(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ヘアスタイリングポリマーが、(メタ)アクリル酸又はそれらの単純なエステルであるモノマーの2つ以上のモノマーのアクリレートコポリマー;オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー;ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸、エチルアクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートのアクリレート/ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー;ポリウレタン−14/AMP−アクリレートコポリマーブレンド;並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
定義及び原則
本発明の全ての実施形態において、全ての百分率は、特に記載のない限り、全組成物(又は配合)の重量に基づく。全ての比率は、特に記述のない限り、重量比である。全ての範囲は、包含的であり、かつ組み合わせ可能である。有効数字の数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。特に指示がない限り、全ての数量は、「約」という単語によって修飾されるものと理解される。特に指示がない限り、全ての測定は、25℃において周囲条件で実施されるものと理解され、「周囲条件」とは、約1気圧及び相対湿度約50%における条件を意味する。列挙された成分に関連する重量は全て、有効濃度に基づいており、特に明記しない限り、市販の材料に含まれ得るキャリア又は副生成物を含まない。単位「g」はグラムを意味する。単位「ミクロン」は、マイクロメートルを意味する。「QS」あるいは「QSP」は、100%に対応する十分な数量を意味する。+/−は標準偏差を示す。0.01インチ=0.254mm及び1mm=0.039インチ(矛盾がある場合、インチの測定値で定める)。
【0013】
本明細書では、「含む」は、最終結果に影響しない他の工程及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語は、用語「からなる」及び「から本質的になる」を包含する。本発明の組成物、方法、使用法、キット、及びプロセスは、本明細書で説明される、本発明の必須要素及び制約、並びに本明細書で説明される、追加成分若しくは任意成分、構成要素、工程、又は制約のいずれをも含み、それらからなり、本質的にそれらからなることができる。
【0014】
量の範囲が記載されている場合、これらは、通常、指定の化合物(の群)の合計量に関する。例えば「組成物が約0.1%〜約20%のエチレン性モノマーを含む」は、組成物中のエチレン性モノマーの合計量(別の当該モノマーの混合物を含む)が指定した範囲内であることを意味する。
【0015】
用語「実質的に含まない」は、本明細書で使用するとき、組成物又は製剤の総重量に基づいて約1%未満、約0.8%未満、約0.5%未満、約0.3%未満、又は約0%を意味する。
【0016】
「毛髪」とは、本明細書で使用するとき、頭皮の毛、顔面の毛、及び身体の毛を含む、哺乳類の毛を意味し、より好ましくは、ヒトの頭部及び頭皮上の毛を意味する。「毛幹」とは個々の毛髪の房を意味し、「毛髪」という用語と互換的に用いてよい。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「美容的に許容可能な」は、説明される組成物、製剤、又は成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応性等を伴わず、ヒトのケラチン組織と接触させて使用するのに好適であることを意味する。本明細書で説明され、ケラチン組織に直接適用するという用途を有する全ての組成物及び製剤は、美容的に許容可能であるものに制限される。
【0018】
本明細書で使用するとき、「誘導体」としては、所定の化合物のアミド誘導体、エーテル誘導体、エステル誘導体、アミノ誘導体、カルボキシル誘導体、アセチル誘導体、酸誘導体、塩誘導体及び/又はアルコール誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
本明細書で使用するとき、「モノマー」とは、開始剤の存在下で重合可能な個別の重合していない状態の化学的部分を意味する。本明細書で使用するとき、「エチレン性モノマー」は、オレフィン性炭素−炭素二重結合(C=C)を含有し、開始剤の存在下で重合することができる化学種を意味する。
【0020】
本明細書で使用するとき、「ポリマー」は、2つ以上のモノマーの重合によって形成される化学物質を意味する。本明細書で使用するとき、用語「ポリマー」は、モノマーの重合、並びに天然ポリマーによって作製される全ての材料を含むものとする。1種のモノマーのみから作製されるポリマーは、ホモポリマーと呼ばれる。ポリマーは、少なくとも2種のモノマーから構成される。2種以上の異なる種類のモノマーから作製されるポリマーは、コポリマーと呼ばれる。異なるモノマーの分布は、統計的に又はブロックごとに計算することができ、本発明には双方とも適応する可能性がある。特に明記される場合を除いて、本明細書で使用するとき、用語「ポリマー」は、ホモポリマー及びコポリマーを含むいかなる種類のポリマーも含む。
【0021】
本明細書で使用する用語「水可溶性」は、25℃の水中において材料が0.1重量%の濃度で肉眼で単層溶液を形成する、水に十分可溶である、いかなる材料を意味する。水溶解度を達成するために、材料を水へ添加した後混合物のpHの調整又は混合物の十分な中和が必要でもよい。これらの方法は、例えば水溶性ヘアスタイリングポリマー適用産業において、周知であり、典型的には供給された材料サンプルを使って指示される。水溶解度は典型的には以下の手順によって測定される。0.1重量%の材料が25℃の蒸留水に加えられて、必要に応じてpH調整/中和が追加される。これを、600rpmに設定した電磁撹拌器上で30分間激しく撹拌する。前記溶液は次に1時間放置されて、相の数を肉眼で観察する。例えば、いくつかの固体材料が異なった単相溶液に見られることがあり、これは2相であると考えられる。
【0022】
本明細書で使用する用語「水不溶性」は、「水溶性」ではないすべての材料を意味する。
【0023】
用語「分子量」又は「M.Wt.」は、本明細書で使用するとき、特に記述のない限り、数平均分子量を指す。
【0024】
「キット」は、本明細書で使用するとき、複数の構成要素、すなわち、キットオブパーツを含む包装単位を意味する。キットの例は、例えば、第1の組成物と、切り離して包装された第2の組成物とである。別のキットは、方法を含む塗布指示書と、組成物/製剤とを含み得る。
【0025】
本明細書に記載されている実施形態及び態様は、他の実施態様及び/又は態様の要素又は成分を含むか又はこれらを組み合わせることが可能であるが、別段明記しない限り又は不相容性が明示されてされない限り、それらを組み合わせて明白に例証されない。
【0026】
本発明の説明
ヘアスプレーの消費者及びプロのスタイリストが、好ましい性能があるとして利用しているのはアルコール系のヘアスプレーだけである。極めて低いアルコール又はアルコールを含まないヘアスプレーの利点は、本発明により提供されているように、より純粋な芳香(アルコール臭がないことに対して)があり、毛髪乾燥がほとんど見られず、毛髪のもろさ効果が減少することである。更にこのようなヘアスプレーは使用にあたって、より安全で、環境的により優しく、より健全である。発明者らは本発明のヘアスプレーを、新しい利点が、消費者やスタイリストから期待されているヘアスプレーの重要な効果に対して不利益を提供しないように、適合した。期待される重要な効果とは、初期及び長時間の保持力、べたつかず自然な毛髪の外観とその感触、及び放出された組成物が毛髪を過剰に濡らしたり、その結果重みで垂れ下がったりせずに、望ましい初期のヘアスタイルを維持することを含む。初期及び長時間の保持を提供することが可能なスタイリングである、十分なヘアスタイリング(すなわち、膜形成)ポリマーを適用する、ヘアスプレー用途からの過剰な濡れのバランスをとることは困難である。アルコールは急速に空気中で蒸発するので、アルコール系のヘアスプレーに関しては、これはたいした問題ではない。したがって極めて低いアルコール又はアルコールを含まないヘアスプレーの実用化のためには、このバランスを達成できる配合物及びスプレー特性の独自の組み合わせが課題である。
【0027】
消費者及びスタイリストが慣れているアルコール系ヘアスプレーと比較して、同程度の保持レベルを提供するために、発明者らは驚くべきことに、ヘアスタイリング配合物における揮発性アルコールに代わる、大量の水分の存在が原因の過剰な濡れ、又は容認できないほどの長い乾燥時間を有することを避けるため、アルコール系ヘアスプレーと同じ範囲の量のヘアスタイリングポリマーを毛髪に供給することと、同時により少ない量の放出された全組成物を毛髪に供給することが、重要であることを見出した。この問題は、アルコールを含まないヘアスプレー、とりわけこれらが実績があり信頼できる性能を有しており、特に余分な缶寿命を有するヘアスプレー、が稀であることから、ヘアスプレーの分野で新しいものである。発明者らは、毛髪に供給される水の全重量がヘアスプレー性能のポイントであることを見出した。過度な水分は、毛髪が軟らかくなって望ましいスタイルを失い、毛髪の内部イオン性相互作用を損なう可能性がある、容認できないほどの遅い乾燥時間及び過剰な濡れを引き起こす。典型的なアルコール系ヘアスプレーは、放出された組成物の全重量パーセントとして3%〜40%の間の水を供給する。極めて低いアルコール又はアルコールを含まない本発明のヘアスプレーは、放出される組成物全重量の30%〜60%の間くらいの水分を供給することが可能であり、したがって毛髪に供給される全水分量は、本明細書で規程される低い方の噴射率によって管理されなければならない。発明者らは、優れた性能は、水系ヘアスプレーのヘアスタイリング配合物のヘアスタイリングポリマー濃度及びヘアスタイリング配合物の粘度を最適化して、特定のスプレー性能−特に噴射量及び粒径分布を成し遂げることによって、達成されることができることを発見した。発明者らの研究計画は、消費者及びスタイリストによって認められる優れた性能を達成するために、水系ヘアスプレーが属するべき分野を定めた。
【0028】
毛髪を不利に過剰に濡らすことなしに、噴射量を増加することによって大量のポリマーを毛髪に供給することが可能なので、保持を確保するため完成製品の高ポリマー濃度を上げることは、アルコール系ヘアスプレー業界において不必要である。実際に、優れた保持はアルコール系の溶媒のコンテキストに関してのみ達成することができるという、文献での偏りがある。したがって、アルコール系ヘアスプレーに関する文献が水系ヘアスプレーに再適用することができないので、本明細書で開示される発明は複雑なバランスである。本発明のヘアスプレー配合物においては、毛髪に全体量を超えないスプレー量(特に水溶媒)を供給する特定のスプレー特性で、供給される公式ポリマーレベルの特定の組み合わせを介して、従来のアルコール系ヘアスプレーとして期待される初期維持、乾燥時間及び毛髪感触を維持する、同じレベルの保持提供すなわちヘアスタイリングポリマーが本発明の噴射量及び粒径分布で毛髪に供給され、そうして更に消費者に対する類似の経済的価値を維持する。
【0029】
本発明の特徴及び好ましい特徴の詳細は、以下に記述する。以下の説明は、本発明の第1の態様及び他の態様に準用して、適用され及び好適である。
【0030】
製品
第1の態様によれば本発明は、エアロゾルヘアスプレー製品を提供することを含む、ヘアスタイリング方法に関する。本製品は、ヘアスタイリング配合物及び液化ガス噴射剤用のリザーバを含む容器と、該容器に取り付けられた噴射装置とを備えるエアロゾルヘアスプレー製品に関する。少なくとも1つの実施形態において、本製品は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して、約50重量%〜約65重量%のヘアスタイリング配合物、又は約55重量%〜約60重量%のヘアスタイリング配合物を含む。少なくとも1つの実施形態において、本製品は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して、約35重量%〜約50重量%の噴射剤、又は約40重量%〜約45重量%の噴射剤を含む。本明細書で使用する場合、特に記述がない場合でも、ヘアスタイリング配合物の詳細は、噴射剤が液化ガス噴射剤であるので、容器に投与されて、その結果、噴射剤とある程度まで混合する前の、配合物に関する。同様のことは、特に明記しない限り、噴射剤の詳細が言及されている箇所で当てはまる。
【0031】
本製品は、ムース製品又はいかなるポンプスプレー製品も含まない。
【0032】
少なくとも1つの実施形態において、エアロゾルヘアスプレー製品は、放出された組成物を噴射するためのものであり、該放出された組成物は40ミクロン〜100ミクロン、又は約60ミクロン〜約90ミクロンの平均粒径分布(Dv50)を有する粒子からなる。少なくとも1つの実施形態において、エアロゾルヘアスプレー製品は噴射量で噴射するためのものであり、該噴射量は約0.25g/秒から、又は約0.28g/秒から約0.45g/秒までである。
【0033】
ヘアスタイリング配合物
本製品は、ヘアスタイリング配合物を含む。ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約2%未満のアルコールを含むか、又はアルコールを実質的に含まない。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリング配合物は、実質的にエタノール、イソプロパノール及びプロパノールを含まない。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約1.8%まで、又は1.5重量%まで、又は約1重量%までのアルコールを含む。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約1.8%まで、又は1.5重量%まで、又は約1重量%までの脂肪族アルコールを含む。本明細書中に用いられている「脂肪族アルコール」は、芳香族基を含まないアルコールを意味する。かなりの低濃度を超えるアルコールは髪の乾燥や痛みやすくさせる可能性があり、一部のアルコールは一部のユーザにアレルギー反応を起こす場合があるので、アルコールの量は重要である。加えてエタノールを含むエアロゾル製品は、例えばエタノールはVOCであるなどの環境問題を有する可能性がある。アルコールは、例えばエタノールは可燃性であるなどの安全問題も有する可能性がある。
