(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095160
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】受熱器
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20170306BHJP
H01L 23/473 20060101ALI20170306BHJP
G06F 1/20 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
H05K7/20 N
H01L23/46 Z
G06F1/20 A
G06F1/20 C
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-67819(P2013-67819)
(22)【出願日】2013年3月28日
(65)【公開番号】特開2014-192406(P2014-192406A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2015年8月25日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390000158
【氏名又は名称】日軽熱交株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096644
【弁理士】
【氏名又は名称】中本 菊彦
(72)【発明者】
【氏名】関 和仁
【審査官】
梅本 章子
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭57−038169(JP,U)
【文献】
特開2011−238756(JP,A)
【文献】
実開昭62−050468(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0132580(US,A1)
【文献】
特開2001−127478(JP,A)
【文献】
特開2007−232305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H01L 23/34 − 23/473
G06F 1/20
F28D 1/00 − 13/00
F28F 9/00 − 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被冷却体の熱を吸収する扁平状のアルミニウム製受熱部と、上記受熱部の両端と連通するアルミニウム製の第1ヘッダーパイプ及び第2ヘッダーパイプを備える受熱器であって、
上記第1及び第2ヘッダーパイプのうちの少なくとも第1ヘッダーパイプは角筒状に形成され、該第1ヘッダーパイプの上部辺全長に渡って上部挿入溝が設けられると共に、下部辺には内側面に沿う下部挿入溝が設けられ、
上記受熱部は、上記第1ヘッダーパイプから上記第2ヘッダーパイプに冷媒を流通させる第1流路を有する第1受熱部と、上記第2ヘッダーパイプから上記第1ヘッダーパイプに上記冷媒を流通させる第2流路を有する第2受熱部と、上記第1受熱部と第2受熱部を区画する区画壁と、該区画壁の上記冷媒の流通方向に沿う端部に設けられ、上記冷媒の流通方向に対して直交状で底部が直線状の切欠き部を有し、
上記第1ヘッダーパイプには、上記第1受熱部に上記冷媒を流入させるための流入口と、上記第2受熱部から流入された上記冷媒を流出させるための流出口と、上記第1ヘッダーパイプの内部を区画すると共に上記第1ヘッダーパイプに流入された冷媒を上記第1受熱部に流入させるための矩形部を有する仕切板と、上記受熱部の一端部が嵌合可能な第1嵌合溝が設けられ、
上記仕切板は、上記第1ヘッダーパイプの上部挿入溝を介してヘッダーパイプの内側面及び下部挿入溝内に挿入される矩形部と、該矩形部の上端に延在して上部挿入溝内に挿入される膨隆頭部とからなる略T字状に形成され、
上記第2ヘッダーパイプには、上記受熱部の他端部が嵌合可能な第2嵌合溝が設けられ、
上記第1嵌合溝及び第2嵌合溝に上記受熱部の端部を嵌合すると共に、上記仕切板の矩形部に上記切欠き部の底部を当接するように嵌合し、第1及び第2ヘッダーパイプと上記受熱部をろう付け接合してなることを特徴とする受熱器。
【請求項2】
請求項1に記載の受熱器において、
上記第1受熱部及び上記第2受熱部を複数有すると共に、上記第1受熱部と上記第2受熱部を区画する上記区画壁を複数有し、
上記第1ヘッダーパイプには、上記仕切板が複数設けられ、
