特許第6095180号(P6095180)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6095180
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/655 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
   H01R13/655
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-192901(P2015-192901)
(22)【出願日】2015年9月30日
【審査請求日】2016年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091557
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 修
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智幸
(72)【発明者】
【氏名】橋口 徹
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−162902(JP,A)
【文献】 特許第3283468(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/648−13/658
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド電線に電気的に接続されるコンタクトを保持する絶縁保持部材と前記絶縁保持部材を包囲する第1シールド部材とを有するコネクタ本体と、
前記シールド電線のシールド部と前記第1シールド部材とを電気的に接続する第2シールド部材と、
前記第2シールド部材を収容するとともに前記シールド電線を通す貫通空間を有し、前記コネクタ本体に連結される収容部材と
を備えたコネクタにおいて、
前記第2シールド部材は、前記コネクタ本体から離れる方向へ延びる少なくとも1つの第1弾性接触片を有し、
前記収容部材は、前記コネクタ本体に前記収容部材を連結したとき、前記第1弾性接触片を押して、前記第1弾性接触片を前記シールド電線に近づけるように撓ませる加圧部を有し、
前記第1弾性接触片は、前記コネクタ本体に前記収容部材が連結されたとき、前記シールド部に接触している湾曲部と、前記湾曲部に連なり前記コネクタ本体から離れるにしたがって前記シールド電線に近づくように傾斜している傾斜部とを有し、
前記コネクタ本体に前記収容部材が連結されたとき、前記第1弾性接触片が前記加圧部に接触している
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記第1弾性接触片が板状であり、
前記湾曲部が前記コネクタ本体側に曲がっている
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記加圧部が、前記コネクタ本体から離れるにしたがって前記シールド電線に近づくように傾斜する加圧部側傾斜面を有し、前記加圧部側傾斜面が円錐面であり、
前記コネクタ本体と前記収容部材との一方は雌ねじ部を有し、前記コネクタ本体と前記収容部材との他方は前記雌ねじ部に対応する雄ねじ部を有し、
前記雌ねじ部に前記雄ねじ部を嵌めることにより前記コネクタ本体と前記収容部材とが連結される
ことを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記収容部材と前記第2シールド部材とがそれぞれ筒状であり、
前記傾斜部が傾斜面を有し、
前記コネクタ本体に前記収容部材が連結される前、前記傾斜面の傾斜方向と前記第2シールド部材の中心軸とのなす角度と、前記加圧部側傾斜面の傾斜方向と前記収容部材の中心軸とのなす角度とが等しい
ことを特徴とする請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第1弾性接触片が複数存在し、複数の前記第1弾性接触片が周方向へ等間隔に配置されている
ことを特徴とする請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記シールド電線は、内部導体部と、前記内部導体部を被覆する内側絶縁被覆部と、前記内側絶縁被覆部を覆う編組と、前記編組を被覆する外側絶縁被覆部とを有し、
前記シールド部が、
前記編組と、前記外側絶縁被覆部の先端部を覆うように折り返された前記編組の露出部分を介して前記外側絶縁被覆部に巻き付けられたシールドテープとで構成されている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第2シールド部材は、前記第1シールド部材に接触する第2弾性接触片を有する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記第2シールド部材は一体形成されている