【0034】
粘度
噴射剤なしのヘアスタイリング配合物は約6mm
2/s(6cSt)以下の動粘度を有し、該動粘度は20℃+/−0.1℃で測定される。動粘度は、ヘアスタイリング配合物があまりに粘稠で、更にヘアスタイリング配合物があまりに濃くて、噴射されない及び/又は詰まっているときに−不均質な放出された組成物が、例えば不規則な放射束、噴射するよりむしろ「吐き出す」、及び/又は塊を排出するという結果を生じる、ので重要である。動粘度は、ウベローデ管で測定される。動粘度は、流体の流れに対する抵抗の計測であり、その密度によって分割された絶対動粘度に等しい。動粘度のSI単位は、m
2・s
-1である。動粘度のためのcgs(センチメートル/グラム/秒)物理単位はストークス(St)であり、それはセンチストークス(cSt)という言葉で表されることができる。1cSt=1mm
2・s
-1=10
-6m
2・s
-1。20℃の水は、約1mm
2/s(1cSt)の動粘度を有する。ウベローデ管は、ASTM D445及びD446、並びにISO3104及び3105で説明されている懸濁レベル原則による、透明なニュートン流体の動粘度測定用の粘度計である。ウベローデ管測定では結果への温度の影響がなく、他の動粘度計では、指定された試験範囲と異なる温度が結果に影響を及ぼし得る。本明細書において、測定値は20℃+/−0.1℃の温度で測定された。この方法は、約0.6cSt〜100cSt(約0.6mm
2/s〜100mm
2/s)までの測定で用いられることができる。ウベローデ粘度計使用のための指示書は、ASTM D445を参照。20℃+/−0.1℃で、0.6〜3cSt(0.6〜3mm
2/s)の粘度用ウベローデ管サイズ0Cを使用。20℃+/−0.1℃で、2〜10cSt(2〜10mm
2/s)の粘度用ウベローデ管サイズ1を使用。ASTM D445は、「Standard Test Method for Kinematic Viscosity of Transparent and Opaque Liquids」である。ASTM D446は、「Specifications and Operating Instructions for Glass Capillary Kinematic Viscometers」である。
【0035】
少なくとも1つの実施形態において、噴射剤なしヘアスタイリング配合物の動粘度は、約0.5cStから、又は約1cStから、又は約1.25cStから、又は約1.5cStから、又は約1.75cStから、又は約1.8cStから、約5.5cStまで、約5cStまで、又は約4.5cStまで、又は約4cStまで、又は約3.5cStまで、又は約3cStまで、又は約2.5cStまで、又は約2.3cStまで、又は約2.2cStまで、又は2.1cStまで、又は約2.0cStまで(約0.5mm
2/sから、又は約1mm
2/sから、又は約1.25mm
2/sから、又は約1.5mm
2/sから、又は約1.75mm
2/sから、又は約1.8mm
2/sから約5.5mm
2/sまで、又は約5mm
2/sまで、又は約4.5mm
2/sまで、又は約4mm
2/sまで、又は約3.5mm
2/sまで、又は約3mm
2/sまで、又は約2.5mm
2/sまで、又は約2.3mm
2/sまで、又は約2.2mm
2/sまで、又は2.1mm
2/sまで、又は約2.0mm
2/sまで)である。
【0036】
噴射量
少なくとも1つの実施形態において、噴射量は約0.25g/秒〜約0.45g/秒である。本願明細書においてエアロゾルヘアスプレー製品の噴射量は、ASTM D3069−94「Standard Test Method for Delivery Rate of Aerosol Products」にしたがって、測定される。この試験において製品の噴射量は、所定の時間に失われる質量を測定することによって求められる。これは、所定の時間内にバルブ及びアクチュエータの組み合わせを通して放出される材料の量と相関する。この場合、缶は室温(21℃)及び作動時間2秒〜10秒の持続期間でテストされる。次に噴射量は方程式によって決定される。
噴射量(g/秒)=質量損失(g)/作動時間(秒)
【0037】
噴射量が約0.45g/秒より大きいと、毛髪上の乾燥時間は顧客満足にとって長すぎるであろう。これは、本発明の水系ヘアスプレーが従来のアルコール系ヘアスプレーと比べて独特な点であり、典型的に揮発性アルコールを含む従来のヘアスプレーは約0.55g/秒〜0.85g/秒の間の噴射量を有する。噴射量は典型的に、容器内部の圧力(増加圧力はより速い噴射量と相関する)並びに/又はノズル孔、バルブ孔など噴射装置の孔及び浸漬管の内径を変えることによって調整されることができる。典型的により細い直径は、より低い噴射量と相関する。さらに、毛髪に供給される放出された組成物の量も、噴射剤比に応じてヘアスタイリング配合物を変えることによって調整することができる。ヘアスタイリング配合物に対して噴射剤の量を増加させることは、噴射剤は配合物よりも密度が低いので、より高い噴射剤噴射量及びより低い製品噴射率を有するスプレーをもたらすだろう。少なくとも1つの実施形態において、噴射量は、約0.26g/秒から、又は約0.27g/秒から、又は約0.28g/秒から、又は約0.29g/秒から、又は約0.30g/秒から、又は約0.31g/秒から、又は約0.32g/秒から、又は約0.33g/秒から、又は約0.34g/秒から、又は約0.35g/秒から、又は約0.36g/秒から、又は約0.37g/秒から、又は約0.38g/秒から、又は約0.39g/秒から、又は約0.40g/秒から、約0.44g/秒まで、又は約0.43g/秒まで、約0.42g/秒まで、約0.41g/秒まで、又は約0.40g/秒まで、又は約0.39g/秒まで、又は約0.38g/秒までである。
【0038】
粒径分布
少なくとも1つの実施形態において、放出された組成物は、少なくとも約35ミクロンの平均粒径分布(Dv50)を有する粒子を含む。少なくとも1つの実施形態において、放出された組成物は40ミクロン〜100ミクロンの平均粒径分布(Dv50)を有する粒子を含む。粒子は、ヘアスタイリング配合物を含む液滴である。平均粒径分布(Dv50)は、放出された組成物乾燥時間の観点からも重要であり、それは消費者の許容できるものでなければならない。実際に、より小さい平均粒径分布(Dv50)は、より多くの粒子が体積比に対してより高い表面積を有するという点で有用であり、それはより速い乾燥時間を意味する。他方で、あまりに低い平均粒径分布(Dv50)は、スポット結合を提供するために十分なヘアスタイリングポリマーが毛髪に提供されないことを意味する。Malvern Spraytec計測器が、粒径分布の測定に用いられる。Dv50は、サンプル体積の50%が該当する最大粒径を述べる用語であり、体積基準メジアン径としても知られている。Malvern Spraytec計測器は、スプレー粒子サイズの測定のためのレーザー回折技術を使用する。レーザービームがスプレーを通過するとき、散乱する光の強度が測定される。次いで、このデータは、散乱パターンをつくる粒子サイズを算出するために分析される。Malvern Spraytec2000は、製造業者の指示書にしたがって使用される。試験サンプルは、20℃〜22℃の温度を有する。
【0039】
少なくとも1つの実施形態において、放出された組成物は、約35ミクロンから、又は約40ミクロンから、又は約45ミクロンから、又は約50ミクロンから、又は約55ミクロンから、又は約60ミクロンから、約140ミクロンまで、又は約120ミクロンまで、又は約110ミクロンまで、又は約100ミクロンまで、又は約90ミクロンまで、又は約85ミクロンまで、又は約80ミクロンまで、又は約75ミクロンまで、又は約70ミクロンまで、又は約65ミクロンまでの平均粒経分布(Dv50)を有する粒子を含む。
【0040】
水
ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の全重量に対して約30%〜約60%の水を含む。水は、ヘアスタイリング配合物のヘアスタイリングポリマー及び他の成分のための溶媒を提供するので、重要である。水は、直ちに利用できて、非常に手頃であり、持続可能で、環境に優しい、という利点を有する。例えば、水はVOCではない。更に、ヘアスタイリング配合物にとって多くの有用な成分が水に溶ける、すなわち水溶性であり、これは別の利点である。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約33%から、又は約34%から、又は約35%から、又は約36%から、又は約37%から、又は約36%から、又は約38%から、又は約39%から、又は約40%から、又は約41%から、又は約42%から、又は約43%から、又は約44%から、又は約45%から、約58%の水まで、又は約57%まで、又は約56%まで、又は約55%まで、又は約54%まで、又は約53%まで、又は約52%まで、又は約51%まで、又は約50%まで、又は約49%まで、又は約48%までの水を含む。
【0041】
ヘアスタイリングポリマー
ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約4.0%〜約15%のヘアスタイリングポリマーを含む。ヘアスタイリングポリマーの量は、保持性能及び毛髪上の湿り気のバランスをとる際に重要である。ヘアスタイリングポリマーの量は保持性能を推進するが、最大スプレー可能な粘度により制限される。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約5%から、又は約6%から、又は約7%から、又は約8%から、又は約9%から、約14%まで、又は約13%まで、又は約12%まで、又は約11%まで、又は約10%までのヘアスタイリングポリマーを含む。これらの量は、ヘアスタイリング配合物のヘアスタイリングポリマーの合計量でもよい。
【0042】
好適なヘアスタイリングポリマー又はヘアスタイリングポリマーの混合物は、噴射剤の追加前に測定した際約6cSt(6mm
2/s)以下の動粘度を提供する水溶性ヘアスタイリングポリマーである。このヘアスタイリングポリマーの水系ヘアスタイリング配合物は次に、液化ガス噴射剤入り容器において加圧される。圧力が解放されるときに、液体は、任意の成分を加えた水及びヘアスタイリングポリマーを保有しつつ沸騰する。したがって、加圧缶内のヘアスプレー配合物及び液化ガス噴射剤の均一混合物は、製品が噴霧されるときに、均一な放出された組成物が毛髪に供給されるために大変望ましい。均一性は、缶の加圧後、直ちに又はある時間にわたって、起きる可能性がある。これは、製品を噴射する前に缶を振ることによって、達成されることもできる。例えば、噴射剤が缶の残りの配合物を含めて不溶性であることは、他のエアロゾル製品(例えばムース)で一般的である。本発明の好適なヘアスタイリングポリマー及び又はヘアスタイリングポリマーの混合物は、加圧缶で水及び液化ガス噴射剤と一緒に混合される際に均一混合物を形成する能力に基づいて選択される。
【0043】
少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは、水及び液化ガス噴射剤と共に均一混合物を形成するヘアスタイリングポリマーから選択される。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは、水及びジメチルエーテルと共に均一混合物を形成するヘアスタイリングポリマーから選択される。本願明細書において「均一混合物」とは単一相を有する混合物を意味し、したがって均一混合物の成分は混合物全体にわたって同じ比率である。
【0044】
本発明によるヘアスタイリングポリマーは、いかなる水溶性膜形成ポリマー又はこのようなポリマーの混合物であってもよい。これは、ヒドロキシル、アミン、アミド若しくはカルボキシル基などの、水溶性ポリマーを与える官能基を有する天然若しくは合成起源のホモポリマー又はコポリマーを含む。
【0045】
少なくとも1つの実施形態において、水溶性ヘアスタイリングポリマーは、請求項の範囲で水に希釈されるとき、透明又は半透明の安定溶液を形成する。特定のポリマータイプに応じて、水溶解度を達成するためにポリマーの水への添加後、配合物のpH調整又は配合物を中和することが必要でもよい。これらの方法は、水溶性ポリマー適用産業において周知であり、典型的には供給されたポリマーサンプルを使って指示される。ヘアスタイリングポリマーは、化学修飾した誘導体と共に(完全な)合成ポリマー及び天然物の2つのタイプに分類されてもよく、更に、天然に存在する、半合成及び完全に合成ポリマーという3つの主項目にグループ分けできる。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは、陽イオン性ヘアスタイリングポリマー、陰イオン性ヘアスタイリングポリマー、非イオン性ヘアスタイリングポリマー、及び両性ヘアスタイリングポリマーからなる群より選ばれる。ヘアスタイリングポリマーの分子量は、噴射剤なしのヘアスタイリング配合物が指定された動粘度条件範囲を満たすようなものでなければならない。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは直鎖状又は分枝状である。
【0046】
少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは、陽イオン性ヘアスタイリングポリマー又は陽イオン性ヘアスタイリングポリマーの混合物である。少なくとも1つの実施形態において、陽イオン性ヘアスタイリングポリマーは、四級化アクリレート又はメタクリレート;ビニルイミダゾールの四級ホモポリマー又はコポリマー;四級ジメチルジアリル塩化アンモニウムを含むホモポリマー又はコポリマー;非セルロース性陽イオン多糖類;陽イオン性セルロース誘導体:キトサン及びその誘導体;並びにこれらの混合物からなる群より選択される。
【0047】
