使って開発できるが、それには、Xcode、Interface Builder、iPhone Simulator開発ツールの使用を含め、または、Objective Cでのカスタムプログラミングで行う。コアモーションフレームワークを、加速度計およびジャイロスコープデータの取得と測定のために使用できる。モバイルデバイス10が、アップルアイフォン以外である場合、別のプログラミング技術およびツールを使用し得ることを理解すべきである。例えば、モバイルデバイス10が、アンドロイドオペレーティングシステムを使っているスマートフォンである場合、JAVAプログラミング言語を用いてアンドロイドプラットフォーム上でアプリケーションの開発するためにツールおよびアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を提供する、適切なアンドロイドソフトウエア開発キット(SDK)を使用し得る。
【0024】
スポーツ動作100を分析するシステムの最大の特徴は、初期は、(1)使用者が、モバイルデバイス10を所定時間(例えば、ゴルフであれば少なくとも1秒間)静止して持つが、これはモバイルデバイス10の「ゼロ」校正を示し、スポーツ動作100の校正点である。プレイヤーの構えのポジションおよび校正点は、違うスポーツごとに異なる:ゴルフの場合、構えは、ゴルフスイングのアドレスのポジッションであり、野球の場合、仮想のティー上のボールの位置であり、テニスまたは卓球の場合、スイングする前の静止したラケットのポジションである。
【0025】
校正点は、モバイルデバイス10が、同じポジションで1秒間静止で持たれている特定に構えのポジションである必要はないことに留意する。テニスまたは卓球の場合、校正点は、プレイヤーがプレイの準備ができているポジションでの手が有るポイントから取得し、および/または、前のスポーツ動作100の終点または校正点として選択される。
【0026】
次に、使用者はスイング(2)をして、かつ、スイング(例えば、ポーリング)中に分析エンジン50で動作センサデータを取得する。続けて、分析エンジン50は、スイングタイプ(3)を検出する。スイングタイプは、モバイルデバイス10(例えば、プルダウンメニューリストから「ゴルフのフルスイング」、「チップ」、「パット」を選択する)のスクリーンから使用者による入力か、動作シグネチャ、および、もしかしたら、ゴルフにおけるクラブの選択などの他の因子(例えば、ウエッジの選択の場合、動作シグネチャは、使用者のスイング角度が30度でスイングタイプはチップであると示す)に基づく検出のいずれかである。次に、分析エンジン50は、仮想物体とのインパクトおよび/または放出点(4)を検出し、動作シグネチャを分析して動作変数(ゴルフの場合、スイングスピードおよびスイングの正確性)を計算し、かつ、重要なアウトプットパラメータ(ゴルフの場合、球飛距離)を測定する。最後に、スイングに関する情報は、モバイルデバイス10の上にグラフアウトプット(7)、または、分離したウエブ対応ディスプレイで表示し得る。別の方法としては、または加えて、スイングに関する情報は、Jefferyらに交付された参照により本明細書に組み込まれる同時係属中の米国特許出願61/641,825号、出願日2012年5月12日、「Web−Based Sports Game Platform With Mobile Phone Motion Sensor Input(モバイルフォーンセンサインプットを用いるウエブベースのゲームプラットフォーム)」などのゲームシステムへのインプットとして使用し得る。
【0027】
本発明のこれらおよび他の要素は、ゴルフスイングスポーツ動作の状況で、および、加えて、野球およびボーリングを含めた他のスポーツ動作に関して本発明の以下の詳細な説明から明らかになる。しかしながら、以下の実施例は、限定されないことを理解すべきである。
【0028】
ゴルフの実施例
図3は、ゴルフスイングをしている時のモバイルデバイス10のピッチおよびロール図示する。本発明の重要な要素は、アドレスの位置(ポジション1)でモバイルデバイス10を静かに持つことでの、モバイルデバイス10の校正である。次に、ピッチの動作シグネチャは、バックスイング(ポジション2)で増加し、ゴルフバックスイングのトップ(ポジション3)で局所最小値を示す。しかしながら、最小値(ポジション3)は、180度以上回転するピッチ動作センサのアーティファクトである。また、現実に、ピッチは、バックスイングのトップの位置で180度を超える最大値まで増加し続ける。しかしながら、センサの限定は、動作シグネチャを0から180度に制限する。ピッチデータは、図示したように、打点(ポジション5)まで、ダウンスイング(ポジション4)中は低下し続ける。