ことを特徴とする請求項7に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図16図17に示すように、シールド電極920と、シールド電極920をシールド電線980の編組線982に接触させるためのリング部材970とを備えたシールドコネクタが知られている(下記特許文献1参照)。この文献には次のような内容が記載されている。
【0003】
シールド電極920は、端子金具950を保持する筒状のハウジング910に収容され、保持されている。シールド電極920は筒状であり、複数の帯板片924を有する。複数の帯板片924はシールド電極920の一端部に位置し、周方向に沿って等間隔に配置されている。複数の帯板片924はハウジング910の端子金具挿入部916内に突出している。
【0004】
リング部材970は筒状であり、リング部材970の内周面には周方向に沿って等間隔に突壁971が形成されている。突壁971は、傾斜面である押さえ面971Aと、リング部材970の中心軸とほぼ平行な内面971Bとを有する。
【0005】
リング部材970にシールド電線980が通され、シールド電線980の内線981の芯線に端子金具950が接続されている。
【0006】
端子金具950をハウジング910の端子収容室913に収容した後、リング部材970をハウジング910の端子金具挿入部916に挿入する。このとき、リング部材970の突壁971の押さえ面971Aがシールド電極920の帯板片924の外側面に被さるように進入するので、リング部材970が端子金具挿入部916に押し込まれるにつれて帯板片924の先端部が内側(シールド電線980に近づく方向)に曲がり、最終的にはシールド電線980の編組線982と突壁971の内面971Bとの間に入り込む。その結果、帯板片924が編組線982に接触し、シールド電極920とシールド電線980の編組線982とが電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−88051
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のシールドコネクタには次のような問題がある。
【0009】
リング部材970をハウジング910の端子金具挿入部916に挿入したとき、例えば、ハウジング910、シールド電極920、リング部材970等のシールドコネクタを構成する各種の部品の製造誤差や、部品の組付け精度の誤差の累積等に起因して、突壁971の押さえ面971Aに帯板片924が最初に接触する位置が、設計上の理想とする位置からずれていると、帯板片924の先端部が内側に曲がっていくにしたがって、帯板片924の先端部の位置と設計上の理想とする位置とのずれが徐々に大きくなり、帯板片924がシールド電線980の編組線982と突壁971の内面971Bとの間に入り込まなくなるおそれがある。
【0010】
この場合、帯板片924がシールド電線980の編組線982の外周面と突壁971の押さえ面971Aとの間に形成される空間内で変形すると予想され、帯板片924が編組線982に接触しないか、帯板片924が編組線982に接触していたとしても、その接触状態は安定しないと考えられる。
【0011】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は、第2シールド部材とシールド電線のシールド部との接触安定性を確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するため請求項1記載の発明は、シールド電線に電気的に接続されるコンタクトを保持する絶縁保持部材と前記絶縁保持部材を包囲する第1シールド部材とを有するコネクタ本体と、前記シールド電線のシールド部と前記第1シールド部材とを電気的に接続する第2シールド部材と、前記第2シールド部材を収容するとともに前記シールド電線を通す貫通空間を有し、前記コネクタ本体に連結される収容部材とを備えたコネクタにおいて、前記第2シールド部材は、前記コネクタ本体から離れる方向へ延びる少なくとも1つの第1弾性接触片を有し、前記収容部材は、前記コネクタ本体に前記収容部材を連結したとき、前記第1弾性接触片を押して、前記第1弾性接触片を前記シールド電線に近づけるように撓ませる加圧部を有し、前記第1弾性接触片は、前記コネクタ本体に前記収容部材が連結されたとき、前記シールド部に接触している湾曲部と、前記湾曲部に連なり前記コネクタ本体から離れるにしたがって前記シールド電線に近づくように傾斜している傾斜部とを有し、前記コネクタ本体に前記収容部材が連結されたとき、前記第1弾性接触片が前記加圧部に接触している。