(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
バルブの一例として、従来、ガーデニングや洗車などで使用する寒冷地用の散水栓があり、ハンドルを回転操作する構造を採用しているが、この構造ではハンドルを数回転回さなければならず、手間がかかる煩わしいものであった。
【0003】
これを解決するため、本出願人は特許文献1(実用新案登録第3134337号)に示す技術を考案した。従来の考案の実施例を
図6に示す。
図6は、給水状態における散水栓Vの縦断面図を示したものである。
地中に埋設される弁箱11と、揚水管12と、給水金具13と、外装管51と、ベース部材53と、ピストン41と、連結シャフト31と、操作杆下側継手38と、操作杆上側継手37と、操作杆24と、ハンドル本体61が、主要な構成である。
【0004】
図7は、ハンドル本体61の回転操作を連結シャフト31の上下移動に変換するための作動機構に用いられる部品を分解して示す外観側面図である。
図6および
図7を用いて説明する。
図6に示す散水栓Vの給水状態からハンドル本体61を、そのハンドル本体61の上面から見て時計方向に90度回転操作すると、ハンドル本体61と直接接続された操作杆24が同様に90度時計方向に回転し、操作杆24の回転により、操作杆上側継手37に貫通挿入されているガイドピン23が操作杆24の縦スリット24d、およびガイド部材21のスロット211の上方から下方に移動する。
その動きと連動して操作杆上側継手37とピン39により接続されている操作杆下側継手38は下方へ移動し、さらに操作杆下側継手38と連結シャフト31を介して連結されているピストン41も所定量下方に移動し、その位置で散水栓内部の水を散水栓外部へ排水させる流路が確保され、散水栓内部の水を外部へ排水する、いわゆる水抜きをおこない、これにより散水栓の凍結事故を防ぐことができる。
一方、水抜き状態から給水状態に戻す時は、上記とは逆回転のハンドル操作をおこなう。
この特許文献1の考案では、ガイド部材21の側面に設けた螺旋したスロット211とガイドピン23を組み合わせたハンドル操作機構を採用することで、ハンドルを数回転させることなく範囲の狭いハンドル回転操作で済み、操作の煩わしさを解消することができる。
【0005】
この特許文献1の考案の散水栓Vは、
図6に示す給水状態では、ガイドピン23に操作杆上側継手37、操作杆下側継手38、連結シャフト31およびピストン41の全自重による下方向への荷重がかかるが、ガイドピン23はスロット211上端の水平部にあるおかげでその場に一応留まることができ、
図7に示す操作杆24の縦スリット24d、およびガイド部材21のスロット211の上方から下方へ移動することはないので、ピストン41が下方へ移動せず、よって散水栓Vの誤作動を防ぐことができる。
【0006】
図8は、
図6の従来の散水栓Vにおいて軸方向X−X線に沿って矢印から見た断面図であり、ハンドル本体61とベース部材53の2部材のみを示している。
図8(a)に示すように、円筒状のベース部材53には2つの腕部53a、53a’が形成され、それぞれの先端外周面に突出部53b、53b’が形成されている。キャップ状のハンドル本体61には、その内部側面から内側に向かって突出する凸部61aが形成されている。
このように、ハンドル本体61およびベース部材53は、上記の凸部61aや腕部53a、53a’等の複雑形状を要するものであった。そのため樹脂の材質による射出成形によって各部材が製作される。
またこの散水栓Vは、
図8(a)に示すベース部材53の腕部53aに突出部53bを設け、この突出部53bがストッパーの役目を果たし、ハンドル本体61が不用意に回転しようとしても、ハンドル本体61の凸部61aが上記突出部53bを乗り越えることはないため、誤作動防止をより確実なものにすることができる。
【0007】
なお通常のハンドル操作においては、例えば給水状態から水抜き状態に操作する場合、ハンドル本体61の凸部61aが突出部53bに接触するが、ベース部材53は、支点53cを支点として片持ち支持された腕部53aが内周側に撓むので、通常のハンドル操作力でハンドル本体61の凸部61aがベース部材53の突出部53bを乗り越えることができ、さらにハンドル操作を続けると凸部61aが腕部53a’の突出部53b’に接触するが、同様に内周側に撓むので、凸部61aが突出部53b’を乗り越えることができる。
