特許第6095211号(P6095211)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095211
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】パンツ型吸収性物品及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/49 20060101AFI20170306BHJP
   A61F 13/496 20060101ALI20170306BHJP
   A61F 13/53 20060101ALI20170306BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   A61F13/49 312Z
   A61F13/49 413
   A61F13/496
   A61F13/53 100
   A61F13/15 311Z
   A61F13/15 393
   A61F13/15 354
   A61F13/15 355Z
【請求項の数】7
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-282049(P2012-282049)
(22)【出願日】2012年12月26日
(65)【公開番号】特開2014-124288(P2014-124288A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年9月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101292
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 善之
(74)【代理人】
【識別番号】100112818
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 昭久
(72)【発明者】
【氏名】森田 晃央
【審査官】 北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−184134(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/060453(WO,A1)
【文献】 特開2010−184135(JP,A)
【文献】 特開2009−247418(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/094746(WO,A1)
【文献】 特開2012−157661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15 − 13/84
A61L 15/16 − 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の腹側に配される腹側シート部材と、着用者の背側に配される背側シート部材と、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡して固定された吸収性本体とを具備し、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型吸収性物品であって、
前記腹側シート部材及び背側シート部材は、物品横方向に伸縮性を有しており、
腹側シート部材及び背側シート部材の少なくとも一方の下縁部に該下縁部から物品横方向中央線側に延出させた状態に、物品縦方向に伸縮性を有する第3シート部材が連結されており、
第3シート部材は、前記吸収性本体と重なる部分を、前記物品横方向中央線側に向かって伸長させた状態で該吸収性本体と接合されており、該吸収性本体の近傍に、吸収性本体に近づくに連れて物品縦方向の長さが漸増する部分を有しているパンツ型吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収性本体は、吸収性コアと該吸収性コアを被覆するコアラップシートからなる吸収体を含み、第3シート部材に、該吸収性コアを収縮させないように物品縦方向の収縮力を調整した領域を設けた請求項1記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項3】
第3シート部材は、2枚のシート及びそれらの間に伸長状態で固定された複数本の弾性部材を有する伸縮性シートからなり、該弾性部材は物品縦方向に配向している、請求項1又は2記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収性本体は、吸収性コアと該吸収性コアを被覆するコアラップシートからなる吸収体を含み、前記第3シート部材は、該吸収性本体における、該吸収性コアから延出し物品縦方向に伸縮性を有する側部フラップ部に接合されている、請求項1〜3の何れか1項記載のパンツ型吸収性物品。
【請求項5】
請求項1記載のパンツ型吸収性物品の製造方法であって、
前記腹側シート部材の連続体及び前記背側シート部材の連続体の少なくとも一方に、第3シート部材として用いる伸縮性シートを連結する工程、
第3シート部材として用いる前記伸縮性シートを、その流れ方向において部分的に物品縦方向に相当する方向に伸長させ、伸長させた部分に、前記吸収性本体を重ねて接合する工程を具備するパンツ型吸収性物品の製造方法。
【請求項6】
請求項2に記載のパンツ型吸収性物品の製造方法であって、
第3シート部材として用いる伸縮性シートにおける、前記吸収性コアと重ねる部分の収縮力を消失又は低減させる収縮力調整工程を具備する請求項5記載のパンツ型吸収性物品の製造方法。
【請求項7】
前記伸縮性シートの伸長は、前記腹側シート部材の連続体又は前記背側シート部材の連続体に該伸縮性シートを連結した後に行う請求項5又は6記載のパンツ型吸収性物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンツ型吸収性物品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パンツ型吸収性物品として、外包材が、着用者の腹側に配される腹側シート部材と、着用者の背側に配される背側シート部材とに分割されており、吸収性本体が、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡すように固定されていると共に、腹側シート部材の左右の両側縁部と背側シート部材の左右両側縁部とを接合して、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型に形成したパンツ型吸収性物品が知られている。
例えば、特許文献1には、そのようなパンツ型吸収性物品として、前ベルト部分及び後ろベルト部分からなる環状弾性ベルトと吸収性本体とを備えると共に、後ろベルト部分(背側シート部材)の縦方向の長さを、前ベルト部分(腹側シート部材)の縦方向の長さよりも長くしたプルオン衣類が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、腹側シート部材及び背側シート部材にスリット又は細長状開口からなる離間部を形成し、離間部より股間部側が、ウエスト側へ向かって斜め方向に引き上がられた状態とした使い捨ておむつが記載されている。
また、特許文献3には、前身頃用又は後身頃用の外装シートを、おむつの幅方向中央部で吸収性本体に対し股下側方向に伸長状態で接合されることによって、おむつ幅方向中央部の長手方向寸法が、おむつ幅方向両側部の長手方向寸法よりも長くなっている紙おむつが記載されている。この紙おむつでは、前身頃用又は後身頃用の外装シートが、おむつ長手方向に伸縮可能な素材を使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−508082号公報
