特許第6095165号(P6095165)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立国際電気の特許一覧

<>
  • 特許6095165-同期方法および同期装置 図000002
  • 特許6095165-同期方法および同期装置 図000003
  • 特許6095165-同期方法および同期装置 図000004
  • 特許6095165-同期方法および同期装置 図000005
  • 特許6095165-同期方法および同期装置 図000006
  • 特許6095165-同期方法および同期装置 図000007
  • 特許6095165-同期方法および同期装置 図000008
  • 特許6095165-同期方法および同期装置 図000009
  • 特許6095165-同期方法および同期装置 図000010
  • 特許6095165-同期方法および同期装置 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095165
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】同期方法および同期装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20170306BHJP
   H04J 1/00 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   H04L27/26 420
   H04L27/26 112
   H04J1/00
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-102250(P2013-102250)
(22)【出願日】2013年5月14日
(65)【公開番号】特開2014-222838(P2014-222838A)
(43)【公開日】2014年11月27日
【審査請求日】2016年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】山下 正治
(72)【発明者】
【氏名】内藤 昌志
【審査官】 岡 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−214464(JP,A)
【文献】 特表平10−505471(JP,A)
【文献】 特開2009−284461(JP,A)
【文献】 特開平10−215289(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0150257(US,A1)
【文献】 Suyoto, Agus Subekti et al.,Performance Evaluation of Coarse Time Synchronization in OFDM under Multipath Channel,2013 International Conference on Computer, Control, Informatics and Its Applications,2013年11月21日,pp.129-133
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04J 1/00
H04J 11/00
IEEE Xplore
CiNii
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直交周波数分割多重変調方式を用いたデータ伝送装置の受信機側におけるガード区間とデータ区間からなる伝送信号を同期する同期装置の同期方法において、
同期サブキャリア信号を出力する同期信号発生ステップと、
前記同期サブキャリア信号と入力される前記伝送信号とを乗算する乗算ステップと、
該乗算ステップによる出力を同期信号として検出するBPFステップと、
該検出した同期信号の位相変化点をゼロクロス検出するゼロクロス点検出ステップと、
前記入力される伝送信号から算出したS/N値を出力するS/N算出ステップと、
前記検出したゼロクロス点と前記算出したS/N値に基づき同期ポイント信号の検出および調整を行う微調整/粗調整処理部とにより、前記SN比算出ステップによる出力に応じて粗調整処理と微調整処理を切替える切替ステップとを有することを特徴とする同期装置の同期方法。
【請求項2】
直交周波数分割多重変調方式を用いたデータ伝送装置の受信機側におけるガード区間とデータ区間からなる伝送信号を同期する同期装置において、
同期サブキャリア信号を出力する同期信号発生部と、
前記同期サブキャリア信号と入力される前記伝送信号とを乗算する乗算部と、
該乗算部の出力を同期信号として検出するBPFと、
該検出した同期信号の位相変化点をゼロクロス検出するゼロクロス点検出部と、
前記入力される伝送信号から算出したS/N値を出力するS/N算出部と、
前記検出したゼロクロス点と前記算出したS/N値に基づき同期ポイント信号の検出および調整を行う微調整/粗調整処理部とを備え、
該微調整/粗調整処理部は、前記SN比算出部の出力に応じて粗調整処理と微調整処理を切替えることを特徴とする同期装置。
【請求項3】
前記請求項2に記載の同期装置であって、
