特許第6095176号(P6095176)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6095176ロスバスタチンカルシウムの光安定性が向上したフィルムコーティング錠剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095176
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】ロスバスタチンカルシウムの光安定性が向上したフィルムコーティング錠剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/505 20060101AFI20170306BHJP
   A61K 9/30 20060101ALI20170306BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20170306BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20170306BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   A61K31/505
   A61K9/30
   A61K47/02
   A61K47/22
   A61P3/06
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-110019(P2015-110019)
(22)【出願日】2015年5月29日
(65)【公開番号】特開2016-204352(P2016-204352A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2016年8月1日
【審判番号】不服2016-18767(P2016-18767/J1)
【審判請求日】2016年12月14日
(31)【優先権主張番号】特願2015-89861(P2015-89861)
(32)【優先日】2015年4月24日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593030071
【氏名又は名称】大原薬品工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藤井 利文
【合議体】
【審判長】 村上 騎見高
【審判官】 前田 佳与子
【審判官】 松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−182452(JP,A)
【文献】 特表2014−513714(JP,A)
【文献】 特表2010−534644(JP,A)
【文献】 特表2013−537186(JP,A)
【文献】 特表2010−503723(JP,A)
【文献】 特開2015−54851(JP,A)
【文献】 特開2014−141518(JP,A)
【文献】 特開2012−1460(JP,A)
【文献】 特開2011−126906(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/097104(WO,A1)
【文献】 Journal of Photochemistry and Photobiology A:Chemistry,2013年,Vol.252,p.84−92
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/505
CAplus/BIOSIS/MEDLINE/EMBASE/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロスバスタチンカルシウムを素錠全重量に対して1.0〜5.0重量%含有する素錠が、錠剤全重量に対して0.05〜0.5重量%の黄色三二酸化鉄又は三二酸化鉄である着色剤、及び酸化チタンを含有する2層のフィルムコーティング層で覆われた錠剤。
【請求項2】
ロスバスタチンカルシウムを素錠全重量に対して1.0〜5.0重量%含有する素錠が、錠剤全重量に対して0.1〜0.2重量%の黄色三二酸化鉄又は三二酸化鉄である着色剤、及び酸化チタンを含有する2層のフィルムコーティング層で覆われた錠剤。
【請求項3】
フィルムコーティング層にヒプロメロースが含まれる、請求項1又は2に記載の錠剤。
【請求項4】
着色剤が、黄色三二酸化鉄及び三二酸化鉄である、請求項1〜3のいずれかに記載の錠剤。
【請求項5】