【特許文献2】特開2010−162277号公報
【特許文献3】特開2009−247418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
外包材が、着用者の腹側に配される腹側シート部材と、着用者の背側に配される背側シート部材とに分割されている外包材前後分割型のパンツ型吸収性物品は、長さ方向に幅が一定の帯状のシート部材を、腹側シート部材及び背側シート部材に用いたり、1本の幅広シートを、切断点を該幅広シートの幅方向に移動させながら切断して2本に分割したものを腹側シート部材及び背側シート部材として用いることによって、切取り損失(トリムロス)を最小化することができる。
しかし、特許文献1のプルオン衣類のように、幅が一定の帯状のシート部材を用いた場合には、着用者の前側においては、吸収性本体の両側縁の外方に着用者の鼠蹊部近傍が露出し、着用者の後側において吸収性本体の両側縁の外方には着用者の臀部が大きく露出し、いずれの場合も漏れに対する不安感を与え易いという問題がある。他方、幅広シートを2本に分割して腹側シート部材及び背側シート部材として用いる方法は、一方の形状が他方の形状を制約するという問題がある。
【0006】
特許文献2には、特許文献2の使い捨ておむつは、脚開口部の縁を鼠蹊部や臀部の周囲に沿った形状にできると記載されているが、特許文献2の使い捨ておむつにおいては、スリット又は細長状開口の存在により、腹側シート部材又は背側シート部材による着用者の胴回りの締め付け力等の設計の制約になる。しかも、特許文献2の使い捨ておむつにおいては、離間部より股間部側の領域の変形の自由度が劣り、腹側シート部材又は背側シート部材を無理におむつ縦方向に拡げたりした場合には、スリット又は細長状開口の端部に破れが生じたり、着用者の胴回りを締め付ける本来の機能を悪化さたり、漏れやすい印象を一層与えやすくなる。
特許文献3には、脚周りのラインに沿って湾曲する脚周りのフィット性と脚周り部からの体液の漏れ防止効果が向上することが記載されているが、腹側シート部材又は背側シート部材を吸収性本体に対し股下側方向に伸長状態で接合しており、腹側シート部材又は背側シート部材のおむつ幅方向への伸縮性に影響したり、接合時の長手方向の伸長によってウエスト部に下方への引っ張り力が発現し、ズレ落ち易くなったりする。
【0007】
従って、本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得るパンツ型吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、着用者の腹側に配される腹側シート部材と、着用者の背側に配される背側シート部材と、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡して固定された吸収性本体とを具備し、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型吸収性物品であって、前記腹側シート部材及び背側シート部材は、物品横方向に伸縮性を有しており、腹側シート部材及び背側シート部材の少なくとも一方は、物品横方向中央線側に、物品縦方向に伸縮性を有する第3シート部材が連結されており、第3シート部材は、前記吸収性本体と重なる部分を、前記物品横方向中央線側に向かって伸長させた状態で該吸収性本体と接合されており、該吸収性本体の近傍に、吸収性本体に近づくに連れて物品縦方向の長さが漸増する部分を有しているパンツ型吸収性物品を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製造時におけるトリムの発生を抑制又は低減可能であるとともに、鼠蹊部や臀部の被覆性、装着性及び漏れ防止性に優れたパンツ型吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の第1実施形態であるパンツ型使い捨ておむつを示す斜視図である。
図2図2は、図1に示すおむつの展開状態を吸収性本体側から見た展開平面図である。
図3図3は、第3シート部材として好ましく用いられる伸縮性シートの一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のIII−III線拡大断面図である。
図4図4は、第3シート部材として好ましく用いられる伸縮性シートの他の例を示す平面図であり、(a)は自然状態(収縮状態)、(b)は一部を幅方向に伸長させた状態を示す図である。
図5図5は、図4に示す伸縮性シートの製造工程の説明図である。
図6図6は、図1に示すおむつの好ましい製造方法の説明図である。
図7図7は、第3シート部材として好ましく用いられる伸縮性シートの更に他の例を示す平面図であり、(a)は自然状態(収縮状態)、(b)は一部を幅方向に伸長させた状態を示す図である。
図8図8は、第3シート部材として好ましく用いられる伸縮性シートの更に他の例を示す平面図であり、(a)は自然状態(収縮状態)、(b)は一部を幅方向に伸長させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明のパンツ型吸収性物品をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の第1実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ1(以下、おむつ1ともいう)は、図1に示すように、着用者の腹側に配される腹側シート部材2Aと、着用者の背側に配される背側シート部材2Bと、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bに架け渡して固定された吸収性本体3とを具備する。また、おむつ1は、着用時に、着用者の腹側に配される腹側部Aと着用者の背側に配される背側部Bとその間に配される股下部Cを有しており、物品幅方向Yにおける腹側部Aの両端部と背側部Bの両端部とが接合されて一対のサイドシール部S,Sが形成されている。また、この接合によって、ウエスト開口部WO及び一対のレッグ開口部LOが形成されている。
【0012】
おむつ1における腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bは何れも、図2に示すように、おむつの外面をなす外層シート22と、外層シート22の内面側に配された内層シート23と、両シート22,23間に配された複数本の糸状の弾性部材24とを備えており、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれに、ウエスト伸縮部G1及び胴回り伸縮部G2が形成されている。複数本の弾性部材24は、物品横方向Yに配向しており、ウエスト伸縮部G1及び胴回り伸縮部G2は、何れも物品横方向Yに伸縮性を有している。
【0013】
ウエスト伸縮部G1は、ウエスト開口部Woの開口周縁部に形成されている。また、ウエスト伸縮部G1は、物品縦方向Xにおいて、吸収性本体3の同方向の両端3a,3bそれぞれより外方に形成されている。
ウエスト開口部Woの開口周縁部は、例えば、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれにおいて、ウエスト開口部Woの周縁端Weからの距離が3cm以内の範囲である。
胴回り伸縮部G2は、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれにおいて、ウエスト伸縮部G1と前記下縁部2dとの間に形成されている。