粗調整処理は、前記ガード区間とデータ区間を1シンボルとし、当該1シンボルを所定の同期エリアに分割し、各々の同期信号のゼロクロス点を集計する同期エリアカウンタを備え、
該同期エリアカウンタの集計結果から最大のゼロクロス点が集計されているエリアを同期エリアとして設定することを特徴とする同期装置。
【請求項4】
前記請求項2または3に記載の同期装置であって、
微調整処理は、前記粗調整処理で設定された同期エリアの範囲内において、
同期信号のゼロクロス点が同期ポイントに対してマイナス側の場合には、同期ポイント遅れ制御を行い、
同期信号のゼロクロス点が同期ポイントに対してプラス側の場合には、同期ポイント進み制御を行うことを特徴とする同期装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送信号の同期方法および同期装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、直交周波数分割多重変調方式を用いたデータ伝送装置おいて、受信機側で、受信信号と所定の同期シンボルとの相関演算を行うに際して、当該相関演算により得られる相関演算値の所定期間の値を1/N倍(N>1)とした上で、当該相関演算値の最大値を検出し、当該検出した最大値に基づき、受信機の同期検出、制御を行うようにしたもので、マルチパスフェージングの存在する状況でも、主波に同期する確度を向上できると共に、相関演算量を増やすことなく、遅延時間の長い反射波の存在に対しても、主波に同期する確度が向上し、安定した同期検出ができる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−211137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、長遅延のマルチパスフェージング環境下で正しく復調されていても同期外れが起きてしまうという問題点を解決し、FDM(Frequency Division Multiplexing:周波数分割多重)−PSK (Phase Shift Keying:位相変移変調)信号のシンボル同期方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の同期方法は、ガード区間とデータ区間からなる伝送信号を同期する同期方法であって、伝送信号を入力する入力ステップと、SN比を算出するSN比算出ステップと、同期の粗調整ステップと、同期の微調整ステップと、SN比算出ステップで算出したSN比に応じて粗調整ステップと微調整ステップを切替える切替えステップとを有することを特徴とする。
【0006】
また、本発明の同期装置は、ガード区間とデータ区間からなる伝送信号を同期する同期装置であって、伝送信号を入力する入力部と、ゼロクロス点検出部と、同期信号発生部と、伝送信号のSN比を算出するSN比算出部と、同期の粗調整処理部と、同期の微調整処理部とを有し、SN比算出部の出力に応じて粗調整処理部と微調整処理部を切替える切替えことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、伝送信号から算出したS/N算出値を同期判定材料とした受信シンボル同期方法を用いることで、長遅延のマルチパスフェージング環境下でも正しく同期ポイントを保持でき、安定した受信品質が維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例である同期装置を説明するためのブロック図である。
図2】IQコンスタレーション上の信号配置点を説明するための図である。
図3】本発明の一実施例である同期装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図4図3の同期判別データ収集処理の詳細動作を説明するためのフローチャートである。
図5図3の同期ポイント良否判別処理の詳細動作を説明するためのフローチャートである。
図6図3の微調整処理の詳細動作を説明するためのフローチャートである。
図7】FDM−PSKのシンボル構成を説明するための図である。
図8】FDM−PSKのスペクトラムを説明するための図である。
図9】同期装置の粗調整処理の一例を説明するための図である。
図10】同期装置の微調整処理の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施例の詳細について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である同期装置を説明するためのブロック図である。
図1において、同期装置100は、乗算部102と、同期信号発生部103と、S/N(Signal to Noise ratio)算出部104と、BPF(Band Pass Filter)部105と、ゼロクロス点検出部106と、粗調整/微調整処理部107で構成されている。
同期装置100は、伝送信号101を入力し、同期ポイント信号108を出力する。
【0010】
同期装置100は、FDM(Frequency Division Multiplexing:周波数分割多重)−PSK(Phase Shift Keying:位相変移変調)伝送信号101と同期信号発生部103からの同期サブキャリア信号を乗算部102で乗算し、BPF部105で同期信号を検出する。検出した同期信号の位相変化点(シンボル同期点)をゼロクロス点検出部106で同期信号の位相変化点をゼロクロス検出し、微調整/粗調整処理部107で検出したゼロクロス点とFDM−PSK伝送信号101からS/N算出部104で算出したS/N算出値で同期ポイント信号108の検出および調整を行う。
