(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記関連付け部は、グループと該グループに属さない構成要素のうちの、1つのシステム構成に同時に含まれる確率が相対的に高いグループと構成要素を相互に関連付ける、
請求項5に記載のシステム構成作成支援装置。
前記関連付け部は、1つのシステムに同時に含まれるグループと該グループに属さない構成要素の組が、複数のシステム構成に現れる回数をカウントし、カウント値に応じて前記確率を算出する、
請求項6に記載のシステム構成作成支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
はじめに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記する図面参照符号は、専ら理解を助けるための例示であり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
【0015】
図1は、一実施形態に係るシステム構成作成支援装置4の構成を例示するブロック図である。
図1を参照すると、システム構成作成支援装置4は、1つのシステム構成(例えば、既存のシステム構成)に同時に含まれる構成要素を相互に関連付ける関連付け部7と、受け付けたシステム構成(すなわち、設計中のシステム構成)において、関連付け部7により関連付けられた構成要素のうちの一方の構成要素のみが含まれ、他方の構成要素が含まれない構成要素の組を抽出する抽出部8と、抽出された構成要素の組を出力する出力部9と、を備えている。
【0016】
関連付け部7は、1つのシステム構成に同時に含まれる確率が相対的に高い構成要素を相互に関連付けるようにしてもよい。また、関連付け部7は、1つのシステム構成に同時に含まれる構成要素の組が、複数のシステム構成に現れる回数をカウントし、カウント値に応じて、当該確率を算出するようにしてもよい。さらに、関連付け部7は、1つのシステム構成に同時に含まれる構成要素として、ソフトウェアまたはソフトウェアのライセンス数と、ハードウェアとを相互に関連付けるようにしてもよい。
【0017】
かかるシステム構成作成支援装置4によると、設計者が新たにシステム構成を設計する作業を容易にすると同時に、構成要素の漏れを防ぐことが可能となる。なぜなら、1つのシステム構成に同時に含まれる構成要素を相互に関連付ける機能を備えることにより、構成要素間の制約条件を利用者自身が予め設定しておくという煩雑な作業が不要となるからである。また、受け付けたシステム構成において、上記機能により関連付けられた構成要素のうちの一方の構成要素のみが含まれ、他方の構成要素が含まれない構成要素の組を抽出して出力することにより、IT(Information Technology、情報技術)システムの設計者の経験や勘に頼ることなく、過去に構築したシステム構成の特徴(ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ等)を、新規にシステム構成を構築する際の参考にすることができ、構成要素の漏れを防ぐことが可能となるからである。
【0018】
図2は、一実施形態に係るシステム構成作成支援装置4の他の構成を例示するブロック図である。
図2を参照すると、システム構成作成支援装置4は、さらに、蓄積したシステム構成に含まれる構成要素を構成要素の種類に応じて複数のグループに分類する分類部6を備えていてもよい。このとき、関連付け部7は、分類部6によって得られたグループと当該グループに属さない構成要素のうちの、1つのシステム構成に同時に含まれるグループと構成要素とを相互に関連付ける。また、抽出部8は、受け付けたシステム構成において、関連付け部7により関連付けられたグループと構成要素のうちの一方のみが含まれ、他方が含まれないようなグループと構成要素の組を抽出する。さらに、出力部9は、抽出されたグループと構成要素の組を出力する。
【0019】
また、関連付け部7は、グループと当該グループに属さない構成要素のうちの、1つのシステム構成に同時に含まれる確率が相対的に高いグループと構成要素を相互に関連付けるようにしてもよい。さらに、関連付け部7は、1つのシステムに同時に含まれるグループと当該グループに属さない構成要素の組が、複数のシステム構成に現れる回数をカウントし、カウント値に応じて当該確率を算出してもよい。ここで、複数のグループは、ハードウェア、ソフトウェア、および、ソフトウェアのライセンスの少なくともいずれかのグループを含むようにしてもよい。
【0020】
かかるシステム構成作成支援装置4によると、例えば、ハードウェアとソフトウェアについて、複数の候補の組み合わせが可能な場合に、作業者により適切なアドバイスを与えることが可能となる。
【0021】
一例として、ハードウェアの候補をHA、HBとし、ソフトウェアの候補をSA、SBとし、システム構成として、(HA、SA)、(HA、SB)、(HB、SA)、(HB、SB)の4通りの組み合わせが可能であるとする。なお、過去に構築したシステムには、(HA、SA)および(HB、SB)の組み合わせのみが含まれるものとする。
【0022】
ここで、受け付けた(設計中の)システム構成には(HA、SB)の組み合わせが含まれるものとする。このとき、受け付けたシステム構成は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして可能な組み合わせを含んでおり、正しい内容である。
【0023】
グループ化を行わない場合には、(HA、SA)および(HB、SB)の組み合わせのみが関連付けられることになる。このとき、受け付けたシステム構成は正しい内容であるにもかかわらず、正しい構成要素の組み合わせの候補として、(HA、SA)および(HB、SB)の組が作業者に提示されることになる。
【0024】
一方、グループ化により、ハードウェアHA、HBをグループGHとし、ソフトウェアSA、SBをグループGSとした場合、グループと当該グループに属さない構成要素、すなわち、(GH、SA)、(GH、SB)、(HA、GS)、(HB、GS)がそれぞれ関連付けられる。このとき、受け付けたシステム構成に含まれる(HA、SB)の組は、(GH、SB)または(HA、GS)の関連付けに該当するため、システム構成として問題がないことを作業者に伝えることが可能となる。
【0025】
以上より、システム構成に含まれる構成要素を相互に関連付ける場合と比較して、代替可能な構成要素をグループ化し(例えば、HA、HBをグループGHにグループ化し)、あるグループと、そのグループに属さない構成要素を関連付ける(例えば、GHとSA、GHとSBを関連付ける)ことにより、受け付けたシステム構成の正否について、より正確な情報を作業者に通知することが可能となる。
