(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記抜け止め突部が、前記ホルダ部の一端部から他端部に向かうにしたがって当該ホルダ部の外周面から離れるテーパ面と、前記ホルダ部の他端部側を向く抜け止め面と、を有していることを特徴とする請求項1に記載のストッパ構造。
マグネットロータと、前記マグネットロータの回転軸と同軸となる螺旋状のガイドレールが外周面に設けられたホルダ部と、前記ガイドレールに螺合されかつ前記マグネットロータによって当該ガイドレールに沿って押し回されるように形成された弾性を有する金属線からなるコイル部材と、を備えた電動弁であって、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のストッパ構造を有していることを特徴とする電動弁。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍サイクルにおいて、室外熱交換器と室内熱交換器との間には膨張弁が設けられており、冷房モードのときは室外熱交換器からの冷媒が膨張弁で膨張して室内熱交換器に導かれ、暖房モードのときは室内熱交換器からの冷媒が膨張弁で膨張して室外熱交換器に導かれる。このような膨張弁としては、通常運転、デフロスト運転、除湿運転などに対応するように、冷媒の流量を制御する電動弁が各種提案されている。
【0003】
この種の電動弁では、弁の最大開度、弁の最小開度(あるいは全閉状態)の弁の位置を規制するためにストッパ機構(ストッパ構造)を備えている。このようなストッパ機構を備えた電動弁が、例えば、特許文献1に開示されている。
【0004】
特許文献1に開示された電動弁(図中、符号800で示す)は、
図10に示すように、弁本体801の弁室801b内において弁ポート801aに対向してホルダ部821を備えた支持部材802が配置されている。ホルダ部821の内側には、マグネットロータ852が固定して取り付けられたロータ軸803が螺合されている。ホルダ部821の外周面にはガイド雄ネジ821bが形成されており、ガイド雄ネジ821bの両端には、それぞれガイド雄ネジ821bより半径方向に突出した固定下端ストッパ部SD1及び固定上端ストッパ部SU1が形成されている。このホルダ部821の側部には従動スライダ804が配設されている。
【0005】
従動スライダ804は、
図11に示すように、円弧状部841と、この円弧状部841の両端に設けられた可動下端ストッパ部MD1及び可動上端ストッパ部MU1と、を一体に有している。また、円弧状部841、可動下端ストッパ部MD1及び可動上端ストッパ部MU1の内側にはガイド雌ネジ804aが形成されており、このガイド雌ネジ804aはホルダ部821のガイド雄ネジ821bに螺合されている。
【0006】
マグネットロータ852はその中央においてロータ軸803に固着されている。そして、マグネットロータ852の回転によって該マグネットロータ852と共にロータ軸803が回転し、ネジ送り作用によりロータ軸803が軸L方向(図中上下)に移動して弁体832が弁ポート801aに対して進退する。
【0007】
また、マグネットロータ852は円柱状のマグネット部852aとその内側の円盤部852bとで構成されており、マグネット部852aの内周面の一部には軸Lと平行な突条852cが形成されている。そして、この突条852cはマグネットロータ852の回転時に、従動スライダ804の可動下端ストッパ部MD1または可動上端ストッパ部MU1に当接し、このマグネットロータ852の回転に伴って従動スライダ804を同方向に連れ回すように回転する。これにより、ガイド雄ネジ821bとガイド雌ネジ804aのネジ送り作用により、従動スライダ804がロータ軸803と同方向(図中上下)に移動する。
【0008】
マグネットロータ852及びロータ軸803が回転して図中下方に移動すると、従動スライダ804の可動下端ストッパ部MD1が固定下端ストッパ部SD1に当接し、従動スライダ804、マグネットロータ852及びロータ軸803の回動が停止し、弁体832が弁ポート801aを全閉状態とする。一方、マグネットロータ852及びロータ軸803を図中上方に移動すると、従動スライダ804の可動上端ストッパ部MU1が固定上端ストッパ部SU1に当接し、従動スライダ804、マグネットロータ852及びロータ軸803の回動が停止し、弁体832が弁ポート801aを全開状態とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した電動弁800では、支持部材802のホルダ部821及び従動スライダ804により構成されるストッパ機構の構成が複雑であった。
【0011】
そこで、本発明者は、ストッパ構造の構成について鋭意検討を行い、より簡易な構成のストッパ構造を考え至った。このようなストッパ構造を有する電動弁を
図12に示す。
【0012】