【0011】
図2は、IQコンスタレーション上の信号配置点を説明するための図である。
S/N算出は図2に示すように正常の信号配置点201と実際の信号配置点202のずれから信号電力と雑音電力の比を算出する。S/N算出方法の手順を以下に示す。
【0012】
最初は、復調した信号から信号電力と雑音電力を算出する。
BPSK(Binary Phase Shift Keying)の場合は、式1と式2から算出する。
信号電力=Σ受信復調結果I ・・・ (式1)
雑音電力=Σ受信復調結果Q ・・・ (式2)
【0013】
QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)の場合は、式3と式4から算出する。
信号電力=Σ((受信復調結果I×受信復調結果Iの硬判定)
+(受信復調結果Q×受信復調結果Qの硬判定)) ・・・(式3)
雑音電力=Σ((受信復調結果I×受信復調結果Qの硬判定)
−(受信復調結果I×受信復調結果Qの硬判定)) ・・・(式4)
【0014】
次に、式1〜式4で求めた信号電力と雑音電力結果の平均値を算出する。算出式は式5と式6である。
平均信号電力=平均信号電力×λ+信号電力×(1−λ) ・・・ (式5)
平均雑音電力=平均雑音電力×λ+雑音電力×(1−λ) ・・・ (式6)
なお、λは忘却係数である。
【0015】
次に本発明の一実施例の詳細な動作について、図3図6のフローチャートを用いて説明する。
図3は、本発明の一実施例である同期装置の動作を説明するためのフローチャートである。
同期装置100は、I相同期信号の最大振幅値(MaxampI)と、Q相同期信号の最大振幅値(MaxampQ)とゼロクロス点(CrosspointI、CrosspointQ)を用いて同期判別データ収集する(S301)。
【0016】
同期装置100は、収集データから同期ポイント良否を判別する(S302)。
同期装置100は、良否結果である同期良否判別フラグ(Syncflag)を判定する(S303)。
同期装置100は、S303の処理で同期良否判別フラグ(Syncflag)が“良”の場合(YES)には正しい同期ポイントであるので、同期保持のために微調整処理を行う(S304)。
同期装置100は、S303の処理で同期良否判別フラグ(Syncflag)が“否”の場合(NO)には同期ポイントが外れているので、再検出のため粗調整処理を行う(S305)。
そして処理を終了する。
【0017】
図4は、図3の同期判別データ収集処理の詳細動作を説明するためのフローチャートである。
同期装置100は、I相同期信号の最大振幅値(MaxampI)と、Q相同期信号の最大振幅値(MaxampQ)を比較する(S401)。
同期装置100は、S401の処理でI相同期信号の最大振幅値(MaxampI)がQ相同期信号の最大振幅値(MaxampQ)以上の場合(YES)はS402の処理に進み、I相同期信号の最大振幅値(MaxampI)がQ相同期信号の最大振幅値(MaxampQ)より小さい場合(NO)はS403の処理に進む。
【0018】
同期装置100は、S402の処理で、I相同期信号の最大振幅値(MaxampI)とゼロクロス点(CrosspointI)を同期判別データ収集材料として使用するため、I相同期信号の最大振幅値(MaxampI)を選択最大振幅値(Selmaxamp)に設定し、I相同期信号のゼロクロス点(CrosspointI)を選択ゼロクロス点(Selcrosspoint)に設定し、S404の処理に進む。
同期装置100は、S403の処理で、Q相同期信号の最大振幅値(MaxampQ)と、ゼロクロス点(CrosspointQ)を同期判別データ収集材料として使用するため、Q相同期信号の最大振幅値(MaxampQ)を選択最大振幅値(Selmaxamp) に設定し、Q相同期信号のゼロクロス点(CrosspointQ)を選択ゼロクロス点(Selcrosspoint)に設定し、S404の処理に進む。
【0019】
同期装置100は、S404の処理で、I相同期信号のゼロクロス点(CrosspointI)とQ相同期信号のゼロクロス点(CrosspointQ)をゼロクリアし、I相同期信号の最大振幅値(MaxampI)とQ相同期信号の最大振幅値(MaxampQ)をゼロクリアする。
【0020】
同期装置100は、選択最大振幅値(Selmaxamp)と振幅閾値(THRESHSYNC)を比較し(S405)、選択最大振幅値(Selmaxamp)が振幅閾値(THRESHSYNC)以上の場合(YES)はS406の処理に進み、選択最大振幅値(Selmaxamp)が振幅閾値(THRESHSYNC)より小さい場合(NO)は同期判別データ収集処理を終了する。
【0021】
(ゼロクロス点の判別)
同期装置100は、S406の処理で、同期ポイント検出回数カウンタ(Syncchkcnt)に“1”を加算する。
同期装置100は、選択ゼロクロス点(Selcrosspoint)が微調エリア内かを確認するため、選択ゼロクロス点(Selcrosspoint)がSYNCNGMINより大きく、SYNCOKMAX以下であることを判定し(S407)、YESの場合はS409の処理に進み、NOの場合はS408の処理に進む。