物品縦方向とは、着用者の腹側に配される部分から股間に配される部分を経て背側に配される部分に至る方向であり、通常、吸収性本体3の長手方向と一致している。他方、物品横方向Yは、図2に示すように、おむつの展開状態において、物品縦方向Xと直交する方向であり、図1に示すように、腹側部Aの両側部と背側部Bの両側部とを連結されて形成された筒状の胴回り部においては、その周方向と一致している。
【0014】
ウエスト伸縮部G1及び胴回り伸縮部G2は、それぞれ、物品横方向Yにおける、少なくとも、吸収性本体3の両側縁それぞれより外方に位置する部分において伸縮性を発現することが好ましい。また、ウエスト伸縮部G1は、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのサイドシール部S,S間の全長に亘って伸縮性を発現することが好ましい。
本実施形態におけるウエスト伸縮部G1及び胴回り伸縮部G2を形成する弾性部材24は、吸収性本体3を横断して、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bの全幅に亘って延びているが、胴回り伸縮部G2を形成する弾性部材24は、吸収性本体3の幅方向中央部と重なる部分においては、熱処理等により弾性部材の弾性を喪失させたり、弾性部材を切断したりする等により、該部分では弾性部材24が腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bに伸縮性を付与しないようにすることが好ましい。
【0015】
腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bを構成する2枚のシート22,23間は、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bそれぞれの実質的に全域において接着剤で固定されていても良いし、特開2005−80859号公報に記載の弾性伸縮部材における2枚のシート材間のように、弾性部材24を通らないように散点状に形成された多数の接合部において接合されていても良い。
【0016】
おむつ1における腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bは、何れも、弾性部材24を伸長させて平面状に拡げた状態においては、横長の長方形状をなしており、物品縦方向Xの長さLa,Lbが、物品横方向Yの全長に亘って均一である。
【0017】
腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bは、それぞれ、物品縦方向Xに沿う一対の側縁部2a,2bを有し、一対のサイドシール部S,Sにおいては、該一対の側縁部2a,2bどうしが接合されている。具体的には、腹側シート部材2Aの側縁部2aと背側シート部材2Bの側縁部2aとが接合され、且つ腹側シート部材2Aの側縁部2bと背側シート部材2Bの側縁部2bとが接合されている。
【0018】
腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bは、弾性部材24を延ばして平面状に拡げた状態において矩形状であり、それぞれ、おむつ横方向Yに沿う一対の端縁部として、ウエスト開口部WO側に位置する上縁部2cと、物品横方向中央線Ly側に位置する下縁部2dとを有している。物品横方向中央線Lyとは、物品を、物品横方向Yに延びる中央線であって、物品縦方向Xの物品の全長を2等分する中央線である。物品縦方向中央線Lxとは、物品を、物品縦方向Xに延びる中央線であって、物品横方向Yの物品の全長を2等分する中央線である。
そして、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bは、それぞれにおける物品の横方向中央線Ly側に、物品縦方向Xに伸縮性を有する第3シート部材4A,4Bが連結されている。第3シート部材4A,4Bは、それぞれ腹側シート部材2Aおよび背側シート部材2Bと物品横方向Yに同じ長さで形成されている。
より具体的には、腹側シート部材2Aの下縁部2dと第3シート部材4Aの上縁部4cとが接合されており、背側シート部材2Bの下縁部2dと第3シート部材4Bの上縁部4cとが接合されている。腹側シート部材2Aの下縁部2dと第3シート部材4Aの上縁部4c、及び背側シート部材2Bの下縁部2dと第3シート部材4Bの上縁部4cとの接合態様としては、図2等に示すように、腹側シート部材2A又は背側シート部材2Bの吸収性本体側の面に、第3シート部材4A又は4Bを重ねて接合しても良いし、腹側シート部材2A又は背側シート部材2Bのおむつ外面側の面に第3シート部材4A又は4Bを重ねて接合しても良い。また、腹側シート部材2A又は背側シート部材2Bを構成する2枚のシート間に、第3シート部材4A又は4Bを挟んで、それらの層間を接合しても良い。
【0019】
図3は、第3シート部材4A,4Bとして好ましく用いられる伸縮性シートの一例を示す図である。
図3に示す伸縮性シート4は、2枚のシート5,6の間に複数本の糸状弾性体7が、それぞれ、シート5,6の幅方向X’に伸長させた状態で接着固定された伸縮性シートであり、2枚のシート5,6を平面状に拡げた状態においては、物品横方向Yに相当する伸縮性シート4の長さ方向に長い横長の長方形状であり、弾性部材は物品縦方向Yに配向している。伸縮性シート4における複数本の糸状弾性体7は、物品横方向Yに相当する伸縮性シート4の長さ方向Y’に所定間隔を置いて配置され、且つそれぞれ物品縦方向Xに相当する伸縮性シート4の幅方向X’に伸長された状態でシート5,6間に固定されている。それにより、伸縮性シート4は物品縦方向Xに伸縮性を有している。
また、伸縮性シート4は、第3シート部材4A,4Bとしてパンツ型吸収性物品に用いられたときに、第3シート部材4A,4Bそれぞれの物品縦方向Xの両端部に位置する端部領域41,43に、2枚のシート5,6間が接着剤で接合された端部接合部9,9を有しており、端部領域41,43間に位置する中央領域42に、2枚のシート5,6間が接着剤で接合された複数本の中央接合部10を有している。端部接合部9の幅W1は、中央接合部10の幅W2よりも広いことが好ましい。端部接合部9は、所定の幅を有する帯状の領域として形成されており、中央接合部10は、中央領域42に直線状に複数本形成されている。
【0020】
本実施形態における端部接合部9及び中央接合部10は、それぞれ、接着剤、好ましくはホットメルト接着剤によりシート5,6間が接合された部分であり、それぞれ、物品横方向Yに相当する伸縮性シート4の長手方向Y’に延びるように形成されている。また、複数本の糸状弾性体7は、一方の端部領域41の端部接合部9から他方の端部領域43の端部接合部9に亘って配されており、一対の端部接合部9,9及びそれらの間の複数本の中央接合部10のそれぞれと重なる部分を有している。そして、糸状弾性体7は、端部接合部9及び中央接合部10と重なる部分においては、接着剤を介して2枚のシート5,6間に挟まれた状態に固定されている。換言すれば、端部接合部9及び中央接合部10のそれぞれにおける糸状弾性体7と重なる部分においては、それらの糸状弾性体7が、シート5,6どうし間に接着剤を介して固定されており、端部接合部9及び中央接合部10のそれぞれにおける糸状弾性体7と重ならない部分においては、シート5,6どうし間が接着剤を介して直接接合されている。端部接合部9及び中央接合部10においては、糸状弾性体7と、それを挟む2枚のシート5,6の一方又は両方との間が接着剤で接合されていることが好ましい。
【0021】