図12に示す電動弁(図中、符号900で示す)は、弁室912に向けて開口する弁ポート911aが設けられた弁本体910と、弁ポート911aと間隔をあけて対向配置されかつ駆動雌ネジ923aが内周面に形成された筒状のホルダ部921と、駆動雌ネジ923aに螺合される駆動雄ネジ930aが外周面に形成されたロータ軸930と、ロータ軸930の軸線L方向への移動により弁ポート911aに対して進退する弁体部940と、ロータ軸930に固定されたマグネットロータ962と、マグネットロータ962を回転させるステータコイル963と、を備えている。
【0013】
また、電動弁900は、
図13に示すように、針金からなるコイル部951及びコイル部951の半径方向外向きに突出する爪部952を一体に有するコイル部材950と、コイル部材950のコイル部951が螺合されかつコイル部材950がその回転によりホルダ部921の軸方向に移動可能なようにホルダ部921の外周面921aに形成されたガイドレール925と、を備えている。ホルダ部921の外周面921aにおけるガイドレール925の下端部925a及び上端部925b近傍には、コイル部材950の一端951a又は他端951bが突き当たり該コイル部材950の回転を規制するように形成された下限ストッパ面926a及び上限ストッパ面927aが設けられている。そして、コイル部材950がマグネットロータ962の回転に伴って回転されかつコイル部951の一端951a又は他端951bがそれに対応する下限ストッパ面926a、上限ストッパ面927aに突き当たって回転を規制されたときに該回転の方向へのマグネットロータ962の回転を規制するようにコイル部材950の爪部952が当接される突条967が、マグネットロータ962の内周面に設けられている。
【0014】
この電動弁900によれば、針金からなるコイル部材950を、マグネットロータ962の回転を規制するストッパ部材として機能させて、ストッパ機構の構成をより簡易にすることができる。
【0015】
しかしながら、電動弁900では、コイル部材950が上限ストッパ面927aに突き当たったときの勢いでホルダ部921から脱落してしまうおそれがあり、マグネットロータ926の回転を確実に規制する点で改善の余地があった。
【0016】
そこで、本発明は、マグネットロータの回転をより確実に規制できる簡易な構成のストッパ機構、及び、このストッパ機構を有する電動弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、マグネットロータのストッパ構造であって、前記マグネットロータの回転軸と同軸となる螺旋状のガイドレールが外周面に設けられたホルダ部と、前記ガイドレールに螺合されかつ前記マグネットロータによって当該ガイドレールに沿って押し回されるように形成された弾性を有する金属線からなるコイル部材と、を有し、前記ホルダ部の一端部に、前記外周面から突き出しかつ互いに周方向に間隔をあけて配置されたストッパ突部と抜け止め突部とが設けられ、前記ストッパ突部に、前記ホルダ部の周方向を向くストッパ面が設けられ、前記ガイドレールにおける前記ホルダ部の一端部寄りの部分が、前記抜け止め突部との間を前記コイル部材が通過可能に配置されるとともに当該間を通過した前記コイル部材の一方の端部を前記ストッパ面に導くように配置され、前記コイル部材の一方の端部が前記ストッパ面に突き当たったときに前記コイル部材の一部が前記抜け止め突部と前記ガイドレールとの間に位置付けられるように、前記抜け止め突部が配置されていることを特徴とするストッパ構造である。
【0018】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記抜け止め突部が、前記ホルダ部の一端部から他端部に向かうにしたがって当該ホルダ部の外周面から離れるテーパ面と、前記ホルダ部の他端部側を向く抜け止め面と、を有していることを特徴とするものである。
【0019】
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記コイル部材の巻き数が、1以上であることを特徴とするものである。
【0020】
請求項4に記載された発明は、上記目的を達成するために、マグネットロータと、前記マグネットロータの回転軸と同軸となる螺旋状のガイドレールが外周面に設けられたホルダ部と、前記ガイドレールに螺合されかつ前記マグネットロータによって当該ガイドレールに沿って押し回されるように形成された弾性を有する金属線からなるコイル部材と、を備えた電動弁であって、請求項1〜3のいずれか一項に記載のストッパ構造を有していることを特徴とする電動弁である。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載された発明によれば、ホルダ部には、弾性を有する金属線からなるコイル部材が螺合されるガイドレールが外周面に形成されており、ホルダ部の一端部に、当該ホルダ部の外周面から突き出しかつ互いに周方向に間隔をあけて配置されたストッパ突部と抜け止め突部とが設けられている。