上記第2ヘッダーパイプには、上記第2ヘッダーパイプの内部を区画すると共に、上記第2ヘッダーパイプに流入された冷媒を上記第2受熱部に流入させるための仕切板が設けられることを特徴とする受熱器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の受熱器において、
上記第1流路及び第2流路が複数設けられていることを特徴とする受熱器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば発熱する電子部品等の被冷却体の熱を吸収する受熱器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば発熱する電子部品等の被冷却体を冷却するための冷却装置は、被冷却体で生じた熱を吸収する受熱器と、熱を吸収した冷媒から熱を奪うための熱交換器と、冷媒を貯留するためのタンクと、受熱器に冷媒を供給するためのポンプとを有しており、受熱器、熱交換器、タンク、ポンプ内で冷媒を循環させることで被冷却体の冷却を行っている。
【0003】
従来、この種の冷却装置に用いられる受熱器80として、
図7,
図8に示すように、隙間93を空けて設けられた扁平状の2枚の受熱部81,91と、この受熱部81,91の両端に接合される一対のヘッダーパイプ82,83と、冷媒の流入口88と流出口89を同一のヘッダーパイプ82に設けた受熱器80が知られている。なお、各ヘッダーパイプ82,83の両端はエンドキャップ84〜87にて閉塞されている。
【0004】
この場合、第1のヘッダーパイプ82には、内部を区画する仕切板92が設けられており、この仕切板92によって、流入口88から流入される冷媒は、第1のヘッダーパイプ82、第1の受熱部81、第2のヘッダーパイプ83、第2の受熱部91を介して第1ヘッダーパイプ82に設けられた流出口89から流出される。このとき、第1の受熱部81、第2の受熱部91で、受熱器80の下側に設けられている電子部品96の熱が冷媒に吸収される。
【0005】
しかしながら、受熱器80は2枚の受熱部81,91を用いているため、受熱器80が大型化する。また、受熱部81,91の間の隙間93には冷媒が流れないため、冷却効率が低下する。冷却効率を向上させるために、隙間93を小さくした場合には、ヘッダーパイプ82,83に扁平状の2枚の受熱部81,91を嵌合するための嵌合溝の加工が困難になる等の問題がある。
【0006】
冷却効率の問題を解決する受熱器として、1枚の扁平管に区画壁を設けることで、第1のヘッダーパイプから第2のヘッダーパイプに向かって冷媒を流通させる第1の受熱部と、第2のヘッダーパイプから第1のヘッダーパイプに向かって冷媒を流通させる第2の受熱部を1枚の扁平管で形成した受熱器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012−54446号公報(段落0020、
図4,
図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載のものにおいては、仕切板を有するヘッダーパイプと受熱部を形成する扁平管との接合構造には言及されていない。しかし、仕切板を有するヘッダーパイプと扁平管(受熱部)との接合は重要であり、接合が不十分であると、冷媒の漏洩等による冷却効率の低下を招く懸念がある。したがって、仕切板を有するヘッダーパイプと扁平管(受熱部)との接合を容易にすると共に、接合部の精度を高めることのできる受熱器が望まれている。
【0009】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、仕切板を有するヘッダーパイプと扁平状の受熱部との接合を容易にすると共に、接合部の精度を高めることのできる受熱器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を達成するために、この発明の受熱器は、被冷却体の熱を吸収する扁平状のアルミニウム製受熱部と、上記受熱部の両端と連通するアルミニウム製の第1ヘッダーパイプ及び第2ヘッダーパイプを備える受熱器であって、
