特許第6095190号(P6095190)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 松山株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6095190-畦塗り機 図000002
  • 特許6095190-畦塗り機 図000003
  • 特許6095190-畦塗り機 図000004
  • 特許6095190-畦塗り機 図000005
  • 特許6095190-畦塗り機 図000006
  • 特許6095190-畦塗り機 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6095190
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】畦塗り機
(51)【国際特許分類】
   A01B 35/00 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
   A01B35/00 C
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-196221(P2016-196221)
(22)【出願日】2016年10月4日
【審査請求日】2016年11月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】谷澤 勉
(72)【発明者】
【氏名】田副 隼
(72)【発明者】
【氏名】大村 英昭
【審査官】 木村 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−313603(JP,A)
【文献】 特開2014−097043(JP,A)
【文献】 特開2015−144613(JP,A)
【文献】 特開2001−148904(JP,A)
【文献】 特開2014−128288(JP,A)
【文献】 特開2002−305903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
土を盛り上げる盛土体と、
回転しながら前記盛土体による盛土を締め固めて畦側面を形成する畦側面形成体とを備え、
前記畦側面形成体は、
係合受け部を有するベース部材と、
このベース部材に取り付けられた複数の畦側面形成板とを有し、
前記畦側面形成板は、前記係合受け部と係合する位置決め用の係合部を有する、畦塗り機であって、
前記ベース部材は、ボルト用孔部を有し、
前記畦側面形成板は、ナット部を有し、
前記ベース部材の前記係合受け部と前記畦側面形成板の前記係合部との係合によって、前記ナット部が前記ボルト用孔部との対向位置に位置する
ことを特徴とする畦塗り機。
【請求項2】
畦側面形成板は、係合部を回転方向前端側に有し、ナット部を回転方向後端側に有する
ことを特徴とする請求項記載の畦塗り機。
【請求項3】
係合受け部および係合部のいずれか一方は、孔部であり、
前記係合受け部および前記係合部のいずれか他方は、前記孔部に挿入されて引っ掛かるフック部である
ことを特徴とする請求項1または2記載の畦塗り機。
【請求項4】
ベース部材は、円錐台状に形成され、
畦側面形成板は、前記円錐台状のベース部材と重ならない非重なり部分を回転中心側とは反対側に有する
ことを特徴とする請求項1ないしのいずれか一記載の畦塗り機。
【請求項5】
互いに隣り合う両畦側面形成板同士は、互いに連結されておらず、
前記両畦側面形成板間には、隙間が存在する
ことを特徴とする請求項1ないしのいずれか一記載の畦塗り機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畦塗り作業をする畦塗り機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された畦塗り機が知られている。
【0003】
この従来の畦塗り機は、土を盛り上げる盛土体と、回転しながら盛土体による盛土を締め固めて畦側面を形成する畦側面形成体とを備え、この畦側面形成体は、円錐台状のベース部材と、このベース部材に取り付けられた複数の畦側面形成板(修復羽根)とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−148904号公報(図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の畦塗り機では、ベース部材に対する畦側面形成板の位置決めに手間取り、ベース部材に対して畦側面形成板を容易に取り付けることができないおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ベース部材に対して畦側面形成板を容易に取り付けることができる畦塗り機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