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のコネクタにおいて、前記第1弾性接触片が板状であり、前記湾曲部が前記コネクタ本体側に曲がっていることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載のコネクタにおいて、前記加圧部が、前記コネクタ本体から離れるにしたがって前記シールド電線に近づくように傾斜する加圧部側傾斜面を有し、前記加圧部側傾斜面が円錐面であり、前記コネクタ本体と前記収容部材との一方は雌ねじ部を有し、前記コネクタ本体と前記収容部材との他方は前記雌ねじ部に対応する雄ねじ部を有し、前記雌ねじ部に前記雄ねじ部を嵌めることにより前記コネクタ本体と前記収容部材とが連結されることを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載のコネクタにおいて、前記収容部材と前記第2シールド部材とがそれぞれ筒状であり、前記傾斜部が傾斜面を有し、前記コネクタ本体に前記収容部材が連結される前、前記傾斜面の傾斜方向と前記第2シールド部材の中心軸とのなす角度と、前記加圧部側傾斜面の傾斜方向と前記収容部材の中心軸とのなす角度とが等しいことを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載のコネクタにおいて、前記第1弾性接触片が複数存在し、複数の前記第1弾性接触片が周方向へ等間隔に配置されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記シールド電線は、内部導体部と、前記内部導体部を被覆する内側絶縁被覆部と、前記内側絶縁被覆部を覆う編組と、前記編組を被覆する外側絶縁被覆部とを有し、前記シールド部が、前記編組と、前記外側絶縁被覆部の先端部を覆うように折り返された前記編組の露出部分を介して前記外側絶縁被覆部に巻き付けられたシールドテープとで構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、前記第2シールド部材は、前記第1シールド部材に接触する第2弾性接触片を有することを特徴とする。
【0019】
請求項8記載の発明は、請求項7に記載のコネクタにおいて、前記第2シールド部材は一体形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、第2シールド部材とシールド電線のシールド部との接触安定性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】この発明の一実施形態に係るプラグコネクタの正面図である。
図2図1に示すプラグコネクタの側面図である。
図3図1のIII-III線に沿う断面図である。
図4図1に示すプラグコネクタのバレルにエンドベルを連結する前の状態を示す断面図である。但し、シールド電線の図示が省略されている。
図5図1に示すプラグコネクタのバレルにエンドベルを連結し、更にエンドベルにグランドナットを連結した状態を示す断面図である。
図6図1に示すプラグコネクタの第1シールド部材及び第2シールド部材の斜視図である。
図7図1に示すプラグコネクタの第2シールド部材の第1弾性接触片の先端部の拡大図である。
図8】バレル内に収容された第1シールド部材内にハウジングが挿入される前の状態を示す断面図である。但し、シールド電線の断面は示されていない。
図9】ハウジングが第1シールド部材に挿入され、エンドベルがバレルに連結される前の状態を示す断面図である。但し、シールド電線の断面は示されていない。
図10】エンドベルがバレルに連結され、グランドナットがエンドベルに連結される前の状態を示す断面図である。但し、シールド電線の断面は示されていない。
図11】エンドベルがバレルに連結される途中の第2シールド部材の第1弾性接触片の状態を示す部分拡大断面図である。但し、シールド電線及びハウジングの断面は示されていない。
図12】エンドベルがバレルに連結されたときの第2シールド部材の第1弾性接触片の状態を示す部分拡大断面図である。但し、シールド電線及びハウジングの断面は示されていない。
図13図1に示すプラグコネクタをレセプタクルコネクタに接続する前の状態を示す斜視図である。
図14図1に示すプラグコネクタの第1変形例の第1弾性接触片の先端部の拡大図である。
図15図1に示すプラグコネクタの第2変形例の第1弾性接触片の先端部の拡大図である。
図16】従来のシールドコネクタのシールド電極の一部とリング部材の一部とを示す斜視図である。
図17】ハウジングにリング部材が挿入された状態を示すシールドコネクタの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1図3に示すように、プラグコネクタ(コネクタ)10はコネクタ本体11と第2シールド部材12とエンドベル(収容部材)13とブッシング14とワッシャ15とグランドナット16とを備えている。
【0024】