【0029】
精度分析
ポジション5の打点で、モバイルデバイス10は、ほぼ初期の校正点(ポジション1)に戻り、ゴルフでのこのポイントは、仮想のゴルフボールとのインパクトでの手の位置で、かつ、局所最小値あることに留意する。ゴルフスイングが高速の場合は、打点での最小値は、分解能限界のために校正ゼロに正確に戻らない。打点の測定が、極めて重要であるのは、このポイントでのモバイルデバイス10のロールがクラブのフックまたはスライスを決定するからである。他のスポーツでは、打点はバットまたはラケットのフックおよびスライス、および/または、投球あるいは投げるスポーツでの放出点を測定するのに不可欠である。打点から、ゴルフスイングは、ポイント(6)および(7)を経由する。
【0030】
要約すると、ピッチデータ、または、スクリーン(X軸)(図1参照)に見る時にモバイルデバイス10を上部半分と下部半分に分ける軸の周りの回転は、ゴルファーがスイングをする際に最も明らかになるデータストリームである。インパクトは、開始校正点(ゴルファーが構えのポジションにある時のスイング前に取った、例えば、1秒の間で、全てのフォーンの位置/方向データを平均値で「ゼロ」と定義する)に近づく主要な最小値において見られる。具体的に見ると、ゴルファーのスイングで、ゴルファーがバックスイングに入るとピッチデータが取れ、インパクトを通過すると校正に戻るが、フォロースルーに入ると再度、上昇する。インパクトは、構えの位置、または、校正点に最も近いピッチポジションである。
【0031】
一実施態様では、ゴルフのフルスイングの打点は、クローラアルゴリズムを使用したピッチの第2の最小値になるように選択される。別の実施態様では、最小値は、Zの加速度でのスパイクに一致させて確認できる。ピッチに主要な最小値が1つ以上見られる時は、インパクトとして選択された最小値は、最大のZの加速度を有する点により測定される。この確認は、ゴルファーのバックスイングまたはフォロースルー回転があまりに大きくてジャイロスコープが完全にひっくり返り、校正の近くで余分の最小値が出てしまう場合には役立つ。
【0032】
一度、インパクトが見られると、スイングの正確性は、校正でのロールデータからインパクトでのロールデータを差し引いて測定される。ロールデータ、または、スクリーン(Y軸)に見る時にフォーンを左側半分と右側半分に分ける軸の周りの回転は、クラブフェイス上の「オープンおよびクローズ」フェイスポジションを示す。図3は、ロールデータの拡大図を示す。負の差異を返すスイングは、使用者が回転過多であることを意味し、これは、インパクトでクローズフェイスを示し、その量により、ドローまたはフックになる。正の差異を返すスイングは、使用者が回転過少であることを意味し、これは、インパクトでオープンフェイスを示し、その量により、フェードまたはスライスになる。ほぼゼロを返すスイングは、クラブフェイスがインパクトで極めて近く校正方向に合っていることを意味し、ストレートの球飛を示す。
【0033】
速度分析
クラブヘッドの速度は、球飛距離の測定においてはゴルフの重要なパラメータである。ゴルフクラブの製造者には、特定のスイングスピードで動くクラブヘッドによるゴルフボール打球時の球飛距離を詳述した実験的な表がある。また、そのような表は、クラブタイプ(具体的には、ドライバー、5番アイアン、パター)、クラブヘッドのロフト、シャフトの硬さ、および球飛にインパクトを与える他の変数を考慮している。
【0034】
スイングスピードは、スポーツ動作のメカニズムがあるので複雑な計算になる。ゴルフクラブヘッドなどの仮想のスポーツ器具の速度計算に関心を有するが、センサで手の動作を測定することは挑戦的なことである。プロの運動選手が使う幅広い器具に対して、手および腕の動作がどの様に動作センサデータアウトプットに翻訳されるかを理解するために、適切にフィットしたスポーツ器具を使って実施した。ゴルフ分析を図示したが、本方法は、野球、テニス、ボウリング、バスケットボール、アメリカンフットボール、卓球を含める他のスポーツ動作に一般化できることを理解すべきである。
【0035】
図4は、(a)ゴルフのフルスイング、および、(b)ショートスイングであるチップのスイング動作要素を図示する。もしも、クラブが腕に沿って正確にスイングされると、モバイルデバイス速度Vは、以下の関係式でクラブヘッド速度(Vクラブヘッド)に関係する:
クラブヘッド =Vx(腕の長さ+クラブの長さ)/腕の長さ (1)
【0036】
しかしながら、エキスパートのゴルフプレイヤーは、手首を曲げ、かつ、前腕を回転してボールに伝わるクラブヘッドの速度を増加させる。これらの手首の曲げ、および、回転は、インパクトでのクラブヘッドの速度を飛躍的に増加させるので、式(1)は、多くのゴルファーのゴルフスイングスピードについて巨視的な過小評価の値と言える。しかしながら、パッティングは手首の曲げが無いので、パッティングには有効である。
【0037】
図5は、具体的に、ゴルフスイングにつてモバイルデバイス10の速度を計算する方法を図示している。例示のフルゴルフスイングの場合のモバイルデバイス10のピッチに関する動作シグネチャをグラフにした。スイングに関して標識したピッチデータでのポイント(4)、ポイント(5)、ポイント(6)に対応するスポーツ動作を下記に示した。初めに、スイングの最下点(ポイント5)でのピッチの局所最小値として定義するピッチデータでの打点を見出す。次に、60度の角度でピッチデータの前後を調べる。これらのデータポイントは、正しい手首の曲げであると仮定すれば、スイング(4)および(6)のポジションと一致する。一般的に、2つのポジションの間の通過には10分の1秒で、プレイヤーの腕の長さを考えると、120度のアーク長で割りインパクトでのモバイルデバイス10の速度を得るが、ここで、アークの半径は経過時間による腕の長さと等しい。これから、モバイルデバイス10の速度(手の速度)を得る。類似の方法をチッピングに使用できるが、しかし、短くなったスイング長のため、55度以下の短くなったアーク長で行う。
【0038】
高速ビデオクロッキングを用いて、ドライバークラブヘッドスピードは、手の速度の2.4倍程度に遅く(使用者が緩まない腕、前腕、手首でクラブをスイングした場合)なり、または、手の速度の6倍程度に速く(世界レベルのプロのゴルファーの場合)なることが確認された。2つのマルチプライヤの違いは、インパクトで90度のアーク長で腕を動かすのに要する時間において、ゴルファーがより大きなアーク長(180度に近いこともある)でクラブヘッドを動かすことを可能にする前腕の回転および手首の曲げの組合わせからである。選択したマルチプライヤは、手首の曲げおよび前腕の回転、それぞれについて、ZおよびY軸(ヨーおよびロール)上のインパクトからジャイロスコープの加速度により直接的に駆動される。
【0039】
アイフォン4および4に関する詳細な実験から、ジャイロスコープは特に正確であることが分かったので、ロールデータは、約1/2度以内ではフックまたはスライスを予測するのに非常に好適である。しかしながら、アイフォン4からの加速度計データは「雑音のある」状態であり、さらには、特に、ゴルフスイング全体からみて正確ではないが、しかし、インパクトで前腕の回転率を測定するには良好に働く。この理由により、スイングを部分に分けて、そして、インパクトのモバイルデバイスの平均速度Vを計算する:
式中、D−Dは、図5のポイント(4)と(6)との間の距離であり;かつ、t−tは、距離D−Dに要する時間である。打点での瞬間速度のより厳密な近似を可能にするので、より短い距離が好適である。しかしながら、このジャイロスコープの0.01秒分解能は、120度のアークを必要とする。将来、ジャイロスコープのサンプリング分解能が向上すれば30℃以下のアークが好ましい。
【0040】
式(2)は、フォーンの実際の瞬間速度の近似であり、かつ、上記の手首の曲げまたは前腕の回転を含んでいないので、ゴルフクラブヘッド速度の一次近似である高速ビデオカメラに関する詳細な実験から、各種のスイングタイプについて+/−10%の範囲のクラブヘッド速度計算より、これらの変数のマルチプライヤを見出すことができる。クラブヘッド速度から、理想的な状況で球飛距離を予測できる。
【0041】
本発明者は、加速度計からのデータ品質アウトプットが、将来、飛躍的にアイフォンまたはアンドロイドベースのフォーンのバージョンを向上させると考える。一実施態様では、インパクトでのモバイルデバイス10(十分に正確な加速度計を有する)の速度は、バックスイングのトップ(tbs)からモバイルデバイスのゼロ(t)までの加速度を積分することにより計算する。
インパクトでの全モバイルデバイス速度:
【0042】