同期装置100は、S408の処理で、同期ポイントNGカウンタ(Syncngcnt)に“1”を加算する。
【0022】
同期装置100は、S409の処理で、選択ゼロクロス点(Selcrosspoint)の該当する同期エリアを判別する。
同期装置100は、S409の処理で、選択ゼロクロス点(Selcrosspoint)がAREA1以上でAREA2より小さい場合には、選択ゼロクロス点(Selcrosspoint)が同期エリア1の範囲内にあるので同期エリア1(Syncarea[0])に“1”を加算し(S410)、同期判別データ収集処理を終了する。
同期装置100は、S409の処理で、選択ゼロクロス点(Selcrosspoint)がAREA2以上でAREA3より小さい場合には、選択ゼロクロス点(Selcrosspoint)が同期エリア2の範囲内にあるので同期エリア2(Syncarea[1])に“1”を加算し(S411)、同期判別データ収集処理を終了する。
【0023】
同期装置100は、S409の処理で、選択ゼロクロス点(Selcrosspoint)がAREA3以上でAREA4より小さい場合には、選択ゼロクロス点(Selcrosspoint)が同期エリア3の範囲内にあるので同期エリア3(Syncarea[2])に“1”を加算し(S412)、同期判別データ収集処理を終了する。
同期装置100は、S409の処理で、選択ゼロクロス点(Selcrosspoint)がAREA4以上でAREA5より小さい場合には、選択ゼロクロス点(Selcrosspoint)が同期エリア4の範囲内にあるので同期エリア4(Syncarea[3])に“1”を加算し(S413)、同期判別データ収集処理を終了する。
【0024】
図5は、図3の同期ポイント良否判別処理の詳細動作を説明するためのフローチャートである。
同期装置100は、同期ポイント検出回数カウンタ(Syncchkcnt)とカウンタ閾値(SYNCCHKNUM)を比較し(S501)、同期ポイント検出回数カウンタ(Syncchkcnt)がカウンタ閾値(SYNCCHKNUM)以上の場合(YES)にはS502の処理に進み、同期ポイント検出回数カウンタ(Syncchkcnt)がカウンタ閾値(SYNCCHKNUM)より小さい場合(NO)には同期ポイント良否判別の処理を終了する。
【0025】
同期装置100は、S502の処理で、同期ポイント良否確認処理に入り、復調した信号から算出したS/N算出値(Snr)とS/N算出値の閾値(THRESHSNR)の比較し、同期判別データ収集で求めた同期NGカウンタ(Syncngcnt)と同期NGカウンタ閾値(SYNCNGNUM)を比較する。
同期装置100は、S502の処理で、同期NGカウンタ(Syncngcnt)が同期NGカウンタ閾値(SYNCNGNUM)以上で、かつS/N算出値(Snr)がS/N算出値の閾値(THRESHSNR)より小さい場合(YES)には同期外れと判別してS503の処理に進み、上述の条件に該当しない場合(NO)にはS504の処理に進む。
【0026】
同期装置100は、S503の処理で、同期良否判別フラグ(Syncflag)を“NG”に設定して微調整処理から粗調整処理に変更する。
同期装置100は、S504の処理で、同期ポイント検出回数カウンタ(Syncchkcnt)と同期ポイントNGカウンタ(Syncngcnt)をゼロクリアし、同期ポイント良否判別の処理を終了する。
【0027】
図6は、図3の微調整処理の詳細動作を説明するためのフローチャートである。
同期装置100は、最初のみランダムウォーク(Randomwork)値に初期値である“0”を設定し(S601)、S602の処理に進む。
【0028】
同期装置100は、S602の処理で、選択ゼロクロス点(Selzerocross)が微調整エリア内か否かを判定する。
同期装置100は、S602の処理で、選択ゼロクロス点(Selzerocross)が−ADJUSTFINE_RANGEより大きくADJUSTFINE_RANGEより小さい場合には微調整エリア内(YES)であると判定した場合にはS603の処理に進み、選択ゼロクロス点(Selzerocross)が上述の範囲外(NO)であると判定した場合にはS613の処理に進む。
【0029】
同期装置100は、S613の処理で、同期ポイントの進みまたは遅れの検出および制御を行わず、シンボル同期カウンタ(Synccnt)を初期値に設定し、微調整処理を終了する。
【0030】
同期装置100は、S603の処理で、再度、選択ゼロクロス点(Selzerocross)の進みまたは遅れの判定を行う。
同期装置100は、S603の処理で、選択ゼロクロス点(Selcrosspoint)が“0”未満の場合(YES)はS604の処理に進み、選択ゼロクロス点(Selcrosspoint)が“0”以上の場合(NO)はS609の処理に進む。
【0031】
同期装置100は、S604の処理で、同期ポイントが遅れているのでランダムウォーク値(Randomwalk)から“1”を減算し、S605の処理に進む。