【0026】
上記のシステム構成作成支援装置4の具体的構成について、さらに、図面を参照しつつ説明する。システム構成作成支援装置4は、ITシステム構築の要求仕様等から、ITシステム構成、具体的には、サーバ装置やパソコン等のデータ処理装置、データ処理装置の周辺機器や付属機器、ソフトウェア、ソフトウェアのライセンスを作成する際に、ITシステム構成の漏れをなくすため、入力された要求仕様とITシステム構成から、漏れている可能性のある構成要素を表示等する装置として適用が可能である。
【0027】
ここで、漏れていると思われる構成要素は、最終的には、ITシステム設計者等が最終確認するため、漏れている可能性が有ると判断されるものをすべて表示等し、安全側で判断するようにしてもよい。したがって、表示等される漏れ候補の構成要素は、実際には漏れていないものであっても、漏れとして表示等しても構わない。
【0028】
過去に構築したITシステム構成を表すシステム構成ファイル12は、データベース化し、ITシステム構成作成支援装置4の記憶部10に登録される。
【0029】
「入力」
システム構成作成支援装置4に入力されるITシステムの構成要素の種別と、その構成要素として、特に限定されないが、以下の(1−1)ないし(1−4)が考えられる。
【0030】
(1−1)ITシステムの要求仕様
経理システム、人事管理システム等のITシステムの用途や目的と、所定の日数や時間当たり処理データ数から決まる使用ソフトウェアにより指定される、サーバ装置台数やサーバ装置の仮想化数と、端末台数、
および/または、
顧客が指定するサーバ装置台数やサーバ装置の仮想化数と、端末台数、
および/または、
顧客が指定するソフトウェア等で決まるサーバ装置やサーバ装置の仮想化数と、端末台数。
【0031】
(1−2)ITシステム構成
サーバ装置やパソコン等のデータ処理装置(サーバ装置の名称や型番等と、サーバ装置毎の台数、端末装置の名称や型番等と、端末装置毎の台数)
【0032】
(1−3)データ処理装置の周辺機器や付属機器
例えば、ネットワークボード、
無停電電源装置、
RAID(Redundant Array of Inexpensive Disks)コントローラ(複数のHDD(ハードディスクドライブ、Hard Disk Drive)で、RAIDシステムを構成するための制御装置)、
(増設用)HDD(ハードディスクドライブ)、
(内蔵)DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory、読み出し専用DVD)、
増設メモリボード、
増設バッテリ、
電源ユニット等。
【0033】
ここで、RAID(リダンダント・アレイ・オブ・インエクスペンシブ・ディスクズ)とは、複数のハードディスクを組み合わせ、仮想的な1台のハードディスクとして冗長性を持たせる技術であり、データを複数のハードディスクに分散して、一部のハードディスク故障時でも、データの復旧やアクセスを可能にする安全性を向上させた技術である。機能や耐障害性等の性能の違いによって、RAID0からRAID6までの7種類の構成が知られている。
【0034】
(1−4)ソフトウェアおよびライセンス
Microsoft社製の基本ソフトWindows(登録商標) Server 2012、Microsoft社製の基本ソフトWindows 8.1、その他の基本ソフト、アプリケーションソフト、そして、各ソフトウェアのソフトウェア数、および、各ソフトウェアの使用許可であるライセンス数、および、各ソフトウェアの利用可能ユーザ数。
【0035】
「関連付け」および「抽出」
システム構成作成支援装置4は、上記(1−1)ないし(1−4)に基づいて、過去のシステム設計データ、構成要素から、所定の算出式や表や関連表から決まる他の構成要素に対する指定(構成要素自体、その台数、ソフトウェア数およびライセンス数)を相関(関連)付ける。すなわち、システム構成作成支援装置4は、例えば、ハード等の仕様からソフトウェアやライセンス数、または、ソフトウェアからハードウェアやその台数やサーバ装置で有れば仮想化数等を相互に求められるようにする。これにより、システム構成作成支援装置4は、各構成要素や構成要素数に不足がないか、複数の方法(一部の構成から他の構成を確認、他の一部の構成からその一部の構成以外の構成を確認する等)で確認する。
【0036】
システム構成作成支援装置4は、上記複数の方法として、例えば、以下の方法(2−1)ないし(2−4)を用いることができる。
【0037】
(2−1)要求仕様や顧客指定から決まるITシステムのハードウェアの型番や数量、必要周辺機器や付属機器やソフトウェアやソフトウェアの条件(ソフトウェアおよびライセンス数)を求める方法
【0038】
(2−2)ITシステム構成の内のハードウェアから決まる仮想化数、必要周辺機器や付属機器、ソフトウェアやソフトウェアの条件(ソフトウェア数およびライセンス数)を求める方法
【0039】
(2−3)ソフトウェアから決まるITシステムのハードウェアの型番や数量、仮想化数、必要周辺機器や付属機器、ソフトウェアの条件(ソフトウェア数およびライセンス数)を求める方法
【0040】
(2−4)上記いずれか複数の組み合わせから決まるITシステムのハードウェアの型番や数量、仮想化数、必要周辺機器や付属機器やソフトウェアやソフトウェアの条件(ソフトウェア数およびライセンス数)を求める方法
【0041】
「出力」
システム構成作成支援装置4は、求められたITシステム構成と、入力されたITシステム構成とを比較し、入力されたITシステム構成の能力不足、数の不足、欠落を表示等する。
【0042】
「記憶」
システム構成作成支援装置4は、構成要素を確認する規則(以下、「ルール」ともいう。)を保持する。
【0043】
システム構成作成支援装置4は、ルールとして、
必要なソフトウェアおよびライセンスの選定方法(第1ルール)、
システム構成ファイルの構成要素を分類する規則(第2ルール)、および、
不足要素を抽出する規則(第3ルール)
を保持する。
【0044】
ここで、第1ルールおよび第2ルールは、作業者端末1から入力され、システム構成作成支援装置4は、入力されたこれらのルールを記憶部10に保持する。一方、システム構成作成支援装置4は、後述する方法により、第3ルールを作成する。
【0045】
システム構成作成支援装置4は、過去に構築されたシステム構成をデータベースとして記憶部10に蓄積する。
【0046】
「分類(グループ化)」
