特許第6095202号(P6095202)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095202
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】コラボレーション歌唱システム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20170306BHJP
   G10K 15/02 20060101ALI20170306BHJP
   H04N 7/173 20110101ALI20170306BHJP
【FI】
   G10K15/04 302D
   G10K15/02
   H04N7/173 610Z
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-218938(P2012-218938)
(22)【出願日】2012年9月29日
(65)【公開番号】特開2014-71391(P2014-71391A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】100130362
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 嘉英
(72)【発明者】
【氏名】石川 雅康
(72)【発明者】
【氏名】野村 直孝
【審査官】 武田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−093734(JP,A)
【文献】 特開2010−014823(JP,A)
【文献】 特開2011−075708(JP,A)
【文献】 特開平11−109980(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
G10K 15/02
H04N 7/173
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ歌唱映像を録画して公開可能であり、既に公開されたカラオケ歌唱映像とコラボレーション歌唱を行うためのシステムであって、音声入力手段と、歌唱映像録画手段と、歌唱態様判定手段と、歌唱映像管理手段と、歌唱映像公開手段と、コラボレーション映像抽出手段と、を備え、
前記音声入力手段は、カラオケ楽曲の演奏に伴い発生する音声を入力し、
前記歌唱映像録画手段は、利用者のカラオケ歌唱映像に、前記入力された音声を含んで録画し、
前記歌唱態様判定手段は、任意の利用者がカラオケ歌唱映像を録画する際に、所定のリファレンスデータに基づき、入力された歌唱音声を分析して、カラオケ楽曲の演奏に伴う歌唱位置、男声パートや女声パート等の歌唱パート、Aメロ、Bメロ、サビ等の歌唱区間、主旋律やハモリパート等のボーカル種別、歌唱区間外の音声入力等からなる歌唱態様種別のいずれに該当するかを判定し、
前記歌唱映像管理手段は、少なくとも、録画したカラオケ歌唱映像と、判定された歌唱態様種別と、カラオケ楽曲の曲名とを関連付けて、歌唱映像データベースに登録して管理し、
前記歌唱映像公開手段は、少なくとも、前記録画したカラオケ歌唱映像に関連付けられた曲名及び歌唱態様種別を検索項目として、各カラオケ歌唱映像を検索可能に公開し、
前記コラボレーション映像抽出手段は、利用者により指定された、少なくとも、曲名及びカラオケ歌唱映像の歌唱態様種別に基づいて、該当するカラオケ歌唱映像を抽出して選択可能に表示する、
ことを特徴とするコラボレーション歌唱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ歌唱映像を録画して公開可能であり、既に公開されたカラオケ歌唱映像とコラボレーション歌唱を行うためのシステムに関するものであり、特に、コラボレーション歌唱を行う際に、所望するカラオケ歌唱映像を容易かつ確実に選択可能としたコラボレーション歌唱システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク接続されたカラオケシステムには、動画共有システムとして、自らの歌唱姿態及び歌唱音声を録画して公開する機能を有しているものがある。この動画共有システムでは、予めメンバー登録した利用者がカラオケシステムにログインし、カラオケ歌唱映像の録画を行い、録画したカラオケ歌唱映像をサーバにアップロードする。この際、他の利用者によるコラボレーション歌唱の許可を行うことができる。そして、システム管理者が公開条件のチェックを行い、公開許可が与えられると、メンバー登録した利用者が閲覧可能となる。
【0003】
コラボレーション歌唱が許可されたカラオケ歌唱映像が存在する場合には、当該カラオケ歌唱映像を読み込んで、予め公開されたカラオケ歌唱映像を再生しながら、他の利用者や自分自身と、デュエットやハモリ歌唱を楽しむことができる。
【0004】