式中、t−tbsは、ピッチデータから測定したバックスイングのトップでの最低値(tbs)とインパクトでのスイングの最下点でのゼロtとの間の時間である。積分は、4次Runge‐Kuttaアルゴリズムを使用してソフトウエアで計算する。例として、William H.Press et al、Numerical Recipes 3rd Edition:The Art of Scientific Computing、2007を参照。
【0043】
速度成分ベクトル(4)では、内部加速度計は、雑音のあるアウトプットなので、加速度計の現在のバージョンを用いて正確に計算するのは困難であり、従って、現在、平均法の方程式(2)を使用する。スイング動作のデータは、使用者に提示され、かつ、スイング一貫性向上の縦断的比較のために、アプリにローカルで使用者のアカウントにあるサーバで格納される。
【0044】
また、使用者は、クレードルを介してゴルフクラブにフォーンを装着し、かつ、距離および正確性について実際の練習スイングと計算されたスイングとを比較できる。フォーンがクラブに装着されている類似の分析を使用するがマルチプライヤは異なる、その理由は、主に、ユーザのゴルフクラブのスイングがフォーンより遅く、フォーンはゴルフクラブより軽いので使用者の手は必然的に速くなるからである。
【0045】
スイング分析の追加実施例として、ゴルフクラブのフルスイングよりもパッティングを考える。PING,Inc.は、以前からパッティング用のアイフォンアプリを製作している。しかしながら、この会社の先行技術発明は、3つの重大な限界がある:この方法では、(1)パターにアタッチメントを必要とし、(2)物理的なボールとのインパクトを必要とし、(3)(約20フィート以上の)ロングパットでは正確でない。
【0046】
本明細書に記載された方法は、これらのいかなる制限もない。上記に記載されたフルスイングと同じに、使用者はパターのようにモバイルデバイス10を手に持ち、そして、静止1秒後に振動する:これでフォーンは準備完了となる。次に、使用者は、想像の(仮想の)ボールをパッティングする。フルスイングと比較して、今は、フォーンからのピッチデータは、インパクトで最低値の相対的に滑らかな正弦波関数である。ピッチのストロークは、式2から計算した平均速度を用いてゴルフのフルスイングと同様に分析するが、式中、DおよびDは、ボールとのインパクトした際のプールバックおよびストロークそれぞれの最大距離である。パターストロークの利点は、関数が滑らかで、速度がゴルフのフルスイングと比較して相対的に遅いことである。従って、また、式(3)および(4)は、インパクトでの瞬間速度を計算するのに使用し得る;パターの長さについて、ボールとのインパクト時のパターヘッド速度のスケールマルチプライヤを用いて、式(3)の積分、および、式(2)の平均速度の両方を使用する。式(1)参照。長いパターの場合の加速度法は、ますます精度が落ちていくが、平均速度法は、経験的測定から得られたマルチプライヤを用いて、より良い結果を提供する。
【0047】
パターヘッドのスピードからボールが転がる距離は、理想状態を仮定して計算できる。しかしながら、最も重要なことは、物理的なボールを打つことをしないでインパクトでのフォーンのロール角の差を定量化(フルスイングの場合のフックおよびスライスと同様)できることである。また、パットでの減速、または、左プルあるいは右プッシュ(これら最後の2つのエラーは、加速度の第2積分、およびロールデータから識別される)などのエラーについてジャイロスコープ加速度データを分析できる。さらに、スイング動作のデータは、使用者に提示され、かつ、パッティング一貫性向上の縦断的比較のために、アプリにローカルで、および、使用者のアカウントにあるサーバで格納される。
【0048】
マルチセンサインパクト検知
モバイルデバイス10の単一タイプの回転データ(ピッチ)を使用する仮想物体との「打点」を検出する技術は、上記に記載した。スポーツ動作シグネチャ(時間の関数としてのピッチデータ)は、スポーツ動作のタイプに特異な(例えば、ゴルフのフルスイング)特徴を分析する。スポーツ動作シグネチャのアプリオリ構造は、仮想の打点の時間および空間の位置を分離するのに必要であった。別の実施態様では、発明概念を拡張して、多くの異なるスポーツ動作シグネチャ、および、幅の広い動作について打点の検出ができるようにする。
【0049】