また、システム構成作成支援装置4は、各構成要素を、第2ルールに従って分類(グループ化)する。分類方法として、以下の(3−1)ないし(3−3)の方法を用いることができる。
【0047】
(3−1)蓄積されたシステム構成ファイル内の構成要素を、グループ毎(具体例については後述する)に分類する。例えば、規則に、1つ以上のグループ名称が登録されるようにする。
【0048】
(3−2)サーバ本体、RAIDボード、無停電電源装置、テープ装置、ソフトウェア、および、ライセンス等に分類(グループ化)する。
【0049】
(3−3)分類方法として、名称が完全一致するか否かを基準としてもよいし、名称に含まれる予め定めたキーワードを抽出して分類してもよい。例えば、「Smart-UPS」等のように、「UPS(Uninterruptible Power Supply)」という単語が入っている場合、無停電電源装置であると判断して分類してもよい。
【0050】
システム構成作成支援装置4は、集められた構成要素のデータから、組み合わせられる構成要素を確認する規則(第3ルール)を作成する。例えば、システム構成作成支援装置4は、以下の(4−1)ないし(4−4)の方法を用いて第3ルールを作成してもよい。
【0051】
(4−1)分類(グループ)同士の組み合わせの累計(数をカウントする)をとる。例えば、「無停電電源装置」グループと「ソフトウェア」グループの「Power Chute(商品名である。UPS管理ソフトウェア。)」の組み合わせ、「サーバ本体」グループと「ソフトウェア」グループの「Windows Server 2012」の組み合わせ等について、累計を求める。
【0052】
(4−2)集められた複数の情報から、構成要素の組み合わせの確率を計算する。具体的には、同一の構成要素からでも、他の構成要素との組み合わせが複数種類あるため、集められた構成要素データを使い、ある構成要素の組み合わせから必要とされる別の構成要素毎に、過去システム構成データから数を集計し、総数に対する比率を確率として算出する。例えば、「サーバ本体」グループの製品が存在する場合、「ソフトウェア」グループの、「Windows Server 2012」が存在する確率が50%と判断し、「Red Hat Linux(登録商標)(Red Hat社製のLinux、基本ソフトである。)」が存在する確率が20%と判断するようにしてもよい。
【0053】
(4−3)確率の高い組み合わせを、構成要素を確認する規則(第3ルール)とする。例えば、「サーバ本体」グループの製品が存在する場合、「ソフトウェア」グループの「Windows Server 2012」が存在するという規則、または、「無停電電源装置」グループの製品が存在する場合、「ソフトウェア」グループの「Power Chute」が存在するという規則等を、第3ルールとして作成する。ここで、Power Chuteは、UPSの動作を管理するUPS管理ソフトウェアである。ただし、規則(ルール)は1つではなく、複数の場合も有る。例えば、各グループの製品に対し、加えて存在する筈の製品(1つでも複数でもよい)のそれぞれについて確率を予め設定しておき、それぞれ、確率の高い順に、複数の規則を作成してもよい。
【0054】
(4−4)分類(グループ)の組み合わせは、1対1だけではなく、複数対複数としてもよい。
【0055】
「新たな構成要素の分類」
さらに、システム構成作成支援装置4は、新たな構成要素の分類(グループ化)も行うことが好ましい。例えば、構成要素の分類方法として、以下の(5−1)ないし(5−3)の方法を用いることができる。
【0056】
(5−1)新たな(今まで蓄積されたデータベースにない)製品が追加された場合、上記手順「グループ毎に分類する」から実行し、新たに構成要素毎のデータを作成する。
【0057】
(5−2)新たな製品が今まで蓄積されたデータベースに存在しない分類の製品の場合、新規に分類を作成する。ここで、一例として、製品名を分類名としてもよい。
【0058】
(5−3)また、類似した分類名を統合してもよい。例えば、「ABCD Standard」というデータベースにない分類の新たな製品が入力された場合、新たなグループ「ABCD Standard」の製品「ABCD Standard」となる。その後、「ABCD Business」という製品が入力され、新たなグループ「ABCD Business」の製品「ABCD Business」となった場合、両者を統合してグループ「ABCD」の製品「ABCD Standard」および「ABCD Business」というように統合してもよい。
【0059】
システム構成作成支援装置4は、新規に構成するシステムの構成要素を、作成した構成要素を確認する規則(第3ルール)で得られる構成要素と比較し、漏れている可能性のあるソフトウェア等を作業者端末1に通知(例えば、表示、所定通知先に送信等)する。または、システム構成作成支援装置4は、新規に構築するシステムの仮想マシン数、利用ユーザ数から、必要なソフトウェアライセンス数を作業者端末1に通知(例えば、表示、所定通知先に送信等)する。
【0060】
作業者端末1を操作するITシステム設計者は、表示等されたITシステム構成の漏れや相違に対する確認作業を行う。なお、漏れがなく、誤りのないITシステム構成を作成するための支援が可能となれば十分である。そこで、表示等されるITシステム構成は、漏れなく、場合によっては、オーバースペックや必要数以上であってもよい。最終的には、設計者自身が、漏れがあるか否かの確認を行えばよいからである。
【0061】
<実施形態1>
[構成]
次に、第1の実施形態に係るシステム構成作成支援装置の構成について、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係るシステム構成作成支援装置4の構成を例示するブロック図である。なお、
図2には、システム構成作成支援装置4にアクセスする作業者端末1も併せて示す。
【0062】
作業者端末1およびシステム構成作成支援装置4は、それぞれ、プログラム制御により動作する。また、作業者端末1とシステム構成作成支援装置4は、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを介して相互に接続されている。
【0063】
作業者端末1は、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置である。作業者端末1は、少なくとも入力部2と出力部3を備えている。
【0064】