プラグコネクタ10は、ピンコンタクト71を備えたレセプタクルコネクタ70に接続される(図13参照)。レセプタクルコネクタ70は例えば電子機器のパネル72に固定されて使用される。
【0025】
図4図5に示すように、コネクタ本体11はハウジング(絶縁保持部材)2と第1シールド部材3とバレル4とカップリングナット17とを有する。
【0026】
ハウジング2は円柱状であり、合成樹脂で形成されている。ハウジング2は複数のコンタクト収容孔21を有する。各コンタクト収容孔21内にはソケットコンタクト(コンタクト)1が収容され、保持される。ハウジング2の外周面にはキー22が形成されている。
【0027】
複数のソケットコンタクト1はそれぞれ複数のシールド電線18の内部導体部(図示せず)に電気的に接続される。シールド電線18は、複数の内部導体部と、複数の内部導体部をそれぞれ被覆する内側絶縁被覆部181と、複数の内側絶縁被覆部を覆う編組183と、編組183を被覆する外側絶縁被覆部184とを有する(図8参照)。編組183の一端部は露出し、その露出部分は折り返され、シールドテープ185によって外側絶縁被覆部184の外周面に保持されている。編組183の露出部分は折り返される前、ほぐされ、一定の長さに切り揃えられる。この実施形態では、編組183とシールドテープ185とでシールド電線18のシールド部186が構成されている。
【0028】
第1シールド部材3は円筒状であり、ハウジング2を包囲する。第1シールド部材3は円筒部31と複数の接触片32とを有する(図6参照)。第1シールド部材3は例えば銅合金板に打抜き加工及び曲げ加工を施すことによって形成され、円筒部31と接触片32とが一体に形成されている。
【0029】
バレル4は円筒状であり、例えば合成樹脂で形成されている。バレル4の一端部の外周面には雄ねじ41とシール溝45とが形成されている。シール溝45にはOリング47が収容されている。バレル4の中間部の外周面には第1フランジ部42と第2フランジ部43とが形成され、第1フランジ部42と第2フランジ部43との間に周方向へ延びる溝44が形成される。溝44には後述するカップリングナット17の突起部171が収容される。バレル4の他端部の外周面にはシール溝46が形成されている。シール溝46にはOリング48が収容されている。バレル4の一端部の内周面にはキー溝49が形成されている(図4参照)。キー溝49はハウジング2のキー22を受け入れる。
【0030】
第2シールド部材12は円筒状であり、その一端部は第1シールド部材3の一端部の外周面に装着される。第2シールド部材12にはシールド電線18が通される。第2シールド部材12はシールド電線18のシールド部186と第1シールド部材3とを電気的に接続する部品である。第2シールド部材12は円筒部121と複数の第1弾性接触片122と複数の第2弾性接触片123(図4には1つの第2弾性接触片123だけが現れている)とを有する。第2シールド部材12は例えば銅合金板に打抜き加工及び曲げ加工を施すことによって形成され、円筒部121と第1弾性接触片122と第2弾性接触片123とが一体に形成される。
【0031】
複数の第1弾性接触片122は円筒部121の一端部に連なり、円筒部121の周方向に沿って等間隔に配置されている。各第1弾性接触片122は支持部1221と傾斜部1222と湾曲部1223とを有する(図6図7参照)。支持部1221は円筒部121の一端部に連なり、第2シールド部材12の中心軸C12(図3参照)に沿ってコネクタ本体11から離れる方向へ延びる。傾斜部1222は支持部1221に連なり、コネクタ本体11から離れるにしたがってシールド電線18に近づくように傾斜している。傾斜部1222は平板状であり、シールド電線18に向かって直線的に延びる傾斜面1222Aを有する。傾斜面1222Aは後述する加圧部からの力を受ける面である。湾曲部1223は傾斜部1222に連なり、支持部1221よりもエンドベル13の中心軸C13に近い位置にある。湾曲部1223はコネクタ本体11側に曲がっている。湾曲部1223は、コネクタ本体11にエンドベル13を連結したとき、シールド電線18のシールド部186に接触する。第2弾性接触片123は、円筒部121に形成され、第2シールド部材12が第1シールド部材3の一端部の外周面に装着されたとき、第1シールド部材3の接触片32に接触する。
【0032】
エンドベル13は円筒状であり、例えば合成樹脂で形成されている。エンドベル13はシールド電線18を通す貫通空間131(図4参照)を有する。エンドベル13の一端部の内周面には雌ねじ131Aが形成されている。雌ねじ131Aはバレル4の雄ねじ41に対応する。エンドベル13の他端部の内周面には加圧部132が形成されている。加圧部132はテーパー状の傾斜面(加圧部側傾斜面)132Aを有する。加圧部132は、バレル4の雄ねじ41にエンドベル13の雌ねじ131Aをねじ込んだとき、第1弾性接触片122の傾斜部1222を押して、第1弾性接触片122をシールド電線18に近づけるように撓ませる機能を有する(図12参照)。エンドベル13の他端部の外周面には雄ねじ131Bが形成されている。