また、端部接合部9及び中央接合部10は、物品縦方向Xに相当する伸縮性シート4の幅方向X’に所定の間隔を置いて形成されており、隣り合う端部接合部9と中央接合部10との間、及び隣り合う中央接合部10どうし間は、シート5,6間に接着剤が配されていない非接着領域となっている。それらの非接着領域では、糸状弾性体7はシート5,6に対して非固定状態となっている。
2枚のシート5,6を平面状に拡げた状態においては、中央領域42における糸状弾性体7は、伸長状態となっており、平面状に拡げた外力を除去すると、糸状弾性体7が配されている中央領域42が収縮し、伸縮性シート4も、その幅方向に収縮する。糸状弾性体7は、その長手方向の端部又はその近傍が、端部接合部9に固定されている。
【0022】
シート5,6どうしの接着及び該シート間への糸状弾性体7の固定に使用する接着剤としては、この種の伸縮性シート(ウエストパネル)において各部材間を接合するのに使用されているものを特に制限無く用いることができ、例えば、非晶性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体(EEA)、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等の熱可塑性ポリマー及びそれらの混合物等が挙げられる。前記接着剤はホットメルト型(ホットメルト接着剤)が好ましい。
【0023】
中央接合部10の幅W2は、好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは1mm以上であり、また、好ましくは5mm以下、更に好ましくは2mm以下であり、また、好ましくは0.5mm以上5mm以下、更に好ましくは1mm以上2mm以下である。
端部接合部9の幅W1は、前述したように、中央接合部10の幅W2よりも広いことが好ましく、例えば、端部接合部9の幅W1は、中央接合部10の幅W2の、好ましくは2倍以上、更に好ましくは4倍以上であり、また、好ましくは40倍以下、更に好ましくは20倍以下である。端部接合部10の幅W1は、好ましくは2mm以上20mm以下であり、更に好ましくは4mm以上10mm以下である。
端部接合部9と中央接合部10との間の幅W3及び中央接合部10どうし間の幅W4は、それぞれ独立に、好ましくは1mm以上、更に好ましくは2mm以上であり、また、好ましくは30mm以下、更に好ましくは20mm以下であり、また、好ましくは1mm以上30mm以下、更に好ましくは2mm以上20mm以下である。
また、糸状弾性体7どうし間の距離W5は、好ましくは1mm以上、更に好ましくは3mm以上であり、また、好ましくは50mm以下、更に好ましくは30mm以下であり、また、好ましくは1mm以上50mm以下、更に好ましくは3mm以上30mm以下である。
また、物品縦方向に間欠配置された中央接合部10の本数は、好ましくは2本以上、更に好ましくは3本以上であり、また、好ましくは20本以下、より好ましくは10本以下であり、また、好ましくは2本以上20本以下、更に好ましくは3本以上10本以下である。
【0024】
おむつ1における吸収性本体3は、図1又は図2に示すように、液透過性の表面シート31、液不透過性又は撥水性の裏面シート32、及び両シート31、32間に介在配置された吸収性コア33を有している。吸収性コア33は、パルプ繊維等の繊維の集合体(不織布であっても良い)又はこれに吸水性ポリマーの粒子を保持させてなり、該吸収性コア33の表裏両面は、図示しないコアラップシートによって被覆されている。コアラップシートとしては、透水性の薄葉紙(ティッシュペーパー)や不織布等が用いられる。
【0025】
また、吸収性本体3の両側部には、一対の立体ガード形成用シート34,34が配されている。立体ガード形成用シート34は、物品縦方向中心線Lx寄りの端縁近傍に、立体ガード形成用の弾性部材35を有し、おむつの着用時には、その弾性部材35の収縮力により、該端縁から所定幅の部分が表面シート31から離間するように起立して立体ガードを形成する。
また、吸収性本体3の両側部には、側部フラップ部36が形成されている。側部フラップ部36は、吸収性コア33の側縁33aより物品幅方向Y外方に延出したシート材及び該シート材に固定されたギャザー形成用の糸状の弾性部材37からなり、おむつの着用時には、その弾性部材37の収縮力によりギャザーが形成され、脚周りに対して良好にフィットする。
【0026】
図4は、第3シート部材4A,4Bとして用いられる伸縮性シートの他の例を示す図である。
図4に示す伸縮性シート4’は、前述した伸縮性シート4に、吸収性コア33を収縮させないように、物品縦方向Xに相当する伸縮性シートの幅方向X’の収縮力を調整した領域R2を設けたものである。
前記領域R2は、物品横方向Yに相当する伸縮性シートの長手方向Y’の中央部に形成されており、該領域R2においては、伸縮性シートの幅方向X’の収縮力を、該吸収性コア33を収縮させないように消失又は低下させてある。
より具体的には、伸縮性シート4’は、前述した伸縮性シート4における、吸収性本体3と重なる範囲R3及びその隣接部位RSからなる一定の範囲R2の中央接合部10を無くすとともに該範囲R2における糸状弾性体7を切断したものであり、それ以外の構成は、前述した伸縮性シート4と同様である。
【0027】
第1実施形態のおむつ1における第3シート部材4A,4Bは、この伸縮性シート4’からなり、図4(b)に示すように、第3シート部材4A,4Bは、前記領域R2における特に吸収性コア33と重なる範囲R33が、矢印Pで示す物品横方向中央線Ly側に向かって伸長させた状態で該吸収性本体3と接合されている。また、それによって、おむつ1に組み込まれた状態の第3シート部材4A,4Bには、図2に示すように、物品横方向Yにおける、吸収性本体3の近傍に、吸収性本体3に近づくに連れて物品縦方向Xの長さが漸増する部分E,Eが形成されている。なお、第3シート部材4A,4Bそれぞれの前記部分E,Eの下縁部4dは、吸収性本体3に近づくにつれて、物品の横方向中央線Lyに近づいている。
【0028】
本実施形態のおむつ1は、通常のパンツ型使い捨ておむつと同様に着用することができる。
<腹側部側又は背側部側に第3シート部材を設けた場合の効果>
本実施形態のおむつ1によれば、第3シート部材が縦方向に収縮し、使用者の体型に沿った形状に変形するため、違和感が無く履き心地が優れると共に、サイド部の形状は収縮し外形がスッキリとする。
特に、物品横方向に伸縮性を有する腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bとは別に、物品縦方向に伸縮性を有する第3シート部材4A,4Bを用い、その第3シート部材4A,4Bを伸長させて、上記部分E,E等の脚周りの形状を形成しているため、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bを物品縦方向に伸長させた場合に比較して、ウエスト開口部Woの周縁端Weやウエスト伸縮部G1が下方にずれるといった、おむつのズレ落ちが生じにくく、装着感や漏れ防止性の悪化といった弊害も生じにくい。
【0029】
<背側部側に第3シート部材を設けた場合の効果>
本実施形態のおむつ1によれば、物品縦方向Xに伸縮性を有する第3シート部材4Bの一部を伸長させて吸収性本体3に固定し、それによって、背側部B側における、第3シート部材4Bの吸収性本体3の近傍に、吸収性本体3に近づくに連れて物品縦方向Xの長さが漸増する部分E,Eを形成してあるため、幅広となった部分を有する第3シート部材4Bが、臀部を包むように湾曲して臀部の被覆性に優れる上に、トリムを発生させることなく製造することも可能である。
<腹側部側に第3シート部材を設けた場合の効果>