入力部2は、システム構成作成支援装置4に対して、比較したいシステム構成ファイルを入力すると共に、完成したシステム構成ファイルを入力する機能を有する。入力方法として、ファイル(Microsoft社のExcel、テキスト等)を送信する方法、キーボードから入力する方法等を用いることができる。また、入力部2は、必要なソフトウェアおよびライセンスの選定方法(第1ルール14)と、予め設定される各種規則等やシステム構成ファイルの構成要素を分類する規則(第2ルール15)を入力する機能も備えている。
【0065】
入力するシステム構成ファイルの項目として、以下の項目(1)ないし(4)が含まれる。
【0066】
(1)ITシステムの要求仕様
経理システム、人事管理システム等のITシステムの用途や目的と、所定の日数や時間当たり処理データ数、から決まる使用ソフトウェアにより指定されるサーバ装置台数やサーバ装置の仮想化数と、端末台数や、顧客が指定するサーバ装置台数やサーバ装置の仮想化数と、端末台数や、顧客が指定するソフトウェア等で決まるサーバ装置やサーバ装置の仮想化数と、端末台数。
【0067】
(2)ITシステム構成
サーバ装置やパソコン等のデータ処理装置(サーバ装置の名称や型番等と、サーバ装置毎の台数、端末装置の名称や型番等と、端末装置毎の台数)。
【0068】
(3)データ処理装置の周辺機器や付属機器
ネットワークボード、無停電電源装置、RAID(Redundant Array of Inexpensive Disks)コントローラ(複数のHDD(ハードディスク)で、RAIDシステムを構成するための制御装置)、増設用HDD(ハードディスクドライブ)、内蔵DVD−ROM(読み出し専用DVD)、増設メモリボード、増設バッテリ、電源ユニット等。
【0069】
ここで、RAID(リダンダント・アレイ・オブ・インエクスペンシブ・ディスクズ)とは、複数のハードディスクを組み合わせ、仮想的な1台のハードディスクとして冗長性を持たせる技術であり、データを複数のハードディスクに分散して、一部のハードディスク故障時でもデータの復旧やアクセスを可能にする安全性を向上させた技術である。機能や耐障害性等の性能の違いによって、RAID0から、RAID6まで、7種類の構成が知られている。
【0070】
(4)ソフトウェアおよびライセンス
Microsoft社製の基本ソフトWindows Server 2012、Microsoft社製の基本ソフトWindows 8.1、その他の基本ソフト、アプリケーションソフト、そして、各ソフトウェアのソフトウェア数、および、各ソフトウェアの使用許可であるライセンス数、および、各ソフトウェアの利用可能ユーザ数。
【0071】
作業者端末1の入力部2は、これらの項目(1)ないし(4)を受け付け、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを介して、システム構成作成支援装置4に送出する。システム構成作成支援装置4の処理部5は、作業者端末1から送信された項目(1)ないし(4)を記憶部10のファイル保持部11に、データベースとして項目毎に記憶する。
【0072】
また、システム構成作成支援装置4は、必要なソフトウェアおよびライセンスの選定方法として、以下の(1)ないし(3)の方法を用いることができる。
【0073】
(1)通常のソフトウェアの使用ライセンスは、1つのソフトウェアを購入すると1つの使用ライセンスが付属しており、単に、ソフトウェアを購入するだけでよい。かかるソフトウェアは、パッケージソフトウェアとも呼ばれ、箱の中に、使用許諾条件が記載された用紙や、ソフトウェアが記録されたCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)やDVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)が封印されて同梱されている。封印を破ってCD−ROM等を取り出すと、そのソフトウェアの使用許諾条件に同意したものと見なされる。他にも、ライセンスの認証法として、ソフトウェアインストール後のライセンスキーの入力等があり、ライセンスキーの購入が、実質的にソフトウェア使用ライセンスの購入となる。
【0074】
(2)接続ユーザ数に伴うライセンスは、CAL(Client Access License)と呼ばれるもので、ユーザ数が100である場合、CALは100必要となる。すなわち、CALとは、ソフトウェア自体の使用ライセンスではなく、クライントがそのソフトウェアにアクセスするためのライセンスをいう。したがって、ユーザとして100のクライントが有り、各クライアントがアクセスするには、CALは100必要となる。
【0075】
(3)仮想マシン数に関係する使用ライセンス付きソフトウェアの選択は、Microsoft Windows Serverを使用するのであれば、例えば、仮想マシン数が2以下である場合、Microsoft Windows Server 2012 R2 Standardが必要となり、仮想マシン数が2以上の場合、Microsoft Windows Server 2012 R2 Datacenterが必要となる。
【0076】
以上のように、ソフトウェアやライセンスの選択の規則が、予めソフトウェア毎に定まっており、ソフトウェア数はインストールするソフトウェア数、そして、上記規則毎に、CAL、アクセスするライセンス数、仮想マシン数によりソフトウェアを決める。
【0077】
さらに、仮想マシン数が4の場合は、Microsoft Windows Server 2012 R2 Standardが2つでもよい。したがって、Microsoft Windows Server 2012 R2 Standardが2つ、または、Microsoft Windows Server 2012 R2 Datacenterが1つ以上必要という具合に、ソフトウェアに応じて、複数の選択肢を考慮してもよい。
【0078】
また、出力部3は、システム構成作成支援装置4での規則適用後の結果を作業者へ通知する機能を備えている。出力部3は、出力方法として、ディスプレイへの表示(ポップアップ表示やウィンドウに表示)、メール通知、音声通知等を用いることができる。
【0079】
出力部3が出力する項目として、次の項目が考えられる。すなわち、システム構成作成支援装置4で処理された、作業者端末1の入力部2から入力されたITシステム構成と、上記規則により得られたITシステム構成との比較の結果を出力してもよい。例えば、入力されたITシステム構成より、上記規則により得られたITシステム構成の各要素(ハードウェア、ソフトウェア、ライセンス)の数の方が多く、入力されたITシステム構成において不足すると想定されるハードウェア、ソフトウェア、ライセンスを出力するようにしてもよい。具体的には、「『Power Chute』が足りない可能性がある。」というメッセージや、「『Windows Server 2012』が足りない可能性がある。」というメッセージ等を出力することが考えられる。