【0033】
エンドベル13がバレル4に連結されていないとき、図4に示すように、傾斜部1222の傾斜面1222Aの傾斜方向S1と第2シールド部材12の中心軸C12(中心軸C12と図3に示されるバレル4の中心軸C4とは一致している)とのなす角度θ1と、加圧部132の傾斜面132Aの傾斜方向S2とエンドベル13の中心軸C13(中心軸C13と図3に示されるバレル4の中心軸C4とは一致している)とのなす角度θ2とが等しい。この「等しい」は厳密な意味で一致しているということではなく、両方の角度θ1,θ2の間にわずかな差がある場合も含まれる意味である。
【0034】
ブッシング14は例えば合成ゴムで形成されている。ブッシング14の一端部はエンドベル13の貫通空間131に挿入される。
【0035】
ワッシャ15は例えば合成樹脂で形成されている。ワッシャ15は、グランドナット16をエンドベル13に連結するとき、グランドナット16の回転がブッシング14に伝わらないようにする機能を有する。
【0036】
グランドナット16は円筒状であり、例えば合成樹脂で形成されている。グランドナット16にはブッシング14とワッシャ15とが収容される。グランドナット16の内周面には雌ねじ161が形成されている(図3参照)。雌ねじ161には、エンドベル13の雄ねじ131Bがねじ込まれる。雌ねじ161に雄ねじ131Bをねじ込むことによってグランドナット16はブッシング14とワッシャ15とを収容した状態でエンドベル13に連結される。グランドナット16の一端部の半分は切除されて、切欠き部162が形成されている。切欠き部162にはクランプサドル163が配置され、クランプサドル163がグランドナット16にボルト164で連結されている(図2参照)。ボルト164をクランプサドル163のねじ孔(図示せず)にねじ込むと、シールド電線18がクランプサドル163とグランドナット16とで挟まれた状態で支持される。
【0037】
カップリングナット17は円筒状であり、例えば合成樹脂で形成されている。カップリングナット17の内周面には周方向へ延びる突起部171が形成されている。突起部171はバレル4の溝44に緩く嵌り、カップリングナット17がバレル4に回転可能に装着される。カップリングナット17内にはスプリング172が収容され、スプリング172の一端部がカップリングナット17に固定され、他端部がバレル4に固定される。カップリングナット17が回転したとき、カップリングナット17を元の位置に戻そうとする、スプリング172の復帰力が生じる。
【0038】
次に、プラグコネクタ10の組立手順について説明する。
プラグコネクタ10の組立の前に予め、図8に示すように、グランドナット16、ワッシャ15、ブッシング14、エンドベル13及び第2シールド部材12にシールド電線18を通し、シールド電線18の内部導体部に接続されたソケットコンタクト1をハウジング2のコンタクト収容孔21に挿入しておく。更に、Oリング47,48、カップリングナット17、スプリング172及び第1シールド部材3を、予めバレル4に組み付けておく。
【0039】
まず、ハウジング2をバレル4内の第1シールド部材3に挿入する(図9参照)。
【0040】
次に、第2シールド部材12の一端部を第1シールド部材3の一端部の外周面に装着する。これにより、第2シールド部材12の第2弾性接触片123が第1シールド部材3の接触片32に接触し、第1シールド部材3と第2シールド部材12とが電気的に接続される。
【0041】
その後、エンドベル13の雌ねじ131Aをバレル4の雄ねじ41にねじ込む(図10参照)。これにより、バレル4にエンドベル13が連結され、第2シールド部材12がエンドベル13内に収容される。
【0042】
エンドベル13がバレル4に連結されるとき、エンドベル13の加圧部132によって第2シールド部材12の傾斜部1222が押され(図11参照)、傾斜部1222の傾斜面1222Aが加圧部132の傾斜面132A上を相対的にシールド電線18に向かって滑るので、第1弾性接触片122はシールド電線18に近づくように撓む(図12参照)。その結果、第1弾性接触片122の湾曲部1223がシールド電線18のシールド部186に接触し、第1シールド部材3とシールド電線18のシールド部186とが電気的に接続される。
【0043】
最後に、クランプサドル163のボルト164を締め込み、シールド電線18をクランプする。
【0044】
以上の工程を経てプラグコネクタ10の組立が完了する。
【0045】