また、本実施形態のおむつ1によれば、物品縦方向Xに伸縮性を有する第3シート部材4Aの一部を伸長させて吸収性本体3に固定し、それによって、腹側部A側における、第3シート部材4Aの吸収性本体3の近傍に、吸収性本体3に近づくに連れて物品縦方向Xの長さが漸増する部分E,Eを形成してあるため、前から見た場合に、褌(ふんどし)のような形状とならず、肌の露出が少なくなり、外観に優れる上に、トリムを発生させることなく製造することも可能である。また、側部フラップ部36の、物品縦方向の中央側に向かう、より広い範囲が覆われるため、脚周りに形成されるギャザーが良好にフィットし防漏性が増す。
【0030】
第3シート部材4A,4Bにおける、吸収性本体3に近づくに連れて物品縦方向の長さが漸増する部分E,Eは、吸収性本体3の側縁からの距離が30mm以内の範囲に、少なくともその一部を有することが好ましい。また、吸収性本体3に近づくに連れて物品縦方向の長さが漸増する部分E,Eは、吸収性本体3の側縁とサイドシール部との間の全域において第3シート部材の物品縦方向の長さが漸増している場合の一部分であっても良い。
【0031】
臀部の被覆性又は鼠蹊部の被覆性等の観点から、第3シート部材4A及び第3シート部材4Bは、それぞれ独立に、物品縦方向Xの長さが最大の部位と物品縦方向の部位が最小の位置との間の物品縦方向Xの距離Le(図2参照)が、好ましくは10mm以上、更に好ましくは20mm以上であり、また、好ましくは150mm以下、更に好ましくは100mm以下であり、また、好ましくは10mm以上150mm以下、更に好ましくは20mm以上100mm以下である。
前記距離Leは、弾性体を含む腹側シート部材、背側シート部材を平面状に広げ、かつ、第3シート部材が自然に収縮した状態で測定する。なお、腹側シート部材、背側シート部材、及び第3シート部材(伸縮性シート4)の、前記距離Le以外の部分の寸法は、各シート部材を、弾性部材を伸長させて平面状に拡げた状態で測定する。
【0032】
また、本実施形態のおむつ1においては、第3シート部材4A,4Bに、吸収性コア33を収縮させないように物品縦方向Xの収縮力を調整した領域R2を設けてある。
そのため、吸収性コア33が物品縦方向に収縮して変形することにより生じるフィット感の悪化や吸収性能の低下を防止することができる。このような効果は、第3シート部材4A又は4Bにおける吸収性コア33と重なる部分のみの収縮力を、該吸収性コア33を収縮させないように低下させた場合にも奏される。
【0033】
第3シート部材4A,4Bにおける、収縮力を調整する領域R2、より具体的には収縮力を消失又は低下させる領域R2の物品横方向Yの長さW6は、それぞれが連結される腹側シート部材又は背側シート部材における物品横方向Yの全長(一対のサイドシール部間の長さに同じ)の、好ましくは10%以上、更に好ましくは20%以上であり、また、好ましくは80%以下、更に好ましくは70%以下であり、また、好ましくは10%以上80%以下、更に好ましくは20%以上70%以下である。
また、前記長さW6は、第3シート部材4A又は4Bと重なる部位における、吸収性本体3の物品横方向Yの全長に対して、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上であり、また、好ましくは150%以下、更に好ましくは120%以下であり、また、好ましくは80%以上150%以下、更に好ましくは90%以上120%以下である。
また、前記長さW6は、第3シート部材4A又は4Bと重なる部位における、吸収性コア33の物品横方向Yの全長に対して、好ましくは95%以上、更に好ましくは100%以上であり、また、好ましくは175%以下、更に好ましくは145%以下であり、また、好ましくは95%以上175%以下、更に好ましくは100%以上145%以下である。
【0034】
また、本実施形態のおむつ1においては、第3シート部材4A及び第3シート部材4Bは、吸収性コア33と重なる範囲R33のみならず、吸収性本体3と重なる範囲R3における収縮力を消失させてある。そのため、側部フラップ部36の伸縮力が締まり過ぎ、フィット感を損なうことを防止できる。
【0035】
更に、本実施形態のおむつ1においては、第3シート部材4A及び第3シート部材4Bは、吸収性本体3と重なる範囲R3に加えて、その隣接部位RSにおける収縮力も消失させてある。吸収体本体3と重なる部分R3に加えて、その隣接部位RSについても、縦方向の収縮力を低下又は低下させると、当該部分の収縮力の開放により生地のサイズが大きくなるためゆったりと着用でき、特に大きいサイズの使用者の適用サイズに応じることができるなど、第3シート部材4A,4B自体を変更せずにフレキシブルに商品設計ができる。
【0036】
また、本実施形態におけるように、吸収体本体3と重なる部分R3の隣接部位RSの物品縦方向の収縮力を調整して、前述した第3シート部材4A,4Bの物品縦方向Xの長さが漸増する部分E,Eの物品縦方向の収縮力を低下又は消失させると、第3シート部材4A,4Bを、図4(b)中の矢印P方向に引っ張ることによる、腹側シート部材2Aや背側シート部材2Bへの縦方向への力の影響を、低下又は消失させることができるため、着用時におむつが一層ズレ落ちにくくなる。
【0037】
なお、吸収体本体3と重なる部分R3の隣接部位RS、あるいは第3シート部材4A,4Bにおける前記物品縦方向Xの長さが漸増する部分E,Eの収縮力を低下させる方法としては、伸縮性シート4における複数本の中央接合部10を残しておき、糸状弾性体7を、隣接する中央部接合部10間の複数の領域のうちの一部の領域のみで切断する方法等が挙げられる。
【0038】
吸収性本体3と重なる範囲に加えてその隣接部位RSの収縮力を消失又は低下させる場合、収縮力を消失又は低下させる隣接部位RSの幅W7(物品横方向の長さ)は、吸収性本体3の側縁とサイドシール部との間の距離の、好ましくは5%以上、更に好ましくは 10%以上であり、また、好ましくは70%以下、更に好ましくは50%以下であり、また、好ましくは5%以上70%以下、更に好ましくは10%以上50%以下である。
【0039】
本発明における第3シート部材4A,4Bは、それぞれ、吸収性本体3と重なる部分の全域が、接着剤等によって、吸収性本体3と接合されていても良いし、吸収性本体3と重なる部分の一部が、接着剤等によって、吸収性本体3と接合されていても良い。
本実施形態のおむつ1においては、第3シート部材4A,4Bは、それぞれ、吸収性本体3における、吸収性コア33から延出し、物品縦方向Xに伸縮性を有する側部フラップ部36に接合されている。斯かる構成により、太腿の周囲に対するフィット性が向上する。なお、図2中、斜めのハッチング部が、第3シート部材4A,4Bと側部フラップ部36とが接合されている領域である。
【0040】
また、本実施形態のおむつ1においては、第3シート部材4A,4Bのそれぞれにおける左右の側部フラップ部どうし間も全域に亘って吸収性本体23に接着剤により接合されている。また、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bも、吸収性本体3が重なる部分を有し、吸収性本体3と重なっている部分の全域が該吸収性本体3と接着剤により接合されている。但し、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bと吸収性本体3との接合態様、第3シート部材4A,4Bと吸収性本体3との接合態様は、上記の態様に制限されず、適宜の態様で接合することができる。
なお、吸収性本体3は、その全幅(物品横方向の長さ)に対して、第3シート部材4A又は4Bと接合されている領域の幅(物品横方向の長さ)が、好ましくは70%以上、更に好ましくは85%以上であり、また、好ましくは100%以下であり、また、好ましくは80%以上100%以下、更に好ましくは90%以上100%以下である
【0041】