【0080】
システム構成作成支援装置4は情報処理装置であり、処理部5と記憶部10を備えている。システム構成作成支援装置4の処理部5は、分類部6、関連付け部7、抽出部8、および、出力部9を備え、以下の(1)ないし(5)に示す処理を行う。
【0081】
(1)受信したシステム構成ファイルの構成要素の分類
分類部6は、受信したシステム構成ファイルの構成要素を、グループごとに分類する。グループとして、例えば、「サーバ本体」、「CPU(Central Processing Unit)」、「メモリ」、「ハードディスク」、「RAIDコントローラ」、「増設メモリボード」、「増設バッテリ」、「電源ユニット」、「内蔵DVD−ROM」、「無停電電源装置」、「テープ装置」、「ソフトウェア(ライセンス込)」、「ライセンス」等がある。
【0082】
分類部6は、第2ルール15に従って分類を行う。第2ルール15は、例えば、品名に「Express」という単語が含まれる場合、グループ「サーバ本体」に分類し、品名に「UPS」という単語が含まれる場合、グループ「無停電電源装置」に分類する等のルールである。なお、第2ルール15は、作業者端末1の入力部2から入力されるようにしてもよい。
【0083】
一方、分類部6は、以下の方法で第2ルール15を新規に作成するようにしてもよい。新たな製品がルール保持部13に蓄積されたデータベースに存在しない分類の製品である場合、分類部6は新規に分類を作成する。このとき、分類部6は、製品名を分類名としてもよい。
【0084】
また、分類部6は、類似した分類名を統合してもよい。例えば、「ABCD Standard」というデータベースにない分類の新たな製品が入力された場合、分類部6は、新たなグループ「ABCD Standard」の製品「ABCD Standard」とする。その後、「ABCD Business」という製品が入力され、分類部6が新たなグループ「ABCD Business」の製品「ABCD Business」とした場合、分類部6は両者を統合してグループ「ABCD」の製品「ABCD Standard」および「ABCD Business」としてもよい。このように分類名を統合することにより、分類の数の増大を防ぐことが可能となる。
【0085】
(2)保存された分類と構成要素の累計
関連付け部7は、分類同士の組み合わせの累計を求める。関連付け部7は、例えば、「無停電電源装置」グループの項と、「ソフトウェア」グループの「Power Chute(UPS管理ソフトウェアの商品名である。)」の組み合わせ、「サーバ本体」グループの項と、「ソフトウェア」グループの「Windows Server 2012」の組み合わせ等を、1パターンずつ数えていく。
【0086】
さらに、関連付け部7は、集積された複数の情報から、構成要素の組み合わせの確率を計算する。同一の構成要素からでも、他の構成要素が複数種類あるため、関連付け部7は、集積された構成要素データを用いて、ある構成要素の組み合わせから必要とされる別の構成要素毎に、過去システム構成データから数を集計し、総数に対する比率を確率として算出する。
【0087】
関連付け部7は、例えば、「サーバ本体」グループの製品が存在する場合、「ソフトウェア」グループの「Windows Server 2012」が存在する確率が50%と判断し、「Red Hat Linux(Red Hat社製のLinux、基本ソフトである。)」が存在する確率が20%と判断する。なお、関連付け部7は、組み合わせとして、1対1の組み合わせのみならず、複数対複数の組み合わせを考慮してもよい。関連付け部7は、例えば、「サーバ本体」グループの製品が存在する場合、「ソフトウェア」グループの「Windows Server 2012」および「Microsoft Windows Server 2012 CAL(100 Device)」が存在する確率が10%と判断するようにしてもよい。
【0088】
(3)累計から規則(第3ルール16)を作成
関連付け部7は、確率の高い組み合わせを、構成要素を確認する規則(第3ルール16)とする。関連付け部7は、例えば、「サーバ本体」グループの製品が存在する場合、「ソフトウェア」グループの「Windows Server 2012」が存在するというルールや、「無停電電源装置」グループの製品が存在する場合、「ソフトウェア」グループの「Power Chute」が存在するというルールを、第3ルール16として生成してルール保持部13に記録する。
【0089】
ただし、規則は1つではなく、複数存在する場合も有る。そこで、関連付け部7は、各グループの製品に対して、加えて存在する筈の製品(1つでも複数でもよい)のそれぞれに予め確率を設定しておき、確率の高い順に、複数の規則を作成するようにしてもよい。
【0090】
(4)受信したシステム構成ファイルの規則適用
抽出部8は、新規に構成するシステムと、作成した規則(構成要素を確認する規則)とを比較し、例えば、漏れている可能性のあるソフトウェアを抽出する。出力部9は、抽出部8により抽出された構成要素(例えば、ソフトウェア)を作業者端末1に通知する。
【0091】
例えば、「無停電電源装置」グループの製品が存在する場合、「ソフトウェア」グループの「Power Chute」が存在するという規則(第3ルール16)が蓄積されているときに、新規に構成するシステムには「無停電電源装置」グループの製品が存在するにもかかわらず、「ソフトウェア」グループの「Power Chute」がないことを抽出部8が抽出すると、出力部9は、その旨を作業者端末1に通知(作業者端末1の出力部3へ送信)する。
【0092】
(5)受信したシステム構成ファイルへの必要なソフトウェアおよびライセンスの選定方法の適用
抽出部8は、新規に構成するシステムの仮想マシン数およびユーザ数と、保存されている必要なソフトウェアおよびライセンスの選定方法とを比較し、必要と想定されるソフトウェアおよびライセンスを抽出する。次に、出力部9は、抽出部8により抽出されたソフトウェアおよびライセンスを作業者端末1に通知する。抽出部8は、例えば、ユーザ数が100であるためCAL(Client Access License)が100必要であることや、仮想マシン数が6であるためMicrosoft Windows Server 2012 R2 Datacenterが必要であることを抽出し、出力部9はその旨を作業者端末1の出力部3へ送信する。