図6は、ゴルフスイングをしている時のモバイルデバイスのピッチおよびヨーを図示する。この場合、使用されたモバイルデバイスは、アップルアイフォーン4Gsである。前述のとおり、モバイルデバイス10の校正は、アドレスの位置(ポジション1)でモバイルデバイス10を静かに持つことで達成される。次に、ピッチの動作シグネチャは、バックスイング(ポジション2)で増加し、ゴルフバックスイングのトップ(ポジション3)で局所最小値を示す。しかしながら、最小値(ポジション3)は、180度以上回転するピッチ動作センサのアーティファクトである。先に述べた様に、現実に、ピッチは、バックスイングのトップの位置で180度を超える最大値まで増加し続ける。しかしながら、センサの限定は、動作シグネチャを0から180度に制限する。ピッチデータは、図示したように、打点(ポジション5)まで、ダウンスイング(ポジション4)中は低下し続ける。
【0050】
高速カメラを用いた詳細な実験から、モバイルデバイスは初期のアドレス位置(ポジション1)近くに戻り、仮想の打点(ポジション5)はピッチの局所最小値であることを見出した。打点(ポジション5)から、ゴルフスイングは、ポジション(6)および(7)経由する。
【0051】
打点の測定が、極めて重要であるのは、このポイントでのフォーンのロールが、クラブのフックまたはスライス、バットまたはラケット、および/または、投球あるいは投げるスポーツでの放出点を決定するからである。以前、発明者は、第2の最小値のピッチ動作シグネチャを検索するクローラソフトウエアを使用した。しかしながら、異なるスイングが異なる動作シグネチャを有するので、この方法は、普遍的に適用可能ではない。
【0052】
図7(a)ないし(c)は、3つの異なるタイプのゴルフスイングについてモバイルデバイスのピッチの変化を図示する。図7(a)は、プロゴルファーのフルスイング、7(b)はゴルフチップ、および、7(c)はゴルフパットを示す。打点は、3つの全てで同じであるが、動作シグネチャは全く異なる。さらに、基本の動作シグネチャは異なり得る。具体的には、ゴルフをする高齢者では、バックスイングを短縮する傾向があることが分かったが、その結果、動作シグネチャはチップのように見える。
【0053】
従って、単一動作センサアウトプットの動作シグネチャの特異的特徴を検索するクローラ法は誤った結果を生む。具体的には、ゴルフの場合、プロゴルファーのフルスイングの動作シグネチャでは、ピッチデータの第2最低値に打点がある。しかしながら、図7(b)および(c)には第2最小値が無い;従って、これらのタイプのショットで第2最小値を検索するとエラーが発生する。従って、打点を得るために単一タイプの回転測定に動作シグネチャデータを使う方法には限界がある。本実施態様では、この問題を克服するために、打点および/または放出点を計算する少なくとも2つの異なるタイプの回転測定(例えば、ゴルフのピッチおよびヨー)を使用する。
【0054】
図6を再度参照して、ゴルフスイングでモバイルデバイスのヨーを示す。ゴルフおよび野球のスイングでは、ヨーは打点(5)で急速に変化する。また、図6は、ヨーの対応する微分、または、勾配を示す。これらのデータは、ヨーセンサデータの変化率を定量化する。変化の最大率は、ゴルフスイングの打点(5)に近いことに留意する。従って、ピッチおよびヨー動作センサデータを使用して、最大のヨー微分(ヨーの変化)を有するピッチ動作データの最小値を探索してインパクトゾーンを分離し得る。この方法は、全てのタイプのゴルフスイングに効果があり、かつ、図7(b)および(c)に示したチップおよびパットの正確な打点検出を可能にする。
【0055】
この技術は、他のタイプのスポーツ動作に一般化できる。図8は、テニスのフォアハンド、または、座りながら水平に打つゴルフスイングの例である。この例では、スイング軌道は、水平な平面にあり、前腕の回転および手首の曲げはインパクトの前後である。従って、動作シグネチャは、立って行うゴルフスイングとは異なり、かつ、ピッチについての図8の打点が、今は、ピッチデータのゼロ交差である。ここでの課題は、正しいゼロ交差を検出することである。この例では、ヨーは打点近くの局所最大値である。従って、再度、2つのタイプの回転測定(ピッチおよびヨー)を使用して(図8の「ピッチ」および「ヨー」参照)、この場合はピッチでの、単一センサからの打点をより正確に、かつ、少ない誤りで検出できる。テニスのスイングの場合(図8の「ロール」参照)、打点でのロールデータは、テニスボールに与えられるフックまたはスライスのスピン計算に使用できる。
【0056】
野球およびボーリングの例
スポーツ動作が(1)移動する仮想物体と交差し、かつ、(2)放出点および打点が校正点とは異なる状態の、好ましい実施態様の図示するために、野球およびボーリングの例を提示する。