上記第1及び第2ヘッダーパイプのうちの少なくとも第1ヘッダーパイプは角筒状に形成され、該第1ヘッダーパイプの上部辺全長に渡って上部挿入溝が設けられると共に、下部辺には内側面に沿う下部挿入溝が設けられ、 上記受熱部は、上記第1ヘッダーパイプから上記第2ヘッダーパイプに冷媒を流通させる第1流路を有する第1受熱部と、上記第2ヘッダーパイプから上記第1ヘッダーパイプに上記冷媒を流通させる第2流路を有する第2受熱部と、上記第1受熱部と第2受熱部を区画する区画壁と、該区画壁の上記冷媒の流通方向に沿う端部に設けられ、上記冷媒の流通方向に対して直交状で底部が直線状の切欠き部を有し、 上記第1ヘッダーパイプには、上記第1受熱部に上記冷媒を流入させるための流入口と、上記第2受熱部から流入された上記冷媒を流出させるための流出口と、上記第1ヘッダーパイプの内部を区画すると共に上記第1ヘッダーパイプに流入された冷媒を上記第1受熱部に流入させるための矩形部を有する仕切板と、上記受熱部の一端部が嵌合可能な第1嵌合溝が設けられ、
上記仕切板は、上記第1ヘッダーパイプの上部挿入溝を介してヘッダーパイプの内側面及び下部挿入溝内に挿入される矩形部と、該矩形部の上端に延在して上部挿入溝内に挿入される膨隆頭部とからなる略T字状に形成され、 上記第2ヘッダーパイプには、上記受熱部の他端部が嵌合可能な第2嵌合溝が設けられ、 上記第1嵌合溝及び第2嵌合溝に上記受熱部の端部を嵌合すると共に、上記仕切板の矩形部に上記切欠き部の底部を当接するように嵌合し、
第1及び第2ヘッダーパイプと上記受熱部をろう付け接合してなることを特徴とする
(請求項1)。
【0011】
このように構成することにより、流入口と流出口及び仕切板を有する第1ヘッダーパイプと、該第1ヘッダーパイプと対峙する第2ヘッダーパイプと、区画壁によって区画された冷媒の流路を有する第1,第2受熱部を備えた扁平状の受熱部と、区画壁の端部に設けられた切欠き部を仕切板に嵌合した状態で第1,第2ヘッダーパイプと受熱部を接合することができる。
【0012】
また、この発明において、上記第1受熱部及び上記第2受熱部を複数有すると共に、上記第1受熱部と上記第2受熱部を区画する上記区画壁を複数有し、上記第1ヘッダーパイプには、上記仕切板が複数設けられ、上記第2ヘッダーパイプには、上記第2ヘッダーパイプの内部を区画すると共に、上記第2ヘッダーパイプに流入された冷媒を上記第2受熱部に流入させるための仕切板が設けられていてもよい(請求項
2)。
【0013】
このように構成することにより、流入口から流入された冷媒は第1受熱部と第2受熱部を複数回迂回して流通するので、冷媒の流量の均一化を図ることができる。
【0014】
また、この発明において、上記第1受熱部及び第2受熱部には、上記第1流路及び第2流路が複数設けられていることが好ましい(請求項
3)。
【0015】
このように構成することにより、冷媒の流れを整流させることができるので、冷却効率の向上及び冷媒の流量の均一化を図ることができる。
【0016】
【0017】
また、請求項1に記載の発明によれば、ヘッダーパイプと受熱部とを一体ろう付けすることができ、接合を容易に行うことができると共に、接合部の精度向上を図ることができる。また、アルミニウム製部材を用いることで、リサイクルが可能となり、資源の有効利用を図ることができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、扁平状の受熱部のそれぞれ冷媒流路を有する第1受熱部と第2受熱部を区画する区画壁の端部に設けられた切欠き部を仕切板に嵌合した状態でヘッダーパイプと受熱部を接合するため、ヘッダーパイプと受熱部との間の接合を容易にすると共に、接合部の精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】この発明に係る第1実施形態の受熱器を用いたノートパソコンの内部構造の一部を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態の受熱器の要部を断面で示す平面図(a)、(a)のA−A線に沿う要部拡大断面図(b)、(a)のB−B線に沿う要部拡大断面図(c)である。
【
図3A】この発明におけるヘッダーパイプを角筒形にした場合の受熱部の接合状態を示す拡大断面図(a)及び仕切板付近の接合状態を示す拡大断面図(b)である。
【
図4】第1実施形態の受熱器の仕切板付近を示す分解断面斜視図である。
【
図4A】角筒形ヘッダーパイプ、受熱部及び仕切板を示す分解断面斜視図である。
【
図5】第1実施形態の受熱器の第2ヘッダーパイプの端部付近を示す分解断面斜視図である。
【
図6】この発明に係る第2実施形態の受熱器の要部を断面で示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施形態について、添付図面に基づいて説明する。ここでは、この発明に係る受熱器をノートパソコンの電子機器(例えば、LSIチップ)の冷却に適用した場合について説明する。