求項記載の畦塗り機は、土を盛り上げる盛土体と、回転しながら前記盛土体による盛土を締め固めて畦側面を形成する畦側面形成体とを備え、前記畦側面形成体は、係合受け部を有するベース部材と、このベース部材に取り付けられた複数の畦側面形成板とを有し、前記畦側面形成板は、前記係合受け部と係合する位置決め用の係合部を有する、畦塗り機であって、前記ベース部材は、ボルト用孔部を有し、前記畦側面形成板は、ナット部を有し、前記ベース部材の前記係合受け部と前記畦側面形成板の前記係合部との係合によって、前記ナット部が前記ボルト用孔部との対向位置に位置するものである。
【0008】
請求項記載の畦塗り機は、請求項記載の畦塗り機において、畦側面形成板は、係合部を回転方向前端側に有し、ナット部を回転方向後端側に有するものである。
【0009】
請求項記載の畦塗り機は、請求項1または2記載の畦塗り機において、係合受け部および係合部のいずれか一方は、孔部であり、前記係合受け部および前記係合部のいずれか他方は、前記孔部に挿入されて引っ掛かるフック部であるものである。
【0010】
請求項記載の畦塗り機は、請求項1ないしのいずれか一記載の畦塗り機において、ベース部材は、円錐台状に形成され、畦側面形成板は、前記円錐台状のベース部材と重ならない非重なり部分を回転中心側とは反対側に有するものである。
【0011】
請求項記載の畦塗り機は、請求項1ないしのいずれか一記載の畦塗り機において、互いに隣り合う両畦側面形成板同士は、互いに連結されておらず、前記両畦側面形成板間には、隙間が存在するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ベース部材に対して畦側面形成板を容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態に係る畦塗り機の平面図である。
図2】同上畦塗り機の畦形成体の一方側の側面図である。
図3】同上畦形成体の他方側の側面図である。
図4】同上畦形成体の斜視図である。
図5】同上畦形成体の一部分解斜視図である。
図6】(a)は同上畦形成体の一部分解側面図、(b)はA視図、(c)はB視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施の形態について図1ないし図6を参照して説明する。
【0015】
図中の1は畦塗り機で、この畦塗り機1は、走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に連結され、トラクタの前進走行により前方(進行方向)に移動しながら畦塗り作業をするものである。
【0016】
なお、圃場の隅部におけるリターン作業時には、畦塗り機1は、リターン作業状態に設定されてトラクタの後進走行により後方(進行方向)に移動しながら畦塗り作業をする。
【0017】
畦塗り機1は、図示しないトラクタの後部の3点リンク部に脱着可能に連結される機体2と、この機体2に回転可能に設けられ所定方向に回転しながら田面および畦(元畦)の土を耕耘して盛り上げる盛土体3と、機体2に回転可能に設けられ盛土体3の進行方向後方で所定方向に回転しながら盛土体3による盛土を締め固めて畦(新畦)を形成する畦形成体(畦修復体)4とを備えている。
【0018】
この畦形成体4は、所定の回転方向(図中の矢印方向)に回転しながら盛土体3による盛土を締め固めて傾斜面状の畦側面を形成する円錐台状の畦側面形成体(ディスク)6と、この畦側面形成体6の縮径端部に連設され畦側面形成体6と一体となって回転しながら盛土体3による盛土を締め固めて水平面状の畦上面を形成する円筒状の畦上面形成体(上面ローラ)7とを有している。なお、回転体である畦形成体4の周速は、畦に対してスリップ状態で回転するようにトラクタの走行速度よりも速い。
【0019】
また、畦塗り機1は、盛土体3を覆う盛土体カバー体8のほか、図示しないが、畦形成体カバー体、上面削り体、ゲージ輪等を備えている。
【0020】
機体2は、トラクタの後部の3点リンク部に脱着可能に連結される機枠11を有している。この機枠11の軸保持部12によって前後方向の入力軸(図示せず)が回転可能に保持されており、この入力軸はトラクタのPTO軸にジョイントを介して接続される。