また、本実施形態のおむつ1によれば、通気効果により湿気を逃がしやすいという効果も奏される。即ち、第3シート部材4,4’は、収縮により、図3(b)の横断面形状のように凹凸形状を成すため、肌との接触が少なくこすれなどの違和感が起こりにくくなると共に、肌との非接触部の空間による通気効果により湿気がこもりにくい。またこの通気効果は、動きの多い足元に第3シート部材4,4’を設けることによって、圧縮・開放動作よる凹凸素材のふいご効果が発生し、より一層の効果を発現できる。
【0042】
本発明のパンツ型吸収性物品は、腹側シート部材2Aと連結する第3シート部材4A又は背側シート部材2Bと連結する第3シート部材4Bとして、図3に示す伸縮性シート4のように、吸収性本体3の側部シート部36と重なる部分に物品縦方向に対応する方向X’に伸縮性を有するものを用いることも好ましい。斯かる伸縮性シートとしては、吸収性コア33と重なる部分のみの伸縮性を消失又は低減させたものを用いることもできる。
これらの場合、縦方向に力が作用するのでフィット性が良好でズレ落ちを防止する効果が生まれる。即ち、吸収体は横方向に伸張可能な腹側シート部材、背側シート部材、及び縦方向に伸張可能な第3シート部材上に載置されているので吸収体がフレキシブルに稼動可能となりフィット性が良好となる。特に使用者の動作時には、第3シート部材の縦方向への伸張が有効に作用し、腹側シートと背側シートの横方向に加わるズレ落ち防止力を損なうことなく脚周りの追従性が機能する。
【0043】
次に、本発明のパンツ型吸収性物品の製造方法の一実施態様について、上述したパンツ型使い捨ておむつ1を製造する場合を例にして説明する。
(第3シート部材として用いる伸縮性シートの製造)
本発明の好ましい一実施態様においては、先ず第3シート部材4A,4Bとして用いる伸縮性シート4’を製造する。
伸縮性シート4’を製造するには、先ず、図5(a)に示すような、長手方向に間欠的に中央接合部10が存在しない領域R1を有する伸縮性シート4Mを製造する。伸縮性シート4Mは、例えば、特開2011−282594号公報に記載の伸縮性シートの製造装置や、特開2012−090836号公報、特開2011−282594号公報等に記載の伸縮性シートの製造方法を用いて、一対の帯状シートの間に糸状弾性体を該帯状シートの搬送方向と交差する方向に伸長した状態に固定した伸縮性シートを連続的に製造するに当たり、一対の帯状シートの一方又は双方に、得られる伸縮性シートに図4図5(a)に示す態様で端部接合部9及び中央接合部10が形成されるように接着剤を塗工することによって製造することができる。
次いで、図5(b)に示すように、得られた伸縮性シート4Mにおける、中央接合部10をなくした領域R1の糸状弾性体7を切断し、伸縮性シート4Mにおける、吸収性コアと重ねる部分の収縮力を消失又は低減させる(収縮力調整工程)。この糸状弾性体7の切断は、複数の凸部を相互に離間した状態に有する加圧部を周面に備えた加圧ロール等を用いて、シート間に挟まれた糸状弾性体7をシートの上から加圧して行う。図中、符号71で示す黒丸が、加圧部の凸部によるシートの加圧部位であり、当該加圧部位において糸状弾性体7が切断される。
このようにして、幅方向の収縮性が消失又は低下した領域R2を、長さ方向に間欠的に有する帯状の伸縮性シート4’が得られる。
【0044】
(連結工程)
次いで、図6(a)及び(b)に示すように、公知の方法により製造した腹側シート部材の連続体2A’及び背側シート部材の連続体2B’を、それぞれ連続搬送させながら、それらの両連続体2A’,2B’に対して、前述のようにして製造した帯状の伸縮性シート4’,4’をそれぞれ連結させる。両連続体2A’,2B’と伸縮性シート4’との連結は、伸縮シート4における、完成したおむつにおいて第3シート部材の上縁部4cとなる側の側縁部4c’と、両連続体2A’,2B’における、完成したおむつにおいて腹側又は背側シート部材2A,2Bの下縁部2dとなる側の側縁部2d’とを重ねて接合する。この接合には、接着剤、熱シール、超音波シール、高周波シール又はこれらの組み合わせ等の適宜の接合方法を採用し得る。
この連結工程により、腹側シート部材の連続体2A’に伸縮性シート4’が連結した腹側連結複合シートA’及び背側シート部材の連続体2B’に伸縮性シート4’が連結した背側連結複合シートB’が得られる。
【0045】
(伸長工程)
次いで、連結工程で得られた腹側連結複合シートA’及び背側連結複合シートB’のそれぞれにおける伸縮性シート4’の前記領域R2を、腹側シート部材の連続体2A’又は背側シート部材の連続体2B’からなる部分から離れる矢印P方向に伸長させる。この伸長方向は、おむつ1における物品縦方向Xに相当する方向である。
伸縮性シート4’の前記領域R2を伸長させる方法としては、伸縮性シート4’における前述した腹側連結複合シートA’又は背側連結複合シートB’に接合された側縁部4c’とは反対側の側縁部4d’における片面を、第1の吸着手段に吸着させるとともに、搬送方向に直交する方向において側縁部4d’から離間した部位の片面を、第2の吸着手段に吸着させた後、第1の吸着手段と第2の吸着手段との間隔を拡大させる方法等、任意の方法を採用し得る。
【0046】
(吸収性本体の固定工程)
そして、吸収性本体3を、伸縮性シート4’における伸長した前記領域R2上に配置し、吸収性本体3を、腹側連結複合シートA’及び背側連結複合シートB’に対して接合させる。この接合は、伸縮性シート4’における伸長した前記領域R2上に、吸収性本体3が接合して、伸縮性シート4’の伸長した状態が維持されるようにする。この接合には、好ましくは接着剤が用いられるが、接着剤に代えて、あるいは接着剤とともに他の接合方法を採用することもできる。なお、吸収性本体3は、腹側シート部材の連続体2A’及び背側シート部材の連続体2B’にも接合されている。
上述した実施形態のおむつ1は、このようにして得られた、おむつの連続体1’を、図6(e)に示すように、常法に従って、2つ折りした後、サイドシール部Sの形成及び切断を行うことによって得られる。
【0047】
本実施態様の製造方法によれば、鼠蹊部や臀部の被覆性等に優れた前述した使い捨ておむつ1を、脚回りに配される部分を所定形状に切断してトリムを発生させることなく効率よく製造することができる。
【0048】
おむつ1の形成材料について説明する。
外層シート22、内層シート23、伸縮性シート4のシート材5,6としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来用いられている各種のシート材を特に制限なく用いることができる。例えば、不織布を用いることが好ましく、不織布は、構成繊維が、単一樹脂の繊維に限られず、芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維などの複合繊維を用いることもできる。また、不織布としては、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布の単層の不織布又はこれらが2層以上に積層された積層不織布等を用いることもできる。また、外層シート22,内層シート23として、不織布とフィルムとを一体化したシート等を用いることもできる。
【0049】
表面シート31、裏面シート32、吸収性コア33及び立体ガード形成用シート34としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来用いられているもの等を、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート31としては、液透過性の不織布や、開孔フィルム、これらの積層体等を用いることができ、裏面シート32としては、樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。吸収性コア33は、例えば、パルプ等の繊維材料の繊維集合体又はこれに高吸収性ポリマーを担持させたものを用いることができる。立体ガード形成用シート34としては、伸縮性のフィルム、撥水性の不織布、織物又はそれらの積層シート等を用いることができる。