少なくとも1つの実施形態において、陽イオン性ヘアスタイリングポリマーは、四級アクリレート又はメタクリレートからなる群より選択される。少なくとも1つの実施形態において、陽イオン性ヘアスタイリングポリマーは、a)四級ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド(例えば、四級ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド);又は四級ジアルキルアミノアルキルアクリレート(例えば、四級ジメチルアミノエチルメタクリレート)、の少なくとも1種と、b)ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム;アクリルアミド、低級アルキル基(C1〜C4)によって窒素と置換されてもよく又は置換されなくてもよいメタクリルアミド(例えば、N−tert−ブチルアクリルアミド);アクリル酸及び/又はメタクリル酸のエステル(例えば、C1〜C4アルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート及びこれらのメタクリレート誘導体);ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトさせたアクリレートエステル(例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート);ヒドロキシエステルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート);ヒドロキシアルキル化アクリルアミド;アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド);アルキルアクリルアミン(例えば、tert−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート);アルキルエーテルアクリレート(例えば、2−エトキシエチルアクリレート);エチレン、スチレンなどのモノエチレン性モノマー;ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート又はビニルプロピオネート、ビニルtert−ブチル−ベンゾエート);ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル;ビニルエーテル;ハロゲン化ビニル;フェニルビニル誘導体;及び、アリルエステル又はメタリルエステルからなる群より選択される1種以上のモノマーと、を含むコポリマーである。対イオンは、メトサルフェートアニオン、又はクロリド若しくはブロミドなどのハロゲン化物であり得る。
【0048】
少なくとも1つの実施形態において、陽イオン性ヘアスタイリングポリマーは、ビニルイミダゾールの四級ホモポリマー又はコポリマーである。少なくとも1つの実施形態において、陽イオン性ヘアスタイリングポリマーは、a)四級ビニルイミザゾールと、b)1種以上の他のモノマーとを含むコポリマーである。他のモノマーは、BASFよりLuviquat FC−550として販売しているビニルピロリドン/四級化ビニルイミダゾール(PQ−16)などのビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム;アクリルアミド、低級アルキル基(C1〜C4)によって窒素と置換されてもよく又は置換されなくてもよいメタクリルアミド(例えば、N−tert−ブチルアクリルアミド);アクリル酸及び/又はメタクリル酸のエステル(例えば、C1〜C4アルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート及びこれらのメタクリレート誘導体);ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトさせたアクリレートエステル(例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート);ヒドロキシエステルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート);ヒドロキシアルキル化アクリルアミド;アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド);アルキルアクリルアミン(例えば、tert−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート);アルキルエーテルアクリレート(例えば、2−エトキシエチルアクリレート);エチレン、スチレンなどのモノエチレン性モノマー;ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート又はビニルプロピオネート、ビニルtert−ブチル−ベンゾエート);ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル;ビニルエーテル;ハロゲン化ビニル;フェニルビニル誘導体;アリルエステル又はメタリルエステルからなる群より選択されてもよい。対イオンは、メトサルフェートアニオン、又はクロリド若しくはブロミドなどのハロゲン化物であり得る。
【0049】
少なくとも1つの実施形態において、陽イオン性ヘアスタイリングポリマーは、ジメチルジアリル塩化アンモニウムを含む。少なくとも1つの実施形態において、陽イオン性ヘアスタイリングポリマーは、四級ジメチルジアリル塩化アンモニウム及び別のモノマーを含む、ホモポリマー又はコポリマーである。そのような他のモノマーは、アクリルアミド、低級アルキル基(C1〜C4)によって窒素と置換されてもよく又は置換されなくてもよいメタクリルアミド(例えば、N−tert−ブチルアクリルアミド);ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム;アクリル酸及び/又はメタクリル酸のエステル(例えば、C1〜C4アルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート及びこれらのメタクリレート誘導体);ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトさせたアクリレートエステル(例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート);ヒドロキシエステルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート);ヒドロキシアルキル化アクリルアミド;アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド);アルキルアクリルアミン(例えば、tert−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート);アルキルエーテルアクリレート(例えば、2−エトキシエチルアクリレート);エチレン、スチレンなどのモノエチレン性モノマー;ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート又はビニルプロピオネート、ビニルtert−ブチル−ベンゾエート);ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル;ビニルエーテル;ハロゲン化ビニル;フェニルビニル誘導体;アリルエステル又はメタリルエステルからなる群から選択されてもよい。対イオンは、メトサルフェートアニオン、又はクロリド若しくはブロミドなどのハロゲン化物であり得る。
【0050】
少なくとも1つの実施形態において、陽イオン性ヘアスタイリングポリマーは、非セルロース性陽イオン多糖類である。少なくとも1つの実施形態において、陽イオン性ヘアスタイリングポリマーは、トリアルキルアンモニウムカチオン基を含むようなグアーゴムである。例えばグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、AshlandからN−Hance 3269として入手できる。
【0051】
少なくとも1つの実施形態において、陽イオン性ヘアスタイリングポリマーは、陽イオン性セルロース誘導体である。
【0052】
少なくとも1つの実施形態において、陽イオン性ヘアスタイリングポリマーは、四級アンモニウムを含む水溶性モノマーと共にグラフトされたヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシメチル−、ヒドロキシエチル−又はヒドロキシプロピルセルロース)(例えば、グリシジルトリメチルアンモニウム、メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、若しくはメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、又はジメチルジアリルアンモニウム塩)などのセルロース誘導体のコポリマーである。例えば、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリル塩化アンモニウム[PQ4]などはAkzo NobelからCelquat L200として販売されており、四級ヒドロキシエチルセルロース[PQ10]などはDow Personal CareからCARE JR125として販売されている。
【0053】
少なくとも1つの実施形態において陽イオン性ヘアスタイリングポリマーは、キトサン及びその誘導体から選択される。キトサンの誘導体は、キトサン塩を含む。前記塩は、好ましくはなくとも80%の加水分解度を有する、キトサンアセテート、ラクテート、グルタメート、グルコネート又はピロリドンカルボキシレートであり得る。好適なキトサンは、Cognis製Hydagen HCMFを含む。
【0054】
少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは、陰イオン性ヘアスタイリングポリマー又は陰イオン性ヘアスタイリングポリマーの混合物である。少なくとも1つの実施形態において、陰イオン性ヘアスタイリングポリマーは、カルボン酸又はスルホン酸から誘導された群からなるポリマーより選択される。酸単位を含有するコポリマーは、部分的に又は完全に中和された、好ましくは完全に中和された形で一般的に用いられる。少なくとも1つの実施形態において、陰イオン性ヘアスタイリングポリマーは、(a)アクリル酸若しくはメタクリル酸若しくはクロトン酸若しくはそれらの塩のようなカルボン酸、若しくはC4〜C8モノ不飽和ポリカルボン酸、又は無水物から誘導された1種以上のモノマー(例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びそれらの無水物)と、(b)アクリル酸及び/又はメタクリル酸のエステル(例えば、C1〜C4アルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート及びこれらのメタクリレート誘導体);ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトさせたアクリレートエステル(例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート);ヒドロキシエステルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート);クリルアミド、低級アルキル基(C1〜C4)によって窒素と置換されてもよく又は置換されなくてもよいメタクリルアミド;N−アルキル化アクリルアミド(例えば、N−tertブチルアクリルアミド);ヒドロキシアルキル化アクリルアミド;アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド);アルキルアクリルアミン(例えば、tert−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート);アルキルエーテルアクリレート(例えば、2−エトキシエチルアクリレート);エチレン、スチレンなどのモノエチレン性モノマー;ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート又はビニルプロピオネート、ビニルtert−ブチル−ベンゾエート);ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル;ビニルエーテル;ハロゲン化ビニル;フェニルビニル誘導体;アリルエステル又はメタリルエステル;ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム;アルキルマレイミド、ヒドロキシアルキルマレイミド(例えば、エチル/エタノールマレイミド)からなる群より選択される1種以上のモノマーと、を含む。存在する場合、これらのポリマーの無水物官能基は、任意にモノエステル型又はモノアミド型であり得る。少なくとも1つの実施形態において、陰イオン性ヘアスタイリングポリマーは、スルホン酸から誘導されたモノマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、陰イオン性ポリマーは、(a)アクリル酸若しくはメタクリル酸若しくはクロトン酸若しくはそれらの塩のようなカルボン酸、若しくはC4〜C8モノ不飽和ポリカルボン酸、又は無水物から誘導された1種以上のモノマー(例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びそれらの無水物)と、(b)アクリル酸及び/又はメタクリル酸のエステル(例えば、C1〜C4アルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート及びこれらのメタクリレート誘導体);ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトさせたアクリレートエステル(例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート);ヒドロキシエステルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート);クリルアミド、低級アルキル基(C1〜C4)によって窒素と置換されてもよく又は置換されなくてもよいメタクリルアミド;N−アルキル化アクリルアミド(例えば、N−tertブチルアクリルアミド);ヒドロキシアルキル化アクリルアミド;アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド);アルキルアクリルアミン(例えば、tert−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート);アルキルエーテルアクリレート(例えば、2−エトキシエチルアクリレート);エチレン、スチレンなどのモノエチレン性モノマー;ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート又はビニルプロピオネート、ビニルtert−ブチル−ベンゾエート);ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル;ビニルエーテル;ハロゲン化ビニル;フェニルビニル誘導体;アリルエステル又はメタリルエステル;ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム;アルキルマレイミド、ヒドロキシアルキルマレイミド(例えば、エチル/エタノールマレイミド)からなる群より選択される1種以上のモノマーと、を含む。存在する場合、これらのポリマーの無水物官能基は、任意にモノエステル型又はモノアミド型であり得る。