【0021】
図1に示すように、上記ノートパソコンの筐体1は、DVD起動装置2と、ハードディスク起動装置3と、被冷却体である電子部品4と、電子部品4を冷却するための冷却ユニット10を備える。
【0022】
冷却ユニット10は、熱交換器11と、ファンユニット12と、冷媒を貯留するタンク13と、冷媒の流れを生成するポンプ14と、電子部品4の上に設けられるこの発明に係る受熱器20を備えており、熱交換器11、ファンユニット12、タンク13、ポンプ14及び受熱器20は冷媒流通管15によって接続されている。冷却ユニット10には冷媒が流れており、電子部品4で生じた熱が受熱器20で吸収される。受熱器20で吸収された熱は熱交換器11で奪われ、この熱はファンユニット12で生成される気流によって筐体10の外部に放出される。また、熱を奪われた冷媒は、タンク13、ポンプ14を介して受熱器20に流入する。
【0023】
<第1実施形態>
次に、
図2〜
図5に基づいて、第1実施形態の受熱器20を説明する。
【0024】
図2に示すように、第1実施形態の受熱器20は、電子部品4の熱を吸収する扁平状の受熱部21と、受熱部21の両端と連通する第1ヘッダーパイプ22及び第2ヘッダーパイプ23を備える。ここで、受熱部21、第1ヘッダーパイプ22及び第2ヘッダーパイプ23は、アルミニウム製部材、例えばアルミニウム製押出形材にて形成されている。
【0025】
なお、第1ヘッダーパイプ22及び第2ヘッダーパイプ23の形状は、円筒形に形成されているが、角筒形であっても良い。
【0026】
受熱部21は、第1ヘッダーパイプ22から第2ヘッダーパイプ23に冷媒を流通させる第1流路24aを有する第1受熱部24と、2ヘッダーパイプ23から第1ヘッダーパイプ22に冷媒を流通させる第2流路25aを有する第2受熱部25と、第1受熱部24と第2受熱部25を区画する区画壁26と、区画壁26の冷媒の流通方向に沿う端部26aに設けられる切欠き部27を有している。この場合、第1流路24a、第2流路25aには、仕切壁21aによって区画される互いに平行な複数列(図面では6列を示す)の流路24a,25aが形成されている。このように、互いに平行な複数列の流路24a,25aを形成することにより、冷媒の流れを整流化させることができる。なお、第1流路24aと第2流路25aの列数は異なっても良い。
【0027】
第1ヘッダーパイプ22の一端部には第1受熱部24に冷媒を流入させるための流入口28が設けられ、第1ヘッダーパイプ22の他端部には第2受熱部25から流入された冷媒を流出させるための流出口29が設けられている。また、第1ヘッダーパイプ22には、第1ヘッダーパイプ22の内部を区画すると共に、流入口28から第1ヘッダーパイプ22に流入された冷媒を第1受熱部24に流入させ、第2受熱部25から第1ヘッダーパイプ22に流入された冷媒を流出口29に流出させるための仕切板30が設けられている。これにより、仕切板30を境界として、第1ヘッダーパイプ22の内部は、流入口28と連通する上流側の第1パイプ流路22aと流出口29と連通する下流側の第1パイプ流路22bとに区画される。
【0028】
第1ヘッダーパイプ22の両端には、アルミニウム製のエンドキャップ32,33がろう付けされ、第2ヘッダーパイプ23の両端には、同様のエンドキャップ34,35がろう付けされる。
【0029】
次に、第1,第2ヘッダーパイプ22,23と受熱部21との接合について説明する。第1ヘッダーパイプ22の一側には、受熱部21の一端部を嵌合可能とする第1嵌合溝31が長手通しに設けられ、第2ヘッダーパイプ23の一側には、受熱部21の他端部を嵌合可能とする第2嵌合溝36が長手通しに設けられている。また、第1ヘッダーパイプ22の側面であって受熱部21と対向する側面には、仕切板30を挿入可能な仕切板挿入溝37が設けられている。
【0030】
第1,第2ヘッダーパイプ22,23と受熱部21とをろう付け接合するには、第1,第2ヘッダーパイプ22,23と受熱部21の接合部の少なくとも一方にろう材を塗布するか、接合部にろう材を介在する必要がある。ここでは、ろう材を塗布した場合について説明する。
【0031】
まず、第1ヘッダーパイプ22の仕切板挿入溝37に仕切板30を挿入する。なおこの場合、仕切板30は、
図3(c)及び