【0093】
なお、本選定方法は、システム構成作成支援装置4の処理部5で作成するものではなく、作業者端末1から入力されたものである。すなわち、ライセンス数等の規則は各ソフトウェア会社が決めるものであって、システム構成作成支援装置4の側で決定するものではない。
【0094】
システム構成作成支援装置4の記憶部10は、ファイル保持部11とルール保持部13を備えている。ファイル保持部11は、分類された構成要素を保存するデータベースを有する。一方、ルール保持部13は、入力された選定方法、および、作成された規則をルールデータ(第1ルール14、第2ルール15、および、第3ルール16)として保存する。
【0095】
ファイル保持部11は、分類されたシステム構成ファイル12をデータベースとして保存する。
【0096】
ファイル保持部11が保持するシステム構成ファイル12は、例えば、以下の「ファイル1」、「ファイル2」のような構成のファイルである。
【0097】
「ファイル1」
グループ「サーバ本体」の「Expressサーバ」(商品名)が1個、
グループ「CPU」の「Core i3」(商品名)が1個、
グループ「メモリ」の「512MBメモリ」(記憶容量が指定されたメモリ)が4個、
グループ「ハードディスク」の「500GB HDD」(記憶容量が指定されたHDD、ハードディスク記憶装置)が5個、
グループ「RAIDコントローラ」の「RAIDコントローラ(512MB、RAID 0/1/5/6)」(仕様が含まれた商品名)が1個、
グループ「無停電電源装置」の「UPS(1200VA)」(仕様が含まれた商品名)が1個、
グループ「ソフトウェア(ライセンス込)」の「Windows Server 2012 Standard」(商品名)が1個、 グループ「ソフトウェア(ライセンス込)」の「Power Chute」(商品名)が1個、 グループ「ライセンス」の「CAL」(アクセスするユーザのライセンスである)が100個、
仮想マシン数…2、
ユーザ数…100
【0098】
「ファイル2」
グループ「サーバ本体」の「Expressサーバ」(商品名)が1個、
グループ「CPU」の「Core i3」(商品名)が2個、
グループ「メモリ」の「512MBメモリ」(記憶容量が指定されたメモリ)が6個、
グループ「ハードディスク」の「500GB HDD」(記憶容量が指定されたHDD、ハードディスク記憶装置)が6個、
グループ「RAIDコントローラ」の「RAIDコントローラ(512MB、RAID 0/1/2/5/6)」(仕様が含まれた商品名)が1個、
グループ「無停電電源装置」の「UPS(1200VA)」(仕様が含まれた商品名)が1個、
グループ「ソフトウェア(ライセンス込)」の「Windows Server 2012 Standard」(商品名)が1個、
グループ「ソフトウェア(ライセンス込)」の「Power Chute」(商品名)が1個、
グループ「ライセンス」の「グループウェア基本ライセンス」が100個、
仮想マシン数…1、
ユーザ数…100
【0099】
ファイル保持部11は、上記の様に、分類されたシステム構成ファイルをファイル毎に蓄積する。
図4は、システム構成作成支援装置4の記憶部10に設けられたファイル保持部11に蓄積されるシステム構成ファイル12を例示する図である。
【0100】
ルール保持部13は、ルールデータとして、以下に例示するような、第1ルール14、第2ルール15、および、第3ルール16を保持する。
【0101】
「第1ルール14」
ルール保持部13は、第1ルール14として、以下のようなルールを保持する。
仮想マシン数が2以下の場合、Microsoft Windows Server 2012 R2 Standardが必要、
仮想マシン数が2以上の場合、Microsoft Windows Server 2012 R2 Datacenterが必要、
100のクライントが有り、それぞれアクセスする場合、CALは100必要等。
【0102】
「第2ルール15」
ルール保持部13は、第2ルール15として、以下のようなルールを保持する。
品名に「Express」という単語が入っていたら、グループ「サーバ本体」、
品名に「UPS」という単語が入っていたら、グループ「無停電電源装置」等。
【0103】
「第3ルール16」
ルール保持部13は、第3ルール16として、以下のようなルールを保持する。
「サーバ本体」グループの製品が存在する場合、「ソフトウェア」グループの「Windows Server 2012」が存在するというルール、
「無停電電源装置」グループの製品が存在する場合、「ソフトウェア」グループの「Power Chute」が存在するというルール等。
【0104】
ルール保持部13は、上記第1ルール14、第2ルール15および第3ルール16を、ルールデータとして保持する
【0105】
[動作]
次に、
図2のブロック図および
図3のシーケンス図を参照して、本実施形態に係るシステム構成作成支援装置4の動作について、詳細に説明する。
【0106】
まず、作業者端末1は、比較したいシステム構成ファイルの入力を作業者から受け付けて、システム構成作成支援装置4の処理部5へ送信する(ステップA1)。
【0107】
作業者端末1による送信方法として、ファイル(Excel、テキスト等)の送信、キーボードからの入力等の方法を用いることができる。また、送信するシステム構成ファイルの項目として、ITシステムの要求仕様、ITシステム構成、データ処理装置の周辺機器や付属機器、ソフトウェアおよびライセンス等がある。
【0108】
システム構成作成支援装置4の処理部5に設けられた抽出部8は、記憶部10のルール保持部13に保存されている規則(第3ルール16)を記憶部10から引き出す(ステップA2)。例えば、引き出される規則(第3ルール16)として、「サーバ本体」グループの製品が存在する場合、「ソフトウェア」グループの「Windows Server 2012」が存在する等のルールがある。
【0109】
さらに、抽出部8は、受信したシステム構成ファイルと引き出した規則(第3ルール16)とを比較する(ステップA3)。
【0110】
抽出部8は、例えば、「無停電電源装置」グループの製品が存在する場合、「ソフトウェア」グループの「Power Chute」が存在するという規則(第3ルール16)があるときに、受け付けたシステム構成には「無停電電源装置」グループの製品が含まれるにもかかわらず、「ソフトウェア」グループの「Power Chute」がないことを認識する。
【0111】