【0055】
少なくとも1つの実施形態において、陰イオン性ヘアスタイリングポリマーは、水溶性ポリウレタンである。
【0056】
少なくとも1つの実施形態において、陰イオン性ヘアスタイリングポリマーは好ましくは、BASFよりUltrahold 8として販売されているような、アクリル酸/エチルアクリレート/N−tert−ブチルアクリルアミドターポリマーなどのアクリル酸から誘導されたコポリマー;Akzo NobelからAmphomerして販売されているような、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチル/メタクリレートコポリマー;Akzo NobelからBalance CRとして販売されているような、メタクリル酸/エステルアクリレート/エステルメタクリレート;Akzo nobelからBalance 47として販売されているような、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチル/メタクリレートコポリマー;Dow Chemical製Acudyne 1000として知られているような、メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート/種々のアクリレートエステル;Dow ChemicalからAcudyne 180として販売されているような、アクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート;Dow Chemical製Acudyne DHRとして販売されているような、メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート/種々のアクリレートエステル;DSMからTilamar Fix A−1000として販売されているような、n−ブチルメタクリレート/メタクリル酸/エチルアクリレートコポリマー;Akzo NobelからResin 282930として販売されているような、酢酸ビニル/ビニルtert−ブチルベンゾエート/クロトン酸ターポリマー及びクロトン酸/ビニルアセテート/ビニルネオドデカノエートターポリマーなどのクロトン酸から誘導されたコポリマーより選択される。スルホン酸から誘導された好ましいヘアスタイリングポリマーは、AshlandからFlexan 130として販売されている、ナトリウムポリスチレンスルホネート;EastmanからEastman AQ 48として販売されている、スルホポリエステル(別名ポリエステル−5);EastmanからEastman AQ S38として販売されている、スルホポリエステル(別名ポリエステル−5);EastmanからEastman AQ 55として販売されている、スルホポリエステル(別名ポリエステル−5)を含む。少なくとも1つの実施形態において、陰イオン性ヘアスタイリングポリマーは、好ましくは、アクリル酸/エチルアクリレート/N−tert−ブチルアクリルアミドターポリマーなどのアクリル酸から誘導されたコポリマー(BASFよりUltrahold 8として販売されているような);Amphomerして販売されているような、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチル/メタクリレートコポリマー;Akzo NobelからBalance CRとして販売されているような、メタクリル酸/エステルアクリレート/エステルメタクリレート;Akzo nobelからBalance 47として販売されているような、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチル/メタクリレートコポリマー;Dow Chemical製Acudyne 1000として知られているような、メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート/種々のアクリレートエステル;Dow ChemicalからAcudyne 180として販売されているような、アクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート;Dow Chemical製Acudyne DHRとして販売されているような、メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート/種々のアクリレートエステル;DSMからTilamar Fix A−1000として販売されているような、n−ブチルメタクリレート/メタクリル酸/エチルアクリレートコポリマー;Akzo NobelからResin 282930として販売されているような、酢酸ビニル/ビニル三級ブチルベンゾエート/クロトン酸ターポリマー及びクロトン酸/ビニルアセテート/ビニルネオドデカノエートターポリマーなどのクロトン酸から誘導されたコポリマーより選択される。スチレンスルホン酸から誘導された好ましいヘアスタイリングポリマーは、AshlandからFlexan 130として販売されている、ナトリウムポリスチレンスルホネート;EastmanからEastman AQ 48として販売されている、スルホポリエステル(別名ポリエステル−5);EastmanからEastman AQ S38として販売されている、スルホポリエステル(別名ポリエステル−5);EastmanからEastman AQ 55として販売されている、スルホポリエステル(別名ポリエステル−5)を含む。
【0057】
少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは陰イオン性ヘアスタイリングポリマーであり、該陰イオン性ヘアスタイリングポリマーは、アクリル酸/エチルアクリレート/N−tert−ブチルアクリルアミドターポリマーなどのアクリル酸から誘導されたコポリマー;オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチル/メタクリレートコポリマー;メタクリル酸/エステルアクリレート/エステルメタクリレート;オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチル/メタクリレートコポリマー;メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート/種々のアクリレートエステル;アクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート;メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート/種々のアクリレートエステル;n−ブチルメタクリレート/メタクリル酸/エチルアクリレートコポリマー;酢酸ビニル/ビニルtert−ブチルベンゾエート/クロトン酸ターポリマーなどのクロトン酸から誘導されたコポリマー;クロトン酸/ビニルアセテート/ビニルネオドデカノエートターポリマー;及び、これらの混合物より選択される。
【0058】
少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは、水に分散したポリウレタンである。前記ポリウレタンは、BayerからBaycusan C1008として販売されているような、アジピン酸、1〜6シクロヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、イソホロンジイソシアネート、イソホロンジアミン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノエタンスルホン酸、ナトリウム塩(別名、ポリウレタン−48)、及びAkzoNobelからDynamX H20の名称で混合物として販売されているような、イソホロンジイソシアネート、ジメチロールプロピオン酸、4,4−イソプロピリデンジフェノール/プロピレンオキシド/エチレンオキシド(別名、ポリウレタン−14)などを含む。
【0059】
少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは、非イオン性ヘアスタイリングポリマー又は非イオン性ヘアスタイリングポリマーの混合物である。好適な合成非イオン性ヘアスタイリングポリマーは、(a)少なくとも1つの、ビニルピロリドン;ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル;ポリエチレングリコール又はアクリルアミドなどのポリアルキレングリコールにグラフトさせたアクリレートエステル;の主モノマーと、(b)ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート、又はビニルプロピオネート、ビニルtert−ブチル−ベンゾエート);アルキルアクリルアミン(例えば、tert−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート);ビニルカプロラクタム;ヒドロキシアルキル化アクリルアミド;アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド);ビニルエーテル;アルキルマレイミド、ヒドロキシアルキルマレイミド(例えば、エチル/エタノールマレイミド);などの、1種以上の他のモノマーとを含む、ホモポリマー及びコポリマーを含む。
【0060】
少なくとも1つの実施形態において、非イオン性ヘアスタイリングポリマーは、好ましくは、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー(BASFからLUVISKOL VA 64として販売されているものなど及びAshlandからPVPK30として販売されているようなビニルピロリドンホモポリマーなど)より選択される。
【0061】
少なくとも1つの実施形態において、非イオン性ヘアスタイリングポリマーは、ヒドロキシアルキルセルロースなどのセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシメチル−、ヒドロキシエチル−、ヒドロキシプロピルセルロース)及びデンプンである、水溶性天然ポリマーである。
【0062】
少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは、両性ヘアスタイリングポリマー又は両性ヘアスタイリングポリマーの混合物である。好適な合成両性ヘアスタイリングポリマーは、モノマーのような酸及び塩;カルボキシベタイン又はスルホベタイン双極性イオンモノマー;及びアルキルアミンオキシドアクリレートモノマーを含むものなど含む。少なくとも1つの実施形態において、両性は、(a)四級ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド(例えば、四級ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)又は四級ジアルキルアミノアルキルアクリレート(例えば、四級ジメチルアミノエチルメタクリレート)などの塩基性窒素原子を含む、少なくとも1つのモノマーと、(b)アクリル酸若しくはメタクリル酸若しくはクロトン酸若しくはそれらの塩、若しくはC4〜C8モノ不飽和ポリカルボン酸、若しくは無水物(例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びそれらの無水物)などの1つ以上のカルボン酸又はスルホン酸基を含む,少なくとも1つの酸モノマーと、(c)アクリルアミド、低級アルキル基(C1〜C4)によって窒素と置換されてもよく又は置換されなくてもよいメタクリルアミド(例えば、N−tert−ブチルアクリルアミド);ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム;アクリル酸及び/又はメタクリル酸のエステル(例えば、C1〜C4アルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート及びこれらのメタクリレート誘導体);ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトさせたアクリレートエステル(例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート);ヒドロキシエステルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート);ヒドロキシアルキル化アクリルアミド;アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド);アルキルアクリルアミン(例えば、tert−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート);アルキルエーテルアクリレート(例えば、2−エトキシエチルアクリレート);エチレン、スチレンなどのモノエチレン性モノマー;ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート又はビニルプロピオネート、ビニルtert−ブチル−ベンゾエート);ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル;ビニルエーテル;ハロゲン化ビニル;フェニルビニル誘導体;アリルエステル又はメタリルエステルより選択される1種以上のモノマーと、を含む。少なくとも1つの実施形態において、両性ヘアスタイリングポリマーは、カルボキシベタインメタクリレート及びスルホベタインメタクリレートなどの、少なくとも1つのカルボキシベタイン並びにスルホベタインの双極性イオンモノマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、両性ヘアスタイリングポリマーは、(a)カルボキシベタインメタクリレート若しくはスルホベタインメタクリレートなどの、少なくとも1つのカルボキシベタイン又はスルホベタインの双極性イオンモノマーと、(b)アクリルアミド、低級アルキル基(C1〜C4)によって窒素と置換されてもよく又は置換されなくてもよいメタクリルアミド(例えば、N−tert−ブチルアクリルアミド);ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム;アクリル酸及び/又はメタクリル酸のエステル(例えば、C1〜C4アルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート及びこれらのメタクリレート誘導体);ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトさせたアクリレートエステル(例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート);ヒドロキシエステルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート);ヒドロキシアルキル化アクリルアミド;アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド);アルキルアクリルアミン(例えば、tert−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート);アルキルエーテルアクリレート(例えば、2−エトキシエチルアクリレート);エチレン、スチレンなどのモノエチレン性モノマー;ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート又はビニルプロピオネート、ビニルtert−ブチル−ベンゾエート);ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル;ビニルエーテル;ハロゲン化ビニル;フェニルビニル誘導体;アリルエステル又はメタリルエステルからなる群より選択される、モノマーと、を含む。