ハンドル本体61を上記のように所定量回転操作して、ピストン41を所定量下方へ移動させ水抜き状態とする。この時のガイドピン23の移動は、
図7に示すガイド部材21のスロット211上方の端部から下方の傾斜部終点となる。
【0008】
一方、水抜き状態においては、ガイドピン23にスロット211の下方へ移動させようとする荷重がかかっても、既にスロット211の最下方の位置にガイドピン23が到達しているため、上記のような対策を施さなくても良い。
さらには通常のハンドル操作において、給水状態から水抜き状態に移行する時は、ハンドル本体61はその凸部61aがベース部材53の突出部53b’を乗り越える際にハンドル本体61を介して手に伝わる操作負荷により、逆に水抜き状態から給水状態に移行する時は、ハンドル本体61はその凸部61aがベース部材53の突出部53bを乗り越える際に同様に操作負荷が手に伝わるので、ハンドル操作者はいずれの方向でも操作終了を感知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図を参照にしながら説明する。
図1は、本発明を適用する寒冷地用の散水栓Vの一実施例を示す給水状態における断面図である。
本発明の一実施例の散水栓Vの構成は、弁箱11と揚水管12と給水金具13を含む弁筐体10と、ガイド部材21とガイドピン23と操作杆24を含む駆動部材20と、連結シャフト31と操作杆継手32を含む連結部材30と、弁部材としてのピストン41と、外装管51と下カバー52とベース部材53を含む外装部材50と、ハンドル本体61とハンドル継手62を含む操作部材60とで構成される。
【0016】
前記弁筐体10の一部を構成する弁箱11は、凍結深度より深い位置に埋設され、下端に流入口11a、前記流入口11aの上方には側方流路11b、前記側方流路11bの向かい合わせの位置には下端部が開口した排水口11c、また前記流入口11a上方の同軸上には、同径である第2のシリンダ11d、第1のシリンダ11eが設けられる。前記排水口11cの上流側には、逆止弁11hを着座している弁座11fを備えた逆止弁カートリッジ11gが配設される。逆止弁11hは、弁座11fに密着することにより地中の汚水が弁箱11内への侵入を防止する。
前記弁筐体10の組立は、揚水管12の下端部に弁箱11が、上端部に給水金具13がそれぞれねじ接続される。給水金具13側面の取付口13aには、蛇口が取り付けられる。
【0017】
図1および
図2を用いて、弁筐体10の一部を構成する給水金具13と、駆動部材20と、連結部材30の組立について説明する。
図2は弁筐体10の一部を構成する給水金具13と、駆動部材20を構成するガイド部材21、ガイドピン23及び操作杆24と、グランドナット22と、連結部材30を構成する連結シャフト31及び操作杆継手32とをそれぞれ分解して示す外観斜視図である。
ここで、駆動部材20は、ハンドル本体61の回転を前記操作杆24へ回転上下摺動に変換するための部材であり、連結部材30は、前記操作杆24の回転上下摺動を前記弁箱11内に挿通されるピストン41の上下摺動へ伝達するための部材である。なお連結部材30を構成する連結シャフト31と操作杆継手32とは既に組立てられた状態で示している。
駆動部材20の組立に当たり、駆動部材20の一部を構成する操作杆24と連結部材30との連結について説明する。
操作杆24と連結部材30の一部を構成する操作桿継手32との連結は、操作杆24下端の小径の円周溝24bにより形成されたくびれと係止鍔を有し、当該係止鍔を、操作杆継手32の上端に内向き鍔を有した側方溝32cに差し込み嵌合することにより行われ、操作上、当該操作杆24のハンドル本体61による回転摺動に対し、操作桿継手32は図面上、軸方向上下動方向の操作可能に連結される。当該操作杆継手32の下端には、さらに連結シャフト31を介してピストン41が連結される。
次に駆動部材20の組立について説明する。
上記組立てられた操作杆継手32と前記操作杆24に対し、ガイド部材21の下方から挿通し、操作杆24に設けた横孔24cとガイド部材21のスロット211に遭遇する位置において、ガイドピン23をそれらのスロット211と横孔24cの両方に係合するように側方から挿入し、操作杆24とガイド部材21の仮組立をする。