このようにして、システム構成作成支援装置4の処理部5に設けられた抽出部8は、作業者端末1から受信したシステム構成ファイルに足りない構成要素を抽出する(ステップA4)。上記の具体例においては、抽出部8は、不足する構成要素として、「ソフトウェア」グループの「Power Chute」を抽出する。
【0112】
次に、抽出部8は、記憶部10に保存されている選定方法を記憶部10から引き出す(ステップA5)。
【0113】
抽出部8は、作業者端末1から受信したシステム構成ファイルの仮想マシン数、利用ユーザ数から、必要なソフトウェアおよびライセンスを選択する(ステップA6)。
【0114】
抽出部8は、例えば、ユーザ数が100であるため、CAL(Client Access License)が100必要であること、仮想マシン数が6であるため、Microsoft Windows Server 2012 R2 Datacenterが必要であること等を抽出する。
【0115】
システム構成作成支援装置4の処理部5に設けられた出力部9は、結果を作業者端末1へ送信する(ステップA7)。
【0116】
上記の例においては、出力部9は、以下の結果を作業者端末1に送信する。
不足している可能性のある要素⇒「ソフトウェア」グループの「Power Chute」、
必要と思われるライセンス⇒「Microsoft Windows Server 2012 R2 Datacenter (2CPU)」等。
【0117】
作業者端末1の出力部3は、受信した規則適用結果を作業者に通知する(ステップA8)。出力部3による通知方法として、ディスプレイへの表示(ポップアップやウィンドウ)、メール通知、音声通知等の方法を用いることができる。
【0118】
作業者端末1を操作する作業者は、不足する構成要素がないかどうかを確認し、システム構成ファイルを完成させる(ステップA9)。なお、ステップA9は、作業者の手作業となる。
【0119】
新たに必要なソフトウェアおよびライセンスの選定方法(第1ルール14)がある場合、作業者端末1は、選定方法を受け付け、受け付けた選定方法をシステム構成作成支援装置4の処理部5へ送信する(ステップA10)。送信方法は、ステップA1と同様である。
【0120】
例えば、作業者端末1は、以下のような選定方法(第1ルール14)を送信する。
ユーザ数が100である場合、CAL(Client Access License)が100必要、
仮想マシン数が2以下である場合、Microsoft Windows Server 2012 R2 Standardが必要、
仮想マシン数が2以上である場合、Microsoft Windows Server 2012 R2 Datacenterが必要等。
【0121】
なお、仮想マシンの数が4の場合、Microsoft Windows Server 2012 R2 Standardが2つでもよいため、Microsoft Windows Server 2012 R2 Standard2つ、または、Microsoft Windows Server 2012 R2 Datacenter1つ以上が必要といったように、選定方法には複数の選択肢があってもよい。また、必要ライセンス数を決める規則は、各ソフトウェア会社が決めるものであり、本実施形態のシステム構成作成支援装置4の側で計算するものではない。
【0122】
システム構成作成支援装置4の処理部5は、受信した選定方法を記憶部10のルール保持部13に保存する(ステップA11)。
【0123】
作業者端末1は、完成したシステム構成ファイルを受け付け、システム構成作成支援装置4の処理部5へ送信する(ステップA12)。ここで、送信方法、および、送信するシステム構成ファイルの項目は、ステップA1と同様である。
【0124】
システム構成作成支援装置4の処理部5に設けられた分類部6は、受信した完成したシステム構成ファイル上の項目をグループごとに分類する(ステップA13)。
【0125】
分類部6は、例えば、「Expressサーバ」を「サーバ本体」グループに分類し、「Power Chute」を「ソフトウェア(ライセンス込)」グループに分類する。ここで、グループとして、例えば、「サーバ本体」、「CPU(Central Processing Unit)」、「メモリ」、「ハードディスク」、「RAIDコントローラ」、「増設メモリボード」、「増設バッテリ」、「電源ユニット」、「内蔵DVD−ROM」、「無停電電源装置」、「テープ装置」、「ソフトウェア(ライセンス込)」、「ライセンス」等のグループがある。
【0126】
分類部6は、新たな製品が、今まで蓄積されたデータベースにない分類の製品の場合、新規に分類を作成する。このとき、分類部6は、製品名を分類名としてもよい。
【0127】
また、分類部6は、類似した分類名は統合してもよい。例えば、「ABCD Standard」というデータベースにない分類の新たな製品が入力された場合、分類部6は、新たなグループ「ABCD Standard」の製品「ABCD Standard」とする。その後、「ABCD Business」という製品が入力され、分類部6が新たなグループ「ABCD Business」の製品「ABCD Business」とした場合、分類部6は、両者を統合して、グループ「ABCD」の製品「ABCD Standard」および「ABCD Business」としてもよい。
【0128】
システム構成作成支援装置4の処理部5は、分類した項目を記憶部10のファイル保持部11に保存する(ステップA14)。
【0129】
ファイル保持部11は、例えば、「サーバ本体」グループの「Express 5800/R120E-1M」が1つ、「ソフトウェア」グループの「Windows Server 2012」が1つという内容のシステム構成ファイル12を蓄積する。
【0130】
次に、システム構成作成支援装置4の処理部5に設けられた関連付け部7は、記憶部10のファイル保持部11に保存された分類と項目を引き出す(ステップA15)。
【0131】
関連付け部7は、引き出した分類と項目のそれぞれの累計をとる(ステップA16)。関連付け部7は、例えば、「サーバ本体」グループの製品がある場合、「ソフトウェア」グループの「Windows Server 2012」が存在する確率が50%であると判断し、「Red Hat Linux(Red Hat社製のLinux、基本ソフトである。)」が存在する確率が20%であると判断する。
【0132】