少なくとも1つの実施形態において、両性ヘアスタイリングポリマーは、少なくともアルキルアミンオキシドアクリレートを含む。少なくとも1つの実施形態において、両性ヘアスタイリングポリマーは、(a)エチルアミンオキシドメタクリレートと、(b)アクリルアミド、低級アルキル基(C1〜C4)によって窒素と置換されてもよく又は置換されなくてもよいメタクリルアミド(例えば、N−tert−ブチルアクリルアミド);ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム;アクリル酸及び/又はメタクリル酸のエステル(例えば、C1〜C4アルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート及びこれらのメタクリレート誘導体);ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトさせたアクリレートエステル(例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート);ヒドロキシエステルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート);ヒドロキシアルキル化アクリルアミド;アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド);アルキルアクリルアミン(例えば、tert−ブチルアミノ−エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート);アルキルエーテルアクリレート(例えば、2−エトキシエチルアクリレート);エチレン、スチレンなどのモノエチレン性モノマー;ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート又はビニルプロピオネート、ビニルtert−ブチル−ベンゾエート);ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールにグラフトされたビニルエステル;ビニルエーテル;ハロゲン化ビニル;フェニルビニル誘導体;アリルエステル又はメタリルエステルからなる群より選択されるモノマーと、を含む。このような両性ヘアスタイリングポリマーの例は、ClariantからDiaformer Z 731 Nとして販売されている、アクリレート/エチルアミンオキシドメタクリレートである。
【0063】
少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは、(メタ)アクリル酸又はそれらの単純なエステルであるモノマーの2つ以上のモノマーのアクリレートコポリマー;オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー;ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸、エチルアクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートのアクリレート/ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー;ポリウレタン−14/AMP−アクリレートコポリマーブレンド;並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0064】
少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリング配合物は、実質的に水不溶性ポリマー、特に水不溶性ヘアスタイリングポリマーを含まない。水に混和できないポリマーは、本発明のために避けるべきである。200,000g/mol超の高分子量ポリマーは、ヘアスタイリング配合物が粘度の必要条件を超えないように、避けられるべき、又は極めて低レベルでのみ使用されるべきである。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリング配合物は、200,000g/mol超の高分子量であるポリマーを実施的に含まない。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリング配合物は、少なくとも2つの疎水性長鎖(例えば、10個以上の炭素の直鎖脂肪鎖)を含むポリマーを実施的に含まない。このようなグラフトがあるポリマーは、毛髪に供給される膜の強度に貢献せずに動粘度を推進する、ヘアスタイリング配合物の結合性相互作用を生じる可能性がある。
【0065】
任意成分
少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリング配合物は、パンテノール化合物及び/又はシリコーン化合物を含む。少なくとも1つの実施形態において、パンテノール化合物は、パンテノール、パントテン酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、パンテノール化合物は、D−パンテノール([R]−2,4−ジヒドロキシ−N−[3−15(ヒドロキシプロピル)]−3,3−ジメチルブタミド)、D/L−パンテノール、パントテン酸及びこれらの塩、パンテニルトリアセタート、ローヤルゼリー、パンテタイン(panthetine)、パントテイン、パンテニルエチルエーテル、パンガム酸、パントイルラクトース、ビタミンB複合体、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。パンテノール化合物は、優れた毛髪の外観と髪触りという利点を提供するという点からも、有用である。ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約0.1重量%〜約0.6重量%、又は約0.1重量%〜約0.3重量%のパンテノール化合物を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーはシリコーン化合物を含む。シリコーンは、髪触りを滑らかにし、更には毛髪に改善されたつやも与えるので有用である。少なくとも1つの実施形態において、シリコーン化合物はジメチコーン化合物である。少なくとも1つの実施形態において、シリコーン化合物は、PEGジメチコーン、例えばPEG−12ジメチコーンである。
【0066】
ヘアスタイリング配合物は、界面活性剤を更に含み得る。ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して1重量%まで、又は0.6重量%まで、又は0.4重量%まで、又は0.3重量%までの界面活性剤を含み得る。少なくとも1つの実施形態において、界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。カチオン性界面活性剤は、セトリモニウムクロライド(例えば、花王のQuartamin 60L−G;DEHYQUART A−CA/DETEX;ARQUAD 16〜25 LO);コカミドプロピルヒドロキスルタイン(例えば、REWOTERIC AM CAS);コカミドプロピルベタイン(例えば、TEGO BETAIN F50);ベタイン;及び、これらの混合物からなる群より選択されてもよい。非イオン性界面活性剤は、ヒマシ油PEG−40H(例えば、NEODOL10 91−8);ラウレス−4(例えば、DEHYDOL LS4 DEO N);ラウレス−9;デシルグルコシド(例えば、Plantacare 2000);ポリソルベート20(例えば、UNIQEMA製TWEEN 20 PHARMA);PEG−25水添ヒマシ油(例えば、SEPPIC製SIMULSOL 1292 DF);PEG−40水添ヒマシ油(例えば、BASF製CREMOPHOR CO 410);PPG−1−PEG−9−ラウリルグリコールエーテル(例えば、Eumulgin L);シロキサンポリアルキレンオキシドコポリマー(Momentive製SilwetR L7604);及び、ポリジメチルシロキサンメチルエトキシレート(Momentive製SilwetR L7600);、並びにこれらの混合物からなる群より選択されてもよい。好適なアニオン性界面活性剤は、ジオクチルナトリウムスルホコハク酸塩(DOSS又は1,4−ジオクトキシ−1,4−ジオキソブタン− 2−スルホン酸)であり、これらの一例は、CytecからのエアロゾールOT−70 PGである。少なくとも1つの実施形態において、界面活性剤は、ヒマシ油PEG−40 H;セトリモニウムクロライド;ラウレス−4;ラウレス−9;デシルグルコシド;コカミドプロピルヒドロキシスルタイン;ポリソルベート20;シロキサンポリアルキレンオキシドコポリマー;ジオクチルナトリウムスルホスクシネート;及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0067】
少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは中和剤を含む。好適な中和剤には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリイソプロパノールアミン(TIPA)、2−アミノブタノール、2−アミノメチルプロパノール(AMP)、アミノエチルプロパンジオール、ジメチルステアラミン(Armeen 18 D)、ケイ酸ナトリウム、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン(Neutrol(登録商標)TE)、アンモニア(NH
3)、トリエタノールアミン、トリメチルアミン(Tris AminoUltra)、アミノメチルプロパンジオール(AMPD)が包含される。少なくとも1つの実施形態において、中和剤は2−アミノブタノール、アンモニア、又は2−アミノメチルプロパノールである。
【0068】
ヘアスタイリング配合物は、少なくとも1種の防腐剤を含んでいてもよい。防腐剤は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約1.5%未満、又は0%〜1%、又は0.01%〜1%の量で存在し得る。好適な防腐剤としては、フェノキシエタノール(例えば、Euxyl(登録商標)PE 9010)、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、PHMB(ポリ−アミノプロピルビグアニド)、ISP製Optiphen(フェノキシエタノール+カプリリルグリコール)、Symrise製Symtriol(1,2−オクタンジオール及び1,2−ヘキサンジオール、メチルベンジルアルコール)、オクチルサリチレート、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(DMDMヒダントイン;Nipaguard(登録商標)DMDMH:製造元Clariant),EDTA(Rexat)、ブチレングリコール(Dekaben LMB)、及びパラベンタイプ、例えば、メチルパラベン(例えば、Schutz & Co.製若しくはSLI Chemicals製PHB−メチルエステル、又はNipagin(登録商標)M)、プロピルパラベン(Solvadis Specialties製PHB−プロピルエステル)が挙げられる。
【0069】
ヘアスタイリング配合物は、少なくとも1つの香料又は芳香剤を更に含んでもよい。ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して最大約0.5重量%、又は約0重量%〜約0.4重量%、又は約0.03重量%〜約0.3重量%の香料又は芳香剤を含んでもよい。
【0070】
少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは、腐食防止剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、腐食防止剤はEDTAである。
【0071】
ヘアスタイリング配合物は、ビタミンB1、B2、B6、B12、C等の水溶性ビタミン、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン、及びこれらの誘導体、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸等の水溶性アミノ酸及びこれらの塩、ビタミンA、D、E等の水不溶性ビタミン、並びにこれらの塩及び/又は誘導体、チロシン、トリプタミン等の水不溶性アミノ酸、粘度変性剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び水不溶性)、真珠光沢助剤、発泡促進剤、追加の界面活性剤又は非イオン性共界面活性剤、殺シラミ薬、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、紫外線吸収剤、ビタミン、ナイアシンアミド、カフェイン、並びにミノキシジル等の、ビタミン及びアミノ酸を更に含んでもよい。ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約0.01重量%〜約5重量%のビタミン及び/又はアミノ酸を含んでもよい。ヘアスタイリング配合物は、無機顔料、ニトロソ、モノアゾ、ジアゾ化合物、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キノリン、オキサジン、アジン、若しくはアントラキノンタイプの化学物質、並びにインジゴイド、チオニンジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン、植物、天然色である化合物、並びに水溶性成分等の顔料材料を更に含んでもよい。ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の全重量に対して約0.0001%〜約5%の顔料材料を含んでもよい。ヘアスタイリング配合物は、化粧品用の殺生物剤として有用な抗菌剤を含有していてもよい。ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約0.01重量%〜約重量5%の抗菌剤を含んでもよい。