ロスバスタチンカルシウムを含有する素錠が、錠剤全重量に対して0.05〜0.5重量%の黄色三二酸化鉄及び三二酸化鉄である着色剤、及び酸化チタンを含有するフィルムコーティング層で覆われた錠剤であって、フィルムコーティング層を形成するためのコーティング剤がヒプロメロースを含み、コーティング剤が錠剤全重量に対して1.0〜5.0重量%の範囲で含有され、フィルムコーティング層が2層からなる錠剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原薬として(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸(一般名:ロスバスタチン)の医薬的に許容し得る塩(特にロスバスタチンカルシウム)を含有する錠剤であり、光に対する原薬の化学的な安定性が改善されたフィルムコーティング錠剤の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロスバスタチンカルシウムは、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoA還元酵素(HMG−CoA還元酵素)の阻害剤として、高脂血症、家族性高コレステロール血症等の治療に用いられている化合物である。ロスバスタチンカルシウムと同じHMG−CoA還元酵素としては、プラバスタチンナトリウム、フルバスタチンナトリウム、アトルバスタチンカルシウム水和物、ピタバスタチンカルシウム、ロスバスタチンカルシウムなどがある。
【0003】
ロスバスタチンカルシウムは光に対して不安定であることが知られ、その錠剤処方は特許文献1〜3を含む複数の先行技術文献で例示されている。特許文献3では、光による分解を防止するために、ロスバスタチンカルシウムを含有する素錠を三二酸化鉄(酸化第二鉄)を含有するフィルムコーティング層で覆う技術が紹介される。しかし特許文献3では、フィルムコーティング層中での三二酸化鉄の好ましい量は記述されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3267960号公報
【特許文献2】特許第4800467号公報
【特許文献3】特許第4800988号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「クレストール(登録商標)錠2.5mg、クレストール(登録商標)錠5mg」インタビューフォーム、2015年1月(改訂13版)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、フィルムコーティング層中に酸化鉄等の遮光剤を高い含量で含まずとも、光照射下で化学的に安定なロスバスタチンカルシウムを含有するフィルムコーティング錠剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者はロスバスタチンカルシウムを含有するフィルムコーティング錠剤において、光照射下での原薬由来の分解物の生成が抑制された錠剤を開発することを目指して、フィルムコーティング層の処方の鋭意検討を開始した。その結果、本発明者は、意外にも、光を遮光する効果が期待される特定の着色剤(三二酸化鉄や黄色三二酸化鉄)を低い割合で含ませた場合において、光照射下での原薬由来の分解物の生成を顕著に抑制させることが可能であることを見出した。本発明者らはさらに鋭意検討を重ねて、下記記載の本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、下記(1)〜(5)の発明に関するものである。
(1)ロスバスタチンカルシウムを含有する素錠が、錠剤全重量に対して0.01〜2.0重量%の着色剤、を含有するフィルムコーティング層で覆われた錠剤。
(2)素錠全重量に対して1.0〜5.0重量%のロスバスタチンカルシウムを含有する、前記(1)に記載の錠剤。
(3)錠剤全重量に対して0.05〜0.5重量%の着色剤を含有する、前記(2)に記載の錠剤。
(4)着色剤が、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、食用赤色3号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用青色1号、褐色酸化鉄、黒酸化鉄、銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム、リボフラビン、緑茶末から選ばれる1つ以上である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の錠剤。
(5)着色剤が、黄色三二酸化鉄又は三二酸化鉄から選ばれる1つ以上である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の錠剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フィルムコーティング層に三二酸化鉄等の着色剤を低い含量で含ませた場合で、光照射下で化学的に顕著に安定なロスバスタチンカルシウムを含有する錠剤を製造することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施例1、2の錠剤及び比較例1の錠剤について、光照射後に分解産物の量を測定した結果を表したものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下で本発明のロスバスタチンカルシウムを含有するフィルムコーティング錠剤の処方及び製造方法を詳細に説明する。但し以下の記載は本発明を説明するための例示であり、本発明をこの記載範囲にのみ限定する趣旨ではない。
【0012】
本発明において使用されるロスバスタチンカルシウムの平均粒子径(光散乱法による測定値)は10.0μm以下のものが好ましく、より好ましくは1.0〜5.0μmである。必要に応じて適宜乾式又は湿式粉砕を行い、任意の粒子径に調整することも可能である。ロスバスタチンカルシウムは素錠部分にのみ含有され、素錠全重量に対して1.0〜5.0重量%の範囲で含有されていることが望ましい。また、ロスバスタチンカルシウムは無晶形であることが好ましい。