ストッパ突部に、ホルダ部の周方向を向くストッパ面が設けられている。ガイドレールにおけるホルダ部の一端部寄りの部分が、抜け止め突部との間にコイル部材が通過可能に配置されるとともに当該間を通過したコイル部材の一方の端部をストッパ面に導くように配置されている。そして、コイル部材の一方の端部がストッパ面に突き当たったときにコイル部材の一部が抜け止め突部とガイドレールとの間に位置付けられるように、抜け止め突部が配置されている。このようにしたことから、コイル部材の一方の端部がストッパ面に突き当たると、コイル部材を押し回していたマグネットロータの回転が規制される。そして、コイル部材の一方の端部がストッパ面に突き当たったときの勢いで当該コイル部材がホルダ部の一端部から外れる方向に向かった場合でも、コイル部材が抜け止め突部に当たってホルダ部からの脱落を抑制でき、そのため、簡易な構成でマグネットロータの回転をより確実に規制できる。
【0022】
請求項2に記載された発明によれば、抜け止め突部が、ホルダ部の一端部から他端部に向かうにしたがって当該ホルダ部の外周面から離れるテーパ面と、ホルダ部の他端部側を向く抜け止め面と、を有している。このようにしたことから、コイル部材をガイドレールに螺合させる際に、コイル部材の一部をストッパ突部に引っ掛けるとともにコイル部材の他の一部を抜け止め突部のテーパ面に当接させて当該他の一部をホルダ部の他端部側に向けて押圧すると、テーパ面に案内されてコイル部材の径が広がりつつホルダ部の他端部側に進み、抜け止め突部を乗り越えるとコイル部材の径が元に戻る。そして、コイル部材は、抜け止め突部の抜け止め面により、ホルダ部の一端部から外れる方向への移動を規制される。そのため、コイル部材をガイドレールに螺合させる際にコイル部材の径を広げるための治具等を用いる必要がなく、容易に組み立てることができるとともに、ガイドレールに螺合されたコイル部材の脱落をより確実に抑制することができる。
【0023】
請求項3に記載された発明によれば、コイル部材の巻き数が、1以上である。このようにしたことから、コイル部材を確実にガイドレールに螺合させることができ、そのため、コイル部材のホルダ部からの脱落を抑制して、簡易な構成でマグネットロータの回転をより確実に規制することができる。
【0024】
請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜3のいずれか一項に記載のストッパ構造を有している。このようにしたことから、コイル部材の一方の端部がストッパ面に突き当たったときの勢いで当該コイル部材がホルダ部の一端部から外れる方向に向かった場合でも、コイル部材が抜け止め突部に当たってホルダ部からの脱落を抑制でき、そのため、簡易な構成でマグネットロータの回転をより確実に規制できる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の一実施形態の電動弁を、
図1〜
図9を参照して説明する。なお、以下では電動弁について説明するが、本発明のストッパ構造は、電動弁に限らず、例えば、リニアアクチュエータなどの他の装置やシステムなどに適用することもできる。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態の電動弁の縦断面図である。
図2は、
図1の電動弁が備える支持部材及びコイル部材の斜視図である。
図3は、
図2の支持部材のホルダ部の平面図である。
図4は、
図2のコイル部材の斜視図である。
図5は、
図1の電動弁の組立方法の一例を説明する図である。具体的には、
図5(a)〜(c)の各図において上がホルダ部近傍の拡大正面図であり、下が平面図であって、(a)は、ホルダ部の一端部に設けられた弁開上限ストッパ突起にコイル部材のコイル部の一部を引っ掛けた状態を示し、(b)は、(a)からコイル部を拡径して当該コイル部の内側にホルダ部を挿入した状態を示し、(c)は、(b)からさらに挿入を進めて、ホルダ部のガイドレールにコイル部材を螺合させた状態を示す。
図6は、
図1の電動弁が備えるマグネットロータの縦断面図である。
図7は、
図6のマグネットロータの断面斜視図である。
図8は、
図1の電動弁の弁全開状態時について説明する図である。具体的には、
図8(a)は、
図1の電動弁における弁全開状態時のホルダ部近傍の正面図であり、(b)は、(a)の平面図である、(c)は背面図である。
図9は、
図1の電動弁の弁全閉状態時について説明する図である。具体的には、
図9(a)は、
図1の電動弁における弁閉状態時のホルダ部近傍の背面図であり、(b)は、(a)のA−A線に沿う断面図である。なお、以下の説明における「上下」等の方向を示す概念は、
図1における方向に対応しており、各部材の相対的な位置関係を示すものであって、絶対的な位置関係を示すものではない。