図4に示すように、第1ヘッダーパイプ22の内周面に当接する半円弧部30aと、半円弧部30aの基端側に延在する矩形部30bとからなる形状に形成されている。次いで、受熱部21の一端部を第1ヘッダーパイプ22に設けられた第1嵌合溝31に嵌合させると共に、区画壁26の端部に設けられた切欠き部27を仕切板30に嵌合させる。また、受熱部21の他端部を第2ヘッダーパイプ23に設けられた第2嵌合溝36に嵌合させる。そして、第1,第2ヘッダーパイプ22,23の端部にエンドキャップ32〜35を取り付けた状態で、第1,第2ヘッダーパイプ22,23と受熱部21を固定具(図示せず)によって仮固定した状態で、炉内で加熱することで一体にろう付けされる。このようにして接合した後、第1ヘッダーパイプ22に流入口28と流出口29を設ける。
【0032】
上記のように構成される受熱器20は、
図1〜
図3に示すように、ポンプ14によって流入口28に流入された冷媒は、上流側の第1パイプ流路22aから第1流路24aを介して第2ヘッダーパイプ23内の流路23aへ流れ、流路23aから第2流路25aを介して下流側の第1パイプ流路22bへ流れ流出口29から流出される。このとき、電子部品4の熱は第1流路24a、第2流路25aを流通する冷媒に吸収されて冷却される。また、流出口29から流出された冷媒は、熱交換器11で熱を奪われ、タンク13、ポンプ14を経由して再び流入口28に流入する。
【0033】
上記第1実施形態の受熱器20によれば、第1ヘッダーパイプ22に冷媒の流入口28と流出口29を設けると共に、区画壁26を介して第1受熱部24と第2受熱部25を形成しているため、受熱部21の小型化が図れと共に、限られたスペース内への受熱器20の配置の自由度を持たせることができる。
【0034】
また、第1実施形態の受熱器20によれば、区画壁26の端部に設けられた切欠き部27を仕切板30に嵌合した状態で、第1のヘッダーパイプ22と受熱部21を接合するため、第1ヘッダーパイプ22と受熱部21との間の接合を容易に行うことができると共に、接合の精度を向上させることができる。
【0035】
なお、上記実施形態では、第1及び第2ヘッダーパイプ22,23が円筒形に形成される場合について説明したが、角筒形に形成した場合について、
図3A及び
図4Aを参照して、第1ヘッダーパイプ22Aを代表して説明する。
【0036】
角筒形の第1ヘッダーパイプ22Aを用いた場合、第1ヘッダーパイプ22Aの上部辺全長に渡って上部挿入溝37Aを設けると共に、下部辺には内側面に沿う下部挿入溝37Bを設け、これら上部挿入溝37Aと下部挿入溝37Bに仕切板30Aを挿入する。この場合、仕切板30Aは、
図3A(b)及び
図4Aに示すように、上部挿入溝37Aを介して第1ヘッダーパイプ22Aの内側面及び下部挿入溝37B内に挿入される矩形部30cと、矩形部30cの上端に延在して上部挿入溝37A内に挿入される膨隆頭部30dとからなる略T字状に形成されている。
【0037】
<第2実施形態>
次に、この発明に係る受熱器の第2実施形態について説明する。第2実施形態の受熱器40は、
図6に示すように、第1受熱部44,54及び第2受熱部45,55を交互に有すると共に、第1受熱部44,54及び第2受熱部45,55を区画する区画壁46a〜46cを有する。また、第1ヘッダーパイプ42には、第1ヘッダーパイプ42の内部を区画すると共に、第1ヘッダーパイプ42に流入された冷媒を第1受熱部44,54に流入させるための仕切板50a,50bが設けられている。これによって、区画壁46aの切欠き部37aに嵌合される仕切板50aと、区画壁46cの切欠き部37bに嵌合される仕切板50bとを境界として、第1ヘッダーパイプ42の内部は、流入口28と連通する上流側の第1パイプ流路42aと、流出口29と連通する下流側の第1パイプ流路42cと、上流側の第1パイプ流路42aと下流側の第1パイプ流路42cとの間に設けられる中流側の第1パイプ流路42bとに区画される。
【0038】
また、第2ヘッダーパイプ43には、第2ヘッダーパイプ43の内部を区画すると共に、第2ヘッダーパイプ43に流入された冷媒を第2受熱部45に流入させるための仕切板50cが設けられている。これにより、区画壁46bの切欠き部37cに嵌合される仕切板50cを境界として、第2ヘッダーパイプ43の内部は、上流側の第2パイプ流路43aと下流側の第2パイプ流路43bとに区画される。また、第2実施形態の受熱器は、上記の構成以外については、第1実施形態の受熱器20と同様に構成されるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0039】