【0072】
噴射剤
本製品は液化ガス噴射剤を含む。液化ガス噴射剤は、ジメチルエーテル(DME)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、ペンタン、n−ブタン、イソ−ブタン、プロパン、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。少なくとも1つの実施形態において、液化ガス噴射剤は、ジメチルエーテル(DME)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)である。少なくとも1つの実施形態において、液化ガス噴射剤はジメチルエーテルである。ジメチルエーテルは、ヘアスタイリング配合物と共に均一溶液を形成する点から、本発明において有用である。
【0073】
少なくとも1つの実施形態において、本製品は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約35%〜約50%の液化ガス噴射剤、又は約40%〜約45%の液化ガス噴射剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、本製品は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約35%〜約50%のジメチルエーテル、又は約40%〜約45%のジメチルエーテルを含む。
【0074】
少なくとも1つの実施形態において、液化ガス噴射剤噴射剤及びヘアスタイリング配合物は自由に、リザーバ内部でお互いに通じている。少なくとも1つの実施形態において、液化ガス噴射剤噴射剤及びヘアスタイリング配合物は、別々の区画に保存されない。
【0075】
製品は、過圧可能容器を備える。リザーバ内部の圧力は、圧力計(GCAS #60001439)で測定することができる。少なくとも1つの実施形態において、20℃で測定した前記容器内部の圧力が、約1bar〜約7bar、又は約1.5bar〜約5bar(約100kPa〜約700kPa、又は約150kPa〜約500kPa)である。一実施形態において噴射剤が、イソ−ブタン、プロパン、又はジメチルエーテルであるとき、容器内部の圧力は、20℃で、約3bar〜約4bar(300kPa〜約400kPa)である。噴射剤がn−ブタンである場合、20℃で測定した容器内部の圧力は、約1.5bar〜約2bar、又は約1.7bar〜約1.9bar(約1.5kPa〜約200kPa、又は約170kPa〜約190kPa)であり得る。
【0076】
少なくとも1つの実施形態において、本製品は、約50%以下の揮発性有機化合物(VOC)を含む。VOCは、健康及び環境問題を生じさせる可能性がある。これは特に製造業にとって、及び、特定の国では家庭用品で使用できるVOCの量に規制があるという点で問題とされている。実際、ヨーロッパに対して北米では、例えば規制上の要件が異なるという点から、異なるヘアスプレー配合物を販売しているのが普通である。したがってVOCを減らしたヘアスプレーは、世界市場向きのヘアスプレー製品を提供するという点から有用である。本明細書で使用する場合、VOCの定義に関して米国の規制法が当てはまる。米国立法目的(U.S.EPA 40 CFR 51.100[s])のためのVOCの定義は、ごくわずかな光化学反応性も有さないこれらの有機化合物のみを定義する。
【0077】
スプレー装置
少なくとも1つの実施形態において、本製品は噴射装置を含む。少なくとも1つの実施形態において、本製品は、ヘアスタイリング配合物を容器118のリザーバ204から注出するため、容器118に取り付けられた噴射装置を備え、該噴射装置はバルブ205及びノズルを備える。本製品は、ヘアスタイリング配合物を容器118のリザーバ204から注出するために容器118に取り付けられた噴射装置を備え、噴射装置はバルブ205及びノズルを備え、バルブはバルブ本体113、ステム107及びバネ手段108を備え、バルブ本体113はインサート109を収容し、インサート109はインサート孔109a及び少なくとも2つのチャネル110a、110bを備え、チャネル110a、110bはインサート孔109aの接線方向に配置されており、バルブ本体113は少なくとも2つの蒸気タップ211a、211bを備え、インサート孔109aがリザーバ204のヘアスタイリング配合物と液体連通することが可能である。
【0078】
インサート109の特徴は、大量のヘッドスペース噴射剤ガスがヘアスタイリング配合物の流体流をバルブ205に入るのを可能にする。このヘッドスペース噴射剤ガスは、インサート109を介してバルブ本体113のヘアスタイリング流体流に注入され、インサート109が、少なくとも2つの蒸気タップ211a、211b及びチャネル110a、110bにより、噴射剤ガスがヘアスプレー配合物流体流に入る際、噴射剤ガスに渦運動を与える。噴射剤ガスの付与された円運動と合わさった噴射剤ガスの量は、製品流を粒子に変える際、それによって、改善された、すなわち結果として生じた放出組成物の減少した粒径分布がもたらされる際に、更に効果的である。
【0079】
少なくとも1つの実施形態において、バルブ本体113はバルブテールピース115を備え、バルブテールピース115は浸漬管116を受ける孔を有する。少なくとも1つの実施形態において、チャネル110a、110bは、インサート底部110上にある。少なくとも1つの実施形態において、インサート孔109aは、バルブテールピース115に連結した浸漬管116を介して、リザーバ204内のヘアスタイリング配合物と液体連通することができる。少なくとも1つの実施形態において、蒸気タップ211a、211bは、チャネル110a、110bに集まる。少なくとも1つの実施形態において、チャネル110a、110bは、インサート孔109aに集まる。少なくとも1つの実施形態において、バルブ本体113は、チャネル110に集まっていない蒸気タップを含まない。チャネル110に集まっていない、このような蒸気タップが、例示として
図1の参照記号113aで表される。このような蒸気タップ又は蒸気ハウジング孔は、文献では言及されることがあるが、本願明細書では役立たない。実際、この種の蒸気タップは、十分な量の噴射剤ガスを取りこまず、又は十分な粒径分割のための、流体流への効果的な挿入を提供しない。本バルブ205の特徴と組み合わせて使用される場合、少なくとも2つの蒸気タップ211a、211b及び少なくとも2つのチャネル110a、110bを通って流れる、噴射剤ガスの方向を変えるだろう。すなわち、渦巻き効果が減らされるだろう。
【0080】
少なくとも1つの実施形態において、蒸気タップ211a、211bの孔寸法は、約0.22mm〜約0.28mm×約0.30mm〜約0.36mm、又は約0.24mm〜約0.26mm×約0.32mm〜約0.34mmである。
【0081】
少なくとも1つの実施形態において、インサート底部のチャネル110a、110bは、バルブ本体113の内部の平底に接して、バルブ本体113の蒸気タップ211a、211bとガス連通する、2つの内部ガス計量スロットを作り、それによって、容器のヘッドスペースからバルブ本体113内部まで定量ガス流路を作る。
【0082】
少なくとも1つの実施形態において、バルブ本体(113)はバルブテールピース(115)を備え、バルブテールピース(115)は浸漬管(116)を受ける孔を有し、浸漬管(116)は内径を有し、内径は、約0.030インチ(0.762mm)〜約0.070インチ(1.778mm)、又は約0.035インチ(0.889mm)〜約0.065インチ(1.651mm)、又は約0.040インチ(1.016mm)〜約0.060インチ(1.524mm)、又は約0.045インチ(1.143mm)〜約0.055インチ(1.397mm)、又は約0.035インチ(0.889mm)〜約0.045インチ(1.143mm)である。少なくとも一つの実施例において、浸漬管116は内径を有し、内径は、約0.030インチ(0.762mm)〜約0.070インチ(1.778mm)、又は約0.035インチ(0.889mm)〜約0.065インチ(1.651mm)、又は約0.040インチ(1.016mm)〜約0.060インチ(1.524mm)、又は約0.045インチ(1.143mm)〜約0.055インチ(1.397mm)、又は約0.035インチ(0.889mm)〜約0.045インチ(1.143mm)である。
【0083】
少なくとも一つの実施例において、バルブテールピース115孔(浸漬管116を受ける)は内径を有し、内径は、約0.030インチ(0.762mm)〜約0.070インチ(1.778mm)、又は約0.035インチ(0.889mm)〜約0.065インチ(1.651mm)、又は約0.040インチ(1.016mm)〜約0.060インチ(1.524mm)、又は約0.045インチ(1.143mm)〜約0.055インチ(1.397mm)、又は約0.035インチ(0.889mm)〜約0.045インチ(1.143mm)である。少なくとも1つの実施形態において、インサート孔(109a)は、バルブテールピース(115)に連結した浸漬管(116)を介して、リザーバ(204)内のヘアスタイリング配合物と液体連通することができ、バルブテールピース(115)孔は内径を有し、内径は、約0.030インチ(0.762mm)〜約0.070インチ(1.778mm)、又は約0.035インチ(0.889mm)〜約0.065インチ(1.651mm)、又は約0.040インチ(1.016mm)〜約0.060インチ(1.524mm)、又は約0.045インチ(1.143mm)〜約0.055インチ(1.397mm)、又は約0.035インチ(0.889mm)〜約0.045インチ(1.143mm)である。
【0084】
少なくとも1つの実施形態において、インサート孔109aは、約0.020インチ(0.500mm)〜約0.070インチ(1.778mm)の直径を有する。少なくとも1つの実施形態において、インサート孔109aは、約0.030インチ(0.762mm)〜約0.070インチ(1.778mm)、又は約0.035インチ(0.889mm)〜約0.065インチ(1.651mm)、又は約0.040インチ(1.016mm)〜約0.060インチ(1.524mm)、又は約0.045インチ(1.143mm)〜約0.055インチ(1.397mm)、又は約0.035インチ(0.889mm)〜約0.045インチ(1.143mm)の直径を有する。少なくとも1つの実施形態において、インサート孔109aは、少なくとも約0.030インチ(0.762mm)の直径を有する。
【0085】
少なくとも1つの実施形態において、チャネル110a、110bはそれぞれ、約0.005インチ(0.127mm)〜約0.025インチ(0.635mm)、又は約0.008インチ(0.203mm)〜約0.020インチ(0.508mm)、又は0.010インチ(0.254mm)〜約0.015インチ(0.381mm)、又は約0.015インチ(0.381mm)〜約0.018インチ(0.457mm)の最大直径を有する横断面を有する。少なくとも1つの実施形態において、チャネル110a、110bは、約0.22mm〜約0.28mm×約0.30mm〜約0.36mm、又は約0.24mm〜約0.26mm×約0.32mmから約0.34mm、の寸法(幅×高さ)を有する。
【0086】
少なくとも1つの実施形態において、ステム107はステム孔105を有し、それは容器内容物の放出口として機能する。少なくとも1つの実施形態において、ステム孔105は内径を有し、内径は、約0.005インチ(0.127mm)〜約0.025インチ(0.635mm)、又は約0.008インチ(0.203mm)〜約0.013インチ(0.340mm)、又は約0.011インチ(0.279mm)〜約0.014インチ(0.356mm)である。一実施形態において、ステム孔105は内径を有し、内径は、約0.010インチ(0.254mm)〜約0.020インチ(0.508mm)、又は約0.015インチ(0.381mm)〜約0.018インチ(0.457mm)である。
【0087】
少なくとも1つの実施形態において、バネ手段108はバネ108である。少なくとも1つの実施形態において、バルブ本体113はキャスタレーション112を備える。
【0088】
少なくとも1つの実施形態において、バルブ205は更にステムガスケット104を備え、これはステム107上のステムガスケット座106を封止し、それによってステム孔105に続く、ステムの横穴を覆う。
【0089】
少なくとも1つの実施形態において、バルブ本体113、ステム107及びインサート109は、ポリフェニレンスルホンで作られる。
【0090】
本発明の使用に適しているバルブは、Precision Valve,Peterborough,UK.より提供される装置Ecosol(商標)である。このバルブは米国特許第2009/0124961A1に開示されており、その内容を参照として本明細書に組み入れる。特に、米国特許第2009/0124961A1の段落[0053]〜[0068]及び
図1〜
図2を、参照として本明細書に組み入れる。
【0091】
本発明の使用に適しているノズルは、Kosmos,Seaquist and Precision Valveから入手可能である。少なくとも1つの実施形態において、噴射装置は、可変噴射角ノズル、可変樹脂フラックスノズル、テーパー状流ノズル、及び/又はらせん型アトマイザーノズルを備える。このようなノズルは、欧州特許第2570110A2号、欧州特許第2570192A1号、欧州特許2570191A1号に開示されており、その内容を参照として本明細書に組み入れる。特に、テーパー状流ノズル、及び/又はらせんアトマイザーノズルが、欧州特許2570191A1号の段落119〜176で開示されており、そこで
図1〜27を参照していて、参照として本明細書に組み入れる。
【0092】
図面の詳細な説明
ステムガスケット104がステム107に予め組み立てられていて、そのためステムガスケット104はステム107上のステムガスケット座106を封止して、ステム孔105に続く、ステムの小さな横穴を覆うことができるようになり、ここでステム孔105は容器の内容物の放出口として機能する。ステンレス鋼バネ108は次に、ステム成形品の底部に予めはめ込まれている。インサート109は、バルブ本体113に予め組み立てられて、チャネル110a、110bに密接に据え付けられている(