【0028】
この電動弁(図中、符号1で示す)は、
図1に示すように、弁本体10と、支持部材20と、ロータ軸30と、弁体部40と、コイル部材50と、ステッピングモータ60と、を備えている。
【0029】
弁本体10は、例えば、ステンレスなどの金属を材料として円筒形状に形成されている。弁本体10には、図中下方の端部を塞ぐように弁本体10に一体に形成された弁座部11が設けられている。弁座部11の中央には、弁ポート11aが開口されている。弁本体10は、内側に弁室12を形成している。
【0030】
弁本体10には、外周片側に冷媒などの流体の流路としての第1継手管13が接続され、この第1継手管13は弁室12に連通されている。また、弁座部11には、第2継手管14が接続され、この第2継手管14は弁ポート11aを介して弁室12に連通される。第1継手管13及び第2継手管14は、例えば、銅や真鍮などを材料として構成されており、弁本体10にろう付け等により固着されている。
【0031】
支持部材20は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂などの合成樹脂製の略円柱状のホルダ部21と、このホルダ部21の弁本体10寄りの端部にインサート成形により一体に設けられたステンレス製のフランジ部22と、を有している。支持部材20は、フランジ部22が弁本体10と後述するステッピングモータ60のステンレス製のケース61とに挟まれて互いに溶接等されることにより弁本体10に固着されている。
【0032】
ホルダ部21は、その軸心が弁ポート11aの軸を通る軸線Lに重なるように配置されている。ホルダ部21の中心には、当該ホルダ部21を貫通するように軸線L方向に並ぶネジ孔23とスライド孔24とが形成されている。ネジ孔23の内周面には、駆動雌ネジ23aが形成されており、後述するロータ軸30が螺合される。スライド孔24は、弁ポート11a寄りに配置され、ネジ孔23より大径に形成されている。スライド孔24には、後述する弁体部40が摺動移動可能に嵌合される。
【0033】
ホルダ部21には、
図2に示すように、その外周面21aに螺旋状の突条からなるガイドレール25が一体に形成されている。ガイドレール25は、互いに隣接する巻回部分(ホルダ部21の外周面を一周する部分)が間隔をあけて配置されている。ガイドレール25は、後述するコイル部材50のコイル部51が螺合され、コイル部材50が周方向に回転可能なように、コイル部51の各巻回部分を片側又は両側からガイドする。ガイドレール25は、その軸心が軸線Lと重なるように配置されている。本実施形態では、ホルダ部21の外周面21aの一部箇所が軸線L方向に面取りされている。これにより、ガイドレール25は、現実に連続した螺旋形状でなく、面取りされた箇所において仮想的に連続する螺旋形状に形成されている。このようにすることにより、ホルダ部21の樹脂成形における型抜きが容易になる。勿論、これに限定されるものではなく、ホルダ部21は、上述したような面取りのない円筒形状に形成され、ガイドレールが現実に連続した螺旋形状に形成されていてもよい。
【0034】
図3に示すように、ホルダ部21の外周面21aにおけるガイドレール25の弁ポート11a寄りの端部(下端部25a)近傍には、当該ガイドレール25の半径方向に突き出た弁閉下限ストッパ突起26が設けられ、ホルダ部21の外周面21aにおけるガイドレール25の下端部25aと反対側の端部(上端部25b)近傍には、当該ガイドレール25の半径方向に突き出した片状の弁開上限ストッパ突起27が設けられている。この弁開上限ストッパ突起27は、ホルダ部21の一端部(上端部21b)に配置されている。
【0035】
弁閉下限ストッパ突起26には、後述するコイル部材50がガイドレール25に案内されてその下端部25aに到達したときに、コイル部材50の爪部52(即ち、コイル部51の一端51a)が突き当たるように、ガイドレール25の下端部25aにおいて当該ガイドレール25と交わるように軸線Lと平行でかつガイドレール25の半径方向と平行に形成された下限ストッパ面26aが設けられている。下限ストッパ面26aは、ガイドレール25よりホルダ部21の半径方向外側に延在して形成されている。つまり、下限ストッパ面26aは、ホルダ部21の外周面21aからの高さがガイドレール25より高くなるように形成されている。
【0036】
弁開上限ストッパ突起27には、後述するコイル部材50がガイドレール25に案内されてその上端部25bに到達したときに、コイル部材50のコイル部51の他端51b(一方の端部)が突き当たるように、ガイドレール25の上端部25bにおいて当該ガイドレール25と交わるように軸線Lと平行でかつガイドレール25の半径方向と平行に形成された上限ストッパ面27aが設けられている。上限ストッパ面27aは、ガイドレール25よりホルダ部21の半径方向外側に延在して形成されている。つまり、上限ストッパ面27aは、ホルダ部21の外周面21aからの高さがガイドレール25より高くなるように形成されている。弁開上限ストッパ突起27はストッパ突部に相当し、上限ストッパ面27aはストッパ面に相当する。