また、コラボレーション歌唱を前提として公開されたカラオケ歌唱映像の中には、男声パート又は女声パートのみを録画した映像、主旋律又はハモリパートのみを録画した映像、歌唱区間以外における合いの手を録画した映像等、種々の態様のカラオケ歌唱映像が存在する。
【0005】
コラボレーション歌唱を行おうとする利用者は、公開されたカラオケ歌唱映像のサムネイル表示等に基づいて、所望のカラオケ歌唱映像を選択するが、多数のカラオケ歌唱映像の中から利用者の好みにあったカラオケ歌唱映像を選択するのは困難である。そこで、従来、多数のカラオケ歌唱映像の中から利用者の好みにあったカラオケ歌唱映像を選択することが可能なシステムが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
特許文献1に記載された技術は、所望する歌唱感を有する歌唱者を検索することができるカラオケ装置に関するものである。このカラオケ装置は、サーバ装置と接続されており、サーバ装置のCPUが、通信部を介して歌唱分析データを受信したことを検知すると、受信した歌唱分析データと歌唱分析データベース記憶領域に記憶された歌唱分析データとを比較して、その一致度に応じて、歌唱分析データベース記憶領域から1以上の歌唱分析データを選択する。また、CPUは、選択した歌唱分析データと対応する識別情報を歌唱分析データベース記憶領域から読み出して、読み出した識別情報を通信ネットワークを介してカラオケ装置に送信する。カラオケ装置のCPUは、受信した識別情報の示す歌唱者を表示部に表示させる。
【0007】
特許文献2に記載された技術は、複数の歌唱の動画コンテンツを組み合わせたコンテンツの創作に好適な動画コンテンツを検索することができる動画コンテンツ検索装置に関するものである。この動画コンテンツ検索装置は、複数のカラオケユーザそれぞれの歌唱に係る動画コンテンツデータと、歌唱を行ったカラオケユーザを識別するためのユーザ識別情報と、動画コンテンツデータに対する評価内容を含む動画評価情報を対応付けて記憶している。また、動画コンテンツ検索装置は、ユーザ識別情報に対応するカラオケユーザの歌唱に対する評価内容を含む歌唱評価情報を対応付けたテーブルと、特定の動画評価情報及び歌唱評価情報を検索条件とする動画コンテンツデータの検索要求を受信する受信手段と、受信手段にて検索要求を受信した場合、検索要求に係る特定の動画評価情報及び歌唱評価情報並びにテーブルに基づいて、動画コンテンツデータを検索する検索手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−256618号公報
【特許文献2】特開2011−75708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、現在のカラオケシステムでは、コラボレーション歌唱の許可を行うか否かを設定することはできるが、歌唱者自らがどのような態様で歌唱を行っているのかを詳細に設定することはできない。すなわち、公開されたカラオケ歌唱映像のサムネイル表示において、コメントとしてデュエット曲のいずれか一方のパート(例えば女声パート)を歌唱している程度の識別表示を行うことはできるが、当該カラオケ歌唱映像が、主旋律又はハモリパートのみを録画した映像であるか、歌唱区間以外における合いの手を録画した映像であるか等、細かな歌唱態様種別のすべてについて識別可能に表示することはできない。
【0010】
また、細かな歌唱態様種別を識別可能に設定する場合には、利用者自らが、どのような態様のカラオケ歌唱映像であるかを設定して登録する機能を持たせなくてはならない。このような設定操作は利用者にとって面倒なものであり、設定操作を行わない場合も考えられる。また、間違った歌唱態様種別を設定してしまうことも考えられ、これでは、せっかく歌唱態様種別を識別可能に設定した意味がなくなってしまう。
【0011】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、既に公開されたカラオケ歌唱映像とコラボレーション歌唱を行うことが可能なカラオケシステムにおいて、録画したカラオケ歌唱映像について、自動的に歌唱態様の種別設定を行うことにより、コラボレーション歌唱を所望する利用者が、容易かつ確実に目的とするカラオケ歌唱映像を選択できるようにしたコラボレーション歌唱システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述した目的を達成するため、以下の特徴を有している。すなわち、本発明のコラボレーション歌唱システムは、カラオケ歌唱映像を録画して公開可能であり、既に公開されたカラオケ歌唱映像とコラボレーション歌唱を行うためのシステムであって、音声入力手段と、歌唱映像録画手段と、歌唱態様判定手段と、歌唱映像管理手段と、歌唱映像公開手段と、コラボレーション映像抽出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