図2参照)。バルブ本体113内部の平底と接する、インサート110底部に形成されたチャネル110a、110bは、バルブ本体113上の外部のスロット114と連通して2つの内部ガス計量スロットを作り、それによって、バルブがその後で容器118に固定されると、容器のヘッドスペースからバルブ本体113内部まで定量ガス流路を作るためのものである。マウンティングカップ102は、カップガスケット103に予めはめ込まれていて、組み立てられたバルブが標準的な業界の方法によって容器に固定されるときに、容器湾曲部117に対してガス密閉封止を形成する。次いで、上記の小組立部品は、標準的な台座圧着工具を使用して一緒に圧着され、完全に組み立てられたバルブ205を作る。ステムガスケット104が圧着手順によって厚さ50%まで圧縮されて、マウンティングカップの台座102は圧着中に変形されて、バルブ本体113の外面上のキャスタレーション112に係合して保持される。ポリエチレン浸漬管116は、バルブ本体115のテールピースのついた密閉係合に押し込みはめられて、バルブアセンブリが完成する。容器118は、バルブ205と容器118とのガス密閉封止を作るために、従来のクリンチ用具を用いて、バルブ205及び浸漬管116が容器湾曲部117にしっかり固定(chlinch)される前に、容器118内部がヘアスタイリング配合物によって及び液化ガス噴射剤によって一部満たされている。容器118は次いで、ステム孔105を通ってガス補給することによって、所望の作動圧まで加圧される。バルブ本体テールピース115の最上部の流体計量孔(図示せず)が、浸漬管116を介して容器118の底からバルブ本体113に入るヘアスタイリング配合物を計量し、ヘアスタイリング配合物と、インサート110底部のチャネル(
図2の110a、110b参照)を介してバルブ本体113に入る噴射剤を混合する。ステム107が外力の適用によって約1mmを超えて下げられるときに、ステムガスケット104はステムガスケット座106部の横穴から離れて、容器118と外部環境との間の経路を開いて変形する。この外力が解放されるとき、バネ108は、完全な閉位置にステムを戻す。
【0093】
標準的な直径1インチのエアロゾルバルブ205は、ヘアスプレー配合物の充填後、容器118の上部に固定される。ステム孔105は、ステム107の出口である。容器118は、容器壁201及びヘアスタイリング配合物及び液化ガス噴射剤を貯蔵するためのリザーバ204を含む。バルブ205の作動は、係合したステム107を押し下げるための外力の適用によって達成され、このことによりノズル(図示せず)を介して外部環境へヘアスタイリング配合物及び噴射剤を放出し、ここでノズルはバルブ205と係合するために大きさが設定される。バルブ205は、浸漬管116を搭載し、及び噴射剤ガスをリザーバ204から、バルブ205が開く動作中に浸漬管116で上昇する、ヘアスタイリング配合物流に入れる、蒸気タップ211a、211bを含むハウジング207を、備える。蒸気タップ211a、211bは断面積を有し、これは、この断面積とバルブ本体テールピース115(浸漬管の最上部)の流体計量孔(図示せず)の断面積との総計比が、所望の噴射剤/ヘアスタイリング配合物比を提供するために調整されることができるようにするものである。
【0094】
方法
第1の態様は、方法に関する。少なくとも1つの実施形態において、本方法は、i.請求項に係る特定のエアロゾルヘアスプレー製品を提供することと、ii.前記製品に噴射量で噴射させることと、を含み、噴射量は約0.28g/秒〜約0.45g/秒であり、放出された組成物が噴射され、放出された組成物は40ミクロン〜100ミクロンの平均粒径分布(Dv50)を有する粒子を含む。40ミクロン〜100ミクロンの平均粒径分布は、放出された組成物の粒子が毛髪上部全体によく広がり、そのうえ十分な量のヘアスタイリングポリマーがそれぞれ粒子の状態(液滴)で存在して、十分な保持(毛髪繊維のスポット結合)を提供することから、最適な乾燥時間を毛髪に提供するのに有用である。
【0095】
少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーはヘアスタイリングポリマーの混合物である。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリング配合物は、陰イオン性ヘアスタイリングポリマーを含むか、若しくは非イオン性ヘアスタイリングポリマーを含み、及び/又はヘアスタイリング配合物は陽イオン性ヘアスタイリングポリマーを含まない。少なくとも1つの実施形態において、容器内の圧力が20℃で、約3bar〜5bar(300kPa〜約500kPa)であり、又は20℃で、約4bar〜5bar(400kPa〜約500kPa)である。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリング配合物は両性ヘアスタイリングポリマーを含み、及び/又は、ヘアスタイリング配合物は更に界面活性剤を含み、及び/又は、噴射剤はジメチルエーテルである。少なくとも1つの実施形態において、放出された組成物は、45ミクロンから、又は50ミクロンから、又は55ミクロンから、又は60ミクロンから、90ミクロンまで、又は85ミクロンまで、又は80ミクロンまで、又は75ミクロンまで、又は70ミクロンまで、又は65ミクロンまで、より好ましくは60ミクロン〜90ミクロンの平均粒径分布(Dv50)を有する粒子を含む/からなる。少なくとも1つの実施形態において、噴射剤なしヘアスタイリング配合物の動粘度は、0.5cStから、又は1cStから、又は1.25cStから、又は1.5cStから、又は1.75cStから、又は1.8cStから、5.5cStまで、5cStまで、又は4.5cStまで、又は4cStまで、又は3.5cStまで、又は3cStまで、又は2.5cStまで、又は2.3cStまで、又は2.2cStまで、又は2.1cStまで、又は2.0cStまで、あるいは1.8cStから、5.5cStまで(0.5mm
2/sから、又は1mm
2/sから、又は1.25mm
2/sから、又は1.5mm
2/sから、又は1.75mm
2/sから、又は1.8mm
2/sから、5.5mm
2/sまで、5mm
2/sまで、又は4.5mm
2/sまで、又は4mm
2/sまで、又は3.5mm
2/sまで、又は3mm
2/sまで、又は2.5mm
2/sまで、又は2.3mm
2/sまで、又は2.2mm
2/sまで、又は2.1mm
2/sまで、又は2.0mm
2/sまで、あるいは1.8mm
2/sから、5.5mm
2/sまで)である。少なくとも1つの実施形態において、噴射量は、0.29g/秒から、又は0.30g/秒から、又は0.31g/秒から、又は0.32g/秒から、又は0.33g/秒から、又は0.34g/秒から、又は0.35g/秒から、又は0.36g/秒から、又は0.37g/秒から、又は0.38g/秒から、又は0.39g/秒から、又は0.40g/秒から、0.44g/秒まで、又は0.43g/秒まで、0.42g/秒まで、0.41g/秒まで、又は0.40g/秒まで、又は0.39g/秒まで、又は0.38g/秒までである。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の全重量に対して5%から、又は6%から、又は7%から、又は8%から、又は9%から、14%まで、又は13%まで、又は12%まで、又は11%まで、又は10%までのヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、本製品は、ヘアスタイリング配合物を容器118のリザーバ204から注出するために容器118に取り付けられた噴射装置を備え、噴射装置はバルブ205及びノズルを備え、バルブはバルブ本体113、ステム107及びバネ手段108を備え、バルブ本体113はインサート109を収容し、インサート109はインサート孔109a及び少なくとも2つのチャネル110a、110bを備え、チャネル110a、110bはインサート孔109aの接線方向に配置されており、バルブ本体113は少なくとも2つの蒸気タップ211a、211bを備え、インサート孔109aがリザーバ204のヘアスタイリング配合物と液体連通することが可能である。少なくとも1つの実施形態において、液化ガス噴射剤がジメチルエーテルであって、本製品がヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量の35%〜50%のジメチルエーテル、又は40%〜45%のジメチルエーテルを含む。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは、(メタ)アクリル酸又はそれらの単純なエステルであるモノマーの2つ以上のモノマーのアクリレートコポリマー;オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー;ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸、エチルアクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートのアクリレート/ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー;ポリウレタン−14/AMP−アクリレートコポリマーブレンド;並びにこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリング配合物がヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量の33%〜49%又は約48%までの水を含み、好ましくはインサート孔(109a)が0.020インチ(0.500mm)〜0.070インチ(1.778mm)の直径を有する。少なくとも1つの実施形態において、ステム(107)がステム孔(105)を有し、それは容器内容物の放出口として機能し、ステム孔(105)は内径を有し、内径は0.005インチ(0.127mm)〜0.025インチ(0.635mm)、又は0.008インチ(0.203mm)〜0.013インチ(0.340mm)又は0.011インチ(0.279mm)〜0.014インチ(0.356mm)である。
【0096】
少なくとも1つの実施形態において、前記平均粒径分布は、製品寿命を通じて維持される。本明細書で用いられる「製品寿命」とは、完全な製品から、不十分な量のヘアスタイリング配合物がリザーバに存在して噴射されるまで、例えば実質的にヘアスタイリング配合物がリザーバに存在しないことを、意味する。製品寿命の間ずっと、このような平均粒径分布を維持することは、製品が「空になる」まで、製品の優れた性能を予期することができる消費者に対する利点である。このような利点は、特にバルブの構造的特徴と関連があり、−特に、インサート109がインサート孔109a及び少なくとも2つのチャネル110a、110bを備え、チャネル110a、110bはインサート孔109aの接線方向に配置されており、バルブ本体113は少なくとも2つの蒸気タップ211を備えること、と関連している。
【0097】
上記の態様に対する説明を適用して、同様にこの態様に好適で必要な変更を加える。
【0098】
第2の態様
第2の態様はエアロゾルヘアスプレー製品に関し、ここで該製品は、
i.ヘアスタイリング配合物及び液化ガス噴射剤を貯蔵するためのリザーバ204を包囲する容器壁201を備える過圧可能容器118と、
ii.ヘアスタイリング配合物であって、
(a)ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の全重量に対して約30%〜約60%の水と、
(b)ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の全重量に対して約5.0%〜約15%のヘアスタイリングポリマーと、
(c)ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の全重量に対して約2%未満のアルコールと、を含み、該ヘアスタイリングポリマーは水溶性であり、該ヘアスタイリング配合物は、好ましくは実質的にアルコールを含まず、
噴射剤なしのヘアスタイリング配合物は約6cSt(6mm
2/s)以下の動粘度を有し、該動粘度は20℃+/−0.1℃で測定されるヘアスタイリング配合物と、
ii.ヘアスタイリング配合物を容器118のリザーバ204から注出するために容器118に取り付けられた噴射装置であって、バルブ205及びノズルを備えた噴射装置と、を含み、
前記製品が噴射量で噴射し、噴射量は約0.28g/秒〜約0.45g/秒である。
【0099】
少なくとも1つの実施形態において、本製品は放出された組成物を放射することができ、放出された組成物は、少なくとも約35ミクロンの平均粒径分布(Dv50)を有する粒子を含む。少なくとも1つの実施形態において、本製品は放出された組成物を放射することができ、放出された組成物は、少なくとも約35、約40ミクロン〜約100ミクロンの平均粒径分布(Dv50)を有する粒子を含む。少なくとも1つの実施形態において、放出された組成物は、約35ミクロンから、又は約40ミクロンから、又は約45ミクロンから、又は約50ミクロンから、又は約55ミクロンから、又は約60ミクロンから、約140ミクロンまで、又は約120ミクロンまで、又は約110ミクロンまで、又は約100ミクロンまで、又は約90ミクロンまで、又は約85ミクロンまで、又は約80ミクロンまで、又は約75ミクロンまで、又は約70ミクロンまで、又は約65ミクロンまでの平均粒経分布(Dv50)を有する粒子を含む。少なくとも1つの実施形態において、バルブはバルブ本体113、ステム107及びバネ手段108を備え、バルブ本体113はインサート109を収容し、インサート109はインサート孔109a及び少なくとも2つのチャネル110a、110bを備え、チャネル110a、110bはインサート孔109aの接線方向に配置されており、バルブ本体113は少なくとも2つの蒸気タップ211a、211bを備え、インサート孔109aがリザーバ204のヘアスタイリング配合物と液体連通することが可能である。
【0100】
少なくとも1つの実施形態はエアロゾルヘアスプレー製品に関し、ここで該製品は、
i.ヘアスタイリング配合物及び液化ガス噴射剤を貯蔵するためのリザーバ204を包囲する容器壁201を備える過圧可能容器118と、
ii.ヘアスタイリング配合物であって、
(a)ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の全重量に対して約30%〜約60%の水と、
(b)ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の全重量に対して約5.0%〜約15%のヘアスタイリングポリマーと、