【0037】
本実施形態において、下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aは、軸線Lと平行でかつガイドレール25の半径方向と平行に形成されており、即ち、ホルダ部21の外周面21aの周方向に向くように形成されているが、当該周方向に厳密に向くように形成されているものに加えて当該周方向に概ね向くように形成されているものも含まれる。また、本実施形態において、下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aは、ガイドレール25よりホルダ部21の半径方向外側に延在して形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、ホルダ部21の外周面21aからの高さがガイドレール25と同じに形成されていてもよく、本発明の目的に反しない限り、その形状及び大きさは任意である。
【0038】
また、本実施形態において、下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aは、ガイドレール25の下端部25a及び上端部25bにおいて当該ガイドレール25と交わっている(即ち、ガイドレール25と連接されている)が、これに限定されるものではない。例えば、これら下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aは、ガイドレール25の下端部25a及び上端部25bと隙間をあけて設けられていてもよい。つまり、下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aは、ガイドレール25と接していてもよく又はガイドレール25との間に隙間が設けられていてもよく、本発明の目的に反しない限り、下限ストッパ面26a及び上限ストッパ面27aは、コイル部材50のコイル部51の一端51a又は他端51bが突き当たりコイル部材50の回転を規制するように、ホルダ部21の外周面21aにおけるガイドレール25の下端部25a及び上端部25b近傍に形成されていればよい。換言すると、ガイドレール25におけるホルダ部21の上端部21b寄りの部分(巻回部分251)が、コイル部材50の他端51bを上限ストッパ面27aに導くように配置されていればよい。ガイドレール25におけるホルダ部21の他端部(下端部21c)寄りの部分についても同様である。
【0039】
また、
図3に示すように、ホルダ部21の上端部21bには、外周面21aからガイドレール25の半径方向に突き出しかつ弁開上限ストッパ突起27とホルダ部21の周方向に間隔をあけて配置された抜け止め爪28が設けられている。この抜け止め爪28は、ホルダ部21の上端部21bに、ガイドレール25におけるホルダ部21の上端部21b寄りの巻回部分251との間に後述するコイル部材50が通過可能な間隔をあけて配置されている。また、抜け止め爪28は、後述するコイル部材50の他端51bが上限ストッパ面27aに突き当たったときにコイル部材50のコイル部51の一部が当該抜け止め爪28と巻回部分251との間に位置付けられるように配置されている。
【0040】
抜け止め爪28には、ホルダ部21の上端部21bから下端部21cに向かうにしたがって当該ホルダ部21の外周面21aから離れるように形成されたテーパ面28aと、このテーパ面28aに連接され、ホルダ部21の下端部21c側を向くように形成された抜け止め面28bと、が設けられている。抜け止め爪28は、テーパ面28aと抜け止め面28bとが鋭角に連なるくさび形状に形成されている。本実施形態において、ホルダ部21を上方から見たときに弁開上限ストッパ突起27を12時の位置とすると、抜け止め爪28は概ね7時の位置になるように配置されている(
図3)。抜け止め爪28は、抜け止め突部に相当する。
【0041】
ロータ軸30は、
図1に示すように、例えば、ステンレスなどの金属を材料として円柱棒状に形成されている。ロータ軸30の外周面の一部には駆動雄ネジ30aが形成されており、この駆動雄ネジ30aが、上述したホルダ部21の駆動雌ネジ23aに螺合されている。これにより、ロータ軸30は、その軸心が軸線Lに重なるように配置され、また、軸心を中心に回転されることによりネジ送り作用によって軸線L方向に移動される。即ち、ロータ軸30は、軸線Lと軸心が重なるように配置されかつ当該軸心を中心に回転されることにより軸線L方向に移動するように支持されている。本実施形態において、駆動雌ネジ23aと駆動雄ネジ30aは右ネジである。ロータ軸30の弁ポート11a寄りの端部には、後述する弁体部40を軸線Lを中心として回転可能に掛止するフランジ部31が設けられている。