【0057】
野球のスイング動作センサデータを、図9に図示する。野球のスイングの場合、校正点は、仮想のティー上のボールにモバイルデバイス(仮想のバット)を自然に並べて設けてるように親指を向けて;手は地面に対して垂直にして、両手をモバイルデバイス10を体の前にした構えのポジションである。図9のデータは、プロの運動家のデータで、かつ、最適な野球のスイング動作の重要な特徴を示す。野球のスポーツ動作の場合、ヨーが重要な変数であり、その理由は、「バット」が、仮想のボールを打点でスイングされる時の、理想の手の位置は、手のひらが地上に対して平行になる状態であり、これにより、インパクトでモバイルデバイスのヨーに急激な変化が起こる。校正点でのヨーはゼロであり;従って、モバイルデバイスは、校正点に対して90度回転するが、打点はヨーがゼロを交差する時である(図9の「ヨー」参照)。理想的な野球のスイングでは、バットのロールは打点の直ぐ後に起こる。(図9の「ロール」参照)次に、打点でロール値が最大値である場合、手首は、バットをボールの上部に持っていく傾向があり、ゴロまたはボールに当たらない原因であり:これを、「スイングバブル」と言う。
【0058】
まとめると、モバイルデバイス10のピッチおよびヨーは、打点でのバット角度について洞察を与える。例えば、図9のピッチデータは、打点でピッチは負であり、かつ、打点の後はゼロに戻らないので、手を打点に対して下り勾配させている、さらに、従って、仮想のボールが校正点の下、つまり、ストライクゾーンの下半分のゾーンに投げられると、バットが仮想のボールに接触していることを示す。
【0059】
Jefferyらの出願61/580,534号およびJefferyらの出願61/641,825号は、複数のディスプレイを使用する方法を開示したが、ここでは、仮想スポーツ指導および/またはゲームは、モバイルデバイスから分離し区別され、かつ、クラウドベースのソフトウエアエンジンを経由してモバイルデバイスおよびウエブ対応ディスプレイデバイスを使用して仮想スポーツ指導および/またはゲームのプレゼンテーションを調整する、ウエブ対応テレビなどのウエブ対応ディスプレイデバイスを使用してプレイできる。従って、アニメーション、レッスン、および他のビデオは物理的にモバイルデバイスから分離しているディスプレイデバイス上に提示し、かつ、例えば、モバイルデバイス動作センサアウトプットに応答する。
【0060】
野球の場合のこの実施態様の例として、(1)プレイヤーが、HTML5ウエブ対応テレビの前で立ち、そして、上記のモバイルデバイスをキャリブレートする。(2)次に、ウエブ対応テレビのスクリーンを、打者の前に直接、現れるようにピッチャーを配置すれば、投球するピッチャーの表示されたビデオまたはアニメーション(スプライト、シネマグラフ、他の視覚強化装置を含み得る)が見られる。クラウドベースのソフトウエアエンジン(3)は、ピッチの時間を同期して、かつ、プレイヤーのスイング(4)の時間と比較し、さらに、プレイヤー動作センサデータは、モバイルデバイスで分析され、クラウドベースのソフトウエアエンジンに送達される。
【0061】
仮想のボールがプレイヤーに行くまでの時間である時間t飛球は、t飛球=d/vから計算でき、式中、dはピッチャーからホームプレートまでの距離(例えば、大リーグでは60.5フィート、リトルリーグでは45フィート)であり、vはピッチャーのボールの速度である。大リーグ野球での球速が95mphと仮定すれば、飛球がピッチャーからホームプレートまでの間に要する時間は0.43秒である。つまり、t飛球=0.43秒。クラウドベースのエンジンは、投球のタイムスタンプtピッチならびにt飛球を打点のタイムスタンプt打点と比較する。所定時間間隔内で一致する場合、
Δt=[t打点−(tピッチ+t飛球)] (5)
であり、これが、δ秒未満または等しい、例えば、0.15秒であれば、仮想のバットは仮想のボールを打撃したと仮定でき、そして、次に、(6)飛球のアニメーションは、クラウドベースのソフトウエアエンジンを経由してウエブ対応ディスプレイに表示できる。しかしながら、Δt>δの場合、仮想のバットは、仮想のボールを打ち損じたと仮定されスイングをストライクと見る。
【0062】