【0050】
弾性部材24,35,37及び糸状弾性体7の形成材料としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来用いられる各種の弾性材料を特に制限なく用いることができる。例えば、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。弾性部材の形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状(糸ゴム等)若しくは紐状(平ゴム等)のもの、又はマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を好ましく用いることができる。糸状弾性体7も、紐状(平ゴム等)のものであっても良い。
【0051】
以上、本発明のパンツ型吸収性物品及びパンツ型吸収性物品の製造方法は、上述した実施形態に制限されることなく、適宜に変更可能である。
例えば、第3シート部材として用いる伸縮性シートは、図7及び図8に示すように、中央接合部10に加えて、一方の端部接合部9を無くして、物品縦方向の収縮力を調整した領域R2を設けたものであっても良い。図7に示す伸縮性シートは、完成したおむつにおいて物品横方向中央線Lyに近い側の端部接合部9を残す一方、腹側又は背側シート部材2A,2Bに近い側の端部接合部9を無くしてあり、図8に示す伸縮性シートは、腹側又は背側シート部材2A,2Bに近い側の端部接合部9を残す一方、物品横方向中央線Lyに近い側の端部接合部9を無くしてある。図7及び図8に示す伸縮性シートは、上述の糸状弾性体7を切断したり、収縮力を消失又は低減させる収縮力調整工程を省略して、物品縦方向の収縮力を調整した領域R2を設けることができる。
図7及び図8に示す伸縮性シートを第3シート部材に用いた使い捨ておむつにおいても、上述したおむつ1と同様の効果が奏される。
【0052】
また、本発明のパンツ型吸収性物品は、前述した伸縮性シート4を第3シート部材に用いたものであっても良い。
また、第3シート部材として用いる伸縮性シートは、糸状弾性体を挟む2枚のシート5,6間が伸縮性シートの全域において接着されているものであっても良い。また、第3シート部材として、物品縦方向のみならず物品横方向にも伸縮性を有するものを用いても良い。
【0053】
また、上述した実施形態のおむつ1は、腹側シート部材2A及び背側シート部材2Bのそれぞれに第3シート部材4A,4Bが接合されていたが、腹側シート部材2Aのみに第3シート部材が連結されていても良いし、背側シート部材2Bのみに第3シート部材が連結されていても良い。
また、パンツ型吸収性物品は、幼児又は成人用のパンツ型使い捨ておむつの他、パンツ型(ショーツ型)の生理用ナプキンやパンツ型の失禁パッド等であっても良い。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
【0054】
上述した実施形態に関し、さらに以下のパンツ型吸収性物品及びパンツ型吸収性物品の製造方法を開示する。
<1>
着用者の腹側に配される腹側シート部材と、着用者の背側に配される背側シート部材と、腹側シート部材及び背側シート部材に架け渡して固定された吸収性本体とを具備し、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型吸収性物品であって、
前記腹側シート部材及び背側シート部材は、物品横方向に伸縮性を有しており、
腹側シート部材及び背側シート部材の少なくとも一方は、物品横方向中央線側に、物品縦方向に伸縮性を有する第3シート部材が連結されており、
第3シート部材は、前記吸収性本体と重なる部分を、前記物品横方向中央線側に向かって伸長させた状態で該吸収性本体と接合されており、該吸収性本体の近傍に、吸収性本体に近づくに連れて物品縦方向の長さが漸増する部分を有しているパンツ型吸収性物品。
【0055】
<2>
前記吸収性本体は、吸収性コアと該吸収性コアを被覆するコアラップシートからなる吸収体を含み、第3シート部材に、該吸収性コアを収縮させないように物品縦方向の収縮力を調整した領域を設けた前記<1>記載のパンツ型吸収性物品。
<3>
第3シート部材は、2枚のシート及びそれらの間に伸長状態で固定された複数本の弾性部材を有する伸縮性シートからなり、該弾性部材は物品縦方向に配向している、前記<1>又は<2>に記載のパンツ型吸収性物品。
<4>
伸縮性シートにおける複数本の糸状弾性体は、物品横方向に相当する伸縮性シートの長さ方向に所定間隔を置いて配置され、且つそれぞれ物品縦方向に相当する伸縮性シートの幅方向に伸長された状態でシート間に固定されている、前記<3>記載のパンツ型吸収性物品。
<5>
前記吸収性本体は、吸収性コアと該吸収性コアを被覆するコアラップシートからなる吸収体を含み、前記第3シート部材は、該吸収性本体における、該吸収性コアから延出し物品縦方向に伸縮性を有する側部フラップ部に接合されている、前記<1>〜<4>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<6>
第3シート部材の物品縦方向の両端部に位置する端部領域に、2枚のシート間が接着剤で接合された端部接合部を有しており、端部領域間に位置する中央領域に、2枚のシート間が接着剤で接合された複数本の中央接合部を有しており、端部接合部及び中央接合部はそれぞれ物品横方向Yに延びるように形成され、また端部接合部の幅W1は、中央接合部の幅W2よりも広い、前記<3>〜<5>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<7>
中央接合部の幅W2は、好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは1mm以上であり、また、好ましくは5mm以下、更に好ましくは2mm以下であり、また、好ましくは0.5mm以上5mm以下、更に好ましくは1mm以上2mm以下である、前記<6>記載のパンツ型吸収性物品。
<8>
端部接合部の幅W1は、中央接合部10の幅W2の、好ましくは 2倍以上、更に好ましくは4倍以上であり、また、好ましくは40倍以下、更に好ましくは20倍以下である、前記<6>又は<7>記載のパンツ型吸収性物品。
<9>
収縮力を調整した領域は、中央接合部を無くすとともに該領域における糸状弾性体を切断している、前記<6>〜<8>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
【0056】
<10>
前記漸増する部分の収縮力を低下させる方法は、第3シート部材における複数本の中央接合部は残しておき、糸状弾性体を、隣接する中央部接合部の複数の領域のうちの一部の領域のみで切断する、前記<6>〜<8>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<11>
前記第3シート部材の漸増する部分は、その下縁部が、吸収性本体に近づくにつれて、物品の横方向中央線Lyに近づいている、前記<1>〜<10>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<12>
前記第3シート部材の漸増する部分は、吸収性本体の側縁からの距離が30mm以内の範囲に、少なくともその一部を有する、前記<1>〜<11>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<13>