その後、操作杆24とガイド部材21の仮組立体は、操作杆継手32を介して連結された連結シャフト31及びピストン41と共に、給水金具13内に挿通し、当該仮組立体を前記した給水金具13の上端部に載置される。その際、ガイド部材21の下面に形成された嵌合凸部212と給水金具13の上面に形成された嵌合凹部13bとの嵌合により位置決めされ、且つ回り止めされる。
次いで、給水金具13上に載置した前記ガイド部材21に、当該ガイド部材21の外周を覆って挿通被嵌するグランドナット22を装着し、このグランドナット22を給水金具13の外周雄ねじ付き挿通口13cに螺着することにより、駆動部材20が組立てられる。
これによりガイド部材21は、上下移動および回転が拘束され、給水金具13上に一体的に取着される。
【0018】
図1を用いて、操作杆24上端における、操作部材60との取付けについて説明する。
操作杆24はその上方に角形の嵌合軸24aを有し、この嵌合軸24aに同形の角孔を有する樹脂製のハンドル継手62が挿通装着される。ガイド部材21の上部周側側面に溝214が予め形成されており、ハンドル継手62の下端に爪部62aが形成されているので、前記嵌合軸24aとハンドル継手62を装着した際、ハンドル継手62下端の爪部62aがガイド部材21の溝214に係止し、ハンドル継手62は操作杆24上端に嵌着係止される。その後、操作杆24の嵌合軸24a及びこれに挿通装着したハンドル継手62を覆って、ハンドル継手62と一体に回転操作可能に、ハンドル継手62の上方からキャップ状のハンドル本体61が嵌着される。
ハンドル本体61は、ハンドル継手62全体を覆う内筒を有しており、この内筒によりガイド部材21の溝214を係止するハンドル継手62下端の爪部62aは、外脱が防止される。
なお、このハンドル継手62とハンドル本体61を用いた嵌着方式のハンドル取付構造は、本出願人の実用新案権である実用新案登録第3135172号の構造を採用するものであり、ビス等を使用せず、工具不要で容易にハンドル部材を散水栓Vに組み込むことができる効果を有している。
【0019】
図1を参照して、外装部材50の組立について説明する。外装部材50は、外装管51、下カバー52及びベース部材53とからなる。
散水栓Vを覆う外装管51は、弁筐体10、駆動部材20を外装するため、駆動部材20に取着されるベース部材53及び弁筐体10に取着される下カバー52の間に装着される。さらに詳しくは、下カバー52は割り型構造を有し、弁箱11の下端縮径部外周に、外側から突き合わせて分割組立式に装着される。下カバー52の外周鍔上に外装管51が載置されると共に、外装管51の上端にベース部材53が装着され、また当該ベース部材53はグランドナット22上端にも載置状に組立てられる。その際前記ベース部材53が外装管51から上方に抜け出さないように、即ち脱落を防止するため、ガイド部材21の溝213に止め輪53aが装着されている。
【0020】
図1を参照して、弁部材としてのピストン41について説明する。弁部材であるピストン41は、弁箱11に設けた第1のシリンダ部11eを摺動する環状パッキン41a、第2のシリンダ部11dを摺動する環状パッキン41b、41cが装着され、さらに環状パッキン41aの上方の側面に排水流入横穴41dを、また環状パッキン41bと環状パッキン41cの間には排水流出横穴41eを、それぞれ縦穴41fに貫通するように設けている。
これにより、
図1の位置では給水可能となり、
図5の位置では水抜き可能となっている。
【0021】
次にガイド部材21の側面対向位置に点対称に設けた一対のスロット211について、
図3を用いて詳細に説明する。
図3は、ガイド部材21の側面に設けたスロット211のみを、一対のスロット211の片側のみを代表的に平面上に展開して示す拡大平面図である。