【0042】
弁体部40は、弁ホルダ41と、弁体42と、ワッシャ43と、バネ受け44と、圧縮コイルバネ45と、を有している。
【0043】
弁ホルダ41は、上述したホルダ部21のスライド孔24の内径と略同一の外径となる円筒形状に形成されている。弁ホルダ41は、スライド孔24に摺動移動可能に嵌合され、これにより、弁ホルダ41は支持部材20により軸線L方向に移動可能に支持されている。
【0044】
弁体42は、ニードル形状にされており、このニードル形状の先端が弁ポート11aと対向するように弁ホルダ41における弁ポート11a側の端部(下端部41a)に固着されている。弁体42は、弁座部11との間隔を弁の最大開度から弁の最小開度(あるいは全閉状態)の間で加減されることによって流量の調節を行う。
【0045】
弁ホルダ41における弁ポート11a側と反対側の端部(上端部41b)には、ロータ軸30のフランジ部31が回転可能に掛止されている。具体的には、ロータ軸30のフランジ部31が、弁ホルダ41の上端部41bとの間にワッシャ43を挟み込み、このフランジ部31によりロータ軸30が弁ホルダ41の上端部41bで回転可能に引っ掛かっている。この掛かり合いにより、ロータ軸30によって弁ホルダ41が軸線L方向に移動可能でかつ軸線Lを中心として回転可能に支持されている。また、弁ホルダ41内には、バネ受け44が軸線L方向に移動可能に設けられている。バネ受け44と弁体42との間には圧縮コイルバネ45が所定の荷重を与えられた圧縮状態で取り付けられている。これにより、バネ受け44は、ロータ軸30側に押しつけられ、ロータ軸30のフランジ部31に当接している。
【0046】
コイル部材50は、弾性を有する鋼材などの針金(即ち、金属線)を屈曲させて形成されている。コイル部材50は、
図4に示すように、コイルばね状のコイル部51と、コイル部51の一端51aから半径方向外向きに突出する爪部52と、を一体に有している。コイル部51は、ホルダ部21のガイドレール25における各巻回部分の間隔と略同一径(太さ)でかつ同一ピッチに巻回されており、ある程度拡径しても元の径に復元可能な弾性を有している。コイル部材50(具体的にはコイル部51)は、ホルダ部21のガイドレール25に周方向に回転可能に螺合されている。コイル部51は、ガイドレール25に螺合されたとき、ガイドレール25の巻回部分間に収容されてガイドレール25における軸線L方向の一部区間に螺合している。換言すると、コイル部51の軸線L方向の長さは、ガイドレール25の軸線L方向の長さより短い。そのため、コイル部51は、ガイドレール25に螺合した状態で回転されたときガイドレール25に案内されて軸線L方向に移動する。コイル部材50は、針金を屈曲させることにより簡易に製造できる。
【0047】
本実施形態において、コイル部材50及びガイドレール25は右ネジであり、このガイドレール25及びコイル部材50のピッチは駆動雌ネジ23a及び駆動雄ネジ30aのピッチよりも大きく設定されている。また、コイル部51は、5/4回巻き(450度)であり、巻き数が1以上であることが好ましい。勿論、このような構成に限定されるものではなく、例えば、このガイドレール25及びコイル部材50のピッチと駆動雌ネジ23a及び駆動雄ネジ30aのピッチとを同じに設定したり、コイル部51の巻き数を、ガイドレール25に螺合可能な範囲で1未満又は2回巻き以上にしたりするなど、本発明の目的に反しない限り、これらの構成は任意である。
【0048】
コイル部材50は、コイル部51を拡径するように弾性変形させてその内側にホルダ部21を挿通したのち形状を復元させることにより、ホルダ部21のガイドレール25に螺合される。
【0049】
ここで、ガイドレール25へのコイル部材50の組み付け方法について説明する。
図5(a)〜(c)は、ガイドレール25へのコイル部材50の組み付け方法を説明する図である。
【0050】
まず、
図5(a)に示すように、支持部材20のホルダ部21の上端部21bに設けられた弁開上限ストッパ突起27を内側に通してコイル部材50のコイル部51の一部(図中、符号Aで示す)を引っ掛ける。そして、
図5(b)に示すように、弁開上限ストッパ突起27に引っ掛けたコイル部51の一部と径方向に対向する他の一部(図中、符号Bで示す)を、ホルダ部21の上端部21bに近づけて下端部21cに向けて押し進める。すると、コイル部51における抜け止め爪28に対応する部分が抜け止め爪28のテーパ面28aに当接するとともにホルダ部21の外周面21aから離れる方向に案内されてコイル部51が徐々に弾性変形して拡径される。そして、さらにコイル部51を押し進めると、コイル部51における抜け止め爪28に対応する部分が抜け止め爪28を乗り越えるとともに、コイル部51の一端51aがガイドレール25の一部を乗り越えて、コイル部51の形状が復元され、コイル部51の巻回部分の間にガイドレール25の巻回部分251が位置づけられてガイドレール25にコイル部材50のコイル部51が螺合される。このようにして、ガイドレール25にコイル部材50が組み付けられる。