この実施形態によれば、第2シールド部材12の第1弾性接触片122がコネクタ本体11から離れるにしたがってシールド電線18に近づくように傾斜する傾斜部1222を有するので、傾斜部1222がエンドベル13の加圧部132によって押されてから湾曲部1223がシールド電線18のシールドテープ185に接触するまでの湾曲部1223の移動距離を小さくすることができる。したがって、プラグコネクタ10を構成する各種の部品の製造誤差や、部品の組付け精度の誤差の累積等に起因して、加圧部132が傾斜部1222を押し始めたときの加圧部132に対する傾斜部1222の位置が理想の位置からずれているときにおいても、加圧部132が傾斜部1222を押し始めてから湾曲部1223がシールド電線18のシールド部186に接触するまでの湾曲部1223の移動量が小さいため、加圧部132に対する傾斜部1222の位置ずれによって生じる悪影響を小さくすることができ、湾曲部1223がシールド電線18のシールド部186に確実に接触するので、シールド電線18のシールド部186と第2シールド部材12との接触安定性が確保される。
【0046】
また、傾斜部1222の傾斜面1222Aの傾斜方向S1と第2シールド部材12の中心軸C12とのなす角度θ1と、加圧部132の傾斜面132Aの傾斜方向S2とエンドベル13の中心軸C13とのなす角度θ2とが等しいので、バレル4の雄ねじ41にエンドベル13の雌ねじ131Aをねじ込むとき、傾斜部1222の傾斜面1222Aと加圧部132の傾斜面132Aとの間に生ずる摩擦抵抗は小さいため、エンドベル13の締込み力が大きくならないとともに、第1弾性接触片122がエンドベル13の回転方向へ変形しにくくなる。その結果、バレル4にエンドベル13を連結する作業が容易になるとともに、湾曲部1223をシールド電線18のシールド部186に確実に接触させることができる。
【0047】
次に、図1に示す実施形態の第1変形例、第2変形例を図14図15に基づいて説明する。
【0048】
図1に示す実施形態と第1変形例、第2変形例との相違点は、第1弾性接触片の先端側の部分の形状である。図1に示す実施形態との共通部分については同一符号を付してその説明を省略する。以下、図1に示す実施形態との主な相違部分についてだけ説明する。
【0049】
図1に示す実施形態では支持部1221に傾斜部1222が連なり、傾斜部1222に湾曲部1223が連なっているが、図14に示す第1変形例の第1弾性接触片2122では、支持部1221に連結部2124が連なり、連結部2124に湾曲部21223が連なり、湾曲部21223に傾斜部21222が連なっている。湾曲部21223の曲げ方向は第1実施形態の湾曲部1223と逆である。連結部2124と傾斜部21222とはほぼ平行である。
【0050】
第1変形例は、図1に示す実施形態と同様の効果を奏する。
【0051】
図15に示す第2変形例の第1弾性接触片3122では、支持部1221に傾斜部1222が連なり、傾斜部1222に湾曲部31223が連なっている。傾斜部1222は第1実施形態と同様に支持部1221に連なるが、湾曲部31223の曲げ方向は第1実施形態の湾曲部1223と逆である。
【0052】
第2変形例は、図1に示す実施形態と同様の効果を奏する。
【0053】
なお、図1に示す実施形態では、バレル4は合成樹脂製であるが、バレル4を導電性を有する材料で形成してもよい。この場合、バレル4が第1シールド部材となり、第2弾性接触片123をバレル4の内周面に接触させればよい。このようにすれば、第1シールド部材3は不要になる。
【0054】
また、エンドベル13も合成樹脂製であるが、エンドベル13を導電性を有する材料で形成してもよい。
【0055】
なお、図1に示す実施形態では、エンドベル13の雌ねじ131Aをバレル4の雄ねじ41にねじ込むことによってエンドベル13をバレル4に連結するようにしたが、エンドベル13をバレル4に連結する手段はこれに限られない。
【0056】
また、図1に示す実施形態では、エンドベル13の加圧部132はテーパー状の1つの傾斜面132Aを有するが、加圧部は1つである必要はない。例えば、それぞれ傾斜面を有する複数の突起部(図示せず)をエンドベル13の内周面に周方向に沿って等間隔に並べるようにしてもよい。この場合、エンドベル13をバレル4に連結する連結手段としては、エンドベル13をバレル4の中心軸C4に沿って押し込むことによってエンドベル13がバレル4に連結されるものがよい。この連結手段としては、例えば、バレル4の中心軸C4と直交する方向へ撓むことができるロックアーム(図示せず)と、ロックアームの爪が引っ掛けられる凹部(図示せず)とで構成される公知の連結手段がある。
【0057】
なお、図1に示す実施形態では、プラグコネクタ10にソケットコンタクト1を用い、レセプタクルコネクタ70にピンコンタクト71を用いたが、この関係は逆でもよい。すなわち、プラグコネクタにピンコンタクトを用い、レセプタクルコネクタにソケットコンタクトを用いてもよい。
【0058】