【0013】
本発明に係る素錠の製造に用いられる、医薬的に許容可能な添加剤としては、通常使用されている賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、遮光剤等が使用できる。なお、本発明における賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、遮光剤とは「医薬品添加物時点(日本医薬品添加剤協会編集、薬事日報社、2007年発行)」の「用途別索引」で当該名に分類されたものを指す。以下で本発明で用いられる具体的な添加物名称が列挙されるが、本発明で使用可能な医薬的に許容可能な添加剤はそれらに限定されない。
【0014】
使用可能な賦形剤としては、トウモロコシ澱粉、バレイショ澱粉、D−マンニトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、イソマルト、マルチトール、白糖、ショ糖、ブドウ糖、アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、メチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、エチルセルロース等を挙げる事ができるが、好ましくはD−マンニトール又は低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む賦形剤であり、より好ましくはD−マンニトールと低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む賦形剤であり、最も好ましくはD−マンニトールと低置換度ヒドロキシプロピルセルロースからなる賦形剤である。素錠全重量に対して賦形剤は、好ましくは80.0〜90.0重量%の範囲で含まれる。
【0015】
使用可能な崩壊剤としては、例えばトウモロコシ澱粉、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、カンテン末等を挙げる事ができ、好ましくはクロスポビドンである。素錠全重量に対して崩壊剤は3.0〜5.0重量%の範囲で含まれることが好ましい。
【0016】
使用可能な流動化剤としては、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルクなどを挙げることができ、好ましくは軽質無水ケイ酸である。素錠全重量に対して流動化剤は0.1〜1.0重量%の範囲で含まれることが好ましい。
【0017】
使用可能な滑沢剤としては、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、硬化油等を挙げる事ができ、好ましくはステアリン酸マグネシウム及びフマル酸ステアリルナトリウムであり、最も好ましくはステアリン酸マグネシウムである。素錠全重量に対して滑沢剤は0.5〜3.0重量%の範囲で含まれることが好ましい。
【0018】
本発明の錠剤は、光に対するロスバスタチンの化学的安定性を向上させるために素錠表面にフィルム層を形成してフィルムコーティング錠剤とされる。フィルムコーティング層には着色剤が含有され、使用可能な着色剤として黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号、褐色酸化鉄、黒酸化鉄、銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウム等が挙げられるが、好ましくは黄色三二酸化鉄又は三二酸化鉄であり、最も好ましくは黄色三二酸化鉄及び三二酸化鉄である。着色剤は、錠剤全重量に対して好ましくは0.01〜2.0重量%、より好ましくは0.05〜0.5重量%、最も好ましくは0.1〜0.2重量%の範囲で含有される。また、フィルムコーティング層を形成するためのコーティング剤としてはヒプロメロース、ポリビニルアルコール系ポリマー等が挙げられるが、好ましくはヒプロメロースである。コーティング剤は、錠剤全重量に対して好ましくは1.0〜5.0重量%の範囲で含有される。
【0019】
本発明に係る素錠の製造方法としては、湿製法、圧縮打錠法(直打法、セミ直打法、顆粒圧縮法)が挙げられるが、好ましくは直打法である。直打法では通常行われる操作、すなわち原薬と一部の製剤添加物を均一に混合後、さらに滑沢剤などの製剤添加物を加えて均一に混合させた打錠用混合物を回転式打錠機に供給及び打錠して成形することによって、本発明の錠剤が製造される。本発明で得られる錠剤の形状は特に限定されず、円形錠、円形R錠、円形隅角錠、円形2段R錠や異形錠等のいずれの形状でもよいが、フィルムコーティングを施す場合は、R錠等が好ましい。
【0020】
フィルムコーティング錠剤の製造方法については、特に限定されないが、商業的に製造する場合はフィルムコーティング機を用いたコーティング法が用いられる。得られた素錠をフィルムコーティング機に仕込み、フィルム成分を水に懸濁してこれをスプレー・乾燥すれば、本発明のフィルムコーティング錠が得られる。
【実施例】
【0021】
以下、実施例、比較例及び試験例を挙げて本発明を説明するが、本発明をそれらの記載に限定するものではない。