スロット211の溝幅は、ガイドピン23の直径より若干大きい溝幅で形成され、スロット211の平面展開形状は、前記ガイドピン23が移動するスロット211の中間傾斜部211aを備え、該スロット211の溝上端に連続して上側水平部211b、これに続く逆傾斜部211dのスロット溝が形成される。ここで逆傾斜部211dは、前記中間傾斜部211aとは反対の傾斜をなして形成される。結果的に前記逆傾斜部211dの溝下面位置は、ガイドピン23をその移動経路の最上位置にもたらす上側水平部211bのスロット溝底面位置より低い位置に設定して設けられる。
またスロット211の中間傾斜部211a下端には、連続して下側水平部211e、これに続く逆さ窪み部211cが形成される。当該逆さ窪み部211cの溝上部位置は、ガイドピン23をその移動経路の最下位置にもたらす下側水平部211eのスロット溝上面位置よりも高い位置に設定して設けられる。
【0022】
次に、
図1および
図4を用いて、本発明の散水栓Vに係る給水及び水抜き状態における操作形態について説明すると共に、給水状態における誤作動防止について説明する。
図4は、散水栓Vの給水・水抜き各操作状態におけるガイド部材21のスロット211とこれに係合するガイドピン23の作動位置を示す模式図であり、
図4(a)は給水状態におけるスロット211とガイドピン23の作動位置であり、
図4(b)は水抜き状態におけるスロット211とガイドピン23の作動位置である。
図1の給水状態において、弁箱11の流入口11aから側方流路11bへ流入された水は、弁箱11とピストン41の流路を通って揚水管12、給水金具13内へと供給されるので、給水金具13に取り付けた蛇口の開閉により放水・遮水できる。この時、ピストン41に装着した環状パッキン41cが弁箱11内の第2のシリンダ11dと密着しているので排水されることはなく、また操作杆継手32に装着した環状パッキン32a、32bが給水金具13内のシリンダ13dと密着しているので、作動時の操作杆24の軸封が図られる。
この給水状態において、ガイド部材21のスロット211に係合するガイドピン23の位置は、
図4(a)に示すように上方に設けた逆傾斜部211dの最下端位置を取る。
そしてこの位置では、操作杆24、操作杆継手32、連結シャフト31、ピストン41の全自重よる下方向への荷重がガイドピン23に掛かることになるが、当該ガイドピン23は逆傾斜部211dの最下端位置に留まっていることから、その荷重は却ってガイドピン23をより逆傾斜部211d下端側に嵌まらせる力となるため、ガイドピン23は逆傾斜部211dを遡って移動することはなく、したがって中間傾斜部211a側へ移動することはない。これによって給水状態から水抜き状態になるような誤作動を確実に防止することができる。
【0023】
なお、上記上側水平部211b及び逆傾斜部211dの設計に当たっては、次の点が考慮される。
ガイドピン23の移動経路の最上位置となる上側水平部211bにおけるスロット溝底面位置と逆傾斜部211dの下端の溝下面位置間の距離変差は、その変差が大きいほど散水栓Vの切換え操作上における誤作動を起こりにくくなるので、より一層誤作動をしなくすることができるメリットがある。その反面、ハンドル操作が重くなるので、ハンドル操作初動時の操作力に影響を与えることにもなる。このことからハンドル操作が重くなり過ぎることなく、且つ誤作動防止できる距離変差が求められる。
また、上記誤作動を確実に防止するためには、ハンドル回転操作する場合においても、ガイドピン23を、上側水平部211bを移動して逆傾斜部211dの溝側面を沿わせて下端へと確実に移動させる必要がある。
その際、前記逆傾斜部211dの勾配が大き過ぎる場合には、ハンドル操作によるガイドピン23の移動が上側水平部211bから逆傾斜部211dに移動しにくく、逆傾斜部211dの最下端位置に到らないおそれがあり、逆に勾配が小さ過ぎる場合には、ハンドル操作終了の感知が操作者に伝わらなくなるおそれがある。
そのため、上側水平部211bと逆傾斜部211dの溝形状、逆傾斜部211dの長さと勾配は、上記を考慮した設計となる。
【0024】
図4及び
図1、
図5を用い、給水状態(
図1)から水抜き状態(
図5)へとハンドル操作する場合の操作上の特徴について説明する。
図1に示す給水状態で、ハンドル本体61を所定量回転操作すると、ハンドル継手62を介してその内部を軸方向に摺動する操作杆24が一体的に回転する。
ガイド部材21のスロット211に係合しているガイドピン23は、上記ハンドル本体61の回転操作に伴い、ピストン41等の重量荷重を受けて