音声入力手段は、カラオケ楽曲の演奏に伴い発生する音声を入力するための手段である。歌唱映像録画手段は、利用者のカラオケ歌唱映像に、入力された音声を含んで録画するための手段である。歌唱態様判定手段は、任意の利用者がカラオケ歌唱映像を録画する際に、所定のリファレンスデータに基づき、入力された歌唱音声を分析して、カラオケ楽曲の演奏に伴う歌唱位置、男声パートや女声パート等の歌唱パート、Aメロ、Bメロ、サビ等の歌唱区間、主旋律やハモリパート等のボーカル種別、歌唱区間外の音声入力等からなる歌唱態様種別のいずれに該当するかを判定するための手段である。
【0014】
歌唱映像管理手段は、少なくとも、録画したカラオケ歌唱映像と、判定された歌唱態様種別と、カラオケ楽曲の曲名を関連付けて、歌唱映像データベースに登録して管理するための手段である。なお、歌唱映像データベースのデータレコードに、アーティスト名、カラオケ歌唱映像の撮影対象となった利用者の識別情報等を含めてもよい。歌唱映像公開手段は、少なくとも、録画したカラオケ歌唱映像に関連付けられた曲名及び歌唱態様種別を検索項目として、各カラオケ歌唱映像を検索可能に公開するための手段である。コラボレーション映像抽出手段は、利用者により指定された、少なくとも、曲名及びカラオケ歌唱映像の歌唱態様種別に基づいて、該当するカラオケ歌唱映像を抽出して選択可能に表示するための手段である。
【発明の効果】
【0015】
本発明のコラボレーション歌唱システムによれば、録画された歌唱映像に付帯する音声に基づいて、男声パートや女声パート等の歌唱パート、Aメロ、Bメロ、サビ等の歌唱区間、主旋律やハモリパート等のボーカル種別、歌唱区間外の音声入力等からなる歌唱態様種別が自動的に判定される。そして、録画したカラオケ歌唱映像に関連付けられた曲名及び歌唱態様種別を検索項目として、各カラオケ歌唱映像を検索可能に公開する。
【0016】
したがって、利用者自らが歌唱態様種別をいちいち設定する必要がなく、歌唱映像を公開する際に歌唱態様種別が自動的に付与されるので、利用者にとって面倒な操作が必要とならない。また、歌唱態様種別の判定は所定のリファレンスデータとの比較に基づいて行われるので、正確な歌唱態様種別を設定することができる。さらに、コラボレーション歌唱を行おうとする利用者は、検索条件となる曲名及び歌唱態様種別に基づいて、所望する歌唱映像を選択することができるので、コラボレーション歌唱を所望する利用者が、容易かつ確実に目的とするカラオケ歌唱映像を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係るコラボレーション歌唱システムを適用したカラオケ演奏端末の構成を示すブロック図。
図2】歌唱映像データベースの構成を示す説明図。
図3】歌唱映像選択画面の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明のコラボレーション歌唱システムの実施形態について説明する。図1図3は本発明の実施形態に係るコラボレーション歌唱システムを示すもので、図1はコラボレーション歌唱システムを適用したカラオケ演奏端末の構成を示すブロック図、図2は歌唱映像データベースの構成を示す説明図、図3は歌唱映像選択画面の一例を示す模式図である。
【0019】
<システムの概要>
本発明の実施形態に係るコラボレーション歌唱システム10は、カラオケ歌唱映像を録画して公開可能であり、既に公開されたカラオケ歌唱映像とコラボレーション歌唱を行うためのシステムである。そして、録画された歌唱映像に付帯する音声に基づいて、男声パートや女声パート等の歌唱パート、Aメロ、Bメロ、サビ等の歌唱区間、主旋律やハモリパート等のボーカル種別、歌唱区間外の音声入力等からなる歌唱態様種別を自動的に付与することにより、容易かつ確実にコラボレーション相手の歌唱映像を探し出せるようにしたものである。
【0020】
このコラボレーション歌唱システム10は、図1に示すように、歌唱映像録画手段61と、歌唱態様判定手段62と、歌唱映像管理手段23と、歌唱映像公開手段24と、コラボレーション映像抽出手段63とにより実現される。
【0021】
本発明の実施形態に係るコラボレーション歌唱システム10は、図1に示すように、映像サーバ20と複数のカラオケ演奏端末30とが、ルータ70及び通信ネットワーク(本実施形態では、インターネット40)を介して相互に接続されている。通信ネットワークは、公衆電話回線、専用電話回線、光通信回線、LAN等を用いることができるが、ネットワークに対する第三者の侵入やデータの傍聴及び改竄が困難であるとともに、帯域を独占せずに安価な通信網であるという点で、インターネット40により構成されるVPNを利用することが好ましい。
【0022】
<カラオケ演奏端末>
本発明の実施形態に係るコラボレーション歌唱システム10を適用するカラオケ演奏端末30は、図1に示すように、カラオケ本体31、スピーカ32、マイクロホン33、表示装置34、ビデオカメラ35、ミキシングアンプ36、カラオケリモコン装置37を備えている。