好ましくは、スポーツ動作分析および同期は、それぞれ0.1秒以下の忠実度の同期された、モバイルデバイス10、クラウドベースの(またはそうでなければネットワークの)ソフトウエアエンジン、および、ウエブ対応ディスプレイを使用する。現在のウエブブラウザは、信頼性に欠けるローカル時計のタイムスタンプであり、典型的には、内部時計に対するJavascript呼び出しは、正確に等し間隔で記録していない。好ましい実施態様では、ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)は、パケット交換の可変待ち時間データネットワークで、コンピュータシステムを同期のために使用できる。タイムオフセットを得るJavascript NTPクライアント(モバイルデバイス10およびウエブページ)およびサーバ(クラウドベースのソフトウエアエンジン)を使用する。これで、正確な外部時計に基づき初期の調整時間をセットする。次に、ウエブブラウザ依存性の最も信頼性の高い粒度でsetInterval()を使用してJavascriptのコールバックをスケジュールする。しかしながら、コールバックが信頼性のある間隔でコールされるとは仮定できず、代わりに、コールバック内からのcall new Date().getTime()を使用し、オフセットを適用して実際の調整時間を得てから、続けて、内挿して、ピッチtピッチおよび仮想の打点t打点の実際の時間を見出す。次に、これらのデータは式(5)を計算に使用する。
【0063】
従って、本方法は、スポーツ動作が野球またはテニスボールなどの動いている仮想物体を打つ場合の使用に一般化でき、かつ、拡張でき、および、同様に、仮想のスポーツ物体(例えば、ボール、パック、シャトルコック)が動き、そして、スポーツ動作およびプレイヤーの仮想スポーツ用具により打たれ、投げられ、または、受けられるテニス、バトミントン、卓球、ラケットボール、ホッケー、バスケットボール、アメリカンフットボール、および他の全ての類似のスポーツに応用できる。
【0064】
最後の実施例では、放出点が校正点とも打点とも異なる場合での使用を考える。図10は、ボウリングスポーツ動作でのモバイルデバイスセンサデータを図示する。この実施例では、校正点は、休めていて、リラックスしていて、プレイヤーの体側で伸ばし手のひらを前方に向けた状態の手である。第1に、ボウリング動作は、仮想のボーリングボールを顎の方向に動かし、両手で抱き、次に、数歩の間に下方にそして前方にスイングする。ピッチデータは、プレイヤーが歩き始める時に局所最小値で、モバイルデバイス10が顎の方向に動くに従い、モバイルデバイス10のピッチが増加することを図示する。次に、ピッチは、プレイヤーがダウンスイング動作中でダウンスイングすると減少するが、初期校正ゼロに対応するゼロのピッチがあり、続けて、仮想のボウリングボールの放出点である第2のゼロのピッチに向かう最後のダウンスイングへの動作推移がある。
【0065】
前記のゴルフスイングと同様に、仮想のボーリングボールの速度は、図5または積分方程式(3)と同様に、式(2)および30と60度のピッチポイントの時間差から計算できる。放出点を通じてのロールデータの変化率、ロールの微分は、仮想のボウリングボールに与えられるスピン率に比例する。従って、放出点での仮想のボウリングボールの速度およびスピンを計算できる。
【0066】
この実施例では、放出点は、校正点からの空間で異なり、かつ、打点は放出点から更に離れることに留意する。この実施例では、打点は仮想の空間に生じる。野球に関する前記のクラウドベースのシステムを使用して、仮想のボーリングボールの速度およびスピン、さらには、仮想のボウリングボールレーンの長さを考えに入れて、ボウリングボールおよび時間と空間でシュミレーションしたピンでのインパクトを、ウエブTVなどのHTML5対応ウエブディスプレイ上の仮想のボーリングレーンに表示できる。従って、プレイヤーは、仮想のボウリング動作を実施して、ウエブ対応ディスプレイ上で仮想のボウリングボールがレーンを転がりピンに当たるのを見るのであるが、ここで、軌道とスピードは、速度から計算させ、スピンはモバイルデバイスのスイングのシグネチャから計算して、連続する動作のように時間でシンクロナイズさせる。
【0067】
補助装置のアタッチメント
これまでにおいて、本発明の詳細は、スポーツ動作をシュミレーションするために、使用者がモバイルデバイス10を自身の手に持ち、かつ、特定の方法(例えば、ゴルフクラブのようにモバイルデバイス10をスイング)でモバイルデバイス10を移動させるモバイルデバイス10の使用に限定してきた。しかしながら、上級のプレイヤーは、例えば、ゴルフ、野球、テニス、またはフィッシングなどのスポーツでスポーツ器具のグリップの握りぐあいを感じることが好ましいと感じている。ゴルフの場合、右利きのプレイヤーの場合、上級のプレイヤーは、体の中心から左手が約20度回転するようにクラブをグリップする。ゴルフクラブのハンドルをそのようにグリップすることで、クラブヘッドはインパクトでよりクローズ状態になり、これにより、左へ曲がる球飛を構築しゴルフボールのドローが易しくなる。