図4(a)に示す逆傾斜部211dの最下端に留まっている位置から、図面上先ず上方へと移動し、続いて上側水平部211bを水平移動して中間傾斜部側211aへと向かい、次いで中間傾斜部211aの上方から下方へ移動し、中間傾斜部211aの下端位置でさらに下側水平部211eを水平移動し、最終的に下側水平部211eの溝側端に至りハンドル操作を終了する。(
図4(b)参照)
上記水抜き位置へ切換える際のハンドル操作の最終段において、すなわちガイドピン23が中間傾斜部211aから下側水平部211eに移動する最終段では、ハンドル操作負荷が一時的に軽くなるので、操作者はハンドル操作終了を操作力変化として感知することができる。
【0025】
上記水抜き位置へ切換え操作時において、水抜き位置へのハンドル操作に伴って、操作杆24と嵌合している操作杆継手32は下方に移動するが、回転することなく、この操作杆継手32に連結された連結シャフト31を介してピストン41も所定量下方へ移動し、
図5の水抜き位置となる。
この水抜き位置では、ピストン41に装着の環状パッキン41aが第1のシリンダ部11eに密着し、流入口11aから揚水管12への水の供給は遮断され、一方、環状パッキン41bが第2のシリンダ部11dに密着、環状パッキン41cが第2のシリンダ部11dから離脱されるので、これにより、給水遮断により揚水管12等内部に残留した水は、ピストン41の排水流入横穴41d、縦穴41f、排水流出横穴41eを通じ、さらに逆止弁カートリッジ11g内の逆止弁11hを介し排水口11cを通じて地中へと排水、いわゆる水抜きされる。
【0026】
この水抜き位置において、ガイド部材21のスロット211に係合するガイドピン23の位置は、
図4(b)に示す下側水平部211eの溝側端に停止される。
このピン停止位置では、例えばウォーターハンマーの発生によって間接的にピストン41を上方に移動させようとする力が発生した場合、その力は連結シャフト31、操作杆継手32、操作杆24を介してガイドピン23にも伝達されるとしても、ウォーターハンマーによる上向きの衝撃力は、ガイドピン23を下側水平部211eの溝側端の上方に形成した逆さ窪み部211cに移動させるだけであり、下側水平部211eを水平移動して中間傾斜部211aの下方から上方へ移動することはない。以上から、水抜き位置において、ウォーターハンマーによる水抜き状態から給水状態になるような誤作動を確実に防止することもできる。
もちろんウォーターハンマー衝撃力による荷重解除後は、ガイドピン23は、操作杆24、操作杆継手32、連結シャフト31、ピストン41の自重により、
図4(b)に示すガイドピン位置に戻ることになる。
【0027】
図5の水抜き位置から再度給水位置に操作するためには、上記とは逆回転のハンドル操作を行なえばよい。給水位置へのハンドル回転操作により、ガイドピン23は、
図4(b)に示すスロット211の下側水平部211eの溝側端に停止している位置から中間傾斜部211a側へ水平移動され、続いて下側水平部211e端部に続く中間傾斜部211a下方から中間傾斜部211a上方へ移動され、さらに上側水平部211bを水平移動して最終的に逆傾斜部211dの最下端へと移動される。
ハンドル回転操作により、このガイドピン23の動きに伴うピストン41も所定量上方へ移動されることになり、再び
図1の給水位置へともたらされ、蛇口から水を放水することが可能となる。
給水位置への切換え操作が終わりに近づく段階で、上記のハンドル操作において、ガイドピン23が中間傾斜部211aから上側水平部211bに移動する際、ハンドル操作負荷が一時的に軽くなるので、操作者は操作力変化としてハンドル操作終了を感知することができる。
【0028】
本発明は、実施例に示すような屋外で使用する凍結防止機能を備える寒冷地用の散水栓を例に説明してきたが、これに限定されることなく、それ以外の使用例として、屋内の水道配管の凍結防止に使用するような垂直方向に回転操作するレバー型の水抜栓(例えば本出願人による実開平01−124861号公報)や、ハンドルを回転操作するタイプの水抜栓(例えば本出願人による特開2000−8429号公報)の操作部に本発明のバルブの操作装置と置き換え適用するなどして、本発明の操作装置を採用することも可能である。