同期装置100は、S605の処理で、同期ポイントの進み制御を確認するため、ランダムウォーク値(Randomwalk)がランダムウォーク閾値(-RANDOMWALKNUM)以下であるか否かを判定し、ランダムウォーク値(Randomwalk)がランダムウォーク閾値(-RANDOMWALKNUM)以下である場合(YES)にはS606の処理に進み、ランダムウォーク値(Randomwalk)がランダムウォーク閾値(-RANDOMWALKNUM)より大きい場合(NO)にはS608の処理に進む。
【0032】
同期装置100は、S606の処理で、同期ポイントの進み制御を行うため、シンボル同期カウンタ(Synccnt)に“1”を加算して、S607の処理に進む。
同期装置100は、S607の処理で、ランダムウォーク値(Randomwalk)をゼロクリアし、微調整処理を終了する。
同期装置100は、S608の処理で、進み制御を行わずにシンボル同期カウンタ(Synccnt)を初期値に設定し、微調整処理を終了する。
【0033】
同期装置100は、S609の処理で、ランダムウォーク値(Randomwalk)に“1”を加算し、S610の処理に進む。
同期装置100は、S610の処理で、ランダムウォーク値(Randomwalk)がランダムウォーク閾値(RANDOMWALKNUM)以上か否かを判定する。
同期装置100は、S610の処理で、ランダムウォーク値(Randomwalk)がランダムウォーク閾値(RANDOMWALKNUM)以上の場合(YES)にはS611の処理に進み、ランダムウォーク値(Randomwalk)がランダムウォーク閾値(RANDOMWALKNUM)より小さい場合(NO)にはS608の処理に進む。
【0034】
同期装置100は、S611の処理で、同期ポイントの遅れ制御を行うため、シンボル同期カウンタ(Synccnt)から“1”を減算し、S612の処理に進む。
同期装置100は、S612の処理で、ランダムウォーク値(Randomwalk)をゼロクリア(612)し、微調整処理を終了する。
【0035】
図7は、FDM−PSKのシンボル構成を説明するための図である。
図7において、FDM−PSKの送信シンボルは、1シンボル701をガード長702と有効シンボル長703で構成されている。
【0036】
図8は、FDM−PSKのスペクトラムを説明するための図である。
図8において、FDM−PSKのスペクトルは1サブキャリアのπシフト信号801と複数のPSK変調されたサブキャリア信号802で構成され、1サブキャリアのπシフト信号801を抽出して受信シンボル同期を行う。
【0037】
(粗調整処理)
図9は、同期装置の粗調整処理の一例を説明するための図である。
図1の粗調整/微調整処理部107は、1シンボル(900)を4分割した同期エリア1(901)、同期エリア2(902)、同期エリア3(903)、同期エリア4(904)に各々の同期信号のゼロクロス点を集計する同期エリアカウンタを有する。
【0038】
次に、粗調整/微調整処理部107の粗調整処理について説明する。
同期信号のゼロクロス点が同期エリア1(AREA1〜AREA2)の範囲内では同期エリア1(901)の同期エリアカウンタに“1”加算する。
同期信号のゼロクロス点が同期エリア2(AREA2〜AREA3)の範囲内では同期エリア2(902)の同期エリアカウンタに“1”を加算する。
同期信号のゼロクロス点が同期エリア3(AREA3〜AREA4)の範囲内では同期エリア3(903)の同期エリアカウンタに“1”を加算する。
同期信号のゼロクロス点が同期エリア4(AREA4〜AREA5)の範囲内では同期エリア4(904)の同期エリアカウンタに“1”を加算する。
その後、集計結果から最大の同期エリアカウンタを同期ポイントが入っている同期エリアとし、同期ポイント調整を微調整処理に変更する。
【0039】
(微調整処理)
図10は、同期装置の微調整処理の一例を説明するための図である。
図1の粗調整/微調整処理部107は、微調整エリア1(1001)と、微調整エリア2(1002)を有する。
【0040】
次に、粗調整/微調整処理部107の微調整処理について説明する。
同期信号のゼロクロス点が微調整エリア1(1001)(−ADJUSTFINE_RANGE〜0)の範囲内は、同期ポイントが進んでいるので同期ポイント遅れ制御を行う。
同期信号のゼロクロス点が微調整エリア2(1002)(0〜+ADJUSTFINE_RANGE)の範囲内は、同期ポイントが遅れているので同期ポイント進み制御を行う。
【0041】
本発明によれば、伝送信号から算出したS/N算出値を同期判定材料とした受信シンボル同期方法を用いることで、長遅延のマルチパスフェージング環境下でも正しく同期ポイントを保持でき、安定した受信品質が維持できる。
【0042】
以上本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載された同期方法および同期装置に限定されるものではなく、上記以外の同期方法および同期装置に広く適用することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0043】
100:同期装置、101:伝送信号、102:乗算部、103:同期信号発生部、104:S/N算出部、105:BPF部、106:ゼロクロス点検出部、107:粗調整/微調整処理部、108:同期ポイント信号。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10