【0023】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置37は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体31のローカル送受信手段56との間で有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置37は、楽曲検索手段37aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース37b、データ記憶部37c、入出力表示部37d、データの送受信を行うための電子回路及びプログラム(図示せず)を備えている。このカラオケリモコン装置37に付帯するスイッチ類や、入出力表示部37dに表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。
【0024】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段37aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース37bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース37bは、カラオケ演奏端末30で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・演奏形態・デュエット曲など、種々の属性情報がこれに含まれている。楽曲検索手段37aにより楽曲検索を行うとカラオケリモコン装置37の入出力表示部37dに、検索結果が一覧表示される。
【0025】
<データ記憶部>
データ記憶部37cは、選曲予約の履歴等を記憶するための領域で、図示しないが、選曲予約データ、選曲予約履歴データ等、各種のデータが記憶される。
【0026】
<マイクロホン>
マイクロホン33は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン33から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ36により、音楽再生制御手段58から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅され、スピーカ32へ出力される。なお、マイクロホン33からの音声入力信号は、A/Dコンバータ59によりデジタル変換されて、歌唱態様判定手段62における歌唱態様種別の判定等に使用される。
【0027】
本実施形態では、マイクロホン33及びA/Dコンバータ59が、カラオケ楽曲の演奏に伴い発生する音声を入力するための音声入力手段として機能する。
【0028】
<表示装置>
表示装置34は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0029】
<カラオケ本体>
カラオケ本体31は、図1に示すように、ネットワーク送受信手段51、中央制御手段52、ROM53、RAM54、HDD55、ローカル送受信手段56、予約管理手段57、音楽再生制御手段58、A/Dコンバータ59、映像再生制御手段60、歌唱映像録画手段61、歌唱態様判定手段62、コラボレーション映像抽出手段63を備えている。
【0030】
<中央制御手段>
中央制御手段52は、カラオケ本体31を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM53等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0031】
<ROM/RAM>
ROM53は、カラオケ本体31を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM54は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM54を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM54を構成してもよい。本実施形態では、RAM54に予約待ち行列54aが記憶されるようになっている。この予約待ち行列54aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成されたデータテーブルであり、選曲者の利用者ID等、他の識別データが紐付けられている場合もある。
【0032】
<HDD>