さらに、関連付け部7は、分類と項目の累計から、規則(第3ルール16)を作成する(ステップA17)。例えば、関連付け部7は、「サーバ本体」グループの製品が存在する場合、「ソフトウェア」グループの「Windows Server 2012」が存在するというルールや、「無停電電源装置」グループの製品が存在する場合、「ソフトウェア」グループの「Power Chute」が存在するルールを作成する。なお、規則は1つではなく、複数存在する場合も有る。そこで、関連付け部7は、各グループの製品に対して、加えて存在する筈の製品(1つでも複数でもよい)のそれぞれに確率を予め設定しておき、確率の高い順に複数のルールを作成してもよい。
【0133】
関連付け部7は、作成した規則(第3ルール16)を記憶部10のルール保持部13に保存する(ステップA18)。作成される規則として、例えば、「サーバ本体」グループの製品が存在する場合、「ソフトウェア」グループの「Windows Server 2012」が存在するというルール、「無停電電源装置」グループの製品が存在する場合、「ソフトウェア」グループの「Power Chute」が存在するというルール等が考えられる。
【0134】
以上のように、本実施形態のシステム構成作成支援装置4は、
(1)データベースに貯めた、過去に構築したシステム構成ファイルの累計をとり、自動で規則を作成する、
(2)新しい項目が含まれるシステム構成ファイルが入力されると、自動で新規に分類を作成し、累計をとる。
【0135】
かかる構成を備えた本実施形態のシステム構成作成支援装置4によれば、ITシステム構成設計者等のITシステムを構成する者は、作成したシステム構成ファイルに足りない構成要素がないかどうかを確認することができる。また、少しでも足りない可能性が有れば、結果が出力されるため、システム構成ファイルの作成時におけるミスを削減することができる。
【0136】
さらに、本実施形態のシステム構成作成支援装置4によれば、ITシステム構成の検討において、各種条件を変えたITシステムの構成を作成する際に、構成要素の漏れを確認するのに利用することができる。これにより、各種条件を変えたITシステムの比較を正しく行うことができる。
【0137】
なお、本発明において、下記の形態が可能である。
[形態1]
上記第1の態様に係るシステム構成作成支援装置のとおりである。
[形態2]
上記システム構成作成支援装置において、前記関連付け部は、1つのシステム構成に同時に含まれる確率が相対的に高い構成要素を相互に関連付けてもよい。
[形態3]
上記システム構成作成支援装置において、前記関連付け部は、1つのシステム構成に同時に含まれる構成要素の組が、複数のシステム構成に現れる回数をカウントし、カウント値に応じて前記確率を算出してもよい。
[形態4]
上記システム構成作成支援装置において、前記関連付け部は、1つのシステム構成に同時に含まれる構成要素として、ソフトウェアまたはソフトウェアのライセンス数と、ハードウェアとを相互に関連付けてもよい。
[形態5]
上記システム構成作成支援装置は、蓄積したシステム構成に含まれる構成要素を構成要素の種類に応じて複数のグループに分類する分類部を、備えていてもよい。前記関連付け部は、前記分類部によって得られたグループと該グループに属さない構成要素のうちの、1つのシステム構成に同時に含まれるグループと構成要素とを相互に関連付け、前記抽出部は、受け付けたシステム構成において、前記関連付け部により関連付けられたグループと構成要素のうちの一方のみが含まれ、他方が含まれないようなグループと構成要素の組を抽出し、前記出力部は、前記抽出されたグループと構成要素の組を出力してもよい。
[形態6]
上記システム構成作成支援装置において、前記関連付け部は、グループと該グループに属さない構成要素のうちの、1つのシステム構成に同時に含まれる確率が相対的に高いグループと構成要素を相互に関連付けてもよい。
[形態7]
上記システム構成作成支援装置において、前記関連付け部は、1つのシステムに同時に含まれるグループと該グループに属さない構成要素の組が、複数のシステム構成に現れる回数をカウントし、カウント値に応じて前記確率を算出してもよい。
[形態8]
上記システム構成作成支援装置において、前記複数のグループは、ハードウェア、ソフトウェア、および、ソフトウェアのライセンスの少なくともいずれかのグループを含んでいてもよい。
[形態9]
上記第2の態様に係るシステム構成作成支援方法のとおりである。
[形態10]
上記システム構成作成支援方法において、前記少なくとも1つのハードウェア手段は、1つのシステム構成に同時に含まれる確率が相対的に高い構成要素を相互に関連付けてもよい。
[形態11]
上記システム構成作成支援方法は、前記少なくとも1つのハードウェア手段が、1つのシステム構成に同時に含まれる構成要素の組が、複数のシステム構成に現れる回数をカウントし、カウント値に応じて前記確率を算出するステップを含んでもよい。
[形態12]
上記システム構成作成支援方法において、前記少なくとも1つのハードウェア手段は、1つのシステム構成に同時に含まれる構成要素として、ソフトウェアまたはソフトウェアのライセンス数と、ハードウェアとを相互に関連付けてもよい。
[形態13]
上記システム構成作成支援方法は、前記少なくとも1つのハードウェア手段が、蓄積したシステム構成に含まれる構成要素を構成要素の種類に応じて複数のグループに分類するステップと、得られたグループと該グループに属さない構成要素のうちの、1つのシステム構成に同時に含まれるグループと構成要素とを相互に関連付けるステップと、受け付けたシステム構成において、前記関連付けられたグループと構成要素のうちの一方のみが含まれ、他方が含まれないようなグループと構成要素の組を抽出するステップと、前記抽出されたグループと構成要素の組を出力するステップと、を含んでもよい。
[形態14]
前記少なくとも1つのハードウェア手段は、グループと該グループに属さない構成要素のうちの、1つのシステム構成に同時に含まれる確率が相対的に高いグループと構成要素を相互に関連付ける、
形態13に記載のシステム構成作成支援方法。
[形態15]
上記システム構成作成支援方法は、前記少なくとも1つのハードウェア手段が、1つのシステムに同時に含まれるグループと該グループに属さない構成要素の組が、複数のシステム構成に現れる回数をカウントし、カウント値に応じて前記確率を算出するステップを含んでもよい。
[形態16]
上記システム構成作成支援方法において、前記複数のグループは、ハードウェア、ソフトウェア、および、ソフトウェアのライセンスの少なくともいずれかのグループを含んでいてもよい。
[形態17]
上記第3の態様に係るプログラムのとおりである。
【0138】
なお、本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。