(c)ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の全重量に対して0.5%未満のアルコールと、を含み、該ヘアスタイリングポリマーは水溶性であり、該ヘアスタイリング配合物は、好ましくは実質的にアルコールを含まず、
噴射剤なしのヘアスタイリング配合物は約約1.8cSt〜約5.5cSt(1.8mm
2/s〜約5.5mm
2/s)の動粘度を有し、該動粘度は20℃+/−0.1℃で測定されるヘアスタイリング配合物と、
iii.ヘアスタイリング配合物を容器118のリザーバ204から注出するために容器118に取り付けられた噴射装置であって、バルブ205及びノズルを備えた噴射装置と、を含み、バルブはバルブ本体113、ステム107及びバネ手段108を備え、バルブ本体113はインサート109を収容し、インサート109はインサート孔109a及び少なくとも2つのチャネル110a、110bを備え、チャネル110a、110bはインサート孔109aの接線方向に配置されており、バルブ本体113は少なくとも2つの蒸気タップ211a、211bを備え、インサート孔109aがリザーバ204のヘアスタイリング配合物と液体連通することが可能であり、
容器内部の圧力が、20℃で、約3bar〜約5bar(約300kPa〜約500kPa)、又は20℃で、約3bar〜約4bar(約300kPa〜約400kPa)であり;
前記製品が噴射量で噴射し、噴射量は約0.28g/秒〜約0.45g/秒である。
【0101】
少なくとも1つの実施形態はエアロゾルヘアスプレー製品に関し、ここで該製品は、
i.ヘアスタイリング配合物及び液化ガス噴射剤を貯蔵するためのリザーバ204を包囲する容器壁201を備える過圧可能容器118と、
ii.ヘアスタイリング配合物であって、
(a)ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の全重量に対して約30%〜約60%の水と、
(b)ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の全重量に対して約7.0%〜約14%のヘアスタイリングポリマーと、
(c)ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の全重量に対して0.5%未満のアルコールと、を含み、該ヘアスタイリングポリマーは水溶性であり、該ヘアスタイリング配合物は、好ましくは実質的にアルコールを含まず、
噴射剤なしのヘアスタイリング配合物は約1.8cSt〜約5.5cSt(約1.8mm
2/s〜約5.5mm
2/s)の動粘度を有し、該動粘度は20℃+/−0.1℃で測定され、
陰イオン性ヘアスタイリングポリマーを含む、ヘアスタイリング配合物と、
iii.ヘアスタイリング配合物を容器118のリザーバ204から注出するために容器118に取り付けられた噴射装置であって、バルブ205及びノズルを備えた噴射装置と、を含み、バルブはバルブ本体113、ステム107及びバネ手段108を備え、バルブ本体113はインサート109を収容し、インサート109はインサート孔109a及び少なくとも2つのチャネル110a、110bを備え、チャネル110a、110bはインサート孔109aの接線方向に配置されており、バルブ本体113は少なくとも2つの蒸気タップ211a、211bを備え、インサート孔109aがリザーバ204のヘアスタイリング配合物と液体連通することが可能であり、
バルブ本体113はバルブテールピース115を備え、バルブテールピース115は孔を有し、その孔は浸漬管116を受け、浸漬管116は内径を有し、内径は約0.035インチ(0.889mm)〜約0.055インチ(1.397mm)であり、
ステム107はステム孔105を有し、それは容器内容物の放出口として機能し、ステム孔105は内径を有し、内径は約0.008インチ(0.203mm)〜約0.014インチ(0.356mm)であり、
インサート孔109aは、バルブテールピース115に連結した浸漬管116を介して、リザーバ204内のヘアスタイリング配合物と液体連通することができ、バルブテールピース115は内径を有し、内径は0.035インチ(0.889mm)〜0.055インチ(1.397mm)であり、
前記製品が噴射量で噴射し、噴射量は約0.28g/秒〜約0.45g/秒である。
【0102】
上記の態様に対する説明を適用して、同様にこの態様に、好適で必要な変更を加える。
【0103】
他の態様
別の態様において、本発明は毛髪のスタイリング及び/又は整髪のためのエアロゾルヘアスプレー製品に関し、本製品はヘアスタイリング配合物及び液化ガス噴射剤を貯蔵するためのリザーバを包囲する容器壁を備える過圧可能容器を備え、該ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び液化ガス噴射剤を貯蔵するためのリザーバを包囲する容器壁を備える過圧可能容器と、該ヘアスタイリング配合物は、
−ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の全重量に対して約40%〜約50%の水と、
−ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の全重量に対して約2%〜約5%のヘアスタイリングポリマーと、
−ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の全重量に対して約2%未満のアルコールと、を含み、又は実質的にアルコールを含まず、
本製品が、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量の約35%〜約58%の液化ガス噴射剤を含み、該噴射剤がジメチルエーテルであって、
本製品は、容器のリザーバからヘアスタイリング配合物を供給するために容器に取り付けられた噴射装置を具備する。
【0104】
ヘアスタイリングポリマーの量は、保持性能及び毛髪上の湿り気のバランスをとる際に重要である。約2%〜約5%のヘアスタイリングポリマーを有することは、一部の消費者に支持される低保持整髪商品を提供する点から、有用である。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリング配合物は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約2.5%から、又は約3%から、又は約3.5%から、又は約4%から、約4.5%まで、又は約3.5%まで、又は約3%まで、又は約2.5%までのヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、本製品は、ヘアスタイリング配合物及び噴射剤の総重量に対して約38%〜約50%、又は約39%〜約42%の液化ガス噴射剤を含む。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは、1つの水溶性陰イオン性若しくは両性ヘアスタイリングポリマー、又は陰イオン性ヘアスタイリングポリマーの混合物である。少なくとも1つの実施形態において、ヘアスタイリングポリマーは、(メタ)アクリル酸又はそれらの単純なエステルであるモノマーの2つ以上のモノマーのアクリレートコポリマー;オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー;ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸、エチルアクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートのアクリレート/ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー;ポリウレタン−14/AMP−アクリレートコポリマーブレンド;並びにこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態において、バルブはバルブ本体113、ステム107及びバネ手段108を備え、バルブ本体113はインサート109を収容し、インサート109はインサート孔109a及び少なくとも2つのチャネル110a、110bを備え、チャネル110a、110bはインサート孔109aの接線方向に配置されており、バルブ本体113は少なくとも2つの蒸気タップ211a、211bを備え、インサート孔109aがリザーバ204のヘアスタイリング配合物と液体連通することが可能である。上記の態様に対する説明を適用して、同様にこの態様に、好適で必要な変更を加える。
【0105】
実験
表2は、2つの従来のアルコール系ヘアスプレーと比較したアルコールなしのヘアスプレー製品の例を示しており、本明細書で記した、配合ポリマー濃度、噴射量及び処方粘度限度の態様の相関性のある組み合わせを例示している。下表の製品例1〜6は、同じヘアスタイリング配合物に基づいており、それは表1の例Aであり、ヘアスタイリング配合物60%及びDME噴射剤40%で調整された。しかしながら、ヘアスタイリングポリマーの量は異なる。
なお、製品例X、Y及び1〜5は参考例である。
【0106】
【表2】
記号説明:
*=ヘアスタイリング配合物における;〜=放出された組成物の;
#=1回の使用は、持続期間中7.75秒;X=Wellaflex Level3 強力保持ヘアスプレー(約45%エタノール);Y=ハーブエッセンスボリューム仕上げ最大保持ヘアスプレー(約25%エタノール);A−F=下記の表3参照;N/A=該当なし、すなわち、測定できない又は机上の実験例
【0109】
表2の分析:
○製品X及びYは、エタノール系制御ヘアスプレー製品である。
○製品1は、請求項の範囲よりいくらか低い平均粒径分布(Dv50)を提供する。
○製品2は、請求項の範囲よりいくらか少ない噴射量を提供する。
○製品3は、請求項の範囲よりいくらか多い噴射量を提供する。
○製品4は、請求項の範囲よりいくらか少ない噴射量を提供する。請求項の範囲よりいくらか低い平均粒径分布(Dv50)も提供する。
○製品5は、請求項の範囲よりいくらか少ない噴射量を提供する。ヘアスタイリング配合物(噴射剤なしで)は7〜19cSt(7〜19mm
2/s)の動粘度を有し、それは請求項の動粘度といくらか異なる。
【0110】
表2からの結論:製品1〜6用で評価された噴射機能の中で、製品6の特定の組み合わせだけが優れた性能を有する水系ヘアスプレーのすべての基準を満たす。噴射量は、毛髪に湿り気/水分を過剰投与しないことにとって重要であり、水系ヘアスプレーに関する研究において明確であるので、特別かつ新規な発見である。しかしながら噴射量は、消費者の好みにしたがって十分なヘアスタイル保持性能のための毛髪上に十分なポリマーを供給するために、ヘアスタイリング配合物のヘアスタイリングポリマー濃度と最適なバランスがとれていなければならない。更に、ヘアスタイリング配合物の動粘度は、配合物が孔を通過して、詰まりなしで、十分な機械的分散をしながら噴射されるために、重要である。その上、最適化された平均粒経分布(Dv50)は、放出された組成物の液滴が大きすぎないことを確実にするのに、有用である。実際、小液滴は、より大きな液滴に対して小さい液滴の方がより速く水分が蒸発するように、各液滴が体積比に対してより高い表面積を有するという利点がある。
【0111】
Shernov(米国特許第5,304,368号)の分析
引例Shernovの開示がテストされる。ShernovのF項(カラム4)において、以下の寸法(55〜62行)のバルブが用いられたと述べらている。ステム孔:0.011インチ(0.279mm)、蒸気タップ:0.016インチ(0.41mm)、毛細管ID:0.040インチ(1.016mm)。Shernovは、各容器が、0.018インチ(0.457mm)の出口孔を有するアクチュエータを取り付けていたと述べる。次いでそれは、噴射率が「約0.4g/秒であった」であり、「スプレーの粒径は約50ミクロンであった」と述べている(カラム4の65〜66行)。Shernovのカラム5の実施例部分で、テスト結果が、同カラム下部に示されている。
【0112】
Shernovの開示の精度をテストするために、Shernovに開示された噴射装置及びパッケージ情報を使用して、4つのヘアスプレー製品、缶1、缶2、缶3、缶4が作成される。缶1は、ヘアスタイリングポリマー7.2%及び噴射剤(DME)34%を含む。缶2は、ヘアスタイリングポリマー7.2%及び噴射剤(DME)40%を含む。缶3は、ヘアスタイリングポリマー6.15%及び噴射剤(DME)34%を含む。缶4は、ヘアスタイリングポリマー6.15%及び噴射剤(DME)40%を含む。使用したヘアスタイリングポリマーは、本発明による水溶性ヘアスタイリングポリマーである。4つの缶すべて(缶1〜4)が、容認できない性能を示すことがわかる。特に、スプレー特性が異なる缶の間で非常に変化して、ヘアスプレー配合物が徐々に使い尽くされると更に劇的に変化することがわかる。本明細書に添付した表4は、圧力(Y軸、psig[ポンド毎平方インチ])に対する、缶の残留内容物の割合(X軸、%)を示す。x軸のパーセンテージは、重量により算出される。5つの異なるグラフが、本表4に示される。グラフ1〜4及び5(記号を参照)。グラフ1〜4は缶1〜4(測定値)に関するものであり、缶5はShernovに開示されたカラム5下部の表の数を使用して作成されたグラフである。例えば、Shernovの前記表では、それが1/4充満、つまり25%充満であるときに、記載されている製品は61psig(421kPa)の圧力を有していると述べている。実際、グラフ5は非常に平坦なグラフを示し、圧力はXの100%〜25%まで最小限減少している。しかしながら、缶1〜4にとって、図はいくらか異なり、曲線は平坦でなくて、Xの100%からXの50%まで著しい圧力降下を示す。言い換えれば、缶圧力は、完全充満の缶と半分充満の缶との間で著しく減少する。意外ではないが、これらの缶から放出される組成物の質及び特徴は、大幅に変化する。ヘアスタイリング配合物が使い果たされていくと、劇的な変動のため、缶1〜4のいずれか一つにより提供される、特定の噴射量及び/又は平均粒径分布(Dv50)を述べることはできない。更に、この種の特性の測定値を困難にする、詰まり及び流れを伴う重大な問題が、観察される。しかしながら、すべての場合において、0.2g/秒未満(又は、詰まりによる噴射量がない)の噴射量が、缶1〜4の全てで、Xの約50%以下で観察される。
【0113】
Shernovに開示されたカラム5下部の表の値は、再現されない。このことからShernovの開示は誤りであり、その教示は、当業者によって不適切であるとして放棄されるとの結論が下される。
【0114】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。