【0051】
ステッピングモータ60は、
図1に示すように、ケース61と、マグネットロータ62と、ステータコイル63と、を有している。
【0052】
ケース61は、例えば、ステンレスなどの金属を材料として、図中上方の一方の端部が塞がれた略円筒形状に形成されている。ケース61の図中下方の開口側の端部は、弁本体10との間に支持部材20のフランジ部22を挟んだ状態で当該弁本体10に溶接等によって気密に固定されている。
【0053】
マグネットロータ62は、外周部を多極に着磁された円筒状のマグネット部64と、その一端を塞ぐ円盤部65と、を一体に有している。マグネットロータ62は、円盤部65の中央に一体成形された金具66を介してロータ軸30に固着されている。これにより、マグネットロータ62は、ケース61内にロータ軸30の軸心を中心に回転可能に設けられている。ロータ軸30は、マグネットロータ62の回転軸である。
【0054】
ステータコイル63は、ケース61の外周面に配設されており、ステータコイル63にパルス信号が与えられることにより、そのパルス数に応じてマグネットロータ62が回転される。ステータコイル63は、モータ部に相当する。
【0055】
マグネットロータ62が回転されると、このマグネットロータ62とともにロータ軸30が回転され、駆動雄ネジ30aと駆動雌ネジ23aとのネジ送り作用により、ロータ軸30が軸線L方向(
図1上下方向)に移動して弁体部40が弁ポート11aに対して進退する。これにより、弁ポート11aの開度を変化させ、第1継手管13から第2継手管14へ(または第2継手管14から第1継手管13へ)流れる流体の流量が制御される。
【0056】
また、
図6、
図7に示すように、マグネットロータ62のマグネット部64の内周面の一部には軸線L方向に延在する爪受部としての突条67が形成されている。そして、この突条67はマグネットロータ62の回転時に、コイル部材50の爪部52に当接し、このマグネットロータ62の回転に伴ってコイル部材50を同方向に連れ回す(押し回す)ように回転する。これにより、ガイドレール25とコイル部材50のコイル部51のネジ送り作用によって、コイル部材50が軸線Lに沿ってロータ軸30と同方向に移動する。本実施形態においては、マグネット部64の内周面に突条67が設けられているが、この突条67に代えて、軸線L方向に延在する爪受部としての凹溝が設けられていてもよい。
【0057】
コイル部材50は、
図1上方から見たときに時計回りに回転されることにより、弁ポート11aに近づくように軸線L方向に移動する。このときに突条67における爪部52の当接される爪当面67aは、ガイドレール25の半径方向と平行でかつ軸線L方向と平行に形成されている。
【0058】
また、コイル部材50は、
図1上方から見たときに反時計回りに回転されることにより、弁ポート11aから離れるように軸線L方向に移動する。このときに突条67における爪部52の当接される他の爪当面67bは、ガイドレール25の半径方向と平行でかつ軸線L方向と平行に形成されている。
【0059】
次に、本実施形態の電動弁1の動作を、
図8、
図9を参照して説明する。
【0060】
電動弁1において、マグネットロータ62及びロータ軸30を弁ポート11aから離れる方向(
図1上方)に移動させるように回転させる。すると、マグネットロータ62の突条67の爪当面67aと反対側に位置する他の爪当面67bがコイル部材50の爪部52に当接し、当該他の爪当面67bによって爪部52が押されて、コイル部材50が周方向に押し回される。そして、ロータ軸30の回転による軸線L方向への移動に伴って弁体部40が最大開度となる位置まで移動されたとき、
図8(a)、(b)に示すように、コイル部材50のコイル部51の他端51bが弁開上限ストッパ突起27の上限ストッパ面27aに突き当たり、コイル部材50の回転が規制される。すると、爪部52を押し回していたマグネットロータ62についてもそれ以上の回転を規制されて、弁体部40が最大開度となる位置を超えて移動されることが規制される。
【0061】
また、
図8(c)に示すように、コイル部材50のコイル部51の他端51bが上限ストッパ面27aに突き当たったとき、コイル部51の一部が、抜け止め爪28とガイドレール25におけるホルダ部21の上端部21b寄りの巻回部分251との間に位置づけられる。そのため、コイル部51が、上限ストッパ面27aに突き当たったときの勢いでホルダ部21の上端部21bから外れる方向に向かったとしても、抜け止め爪28の抜け止め面28bに当たり、コイル部材50のホルダ部21からの脱落が抑制される。
【0062】
または、電動弁1において、マグネットロータ62及びロータ軸30を弁ポート11aに近づく方向(