なお、第2実施形態では、第1受熱部44,54の第1流路44a,54a、第2受熱部45,55の第2流路45a,55aは3列ずつ形成されており、それぞれの流路24a,25aは平行に形成されているが、第1流路44a,54a、第2流路45a,55aの列数は異なっても良い。
【0040】
また、第2実施形態では、第1受熱部44,54と第2受熱部45,55は2個ずつ設けられているが、第1受熱部と第2受熱部は3個ずつ以上であってもよい。
【0041】
第2実施形態における第1,第2ヘッダーパイプ42,43と受熱部41との接合は、以下の2点を除いて第1実施形態と同様に行うことができる。すなわち、(1)第1ヘッダーパイプ42に仕切板50a,50bを挿入する仕切板挿入溝(図示せず)を設け、第2ヘッダーパイプ43に仕切板50cを挿入する仕切板挿入溝(図示せず)を設ける点、
(2)区画壁46aに設けられた切欠き部37aを仕切板50aに嵌合させ、区画壁46bに設けられた切欠き部37cを仕切板50cに嵌合させ、区画壁46cに設けられた切欠き部37bを仕切板50bに嵌合させて接合する点で第1実施形態と異なる。
【0042】
上記のように構成される第2実施形態の受熱器40は、
図1及び
図6に示すように、ポンプ14によって流入口28に流入された冷媒は、第1ヘッダーパイプ42の上流側の第1パイプ流路42aから第1流路44aを介して第2ヘッダーパイプ43内の上流側の第2パイプ流路43aへ流れ、第2パイプ流路43aから第2流路45aを介して中流側の第1パイプ流路42bへ流れ、中流側の第1パイプ流路42bから第1流路54aを介して第2ヘッダーパイプ43の下流側の第2パイプ流路43bへ流れ、第2パイプ流路43bから第2流路55aを介して流出口29から流出される。このとき、電子部品4の熱は第1流路44a,54a、第2流路45a,55aを流通する冷媒に吸収されて冷却される。また、流出口29から流出された冷媒は、熱交換器11で熱を奪われ、タンク13、ポンプ14を経由して再び流入口28に流入する。
【0043】
上記のように構成される第2実施形態の受熱器40によれば、第1ヘッダーパイプ42に冷媒の流入口28と流出口29を設けると共に、区画壁46a〜46cを介して第1受熱部44,54と第2受熱部45,55を形成しているため、流入口28から流入された冷媒は第1受熱部44,54の第1流路44a,54aと第2受熱部45,55の第2流路45a,55aを複数回迂回して流通するので、冷媒の流量の均一化を図ることができる。また、第1実施形態と同様に、受熱部41の小型化が図れると共に、限られたスペース内への受熱器20の配置の自由度を持たせることができる。
【0044】
また、第2実施形態の受熱器40は、区画壁46の端部に設けられた切欠き部37a〜37cを仕切板50a〜50cに嵌合した状態で、第1のヘッダーパイプ42と受熱部41を接合するため、第1ヘッダーパイプ42と受熱部41との間の接合を容易に行うことができると共に、接合の精度を向上させることができる。
【0045】
なお、第2実施形態において、その他の部分は第1実施形態と同じであり、第1及び第2ヘッダーパイプ42,43を第1実施形態と同様に角筒形に形成すると共に、上部挿入溝37A及び下部挿入溝37Bを形成し、仕切板50a〜50cを仕切板30Aと同様に略T字状に形成しても良い。
【0046】
上記実施形態では、この発明に係る受熱器をノートパソコンの電子部品を冷却する冷却器に適用する場合について説明したが、この発明に係る受熱器は、ノートパソコンの電子部品の熱を冷却するものに限らず、その他の発熱する被冷却体の冷却にも適用することができる。例えば、半導体ウエハを受熱器の上部に載置することで、加熱された半導体ウエハの冷却にも適用することができる。この場合は、受熱器の上部に3点の支持部を設け、これらの支持部に半導体ウエハを載置(支持)した状態で半導体ウエハを冷却することができる。なお、半導体ウエハを冷却する受熱器についても、第1,第2実施形態と同様に、熱交換器、タンク、ポンプに接続され、冷媒を循環させている。
【符号の説明】
【0047】
4 電子部品(被冷却体)
20,40 受熱器
21 受熱部
22,22A,42 第1ヘッダーパイプ
23,43 第2ヘッダーパイプ
24,44,54 第1受熱部
24a,44a,54a 第1流路
25,45,55 第2受熱部
25a,45a,55a 第2流路
26,46a〜46c 区画壁
27,37a〜37c 切欠き部
28 流入口
29 流出口
30,30A,50a〜50c 仕切板
31 第1嵌合溝
36 第2嵌合溝