HDD55は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース55a、映像データベース55bが格納されている。なお、HDD55に替えて、あるいはHDD55と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0033】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース55aは、複数のカラオケ楽曲について、演奏データ及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース55bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0034】
<送受信手段>
ローカル送受信手段56は、カラオケ本体31とカラオケリモコン装置37との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体31とカラオケリモコン装置37との間でデータの送受信が行われる。ネットワーク送受信手段51は、カラオケ本体31と映像サーバ20との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。
【0035】
<予約管理手段>
予約管理手段57は、楽曲検索手段37aの機能を用いて検索され、選曲予約された楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列54aを生成し、この予約待ち行列54aをRAM54に格納して管理するためのプログラムからなる。
【0036】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段58は、楽曲IDや歌唱態様種別に基づいて楽曲データベース55aから抽出された演奏データを、ミキシングアンプ36に出力するための電子回路である。なお、演奏データがMIDI規格の演奏制御データである場合には、この演奏制御データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ36に出力する。上述したように、ミキシングアンプ36は、マイクロホン33から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段58から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ32より出力させるための装置である。
【0037】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段60は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース55bから抽出した背景映像データと、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づく歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置34に出力するためのプログラムからなる。
【0038】
<歌唱映像録画手段>
歌唱映像録画手段61は、利用者のカラオケ歌唱映像に、マイクロホン33から入力された音声を含んで録画するためのプログラムからなる。すなわち、歌唱映像録画手段61は、ビデオカメラ35から入力される映像信号を受信するとともに、マイクロホン33から入力された歌唱音声信号を付加してカラオケ歌唱映像の録画を行う。
【0039】
ビデオカメラ35は、利用者の歌唱姿態を撮影するための装置であり、撮像レンズ及び撮像素子を主要な構成要素とし、フォーカシング機構、ズーム機構、パン・チルト機構等を備えていてもよい。ビデオカメラ35で撮影が行われると、映像信号(ビデオ信号)が歌唱映像録画手段61に入力される。
【0040】
<歌唱態様判定手段>
歌唱態様判定手段62は、任意の利用者がカラオケ歌唱映像を録画する際に、所定のリファレンスデータに基づき、入力された音声について、少なくとも、男声パートや女声パート等の歌唱パート、Aメロ、Bメロ、サビ等の歌唱区間、主旋律やハモリパート等のボーカル種別、歌唱区間外の音声入力等からなる歌唱態様種別のいずれに該当するかを判定するためのプログラムからなる。すなわち、歌唱態様判定手段62は、A/Dコンバータ59を介して入力された歌唱音声を分析して、カラオケ楽曲の演奏に伴う歌唱位置、男声パートや女声パート等の歌唱パート、Aメロ、Bメロ、サビ等の歌唱区間、主旋律やハモリパート等のボーカル種別、歌唱区間外の音声入力(例えば、合いの手)等を判定し、歌唱態様種別を付与する。
【0041】
<コラボレーション映像抽出手段>
コラボレーション映像抽出手段63は、利用者により指定された、少なくとも、曲名及びカラオケ歌唱映像の歌唱態様種別に基づいて、該当するカラオケ歌唱映像を抽出して選択可能に表示するためのプログラムからなる。すなわち、コラボレーション映像抽出手段63は、映像サーバ20にアクセスし、例えば、カラオケリモコン装置37を利用した利用者の指定(検索ワードの入力)に基づいて、所望のカラオケ歌唱映像を抽出する。検索ワードは、例えば、楽曲名及び歌唱態様種別の他に、利用者のハンドルネーム、撮影日時、利用者の性別、アーティスト名、作曲者名等を組み合わせることができるようにしてもよい。