また、図1に示す実施形態では、バレル4に雄ねじ41を設け、エンドベル13に雌ねじ131Aを設けたが、バレル4に雌ねじを設け、エンドベル13に雄ねじを設けてもよい。
【0059】
なお、図1に示す実施形態では、第2シールド部材12は複数の第1弾性接触片122を有するが、第2シールド部材12の第1弾性接触片122は1つでもよい。
【0060】
また、図1に示す実施形態では、傾斜部1222は平板状であり、シールド電線18に向かって直線的に延びる傾斜面1222Aを有するが、傾斜部1222はこのような形状に限られるものではなく、コネクタ本体11から離れるにしたがってシールド電線18に近づくように傾斜している形状であればよい。また、図1に示す実施形態では、第1弾性接触片122を支持部1221と傾斜部1222と湾曲部1223とで構成したが、第1弾性接触片を傾斜部と湾曲部との2つの要素で構成してもよい。この場合、傾斜部(図示せず)の一端は円筒部121に連なり、他端は湾曲部に連なる。傾斜部は、コネクタ本体11から離れるにしたがってシールド電線18に近づくように傾斜している。
【0061】
なお、図1に示す実施形態では、エンドベル13の加圧部132はテーパー状の傾斜面132Aを有するが、傾斜面132Aは必ずしも必要ではない。加圧部の形状は、第1弾性接触片122の傾斜部1222を押して、第1弾性接触片122をシールド電線18に近づけるように撓ませることができる形状であればよい。
【0062】
また、図1に示す実施形態では、シールド電線18のシールド部186が編組183とシールドテープ185とで構成されているが、本願発明のシールド電線のシールド部にはこれ以外の様々なシールド部が含まれ、例えば、上述の特許文献1の先行技術のように、シールド電線980のシールド部が編組線982だけで構成されているものも含まれる。
【0063】
なお、図1に示す実施形態では、バレル4にエンドベル13が連結されたとき、エンドベル13の加圧部132が第2シールド部材12の支持部1221に接触しているが、加圧部132が第2シールド部材12の傾斜部1222に接触することもあり得る。また、図示しない他の実施形態では、湾曲部に接触することもあり得る。
【符号の説明】
【0064】
1:ソケットコンタクト(コンタクト)
2:ハウジング(絶縁保持部材)
21:コンタクト収容孔
22:キー
3:第1シールド部材
31:円筒部
32:接触片
4:バレル
41:雄ねじ
42:第1フランジ部
43:第2フランジ部
44:溝
45,46:シール溝
47,48:Oリング
49:キー溝
10:プラグコネクタ(コネクタ)
11:コネクタ本体
12:第2シールド部材
121:円筒部
122,2122,3122:第1弾性接触片
1221:支持部
1222,21222:傾斜部
1222A:傾斜面
1223,21223,31223:湾曲部
123:第2弾性接触片
13:エンドベル(収容部材)
131:貫通空間
131A:雌ねじ
131B:雄ねじ
132:加圧部
132A:傾斜面(加圧部側傾斜面)
14:ブッシング
15:ワッシャ
16:グランドナット
161:雌ねじ
162:切欠き部
163:クランプサドル
164:ボルト
17:カップリングナット
171:突起部
172:スプリング
18:シールド電線
181:内側絶縁被覆部
183:編組
184:外側絶縁被覆部
185:シールドテープ
186:シールド部
70:レセプタクルコネクタ
71:ピンコンタクト
72:パネル
2124:連結部
C4:バレル4の中心軸
C12:第2シールド部材12の中心軸
C13:エンドベル13の中心軸
S1:傾斜部1222の傾斜面1222Aの傾斜方向
S2:加圧部132の傾斜面132Aの傾斜方向
θ1:傾斜部1222の傾斜面1222Aの傾斜方向S1と第2シールド部材12の中心軸C12とのなす角度
θ2:加圧部132の傾斜面132Aの傾斜方向S2とエンドベル13の中心軸C13とのなす角度
【要約】
【課題】第2シールド部材とシールド電線のシールド部との接触安定性を確保する。
【解決手段】第2シールド部材12の第1弾性接触片122に、コネクタ本体11から離れるにしたがってシールド電線18に近づくように傾斜する傾斜部1222を設け、傾斜部1222の先端に湾曲部1223を設けた。コネクタ本体11のバレル4にエンドベル13を連結すると、傾斜部1222がエンドベル13の加圧部132に押されて第1弾性接触片122がシールド電線18に近づくように撓み、湾曲部1223はシールド電線18のシールドテープ185に接触する。プラグコネクタ10を構成する各種の部品の製造誤差や、部品の組付け精度の誤差の累積等に起因して、加圧部132が傾斜部1222を押し始めたときの加圧部132に対する傾斜部1222の位置が理想の位置からずれていていたときにおいても、湾曲部1223がシールド部186に確実に接触する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17