【実施例1】
【0022】
ロスバスタチンカルシウム2.7g、D−マンニトール59.8g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース7.5g、クロスポビドン4.0gをポリエチレン製の袋に投入し、混合した。次いで、この混合物にステアリン酸マグネシウム1.0gを加え、ポリエチレン製の袋にて混合した。次いで、この混合物を、ロータリー式打錠機(菊水製作所:VELA5−M型)を用いて直径5.5mmに圧縮成形し、下記組成の素錠を得た。
次いで前記素錠をコーティング機(DRC−200、パウレック社製)に投入し、これに、予めヒプロメロース0.96g、酸化チタン0.4g、タルク0.6g、三二酸化鉄0.001g、黄色三二酸化鉄0.04gを精製水38gに加え、均一分散させた液を噴霧し、乾燥して1層フィルムコーティング錠を得た。
さらに前記1層フィルムコーティング錠に、予めヒプロメロース1.26g、酸化チタン0.1g、タルク0.6g、三二酸化鉄0.001g、黄色三二酸化鉄0.04gを精製水38gに加え、均一分散させた液を噴霧し、乾燥して2層フィルムコーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
<素錠部分>
ロスバスタチンカルシウム 2.7
D−マンニトール 59.8
低置換ヒドロキシプロピルセルロース 7.5
クロスポピドン 4.0
ステアリン酸マグネシウム 1.0
<フィルムコーティング1層目部分>
ヒプロメロース 0.96
酸化チタン 0.4
タルク 0.6
三二酸化鉄 0.001
黄色三二酸化鉄 0.04
<フィルムコーティング2層目部分>
ヒプロメロース 1.26
酸化チタン 0.1
タルク 0.6
三二酸化鉄 0.001
黄色三二酸化鉄 0.04
【実施例2】
【0023】
実施例1に記載の素錠をコーティング機(DRC−200、パウレック社製)に投入し、これに、予めヒプロメロース0.94g、酸化チタン0.4g、タルク0.6g、三二酸化鉄0.0015g、黄色三二酸化鉄0.06gを精製水38gに加え、均一分散させた液を噴霧し、乾燥して1層フィルムコーティング錠を得た。
さらに前記1層フィルムコーティング錠に、予めヒプロメロース1.28g、酸化チタン0.1g、タルク0.6g、三二酸化鉄0.0005g、黄色三二酸化鉄0.02gを精製水38gに加え、均一分散させた液を噴霧し、乾燥して2層フィルムコーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
<素錠部分>
ロスバスタチンカルシウム 2.7
D−マンニトール 59.8
低置換ヒドロキシプロピルセルロース 7.5
クロスポピドン 4.0
ステアリン酸マグネシウム 1.0
<フィルムコーティング1層目部分>
ヒプロメロース 0.94
酸化チタン 0.4
タルク 0.6
三二酸化鉄 0.0015
黄色三二酸化鉄 0.06
<フィルムコーティング2層目部分>
ヒプロメロース 1.28
酸化チタン 0.1
タルク 0.6
三二酸化鉄 0.0005
黄色三二酸化鉄 0.02
【0024】
<比較例1>
実施例1に記載の素錠をコーティング機(DRC−200、パウレック社製)に投入し、これに、予めヒプロメロース1.0g、酸化チタン0.4g、タルク0.6gを精製水38gに加え、均一分散させた液を噴霧し、乾燥して1層フィルムコーティング錠を得た。
さらに前記1層フィルムコーティング錠に、予めヒプロメロース1.3g、酸化チタン0.1g、タルク0.6gを精製水38gに加え、均一分散させた液を噴霧し、乾燥して2層フィルムコーティング錠を得た。
[成 分] [1錠当たりの重量(mg)]
<素錠部分>
ロスバスタチンカルシウム 2.7
D−マンニトール 59.8
低置換ヒドロキシプロピルセルロース 7.5
クロスポピドン 4.0
ステアリン酸マグネシウム 1.0
<フィルムコーティング1層目部分>
ヒプロメロース 1.0
酸化チタン 0.4
タルク 0.6
<フィルムコーティング1層目部分>
ヒプロメロース 1.3
酸化チタン 0.1
タルク 0.6
【0025】
〔試験例1〕光照射後の分解物量の測定
実施例1、2の錠剤並びに比較例1の錠剤について、D65昼光色光源にて3000lxを400時間、合計120万lx・hr照射した後、HPLC法を用いて分解産物の量を測定した。光照射後の各錠剤中の分解物量の測定結果は図1に示す。測定した光分解物A、Bの構造式は以下に記載される。また、光照射前では実施例1、2の錠剤並びに比較例1の錠剤中の光分解物A、Bの含量は測定出来ないほどに低かった。
【0026】
光照射後の実施例1、2の錠剤では、光分解物A、Bの含量は測定が出来ないほどに低かったが、光照射後の比較例1の錠剤では、光分解物A、Bの含量(各0.619%、0.653%)は測定でき、有意に高かった。よって、本発明の錠剤は光に対する原薬の化学的安定性が有意に高いことが示された。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明によれば、フィルムコーティング層に三二酸化鉄等の着色剤を低い含量で含んでも、光照射下で化学的に安定なロスバスタチンカルシウムを含有する錠剤を製造することができ、高品質な錠剤を医療現場意に提供することを可能とする。
図1