【0068】
さらに、スポーツ動作の分析に関連する本発明の方法は、スポーツ器具、または、スポーツ器具をシュミレーションする加重されたグリップに対するモバイルデバイスのアタッチメントを含むように一般化できる。
【0069】
一例として、図11は、図示された実施様態では、加重のゴルフグリップであるが、しかし、代わりに物理的なゴルフクラブである補助装置30にモバイルデバイス10を安全に取り付けるモバイルデバイスホルダー20を示す。一実施態様では、補助装置30は、一端にゴルフグリップが有り、他端に6オンスの重さの24インチ長のスチールまたはグラファイトのゴルフクラブシャフトから成る。好ましくは、補助装置30全体では、(ゴルフクラブと同じ)約11オンスの重さであり、かつ、質量の中心は、典型的には、クラブヘッドに近い位置でシャフト長の約1/4−1/3に質量の中心を有する実際のゴルフクラブをシミュレーションするために、重さ18から約6−8インチにある。図11は、例示目的であり、限定するものではない。野球、テニス、フライフィッシングなどの他のスポーツでは、異なる補助装置になるが、グリップ、ウエイト、質量の中心は、より正確に実際のスポーツ器具をシミュレーションを行い、および/または、モバイルデバイスを、ホルダー20を付けて実際のスポーツ器具に装着することができる。
【0070】
図12(a)を参照すると、モバイルデバイスホルダー20は、C字型カプラー24およびフレーム22を含めた二つの部品の組立品から成る。示したように、フレーム22は矩形で、かつ、一対の溝付き側面25および開放端27を含む。C字型カプラー24は、補助装置30の周囲にぴったりとフィットするように(示すように)構成される。示すように、フレーム22はホール23を含む。ホール23は、ホール23にフィットできるC字型カプラー24のカラーウイング26に適合するようにサイズを合わせ、フレーム22は、図12(b)に示すように、補助装置25の長手方向軸に対して直角方向に位置決めする。次に、フレーム22を、90度回転して、図12(c)で示すように、開放端27がクラブヘッドから離れた方向に向く。90度回転したら、カラーウイング26は、フレーム22の内側に成形されたポケット28に落ち着かせる。カラーウイング26が着座したら、モバイルデバイス10は、溝付き側面25が安全性の高い摩擦はめ合わせを有してフレームにスライドさせ得る。一実施態様では、フレーム22に使用した材料は、強化ポリカーボネート、最も好ましくは、モバイルデバイス10との強化された摩擦はめ合わせ用のポリカーボネートを付着させた成形シリコンを含む。しかしながら、ステインレススチール、アルミニウム、または、他の金属;ポリエチレン、アクリロニトリル−ブチル−スチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル、およびナイロン、または、他のプラスチックなどの種々の他の材料は十分であることを理解すべきである。さらに、モバイルデバイス10を補助装置30に装着する特定の手法(例えば、モバイルデバイスホルダー20)は、例示目的であり、限定するものではないことを理解すべきである。
【0071】
上記した通り、本発明の需要な特徴は、ゴルフまたはテニスボールなどの物理的なスポーツ物体が必要とされないことである。しかしながら、プレイヤーは、種々の実施態様では、物理的なボールを打つモバイルデバイス10を補助装置に装着する。例として、詳しい実験は、つまり、本発明に記載の方法を検証するためにプロの選手が物理的なスポーツ物体を打つ実際のスポーツ器具に装着したモバイルデバイス10を用いて実施された。
【0072】
本発明は、上記に概説した種々の実施態様と共に記載されたが、多くの代替形態、修飾形態および変形形態が当事者に自明であることが明らかである。従って、上記に説明された本発明の例示的実施態様は、例示のみを目的とするもので、限定するものではない。本発明の精神と範囲から逸脱することなく様々な変更を為すことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12