【0021】
また、機枠11には、盛土体3および畦形成体4をそれぞれ回転可能に支持する可動機枠13が連結手段14を介して連結されている。この可動機枠13は、第1シリンダ16および第2シリンダ17の伸縮によって水平方向に移動可能となっている。このため、前進作業時には前から順に上面削り体、盛土体3および畦形成体4が前後方向に並んで位置するが、圃場の隅部でのリターン作業時には180度反転してリターン作業状態となる。
【0022】
盛土体3は、機体2の可動機枠13によって回転可能に支持され入力軸側からの動力で回転する前後方向の回転軸18を有し、この回転軸18には複数の盛土用の耕耘爪19が取り付けられている。
【0023】
畦形成体4は、機体2の可動機枠13によって回転可能に支持され入力軸側からの動力で回転する左右方向の回転軸20を有している。この水平状の回転軸20の先端部には畦側面形成体6が脱着可能に取り付けられ、この畦側面形成体6の縮径端部には畦上面形成体7が脱着可能に取り付けられている。
【0024】
そして、畦形成体4を構成する畦側面形成体6および畦上面形成体7は、畦形成体4の回転中心に位置する回転軸20の回転によって左右方向の回転中心軸線(回転中心)Xを中心として所定方向に回転する。
【0025】
ここで、畦側面形成体6は、回転軸20を中心とする円錐台状(略円錐台状を含む)でかつ板状をなすベース板であるベース部材(ベースディスク)21を有し、このベース部材21の円筒状の回転軸取付部22に回転軸20の先端部が挿入されて取り付けられている。
【0026】
そして、ベース部材21の表面側には、回転軸(回転中心)20を中心として回転方向に並んで位置して回転方向後側で盛土を押し込んで締め固めて畦側面を形成する複数、例えば8枚の扇形状の畦側面形成板(修復羽根)23が、取付手段であるボルト24によってそれぞれ個別に脱着可能に取り付けられている。
【0027】
なお、ベース部材21の表面側において回転中心軸線Xを中心として放射状に位置する各畦側面形成板23は、例えばステンレス等の金属製で、すべて同じものである。例えば図示しないが、互いに大きさが異なる大面板および小面板等で構成してもよい。
【0028】
ベース部材21は、金属板からなる円錐台状のベース板部26を有し、このベース板部26には複数の係合受け部である孔部27が表裏面に貫通して形成されている。各孔部(係合孔部)27は、例えば矩形状の角孔部である。
【0029】
また、ベース板部26には、ボルト24が挿入される複数のボルト用孔部28が表裏面に貫通して形成されている。各ボルト用孔部28は、例えば円形状の円孔部である。なお、ベース板部26の裏面の外周側には、ボルト用孔部28の周囲部分を補強する補強板部29が溶接によって固設されている。また、両孔部27,28は、ベース板部26のうち回転中心側の部分および外周側の部分において、回転方向に間隔をおいて並んでいる。
【0030】
畦側面形成板23は、図5等に示すように、回転方向後側の表面(整畦面)で盛土を徐々に押し込んで締め固めて畦側面を形成する扇形状でかつ湾曲板状の作用板部31を有している。この作用板部31は、ベース板部26の表面からの離間距離が回転方向に向かって徐々に減少するように、ベース板部26に対して傾斜した状態に配置されている。なお、作用板部31は、表面側が凸となるように若干湾曲した1枚の金属板からなるものである。
【0031】
作用板部31の裏面における回転方向前端側には、ベース部材21の孔部27と係脱可能に係合して畦側面形成板23をベース部材21に対して位置決めする複数(例えば2つ)の位置決め用の係合部であるフック部32が溶接によって固設されている。これら2つのフック部32のうち一方のフック部32は畦側面形成板23の回転中心側の裏面側に位置し、他方のフック部32は畦側面形成板23の回転中心側とは反対側の裏面側に位置している。
【0032】
各フック部32は、ベース板部26の表面と作用板部31の裏面との間に挟持されて位置するコ字状の高さ設定部分(回転方向前側の径小部の高さ設定部)33と、この高さ設定部分33に一体に突設されたL字状の引掛部分34とによって構成されている。
【0033】
引掛部分34は、回転中心側に向かって直角に折れ曲がったL字状をなすもので、孔部27の被引掛部分27aに引っ掛かって係合する。つまり、フック部32の引掛部分34が孔部27の被引掛部分27aに引っ掛かることによって、畦側面形成板23がベース部材21に対して所望位置に位置決めされる。この引掛部分34の矩形板34aの大きさは、矩形状の孔部27よりも小さく、その孔部27に挿入可能である。