前記吸収性本体の側縁とサイドシール部との間の全域において前記第3シート部材の物品縦方向の長さが漸増している、前記<1>〜<12>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<14>
第3シート部材は、物品縦方向Xの長さが最大の部位と物品縦方向の部位が最小の位置との間の物品縦方向Xの距離Leが、好ましくは10mm以上、更に好ましくは20mm以上であり、また、好ましくは150mm以下、更に好ましくは100mm以下であり、また、好ましくは10mm以上150mm以下、更に好ましくは20mm以上100mm以下である、前記<1>〜<13>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<15>
第3シート部材における収縮力を調整する領域R2の物品横方向Yの長さW6は、連結される腹側シート部材又は背側シート部材における物品横方向Yの全長(一対のサイドシール部間の長さに同じ)の、好ましくは10%以上、更に好ましくは20%以上であり、また、好ましくは80%以下、更に好ましくは70%以下であり、また、好ましくは10%以上80%以下、更に好ましくは20%以上70%以下である、前記<2>〜<14>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<16>
第3シート部材における収縮力を調整する領域R2の物品横方向Yの長さW6は、第3シート部材と重なる部位における、吸収性本体の物品横方向Yの全長に対して、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上であり、また、好ましくは150%以下、更に好ましくは120%以下であり、また、好ましくは80%以上150%以下、更に好ましくは90%以上120%以下である、前記<2>〜<15>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<17>
第3シート部材における収縮力を調整する領域R2の物品横方向Yの長さW6は、第3シート部材と重なる部位における、吸収性コアの物品横方向Yの全長に対して、好ましくは95%以上、更に好ましくは100%以上であり、また、好ましくは175%以下、更に好ましくは145%以下であり、また、好ましくは95%以上175%以下、更に好ましくは100%以上145%以下である、前記<2>〜<16>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<18>
第3シート部材は、その収縮力を、吸収性本体と重なる範囲に加えて、その隣接部位も消失させている、前記<2>〜<16>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<19>
吸収性本体と重なる範囲に加えてその隣接部位の収縮力を消失又は低下させる場合、収縮力を消失又は低下させる隣接部位の幅W7(物品横方向の長さ)は、吸収性本体の側縁とサイドシール部との間の距離の、好ましくは5%以上、更に好ましくは 10%以上であり、また、好ましくは70%以下、更に好ましくは50%以下であり、また、好ましくは5%以上70%以下、更に好ましくは10%以上50%以下である、前記<2>〜<18>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
【0057】
<20>
前記腹側シート部材及び前記背側シート部材のそれぞれに前記第3シート部材が連結されている、前記<1>〜<19>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<21>
前記腹側シート部材及び前記背側シート部材は、パンツ型吸収性物品の外面をなす外層シートと、該外層シートの内面側に配された内層シートと、両シート間に配された複数本の糸状の弾性部材とを備えている、前記<1>〜<20>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<22>
前記腹側シート部材及び前記背側シート部材は、それぞれ、物品縦方向Xに沿う一対の側縁部を有し、該一対の側縁部どうしが接合された一対のサイドシール部を有している、前記<1>〜<21>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<23>
前記第3シート部材は、それぞれ腹側シート部材及び背側シート部材と物品横方向に同じ長さで形成されている、前記<1>〜<22>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<24>
前記パンツ型吸収性物品は、幼児又は成人用のパンツ型使い捨ておむつ、パンツ型(ショーツ型)の生理用ナプキン、パンツ型の失禁パッドである、前記<1>〜<23>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
【0058】
<25>
前記<1>記載のパンツ型吸収性物品の製造方法であって、
前記腹側シート部材の連続体及び前記背側シート部材の連続体の少なくとも一方に、第3シート部材として用いる伸縮性シートを連結する工程、
第3シート部材として用いる前記伸縮性シートを、その流れ方向において部分的に物品縦方向に相当する方向に伸長させ、伸長させた部分に、前記吸収性本体を重ねて接合する工程を具備するパンツ型吸収性物品の製造方法。
<26>
前記<2>に記載のパンツ型吸収性物品の製造方法であって、
第3シート部材として用いる伸縮性シートにおける、前記吸収性コアと重ねる部分の収縮力を消失又は低減させる収縮力調整工程を具備する、前記<25>記載のパンツ型吸収性物品の製造方法。
<27>
前記伸縮性シートの伸長は、前記腹側シート部材の連続体又は前記背側シート部材の連続体に連結した後に行う、前記<25>又は<26>に記載のパンツ型吸収性物品の製造方法。
<28>
前記伸縮性シートとして、一対の帯状シートの一方又は双方に、端部接合部及び中央接合部が形成されるように接着剤を塗工し、一対の帯状シートの間に糸状弾性体を該帯状シートの搬送方向と交差する方向に伸長した状態に固定した伸縮性シートを連続的に製造する、前記<25>〜<27>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品の製造方法。
<29>
前記伸縮性シートとして、前記長手方向に間欠的に中央接合部が存在しない領域を有するよう製造する、前記<27>又は<28>に記載のパンツ型吸収性物品の製造方法。
<30>
前記伸縮性シートの伸長は、該伸縮性シートの側縁部における片面を、第1の吸着手段に吸着させるとともに、搬送方向に直交する方向において該側縁部から離間した部位の片面を、第2の吸着手段に吸着させた後、第1の吸着手段と第2の吸着手段との間隔を拡大させて行う、前記<25>〜<29>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品の製造方法。
【符号の説明】
【0059】
1 パンツ型使い捨ておむつ(パンツ型吸収性物品)
2A 腹側シート部材
2B 背側シート部材
22 外層シート
23 内層シート
2c 上縁部
2d 下縁部
3 吸収性本体
31 表面シート
32 裏面シート
33 吸収性コア
4A,4B 第3シート部材
4c 上縁部
4d 下縁部
4,4’ 伸縮性シート
R2 収縮力を調整した領域
5,6 シート材
7 糸状弾性体
9 端部接合部
10 中央接合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8