図1下方)に移動させるように回転させる。すると、マグネットロータ62の突条67の爪当面67aがコイル部材50の爪部52に当接し、爪当面67aによって爪部52が押されて、コイル部材50が周方向に押し回される。そして、ロータ軸30の回転による軸線L方向への移動に伴って弁体部40が最小開度(あるいは弁閉状態)となる位置まで移動されたとき、
図9(a)、(b)に示すように、コイル部材50の爪部52が弁閉下限ストッパ突起26の下限ストッパ面26aに突き当たり、コイル部材50の回転が規制される。すると、爪部52を押し回していたマグネットロータ62についてもそれ以上の回転を規制されて、弁体部40が最小開度(あるいは弁閉状態)となる位置を超えて移動されることが規制される。
【0063】
以上より、本実施形態によれば、ホルダ部21には、弾性を有する金属線からなるコイル部材50が螺合されるガイドレール25が外周面21aに形成されており、ホルダ部21の上端部21bに、当該ホルダ部21の外周面21aから突き出しかつ互いに周方向に間隔をあけて配置された弁開上限ストッパ突起27と抜け止め爪28とが設けられている。弁開上限ストッパ突起27に、ホルダ部21の周方向を向く上限ストッパ面27aが設けられている。ガイドレール25におけるホルダ部21の上端部21b寄りの部分(具体的には、巻回部分251)が、抜け止め爪28との間にコイル部材50が通過可能に配置されるとともにこの間を通過したコイル部材50の他端51bを上限ストッパ面27aに導くように配置されている。そして、コイル部材50の他端51bが上限ストッパ面27aに突き当たったときにコイル部材50の一部が抜け止め爪28とガイドレール25(具体的には、巻回部分251)との間に位置付けられるように、抜け止め爪28が配置されている。このようにしたことから、コイル部材50の他端51bが上限ストッパ面27aに突き当たると、コイル部材50を押し回していたマグネットロータ62の回転が規制される。そして、コイル部材50の他端51bが上限ストッパ面27aに突き当たったときの勢いで当該コイル部材50がホルダ部21の上端部21bから外れる方向に向かった場合でも、コイル部材50が抜け止め爪28に当たってホルダ部21からの脱落を抑制でき、そのため、簡易な構成でマグネットロータ62の回転をより確実に規制できる。
【0064】
また、抜け止め爪28が、ホルダ部21の上端部21bから下端部21cに向かうにしたがって当該ホルダ部21の外周面21aから離れるテーパ面28aと、ホルダ部21の下端部21c側を向く抜け止め面28bと、を有している。このようにしたことから、コイル部材50をガイドレール25に螺合させる際に、コイル部材50の一部を弁開上限ストッパ突起27に引っ掛けるとともにコイル部材50の他の一部を抜け止め爪28のテーパ面28aに当接させて当該他の一部をホルダ部21の下端部21c側に向けて押圧すると、テーパ面28aに案内されてコイル部材50の径が広がりつつホルダ部21の下端部21c側に進み、抜け止め爪28を乗り越えるとコイル部材50の径が元に戻る。そして、コイル部材50は、抜け止め爪28の抜け止め面28bにより、ホルダ部21の上端部21bから外れる方向への移動を規制される。そのため、コイル部材50をガイドレール25に螺合させる際にコイル部材50の径を広げるための治具等を用いる必要がなく、容易に組み立てることができるとともに、ガイドレール25に螺合されたコイル部材50の脱落をより確実に抑制することができる。
【0065】
また、コイル部材50のコイル部51の巻き数が、コイル部51は、5/4回巻き(450度)であり、巻き数が1以上である。このようにしたことから、コイル部材50を確実にガイドレール25に螺合させることができ、そのため、コイル部材50のホルダ部21からの脱落を抑制して、簡易な構成でマグネットロータ62の回転をより確実に規制することができる。
【0066】
上述した実施形態では、ホルダ部21の上端部21b(即ち、弁本体10から遠い側の端部)に弁開上限ストッパ突起27と抜け止め爪28とを設けた構成であったがこれに限定されるものではない。例えば、ホルダ部21におけるガイドレール25が設けられた部分を切り離して支持部材20と別体の新たなホルダ部とし、この新たなホルダ部をステッピングモータ60のケース61の内面に、その軸が軸線Lと重なるように取り付けた構成としてもよい。この場合、新たなホルダ部の下端部(即ち、弁本体10に近い側の端部)に、ストッパ突部としての弁閉下限ストッパ突起と抜け止め突部としての抜け止め爪を設ける。このような構成としても、上述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0067】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のストッパ構造及び電動弁の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。