【0034】
なお、フック部32は、例えば作用板部31の裏面に溶接固定された1つの金属部材からなるものである。つまり、1枚の面板からなる作用板部31に対して、フック部32を構成する金属部材が2個、所定位置に固着されている。
【0035】
また、作用板部31の裏面における回転方向後端側には、ボルト24が螺合される複数(例えば2つ)のナット部である固定ナット36を固定したナット固定板部37が溶接によって固設されている。これら2つの固定ナット36のうち一方の固定ナット36は畦側面形成板23の回転中心側の裏面側に位置し、他方の固定ナット36は畦側面形成板23の回転中心側とは反対側の裏面側に位置している。
【0036】
ナット固定板部37は、ベース板部26の表面と作用板部31の裏面との間に挟持されて位置する径方向長手状で断面コ字状の高さ設定部分(回転方向後側の径大部の高さ設定部)38を有している。この高さ設定部分38の長手方向一端側(回転中心側)に一方の固定ナット36が溶接固定され、長手方向他端側(回転中心側とは反対側)に他方の固定ナット36が溶接固定され、これら固定ナット(埋め込みナット)36はナット固定板部37と作用板部31との間に収納されている。
【0037】
また、この高さ設定部分38は、図6に示すように、作用板部31の裏面からの離間距離が回転中心側に向かって徐々に減少するように傾斜する傾斜板39を有し、この傾斜板39のうち固定ナット36と対向する2箇所の部分に円形状の貫通孔部40がその表裏面に貫通して形成されている。
【0038】
そして、畦側面形成板23のフック部32の引掛部分34がベース部材21の孔部27に挿入されてその被引掛部分27aに引っ掛かることによって、畦側面形成板23がベース部材21に対して位置決めされ、その結果、固定ナット36がボルト用孔部28との対向位置(略対向位置を含む)に位置した状態となる。この状態で、作業者はボルト24をボルト用孔部28および貫通孔部40に挿入して固定ナット36に螺合することが可能である。
【0039】
なお、ここでいう対向位置とは、固定ナット36の孔空間とボルト用孔部28の孔空間とが完全に対向する対向位置のほか、両孔空間同士が少しずれた略対向位置を含む意味である。
【0040】
また一方、図4等に示すように、畦側面形成板23は、円錐台状のベース部材21と重ならない非重なり部分41を回転中心側とは反対側に有している。この非重なり部分41は、ベース部材21と重なる重なり部分44よりも小さい。そして、非重なり部分41の裏面には、この非重なり部分41を補強する補強板部42が溶接によって固設されている。この補強板部42の回転方向後端部は、ナット固定板部37に連結されている。
【0041】
また、回転方向に互いに隣り合う両畦側面形成板23同士は互いに連結されておらず、これら両畦側面形成板23間には、畦側面形成体6の径方向に沿った直線状の隙間45が存在している。このため、隣り合う両畦側面形成板23同士は、相互に重なり合う重なり部分を有していない。なお、例えば図示しないが、両畦側面形成板23の一部が相互に重なり合うようにしてもよい。
【0042】
さらに、畦側面形成板23は、ベース部材21の表面に対する高さが回転方向前後で異なるため、回転方向に互いに隣り合う両畦側面形成板23間には、隙間45に沿った段差部46が存在している。
【0043】
次に、畦塗り機1の作用等を説明する。
【0044】
畦塗り機1をトラクタの後部に連結してトラクタの走行により畦塗り機1を移動させると、上面削り体が畦の上面部を耕耘して削り、その進行方向後方で盛土体3が田面および畦の土を耕耘してこの耕耘土を畦上に盛り上げ、その進行方向後方で畦形成体4が盛土を締め固めて新畦を形成する。
【0045】
このような畦塗り作業の際、畦側面形成体6の各畦側面形成板23は、回転軸20の回転によって回転中心軸線Xを中心として回転しながら、回転方向後側の作用部23aで盛土体3による盛土を徐々に押し込んで締め固めて、新畦の畦側面を形成する。
【0046】
ここで、畦側面形成体6の組立時や、磨耗や破損等で交換が必要となる消耗品である畦側面形成板23の交換時等において、畦側面形成板23をベース部材21に取り付ける場合には、作業者は、まず、フック部32を孔部27に挿入して引っ掛ける。
【0047】
すると、畦側面形成板23がベース部材21に対して位置決めされ、固定ナット36がボルト用孔部28との対向位置に位置する。
【0048】