【0042】
コラボレーション歌唱のための歌唱映像を選択する際には、カラオケリモコン装置37の入出力表示部37dにおいて、図3に示すような選択画面が表示される。この選択画面において、利用者が所望のカラオケ歌唱映像を選択すると、歌唱映像公開手段24の機能により公開されているカラオケ歌唱映像をカラオケ演奏端末30にダウンロードして、表示装置34に表示すると共に、歌唱音声をスピーカ32から発生する。
【0043】
<映像サーバ>
映像サーバ20は、歌唱映像を格納するためのサーバで、歌唱映像を格納するHDD(図図示せず)サーバ制御手段21、送受信手段22、歌唱映像管理手段23、歌唱映像公開手段24、歌唱映像データベース25を備えている。なお、歌唱映像を管理するための専用の映像サーバ20を備えるのではなく、他のサーバに映像サーバ20の機能を兼ね備えさせてもよい。また、仮想化技術により、一つのサーバを複数の機能を有するサーバとして機能させ、そのうちの仮想化サーバの一つとして映像サーバ20を構築することができる。
【0044】
<サーバ制御手段/送受信手段>
サーバ制御手段21は、中継サーバ20を統括的に制御するための手段であり、CPU及びその周辺機器を含んで構成され、CPU等がROM等に格納されたプログラムに従って動作することにより制御機能を発揮するようになっている。送受信手段22は、各カラオケ演奏端末30との間で、カラオケデータ等の各種データの送受信を行うための手段であり、通信ネットワーク(インターネット40)における通信方式の整合性を保つための通信回路やプログラムにより構成される。
【0045】
<歌唱映像管理手段>
歌唱映像管理手段23は、少なくとも、録画したカラオケ歌唱映像と、判定された歌唱態様種別と、カラオケ楽曲の曲名とを関連付けて、歌唱映像データベース25に登録して管理するためのプログラムからなる。歌唱映像データベース25は、図2に示すように、歌唱映像を識別するための映像ID、楽曲名、歌唱態様種別が関連付けて構成されている。さらに、歌唱映像データベース25の構成データとして、利用者ID、ハンドルネーム、撮影日時、利用者の性別、アーティスト名、作曲者名等を含んでいてもよい。
【0046】
<歌唱映像公開手段>
歌唱映像公開手段24は、少なくとも、録画したカラオケ歌唱映像に関連付けられた曲名及び歌唱態様種別を検索項目として、各カラオケ歌唱映像を検索可能に公開するためのプログラムからなる。すなわち、歌唱映像公開手段24は、カラオケ演奏端末30で録画したカラオケ歌唱映像を、所定の記憶領域(例えば、HDD)に格納して管理する。なお、公開する各カラオケ歌唱映像自体にインデックスを付すのではなく、歌唱映像データベース25と連動させてカラオケ歌唱映像の検索を行うように構成してもよい。
【0047】
公開されたカラオケ歌唱映像の検索は、例えば、カラオケリモコン装置37に歌唱映像検索のための機能を持たせて行ってもよいし、インターネット40を介してネットワーク接続された利用者のパーソナルコンピュータ(図示せず)の機能により行ってもよい。この場合には、利用者のパーソナルコンピュータを、インターネット40を介して、映像サーバ20に接続することにより、所望の歌唱映像を検索することができる。
【0048】
<他の実施形態>
本発明のコラボレーション歌唱システム10及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。さらに、ネットワークを介して複数のカラオケ演奏端末30を接続するのではなく、一つの店舗内において、LAN接続された複数のカラオケ演奏端末30と、当該店舗内に設置された映像サーバ20とを利用して、コラボレーション歌唱システム10を構成してもよい。
【符号の説明】
【0049】
10 コラボレーション歌唱システム
20 映像サーバ
21 サーバ制御手段
22 送受信手段
23 歌唱映像管理手段
24 歌唱映像公開手段
25 歌唱映像データベース
30 カラオケ演奏端末
31 カラオケ本体
32 スピーカ
33 マイクロホン
34 表示装置
35 ビデオカメラ
36 ミキシングアンプ
37 カラオケリモコン装置
37a 楽曲検索手段
37b 楽曲索引データベース
37c データ記憶部
37d 入出力表示部
40 インターネット
51 ネットワーク送受信手段
52 中央制御手段
53 ROM
54 RAM
54a 予約待ち行列
55 HDD
55a 楽曲データベース
55b 映像データベース
55c 歌唱映像データ
56 ローカル送受信手段
57 予約管理手段
58 音楽再生制御手段
59 A/Dコンバータ
60 映像再生制御手段
61 歌唱映像録画手段
62 歌唱態様判定手段
63 コラボレーション映像抽出手段
70 ルータ
図1
図2
図3