次いで、作業者は、ベース部材21の裏面側からボルト24をボルト用孔部28および貫通孔部40を通して固定ナット36に螺合して締め付けることによって、畦側面形成板23をベース部材21に取り付ける。
【0049】
こうして、複数枚の畦側面形成板23は、固定ナット36に対するボルト24の螺合締付けにより、ベース部材21に対してそれぞれ所定位置に所定の向きで固定される。なお、ボルト24の頭部24aは、ベース部材21の裏面に露出しており、畦側面形成板23の表面には露出していない。
【0050】
一方、畦側面形成板23をベース部材21から取り外す場合には、作業者は、ボルト24を緩めて抜いてから、フック部32と孔部27との引掛係合を解除するが、ボルト24を抜いた際に畦側面形成板23が落下しないようにできる。
【0051】
そして、上記畦塗り機1によれば、畦側面形成板23は、ベース部材21の孔部27と係合する位置決め用の突出状のフック部32を裏面側に有するため、ベース部材21に対する畦側面形成板23の位置決めに手間取ることがなく、ベース部材21に対して畦側面形成板23を容易に取り付けることができる。よって、畦側面形成体6の組立作業や畦側面形成板23の交換作業等の作業効率を向上できる。
【0052】
また、フック部32と孔部27との係合によって畦側面形成板23の固定ナット36がベース部材21のボルト用孔部28との対向位置に位置するため、固定ナット36とボルト用孔部28との孔合わせが容易であり、畦側面形成板23を容易に取り付けることができる。
【0053】
さらに、畦側面形成板23は、フック部32を回転方向前端側の裏面側に有しかつ固定ナット36を回転方向後端側の裏面側に有するため、畦側面形成板23の向きを間違えることがなく、畦側面形成板23を容易に取り付けることができ、しかも、回転方向後端側では回転方向前端側に比べてベース部材21の表面に対する高さが高いため、十分な大きさの固定ナット36の設置スペースを容易に確保できる。
【0054】
また、フック部32を孔部27に差し込んで引っ掛けることにより、畦側面形成板23をベース部材21に保持させることができるため、フック部32が孔部27に引っ掛かっている限り、手を離しても畦側面形成板23は自重で落下せず、畦側面形成板23の取り付けや取り外しが容易であり、容易に交換作業ができる。
【0055】
なお、位置決め用の係合部であるフック部32は、回転中心側(径方向内方)を向いたL字状の引掛部分34を有するものには限定されず、例えば回転中心側とは反対側(径方向外方)を向いたL字状の引掛部分を有するものや、回転方向前方又は後方を向いたL字状の引掛部分等を有するものでもよく、フック部32の向きは任意である。
【0056】
また、フック部32は、作用板部31とは別体の金属部材(差込金具)からなるものには限定されず、例えば作用板部31に折り曲げ等によって一体に設けられたものでもよい。
【0057】
さらに、位置決め用の係合部は、係合突部であるフック部32ではなく、例えば嵌合孔等の係合受け部に嵌合する嵌合突部等でもよい。
【0058】
また、ナット部は、固定ナット36を固定する代わりに、例えば高さ設定部分38にねじ孔を形成してナット部としてもよい。
【0059】
さらに、ナット部やフック部の数は、任意であり、1個でもよく3個以上でもよい。
【0060】
また、ベース部材21が孔部27を有しかつ畦側面形成板23がフック部32を有した構成には限定されず、例えばベース部材21がフック部32を有しかつ畦側面形成板23が孔部27を有した構成等でもよい。
【0061】
さらに、畦側面形成板23は、例えばナット部を回転方向前端側に有しかつフック部を回転方向後端側に有した構成等でもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 畦塗り機
3 盛土体
6 畦側面形成体
21 ベース部材
23 畦側面形成板
27 係合受け部である孔部
28 ボルト用孔部
32 係合部であるフック部
36 ナット部である固定ナット
41 非重なり部分
45 隙間
【要約】
【課題】畦側面形成板を容易に取り付けることができる畦塗り機を提供する。
【解決手段】畦塗り機は、盛土を締め固めて畦側面を形成する畦側面形成体6を備える。この畦側面形成体6は、円錐台状のベース部材21を有し、このベース部材21には複数の畦側面形成板23を脱着可能に取り付ける。畦側面形成板23は、ベース部材21の孔部27と係合する位置決め用のフック部32を有する。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6